2023.12.15
ベルテックスコラム事務局
ワンルームマンション投資の成功例を教えて!新築は失敗するは本当?
- マンション投資
- 不動産投資
不動産投資を検討している方から、しばしば「ワンルームマンション投資の成功例を聞きたい」という声が聞かれます。賢い資産形成の方法としてワンルーム投資を検討している方にとって「失敗」の二文字がよぎりつつ、「本当のところはどうなのか?」という心の声でしょう。
この記事では、ワンルームマンション投資の成功例を知りたい方に向け、実際のキャッシュフローを用いて成功例・失敗例をご紹介していきます。また、ワンルームマンション投資を成功させているオーナーや物件の共通点、成功させるためのポイントを解説します。ワンルームマンション投資「成功」の真偽について検証してみましょう。
ワンルームマンション投資は「成功しない」は本当か
まず、本題に入る前にワンルームマンション投資の「成功」と「失敗」がどういう状態を表すのか、それぞれの定義を明確にしておく必要があります。
ワンルームマンション投資の概要
ワンルームマンション投資とは、複数の世帯からなるマンションの1戸を購入し、賃貸することで収益を得る投資法です。入居者への安全で快適な住居の提供、また将来に向けて資産価値を保つため、「家賃収入」と「管理・修繕にかかる支出」をバランスよく運営することで、資産形成を目指します。
ワンルームマンション投資は小規模な住宅ユニット、かつ管理が比較的容易である点から、会社勤めしながら所有する人が増加傾向にあります。生活様式の変化や単身世帯数の増加により、サラリーマンによるワンルームマンション投資は昭和50年代から需要が旺盛になりました。
誰もが知る大手デベロッパーから地元の小規模な事業者まで、幅広い規模の事業者がワンルームマンション投資に参入しています。
物件の選択肢が「新築」「中古」、「都会」「地方」と多様性があることや、大きな資産となる可能性を秘めていることが長期に渡り投資家に愛され続ける秘訣なのでしょう。
ワンルームマンション投資における「成功」の定義
ワンルームマンション投資が「成功」と言えるかどうかは、2つの局面から判断されます。
①運用益(インカムゲイン)
②売却益(キャピタルゲイン)
例えば、毎月の収支がマイナスだった場合でも高値売却に成功し、マイナス分を上回る売却益が発生するケースがあります。毎月のキャッシュフローだけ見ていると自己資金の切り崩しが必要となり、一見ワンルームマンション投資は失敗しているように見えます。
しかし、高値売却が成功することでマイナス分を回収、さらに利益を生み出したとなると結果的にプラスに転じ、ワンルームマンション投資は成功したと言えるでしょう。
成功の要素として表向きは「収益性」や「賃貸需要」が目立ちますが、資産価値やリスク管理、目標達成などさまざまな要因が成功の定義に含まれます。
ワンルームマンション投資の成功率はどれくらい
気になるのは、ワンルームマンション投資における成功率でしょう。
「ワンルームマンション投資は失敗する」という言葉はよく聞かれますが、国や民間のデータバンク、不動産会社が具体的に成功率を調査したデータ結果はありません。
「不動産投資の成功率は10%程度」というのが1つの指標とされていますが、裏付けとなるデータや発信源は不明瞭です。
ワンルームマンション投資を成功に導くには「新築」と「中古」どっち
ワンルームマンション投資を始める方は、「新築」と「中古」どちらにするかが最初の分かれ道です。
新築・中古どちらの選択が適切かは、それぞれのメリット・デメリットが自身の投資をする目的、状況によって異なります。
下記では、具体的に新築・中古それぞれのワンルームマンション投資での成功例、失敗例をご紹介しましょう。
新築ワンルームマンション投資は「失敗する」と言われる理由
先に新築ワンルームマンション投資が「失敗する」と言われる要因を明確にしておきます。
①物件価格が高い(新築プレミアム)
②利回りが低い
③節税効果が低い
低金利やインフレなどさまざまな背景から、近年全国的にマンション価格が著しく上昇しています。さらに「新築」という需要高に繋がる付加価値でプレミアム価格が設定されており、回収に行き詰まるケースが珍しくありません。賃貸需要や不動産の資産性などをトータルで考慮すると、新築よりも築浅の方が狙い目です。
ただし、総務省の国勢調査を基にした調査結果、「世帯の状況」には注目しておきたいところです。
調査の中では、「単独世帯」「夫婦のみの世帯」「夫婦と子供から成る世帯」「ひとり親と子供から成る世帯」「その他の世帯」と5つの家族類型別で世帯数の割合を推移しています。
2005年に29.5%であった単独世帯の割合は、2020年には38.1%へ増加しています。直近で見ると2015年の34.6%から5年間で3.5%も増えているのです。
賃金の増加が見込めないうえに増税傾向にある現在の日本では、子育てをする将来像を見いだせず、「結婚しない」という選択をする若年層が増えています。
この背景から、今後ますます単独世帯は増加すると見込まれ、ワンルームマンション投資自体には将来性があると言えるでしょう。
新築ワンルームマンション投資の成功例・失敗例
では、実際に新築ワンルームマンション投資の成功例・失敗例をご紹介しましょう。
今回ご紹介するのは現状で運用中のデータとなりますので、家賃収入(インカムゲイン)と支出状況からみた成功例・失敗例となります。
※下記でご紹介する事例は弊社の独自データですので、引用・転載はご遠慮ください。
成功事例
借入金額 | 2,010万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 77,223円 |
ローン返済額 | 62,221円 |
その他諸費用 | 10,910円 |
収支合計 | 4,092円 |
上記は都内23区内での新築ワンルームマンション投資において、毎月の収支がプラスに転じている例です。最初の頭金を多く入れて借入金額を抑えることに成功し、非常に上手な運用例です。
借入金額と家賃収入、経費のバランスが良く、ローン返済額やその他諸費用も上手く抑えられています。東京23区内ですので、売却時のことを考えた資産価値としてもよいでしょう。
失敗事例
