2023.10.10

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

新築ワンルームマンションの投資とは|メリットやリスクも紹介

  • メリット
  • マンション投資
  • 不動産投資

新築ワンルームマンション投資は、利益の見通しが立てやすいため、初めて不動産投資をする人でも取り組みやすいといえるでしょう。しかし、ネットや書籍には「新築ワンルームマンション投資はリスクが高い」という情報があふれています。

この記事では、新築ワンルームマンション投資のデメリットが強調される理由や、新築ワンルームマンション投資のメリットを最大限に活かす投資戦略について分かりやすく解説します。

新築ワンルームマンション投資とは

新築ワンルームマンション投資とは、単身者向けの分譲マンションを1室単位で購入し、利益を得る投資方法です。入居する単身者の主な属性は、次の通りです。

・学生
・独身のビジネスパーソン
・独身の高齢者 など

新築ワンルームマンション投資は、立地によって以下の選択肢があります。

・東京都心
・東京都内
・首都圏
・地方都市

これらのなかで入居者ニーズが特に強いのは「東京都心」や「東京都内」などの新築ワンルームマンション投資でしょう。なぜなら東京都内は、2023年以降数十年にわたって人口の減少が緩やかで安定的に推移し、さらに単独世帯が増加していくと総務局も予想しています(「東京都世帯数の予測」(外部リンク)2023年12月時点より)。

区分 単独世帯(予測) 総人口(予測)
2025年 351万4,000世帯  1,417万928人
2030年 358万6,000世帯 1,412万9,351人
2035年 364万8,000世帯 1,392万1,800人
2040年 369万7,000世帯 1,359万9,744人

設備が新しく入居率が高い

新築ワンルームマンション投資には、設備が新しくて入居率が高いというメリットがあります。賃貸マンションを選ぶ際、最新の設備は大きな魅力です。特に水まわり設備は、暮らしの快適さを大きく左右します。一度快適さを知るとなかなか手放しづらくなるものです。そのため、入居者の退居が少なく、高い入居率の維持につながりやすいというメリットがあります。

新築ワンルームマンションは設備が新しいので、当面の間はリフォームが必要になることがほとんどありません。一方、中古ワンルームマンション投資では、水まわりのリフォームが必要になることが多々あります。そのため、物件価格が安くても、リフォーム費用などを含めた投資総額が想定以上に大きくなることも少なくありません。

マンションの設備は、新しいかどうかだけでなく、トレンドを押さえているかどうかも重要です。近年では、コロナ禍でネット通販を利用する人が増えたことから、宅配ボックスの人気が高まりました。花粉症などにより「室内干しをしたい」というニーズが増え、浴室換気乾燥機も人気を集めています。
また、動画の閲覧や配信、オンラインゲーム、在宅勤務時のオンラインツールの利用など、公私を問わずインターネットは欠かせません。そのため、インターネット関連の設備も差別化のポイントの一つといえます。
このように設備のトレンドを押さえて物件選びをすることも、新築ワンルームマンション投資を成功させるためには重要です。

大きな修繕費がかからない

物件購入後しばらくは大規模な修繕費がかからないことも、新築ワンルームマンション投資のメリットといえます。不動産投資では、物件価値の下落を防ぐため、定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、中古ワンルームマンションのなかには、きちんとメンテナンスされていない物件もあります。そのような物件を購入すると、購入後に大規模な修繕が必要になる可能性が高いでしょう。

もちろん中古ワンルームマンションのなかにも、前オーナーがきちんとメンテナンスを行い、物件価値が高く保たれている物件もあります。条件やタイミングが良ければ、掘り出し物の物件を割安で手に入れられるかもしれません。しかし、物件価値が保たれているかを見極めるのは、簡単ではありません。物件の状態から修繕の必要性やかかる費用を見極めるためには、不動産に関する知識を学んだ上で不動産投資の経験を積む必要があります。

物件価値を見極める自信がない場合は、新築ワンルームマンション投資を選ぶほうが予期せぬ修繕費がかかる心配もなく安心です。物件購入後、大きな修繕費がかからなければ、事前のシミュレーション通りに安定した収益を得られる可能性が高いでしょう。初めて不動産投資をする際の安心感にもつながります。

こまめなメンテナンスを行うことで資産価値を維持しやすいことも、新築ワンルームマンション投資のメリットの一つです。このような新築ワンルームマンション投資のメリットを活かすためには、物件の売買だけでなく管理についても適切なタイミングでアドバイスをしてくれる不動産投資会社を選ぶことが大切です。

中古に比べ商品力が強い

新築ワンルームマンションには、中古ワンルームマンションと比べると「商品力が強い」というメリットもあります。日本では新築が好まれる傾向にあるため、新築というだけで周辺の物件との差別化になり、入居者を確保しやすくなります。

一方、新築ワンルームマンション投資では「新築プレミアム」について知っておく必要があります。新築プレミアムとは、新築物件独自の価値のことをいいます。新築プレミアムによって新築物件の価格は10~20%ほど高くなるといわれています。新築プレミアムや利回りの低さを理由として、新築ワンルームマンション投資のリスクが強調されることもありますが、本当にデメリットといえるかどうかは投資する人の考え方によります。新築プレミアムで新築物件の価格が高くなるのは事実ですが、その分、中古物件と比べて最新の設備や高い入居率などのメリットが得られ、相応の価値に対して投資しているともいえるからです。

利回りは、新築のほうが中古より低くなる傾向があります。利回りは年間の家賃収入を物件価格で割って算出するため、新築プレミアムで物件価格が高くなる新築物件の利回りが低くなるのは当然のことです。物件価格の安い中古物件なら利回りは高くなりますが、それは入居率を維持できてこその話です。いくら利回りが高くても、入居者が見つからなかったり頻繁に退居されたりすると、実際に得られる家賃収入は少なくなります。

