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2024.11.15
ベルテックスコラム事務局
知らないと損! 不動産投資を始めるサラリーマンのためのリスク回避法と成功術
- 日本の現状
- 節税・税金
- 不動産投資
- 会社員
給与が安定していても、将来の生活資金に不安を感じるサラリーマンは多いでしょう。そうした不安を解消する方法のひとつが不動産投資です。
不動産投資には、税負担を軽減する節税効果があります。また、万が一の際に家族を支える生命保険の代わりとしても役立ちます。さらに、老後の資金づくりとしても期待できる資産運用のひとつです。
ただし、成功にはリスク回避が不可欠です。たとえば、物件選びや資金計画をしっかり行うことで、リスクを抑えつつ安心して投資を進められます。
この記事では、不動産投資を始めるサラリーマンに向けて、リスク回避の方法や成功のポイントを解説します。不動産投資に必要なリスク回避と成功のコツをしっかり押さえ、将来の安定に向けた第一歩を踏み出しましょう。
サラリーマンが不動産投資を検討する背景
最近では、多くのサラリーマンが副収入を得る方法として不動産投資に注目しています。
SNSや個人ブログなどの普及により、投資が身近になったこともその一因でしょう。情報が豊富になり、投資の知識も手軽に得られるようになったことで、より多くの人が不動産投資に挑戦しています。
国土交通省が発表した「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について」(2019年9月27日発表) によると、不動産投資経験者のうち、最も多いのは会社員で41.5%を占めていました。会社役員を含めると、会社員の割合は全体の約半数に達します。
【引用】国土交通省「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について」(2019年9月27日発表)をもとに弊社作成
サラリーマンが不動産投資を検討する背景には、さまざまな金銭的不安が影響しています。
- インフレによる物価上昇
- 年金額の減少
- 終身雇用制度の崩壊
- 社会保険料負担増
- 給与水準の停滞
特に、物価が上昇しているにもかかわらず、平均給与額が緩やかに下降していることは給与所得者であるサラリーマンの金銭的不安を裏付けるデータといえるでしょう。
これらの要因から、サラリーマンが将来の不安を解消するため、副業として不動産投資を始めるケースが増えています。
サラリーマンが不動産投資を始めるべき7つの理由
サラリーマンが数ある副業の中から不動産投資を選ぶ理由には、以下のようなメリットがあります。
- 安定収入があるから融資を受けやすい
- 所得・物件によって節税になる
- 管理・運用を業者へ依頼できるので手間がかからない
- 株式投資・FXのように値動きの監視が不要
- 生命保険の代わりになる
- 老後の私的年金の代わりになる可能性がある
- インフレに強い
それぞれの理由について詳しく説明します。
安定収入があるから融資を受けやすい
サラリーマンは、会社経営者や自営業者と年収が同等であっても、不動産投資を始める際には非常に有利です。これは、サラリーマンが持つ「社会的信用力」が要因となっています。
不動産投資をスタートする際、多くの場合は物件購入のためにアパートローンを利用します。
一般的に、金融機関は自営業者や会社経営者よりも「サラリーマン」の信用性を高く評価しています。銀行にとっては、安定して返済が行われることが利益を生む鍵であり、サラリーマンは会社が存続する限り毎月の給与が確実に支払われるため、「返済能力が高い」とみなされるのです。
融資を受ける際には、勤務年数や所属企業の業績といった項目も評価に含まれることが多く、個人の経歴よりも、企業の給与支払い能力が申込者の信用力として重視される場合があります。
そのため、自己資金が少なくても、安定収入のあるサラリーマンは融資を受けやすく、不動産投資を始める上で有利な職業と言えるでしょう。
所得や物件によっては節税になる
不動産投資では、「減価償却」や「損益通算」の仕組みを活用することで節税効果を得られる場合があります。特に、年収が高く、課税率の高いサラリーマンにとっては、大きなメリットとなるでしょう。
不動産投資での節税効果を最大化するためには、選ぶ物件の種類が重要です。物件の特性によって、減価償却の適用や損益通算の効果が異なるため、効果的な物件選びが節税に大きく影響します。
たとえば、物件のタイプによって、一般的に以下のような特徴があります。
- 新築区分マンション
新築で耐用年数が長く、価値も安定していますが、節税効果は比較的少なめです。 - 中古区分マンション
耐用年数が短く、減価償却の負担が少ないため、節税効果を高めやすい物件です。 - 木造アパート
耐用年数がさらに短く、減価償却を多く計上できるため、特に節税効果が大きいとされています。 - 一棟マンション
初期費用が大きくなりがちですが、規模によっては大きな減価償却費を計上でき、安定した収益も見込めます。
特に「中古区分マンション」や「木造アパート」は、節税効果の高い物件として知られ、減価償却により税負担を軽減しやすくなります。投資を始める際には、物件ごとのシミュレーションを行い、節税効果を考慮して判断することが大切です。
【おすすめ関連記事】会社員が税金を減らす方法。控除や副業・不動産投資での節税対策を解説
管理・運用を業者へ依頼できるので手間がかからない
不動産投資では、物件の運用に必要な業務を管理会社に任せることができ、投資家自身が直接関わる手間を大幅に減らせます。管理会社は、一般的に以下のような業務を代行します。
- 入退去手続き
- 家賃の回収、督促
- クレームへの対応
- 物件の維持管理
これにより、物件購入後は運用負担を軽減され、忙しいサラリーマンでも中長期的に投資を続けやすくなります。
