2023.10.11

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資のメリット・デメリットを解説!成功させるために抑えておくべきポイントとは?

  • はじめ方・基礎知識
  • メリット
  • リスク
  • 初心者

不動産投資はサラリーマンの副業として人気があります。その理由は、サラリーマンの場合、収入が安定しているため融資を得やすく、激しく価格変動しないので仕事と両立しやすいことが考えられます。

国土交通省が令和元年に発表した不動産投資を行う個人投資家へのアンケート調査の結果でも、不動産投資を行う投資家の約4割がサラリーマンでした。なかでも40〜50歳の男性が多く、女性でも同じ傾向が見られます。

この記事ではこれから不動産投資を考えている人に向けて、事前に学んでおきたい不動産投資のメリットからデメリットまで徹底検証し、不動産投資を成功させるポイントをご紹介します。

不動産投資の5つのメリット

不動産投資のメリットは家賃収入を得られるだけではありません。ここでは不動産投資のメリットとして以下の5つをご紹介します。

  • 他人資本で運用が出来る
  • 不労所得が得られる
  • 生命保険、死亡保険として活用できる
  • 節税効果が得られる
  • 実物資産ならではのリスクヘッジが出来る

他人資本で運用が出来る

投資を始めたくても、投資にまわせるだけの資金に余裕がないと躊躇される方もいらっしゃるのではないでしょうか。不動産投資のメリットのひとつは、不動産投資ローンを組むことで自己資金をほとんど使わずに運用が出来ることです。

不動産投資ローンは住宅ローンとは審査基準が異なり、個人の返済能力だけでなく物件の価値も審査対象となります。不動産投資ローンの種類はアパートローンとプロパーローンの2種類です。初心者でも始めやすく、サラリーマンの不動産投資で人気の高いマンション1室の運用から始める区分マンションはアパートローンの対象となります。

  対象 借入金額
アパートローン 区分マンションなどが対象
パッケージ化された融資商品
年収の7~10倍まで
プロパーローン 融資希望者の資産背景や、事業の実績などを総合的に判断する
アパートローンより融資基準は高い
億を超える金額にも対応

不動産投資ローンを組むのに必要な年収の目安は500万円です。その理由は、一般的に不動産投資における融資限度額が年収の7〜10倍のためです。年収が500万円あれば、3,500万円〜5,000万円の融資が受けられます。ただし、年収の条件を満たしていても、その他の審査基準を満たしていない場合には、融資を受けられないこともあるので注意が必要です。 

不動産投資を始めるにあたって必要な自己資金は、不動産投資ローンの頭金です。必ずしも用意する必要はありませんが、物件価格の20%以上の自己資金を用意すれば、年収が低くても審査に通りやすいと言われています。

不労所得が得られる

不動産投資のふたつめのメリットは、家賃をはじめとする不労所得を得られる点です。不労所得とは名前の通り、労働をしなくても得られる収入のことです。ここでは不動産投資を行なうことで得られる家賃収入の仕組みについてご紹介します。

不動産投資の家賃収入の内訳は、「家賃」「共益費」「礼金」「更新料」の4つです。詳しくは以下に示します。

収入の種類   具体的な金額
家賃 不動産投資のメインとなる収入源 物件によって異なる
共益費 毎月家賃と一緒に支払われる費用
共用部分の水道光熱費や清掃費など、物件の維持管理のための資金
家賃の5~10%程度
礼金 契約時に入居者から受け取れる
敷金と違い返却する必要ない
通常礼金は契約時に不動産業者に支払う広告料に充てる場合が多い
家賃の1ヵ月分
更新料 賃貸契約を更新する際に支払われる 2年の契約なら2年ごとに家賃の1~2か月分

 不動産投資の収入は、ローンを支払う間は「家賃収入からローン返済+管理費を引いた額」が利益です。以下に具体的な例をあげて考えてみましょう。

【例 家賃10万円の場合】
家賃(10万円)-ローン返済(7万円)-管理費(1万円)=利益2万円

利益がたった2万円かと思われる方がいるかもしれませんが、ローンを返済すると利益は一気に9万円となります。このように、不動産投資は長期的な計画でキャッシュフローを考える必要があります。

生命保険、死亡保険として活用できる

3つめのメリットは、不動産投資ローンを組む際に団体信用生命保険(以下より団信)に加入すると、不動産投資が生命保険、死亡保険の代わりになる点です。契約者が死亡するなど条件に適用した場合、団信に加入していれば残りのローンを支払う必要がありません。

団信が適用される条件は以下のとおりです。

  • 死亡
  • 高度障害状態(規定あり)
  • 余命6か月以内の診断

通常の団信では上記の条件に対する保障ですが、特約という形でがん、心疾患、脳卒中などの3大疾病や生活習慣病にも対応した団信があります。3大疾病の特約が付いた団信の場合、がん、心疾患、脳卒中のいずれかであると診断された時点で保険金が支払われ、ローンの完済が可能です。

3大疾病の他にも、団信の特約には様々な種類があります。これらはオプションであり、自身で選べます。ただし不動産投資ローンで団信を組む際、保険会社を指定される場合が多々あるのでご注意ください。団信の特約の例は以下をご参照ください。

団信の特約 3大疾病 8大疾病 10大疾病(生活習慣病を含む)
対象疾病 がん
心疾患
脳卒中
がん
心疾患
脳卒中
糖尿病
高血圧症
慢性腎不全
肝硬変、
慢性膵炎
糖尿病
高血圧症
腎疾患
肝疾患
慢性膵炎
脳血管疾患
心疾患
大動脈瘤および解離
上皮内新生物
皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん

団信があれば生命保険の必要がないというわけではありません。その理由は団信の保険料は金融機関に支払われるもので、家族には保険料を支払われないためです。不動産投資ローンの団信が家族にとってメリットになる点は、残りのローンの支払い義務が無くなるだけでなく、不動産が資産として残り、残された家族の家計を支えられる点でしょう。

節税効果が得られる

不動産投資を行うことで節税できるメリットもあります。節税できる税金は以下のとおりです。

  • 所得税/住民税
  • 贈与税/相続税

【所得税/住民税】

所得税や住民税は所得で計算され、所得が高ければ高いほど所得税や住民税は高くなります。不動産投資が所得税や住民税の節税対策となる理由は、収入から不動産投資で発生した赤字を差し引けるためです。収入から赤字分を差し引くことを損益通算といい、具体的には以下の式をご参考ください。