新築プレミアムによって利回りが低くても、入居率の高さで新築のほうが多くの家賃収入を得られることもあるという点は認識しておきましょう。利回りだけに振り回されず、物件の価値や想定される入居率も踏まえて投資判断をすることが大切です。

長期にわたり運用できる

新築ワンルームマンション投資には、物件価値が下がりにくく長期にわたって運用できるというメリットもあります。物件の老朽化が進むと「入居者が見つかりにくくなった」「家賃を下げざるを得なくなった」という場面に遭遇することもあるでしょう。ハウスクリーニングだけでは維持できなくなり、修繕や水まわり設備の入れ替えが必要になる可能性もあります。

ただし、新築物件であれば、このような対策が必要になるのは10年以上先の話です。中古物件の場合は、投資してすぐに修繕や設備投資の判断を迫られることがあります。 リフォームや設備の入れ替えは、不動産オーナーにとって簡単にできる決断ではありません。まとまった出費がかかるだけでなく「どんな内装が人気なのか」「どんな設備が差別化になるのか」などを勉強する必要もあります。お金を出してリフォームや設備の入れ替えを実施しても「本当に入居者確保につながるのか」「家賃を維持できるのか」といった不安が生じることもあるでしょう。

中古物件に投資して数年後にこのような事態に陥っても、正しい投資判断を下せないことがあります。一方、新築ワンルームマンション投資であれば、長い時間をかけて不動産投資の経験値を上げて知識を蓄えることができるでしょう。経験を積んでからリフォームや設備の入れ替えに直面した場合、適切な投資判断を下しやすくなります。

建物が本格的に老朽化する前に売却を考えることも選択肢の一つです。新築ワンルームマンション投資は長期にわたって運用できるため、売却の時期をじっくりと検討できることもメリットの一つといえます。東京オリンピックの開催のように今後も物件価格上昇の追い風になる出来事が起きるかもしれません。タイミングを見て売却すれば、物件を保有している間の家賃収入だけでなく売却益も得られます。

不動産投資では、家賃収入をインカムゲイン、売却益をキャピタルゲインと呼びます。不動産投資を成功させるには、インカムゲインだけを見るのではなく、インカムゲインとキャピタルゲインのトータルでプラスになるように投資判断をすることが重要です。

売却時に購入者にも長期の融資がつく可能性が高い

新築ワンルームマンションは、売却時に購入者が長期の融資を受けられる可能性が高く、売却しやすいというメリットもあります。新築ワンルームマンションは、一棟マンションなどと比較して流動性が高く現金化しやすいことが特徴です。不動産投資を始めたものの事情があって投資をやめることになった場合、売却しやすいかどうかは重要なポイントとなります。

新築ワンルームマンションは、中古物件やファミリータイプの物件と比べてスピーディに売却できる傾向があります。築年数があまり経過していなければ、購入者も長期ローンを組めることが多いため、購入のハードルは比較的低いといえるでしょう。

また立地によっては、物件価格が上昇して売却益を得られる可能性もあります。単身者向けのワンルームマンションは、駅近など立地条件の良い物件が多いです。新駅の設置、鉄道の延伸、駅周辺の再開発などによりニーズが増えれば物件価格も上昇します。

このように新築ワンルームマンション投資には「不動産投資を続けられなくなったときに売却しやすい」「戦略的に売却益を狙いやすい」などの特徴があります。

都心部では単身者世帯数が増加しており需要がある

日本全体の人口は、年々減少の一途をたどっています。しかし、都心部では単身世帯の数が増加しているため、ワンルームマンションは今後も大きな需要が見込めるでしょう。総務局統計局の2020年の国勢調査(外部リンク)によると東京都の総人口は、2015~2020年にかけて約53万人増加しています。世帯構成を見ると2015年は47.39%だった単独世帯が2020年には50.26%に増加しました。

一方、夫婦と子ども世帯の割合は、2015~2020年にかけて減少しています。単身世帯が増加している背景には、未婚化が進んでいることがあります。今後もこの傾向が続く可能性は高いため、単身世帯向けのワンルームマンションのニーズは増えることが予想されます。

都心部のワンルームマンションには、空室リスクが低くて家賃も下落しにくいというメリットがあります。物件購入後も安定的に家賃収入を得られる可能性が高いでしょう。空室リスクが低くて家賃が高い水準にあるということは、買い手がつきやすいということでもあります。事情があって物件を手放して不動産投資をやめる際でも売却しやすく現金化しやすいため、投資初心者にとって安心感があります。

このような新築ワンルームマンション投資のメリットを最大限に活かすためには、立地にこだわって物件を選ぶことが大切です。知名度の高い人気エリアというだけでなく、最寄り駅についても調査した上で物件を選びましょう。特に以下のような点はしっかり調査する必要があります。

  • 特急や快速は止まるのか
  • 乗り換えでよく利用される駅なのか
  • 主要駅への所要時間はどのくらいかかるのか

検索エンジンで地名を検索し、再開発や移転などに関する情報を得ることも大切です。

新築ワンルームマンション投資のデメリット

新築ワンルームマンション投資には、さまざまなメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。そのためメリット・デメリットの両方を十分に把握した上で「物件を購入するか否か」を検討しましょう。