賃貸管理会社と建物管理会社の役割の違い
不動産投資における管理業務は、大きく「賃貸管理」と「建物管理」に分かれ、それぞれに役割が異なります。
【賃貸管理会社】
賃貸管理会社はオーナーと直接契約し、主に以下の業務を担当します。
- 入居者の管理(入退去の手続きや家賃の回収、督促)
- 空室や家賃滞納リスクの軽減(家賃保証システムやサブリース契約の活用)
【建物管理会社】
建物管理会社はマンション管理組合からの委託を受け、建物全体の管理を行います。
- 物件の維持・修繕業務
- マンションの共用部の管理
- 賃貸物件のオーナーが参加する管理組合の運営補助
賃貸管理と建物管理は、同じ会社が両方を担当する場合もあれば、それぞれ専門会社が行う場合もあります。
このように管理体制が整っているため、管理業務を気にせずに投資に専念でき、初心者のサラリーマンでも安心して不動産投資を始められます。
株式投資・FXのように値動きの監視が不要
不動産投資は、株式やFXと異なり、頻繁な値動きを気にする必要がない安定した投資手法です。これにより、忙しいサラリーマンでも、安定的に資産運用がしやすい点が特徴です。
株式投資では、企業の事業内容や実績、経済市場の影響で株価が変動しやすく、定期的なチェックが必要です。FXは二国間の通貨の値動きで利益を狙うため、レバレッジを使って大きな利益が得られる可能性がありますが、その分リスクも高く、値動きの監視が欠かせません。
一方で、不動産投資は実物資産であるため、資産価値が0になるリスクが低く、長期保有にも適しています。不動産管理を専門業者に依頼すれば、物件の管理や運営を任せることができ、購入後も「ほったらかし投資」が実現可能です。
管理業者は以下のような業務を行い、オーナーの手間は大幅に軽減されます。
- 退去、原状回復の確認
- 入居者の契約確認
- 修繕に関する確認
これらの業務はすべて管理業者が代行し、必要に応じてオーナーに連絡が入るだけで、指示を出せば対応が完了します。基本的には月々の収支確認のみで運用が進むため、サラリーマンが本業と調整することなく安定した資産形成が可能です。
株式やFXは、短時間で頻繁な値動きの監視が必要なため、限られた時間で投資に取り組むサラリーマンには不向きな投資手法と言えるでしょう。
生命保険の代わりになる
不動産投資では、ローンを利用して物件を購入する際に、団体信用生命保険(団信)に加入できるため「生命保険の代わりになる」という大きな利点があります。団信には、死亡や高度障害、特定疾患時にローンの返済が免除される特約が付いているため、家族に経済的な負担を残さないよう備えることができます。
特に、日本人の死亡原因の1位とされる「がん」に対応する「がん団信」も用意されており、がんと診断された場合にローン残債が免除される仕組みがあるのは、大きな安心材料です。
さらに、団信に加入していることで、不動産が相続財産となっても、相続人が残債の返済を負担する必要はありません。相続人が賃貸経営を継続するか、物件を売却してまとまった資金を受け取るかを選べるため、遺産としての柔軟性も高くなります。
老後の私的年金の代わりになる
不動産投資は、ローンを完済した後に家賃収入がそのまま手元に残るため、老後の「私的年金」として活用できる投資手法です。年金以外の安定収入を得られるため、老後の生活に余裕を持たせる助けとなります。
2019年、金融庁の金融審議会は報告書「高齢社会における資産形成・管理」(2019年6月3日発表)で、「夫65歳・妻60歳の高齢夫婦無職世帯が今後20~30年のシニアライフを送るためには、約2,000万円の老後資金が不足する」という試算を発表しました。
この報告によると、こうした世帯の平均年金収入は1ヵ月約21万円ですが、ゆとりのある生活を送るためには毎月26万円の支出がかかり、月々5万円の不足が発生します。この不足が年間で60万円、30年間続くと、約2,000万円の資金が必要になる計算です。
もちろん、老後の生活スタイルによって必要な資金額は異なりますが、多くの方が趣味や旅行などで充実した時間を過ごしたいと考えているでしょう。
高齢化と若年層の人口減少による年金受給額の減少が懸念される中、家賃収入が生活費の補填として役立ち、安定した収入源として老後の支えとなります。さらに、不動産管理を業者に委託することで、身体が衰えても手間をかけずに不労所得を得られる点も不動産投資の大きな魅力です。
【引用】金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」2019年6月3日発表
インフレに強い
金融資産よりも実物資産を保有する方がインフレ対策として有利だとされています。インフレとは、物価水準が上昇し、通貨の価値が低下する状況を指します。
以下のグラフは、IMF(国際通貨基金)が半年ごとに発表する「世界経済見通しデータベース」をもとに、日本の過去から未来にわたる平均消費者物価指数をまとめたものです。
【引用】国際通貨基金「世界経済金融調査 世界経済見通しデータベース」(2023年10月現在)より弊社作成
青色のラインは実質的な物価指数、オレンジ色のラインは物価のトレンドラインを示しており、1980年から2023年にかけて物価がゆっくりと上昇している様子がわかります。
今後も、このゆるやかな上昇が続くと予測されており、2027年に向けてインフレが継続する見通しです。 不動産のような実物資産は、そのもの自体に価値があるため、通貨の価値が低下しても資産価値が保たれやすくなります。
不動産はインフレ時に価格が下がりにくい特性を持ち、消費者物価指数の上昇に伴い家賃も上昇しやすい傾向があります。そのため、不動産投資はインフレ対策として有効であり、長期的な収益が見込めます。
【おすすめ関連記事】不動産投資のメリット・デメリットを徹底解説!成功への近道とは?