「収入-不動産投資で発生した赤字額(=家賃収入-不動産経費)
→所得を下げる事で所得税や住民税が下がる

また購入した物件に対して、経年劣化を伴う建物や設備などに対する取得費用を耐用年数分に分割した経費となる減価償却は、次年度以降に少しずつ経費に計上していくことが可能です。これにより、不動産購入時から耐用年数が経過するまでの間、所得を少なく申告できるため、所得税と住民税を長年にわたって軽減できます。

【贈与税/相続税】

贈与や相続する際には現金よりも不動産のほうが納税額を抑えられるため、不動産投資を行うことで贈与税や相続税の節税が可能です。その仕組みは贈与税や相続税を計算する際、国税庁が定めた「相続税評価額」が使用され、不動産の評価額は時価より2割〜3割ほど下げて計算されるためです。

不動産を贈与する際には、登録免許税や不動産取得税などの税金が課せられ、贈与財産に対し5%ほど税金がかかることにも注意が必要です。

実物資産ならではのリスクヘッジが出来る

不動産投資では実物資産ならではのリスクヘッジができるメリットがあり、分散投資にも繋がります。資産には預金や株、保険などの金融資産と、不動産や金、プラチナなどの実物資産があります。

どちらの資産も投資することで、値上がりによる売却益(キャピタルゲイン)を得られますが、資産を保有中に得られる収益(インカムゲイン)が異なります。各資産のインカムゲインは、金融資産では配当や利子が該当し、実物資産では家賃収入等です。実物資産の場合、不動産以外の金やプラチナは保有するだけでインカムゲインを得られません。

実物資産でありながらインカムゲインまで得られる不動産投資は、資産形成の手段として人気があります。資産形成は金融資産と実物資産の両方を持つことで、分散投資ができリスクヘッジが期待できます。

リスクヘッジできる点は実物資産は金融資産に比べ、お金の価値が下がるインフレに強く、価値が安定し急落することがないためです。

分散投資以外にも実物資産はインフレに対してもリスクヘッジになります。お金の価値が下がるインフレの局面では、もの自体に価値がある実物資産は価値が目減りしない特徴があります。

不動産投資の5つのデメリット

ここからは押さえておきたい不動産投資のデメリットについて5つご紹介します。

  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 家賃下落リスク
  • 火災・地震リスク
  • 金利上昇リスク

マンション経営で最も大きなリスクとなるのは、空室です。特に区分マンションで経営している場合、空室になると収入がゼロになります。空室期間中は、マンションのローンを自分で返済していかなければなりません。空室の原因は人口の減少や、近隣にアパートやマンションが増えたなど自分だけでは回避できない様々な要因が考えられます。

空室を回避するための対処方法は以下の通りです。

入居者のターゲット層の見直し 地域の特色を理解し、入居者のターゲットを見直す必要がある。
(ファミリー世帯あるいは単身者、学生等)
入居者のターゲットに合わせて生活に応じた必要な設備を検討する。
料金の見直し 家賃や敷金、礼金の値下げをする。
一度値下げした場合、再度値上げすることは難しいので値下げしても返済できるかシミュレーションを必ず行いましょう。
募集広告の見直し 管理会社へ委託している場合は、管理会社に相談しましょう。
物件の写真が古くなっている場合は撮り直すなど掲載情報の更新が必要
付加価値をつける マンションによって付加価値の条件が異なります。
無料インターネット環境の整備やペットOK、宅配ボックスの設置、浴室換気乾燥機、ホームセキュリティーなどが人気

家賃滞納リスク

家賃滞納リスクも考慮しておきましょう。家賃滞納する入居者は一般的に2〜3%ほどいると言われているため、前項でご紹介した空室リスクと共に家賃滞納リスクも十分に注意しなければなりません。

その理由は、家賃が滞納されると支払いはありませんが、本来は利益となるため帳簿上では利益として扱われます。そのため家賃が未払いでも税金を納めなければなりません。また家賃滞納が続き強制退去となった場合、強制退去を行うための訴訟費用もかかります。

家賃滞納リスクを避けるために、入居条件を設定することが対策のひとつです。

家賃下落リスク

家賃が下落するリスクには、物件の価値や土地の価格変動などが挙げられます。マンションは新築や築が浅い物件が人気のため、時が経つと市場競争力が低下し家賃が下がってしまいます。長年同じ入居者が住み続けてくれればいいですが、途中で退去した場合、次の入居者を探そうとしても建物の築年数が長いと、再び入居者を探すのは困難です。

築年数が経過して空室の発生が目立ってきた時は、新しい設備を導入したりリフォームを検討してみましょう。

さらに不動産価格が変動すると、土地の価値も下がってしまい、家賃下落のリスクとなります。不動産価格のリスクを下げるためには、購入前の事前調査が大切です。不動産価格は国土交通省のホームページで公開されている「不動産価格指数」で確認できるのでご参考ください。

火災・地震リスク

不動産投資には火災や地震のリスクもあります。そのため不動産購入時には地震保険・火災保険をセットで加入する人も多いです。これらの保険料は前項の【節税効果が得られる】でご紹介したように必要経費としても精算できます。

火災や地震は自然災害のため避けられませんが、不動産を購入する前にリスクが少ない物件かどうか調べる事が大切です。投資する不動産を選ぶ際には以下を確認しましょう。

  • 新耐震基準が適用された物件かどうか
  • 国土交通省や各市町村が作成しているハザードマップ

また地震保険や火災保険でどこまで保障されるか知っておくことも大切です。

金利上昇リスク

不動産投資ローンを組む場合、金利上昇のリスクにも注意が必要です。不動産投資ローンにも住宅ローンと同様に固定金利と変動金利を選べます。以下にオリックス銀行の金利を例にご紹介します。