借入金額 | 2,700万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 87,223円 |
ローン返済額 | 83,687円 |
その他諸費用 | 7,945円 |
収支合計 | -4,409円 |
毎月の収入が赤字になってしまった例では、ローン返済額が占める割合が大きいのが要素の1つです。この要素は、あらかじめ購入時の頭金を多く入れることで改善できます。新築のため今後の家賃下落リスクを考慮すると、キャッシュフローはもう少し悪化してしまうかもしれません。返済開始後は給与や貯蓄などから自己資金を捻出し、繰り上げ返済でキャッシュフローの改善を図るとよいでしょう。
中古ワンルームマンション投資の成功例・失敗例
次に中古ワンルームマンション投資の成功例と失敗例をご紹介します。
成功事例
こちらも新築ワンルームマンションの成功事例と同じく、借入金額と家賃収入、ローン返済額やその他の経費とのバランスがとれています。
借入金額 | 3,950万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 140,000円 |
ローン返済額 | 122,575円 |
その他諸費用 | 15,600円 |
収支合計 | 1,825円 |
築9年の物件ですが、高い家賃収入を維持できているという点においても、優良なキャッシュフローの事例です。一般的に毎月のローン返済額が変わらないので、長期的にどれだけ家賃下落を起こさず運用できるかが大きなポイントの1つです。
失敗事例
借入金額 | 2,820万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 92,223円 |
ローン返済額 | 87,420円 |
その他諸費用 | 8,290円 |
収支合計 | -3,487円 |
築16年の上記物件は、築年数を考慮してみると設定家賃はさほど悪くない印象です。
こちらも初めの自己資金を多く入れ、月々のローン返済額をもう少し抑えられるとよかったかもしれません。
しかし、こちらは再開発ラッシュの横浜エリアにある物件です。2023年から2029年にかけて目覚ましく発展を遂げる横浜エリアでは、今後の資産価値が期待できます。タイミングにもよりますが、売却するとなるとトータルしてキャピタルゲインで成功に転じる可能性も十分あり、一概に失敗とは言えません。
このように、すでにあるワンルームマンション投資の成功例や失敗例から、借入金額・家賃収入・ローン返済額・経費のバランスを考え、必要な自己資金を分析してみることが重要です。
また、下記ではワンルームマンション投資のメリットやリスクを解説しておりますので、成功例や失敗例の分析と同時にお役立てください。
【おすすめ関連記事】中古ワンルームマンション投資のメリット4選!リスクとポイントも解説
ワンルームマンション投資のメリットとは
ワンルームマンション投資が多くの人から注目される理由は、そのメリットの多さにあります。
ワンルームマンション投資のメリット
物件の取得費用が安い
ワンルームマンション投資の魅力は、何と言っても初期投資が少なくて済むことです。
一棟アパート投資と比べて物件の取得費用を抑えることが可能で、不動産投資初心者でも取り組みやすい手法となっています。
【ワンルームマンション投資の物件相場】
新築 | 中古 |
---|---|
2,500~4,000万円 | 1,000~2,500万円 |
収益物件を所有するエリアによって相場は異なりますが、新築の一棟アパート投資となると5,000万円~1億円程度かかります。また、築年数にもよりますが、中古の一棟アパートでも都心部は5,000万円超えとハードルが高く、平均的な収入の会社員ではなかなか手が出せません。
不動産投資の中でも比較的ローリスクである
投資では「リスク」と「リターン」が相関関係にあり、一般的にはリスクが低いほどリターンが低く、リスクが高いほどリターンも高くなります。
この関係性の中で不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」に位置しますが、不動産投資の中で見ればワンルームマンション投資は「ローリスク・ローリターン」の位置づけです。
「不動産投資を始めたいがリスクが怖い」という方にとってスタートしやすいのもメリットでしょう。
建物や入居者の管理がしやすい
ワンルームマンションは管理がしやすく「ほったらかし投資」ができることも魅力の1つです。
複数の世帯からなるマンションは管理会社や管理組合によってすでに長期修繕の計画がされており、建物の修繕を任せることができます。毎月の修繕積立金が決まっているので、固定費として支出面の管理もしやすいでしょう。
また、管理規約・細則が準備されているケースが多く、入居者の管理もしやすいとされています。
流動性が高く売却しやすい
先に述べた通り、ワンルームマンション投資は取得費用が低いことから、流動性が高く売却しやすい特徴があります。
一棟アパートの購入は金融機関の「融資承認」が高いハードルとなり、売れるまでに1年以上要するケースもよくあります。「手軽に始められる」という点では、新規参入者が途切れて流動性が完全にストップすることはなさそうです。
分散投資に向いている
ワンルームマンション投資は複数の物件を所有することで、エリアやリスクの分散が可能です。
エリアの資産価値や賃貸需要において、1つの物件で空室が発生しても他の物件でカバーするなど、リスクが均等に分散されます。
ただし、物件間の差異や地域の影響によっては、分散投資が完全ではない場合がありますので、バランスよく分散させるスキルがもとめられます。
ワンルームマンション投資「成功例」から見る共通点
これらを「魅力的なメリット」として確立するには、オーナー側の努力が不可欠です。
実際に新築ワンルームマンション投資の成功例をもとに、「成功オーナー」にみられる共通点を7つピックアップしました。
いずれも「購入前」の段階で行う内容ばかりですので、これからワンルームマンション投資物件の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
利回りだけでなく立地を重視している