利回りがよくないことが多い

この記事の前半で触れたように(メリット「中古に比べ商品力が強い」の項参照)、新築ワンルームマンション投資は、中古と比べて低利回りの傾向があります。ほかの不動産投資の種類(アパート、一棟マンションなど)と比較しても低利回り傾向です。そのため「現時点でなるべく多くの利益を得たい」という人とワンルームマンション投資はミスマッチとなります。

逆に「老後に(ローン完済後に)利益を確保できればよい」という人とは好相性です。新築ワンルームマンション投資が低利回りとなる理由は、物件価格が高いからです。利回りは「年間家賃収入÷物件取得価格×100」の公式で計算するため、物件価格が高いほど低利回りになります。見方を変えれば、「低利回り=物件の資産価値が高い」と捉えることもできるでしょう。

売却益が得られない場合もある

新築ワンルームマンション投資のデメリットとして「期待していた売却益が得られない場合もある」といったことが挙げられます。売却益が得られない理由は「マーケット環境」と「物件価値の下落」です。

マーケット環境

不動産の相場は、以下の要素によって絶えず変化しています。

・物価上昇率
・景気
・金利
・金融機関の融資への積極性
・投資家ニーズ など

不動産の相場が下がったタイミングでワンルームマンションを売却すると、期待していた売却益が得られなかったり、売却損が発生したりします。

物件価格の下落

マンションの建物は、築年数が経つほど資産価値(価格)が下がるのが一般的です。これらのネガティブ要因への対策としては「高値づかみをしない」「出口戦略(売却)をシミュレーションして物件を購入する」などがあります。

空室になると家賃収入が途絶えてしまう

新築ワンルームマンション投資を初めてする人は、1室を購入するケースが多い傾向です。その場合、空室が発生すると空室率100%になり、家賃収入が途絶えてしまいます。不動産投資ローンを利用して物件を購入している場合は、毎月のローン返済を手持ちのお金でカバーしなければなりません。

このように空室は、新築ワンルームマンション投資のリスクのなかでも要警戒です。ただし新築や築浅のワンルームマンションは「部屋が真新しい」という魅力があるため、好立地かつ適正な家賃設定であれば空室になる可能性が低いといえるでしょう。

また融資枠に余力があれば、複数の物件を購入することで空室リスクを抑える方法もあります。仮に3室を所有していれば、そのうち1室が空室になってもダメージは限定的です(全室でキャッシュフローが出ている場合)。

新築と中古のワンルームマンション投資ならどっちを選ぶべきか?

単純に利回りで比較すると「中古ワンルームマンション投資のほうがよい」ということになります。なぜなら中古物件は、新築物件よりも取得価格が安い傾向で必然的に利回りが高くなるからです(同エリアの場合)。

しかし実際には、新築と中古のワンルームマンション投資の比較はそう単純ではありません。利回り以外の観点でも見ていくことが必要です。新築と比べたとき中古ワンルームマンション投資には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

【メリット】
・物件価格が割安
・利回りが高め
・購入後すぐに家賃収入が入ってくる(オーナーチェンジ物件の場合)
・物件の選択肢が豊富

【デメリット】
・ローンの借入条件が不利になることがある
・空室が発生しやすい
・修繕費がかかりやすい
・耐用年数が短い

上記を踏まえると、例えば高利回りを重視する人は中古ワンルームマンション投資と好相性といえます。また「空室リスクを軽減したい」「購入後すぐの修繕費発生を避けたい」という人は、新築ワンルームマンション投資がおすすめです。
 

新築ワンルームマンションの設備ランキング

上述したように新築ワンルームマンション投資を成功させるためには、設備のトレンドを押さえておくことも大切なポイントです。ここでは、ワンルームマンションで人気の設備について全国賃貸住宅新聞の独自企画「入居者に人気の設備ランキング2022(単身者向け)」をもとに解説します。人気の設備トップ10は、以下の通りです。

  • 1位:インターネット無料
  • 2位:エントランスのオートロック
  • 3位:高速インターネット(1Gbps以上)
  • 4位:宅配ボックス
  • 5位:浴室換気乾燥機
  • 6位:独立洗面台
  • 7位:システムキッチン
  • 7位:24時間利用可能ごみ置き場
  • 7位:防犯カメラ
  • 10位:追いだき機能

インターネットは、現代人にとって公私ともになくてはならない存在ですが、コロナ禍でリモートワークの機会が増えたことで、ますますニーズが高まっています。今後、IoT(モノのインターネット化)が進み、スマート家電が普及するなど、インターネットの重要性がさらに増す可能性が高いでしょう。ただし、インターネットを無料にすると、利用料を不動産オーナーが負担することになるという点には注意が必要です。

都心部で暮らす単身世帯にとっては、防犯も物件を選ぶ際の重要なポイントの一つです。進学や転勤で地方から引っ越してくる場合は、特に治安に不安を抱いている入居者も少なくありません。オートロックや防犯カメラがあると入居者の不安の解消につながります。ダブルロックやTVモニター付きインターホン、ピッキングを防ぐディンプルキーなども防犯上のアピールポイントになるでしょう。 不動産投資を成功させるためには、入居者の確保と入居率の維持が重要なポイントです。そのためには、オーナー目線ではなく入居者目線で「どのような設備があると嬉しいか」について分析することも大切です。

設備が登場して間もない頃は、割高なわりにあまり認知度が高くなく、せっかくお金をかけても入居者確保につながらない可能性があるため、注意が必要です。単に最新というだけで飛びつかず、世の中のニーズも踏まえた上で投資判断を行いましょう。

また設備には、トレンドの移り変わりがあります。かつては、ワンルームの賃貸物件にトイレ・洗面・浴室が一体となった「3点ユニット」が多くありましたが、最近はバス・トイレ別を希望する入居者が増えてきました。ワンルームマンション投資を成功させるためには、このようなトレンドの変化に敏感になり、物件購入後もさまざまな情報にアンテナを張っておくことが大切です。