不動産投資でサラリーマンが得られる2つの節税ポイント
不動産投資は、家賃収入による資産形成だけでなく、税金を減らす効果も持っています。ここからは、サラリーマンが不動産投資で得られる具体的な節税方法である、「損益通算」と「減価償却」について詳しく解説します。
損益通算
損益通算とは、不動産投資で発生した赤字を他の収入と合算し、全体の税金を減らす仕組みです。
たとえば、家賃収入が物件の維持費やローンの返済による支出で赤字になった場合、その損失を給与所得と合算して税金を計算します。サラリーマンの場合、毎月の給与所得があるため、赤字を損益通算することで所得税の負担を減らすことが可能です。
これにより、投資が赤字でも節税効果が得られ、長期的にはキャッシュフローが改善する可能性につながります。
減価償却
減価償却は、建物の価値が時間とともに減少すると仮定し、その減少分を経費として計上する方法です。
たとえば、耐用年数20年の建物は、年数に応じて少しずつ価値が減るとされ、この減少分を毎年経費として計上できます。これにより、所得が圧縮され、結果として税金が軽減されます。
特に築年数の古い物件は、減価償却費を早い段階で多く計上できるため、節税効果が大きくなります。
【おすすめ関連記事】収益不動産で節税する方法は? 減価償却費・法人化による所得分散を解説
サラリーマンが知っておくべき、不動産投資のリスクを回避する方法
不動産投資には収益が期待できる一方で、リスクも伴います。特にサラリーマンが本業と両立しながら投資を行う場合、限られた時間や資金でリスクをどのように管理するかが重要です。
ここでは、不動産投資を行ううえで注意すべき5つのリスクとその回避方法を紹介します。
知識がないまま不動産投資を始めない
不動産投資には、物件選び、市場動向、税制などの幅広い知識が求められます。知識が不足していると、空室リスクや収益低下のリスクが高まりかねません。まずは、インターネットや書籍、セミナーなどで基礎知識をしっかりと学び、準備を整えましょう。
【おすすめ関連記事】【不動産投資】初心者でも納得!成功させるための6ステップで基礎知識と流れを解説
相場より高額な物件を購入しない
不動産市場において、物件の価格は非常に重要なポイントです。相場を理解せずに高額な物件を購入してしまうと、予想していた収益が得られないだけでなく、将来的に売却が難しくなるリスクがあります。
たとえば、売却時にローン残高が物件の価格を上回る場合、その差額を自己負担で補填する必要があります。特に、相場よりも高額な物件はこうした状況に陥りやすいため、注意が必要です。
さらに、物件価格が高いほどローン返済額も増えるため、キャッシュフローが圧迫され、安定した収益が得にくくなります。投資前にしっかりと市場価格を調査し、周辺の物件と比較して適正価格かどうかを確認することが重要です。
修繕費用を最小限に抑える
物件購入後、予想外に大きな出費となりがちなのが修繕費用です。特に築年数が古い物件は、購入価格が安くても、後々多額の修繕費がかかるケースが多いため注意が必要です。物件購入時には、過去の修繕履歴や今後修繕が必要になる箇所を事前にしっかりと確認しましょう。
また、修繕費用を抑えるためには、物件の状態を定期的に点検し、必要なメンテナンスを早めに行うことが効果的です。こまめな手入れにより、大規模な修繕を防ぎ、結果としてキャッシュフローを安定させることができます。
このようにメンテナンスを計画的に行うことで、長期的に物件を安定して運用することが可能になります。
節税効果のない物件を選ばない
不動産投資の大きな魅力のひとつは節税効果ですが、すべての物件でその効果が得られるわけではありません。物件によっては節税効果が低いケースもあるため、慎重な選定が必要です。
たとえば、土地の割合が大きく、減価償却の対象となる建物部分が少ない物件では、節税効果があまり期待できません。一方で、築年数が古く、建物部分の割合が大きい物件は、減価償却を早期に多く取ることができ、節税効果が高まります。
特に、築20年以上の木造住宅や築30年以上の鉄筋コンクリート造の物件は、早い段階で大きな減価償却費を計上できるため、初期の節税効果が大きいのが特徴です。
このように、物件を選ぶ際には、建物の割合や築年数を確認し、節税効果が得られるかどうかを見極めることが大切です。節税効果を最大限に活用できる物件を選ぶことで、より効率的な不動産投資が可能になります。
キャッシュフローのマイナスを避ける
不動産投資において、毎月のキャッシュフローの管理は不可欠です。キャッシュフローがマイナスになるとは、物件運用にかかる費用が家賃収入などの収入を上回っている状態を指します。この状態が続くと、赤字が積み重なり、最終的には投資が失敗するリスクが高まります。
キャッシュフローをプラスに保つためには、物件購入時に正確な収支計画を立てることが重要です。ローン返済や修繕費、管理費などの支出を見越し、収入とのバランスが取れる物件を選ぶことで、長期にわたって安定した運用が可能になります。
不動産投資で成功するサラリーマンたちがやっていること
不動産投資で成果を上げているサラリーマン投資家には、共通する行動パターンがあります。
ここでは、彼らが実際に行っている具体的な行動を紹介します。ぜひ、自身の投資スタイルに取り入れてみてください。
運用目的の設定と予算決め
不動産投資を始める際には、まず運用目的と予算を明確にすることが重要です。たとえば、老後の資産形成、短期的な利益の確保、家族への資産継承など、目的によって投資スタイルは大きく異なります。運用目的が曖昧だと、途中で方針がぶれて失敗につながりかねません。
また、サラリーマン投資家は限られた資金で投資を行うため、無理のない範囲で予算を決めておくことが必要です。これにより、リスクを抑えながら適切な投資物件を選びやすくなり、スムーズに投資を進めることができます。
納得できる物件を根気強く探す
不動産投資において、良い物件はすぐには見つからないことが多いため、成功しているサラリーマン投資家は納得のいく物件が見つかるまで根気強く探し続けます。物件選びは投資の成否を左右する重要なポイントです。立地条件や価格、将来の価値を十分に考慮し、慎重に選ぶことが成功のカギとなります。
物件を探す際には、不動産会社の情報だけでなく、インターネットや地域の情報を活用し、幅広い選択肢を検討するのも効果的です。焦らずにじっくりと選ぶことで、リスクを減らし、成功する確率を高められます。
信頼できる不動産会社を見極める
不動産投資のパートナーとして信頼できる不動産会社を見つけることは非常に重要です。不動産会社は物件選びから購入手続き、管理や運営に関するアドバイスまで幅広くサポートしてくれます。
ただし、すべての不動産会社が投資家の利益を最優先に考えてくれるわけではなく、中には自社の利益を優先し、リスクの高い物件を勧めてくる会社もあります。
信頼できる会社を見極めるには、その会社の実績や評判、過去の取引事例をリサーチすることが重要です。また、無料相談などで直接話してみることでも、信頼できる会社かどうかをある程度見極めることができます。信頼性のある会社を選ぶことで、安心して投資を進めましょう。