不動産投資において物件の「利回り」は重要な指標になります。
しかし、利回りだけを注視するのではなく、その物件の立地も同等に重要視しなくてはいけません。なぜなら、立地は物件の資産価値や安定した収益性に直結するからです。
魅力的な利回りを持つ物件でも、立地が劣っている場合、将来的な賃貸需要を低下させてしまう可能性があります。
交通アクセスや周辺施設のほか、周辺地域の開発計画や都市計画の変更、インフラの整備などは、物件の価値を左右する要因となります。エリアにおける将来の発展性を含めて、「需要があり続ける地域」の選定が重要です。
また、ワンルームマンション投資ではターゲットが「単独世帯」に限定されるため、エリアの人口数や流入者・流出者の推計を必ず確認しましょう。
購入前に運用目的を明確にしている
ワンルームマンション投資を成功させるには、「運用目的」を明確にして投資の基盤を築く必要があります。
運用目的が明確でないと、そもそも自身にとって本当にワンルームマンション投資が最適な選択かどうかの判断ができません。目的と投資対象が合致しているか、事前のすり合わせをすることが「成功」への大きな一歩となります。
綿密にリスクシミュレーションをしている
「とりあえず」や「きっと大丈夫だろう」という曖昧な予測で成功できるほど、ワンルームマンション投資は甘くありません。
顕在的なリスクだけでなく、潜在的なリスクや変動要因を理解し、それらが投資に与える影響を確実に予測する必要があります。また、考えられるすべての要因を予測後、リスクに対する何パターンものシミュレーションが大切です。
【シミュレーション例】
・需要・供給などの市場調査
・エリアの資産価値リサーチ
・シナリオ分析
・キャッシュフロー分析 など
インターネット上では、無料でできる不動産投資のシミュレーションサイトもありますので、積極的に活用しましょう。
時間をかけて物件選定を行う
投資物件を購入する決意が固まると、「早く運用を開始したい」という気持ちが高まります。買い急ぐ気持ちと反対に「優良な物件」との出会いは、そう頻繁にあるものではありません。
成功者たちは物件選定の時間を惜しまず、さまざまな情報源・媒体から物件を探し出します。そして、緻密なリサーチ・分析を重ね、奇跡的な確率で「優良な物件」と出会います。
物件探しに時間・労力をかけすぎて嫌になってしまわないよう、あらかじめ目的を明確にした上で探しましょう。
ワンルームマンション投資では10年以内の築浅を狙いたいところですが、不動産業界全体の価格高騰により折り合いが合わないケースも多くみられます。そのため、物件価格の下落率が落ち着きだす15~20年程度の物件が狙い目といえるでしょう。
不動産会社の比較を徹底している
適切なやりとりをしてくれる不動産会社を選定することもまた、成功の鍵となります。
適切なやりとりとは具体的には「定期的な報告・連絡・相談」「迅速・円滑な意思疎通」といった応対力、そして目標達成に向けた「運用の共有」です。
また、不動産会社ももちろん仕事として動くので、さまざまなシーンで「手数料」などが発生します。設定金額の妥当性など、不動産会社の本質を見極めなくてはなりません。
自分の目指すゴールに向け、適切なサポートをしてくれる不動産会社であるかどうか、信頼関係を築ける会社かどうか、徹底的に比較して納得できる会社を選びましょう。
先を見越した修繕計画を立てている
不動産投資における成功は、適切な修繕計画によって大きく左右します。
物件の価値を維持し、将来的な問題を未然に防ぐために、先を見越したメンテナンスが不可欠です。定期的な点検や予防的な修繕をすることで、将来の大規模な修繕や損害を回避します。
また、屋根や外壁、設備の劣化は時間とともに進行するため、計画的な修繕によって投資物件の価値を維持できます。
長期的な視点で予算を組み、修繕費用を適切に分配することが重要です。適切なメンテナンスは将来の収益に直結するので、修繕コストは投資の一環として見ておきましょう。
【おすすめ関連記事】不動産投資の修繕リスク、事前にいくらぐらい必要か把握しておこう
融資条件を比較して低金利で借入を行っている
不動産投資の成功者は、複数の金融機関や融資先の条件を比較検討し、最も有利な低金利の借り入れ条件を打ち出す金融機関と契約をします。
低金利の融資を選ぶことで総返済額を減らし、キャッシュフローの改善にも繋がります。収益を最大化することによって、不動産投資におけるリスクの最小化を目指しましょう。
新築ワンルームマンション投資を成功に導くには?失敗しないための4つのポイント
では、難しいとされる新築ワンルームマンション投資の成功に導くにはどうしたらよいのでしょうか。
新築ワンルームマンション投資は賃貸需要や修繕コスト面では非常に有利なことから、不動産投資を検討する投資家にとって捨てがたい選択肢です。
購入後の短期譲渡をしない
ワンルームマンション投資で成功している人は、購入後の短期譲渡を避け、長期的な保有を目的としています。なぜなら、取得後5年未満で売却する短期譲渡は、売却益に対して長期譲渡よりも高い税率が課されるからです。
成功している投資家は資産を長期的に保有し、短期的な利益を追求するよりも、長期的な安定性や増加する資産価値を重視しています。
現在はバブル期のように不動産の転売が上手くいく時代ではなく、長期的な保有により、税金負担が軽減され、不動産投資の利益を最大化することができるのです。
参考:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
「新築プレミアム」の家賃設定に騙されない
新築マンションは中古の建物価格と比較すると、1~3割ほど割高に設定されています。
一見すると、新築が持つ特別な付加価値分が上乗せされているように感じますが、それだけではありません。
・用地仕入れにかかる費用
・建物の建築費用
・物件販売にかかる広告費
・契約にかかる費用
・これらすべてにかかる人件費
新築物件は、上記のような支出を回収する必要がありますので、不動産会社の試算表が相場よりも高額家賃で算出されている場合があります。周辺の家賃相場をしっかりリサーチしていないと、運用開始後に激しい賃料下落による値崩れに見舞われ、賃貸経営の失敗に陥ります。