「仕事が忙しい一人暮らしの男性」「30代の一人暮らしの女性」など自分に近しい属性をターゲットとしたワンルームマンションを選んで投資することも成功しやすい方法の一つです。属性が近ければ物件選びで重視する点を見極めやすくなるからです。

新築ワンルームマンション投資のシミュレーション

新築ワンルームマンション投資を始めるときは、売買契約前に必ずシミュレーションを行いましょう。その上で自分に合った借入条件を設定することが大切です。ここでは、以下の物件を購入した場合の「3通りの表面/実質利回り」をシミュレーションします。

【条件】
・物件の種類:新築ワンルームマンション
・物件価格:2,800万円
・年間家賃収入:120万円(月額10万円)
・エリア:東京都内
・年間諸経費:経費率15%
・備考:空室なし(新築物件のため100%稼働)

シミュレーション①:自己資金のみで購入した場合

・表面利回り約4.29%
・実質利回り約3.64%

今回紹介するシミュレーションのなかで利回りが一番高い内容です。利回りを高めるために不動産投資ローンを使わず、自己資金のみで新築マンルームマンションを購入しています。この新築ワンルームマンションの年間家賃収入は、120万円(月額10万円)です。表面利回りは、以下の計算式で求められます。

表面利回り約4.29%=年間家賃収入120万円÷2,800万円×100

次に実質利回り(実際に運用したときに近い利回り)を割り出してみましょう。計算式は、次の通りです。

実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷物件価格

上記のうち「年間諸経費」の部分の計算は、次の通りです。

年間諸経費18万円=年間家賃収入120万円×(空室率0%+諸経費率15%)

この年間諸経費18万円を先ほどの「実質利回りの計算式」に当て込むと、次のような結果になります。

実質利回り約3.64%=(年間家賃収入120万円-年間諸経費18万円)÷物件価格2,800万円×100

シミュレーション ②ローン借り入れ1,400万円・返済期間30年の場合

・表面利回り約4.29%
・実質利回り約2.39%

新築ワンルームマンションの物件価格2,800万円のうち、半分の1,400万円を自己資金で用意した場合でシミュレーションをしてみましょう。まず表面利回りは、自己資金の金額に関係ありません。なぜなら表面利回りは「年間家賃収入÷物件価格×100」で割り出すものだからです。そのためシミュレーション①と同じ約4.29%となります。

次に実質利回りを割り出してみましょう。計算式は、次の通りでした。

実質利回り=(年間家賃収入−年間諸経費)÷物件価格
※初期費用を勘案しない簡易的な計算式

シミュレーション②では、物件価格のうち半分の1,400万円を不動産投資ローンでまかなっています。そのため、この年間返済額のうちローン金利を諸経費に反映させることが必要です。例えば、返済期間30年、元利均等返済、金利2.5%の条件の場合、年間の支払利息は約35万円となります。

この年間返済額を実質利回りの計算式に反映させると、結果は次の通りです。

実質利回り約2.39%=(年間家賃収入120万円-年間諸経費(18万円+35万円)÷物件価格2,800万円×100

シミュレーション③ローン借り入れ2,000万円・返済期間30年の場合

・表面利回り約4.29%
・実質利回り約1.86%

新築ワンルームマンションの物件価格2,800万円のうち、2,000万円を不動産投資ローンでまかって物件を購入した場合のシミュレーションです。表面利回りは、前述の通り自己資金の金額に関係ありません。そのためシミュレーション①②と同じ約4.29%となります。

シミュレーション③の場合、前出の②と比べると借入金額を増やしているため、年間のローン金利が膨らみます。シミュレーション②と同じ、返済期間30年、元利均等返済、金利2.5%で借りたときの年間のローン金利は約50万円です。

この年間返済額を実質利回りの計算式に反映させると、結果は次の通りです。

実質利回り約1.86%=(年間家賃収入120万円-年間諸経費(18万円+50万円)÷物件価格2,800万円×100

シミュレーション②と③の実質利回り比較してみると、③のほうが約0.53%減りました。このようにローンの借入額によって実質利回りが変わります。このほか返済期間や金利が違えば、ローン金利(=実質利回り)は変わるため注意しましょう。

まとめ

新築ワンルームマンション投資は、入居者を確保しやすく入居率を維持しやすいため、安定した家賃収入を得られる可能性が高いです。

また、中古ワンルームマンションは物件のメンテナンス状況などをチェックしないと修繕などでコストがかさむことがありますが、新築ワンルームマンションはすぐに修繕が必要になる可能性が低いです。

新築ワンルームマンション投資をするなら、まずは立地条件にこだわりましょう。さらに、設備のトレンドを知り、入居率の維持につながりやすい設備が備わっている物件を選ぶことが大切です。

また、不動産投資は、投資でありながら事業としての側面を持っています。そのため、物件を購入する前にきちんとシミュレーションをして、メリットとリスクの両面に目を向けて投資判断を行いましょう。 不動産会社からシミュレーションを提示された際も、全てを鵜呑みにするのではなく、自分から質問したり修正を加えたりして、シミュレーションを繰り返しましょう。物件購入後もシミュレーション通りに進んでいるかどうかをチェックし、必要に応じて計画を修正することが大切です。

新築ワンルームマンションは、長期にわたって運用できることも魅力の一つです。長い投資家生活を支えてくれる信頼できる不動産投資会社を探し、アドバイスを受けながら賃貸経営を続けていきましょう。