1つの事業として緻密なシミュレーションをする
不動産投資を成功させるためには、投資を「事業」として捉える視点が必要です。
感覚的に物件を選ぶのではなく、収支やリスク、将来的な戦略を立てたうえでの判断が求められます。成功しているサラリーマン投資家は、物件購入前に家賃収入、ローン返済、修繕費などの収支バランスを綿密にシミュレーションし、キャッシュフローを正確に把握しています。この準備により、予想される変動にも対応でき、安定した収益が見込めるようになります。
銀行の投資ローンを比較する
多くの不動産投資家がローンを活用していますが、銀行によってローン条件は異なります。金利や返済期間、借入額の上限などが異なり、条件次第で毎月の支払い額も大きく変わるため、複数の銀行を比較して最も有利な条件を選ぶことが大切です。
銀行の担当者と話し合い、投資計画に合ったローンを見つけることで、資金リスクを軽減しましょう。
【おすすめ関連記事】不動産投資で融資を受けるには? 審査基準やポイントを知ろう
確定申告で経費計上を正しく行う
不動産投資の利益をしっかり確保するためには、確定申告で経費を正しく計上することが大切です。
修繕費や管理費、ローンの利息などを経費として申告することで課税対象の所得を減らし、結果的に税負担を軽減できます。確定申告が難しい場合は税理士に相談するのも良い方法です。
また、国税庁の「e-Tax」を使えばインターネット上から簡単に申告ができ、効率的に手続きを行えます。
不動産投資で成功を収めるサラリーマンに共通する特徴
成功しているサラリーマン投資家には、行動だけでなく投資に対する姿勢やマインドにも共通点があります。本業と投資を両立させながら安定した収益を上げているサラリーマン投資家には、次の3つの特徴が見られます。
積極的に勉強し学び続ける姿勢
不動産投資には、法律や税制、市場の変動などの知識が不可欠です。成功するサラリーマン投資家は、こうした変化に敏感で、常に新しい情報をキャッチし続けています。テレビなどの情報を待つのではなく、自ら進んで学び、知識をアップデートする姿勢が成功の鍵です。
自分で情報を判断する力
不動産投資では、他人の意見に頼りすぎず、自分で情報を集め、判断する力が求められます。成功している投資家は、不動産会社や専門家の意見を参考にしつつも、自分で調査し、最終的な判断は自分で行います。物件の購入や売却のタイミング、自分のリスクの許容範囲についても、しっかりと見極めています。
長期的な視野で運用する意識
不動産投資は長期的な資産形成が目的であり、短期的な利益を狙うものではありません。成功しているサラリーマン投資家は、数年から十数年先を見据え、市場の一時的な変動に左右されず、家賃収入と資産価値のバランスを考えた運用を心がけています。
サラリーマンが不動産投資を始めて成功した事例
不動産投資の成功は、一般的には「家賃収入」と「売却益」をトータルで見て、購入コストを上回っているかが判断基準となります。
しかし、投資の目的や達成目標は人それぞれ異なり、個々の目標をクリアできれば、それも成功といえます。
- 老後生活の不安を解決するために毎月の収入源が欲しい
- 自分に万が一のことがあった時に備え、家族の選択肢を広げたい
以下では、このような願望を叶えることに成功した投資家の事例を紹介しましょう。
ケース①安定収入で老後の備えを確保したAさん
大手企業に勤める30代のAさんは、築10年の中古ワンルームを購入しました。老後の年金問題に不安を抱き、不労所得を増やしたいと思ったのがきっかけです。子育て中だったので目先の出費の心配もあり、できるだけキャッシュを残せるよう、初期費用を抑えて運用できる物件にしたといいます。
長期的に利益を出し続けるためにも、将来のエリアにおける人口の増減を調べたうえで、駅から徒歩5分以内の利便性が高い物件を購入しました。もともと土地勘がある場所を選んだため、治安や主要部へのアクセスの良さも把握していたとのことです。
購入から3年経過し、1度退去が発生したもののすぐに次の入居者が決まり、安定的した収入を得られています。物件選びで妥協せず立地をこだわったことで、安定して入居者が入り続けています。
現在、毎月の家賃収入は少額ですが、ローン返済後は家賃がそのまま入るので、老後年金問題への心配が軽減されました。
ケース②柔軟な選択肢を確保し、安心感を得たBさん
会社員のBさんは、都心部へ直通で行ける駅から徒歩20分ほどの物件を、相場より安く手に入れました。周辺の物件は都内でも需要が高く、ある程度の築年数が経過している物件でも値下がりしにくい特徴があります。
根気よく価格交渉し相場より安く購入できたこと、そして近年の不動産価格の高騰が後押しして、今では売却益が出せる程になっているそうです。自分に「もしも」のことがあった場合は、残された家族は賃貸経営で家賃収入を得ることもできますし、売却して現金化もできます。
さらに、Bさん一家は持ち家に住んでいるので、家族は持ち屋を売却して投資物件に居住する選択肢もあります。家族に柔軟な選択肢を確保することができたことで、Bさんの精神的な安心感に繋がっているそうです。
サラリーマンが不動産投資を始めて失敗した事例
サラリーマン投資家が不動産投資で失敗するケースも少なくありません。
ここでは、失敗の原因となった2つの事例を紹介します。
ケース①修繕費が想定以上に膨らんだCさん
利回りの高さに惹かれ、築20年以上の物件を選んだCさんは、運用を始めた当初は問題がなかったものの、次第に経年劣化による修繕費がかさむようになりました。
入居者の入れ替えに伴う補修費用や雨漏り、配管の老朽化といった突発的な修繕が続き、キャッシュフローがマイナスに。貯蓄を切り崩す事態になってしまい、修繕リスクへの備えが不足していたことが失敗の原因となりました。
ケース②家賃下落リスクで収益が減少したDさん
築年数が経過するにつれ空室が目立つようになったDさんは、家賃を下げざるを得ない状況に陥りました。
以下の表は、Dさんが所有する家賃8万円の物件で、家賃下落率が1%と1.5%の場合の収入差を示しています。
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
---|---|---|---|
家賃下落率1% | 79,200円 | 78,400円 | 77,600円 |
家賃下落率1.5% | 78,800円 | 77,600円 | 76,400円 |
毎月の収入差 | 400円 | 800円 | 1,200円 |
年間の収入差 | 4,800円 | 9,600円 | 14,400円 |
このように、わずかな家賃下落率の差でも年数が経つにつれて収入差は大きくなります。一度下げた家賃は元に戻しづらいため、慎重な物件選びが重要です。
不動産投資のリスクとその対策について、詳しくは次の記事で解説しています。
【おすすめ関連記事】不動産投資で損しないためには?失敗例や知っておくべきリスクを解説!
