2024.01.18

不動産投資のコツ

ベルテックスコラム事務局

不動産投資は「立地」で決まる?重視すべき立地条件と東京23区をおすすめする理由を解説

  • 購入
  • 不動産投資

不動産投資の成功を決める重要な要素であり、将来の資産価値にも直結するのが「立地」です。不動産投資で立地選定を誤ってしまうと、投資の収益性のみならず、日常生活まで大きな支障をきたす可能性があります。

本記事では、不動産投資において立地が「重要視される理由」や「重視すべき立地条件」を解説したうえで、不動産投資において東京23区が推奨される理由について解説していきます。

不動産投資はなぜ「立地」が重要なのか

インターネットの検索エンジンで「不動産投資 立地」と入力すると、1ページ目には立地選定や重要性に警鐘を鳴らすタイトルばかりが並びます。不動産投資において立地が最重要ポイントとも言われる理由は、「運用時」と「売却時」2つの局面に見られます。

需要がないエリアは空室率が高くなる

まずは、運用時のリスクから説明します。
不動産投資の目的は家賃収入を得ることであり、満室状態での稼働が理想的です。入居の需要が見込めるよい立地を選定することで、継続的な満室経営の可能性が高まります
最初の立地選びを誤ってしまうと借り手からの需要が無く、慢性的に空室が発生してしまいます。このような不安定な経営状況を避け、長期目線で安定的な不動産投資をするために、立地選びは非常に重要なポイントなのです

資産価値の下落を防ぐ

もう1つの懸念点は、売却時における資産価値の下落です。
不動産投資の成功を左右する要素には、上述のインカムゲインと言われる家賃収入とともに、キャピタルゲインである売却益も含まれます。不動産投資はインカムゲインとキャピタルゲイン両方から利益計算をして、結果的にプラスかマイナスかが決まるのです。
インフレや金利変動、エリア需要など多くの社会的要因から、時間の経過とともに地価の変動が見られます。不動産投資の立地選定は、購入価格からなるべく価格が下がらないよう未来の予測立てをしながら行うことがポイントです

不動産投資における物件選びで重視すべき立地条件

よい立地を見極め不動産投資の基盤を築くことで、不動産投資は成功へと導かれます。では、一体どのような場所を選定すればよいのか、具体的な立地条件を解説しましょう。

都心へアクセスしやすい

不動産投資をする上で全国的に共通して言えることは、都心へアクセスしやすい立地を選定することですオフィスや商業施設が集まる都心は、就労者や若者など必然的に人が集中するため、都心までのアクセスはとても重要視されます。単身世帯をターゲットにした投資物件は、特に都心までのアクセスを慎重に捉えておく必要があります。
交通の利便性としては都心まで直通が望ましく、都心から近くなるほど物件価格が高額になることを加味しても、乗り換えは少なく押さえておきたいところです

駅から10分以内

最寄り駅からの物件までは、徒歩10分以内が理想的です。
不動産の各ポータルサイトにおける物件検索ページでは「駅からの徒歩分数」の項目において、「5分以内」「7分以内」「10分以内「15分以内」と条件を絞ることができます。賃貸物件では駅までの距離は、近ければ近いほど需要は高くなる傾向にあります。
現に、マイナビ株式会社が運営する総合ニュースサイト「マイナビニュース」の調査で、東京都内の住まいにおいて、「理想は最寄り駅から徒歩何分以内ですか?」という質問では、97.8%が10分以内と回答しました

1分以内 10.6%
3分以内 15.1%
5分以内 36.7%
7分以内 11.5%
10分以内 23.9%

工場や大学の近く

エリアによっては、大規模な工場や大学の近くにおいても安定した需要を見込めます。これらのエリアで投資を行う場合は、ターゲット層と求められる間取りの一致も大切です。
しかし、地方では工場の撤退や大学のキャンパス移転によって、周辺一帯の資産価値が急落する恐れがありますこればかりは不動産投資開始にあたってどれだけ緻密な調査を重ねても、事前予測の範疇を超えてしまう問題です。東京など一定数の人口が確保できているエリアでなければ、積極的におすすめはできません。
実際に大分県で起こった大手電機メーカー「キャノン」の工場撤退による資産価値下落問題について、下記の記事で解説しておりますのでご覧ください。

再開発や駅の新設など発展が見込める

今後、特に注目したいエリアは再開発や駅の新設などが見込まれる場所です。再開発が盛んに行われている地域は、地価や資産価値の上昇、人口増加による需要増加が見込めるでしょう