ベルテックスでは不動産にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.10

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

新築ワンルームマンションの投資とは|メリットやリスクも紹介

  • メリット
  • マンション投資
  • 不動産投資

新築ワンルームマンション投資は、利益の見通しが立てやすいため、初めて不動産投資をする人でも取り組みやすいといえるでしょう。しかし、ネットや書籍には「新築ワンルームマンション投資はリスクが高い」という情報があふれています。

この記事では、新築ワンルームマンション投資のデメリットが強調される理由や、新築ワンルームマンション投資のメリットを最大限に活かす投資戦略について分かりやすく解説します。

新築ワンルームマンション投資とは

新築ワンルームマンション投資とは、単身者向けの分譲マンションを1室単位で購入し、利益を得る投資方法です。入居する単身者の主な属性は、次の通りです。

・学生
・独身のビジネスパーソン
・独身の高齢者 など

新築ワンルームマンション投資は、立地によって以下の選択肢があります。

・東京都心
・東京都内
・首都圏
・地方都市

これらのなかで入居者ニーズが特に強いのは「東京都心」や「東京都内」などの新築ワンルームマンション投資でしょう。なぜなら東京都内は、2023年以降数十年にわたって人口の減少が緩やかで安定的に推移し、さらに単独世帯が増加していくと総務局も予想しています(「東京都世帯数の予測」(外部リンク)2023年12月時点より)。

区分 単独世帯(予測) 総人口(予測)
2025年 351万4,000世帯  1,417万928人
2030年 358万6,000世帯 1,412万9,351人
2035年 364万8,000世帯 1,392万1,800人
2040年 369万7,000世帯 1,359万9,744人

設備が新しく入居率が高い

新築ワンルームマンション投資には、設備が新しくて入居率が高いというメリットがあります。賃貸マンションを選ぶ際、最新の設備は大きな魅力です。特に水まわり設備は、暮らしの快適さを大きく左右します。一度快適さを知るとなかなか手放しづらくなるものです。そのため、入居者の退居が少なく、高い入居率の維持につながりやすいというメリットがあります。

新築ワンルームマンションは設備が新しいので、当面の間はリフォームが必要になることがほとんどありません。一方、中古ワンルームマンション投資では、水まわりのリフォームが必要になることが多々あります。そのため、物件価格が安くても、リフォーム費用などを含めた投資総額が想定以上に大きくなることも少なくありません。

マンションの設備は、新しいかどうかだけでなく、トレンドを押さえているかどうかも重要です。近年では、コロナ禍でネット通販を利用する人が増えたことから、宅配ボックスの人気が高まりました。花粉症などにより「室内干しをしたい」というニーズが増え、浴室換気乾燥機も人気を集めています。
また、動画の閲覧や配信、オンラインゲーム、在宅勤務時のオンラインツールの利用など、公私を問わずインターネットは欠かせません。そのため、インターネット関連の設備も差別化のポイントの一つといえます。
このように設備のトレンドを押さえて物件選びをすることも、新築ワンルームマンション投資を成功させるためには重要です。

大きな修繕費がかからない

物件購入後しばらくは大規模な修繕費がかからないことも、新築ワンルームマンション投資のメリットといえます。不動産投資では、物件価値の下落を防ぐため、定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、中古ワンルームマンションのなかには、きちんとメンテナンスされていない物件もあります。そのような物件を購入すると、購入後に大規模な修繕が必要になる可能性が高いでしょう。

もちろん中古ワンルームマンションのなかにも、前オーナーがきちんとメンテナンスを行い、物件価値が高く保たれている物件もあります。条件やタイミングが良ければ、掘り出し物の物件を割安で手に入れられるかもしれません。しかし、物件価値が保たれているかを見極めるのは、簡単ではありません。物件の状態から修繕の必要性やかかる費用を見極めるためには、不動産に関する知識を学んだ上で不動産投資の経験を積む必要があります。

物件価値を見極める自信がない場合は、新築ワンルームマンション投資を選ぶほうが予期せぬ修繕費がかかる心配もなく安心です。物件購入後、大きな修繕費がかからなければ、事前のシミュレーション通りに安定した収益を得られる可能性が高いでしょう。初めて不動産投資をする際の安心感にもつながります。

こまめなメンテナンスを行うことで資産価値を維持しやすいことも、新築ワンルームマンション投資のメリットの一つです。このような新築ワンルームマンション投資のメリットを活かすためには、物件の売買だけでなく管理についても適切なタイミングでアドバイスをしてくれる不動産投資会社を選ぶことが大切です。

中古に比べ商品力が強い

新築ワンルームマンションには、中古ワンルームマンションと比べると「商品力が強い」というメリットもあります。日本では新築が好まれる傾向にあるため、新築というだけで周辺の物件との差別化になり、入居者を確保しやすくなります。

一方、新築ワンルームマンション投資では「新築プレミアム」について知っておく必要があります。新築プレミアムとは、新築物件独自の価値のことをいいます。新築プレミアムによって新築物件の価格は10~20%ほど高くなるといわれています。新築プレミアムや利回りの低さを理由として、新築ワンルームマンション投資のリスクが強調されることもありますが、本当にデメリットといえるかどうかは投資する人の考え方によります。新築プレミアムで新築物件の価格が高くなるのは事実ですが、その分、中古物件と比べて最新の設備や高い入居率などのメリットが得られ、相応の価値に対して投資しているともいえるからです。

利回りは、新築のほうが中古より低くなる傾向があります。利回りは年間の家賃収入を物件価格で割って算出するため、新築プレミアムで物件価格が高くなる新築物件の利回りが低くなるのは当然のことです。物件価格の安い中古物件なら利回りは高くなりますが、それは入居率を維持できてこその話です。いくら利回りが高くても、入居者が見つからなかったり頻繁に退居されたりすると、実際に得られる家賃収入は少なくなります。