新築からの数年間が最も家賃下落が激しくなりますので、「新築プレミアム」の家賃設定に騙されないようにしましょう。
購入と売却のタイミングを見図る
どうしてもキャッシュフローや家賃収入にとらわれてしまいがちですが、売却益にもしっかりと目を向けましょう。
東京都のマンション価格は2013年からの10年間で約1.7倍程度上昇しています。例えば、2013年にワンルームマンション投資物件を2,500万円で購入し、毎月のキャッシュフローで3,000円程度の赤字が発生していたとすると10年間では360万円のマイナスです。
しかし、当時2,500万円程度で購入した物件が、10年後に購入時の1.7倍の4,250万円で売却できたとすると、結果的に1,500万円以上の大きな利益になります。
このように購入だけでなく売却にも目を向けた「出口戦略」についても、あらかじめ考えておきましょう。
頭金を多く準備している
頭金を多く入れることにより、不動産会社の提示する試算表よりも良いキャッシュフローを実現できます。
また、頭金が多いほど銀行や金融機関はリスクを低く見積もり、低金利の融資条件でローン承認される可能性が高まります。これにより金利負担を軽減し、収益を最大化することができるでしょう。
さらに、頭金を多く用意することで信用力を高め、融資を受けやすくすることがあります。このように頭金を多く準備することで、有利な融資条件での購入・運営を可能とさせるのです。
購入時の頭金の目安としては物件価格の20%程度が必要ですが、不測の事態に備えてそれ以上の用意をしておくことが大切です。
ワンルームマンション投資で危険な悪徳業者を見極めるコツ
これからワンルームマンション投資を始める方にとっては信じたくない話ですが、不動産投資では詐欺や不当請求などをする悪徳業者が少なからず存在します。これらの悪徳業者を見極め、本当に信頼のおけるパートナー会社を探すことがワンルームマンション投資の成功の鍵です。
最後に、悪徳業者に騙されないためのポイントをご紹介しますので、これから不動産会社へ資料請求や相談など問い合わせをする方は参考にしてください。
家賃下落シミュレーションがされている
家賃下落シミュレーションを提示する不動産会社は、ワンルームマンション投資における透明性とリスクの重要性をきちんと理解しています。
将来の市場変動やリスクを予測し、多様性のある未来のシナリオを提供することで、オーナーへ現実的な見解を示してくれます。
また、このような潜在的なリスクについて適切な対策を講じ、サポートする体制も必要です。悪徳業者は楽観的なシミュレーションやリスクを過小評価するような情報で、顧客を誤解させる可能性があります。
特に不動産投資初心者は、他の情報源や専門家のアドバイスも参考にしてください。自分でできる方法としては、収益不動産ポータルサイトなどからキャッシュフローシミュレーション機能を利用し、提供された情報の整合性を確かめるとよいでしょう。
実質利回りで計算されている
ワンルームマンション投資の広告やDMに記載されている「表面利回り」に惑わされてはいけません。
表面利回りの計算式 | 実質利回りの計算式 |
---|---|
(年間の家賃収入÷物件価格)×100 | (年間の家賃収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100 |
表面利回りは「年間で発生する経費」が入っていない計算で、収益率が高く算出されるようになっています。より現実性を追求するためには、実質利回りの計算法を用いることが大切です。
初心者にとってもこれらの違いを明確に示し、きちんと説明してくれる会社を選びましょう。
管理委託契約の内容も明確に説明してくれる
「物件購入」の他には、「管理委託契約」に関する内容も重要です。
複数社から管理委託契約の説明を受けて比較してみると、営業担当者ごとの説明における丁寧さや正確さが分かります。
その中でも重要なのは、固定費や定期的に発生する費用の整合性です。例えば、定期清掃費は毎月の家賃収入から引かれる経費の1つですが、清掃内容が不透明でないか、費用に見合う内容かどうかといった判断をすることです。
運用を開始した後、思わぬキャッシュフローのミスマッチが発生しないように気を付けましょう。
サブリース契約を強引に勧めてこない
過去に発生した「かぼちゃの馬車事件」の勧誘スタイルとして「サブリース契約」がありました。
サブリース契約は、不動産オーナー自らが所有する物件を不動産会社に貸し、その会社がさらに第三者に貸し出すことでオーナーが家賃を保証してもらう契約形態です。
一見するとサブリース契約は「家賃保証」を謳ってオーナーに魅力的な形態に見えますが、蓋を開くと消費者保護の観点からオーナーが不利になるケースが多くみられます。ワンルームマンション投資では、賃貸需要の不安からサブリース契約に手を出してしまう方がいますが、契約内容の確認は必ずおこなうようにしましょう。
サブリース契約をする業者がすべて悪徳業者というわけではありませんが、サブリース契約を無理やり勧めてくる会社には注意しましょう。
サブリース契約については下記のコラムで詳しく解説しておりますので、合わせてぜひご覧ください。
【おすすめ関連記事】中サブリース契約は危険?仕組みとデメリットから見る注意点を解説
まとめ
本記事では、「ワンルームマンション投資の成功例を知りたい」という方に向けて、成功例・失敗例の紹介、成功しているオーナーや物件の共通点などを解説しました。
ワンルームマンション投資を「成功」させるためには、目的を決めて成功とは何かを明確にしたうえで、バランスの良いキャッシュフローを実現させましょう。
実際の成功例からみる共通点として、オーナーは購入前の入念なリサーチ・シミュレーションが欠かせません。また、複数棟所有した分散投資スタイルをとるなど、ワンルームマンション投資のスタイルをきちんと理解しています。
ワンルームマンション投資で成功を得るためには、購入前が勝負です。その仕組み・スタイルを正確に理解し、じっくりと時間をかけて優良な物件と不動産会社を見極めましょう。
ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
2023.12.15
ベルテックスコラム事務局
ワンルームマンション投資の成功例を教えて!新築は失敗するは本当?