また、東京は単身赴任者やビジネス訪問している外国人も多く、賃貸経営の面で言うと、大手企業との「法人契約」もメリットの1つとなります大手企業との法人契約は、滞納や夜逃げリスクが少なくなり管理面での心配が少なくなるでしょう。また、外国人の入居を許可する場合、永住権の有無やどれほど日本語が話せるかなどが懸念されますが、契約者が会社になることで、原状回復など交渉ごとがスムーズになります。

不動産投資に東京23区をおすすめする理由

これらの内容からも不動産投資において立地選定をする際、東京23区は非常に適したエリアであると言えます。しかし、東京23区が推奨されるのには、他にも多くの理由があるのです。

①人口・企業数が多いから

東京の特徴は他府県と比較した際の圧倒的な企業数の多さです。単純に企業数が多いだけでなく、東京は大手企業の本社が置かれていることや、年商の高い企業が集中していることも特徴です
実際に国土交通省が令和元年12月6日に作成した資料でも、その占有率の高さが確認できます。

順位 本社所在都市 企業数 占有率
1 北京市 53 44.5%
2 東京都 38 73.1%
3 パリ市 20 64.5%
4 ニューヨーク州 17 13.8%
5 ソウル市 12 75.0%
5 ロンドン市 12 70.6%
7 大阪府 7 13.5%
7 上海市 7 5.9%
7 深圳市 7 5.9%

※(出典)フォーチュングローバル500 2019:売上高上位500社のグローバル企業のうち、各国の企業数に占める各所在都市の企業数の割合を「占有率」とした。

順位 本社所在都市 企業数 占有率
1 カリフォルニア州 31 14.90%
2 ニューヨーク州 28 13.50%
3 東京都 26 74.30%
4 北京市 19 51.4%
5 ロンドン市 15 55.60%
6 パリ市 15 62.5%
7 ミュンヘン市 4 22%
8 ソウル市 3 75%

※(出典)FT500 2015:世界の企業の時価総額上位500社に掲載の企業を本社所在都市別に整理。各国の企業数に占める各所在都市の企業数の割合を「占有率」とした。

また、国内の人口推計を見ても不動産投資に適していることが分かるでしょう。
総務省統計局によると、令和4年10月1日時点で東京の人口は全国で最も多い14,038千人で、国内における総人口の11.2%を占めています。

【引用元】国土交通省 国土政策局 「各国の主要都市への集中の現状」より

転入者数が多い

人口数の観点から言えば、「転入者数」も注視したいところです。

日本では少子高齢化による人口減少が懸念されていますが、ごく一部では転入者が増えている都道府県があります。主要都市である大阪府と福岡県、そして注目したいのが関東圏です。東京都を筆頭に、千葉県や神奈川県など周りの関東圏においても転入者数が増えていることから、不動産投資で重要な「需要面」が確保できると想定されます

単身者数の転入が多い、今後も単身者世帯が最も増加する予想​

昨今人口減少が問題視されていますが、「単独世帯」の項目においては割合が増加しています。東京都が公表している「東京都世帯数の予測(274頁)」では、国勢調査を実施した2015年から2040年にかけて、男女の全年代において「単独世帯」は増加しているのです。
今後も東京では単身者の転入が多いと見込まれ、2040年以降も引き続き単身者世帯は増加するものと予想できます

②再開発が盛んに行われているから

不動産投資では、「リセールバリュー」がとても重要です。リセールバリューとは「売る時の価値」のことで、購入価格と売却価格の差異から示される資産価値のことです。
ここ10年程度で、東京のマンション価格は約1.8倍に上昇しており、リセールバリューが高いと言えるでしょう。単純計算で2013年頃に5,000万円で購入して10年居住したマンションが、2023年に9,000万円で売れるというのです。
リセールバリューは一般的に需要が高くなるほど比例して上昇しますが、需要が高まるエリアのポイントの1つに「都市の再開発」が挙げられます都市の再開発によって周辺環境が充実し、快適に暮らせるようになることで、入居者のニーズが高まります。
GDPやインバウンドの高さを誇る東京、特に23区内は大規模な「都市再開発」の動きが盛んで、不動産売買においては常にアンテナを張っておきたいものです

東京23区内で現在行われている大規模な都市再開発について、以下でご紹介しましょう。

新宿区

■小田急百貨店本館跡地
2029年、小田急百貨店新宿本館跡地に地上48階・地下5階、高さ約260mの複合施設を竣工予定

■京王百貨店周辺再開発 新宿グランドターミナル再編
2028年までに渋谷区側の南街区、2040年代までに北街区の再開発予定

■東口・西口駅前広場
2035年一部完成、2046年事業完了予定
東口駅前広場の歩行者空間を拡大する計画、西新宿都庁へのグランドモールの都市空間の構築など

港区

2030年 東京工業大学田町キャンパス土地活用事業
2031年 芝浦一丁目プロジェクト N棟
2031年 品川駅北周辺地区市街地再開発事業区画4-2B
2032-2035年 神宮外苑地区第一種市街地再開発事業、複合棟A・複合棟B・ホテル併設野球場棟