新築プレミアムによって利回りが低くても、入居率の高さで新築のほうが多くの家賃収入を得られることもあるという点は認識しておきましょう。利回りだけに振り回されず、物件の価値や想定される入居率も踏まえて投資判断をすることが大切です。

長期にわたり運用できる

新築ワンルームマンション投資には、物件価値が下がりにくく長期にわたって運用できるというメリットもあります。物件の老朽化が進むと「入居者が見つかりにくくなった」「家賃を下げざるを得なくなった」という場面に遭遇することもあるでしょう。ハウスクリーニングだけでは維持できなくなり、修繕や水まわり設備の入れ替えが必要になる可能性もあります。

ただし、新築物件であれば、このような対策が必要になるのは10年以上先の話です。中古物件の場合は、投資してすぐに修繕や設備投資の判断を迫られることがあります。 リフォームや設備の入れ替えは、不動産オーナーにとって簡単にできる決断ではありません。まとまった出費がかかるだけでなく「どんな内装が人気なのか」「どんな設備が差別化になるのか」などを勉強する必要もあります。お金を出してリフォームや設備の入れ替えを実施しても「本当に入居者確保につながるのか」「家賃を維持できるのか」といった不安が生じることもあるでしょう。

中古物件に投資して数年後にこのような事態に陥っても、正しい投資判断を下せないことがあります。一方、新築ワンルームマンション投資であれば、長い時間をかけて不動産投資の経験値を上げて知識を蓄えることができるでしょう。経験を積んでからリフォームや設備の入れ替えに直面した場合、適切な投資判断を下しやすくなります。

建物が本格的に老朽化する前に売却を考えることも選択肢の一つです。新築ワンルームマンション投資は長期にわたって運用できるため、売却の時期をじっくりと検討できることもメリットの一つといえます。東京オリンピックの開催のように今後も物件価格上昇の追い風になる出来事が起きるかもしれません。タイミングを見て売却すれば、物件を保有している間の家賃収入だけでなく売却益も得られます。

不動産投資では、家賃収入をインカムゲイン、売却益をキャピタルゲインと呼びます。不動産投資を成功させるには、インカムゲインだけを見るのではなく、インカムゲインとキャピタルゲインのトータルでプラスになるように投資判断をすることが重要です。

売却時に購入者にも長期の融資がつく可能性が高い

新築ワンルームマンションは、売却時に購入者が長期の融資を受けられる可能性が高く、売却しやすいというメリットもあります。新築ワンルームマンションは、一棟マンションなどと比較して流動性が高く現金化しやすいことが特徴です。不動産投資を始めたものの事情があって投資をやめることになった場合、売却しやすいかどうかは重要なポイントとなります。

新築ワンルームマンションは、中古物件やファミリータイプの物件と比べてスピーディに売却できる傾向があります。築年数があまり経過していなければ、購入者も長期ローンを組めることが多いため、購入のハードルは比較的低いといえるでしょう。

また立地によっては、物件価格が上昇して売却益を得られる可能性もあります。単身者向けのワンルームマンションは、駅近など立地条件の良い物件が多いです。新駅の設置、鉄道の延伸、駅周辺の再開発などによりニーズが増えれば物件価格も上昇します。

このように新築ワンルームマンション投資には「不動産投資を続けられなくなったときに売却しやすい」「戦略的に売却益を狙いやすい」などの特徴があります。

都心部では単身者世帯数が増加しており需要がある

日本全体の人口は、年々減少の一途をたどっています。しかし、都心部では単身世帯の数が増加しているため、ワンルームマンションは今後も大きな需要が見込めるでしょう。総務局統計局の2020年の国勢調査(外部リンク)によると東京都の総人口は、2015~2020年にかけて約53万人増加しています。世帯構成を見ると2015年は47.39%だった単独世帯が2020年には50.26%に増加しました。

一方、夫婦と子ども世帯の割合は、2015~2020年にかけて減少しています。単身世帯が増加している背景には、未婚化が進んでいることがあります。今後もこの傾向が続く可能性は高いため、単身世帯向けのワンルームマンションのニーズは増えることが予想されます。

都心部のワンルームマンションには、空室リスクが低くて家賃も下落しにくいというメリットがあります。物件購入後も安定的に家賃収入を得られる可能性が高いでしょう。空室リスクが低くて家賃が高い水準にあるということは、買い手がつきやすいということでもあります。事情があって物件を手放して不動産投資をやめる際でも売却しやすく現金化しやすいため、投資初心者にとって安心感があります。

このような新築ワンルームマンション投資のメリットを最大限に活かすためには、立地にこだわって物件を選ぶことが大切です。知名度の高い人気エリアというだけでなく、最寄り駅についても調査した上で物件を選びましょう。特に以下のような点はしっかり調査する必要があります。

  • 特急や快速は止まるのか
  • 乗り換えでよく利用される駅なのか
  • 主要駅への所要時間はどのくらいかかるのか

検索エンジンで地名を検索し、再開発や移転などに関する情報を得ることも大切です。

新築ワンルームマンション投資のデメリット

新築ワンルームマンション投資には、さまざまなメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。そのためメリット・デメリットの両方を十分に把握した上で「物件を購入するか否か」を検討しましょう。