- マンション投資
- 不動産投資
不動産投資を検討している方から、しばしば「ワンルームマンション投資の成功例を聞きたい」という声が聞かれます。賢い資産形成の方法としてワンルーム投資を検討している方にとって「失敗」の二文字がよぎりつつ、「本当のところはどうなのか?」という心の声でしょう。
この記事では、ワンルームマンション投資の成功例を知りたい方に向け、実際のキャッシュフローを用いて成功例・失敗例をご紹介していきます。また、ワンルームマンション投資を成功させているオーナーや物件の共通点、成功させるためのポイントを解説します。ワンルームマンション投資「成功」の真偽について検証してみましょう。
ワンルームマンション投資は「成功しない」は本当か
まず、本題に入る前にワンルームマンション投資の「成功」と「失敗」がどういう状態を表すのか、それぞれの定義を明確にしておく必要があります。
ワンルームマンション投資の概要
ワンルームマンション投資とは、複数の世帯からなるマンションの1戸を購入し、賃貸することで収益を得る投資法です。入居者への安全で快適な住居の提供、また将来に向けて資産価値を保つため、「家賃収入」と「管理・修繕にかかる支出」をバランスよく運営することで、資産形成を目指します。
ワンルームマンション投資は小規模な住宅ユニット、かつ管理が比較的容易である点から、会社勤めしながら所有する人が増加傾向にあります。生活様式の変化や単身世帯数の増加により、サラリーマンによるワンルームマンション投資は昭和50年代から需要が旺盛になりました。
誰もが知る大手デベロッパーから地元の小規模な事業者まで、幅広い規模の事業者がワンルームマンション投資に参入しています。
物件の選択肢が「新築」「中古」、「都会」「地方」と多様性があることや、大きな資産となる可能性を秘めていることが長期に渡り投資家に愛され続ける秘訣なのでしょう。
ワンルームマンション投資における「成功」の定義
ワンルームマンション投資が「成功」と言えるかどうかは、2つの局面から判断されます。
①運用益(インカムゲイン)
②売却益(キャピタルゲイン)
例えば、毎月の収支がマイナスだった場合でも高値売却に成功し、マイナス分を上回る売却益が発生するケースがあります。毎月のキャッシュフローだけ見ていると自己資金の切り崩しが必要となり、一見ワンルームマンション投資は失敗しているように見えます。
しかし、高値売却が成功することでマイナス分を回収、さらに利益を生み出したとなると結果的にプラスに転じ、ワンルームマンション投資は成功したと言えるでしょう。
成功の要素として表向きは「収益性」や「賃貸需要」が目立ちますが、資産価値やリスク管理、目標達成などさまざまな要因が成功の定義に含まれます。
ワンルームマンション投資の成功率はどれくらい
気になるのは、ワンルームマンション投資における成功率でしょう。
「ワンルームマンション投資は失敗する」という言葉はよく聞かれますが、国や民間のデータバンク、不動産会社が具体的に成功率を調査したデータ結果はありません。
「不動産投資の成功率は10%程度」というのが1つの指標とされていますが、裏付けとなるデータや発信源は不明瞭です。
ワンルームマンション投資を成功に導くには「新築」と「中古」どっち
ワンルームマンション投資を始める方は、「新築」と「中古」どちらにするかが最初の分かれ道です。
新築・中古どちらの選択が適切かは、それぞれのメリット・デメリットが自身の投資をする目的、状況によって異なります。
下記では、具体的に新築・中古それぞれのワンルームマンション投資での成功例、失敗例をご紹介しましょう。
新築ワンルームマンション投資は「失敗する」と言われる理由
先に新築ワンルームマンション投資が「失敗する」と言われる要因を明確にしておきます。
①物件価格が高い(新築プレミアム)
②利回りが低い
③節税効果が低い
低金利やインフレなどさまざまな背景から、近年全国的にマンション価格が著しく上昇しています。さらに「新築」という需要高に繋がる付加価値でプレミアム価格が設定されており、回収に行き詰まるケースが珍しくありません。賃貸需要や不動産の資産性などをトータルで考慮すると、新築よりも築浅の方が狙い目です。
ただし、総務省の国勢調査を基にした調査結果、「世帯の状況」には注目しておきたいところです。
調査の中では、「単独世帯」「夫婦のみの世帯」「夫婦と子供から成る世帯」「ひとり親と子供から成る世帯」「その他の世帯」と5つの家族類型別で世帯数の割合を推移しています。
2005年に29.5%であった単独世帯の割合は、2020年には38.1%へ増加しています。直近で見ると2015年の34.6%から5年間で3.5%も増えているのです。
賃金の増加が見込めないうえに増税傾向にある現在の日本では、子育てをする将来像を見いだせず、「結婚しない」という選択をする若年層が増えています。
この背景から、今後ますます単独世帯は増加すると見込まれ、ワンルームマンション投資自体には将来性があると言えるでしょう。
新築ワンルームマンション投資の成功例・失敗例
では、実際に新築ワンルームマンション投資の成功例・失敗例をご紹介しましょう。
今回ご紹介するのは現状で運用中のデータとなりますので、家賃収入(インカムゲイン)と支出状況からみた成功例・失敗例となります。
※下記でご紹介する事例は弊社の独自データですので、引用・転載はご遠慮ください。
成功事例
借入金額 | 2,010万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 77,223円 |
ローン返済額 | 62,221円 |
その他諸費用 | 10,910円 |
収支合計 | 4,092円 |
上記は都内23区内での新築ワンルームマンション投資において、毎月の収支がプラスに転じている例です。最初の頭金を多く入れて借入金額を抑えることに成功し、非常に上手な運用例です。
借入金額と家賃収入、経費のバランスが良く、ローン返済額やその他諸費用も上手く抑えられています。東京23区内ですので、売却時のことを考えた資産価値としてもよいでしょう。
失敗事例