【例:オリックス銀行】
・3年固定特約型:年2.3%~3.3%
・5年固定特約型:年2.5%~3.5%
・変動金利:年2.675%~3.675%

金利はここ数年、上昇傾向にあります。金利は財務省の金利情報で確認できますが、2020年3月以降金利は右肩上がりが続いています。金利上昇の背景には、国際情勢の変化とそれに伴う物価の上昇が関係しています。

ただし日本では1980年から90年代前半の金利は8%を超えており、当時に比べると25年程低金利が続いています。低金利が続いていますが少しずつ金利は上昇しており、この状況は今後も続くと示唆されています。

不動産の売買を検討されている方にとっては、不動産価格が高騰していて、まだ金利も低い今は好機ではないでしょうか。

【参照元】財務省「国債金利情報」より

区分マンションと一棟アパートのメリットとデメリットを比較

不動産投資の物件形態には大きく分けて、区分所有と一棟所有があります。両者は投資資金も運営スタイルも異なるので、どのような経営を行いたいのか、よく吟味してから判断する必要があります。ここでは区分マンションと一棟アパートのメリットとデメリットを比較します。

区分マンションのメリット

区分マンションのメリットは、一棟物件に比べて価格が安いので、手軽に始められることです。価格が安いため、経営しながら少しずつ物件を増やしていくこともできます。エリアを分けて所有すれば結果的に分散投資になるので、空室リスクや災害リスクを低減できることもメリットといえます。

また、アパートの場合は多くがワンルームですが、区分マンションは単身者がターゲットのワンルームから、ファミリー向けの3LDKまでいろいろな物件タイプがあります。

区分マンションのデメリット

区分マンションは1戸のみ所有している場合、空室が出ると家賃収入が途絶えてしまいます。家賃収入がない月は給与や預貯金から支払うことになるので、ある程度の手持ち資金が必要です。区分マンションは複数の入居者から家賃が入る一棟アパートに比べると、収益性が低いことは否めません。

区分マンションには経営の自由度が制限されるというデメリットもあります。大規模修繕や建て替えには管理組合総会での議決が必要なことから、オーナーの判断で行うことはできません。

一棟アパートのメリット

一棟アパートは、複数の部屋を所有していることから、空室リスクが少ないことがメリットです。8戸のアパートの場合、2戸空室が発生しても残りの6戸は稼働しているので、収入が途絶えることはありません。

また、一棟アパートは土地も全て所有するため、融資を受ける際の担保価値が高くなります。区分マンションと違い、建て替えや大規模修繕をオーナーの判断で行えることもメリットといえるでしょう。

一棟アパートのデメリット

一棟アパートは物件の規模がある程度大きいので、まとまった資金が必要です。初心者がいきなり一棟アパートを購入するのはリスクが大きいです。

また、アパートは木造の物件が多いため、新築でも耐用年数が22年と、新築RC造マンションの47年に比べて短いというデメリットもあります。さらに物件の規模が大きく価格も高いため、予算の関係で買主が限られることもデメリットといえます。

区分マンションと一棟アパートのメリットとデメリットの比較表

区分マンションと一棟アパートのメリット・デメリットを比較すると下の表のようになります。

  区分マンション 一棟アパート
自己資金 少額から投資が可能 まとまった資金が必要
物件数 物件数が多く、間取りも豊富 物件数が少なく、間取りも限定的
耐用年数 新築RC造で47年と長い 新築木造で22年と短い
家賃収入 1戸のみの収入しか入らない 家賃×戸数分の収入が期待できる
空室リスク 空室が出ると家賃が途絶える 空室が出ても影響が少ない
担保価値 土地のみでは売却できない 土地も含めて所有できる

区分マンションの経営は管理が容易なので、副業として不動産経営を行いたい人には適した物件タイプといえます。一方の一棟アパートは家賃収入の規模が大きいので、専業で経営したい人に向いています。資金面では少ない費用で始めたい人には区分マンションが適していますが、まとまった家賃収入を得たい人は一棟アパートの方が目的にかなうでしょう。

中古物件と新築物件のメリットとデメリット

物件形態と並んで、重要なのが中古物件を買うか新築物件を買うかの判断です。中古物件と新築物件のメリットとデメリットを比較しながら、自分に相応しいと思う方を選ぶとよいでしょう。

中古物件のメリット

中古物件のメリットは何といっても価格が安いことです。築5年以内の築浅マンションは新築とそれほど差はありませんが、築年数が経過するにつれて新築マンションとの価格差が大きくなります。

また、流通している物件数が多いので選択肢が豊富なこともメリットの一つです。内覧も入居者がいるオーナーチェンジ物件以外であれば可能なので、実際の部屋を見ることができるという安心感があります。

中古物件のデメリット

中古物件は築年数が古いほど修繕リスクが高くなります。築古物件では購入してすぐに修繕が発生することもないとはいえません。

【参照元】東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」より

中古物件は、よほどの好立地物件を除き、資産価値が低いこともデメリットといえます。レインズ(東日本不動産流通機構)が実施した調査から、築21~25年経過すると新築時の半値近くまで下がることがわかります。

新築物件のメリット

新築物件のメリットは、建物が新しいことから入居者を確保しやすいことです。新築物件を探している人は常に一定数存在するので、安定した需要を取り込めます。新築物件は設備も最新のものを導入している可能性が高く、入居者の満足度も上がることが期待できます。

また、購入して数年はほとんど修繕費がかからないので、その間に将来に備えて修繕費を積んでおくこともできます。

新築物件のデメリット

新築物件は同じエリア・間取り等である場合、中古物件よりも購入費用が多くかかります。流通量も少ないので、その時点で売り出し中の物件から選ばなければなりません。人気物件はすぐに完売してしまう可能性が高いです。

新築物件は完成前に売り出しが始まるのが一般的なので、間取り図などから判断して購入した場合、実際に内覧したときにイメージと違ったという結果になるリスクがあります。

中古物件と新築物件のメリットとデメリットの比較表

中古物件と新築物件のメリット・デメリットを比較すると下の表のようになります。

  中古物件 新築物件
物件価格 新築と比べて安い 中古と比べて高い
物件数 多い 少ない
資産価値 新築と比べて低い 中古と比べて高い
内覧 多くの場合可能 原則としてモデルルームのみ
家賃収入 新築より家賃が安くなる 高い家賃に設定できる
空室リスク 比較的高い 比較的低い
修繕リスク 修繕が発生しやすい 購入して数年はほぼない