利回りがよくないことが多い

この記事の前半で触れたように(メリット「中古に比べ商品力が強い」の項参照)、新築ワンルームマンション投資は、中古と比べて低利回りの傾向があります。ほかの不動産投資の種類(アパート、一棟マンションなど)と比較しても低利回り傾向です。そのため「現時点でなるべく多くの利益を得たい」という人とワンルームマンション投資はミスマッチとなります。

逆に「老後に(ローン完済後に)利益を確保できればよい」という人とは好相性です。新築ワンルームマンション投資が低利回りとなる理由は、物件価格が高いからです。利回りは「年間家賃収入÷物件取得価格×100」の公式で計算するため、物件価格が高いほど低利回りになります。見方を変えれば、「低利回り=物件の資産価値が高い」と捉えることもできるでしょう。

売却益が得られない場合もある

新築ワンルームマンション投資のデメリットとして「期待していた売却益が得られない場合もある」といったことが挙げられます。売却益が得られない理由は「マーケット環境」と「物件価値の下落」です。

マーケット環境

不動産の相場は、以下の要素によって絶えず変化しています。

・物価上昇率
・景気
・金利
・金融機関の融資への積極性
・投資家ニーズ など

不動産の相場が下がったタイミングでワンルームマンションを売却すると、期待していた売却益が得られなかったり、売却損が発生したりします。

物件価格の下落

マンションの建物は、築年数が経つほど資産価値(価格)が下がるのが一般的です。これらのネガティブ要因への対策としては「高値づかみをしない」「出口戦略(売却)をシミュレーションして物件を購入する」などがあります。

空室になると家賃収入が途絶えてしまう

新築ワンルームマンション投資を初めてする人は、1室を購入するケースが多い傾向です。その場合、空室が発生すると空室率100%になり、家賃収入が途絶えてしまいます。不動産投資ローンを利用して物件を購入している場合は、毎月のローン返済を手持ちのお金でカバーしなければなりません。

このように空室は、新築ワンルームマンション投資のリスクのなかでも要警戒です。ただし新築や築浅のワンルームマンションは「部屋が真新しい」という魅力があるため、好立地かつ適正な家賃設定であれば空室になる可能性が低いといえるでしょう。

また融資枠に余力があれば、複数の物件を購入することで空室リスクを抑える方法もあります。仮に3室を所有していれば、そのうち1室が空室になってもダメージは限定的です(全室でキャッシュフローが出ている場合)。

新築と中古のワンルームマンション投資ならどっちを選ぶべきか?

単純に利回りで比較すると「中古ワンルームマンション投資のほうがよい」ということになります。なぜなら中古物件は、新築物件よりも取得価格が安い傾向で必然的に利回りが高くなるからです(同エリアの場合)。

しかし実際には、新築と中古のワンルームマンション投資の比較はそう単純ではありません。利回り以外の観点でも見ていくことが必要です。新築と比べたとき中古ワンルームマンション投資には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

【メリット】
・物件価格が割安
・利回りが高め
・購入後すぐに家賃収入が入ってくる(オーナーチェンジ物件の場合)
・物件の選択肢が豊富

【デメリット】
・ローンの借入条件が不利になることがある
・空室が発生しやすい
・修繕費がかかりやすい
・耐用年数が短い

上記を踏まえると、例えば高利回りを重視する人は中古ワンルームマンション投資と好相性といえます。また「空室リスクを軽減したい」「購入後すぐの修繕費発生を避けたい」という人は、新築ワンルームマンション投資がおすすめです。
 

新築ワンルームマンションの設備ランキング

上述したように新築ワンルームマンション投資を成功させるためには、設備のトレンドを押さえておくことも大切なポイントです。ここでは、ワンルームマンションで人気の設備について全国賃貸住宅新聞の独自企画「入居者に人気の設備ランキング2022(単身者向け)」をもとに解説します。人気の設備トップ10は、以下の通りです。

  • 1位:インターネット無料
  • 2位:エントランスのオートロック
  • 3位:高速インターネット(1Gbps以上)
  • 4位:宅配ボックス
  • 5位:浴室換気乾燥機
  • 6位:独立洗面台
  • 7位:システムキッチン
  • 7位:24時間利用可能ごみ置き場
  • 7位:防犯カメラ
  • 10位:追いだき機能

インターネットは、現代人にとって公私ともになくてはならない存在ですが、コロナ禍でリモートワークの機会が増えたことで、ますますニーズが高まっています。今後、IoT(モノのインターネット化)が進み、スマート家電が普及するなど、インターネットの重要性がさらに増す可能性が高いでしょう。ただし、インターネットを無料にすると、利用料を不動産オーナーが負担することになるという点には注意が必要です。

都心部で暮らす単身世帯にとっては、防犯も物件を選ぶ際の重要なポイントの一つです。進学や転勤で地方から引っ越してくる場合は、特に治安に不安を抱いている入居者も少なくありません。オートロックや防犯カメラがあると入居者の不安の解消につながります。ダブルロックやTVモニター付きインターホン、ピッキングを防ぐディンプルキーなども防犯上のアピールポイントになるでしょう。 不動産投資を成功させるためには、入居者の確保と入居率の維持が重要なポイントです。そのためには、オーナー目線ではなく入居者目線で「どのような設備があると嬉しいか」について分析することも大切です。

設備が登場して間もない頃は、割高なわりにあまり認知度が高くなく、せっかくお金をかけても入居者確保につながらない可能性があるため、注意が必要です。単に最新というだけで飛びつかず、世の中のニーズも踏まえた上で投資判断を行いましょう。

また設備には、トレンドの移り変わりがあります。かつては、ワンルームの賃貸物件にトイレ・洗面・浴室が一体となった「3点ユニット」が多くありましたが、最近はバス・トイレ別を希望する入居者が増えてきました。ワンルームマンション投資を成功させるためには、このようなトレンドの変化に敏感になり、物件購入後もさまざまな情報にアンテナを張っておくことが大切です。