まとめ
この記事では、サラリーマンが不動産投資を始めるべき理由、リスク回避の方法、成功と失敗の事例を紹介しました。
不動産はインフレに強く、長期的な収益性が期待できます。忙しいサラリーマンでも管理会社に業務を任せられるため、手間をかけずに投資を続けられる点もメリットです。また、年収の高い方には節税効果も大きな魅力で、減価償却や損益通算を活用すれば税負担を軽減しながら収益を最大化できます。
社会保険料の増加や給与が上がりにくい現状を考えると、不動産投資は将来に備えるための有力な手段です。将来の不確実性に対するリスクヘッジとして、不動産投資を賢く活用しましょう。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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- 日本の現状
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給与が安定していても、将来の生活資金に不安を感じるサラリーマンは多いでしょう。そうした不安を解消する方法のひとつが不動産投資です。
不動産投資には、税負担を軽減する節税効果があります。また、万が一の際に家族を支える生命保険の代わりとしても役立ちます。さらに、老後の資金づくりとしても期待できる資産運用のひとつです。
ただし、成功にはリスク回避が不可欠です。たとえば、物件選びや資金計画をしっかり行うことで、リスクを抑えつつ安心して投資を進められます。
この記事では、不動産投資を始めるサラリーマンに向けて、リスク回避の方法や成功のポイントを解説します。不動産投資に必要なリスク回避と成功のコツをしっかり押さえ、将来の安定に向けた第一歩を踏み出しましょう。
サラリーマンが不動産投資を検討する背景
最近では、多くのサラリーマンが副収入を得る方法として不動産投資に注目しています。
SNSや個人ブログなどの普及により、投資が身近になったこともその一因でしょう。情報が豊富になり、投資の知識も手軽に得られるようになったことで、より多くの人が不動産投資に挑戦しています。
国土交通省が発表した「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について」(2019年9月27日発表) によると、不動産投資経験者のうち、最も多いのは会社員で41.5%を占めていました。会社役員を含めると、会社員の割合は全体の約半数に達します。
【引用】国土交通省「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について」(2019年9月27日発表)をもとに弊社作成
サラリーマンが不動産投資を検討する背景には、さまざまな金銭的不安が影響しています。
- インフレによる物価上昇
- 年金額の減少
- 終身雇用制度の崩壊
- 社会保険料負担増
- 給与水準の停滞
特に、物価が上昇しているにもかかわらず、平均給与額が緩やかに下降していることは給与所得者であるサラリーマンの金銭的不安を裏付けるデータといえるでしょう。
これらの要因から、サラリーマンが将来の不安を解消するため、副業として不動産投資を始めるケースが増えています。
サラリーマンが不動産投資を始めるべき7つの理由
サラリーマンが数ある副業の中から不動産投資を選ぶ理由には、以下のようなメリットがあります。
- 安定収入があるから融資を受けやすい
- 所得・物件によって節税になる
- 管理・運用を業者へ依頼できるので手間がかからない
- 株式投資・FXのように値動きの監視が不要
- 生命保険の代わりになる
- 老後の私的年金の代わりになる可能性がある
- インフレに強い
それぞれの理由について詳しく説明します。
安定収入があるから融資を受けやすい
サラリーマンは、会社経営者や自営業者と年収が同等であっても、不動産投資を始める際には非常に有利です。これは、サラリーマンが持つ「社会的信用力」が要因となっています。
不動産投資をスタートする際、多くの場合は物件購入のためにアパートローンを利用します。
一般的に、金融機関は自営業者や会社経営者よりも「サラリーマン」の信用性を高く評価しています。銀行にとっては、安定して返済が行われることが利益を生む鍵であり、サラリーマンは会社が存続する限り毎月の給与が確実に支払われるため、「返済能力が高い」とみなされるのです。
融資を受ける際には、勤務年数や所属企業の業績といった項目も評価に含まれることが多く、個人の経歴よりも、企業の給与支払い能力が申込者の信用力として重視される場合があります。
そのため、自己資金が少なくても、安定収入のあるサラリーマンは融資を受けやすく、不動産投資を始める上で有利な職業と言えるでしょう。
所得や物件によっては節税になる
不動産投資では、「減価償却」や「損益通算」の仕組みを活用することで節税効果を得られる場合があります。特に、年収が高く、課税率の高いサラリーマンにとっては、大きなメリットとなるでしょう。
不動産投資での節税効果を最大化するためには、選ぶ物件の種類が重要です。物件の特性によって、減価償却の適用や損益通算の効果が異なるため、効果的な物件選びが節税に大きく影響します。
たとえば、物件のタイプによって、一般的に以下のような特徴があります。
- 新築区分マンション
新築で耐用年数が長く、価値も安定していますが、節税効果は比較的少なめです。 - 中古区分マンション
耐用年数が短く、減価償却の負担が少ないため、節税効果を高めやすい物件です。 - 木造アパート
耐用年数がさらに短く、減価償却を多く計上できるため、特に節税効果が大きいとされています。 - 一棟マンション
初期費用が大きくなりがちですが、規模によっては大きな減価償却費を計上でき、安定した収益も見込めます。
特に「中古区分マンション」や「木造アパート」は、節税効果の高い物件として知られ、減価償却により税負担を軽減しやすくなります。投資を始める際には、物件ごとのシミュレーションを行い、節税効果を考慮して判断することが大切です。
【おすすめ関連記事】会社員が税金を減らす方法。控除や副業・不動産投資での節税対策を解説
管理・運用を業者へ依頼できるので手間がかからない
不動産投資では、物件の運用に必要な業務を管理会社に任せることができ、投資家自身が直接関わる手間を大幅に減らせます。管理会社は、一般的に以下のような業務を代行します。
- 入退去手続き
- 家賃の回収、督促
- クレームへの対応
- 物件の維持管理
これにより、物件購入後は運用負担を軽減され、忙しいサラリーマンでも中長期的に投資を続けやすくなります。
賃貸管理会社と建物管理会社の役割の違い