その他

■千代田区で都心最大級の再開発「TOKYO CROSS PARK構想」
2037年以降に工事完了予定、内幸町一丁目街区の開発計画
三井不動産など10社の共創で、日比谷公園の東側一帯を1つの街とする大規模再開発を発表

■大田区「羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線」
2030年代に完成予定、京急電鉄が羽田空港第1・第2ターミナル駅で列車の入れ替えを行う引上線の工事に着手

■大田区「新空港線(蒲蒲線)」建設
2030年代に開業予定、新しい羽田空港へのアクセス鉄道(JR・東急電鉄「蒲田駅」-京浜急行電鉄「京急蒲田駅」間)の接続計画

③地価上昇で将来性があるから

地価の上昇率からも、東京での不動産投資は将来性があると言えそうです。令和5年の国土交通省による地価公示結果では、東京は「住宅地」「商業地」「工場地」のいずれの地価も上昇が見られました。

東京都の用途別地価動向

・住宅地:平均変動率は2.1%(2年連続上昇)
・商業地:平均変動率は3.0%(2年連続上昇)
・工場地:平均変動率は5.0%(10年連続上昇)

また、上記はいずれの地域においても上昇率が拡大する結果となりました。
人口数と転入者数の増加、活発な再開発が相まって、需要・地価上昇へと繋がる一連の良好な循環ループが形成され、不動産投資における将来性は良好と言えそうです

まとめ

本記事では、前半に不動産投資における立地の重要性や選定ポイント、後半には不動産投資で東京23区が推奨される裏付けとなる背景を解説しました。
不動産投資の成功やキャッシュフローを大きく左右する「立地選定」は、日本の社会背景を十分に理解した上で行う必要があります。不動産投資に伴うあらゆるリスクシミュレーションとともに、少子高齢化、人口減少の他にも、都道府県における転入者数や家族構成など綿密な調査が大切です。
本記事でご紹介したように、東京都は1つ1つの項目に将来性が見出せるでしょう。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.01.18

不動産投資のコツ

ベルテックスコラム事務局

不動産投資は「立地」で決まる?重視すべき立地条件と東京23区をおすすめする理由を解説

  • 購入
  • 不動産投資

不動産投資の成功を決める重要な要素であり、将来の資産価値にも直結するのが「立地」です。不動産投資で立地選定を誤ってしまうと、投資の収益性のみならず、日常生活まで大きな支障をきたす可能性があります。

本記事では、不動産投資において立地が「重要視される理由」や「重視すべき立地条件」を解説したうえで、不動産投資において東京23区が推奨される理由について解説していきます。

不動産投資はなぜ「立地」が重要なのか

インターネットの検索エンジンで「不動産投資 立地」と入力すると、1ページ目には立地選定や重要性に警鐘を鳴らすタイトルばかりが並びます。不動産投資において立地が最重要ポイントとも言われる理由は、「運用時」と「売却時」2つの局面に見られます。

需要がないエリアは空室率が高くなる

まずは、運用時のリスクから説明します。
不動産投資の目的は家賃収入を得ることであり、満室状態での稼働が理想的です。入居の需要が見込めるよい立地を選定することで、継続的な満室経営の可能性が高まります
最初の立地選びを誤ってしまうと借り手からの需要が無く、慢性的に空室が発生してしまいます。このような不安定な経営状況を避け、長期目線で安定的な不動産投資をするために、立地選びは非常に重要なポイントなのです

資産価値の下落を防ぐ

もう1つの懸念点は、売却時における資産価値の下落です。
不動産投資の成功を左右する要素には、上述のインカムゲインと言われる家賃収入とともに、キャピタルゲインである売却益も含まれます。不動産投資はインカムゲインとキャピタルゲイン両方から利益計算をして、結果的にプラスかマイナスかが決まるのです。
インフレや金利変動、エリア需要など多くの社会的要因から、時間の経過とともに地価の変動が見られます。不動産投資の立地選定は、購入価格からなるべく価格が下がらないよう未来の予測立てをしながら行うことがポイントです