借入金額 | 2,700万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 87,223円 |
ローン返済額 | 83,687円 |
その他諸費用 | 7,945円 |
収支合計 | -4,409円 |
毎月の収入が赤字になってしまった例では、ローン返済額が占める割合が大きいのが要素の1つです。この要素は、あらかじめ購入時の頭金を多く入れることで改善できます。新築のため今後の家賃下落リスクを考慮すると、キャッシュフローはもう少し悪化してしまうかもしれません。返済開始後は給与や貯蓄などから自己資金を捻出し、繰り上げ返済でキャッシュフローの改善を図るとよいでしょう。
中古ワンルームマンション投資の成功例・失敗例
次に中古ワンルームマンション投資の成功例と失敗例をご紹介します。
成功事例
こちらも新築ワンルームマンションの成功事例と同じく、借入金額と家賃収入、ローン返済額やその他の経費とのバランスがとれています。
借入金額 | 3,950万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 140,000円 |
ローン返済額 | 122,575円 |
その他諸費用 | 15,600円 |
収支合計 | 1,825円 |
築9年の物件ですが、高い家賃収入を維持できているという点においても、優良なキャッシュフローの事例です。一般的に毎月のローン返済額が変わらないので、長期的にどれだけ家賃下落を起こさず運用できるかが大きなポイントの1つです。
失敗事例
借入金額 | 2,820万円 |
---|---|
金利 | 1.6% |
家賃収入 | 92,223円 |
ローン返済額 | 87,420円 |
その他諸費用 | 8,290円 |
収支合計 | -3,487円 |
築16年の上記物件は、築年数を考慮してみると設定家賃はさほど悪くない印象です。
こちらも初めの自己資金を多く入れ、月々のローン返済額をもう少し抑えられるとよかったかもしれません。
しかし、こちらは再開発ラッシュの横浜エリアにある物件です。2023年から2029年にかけて目覚ましく発展を遂げる横浜エリアでは、今後の資産価値が期待できます。タイミングにもよりますが、売却するとなるとトータルしてキャピタルゲインで成功に転じる可能性も十分あり、一概に失敗とは言えません。
このように、すでにあるワンルームマンション投資の成功例や失敗例から、借入金額・家賃収入・ローン返済額・経費のバランスを考え、必要な自己資金を分析してみることが重要です。
また、下記ではワンルームマンション投資のメリットやリスクを解説しておりますので、成功例や失敗例の分析と同時にお役立てください。
【おすすめ関連記事】中古ワンルームマンション投資のメリット4選!リスクとポイントも解説
ワンルームマンション投資のメリットとは
ワンルームマンション投資が多くの人から注目される理由は、そのメリットの多さにあります。
ワンルームマンション投資のメリット
物件の取得費用が安い
ワンルームマンション投資の魅力は、何と言っても初期投資が少なくて済むことです。
一棟アパート投資と比べて物件の取得費用を抑えることが可能で、不動産投資初心者でも取り組みやすい手法となっています。
【ワンルームマンション投資の物件相場】
新築 | 中古 |
---|---|
2,500~4,000万円 | 1,000~2,500万円 |
収益物件を所有するエリアによって相場は異なりますが、新築の一棟アパート投資となると5,000万円~1億円程度かかります。また、築年数にもよりますが、中古の一棟アパートでも都心部は5,000万円超えとハードルが高く、平均的な収入の会社員ではなかなか手が出せません。
不動産投資の中でも比較的ローリスクである
投資では「リスク」と「リターン」が相関関係にあり、一般的にはリスクが低いほどリターンが低く、リスクが高いほどリターンも高くなります。
この関係性の中で不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」に位置しますが、不動産投資の中で見ればワンルームマンション投資は「ローリスク・ローリターン」の位置づけです。
「不動産投資を始めたいがリスクが怖い」という方にとってスタートしやすいのもメリットでしょう。
建物や入居者の管理がしやすい
ワンルームマンションは管理がしやすく「ほったらかし投資」ができることも魅力の1つです。
複数の世帯からなるマンションは管理会社や管理組合によってすでに長期修繕の計画がされており、建物の修繕を任せることができます。毎月の修繕積立金が決まっているので、固定費として支出面の管理もしやすいでしょう。
また、管理規約・細則が準備されているケースが多く、入居者の管理もしやすいとされています。
流動性が高く売却しやすい
先に述べた通り、ワンルームマンション投資は取得費用が低いことから、流動性が高く売却しやすい特徴があります。
一棟アパートの購入は金融機関の「融資承認」が高いハードルとなり、売れるまでに1年以上要するケースもよくあります。「手軽に始められる」という点では、新規参入者が途切れて流動性が完全にストップすることはなさそうです。
分散投資に向いている
ワンルームマンション投資は複数の物件を所有することで、エリアやリスクの分散が可能です。
エリアの資産価値や賃貸需要において、1つの物件で空室が発生しても他の物件でカバーするなど、リスクが均等に分散されます。
ただし、物件間の差異や地域の影響によっては、分散投資が完全ではない場合がありますので、バランスよく分散させるスキルがもとめられます。
ワンルームマンション投資「成功例」から見る共通点
これらを「魅力的なメリット」として確立するには、オーナー側の努力が不可欠です。
実際に新築ワンルームマンション投資の成功例をもとに、「成功オーナー」にみられる共通点を7つピックアップしました。
いずれも「購入前」の段階で行う内容ばかりですので、これからワンルームマンション投資物件の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
利回りだけでなく立地を重視している
不動産投資において物件の「利回り」は重要な指標になります。