不動産投資における管理業務は、大きく「賃貸管理」と「建物管理」に分かれ、それぞれに役割が異なります。
【賃貸管理会社】
賃貸管理会社はオーナーと直接契約し、主に以下の業務を担当します。
- 入居者の管理(入退去の手続きや家賃の回収、督促)
- 空室や家賃滞納リスクの軽減(家賃保証システムやサブリース契約の活用)
【建物管理会社】
建物管理会社はマンション管理組合からの委託を受け、建物全体の管理を行います。
- 物件の維持・修繕業務
- マンションの共用部の管理
- 賃貸物件のオーナーが参加する管理組合の運営補助
賃貸管理と建物管理は、同じ会社が両方を担当する場合もあれば、それぞれ専門会社が行う場合もあります。
このように管理体制が整っているため、管理業務を気にせずに投資に専念でき、初心者のサラリーマンでも安心して不動産投資を始められます。
株式投資・FXのように値動きの監視が不要
不動産投資は、株式やFXと異なり、頻繁な値動きを気にする必要がない安定した投資手法です。これにより、忙しいサラリーマンでも、安定的に資産運用がしやすい点が特徴です。
株式投資では、企業の事業内容や実績、経済市場の影響で株価が変動しやすく、定期的なチェックが必要です。FXは二国間の通貨の値動きで利益を狙うため、レバレッジを使って大きな利益が得られる可能性がありますが、その分リスクも高く、値動きの監視が欠かせません。
一方で、不動産投資は実物資産であるため、資産価値が0になるリスクが低く、長期保有にも適しています。不動産管理を専門業者に依頼すれば、物件の管理や運営を任せることができ、購入後も「ほったらかし投資」が実現可能です。
管理業者は以下のような業務を行い、オーナーの手間は大幅に軽減されます。
- 退去、原状回復の確認
- 入居者の契約確認
- 修繕に関する確認
これらの業務はすべて管理業者が代行し、必要に応じてオーナーに連絡が入るだけで、指示を出せば対応が完了します。基本的には月々の収支確認のみで運用が進むため、サラリーマンが本業と調整することなく安定した資産形成が可能です。
株式やFXは、短時間で頻繁な値動きの監視が必要なため、限られた時間で投資に取り組むサラリーマンには不向きな投資手法と言えるでしょう。
生命保険の代わりになる
不動産投資では、ローンを利用して物件を購入する際に、団体信用生命保険(団信)に加入できるため「生命保険の代わりになる」という大きな利点があります。団信には、死亡や高度障害、特定疾患時にローンの返済が免除される特約が付いているため、家族に経済的な負担を残さないよう備えることができます。
特に、日本人の死亡原因の1位とされる「がん」に対応する「がん団信」も用意されており、がんと診断された場合にローン残債が免除される仕組みがあるのは、大きな安心材料です。
さらに、団信に加入していることで、不動産が相続財産となっても、相続人が残債の返済を負担する必要はありません。相続人が賃貸経営を継続するか、物件を売却してまとまった資金を受け取るかを選べるため、遺産としての柔軟性も高くなります。
老後の私的年金の代わりになる
不動産投資は、ローンを完済した後に家賃収入がそのまま手元に残るため、老後の「私的年金」として活用できる投資手法です。年金以外の安定収入を得られるため、老後の生活に余裕を持たせる助けとなります。
2019年、金融庁の金融審議会は報告書「高齢社会における資産形成・管理」(2019年6月3日発表)で、「夫65歳・妻60歳の高齢夫婦無職世帯が今後20~30年のシニアライフを送るためには、約2,000万円の老後資金が不足する」という試算を発表しました。
この報告によると、こうした世帯の平均年金収入は1ヵ月約21万円ですが、ゆとりのある生活を送るためには毎月26万円の支出がかかり、月々5万円の不足が発生します。この不足が年間で60万円、30年間続くと、約2,000万円の資金が必要になる計算です。
もちろん、老後の生活スタイルによって必要な資金額は異なりますが、多くの方が趣味や旅行などで充実した時間を過ごしたいと考えているでしょう。
高齢化と若年層の人口減少による年金受給額の減少が懸念される中、家賃収入が生活費の補填として役立ち、安定した収入源として老後の支えとなります。さらに、不動産管理を業者に委託することで、身体が衰えても手間をかけずに不労所得を得られる点も不動産投資の大きな魅力です。
【引用】金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」2019年6月3日発表
インフレに強い
金融資産よりも実物資産を保有する方がインフレ対策として有利だとされています。インフレとは、物価水準が上昇し、通貨の価値が低下する状況を指します。
以下のグラフは、IMF(国際通貨基金)が半年ごとに発表する「世界経済見通しデータベース」をもとに、日本の過去から未来にわたる平均消費者物価指数をまとめたものです。
【引用】国際通貨基金「世界経済金融調査 世界経済見通しデータベース」(2023年10月現在)より弊社作成
青色のラインは実質的な物価指数、オレンジ色のラインは物価のトレンドラインを示しており、1980年から2023年にかけて物価がゆっくりと上昇している様子がわかります。
今後も、このゆるやかな上昇が続くと予測されており、2027年に向けてインフレが継続する見通しです。 不動産のような実物資産は、そのもの自体に価値があるため、通貨の価値が低下しても資産価値が保たれやすくなります。
不動産はインフレ時に価格が下がりにくい特性を持ち、消費者物価指数の上昇に伴い家賃も上昇しやすい傾向があります。そのため、不動産投資はインフレ対策として有効であり、長期的な収益が見込めます。
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不動産投資でサラリーマンが得られる2つの節税ポイント
不動産投資は、家賃収入による資産形成だけでなく、税金を減らす効果も持っています。ここからは、サラリーマンが不動産投資で得られる具体的な節税方法である、「損益通算」と「減価償却」について詳しく解説します。
損益通算
損益通算とは、不動産投資で発生した赤字を他の収入と合算し、全体の税金を減らす仕組みです。
たとえば、家賃収入が物件の維持費やローンの返済による支出で赤字になった場合、その損失を給与所得と合算して税金を計算します。サラリーマンの場合、毎月の給与所得があるため、赤字を損益通算することで所得税の負担を減らすことが可能です。
これにより、投資が赤字でも節税効果が得られ、長期的にはキャッシュフローが改善する可能性につながります。
減価償却