不動産投資における物件選びで重視すべき立地条件

よい立地を見極め不動産投資の基盤を築くことで、不動産投資は成功へと導かれます。では、一体どのような場所を選定すればよいのか、具体的な立地条件を解説しましょう。

都心へアクセスしやすい

不動産投資をする上で全国的に共通して言えることは、都心へアクセスしやすい立地を選定することですオフィスや商業施設が集まる都心は、就労者や若者など必然的に人が集中するため、都心までのアクセスはとても重要視されます。単身世帯をターゲットにした投資物件は、特に都心までのアクセスを慎重に捉えておく必要があります。
交通の利便性としては都心まで直通が望ましく、都心から近くなるほど物件価格が高額になることを加味しても、乗り換えは少なく押さえておきたいところです

駅から10分以内

最寄り駅からの物件までは、徒歩10分以内が理想的です。
不動産の各ポータルサイトにおける物件検索ページでは「駅からの徒歩分数」の項目において、「5分以内」「7分以内」「10分以内「15分以内」と条件を絞ることができます。賃貸物件では駅までの距離は、近ければ近いほど需要は高くなる傾向にあります。
現に、マイナビ株式会社が運営する総合ニュースサイト「マイナビニュース」の調査で、東京都内の住まいにおいて、「理想は最寄り駅から徒歩何分以内ですか?」という質問では、97.8%が10分以内と回答しました

1分以内 10.6%
3分以内 15.1%
5分以内 36.7%
7分以内 11.5%
10分以内 23.9%

工場や大学の近く

エリアによっては、大規模な工場や大学の近くにおいても安定した需要を見込めます。これらのエリアで投資を行う場合は、ターゲット層と求められる間取りの一致も大切です。
しかし、地方では工場の撤退や大学のキャンパス移転によって、周辺一帯の資産価値が急落する恐れがありますこればかりは不動産投資開始にあたってどれだけ緻密な調査を重ねても、事前予測の範疇を超えてしまう問題です。東京など一定数の人口が確保できているエリアでなければ、積極的におすすめはできません。
実際に大分県で起こった大手電機メーカー「キャノン」の工場撤退による資産価値下落問題について、下記の記事で解説しておりますのでご覧ください。

再開発や駅の新設など発展が見込める

今後、特に注目したいエリアは再開発や駅の新設などが見込まれる場所です。再開発が盛んに行われている地域は、地価や資産価値の上昇、人口増加による需要増加が見込めるでしょう

また、東京は単身赴任者やビジネス訪問している外国人も多く、賃貸経営の面で言うと、大手企業との「法人契約」もメリットの1つとなります大手企業との法人契約は、滞納や夜逃げリスクが少なくなり管理面での心配が少なくなるでしょう。また、外国人の入居を許可する場合、永住権の有無やどれほど日本語が話せるかなどが懸念されますが、契約者が会社になることで、原状回復など交渉ごとがスムーズになります。

不動産投資に東京23区をおすすめする理由

これらの内容からも不動産投資において立地選定をする際、東京23区は非常に適したエリアであると言えます。しかし、東京23区が推奨されるのには、他にも多くの理由があるのです。

①人口・企業数が多いから

東京の特徴は他府県と比較した際の圧倒的な企業数の多さです。単純に企業数が多いだけでなく、東京は大手企業の本社が置かれていることや、年商の高い企業が集中していることも特徴です
実際に国土交通省が令和元年12月6日に作成した資料でも、その占有率の高さが確認できます。

順位 本社所在都市 企業数 占有率
1 北京市 53 44.5%
2 東京都 38 73.1%
3 パリ市 20 64.5%
4 ニューヨーク州 17 13.8%
5 ソウル市 12 75.0%
5 ロンドン市 12 70.6%
7 大阪府 7 13.5%
7 上海市 7 5.9%
7 深圳市 7 5.9%

※(出典)フォーチュングローバル500 2019:売上高上位500社のグローバル企業のうち、各国の企業数に占める各所在都市の企業数の割合を「占有率」とした。

順位 本社所在都市 企業数 占有率
1 カリフォルニア州 31 14.90%
2 ニューヨーク州 28 13.50%
3 東京都 26 74.30%
4 北京市 19 51.4%
5 ロンドン市 15 55.60%
6 パリ市 15 62.5%
7 ミュンヘン市 4 22%
8 ソウル市 3 75%

※(出典)FT500 2015:世界の企業の時価総額上位500社に掲載の企業を本社所在都市別に整理。各国の企業数に占める各所在都市の企業数の割合を「占有率」とした。

また、国内の人口推計を見ても不動産投資に適していることが分かるでしょう。
総務省統計局によると、令和4年10月1日時点で東京の人口は全国で最も多い14,038千人で、国内における総人口の11.2%を占めています。