中古物件、新築物件にはそれぞれ良し悪しがあるので、特徴を理解して目的に合った物件を選びましょう。

不動産投資を成功させるためのポイント

最後に不動産投資を成功させるためのポイントをご紹介します。

  • 目標設定が大切
  • メリットとデメリットを正しく理解する
  • 適切なリスク対策をおこなう
  • 物件選びのコツとは
  • パートナー選びのコツとは

目標設定が大切

不動産投資を行うためには、何のために不動産投資を行うのか、不動産投資を行うことでどうしたいのか、先に目標を決めることが大切です。まずはゴール(目標)を明確にしたうえで、目的を達成できる物件を選びましょう。目標例とそれに合わせた物件を選ぶポイントは以下のとおりです。

目的例 目的に合わせた物件を選ぶポイント
不動産投資を副業としてこれから始める人 副業の場合、まずは区分マンションがおすすめです。区分マンションの場合マンション1室からの投資のため、管理がしやすく初心者にはおすすめです。慣れてきたら徐々数を増やして投資の幅を広げられます。
相続税対策 相続税対策に合った物件は、実際の価値と評価価格のギャップが大きい収益物件が有効的です。都心部など土地の価格が高く、流動性の高いエリアの物件がおすすめです。都心部などの物件は時が経っても需要があるため、安定して家賃を維持できます。さらに相続税評価額が低い物件を探しましょう。
節税対策 減価償却費を高くとりやすい物件に投資することで節税対策に繋がります。減価償却費を高くとりやすい物件とは耐用年数が短い中古の木造物件、一棟中古アパートです。
老後のための資産形成 金融資産と実物資産のバランスを考えましょう。生活費を確保できることを見越した価格の物件を探しましょう。築浅の物件や、減価償却を長くとれる物件がおすすめです。
仕事を辞めて不動産投資で生計を立てたい 安定したインカムゲインを求める場合、区分マンションでの投資では不十分なため一棟アパートや一棟マンション、または複数の区分マンションがおすすめです。ここまで投資を行うためには初期投資を増やし、多額のローンを組める返済能力が必要です。

 

メリットとデメリットを正しく理解する

全ての投資にはメリット、デメリットがあり、両方を正しく理解したうえで投資を始めましょう。メリットだけに目を向けるのではなく、デメリットも正しく理解することが重要です。

区分マンションを複数所有したり、一棟アパートや一棟マンションを購入すると、得られる収入も格段に上がります。その分、空室や家賃滞納が発生する確率も上がります。リターンが大きいものはリスクも大きいことを必ず頭に入れておきましょう。

適切なリスク対策をおこなう

不動産投資のデメリットは、事前にきちんとした対策や調査をおこなうことでリスクを最小限に抑えられます。以下に具体的なリスク対策の方法とポイントをご紹介します。

事前にできるリスク対策 ポイント
不動産投資の事業計画を立てる 前項の【目標設定が大切】でもご紹介したように、物件を選ぶ際には事前に不動産投資の目標を決める必要があります。一般的に、不動産投資の場合事業計画の提出は必要ありませんが、購入時にかかる費用や年間の収支、ローンの返済予定などシミュレーションしておくことが大切です。
相談できる不動産業者を見つける 相談できる不動産業者を見つける事でプロの目からも助言してもらえます。不動産業者を選ぶ際にはリスクやデメリットも公平に説明してくれる業者を選びましょう。
利回り以外の条件も含めてシミュレーションを行う 利回りのシミュレーションだけでなく、空室が続いたとき、家賃を下げたとき、災害で修繕が必要になったときなど、様々なリスクに対しても事前にシミュレーションを考えておきましょう。
建物が老朽化した時の対策を考えておく 建物の老朽化は必ず訪れます。老朽化して空室が増えたり、家賃が下がる前に、対策を考えておきましょう。将来的な建物の修繕に備えて、修繕積立金をしっかり積み立てておくことが大切です。

物件選びのコツとは

最後に物件選びのコツについてご紹介します。特にこれから不動産投資を始める方には、以下の物件が安心です。

  • 都心のマンション
  • 新築物件または築浅物件

都心のマンションや新築物件または築浅物件は需要が高く、築古物件に比べると空室リスクは低い傾向にあります。老朽化していくまでの間に修繕費を積み立てたり、空室対策を考える時間も十分にあるでしょう。

パートナー選びのコツとは

不動産投資では、パートナーとなる不動産会社の存在も重要です。最近は融資審査の書類に虚偽記載する不動産会社についてメディアで報道されることもあり、信頼できる不動産会社を選ぶことがより求められています。信頼できる不動産会社を探すコツは以下の3つのポイントのいずれかに該当する会社を選ぶことです。

上場不動産会社またはそれに準ずる有名不動産会社

ESR(企業の社会的責任)を重視する経営をしているので、悪質な不動産会社である可能性は低いです。

有名不動産チェーン

一つの支店が悪質な営業をするとチェーン全体のイメージが悪くなるため、強引な営業をしないように徹底されています。

地元で長い間営業している地場の不動産会社

悪質な営業をすると悪い噂が広まるので、長期間営業していることは信頼の証しとなります。自社ビルであればなお安全だといえるでしょう。

まとめ

この記事では、これから不動産投資を考えている人に向けて、事前に学んでおきたい不動産投資のメリットからデメリットまで徹底検証し、不動産投資を成功させるポイントをご紹介しました。不動産投資を失敗しないためにはメリットだけでなくデメリットも正しく理解したうえで投資計画を順序だてて考える事が大切です。

不動産投資は投資額が大きくなるほど、リスクも高くなります。そのためこれから副業を始める方には、まずは区分マンションの投資から始めることをおすすめします。区分マンションであれば、マンション1室での投資のため、自己資金も少なくて済みます。

不動産投資は実物資産のなかでも金やプラチナなどと異なり、インカムゲインを生み出せるため、人気の高い投資方法です。この記事がこれから不動産投資を始めようと思われる方のご参考になれば幸いです。

不動産投資で成功するためには、セミナーに参加するなどして不動産投資に関する知識を習得することが大切です。ベルテックスでは不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお申し込みください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.11

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資のメリット・デメリットを解説!成功させるために抑えておくべきポイントとは?