減価償却は、建物の価値が時間とともに減少すると仮定し、その減少分を経費として計上する方法です。
たとえば、耐用年数20年の建物は、年数に応じて少しずつ価値が減るとされ、この減少分を毎年経費として計上できます。これにより、所得が圧縮され、結果として税金が軽減されます。
特に築年数の古い物件は、減価償却費を早い段階で多く計上できるため、節税効果が大きくなります。
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サラリーマンが知っておくべき、不動産投資のリスクを回避する方法
不動産投資には収益が期待できる一方で、リスクも伴います。特にサラリーマンが本業と両立しながら投資を行う場合、限られた時間や資金でリスクをどのように管理するかが重要です。
ここでは、不動産投資を行ううえで注意すべき5つのリスクとその回避方法を紹介します。
知識がないまま不動産投資を始めない
不動産投資には、物件選び、市場動向、税制などの幅広い知識が求められます。知識が不足していると、空室リスクや収益低下のリスクが高まりかねません。まずは、インターネットや書籍、セミナーなどで基礎知識をしっかりと学び、準備を整えましょう。
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相場より高額な物件を購入しない
不動産市場において、物件の価格は非常に重要なポイントです。相場を理解せずに高額な物件を購入してしまうと、予想していた収益が得られないだけでなく、将来的に売却が難しくなるリスクがあります。
たとえば、売却時にローン残高が物件の価格を上回る場合、その差額を自己負担で補填する必要があります。特に、相場よりも高額な物件はこうした状況に陥りやすいため、注意が必要です。
さらに、物件価格が高いほどローン返済額も増えるため、キャッシュフローが圧迫され、安定した収益が得にくくなります。投資前にしっかりと市場価格を調査し、周辺の物件と比較して適正価格かどうかを確認することが重要です。
修繕費用を最小限に抑える
物件購入後、予想外に大きな出費となりがちなのが修繕費用です。特に築年数が古い物件は、購入価格が安くても、後々多額の修繕費がかかるケースが多いため注意が必要です。物件購入時には、過去の修繕履歴や今後修繕が必要になる箇所を事前にしっかりと確認しましょう。
また、修繕費用を抑えるためには、物件の状態を定期的に点検し、必要なメンテナンスを早めに行うことが効果的です。こまめな手入れにより、大規模な修繕を防ぎ、結果としてキャッシュフローを安定させることができます。
このようにメンテナンスを計画的に行うことで、長期的に物件を安定して運用することが可能になります。
節税効果のない物件を選ばない
不動産投資の大きな魅力のひとつは節税効果ですが、すべての物件でその効果が得られるわけではありません。物件によっては節税効果が低いケースもあるため、慎重な選定が必要です。
たとえば、土地の割合が大きく、減価償却の対象となる建物部分が少ない物件では、節税効果があまり期待できません。一方で、築年数が古く、建物部分の割合が大きい物件は、減価償却を早期に多く取ることができ、節税効果が高まります。
特に、築20年以上の木造住宅や築30年以上の鉄筋コンクリート造の物件は、早い段階で大きな減価償却費を計上できるため、初期の節税効果が大きいのが特徴です。
このように、物件を選ぶ際には、建物の割合や築年数を確認し、節税効果が得られるかどうかを見極めることが大切です。節税効果を最大限に活用できる物件を選ぶことで、より効率的な不動産投資が可能になります。
キャッシュフローのマイナスを避ける
不動産投資において、毎月のキャッシュフローの管理は不可欠です。キャッシュフローがマイナスになるとは、物件運用にかかる費用が家賃収入などの収入を上回っている状態を指します。この状態が続くと、赤字が積み重なり、最終的には投資が失敗するリスクが高まります。
キャッシュフローをプラスに保つためには、物件購入時に正確な収支計画を立てることが重要です。ローン返済や修繕費、管理費などの支出を見越し、収入とのバランスが取れる物件を選ぶことで、長期にわたって安定した運用が可能になります。
不動産投資で成功するサラリーマンたちがやっていること
不動産投資で成果を上げているサラリーマン投資家には、共通する行動パターンがあります。
ここでは、彼らが実際に行っている具体的な行動を紹介します。ぜひ、自身の投資スタイルに取り入れてみてください。
運用目的の設定と予算決め
不動産投資を始める際には、まず運用目的と予算を明確にすることが重要です。たとえば、老後の資産形成、短期的な利益の確保、家族への資産継承など、目的によって投資スタイルは大きく異なります。運用目的が曖昧だと、途中で方針がぶれて失敗につながりかねません。
また、サラリーマン投資家は限られた資金で投資を行うため、無理のない範囲で予算を決めておくことが必要です。これにより、リスクを抑えながら適切な投資物件を選びやすくなり、スムーズに投資を進めることができます。
納得できる物件を根気強く探す
不動産投資において、良い物件はすぐには見つからないことが多いため、成功しているサラリーマン投資家は納得のいく物件が見つかるまで根気強く探し続けます。物件選びは投資の成否を左右する重要なポイントです。立地条件や価格、将来の価値を十分に考慮し、慎重に選ぶことが成功のカギとなります。
物件を探す際には、不動産会社の情報だけでなく、インターネットや地域の情報を活用し、幅広い選択肢を検討するのも効果的です。焦らずにじっくりと選ぶことで、リスクを減らし、成功する確率を高められます。
信頼できる不動産会社を見極める
不動産投資のパートナーとして信頼できる不動産会社を見つけることは非常に重要です。不動産会社は物件選びから購入手続き、管理や運営に関するアドバイスまで幅広くサポートしてくれます。
ただし、すべての不動産会社が投資家の利益を最優先に考えてくれるわけではなく、中には自社の利益を優先し、リスクの高い物件を勧めてくる会社もあります。
信頼できる会社を見極めるには、その会社の実績や評判、過去の取引事例をリサーチすることが重要です。また、無料相談などで直接話してみることでも、信頼できる会社かどうかをある程度見極めることができます。信頼性のある会社を選ぶことで、安心して投資を進めましょう。
1つの事業として緻密なシミュレーションをする
不動産投資を成功させるためには、投資を「事業」として捉える視点が必要です。
感覚的に物件を選ぶのではなく、収支やリスク、将来的な戦略を立てたうえでの判断が求められます。成功しているサラリーマン投資家は、物件購入前に家賃収入、ローン返済、修繕費などの収支バランスを綿密にシミュレーションし、キャッシュフローを正確に把握しています。この準備により、予想される変動にも対応でき、安定した収益が見込めるようになります。