しかし、利回りだけを注視するのではなく、その物件の立地も同等に重要視しなくてはいけません。なぜなら、立地は物件の資産価値や安定した収益性に直結するからです。
魅力的な利回りを持つ物件でも、立地が劣っている場合、将来的な賃貸需要を低下させてしまう可能性があります。
交通アクセスや周辺施設のほか、周辺地域の開発計画や都市計画の変更、インフラの整備などは、物件の価値を左右する要因となります。エリアにおける将来の発展性を含めて、「需要があり続ける地域」の選定が重要です。
また、ワンルームマンション投資ではターゲットが「単独世帯」に限定されるため、エリアの人口数や流入者・流出者の推計を必ず確認しましょう。
購入前に運用目的を明確にしている
ワンルームマンション投資を成功させるには、「運用目的」を明確にして投資の基盤を築く必要があります。
運用目的が明確でないと、そもそも自身にとって本当にワンルームマンション投資が最適な選択かどうかの判断ができません。目的と投資対象が合致しているか、事前のすり合わせをすることが「成功」への大きな一歩となります。
綿密にリスクシミュレーションをしている
「とりあえず」や「きっと大丈夫だろう」という曖昧な予測で成功できるほど、ワンルームマンション投資は甘くありません。
顕在的なリスクだけでなく、潜在的なリスクや変動要因を理解し、それらが投資に与える影響を確実に予測する必要があります。また、考えられるすべての要因を予測後、リスクに対する何パターンものシミュレーションが大切です。
【シミュレーション例】
・需要・供給などの市場調査
・エリアの資産価値リサーチ
・シナリオ分析
・キャッシュフロー分析 など
インターネット上では、無料でできる不動産投資のシミュレーションサイトもありますので、積極的に活用しましょう。
時間をかけて物件選定を行う
投資物件を購入する決意が固まると、「早く運用を開始したい」という気持ちが高まります。買い急ぐ気持ちと反対に「優良な物件」との出会いは、そう頻繁にあるものではありません。
成功者たちは物件選定の時間を惜しまず、さまざまな情報源・媒体から物件を探し出します。そして、緻密なリサーチ・分析を重ね、奇跡的な確率で「優良な物件」と出会います。
物件探しに時間・労力をかけすぎて嫌になってしまわないよう、あらかじめ目的を明確にした上で探しましょう。
ワンルームマンション投資では10年以内の築浅を狙いたいところですが、不動産業界全体の価格高騰により折り合いが合わないケースも多くみられます。そのため、物件価格の下落率が落ち着きだす15~20年程度の物件が狙い目といえるでしょう。
不動産会社の比較を徹底している
適切なやりとりをしてくれる不動産会社を選定することもまた、成功の鍵となります。
適切なやりとりとは具体的には「定期的な報告・連絡・相談」「迅速・円滑な意思疎通」といった応対力、そして目標達成に向けた「運用の共有」です。
また、不動産会社ももちろん仕事として動くので、さまざまなシーンで「手数料」などが発生します。設定金額の妥当性など、不動産会社の本質を見極めなくてはなりません。
自分の目指すゴールに向け、適切なサポートをしてくれる不動産会社であるかどうか、信頼関係を築ける会社かどうか、徹底的に比較して納得できる会社を選びましょう。
先を見越した修繕計画を立てている
不動産投資における成功は、適切な修繕計画によって大きく左右します。
物件の価値を維持し、将来的な問題を未然に防ぐために、先を見越したメンテナンスが不可欠です。定期的な点検や予防的な修繕をすることで、将来の大規模な修繕や損害を回避します。
また、屋根や外壁、設備の劣化は時間とともに進行するため、計画的な修繕によって投資物件の価値を維持できます。
長期的な視点で予算を組み、修繕費用を適切に分配することが重要です。適切なメンテナンスは将来の収益に直結するので、修繕コストは投資の一環として見ておきましょう。
【おすすめ関連記事】不動産投資の修繕リスク、事前にいくらぐらい必要か把握しておこう
融資条件を比較して低金利で借入を行っている
不動産投資の成功者は、複数の金融機関や融資先の条件を比較検討し、最も有利な低金利の借り入れ条件を打ち出す金融機関と契約をします。
低金利の融資を選ぶことで総返済額を減らし、キャッシュフローの改善にも繋がります。収益を最大化することによって、不動産投資におけるリスクの最小化を目指しましょう。
新築ワンルームマンション投資を成功に導くには?失敗しないための4つのポイント
では、難しいとされる新築ワンルームマンション投資の成功に導くにはどうしたらよいのでしょうか。
新築ワンルームマンション投資は賃貸需要や修繕コスト面では非常に有利なことから、不動産投資を検討する投資家にとって捨てがたい選択肢です。
購入後の短期譲渡をしない
ワンルームマンション投資で成功している人は、購入後の短期譲渡を避け、長期的な保有を目的としています。なぜなら、取得後5年未満で売却する短期譲渡は、売却益に対して長期譲渡よりも高い税率が課されるからです。
成功している投資家は資産を長期的に保有し、短期的な利益を追求するよりも、長期的な安定性や増加する資産価値を重視しています。
現在はバブル期のように不動産の転売が上手くいく時代ではなく、長期的な保有により、税金負担が軽減され、不動産投資の利益を最大化することができるのです。
参考:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
「新築プレミアム」の家賃設定に騙されない
新築マンションは中古の建物価格と比較すると、1~3割ほど割高に設定されています。
一見すると、新築が持つ特別な付加価値分が上乗せされているように感じますが、それだけではありません。
・用地仕入れにかかる費用
・建物の建築費用
・物件販売にかかる広告費
・契約にかかる費用
・これらすべてにかかる人件費
新築物件は、上記のような支出を回収する必要がありますので、不動産会社の試算表が相場よりも高額家賃で算出されている場合があります。周辺の家賃相場をしっかりリサーチしていないと、運用開始後に激しい賃料下落による値崩れに見舞われ、賃貸経営の失敗に陥ります。