  • はじめ方・基礎知識
  • メリット
  • リスク
  • 初心者

不動産投資はサラリーマンの副業として人気があります。その理由は、サラリーマンの場合、収入が安定しているため融資を得やすく、激しく価格変動しないので仕事と両立しやすいことが考えられます。

国土交通省が令和元年に発表した不動産投資を行う個人投資家へのアンケート調査の結果でも、不動産投資を行う投資家の約4割がサラリーマンでした。なかでも40〜50歳の男性が多く、女性でも同じ傾向が見られます。

この記事ではこれから不動産投資を考えている人に向けて、事前に学んでおきたい不動産投資のメリットからデメリットまで徹底検証し、不動産投資を成功させるポイントをご紹介します。

不動産投資の5つのメリット

不動産投資のメリットは家賃収入を得られるだけではありません。ここでは不動産投資のメリットとして以下の5つをご紹介します。

  • 他人資本で運用が出来る
  • 不労所得が得られる
  • 生命保険、死亡保険として活用できる
  • 節税効果が得られる
  • 実物資産ならではのリスクヘッジが出来る

他人資本で運用が出来る

投資を始めたくても、投資にまわせるだけの資金に余裕がないと躊躇される方もいらっしゃるのではないでしょうか。不動産投資のメリットのひとつは、不動産投資ローンを組むことで自己資金をほとんど使わずに運用が出来ることです。

不動産投資ローンは住宅ローンとは審査基準が異なり、個人の返済能力だけでなく物件の価値も審査対象となります。不動産投資ローンの種類はアパートローンとプロパーローンの2種類です。初心者でも始めやすく、サラリーマンの不動産投資で人気の高いマンション1室の運用から始める区分マンションはアパートローンの対象となります。

  対象 借入金額
アパートローン 区分マンションなどが対象
パッケージ化された融資商品
年収の7~10倍まで
プロパーローン 融資希望者の資産背景や、事業の実績などを総合的に判断する
アパートローンより融資基準は高い
億を超える金額にも対応

不動産投資ローンを組むのに必要な年収の目安は500万円です。その理由は、一般的に不動産投資における融資限度額が年収の7〜10倍のためです。年収が500万円あれば、3,500万円〜5,000万円の融資が受けられます。ただし、年収の条件を満たしていても、その他の審査基準を満たしていない場合には、融資を受けられないこともあるので注意が必要です。 

不動産投資を始めるにあたって必要な自己資金は、不動産投資ローンの頭金です。必ずしも用意する必要はありませんが、物件価格の20%以上の自己資金を用意すれば、年収が低くても審査に通りやすいと言われています。

不労所得が得られる

不動産投資のふたつめのメリットは、家賃をはじめとする不労所得を得られる点です。不労所得とは名前の通り、労働をしなくても得られる収入のことです。ここでは不動産投資を行なうことで得られる家賃収入の仕組みについてご紹介します。

不動産投資の家賃収入の内訳は、「家賃」「共益費」「礼金」「更新料」の4つです。詳しくは以下に示します。

収入の種類   具体的な金額
家賃 不動産投資のメインとなる収入源 物件によって異なる
共益費 毎月家賃と一緒に支払われる費用
共用部分の水道光熱費や清掃費など、物件の維持管理のための資金
家賃の5~10%程度
礼金 契約時に入居者から受け取れる
敷金と違い返却する必要ない
通常礼金は契約時に不動産業者に支払う広告料に充てる場合が多い
家賃の1ヵ月分
更新料 賃貸契約を更新する際に支払われる 2年の契約なら2年ごとに家賃の1~2か月分

 不動産投資の収入は、ローンを支払う間は「家賃収入からローン返済+管理費を引いた額」が利益です。以下に具体的な例をあげて考えてみましょう。

【例 家賃10万円の場合】
家賃(10万円)-ローン返済(7万円)-管理費(1万円)=利益2万円

利益がたった2万円かと思われる方がいるかもしれませんが、ローンを返済すると利益は一気に9万円となります。このように、不動産投資は長期的な計画でキャッシュフローを考える必要があります。

生命保険、死亡保険として活用できる

3つめのメリットは、不動産投資ローンを組む際に団体信用生命保険(以下より団信)に加入すると、不動産投資が生命保険、死亡保険の代わりになる点です。契約者が死亡するなど条件に適用した場合、団信に加入していれば残りのローンを支払う必要がありません。

団信が適用される条件は以下のとおりです。

  • 死亡
  • 高度障害状態(規定あり)
  • 余命6か月以内の診断

通常の団信では上記の条件に対する保障ですが、特約という形でがん、心疾患、脳卒中などの3大疾病や生活習慣病にも対応した団信があります。3大疾病の特約が付いた団信の場合、がん、心疾患、脳卒中のいずれかであると診断された時点で保険金が支払われ、ローンの完済が可能です。

3大疾病の他にも、団信の特約には様々な種類があります。これらはオプションであり、自身で選べます。ただし不動産投資ローンで団信を組む際、保険会社を指定される場合が多々あるのでご注意ください。団信の特約の例は以下をご参照ください。

団信の特約 3大疾病 8大疾病 10大疾病(生活習慣病を含む)
対象疾病 がん
心疾患
脳卒中
がん
心疾患
脳卒中
糖尿病
高血圧症
慢性腎不全
肝硬変、
慢性膵炎
糖尿病
高血圧症
腎疾患
肝疾患
慢性膵炎
脳血管疾患
心疾患
大動脈瘤および解離
上皮内新生物
皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん

団信があれば生命保険の必要がないというわけではありません。その理由は団信の保険料は金融機関に支払われるもので、家族には保険料を支払われないためです。不動産投資ローンの団信が家族にとってメリットになる点は、残りのローンの支払い義務が無くなるだけでなく、不動産が資産として残り、残された家族の家計を支えられる点でしょう。

節税効果が得られる

不動産投資を行うことで節税できるメリットもあります。節税できる税金は以下のとおりです。

  • 所得税/住民税
  • 贈与税/相続税

【所得税/住民税】

所得税や住民税は所得で計算され、所得が高ければ高いほど所得税や住民税は高くなります。不動産投資が所得税や住民税の節税対策となる理由は、収入から不動産投資で発生した赤字を差し引けるためです。収入から赤字分を差し引くことを損益通算といい、具体的には以下の式をご参考ください。