「仕事が忙しい一人暮らしの男性」「30代の一人暮らしの女性」など自分に近しい属性をターゲットとしたワンルームマンションを選んで投資することも成功しやすい方法の一つです。属性が近ければ物件選びで重視する点を見極めやすくなるからです。

新築ワンルームマンション投資のシミュレーション

新築ワンルームマンション投資を始めるときは、売買契約前に必ずシミュレーションを行いましょう。その上で自分に合った借入条件を設定することが大切です。ここでは、以下の物件を購入した場合の「3通りの表面/実質利回り」をシミュレーションします。

【条件】
・物件の種類:新築ワンルームマンション
・物件価格:2,800万円
・年間家賃収入:120万円(月額10万円)
・エリア:東京都内
・年間諸経費:経費率15%
・備考:空室なし(新築物件のため100%稼働)

シミュレーション①:自己資金のみで購入した場合

・表面利回り約4.29%
・実質利回り約3.64%

今回紹介するシミュレーションのなかで利回りが一番高い内容です。利回りを高めるために不動産投資ローンを使わず、自己資金のみで新築マンルームマンションを購入しています。この新築ワンルームマンションの年間家賃収入は、120万円(月額10万円)です。表面利回りは、以下の計算式で求められます。

表面利回り約4.29%=年間家賃収入120万円÷2,800万円×100

次に実質利回り(実際に運用したときに近い利回り)を割り出してみましょう。計算式は、次の通りです。

実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷物件価格

上記のうち「年間諸経費」の部分の計算は、次の通りです。

年間諸経費18万円=年間家賃収入120万円×(空室率0%+諸経費率15%)

この年間諸経費18万円を先ほどの「実質利回りの計算式」に当て込むと、次のような結果になります。

実質利回り約3.64%=(年間家賃収入120万円-年間諸経費18万円)÷物件価格2,800万円×100

シミュレーション ②ローン借り入れ1,400万円・返済期間30年の場合

・表面利回り約4.29%
・実質利回り約2.39%

新築ワンルームマンションの物件価格2,800万円のうち、半分の1,400万円を自己資金で用意した場合でシミュレーションをしてみましょう。まず表面利回りは、自己資金の金額に関係ありません。なぜなら表面利回りは「年間家賃収入÷物件価格×100」で割り出すものだからです。そのためシミュレーション①と同じ約4.29%となります。

次に実質利回りを割り出してみましょう。計算式は、次の通りでした。

実質利回り=(年間家賃収入−年間諸経費)÷物件価格
※初期費用を勘案しない簡易的な計算式

シミュレーション②では、物件価格のうち半分の1,400万円を不動産投資ローンでまかなっています。そのため、この年間返済額のうちローン金利を諸経費に反映させることが必要です。例えば、返済期間30年、元利均等返済、金利2.5%の条件の場合、年間の支払利息は約35万円となります。

この年間返済額を実質利回りの計算式に反映させると、結果は次の通りです。

実質利回り約2.39%=(年間家賃収入120万円-年間諸経費(18万円+35万円)÷物件価格2,800万円×100

シミュレーション③ローン借り入れ2,000万円・返済期間30年の場合

・表面利回り約4.29%
・実質利回り約1.86%

新築ワンルームマンションの物件価格2,800万円のうち、2,000万円を不動産投資ローンでまかって物件を購入した場合のシミュレーションです。表面利回りは、前述の通り自己資金の金額に関係ありません。そのためシミュレーション①②と同じ約4.29%となります。

シミュレーション③の場合、前出の②と比べると借入金額を増やしているため、年間のローン金利が膨らみます。シミュレーション②と同じ、返済期間30年、元利均等返済、金利2.5%で借りたときの年間のローン金利は約50万円です。

この年間返済額を実質利回りの計算式に反映させると、結果は次の通りです。

実質利回り約1.86%=(年間家賃収入120万円-年間諸経費(18万円+50万円)÷物件価格2,800万円×100

シミュレーション②と③の実質利回り比較してみると、③のほうが約0.53%減りました。このようにローンの借入額によって実質利回りが変わります。このほか返済期間や金利が違えば、ローン金利(=実質利回り)は変わるため注意しましょう。

まとめ

新築ワンルームマンション投資は、入居者を確保しやすく入居率を維持しやすいため、安定した家賃収入を得られる可能性が高いです。

また、中古ワンルームマンションは物件のメンテナンス状況などをチェックしないと修繕などでコストがかさむことがありますが、新築ワンルームマンションはすぐに修繕が必要になる可能性が低いです。

新築ワンルームマンション投資をするなら、まずは立地条件にこだわりましょう。さらに、設備のトレンドを知り、入居率の維持につながりやすい設備が備わっている物件を選ぶことが大切です。

また、不動産投資は、投資でありながら事業としての側面を持っています。そのため、物件を購入する前にきちんとシミュレーションをして、メリットとリスクの両面に目を向けて投資判断を行いましょう。 不動産会社からシミュレーションを提示された際も、全てを鵜呑みにするのではなく、自分から質問したり修正を加えたりして、シミュレーションを繰り返しましょう。物件購入後もシミュレーション通りに進んでいるかどうかをチェックし、必要に応じて計画を修正することが大切です。

新築ワンルームマンションは、長期にわたって運用できることも魅力の一つです。長い投資家生活を支えてくれる信頼できる不動産投資会社を探し、アドバイスを受けながら賃貸経営を続けていきましょう。

ベルテックスでは不動産にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。