新築からの数年間が最も家賃下落が激しくなりますので、「新築プレミアム」の家賃設定に騙されないようにしましょう。
購入と売却のタイミングを見図る
どうしてもキャッシュフローや家賃収入にとらわれてしまいがちですが、売却益にもしっかりと目を向けましょう。
東京都のマンション価格は2013年からの10年間で約1.7倍程度上昇しています。例えば、2013年にワンルームマンション投資物件を2,500万円で購入し、毎月のキャッシュフローで3,000円程度の赤字が発生していたとすると10年間では360万円のマイナスです。
しかし、当時2,500万円程度で購入した物件が、10年後に購入時の1.7倍の4,250万円で売却できたとすると、結果的に1,500万円以上の大きな利益になります。
このように購入だけでなく売却にも目を向けた「出口戦略」についても、あらかじめ考えておきましょう。
頭金を多く準備している
頭金を多く入れることにより、不動産会社の提示する試算表よりも良いキャッシュフローを実現できます。
また、頭金が多いほど銀行や金融機関はリスクを低く見積もり、低金利の融資条件でローン承認される可能性が高まります。これにより金利負担を軽減し、収益を最大化することができるでしょう。
さらに、頭金を多く用意することで信用力を高め、融資を受けやすくすることがあります。このように頭金を多く準備することで、有利な融資条件での購入・運営を可能とさせるのです。
購入時の頭金の目安としては物件価格の20%程度が必要ですが、不測の事態に備えてそれ以上の用意をしておくことが大切です。
ワンルームマンション投資で危険な悪徳業者を見極めるコツ
これからワンルームマンション投資を始める方にとっては信じたくない話ですが、不動産投資では詐欺や不当請求などをする悪徳業者が少なからず存在します。これらの悪徳業者を見極め、本当に信頼のおけるパートナー会社を探すことがワンルームマンション投資の成功の鍵です。
最後に、悪徳業者に騙されないためのポイントをご紹介しますので、これから不動産会社へ資料請求や相談など問い合わせをする方は参考にしてください。
家賃下落シミュレーションがされている
家賃下落シミュレーションを提示する不動産会社は、ワンルームマンション投資における透明性とリスクの重要性をきちんと理解しています。
将来の市場変動やリスクを予測し、多様性のある未来のシナリオを提供することで、オーナーへ現実的な見解を示してくれます。
また、このような潜在的なリスクについて適切な対策を講じ、サポートする体制も必要です。悪徳業者は楽観的なシミュレーションやリスクを過小評価するような情報で、顧客を誤解させる可能性があります。
特に不動産投資初心者は、他の情報源や専門家のアドバイスも参考にしてください。自分でできる方法としては、収益不動産ポータルサイトなどからキャッシュフローシミュレーション機能を利用し、提供された情報の整合性を確かめるとよいでしょう。
実質利回りで計算されている
ワンルームマンション投資の広告やDMに記載されている「表面利回り」に惑わされてはいけません。
表面利回りの計算式 | 実質利回りの計算式 |
---|---|
(年間の家賃収入÷物件価格)×100 | (年間の家賃収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100 |
表面利回りは「年間で発生する経費」が入っていない計算で、収益率が高く算出されるようになっています。より現実性を追求するためには、実質利回りの計算法を用いることが大切です。
初心者にとってもこれらの違いを明確に示し、きちんと説明してくれる会社を選びましょう。
管理委託契約の内容も明確に説明してくれる
「物件購入」の他には、「管理委託契約」に関する内容も重要です。
複数社から管理委託契約の説明を受けて比較してみると、営業担当者ごとの説明における丁寧さや正確さが分かります。
その中でも重要なのは、固定費や定期的に発生する費用の整合性です。例えば、定期清掃費は毎月の家賃収入から引かれる経費の1つですが、清掃内容が不透明でないか、費用に見合う内容かどうかといった判断をすることです。
運用を開始した後、思わぬキャッシュフローのミスマッチが発生しないように気を付けましょう。
サブリース契約を強引に勧めてこない
過去に発生した「かぼちゃの馬車事件」の勧誘スタイルとして「サブリース契約」がありました。
サブリース契約は、不動産オーナー自らが所有する物件を不動産会社に貸し、その会社がさらに第三者に貸し出すことでオーナーが家賃を保証してもらう契約形態です。
一見するとサブリース契約は「家賃保証」を謳ってオーナーに魅力的な形態に見えますが、蓋を開くと消費者保護の観点からオーナーが不利になるケースが多くみられます。ワンルームマンション投資では、賃貸需要の不安からサブリース契約に手を出してしまう方がいますが、契約内容の確認は必ずおこなうようにしましょう。
サブリース契約をする業者がすべて悪徳業者というわけではありませんが、サブリース契約を無理やり勧めてくる会社には注意しましょう。
サブリース契約については下記のコラムで詳しく解説しておりますので、合わせてぜひご覧ください。
【おすすめ関連記事】中サブリース契約は危険?仕組みとデメリットから見る注意点を解説
まとめ
本記事では、「ワンルームマンション投資の成功例を知りたい」という方に向けて、成功例・失敗例の紹介、成功しているオーナーや物件の共通点などを解説しました。
ワンルームマンション投資を「成功」させるためには、目的を決めて成功とは何かを明確にしたうえで、バランスの良いキャッシュフローを実現させましょう。
実際の成功例からみる共通点として、オーナーは購入前の入念なリサーチ・シミュレーションが欠かせません。また、複数棟所有した分散投資スタイルをとるなど、ワンルームマンション投資のスタイルをきちんと理解しています。
ワンルームマンション投資で成功を得るためには、購入前が勝負です。その仕組み・スタイルを正確に理解し、じっくりと時間をかけて優良な物件と不動産会社を見極めましょう。
ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。