「収入-不動産投資で発生した赤字額(=家賃収入-不動産経費)
→所得を下げる事で所得税や住民税が下がる

また購入した物件に対して、経年劣化を伴う建物や設備などに対する取得費用を耐用年数分に分割した経費となる減価償却は、次年度以降に少しずつ経費に計上していくことが可能です。これにより、不動産購入時から耐用年数が経過するまでの間、所得を少なく申告できるため、所得税と住民税を長年にわたって軽減できます。

【贈与税/相続税】

贈与や相続する際には現金よりも不動産のほうが納税額を抑えられるため、不動産投資を行うことで贈与税や相続税の節税が可能です。その仕組みは贈与税や相続税を計算する際、国税庁が定めた「相続税評価額」が使用され、不動産の評価額は時価より2割〜3割ほど下げて計算されるためです。

不動産を贈与する際には、登録免許税や不動産取得税などの税金が課せられ、贈与財産に対し5%ほど税金がかかることにも注意が必要です。

実物資産ならではのリスクヘッジが出来る

不動産投資では実物資産ならではのリスクヘッジができるメリットがあり、分散投資にも繋がります。資産には預金や株、保険などの金融資産と、不動産や金、プラチナなどの実物資産があります。

どちらの資産も投資することで、値上がりによる売却益(キャピタルゲイン)を得られますが、資産を保有中に得られる収益(インカムゲイン)が異なります。各資産のインカムゲインは、金融資産では配当や利子が該当し、実物資産では家賃収入等です。実物資産の場合、不動産以外の金やプラチナは保有するだけでインカムゲインを得られません。

実物資産でありながらインカムゲインまで得られる不動産投資は、資産形成の手段として人気があります。資産形成は金融資産と実物資産の両方を持つことで、分散投資ができリスクヘッジが期待できます。

リスクヘッジできる点は実物資産は金融資産に比べ、お金の価値が下がるインフレに強く、価値が安定し急落することがないためです。

分散投資以外にも実物資産はインフレに対してもリスクヘッジになります。お金の価値が下がるインフレの局面では、もの自体に価値がある実物資産は価値が目減りしない特徴があります。

不動産投資の5つのデメリット

ここからは押さえておきたい不動産投資のデメリットについて5つご紹介します。

  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 家賃下落リスク
  • 火災・地震リスク
  • 金利上昇リスク

マンション経営で最も大きなリスクとなるのは、空室です。特に区分マンションで経営している場合、空室になると収入がゼロになります。空室期間中は、マンションのローンを自分で返済していかなければなりません。空室の原因は人口の減少や、近隣にアパートやマンションが増えたなど自分だけでは回避できない様々な要因が考えられます。

空室を回避するための対処方法は以下の通りです。

入居者のターゲット層の見直し 地域の特色を理解し、入居者のターゲットを見直す必要がある。
(ファミリー世帯あるいは単身者、学生等)
入居者のターゲットに合わせて生活に応じた必要な設備を検討する。
料金の見直し 家賃や敷金、礼金の値下げをする。
一度値下げした場合、再度値上げすることは難しいので値下げしても返済できるかシミュレーションを必ず行いましょう。
募集広告の見直し 管理会社へ委託している場合は、管理会社に相談しましょう。
物件の写真が古くなっている場合は撮り直すなど掲載情報の更新が必要
付加価値をつける マンションによって付加価値の条件が異なります。
無料インターネット環境の整備やペットOK、宅配ボックスの設置、浴室換気乾燥機、ホームセキュリティーなどが人気

家賃滞納リスク

家賃滞納リスクも考慮しておきましょう。家賃滞納する入居者は一般的に2〜3%ほどいると言われているため、前項でご紹介した空室リスクと共に家賃滞納リスクも十分に注意しなければなりません。

その理由は、家賃が滞納されると支払いはありませんが、本来は利益となるため帳簿上では利益として扱われます。そのため家賃が未払いでも税金を納めなければなりません。また家賃滞納が続き強制退去となった場合、強制退去を行うための訴訟費用もかかります。

家賃滞納リスクを避けるために、入居条件を設定することが対策のひとつです。

家賃下落リスク

家賃が下落するリスクには、物件の価値や土地の価格変動などが挙げられます。マンションは新築や築が浅い物件が人気のため、時が経つと市場競争力が低下し家賃が下がってしまいます。長年同じ入居者が住み続けてくれればいいですが、途中で退去した場合、次の入居者を探そうとしても建物の築年数が長いと、再び入居者を探すのは困難です。

築年数が経過して空室の発生が目立ってきた時は、新しい設備を導入したりリフォームを検討してみましょう。

さらに不動産価格が変動すると、土地の価値も下がってしまい、家賃下落のリスクとなります。不動産価格のリスクを下げるためには、購入前の事前調査が大切です。不動産価格は国土交通省のホームページで公開されている「不動産価格指数」で確認できるのでご参考ください。

火災・地震リスク

不動産投資には火災や地震のリスクもあります。そのため不動産購入時には地震保険・火災保険をセットで加入する人も多いです。これらの保険料は前項の【節税効果が得られる】でご紹介したように必要経費としても精算できます。

火災や地震は自然災害のため避けられませんが、不動産を購入する前にリスクが少ない物件かどうか調べる事が大切です。投資する不動産を選ぶ際には以下を確認しましょう。

  • 新耐震基準が適用された物件かどうか
  • 国土交通省や各市町村が作成しているハザードマップ

また地震保険や火災保険でどこまで保障されるか知っておくことも大切です。

金利上昇リスク

不動産投資ローンを組む場合、金利上昇のリスクにも注意が必要です。不動産投資ローンにも住宅ローンと同様に固定金利と変動金利を選べます。以下にオリックス銀行の金利を例にご紹介します。

【例:オリックス銀行】
・3年固定特約型:年2.3%~3.3%
・5年固定特約型:年2.5%~3.5%
・変動金利:年2.675%~3.675%

金利はここ数年、上昇傾向にあります。金利は財務省の金利情報で確認できますが、2020年3月以降金利は右肩上がりが続いています。金利上昇の背景には、国際情勢の変化とそれに伴う物価の上昇が関係しています。