【引用元】国土交通省 国土政策局 「各国の主要都市への集中の現状」より

転入者数が多い

人口数の観点から言えば、「転入者数」も注視したいところです。

日本では少子高齢化による人口減少が懸念されていますが、ごく一部では転入者が増えている都道府県があります。主要都市である大阪府と福岡県、そして注目したいのが関東圏です。東京都を筆頭に、千葉県や神奈川県など周りの関東圏においても転入者数が増えていることから、不動産投資で重要な「需要面」が確保できると想定されます

単身者数の転入が多い、今後も単身者世帯が最も増加する予想​

昨今人口減少が問題視されていますが、「単独世帯」の項目においては割合が増加しています。東京都が公表している「東京都世帯数の予測(274頁)」では、国勢調査を実施した2015年から2040年にかけて、男女の全年代において「単独世帯」は増加しているのです。
今後も東京では単身者の転入が多いと見込まれ、2040年以降も引き続き単身者世帯は増加するものと予想できます

②再開発が盛んに行われているから

不動産投資では、「リセールバリュー」がとても重要です。リセールバリューとは「売る時の価値」のことで、購入価格と売却価格の差異から示される資産価値のことです。
ここ10年程度で、東京のマンション価格は約1.8倍に上昇しており、リセールバリューが高いと言えるでしょう。単純計算で2013年頃に5,000万円で購入して10年居住したマンションが、2023年に9,000万円で売れるというのです。
リセールバリューは一般的に需要が高くなるほど比例して上昇しますが、需要が高まるエリアのポイントの1つに「都市の再開発」が挙げられます都市の再開発によって周辺環境が充実し、快適に暮らせるようになることで、入居者のニーズが高まります。
GDPやインバウンドの高さを誇る東京、特に23区内は大規模な「都市再開発」の動きが盛んで、不動産売買においては常にアンテナを張っておきたいものです

東京23区内で現在行われている大規模な都市再開発について、以下でご紹介しましょう。

新宿区

■小田急百貨店本館跡地
2029年、小田急百貨店新宿本館跡地に地上48階・地下5階、高さ約260mの複合施設を竣工予定

■京王百貨店周辺再開発 新宿グランドターミナル再編
2028年までに渋谷区側の南街区、2040年代までに北街区の再開発予定

■東口・西口駅前広場
2035年一部完成、2046年事業完了予定
東口駅前広場の歩行者空間を拡大する計画、西新宿都庁へのグランドモールの都市空間の構築など

港区

2030年 東京工業大学田町キャンパス土地活用事業
2031年 芝浦一丁目プロジェクト N棟
2031年 品川駅北周辺地区市街地再開発事業区画4-2B
2032-2035年 神宮外苑地区第一種市街地再開発事業、複合棟A・複合棟B・ホテル併設野球場棟

その他

■千代田区で都心最大級の再開発「TOKYO CROSS PARK構想」
2037年以降に工事完了予定、内幸町一丁目街区の開発計画
三井不動産など10社の共創で、日比谷公園の東側一帯を1つの街とする大規模再開発を発表

■大田区「羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線」
2030年代に完成予定、京急電鉄が羽田空港第1・第2ターミナル駅で列車の入れ替えを行う引上線の工事に着手

■大田区「新空港線(蒲蒲線)」建設
2030年代に開業予定、新しい羽田空港へのアクセス鉄道(JR・東急電鉄「蒲田駅」-京浜急行電鉄「京急蒲田駅」間)の接続計画

③地価上昇で将来性があるから

地価の上昇率からも、東京での不動産投資は将来性があると言えそうです。令和5年の国土交通省による地価公示結果では、東京は「住宅地」「商業地」「工場地」のいずれの地価も上昇が見られました。

東京都の用途別地価動向

・住宅地:平均変動率は2.1%(2年連続上昇)
・商業地:平均変動率は3.0%(2年連続上昇)
・工場地:平均変動率は5.0%(10年連続上昇)

また、上記はいずれの地域においても上昇率が拡大する結果となりました。
人口数と転入者数の増加、活発な再開発が相まって、需要・地価上昇へと繋がる一連の良好な循環ループが形成され、不動産投資における将来性は良好と言えそうです

まとめ

本記事では、前半に不動産投資における立地の重要性や選定ポイント、後半には不動産投資で東京23区が推奨される裏付けとなる背景を解説しました。
不動産投資の成功やキャッシュフローを大きく左右する「立地選定」は、日本の社会背景を十分に理解した上で行う必要があります。不動産投資に伴うあらゆるリスクシミュレーションとともに、少子高齢化、人口減少の他にも、都道府県における転入者数や家族構成など綿密な調査が大切です。
本記事でご紹介したように、東京都は1つ1つの項目に将来性が見出せるでしょう。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。