ただし日本では1980年から90年代前半の金利は8%を超えており、当時に比べると25年程低金利が続いています。低金利が続いていますが少しずつ金利は上昇しており、この状況は今後も続くと示唆されています。

不動産の売買を検討されている方にとっては、不動産価格が高騰していて、まだ金利も低い今は好機ではないでしょうか。

【参照元】財務省「国債金利情報」より

区分マンションと一棟アパートのメリットとデメリットを比較

不動産投資の物件形態には大きく分けて、区分所有と一棟所有があります。両者は投資資金も運営スタイルも異なるので、どのような経営を行いたいのか、よく吟味してから判断する必要があります。ここでは区分マンションと一棟アパートのメリットとデメリットを比較します。

区分マンションのメリット

区分マンションのメリットは、一棟物件に比べて価格が安いので、手軽に始められることです。価格が安いため、経営しながら少しずつ物件を増やしていくこともできます。エリアを分けて所有すれば結果的に分散投資になるので、空室リスクや災害リスクを低減できることもメリットといえます。

また、アパートの場合は多くがワンルームですが、区分マンションは単身者がターゲットのワンルームから、ファミリー向けの3LDKまでいろいろな物件タイプがあります。

区分マンションのデメリット

区分マンションは1戸のみ所有している場合、空室が出ると家賃収入が途絶えてしまいます。家賃収入がない月は給与や預貯金から支払うことになるので、ある程度の手持ち資金が必要です。区分マンションは複数の入居者から家賃が入る一棟アパートに比べると、収益性が低いことは否めません。

区分マンションには経営の自由度が制限されるというデメリットもあります。大規模修繕や建て替えには管理組合総会での議決が必要なことから、オーナーの判断で行うことはできません。

一棟アパートのメリット

一棟アパートは、複数の部屋を所有していることから、空室リスクが少ないことがメリットです。8戸のアパートの場合、2戸空室が発生しても残りの6戸は稼働しているので、収入が途絶えることはありません。

また、一棟アパートは土地も全て所有するため、融資を受ける際の担保価値が高くなります。区分マンションと違い、建て替えや大規模修繕をオーナーの判断で行えることもメリットといえるでしょう。

一棟アパートのデメリット

一棟アパートは物件の規模がある程度大きいので、まとまった資金が必要です。初心者がいきなり一棟アパートを購入するのはリスクが大きいです。

また、アパートは木造の物件が多いため、新築でも耐用年数が22年と、新築RC造マンションの47年に比べて短いというデメリットもあります。さらに物件の規模が大きく価格も高いため、予算の関係で買主が限られることもデメリットといえます。

区分マンションと一棟アパートのメリットとデメリットの比較表

区分マンションと一棟アパートのメリット・デメリットを比較すると下の表のようになります。

  区分マンション 一棟アパート
自己資金 少額から投資が可能 まとまった資金が必要
物件数 物件数が多く、間取りも豊富 物件数が少なく、間取りも限定的
耐用年数 新築RC造で47年と長い 新築木造で22年と短い
家賃収入 1戸のみの収入しか入らない 家賃×戸数分の収入が期待できる
空室リスク 空室が出ると家賃が途絶える 空室が出ても影響が少ない
担保価値 土地のみでは売却できない 土地も含めて所有できる

区分マンションの経営は管理が容易なので、副業として不動産経営を行いたい人には適した物件タイプといえます。一方の一棟アパートは家賃収入の規模が大きいので、専業で経営したい人に向いています。資金面では少ない費用で始めたい人には区分マンションが適していますが、まとまった家賃収入を得たい人は一棟アパートの方が目的にかなうでしょう。

中古物件と新築物件のメリットとデメリット

物件形態と並んで、重要なのが中古物件を買うか新築物件を買うかの判断です。中古物件と新築物件のメリットとデメリットを比較しながら、自分に相応しいと思う方を選ぶとよいでしょう。

中古物件のメリット

中古物件のメリットは何といっても価格が安いことです。築5年以内の築浅マンションは新築とそれほど差はありませんが、築年数が経過するにつれて新築マンションとの価格差が大きくなります。

また、流通している物件数が多いので選択肢が豊富なこともメリットの一つです。内覧も入居者がいるオーナーチェンジ物件以外であれば可能なので、実際の部屋を見ることができるという安心感があります。

中古物件のデメリット

中古物件は築年数が古いほど修繕リスクが高くなります。築古物件では購入してすぐに修繕が発生することもないとはいえません。

【参照元】東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」より

中古物件は、よほどの好立地物件を除き、資産価値が低いこともデメリットといえます。レインズ(東日本不動産流通機構)が実施した調査から、築21~25年経過すると新築時の半値近くまで下がることがわかります。

新築物件のメリット

新築物件のメリットは、建物が新しいことから入居者を確保しやすいことです。新築物件を探している人は常に一定数存在するので、安定した需要を取り込めます。新築物件は設備も最新のものを導入している可能性が高く、入居者の満足度も上がることが期待できます。

また、購入して数年はほとんど修繕費がかからないので、その間に将来に備えて修繕費を積んでおくこともできます。

新築物件のデメリット

新築物件は同じエリア・間取り等である場合、中古物件よりも購入費用が多くかかります。流通量も少ないので、その時点で売り出し中の物件から選ばなければなりません。人気物件はすぐに完売してしまう可能性が高いです。

新築物件は完成前に売り出しが始まるのが一般的なので、間取り図などから判断して購入した場合、実際に内覧したときにイメージと違ったという結果になるリスクがあります。

中古物件と新築物件のメリットとデメリットの比較表

中古物件と新築物件のメリット・デメリットを比較すると下の表のようになります。

  中古物件 新築物件
物件価格 新築と比べて安い 中古と比べて高い
物件数 多い 少ない
資産価値 新築と比べて低い 中古と比べて高い
内覧 多くの場合可能 原則としてモデルルームのみ
家賃収入 新築より家賃が安くなる 高い家賃に設定できる
空室リスク 比較的高い 比較的低い
修繕リスク 修繕が発生しやすい 購入して数年はほぼない

中古物件、新築物件にはそれぞれ良し悪しがあるので、特徴を理解して目的に合った物件を選びましょう。

不動産投資を成功させるためのポイント

最後に不動産投資を成功させるためのポイントをご紹介します。

  • 目標設定が大切
  • メリットとデメリットを正しく理解する
  • 適切なリスク対策をおこなう
  • 物件選びのコツとは
  • パートナー選びのコツとは

目標設定が大切

不動産投資を行うためには、何のために不動産投資を行うのか、不動産投資を行うことでどうしたいのか、先に目標を決めることが大切です。まずはゴール(目標)を明確にしたうえで、目的を達成できる物件を選びましょう。目標例とそれに合わせた物件を選ぶポイントは以下のとおりです。

目的例 目的に合わせた物件を選ぶポイント
不動産投資を副業としてこれから始める人 副業の場合、まずは区分マンションがおすすめです。区分マンションの場合マンション1室からの投資のため、管理がしやすく初心者にはおすすめです。慣れてきたら徐々数を増やして投資の幅を広げられます。
相続税対策 相続税対策に合った物件は、実際の価値と評価価格のギャップが大きい収益物件が有効的です。都心部など土地の価格が高く、流動性の高いエリアの物件がおすすめです。都心部などの物件は時が経っても需要があるため、安定して家賃を維持できます。さらに相続税評価額が低い物件を探しましょう。
節税対策 減価償却費を高くとりやすい物件に投資することで節税対策に繋がります。減価償却費を高くとりやすい物件とは耐用年数が短い中古の木造物件、一棟中古アパートです。
老後のための資産形成 金融資産と実物資産のバランスを考えましょう。生活費を確保できることを見越した価格の物件を探しましょう。築浅の物件や、減価償却を長くとれる物件がおすすめです。
仕事を辞めて不動産投資で生計を立てたい 安定したインカムゲインを求める場合、区分マンションでの投資では不十分なため一棟アパートや一棟マンション、または複数の区分マンションがおすすめです。ここまで投資を行うためには初期投資を増やし、多額のローンを組める返済能力が必要です。

 

メリットとデメリットを正しく理解する

全ての投資にはメリット、デメリットがあり、両方を正しく理解したうえで投資を始めましょう。メリットだけに目を向けるのではなく、デメリットも正しく理解することが重要です。

区分マンションを複数所有したり、一棟アパートや一棟マンションを購入すると、得られる収入も格段に上がります。その分、空室や家賃滞納が発生する確率も上がります。リターンが大きいものはリスクも大きいことを必ず頭に入れておきましょう。

適切なリスク対策をおこなう

不動産投資のデメリットは、事前にきちんとした対策や調査をおこなうことでリスクを最小限に抑えられます。以下に具体的なリスク対策の方法とポイントをご紹介します。

事前にできるリスク対策 ポイント
不動産投資の事業計画を立てる 前項の【目標設定が大切】でもご紹介したように、物件を選ぶ際には事前に不動産投資の目標を決める必要があります。一般的に、不動産投資の場合事業計画の提出は必要ありませんが、購入時にかかる費用や年間の収支、ローンの返済予定などシミュレーションしておくことが大切です。
相談できる不動産業者を見つける 相談できる不動産業者を見つける事でプロの目からも助言してもらえます。不動産業者を選ぶ際にはリスクやデメリットも公平に説明してくれる業者を選びましょう。
利回り以外の条件も含めてシミュレーションを行う 利回りのシミュレーションだけでなく、空室が続いたとき、家賃を下げたとき、災害で修繕が必要になったときなど、様々なリスクに対しても事前にシミュレーションを考えておきましょう。
建物が老朽化した時の対策を考えておく 建物の老朽化は必ず訪れます。老朽化して空室が増えたり、家賃が下がる前に、対策を考えておきましょう。将来的な建物の修繕に備えて、修繕積立金をしっかり積み立てておくことが大切です。

物件選びのコツとは

最後に物件選びのコツについてご紹介します。特にこれから不動産投資を始める方には、以下の物件が安心です。

  • 都心のマンション
  • 新築物件または築浅物件

都心のマンションや新築物件または築浅物件は需要が高く、築古物件に比べると空室リスクは低い傾向にあります。老朽化していくまでの間に修繕費を積み立てたり、空室対策を考える時間も十分にあるでしょう。

パートナー選びのコツとは

不動産投資では、パートナーとなる不動産会社の存在も重要です。最近は融資審査の書類に虚偽記載する不動産会社についてメディアで報道されることもあり、信頼できる不動産会社を選ぶことがより求められています。信頼できる不動産会社を探すコツは以下の3つのポイントのいずれかに該当する会社を選ぶことです。

上場不動産会社またはそれに準ずる有名不動産会社

ESR(企業の社会的責任)を重視する経営をしているので、悪質な不動産会社である可能性は低いです。

有名不動産チェーン

一つの支店が悪質な営業をするとチェーン全体のイメージが悪くなるため、強引な営業をしないように徹底されています。

地元で長い間営業している地場の不動産会社

悪質な営業をすると悪い噂が広まるので、長期間営業していることは信頼の証しとなります。自社ビルであればなお安全だといえるでしょう。

まとめ

この記事では、これから不動産投資を考えている人に向けて、事前に学んでおきたい不動産投資のメリットからデメリットまで徹底検証し、不動産投資を成功させるポイントをご紹介しました。不動産投資を失敗しないためにはメリットだけでなくデメリットも正しく理解したうえで投資計画を順序だてて考える事が大切です。

不動産投資は投資額が大きくなるほど、リスクも高くなります。そのためこれから副業を始める方には、まずは区分マンションの投資から始めることをおすすめします。区分マンションであれば、マンション1室での投資のため、自己資金も少なくて済みます。

不動産投資は実物資産のなかでも金やプラチナなどと異なり、インカムゲインを生み出せるため、人気の高い投資方法です。この記事がこれから不動産投資を始めようと思われる方のご参考になれば幸いです。

不動産投資で成功するためには、セミナーに参加するなどして不動産投資に関する知識を習得することが大切です。ベルテックスでは不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお申し込みください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。