銀行の投資ローンを比較する
多くの不動産投資家がローンを活用していますが、銀行によってローン条件は異なります。金利や返済期間、借入額の上限などが異なり、条件次第で毎月の支払い額も大きく変わるため、複数の銀行を比較して最も有利な条件を選ぶことが大切です。
銀行の担当者と話し合い、投資計画に合ったローンを見つけることで、資金リスクを軽減しましょう。
【おすすめ関連記事】不動産投資で融資を受けるには? 審査基準やポイントを知ろう
確定申告で経費計上を正しく行う
不動産投資の利益をしっかり確保するためには、確定申告で経費を正しく計上することが大切です。
修繕費や管理費、ローンの利息などを経費として申告することで課税対象の所得を減らし、結果的に税負担を軽減できます。確定申告が難しい場合は税理士に相談するのも良い方法です。
また、国税庁の「e-Tax」を使えばインターネット上から簡単に申告ができ、効率的に手続きを行えます。
不動産投資で成功を収めるサラリーマンに共通する特徴
成功しているサラリーマン投資家には、行動だけでなく投資に対する姿勢やマインドにも共通点があります。本業と投資を両立させながら安定した収益を上げているサラリーマン投資家には、次の3つの特徴が見られます。
積極的に勉強し学び続ける姿勢
不動産投資には、法律や税制、市場の変動などの知識が不可欠です。成功するサラリーマン投資家は、こうした変化に敏感で、常に新しい情報をキャッチし続けています。テレビなどの情報を待つのではなく、自ら進んで学び、知識をアップデートする姿勢が成功の鍵です。
自分で情報を判断する力
不動産投資では、他人の意見に頼りすぎず、自分で情報を集め、判断する力が求められます。成功している投資家は、不動産会社や専門家の意見を参考にしつつも、自分で調査し、最終的な判断は自分で行います。物件の購入や売却のタイミング、自分のリスクの許容範囲についても、しっかりと見極めています。
長期的な視野で運用する意識
不動産投資は長期的な資産形成が目的であり、短期的な利益を狙うものではありません。成功しているサラリーマン投資家は、数年から十数年先を見据え、市場の一時的な変動に左右されず、家賃収入と資産価値のバランスを考えた運用を心がけています。
サラリーマンが不動産投資を始めて成功した事例
不動産投資の成功は、一般的には「家賃収入」と「売却益」をトータルで見て、購入コストを上回っているかが判断基準となります。
しかし、投資の目的や達成目標は人それぞれ異なり、個々の目標をクリアできれば、それも成功といえます。
- 老後生活の不安を解決するために毎月の収入源が欲しい
- 自分に万が一のことがあった時に備え、家族の選択肢を広げたい
以下では、このような願望を叶えることに成功した投資家の事例を紹介しましょう。
ケース①安定収入で老後の備えを確保したAさん
大手企業に勤める30代のAさんは、築10年の中古ワンルームを購入しました。老後の年金問題に不安を抱き、不労所得を増やしたいと思ったのがきっかけです。子育て中だったので目先の出費の心配もあり、できるだけキャッシュを残せるよう、初期費用を抑えて運用できる物件にしたといいます。
長期的に利益を出し続けるためにも、将来のエリアにおける人口の増減を調べたうえで、駅から徒歩5分以内の利便性が高い物件を購入しました。もともと土地勘がある場所を選んだため、治安や主要部へのアクセスの良さも把握していたとのことです。
購入から3年経過し、1度退去が発生したもののすぐに次の入居者が決まり、安定的した収入を得られています。物件選びで妥協せず立地をこだわったことで、安定して入居者が入り続けています。
現在、毎月の家賃収入は少額ですが、ローン返済後は家賃がそのまま入るので、老後年金問題への心配が軽減されました。
ケース②柔軟な選択肢を確保し、安心感を得たBさん
会社員のBさんは、都心部へ直通で行ける駅から徒歩20分ほどの物件を、相場より安く手に入れました。周辺の物件は都内でも需要が高く、ある程度の築年数が経過している物件でも値下がりしにくい特徴があります。
根気よく価格交渉し相場より安く購入できたこと、そして近年の不動産価格の高騰が後押しして、今では売却益が出せる程になっているそうです。自分に「もしも」のことがあった場合は、残された家族は賃貸経営で家賃収入を得ることもできますし、売却して現金化もできます。
さらに、Bさん一家は持ち家に住んでいるので、家族は持ち屋を売却して投資物件に居住する選択肢もあります。家族に柔軟な選択肢を確保することができたことで、Bさんの精神的な安心感に繋がっているそうです。
サラリーマンが不動産投資を始めて失敗した事例
サラリーマン投資家が不動産投資で失敗するケースも少なくありません。
ここでは、失敗の原因となった2つの事例を紹介します。
ケース①修繕費が想定以上に膨らんだCさん
利回りの高さに惹かれ、築20年以上の物件を選んだCさんは、運用を始めた当初は問題がなかったものの、次第に経年劣化による修繕費がかさむようになりました。
入居者の入れ替えに伴う補修費用や雨漏り、配管の老朽化といった突発的な修繕が続き、キャッシュフローがマイナスに。貯蓄を切り崩す事態になってしまい、修繕リスクへの備えが不足していたことが失敗の原因となりました。
ケース②家賃下落リスクで収益が減少したDさん
築年数が経過するにつれ空室が目立つようになったDさんは、家賃を下げざるを得ない状況に陥りました。
以下の表は、Dさんが所有する家賃8万円の物件で、家賃下落率が1%と1.5%の場合の収入差を示しています。
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
---|---|---|---|
家賃下落率1% | 79,200円 | 78,400円 | 77,600円 |
家賃下落率1.5% | 78,800円 | 77,600円 | 76,400円 |
毎月の収入差 | 400円 | 800円 | 1,200円 |
年間の収入差 | 4,800円 | 9,600円 | 14,400円 |
このように、わずかな家賃下落率の差でも年数が経つにつれて収入差は大きくなります。一度下げた家賃は元に戻しづらいため、慎重な物件選びが重要です。
不動産投資のリスクとその対策について、詳しくは次の記事で解説しています。
【おすすめ関連記事】不動産投資で損しないためには?失敗例や知っておくべきリスクを解説!
まとめ
この記事では、サラリーマンが不動産投資を始めるべき理由、リスク回避の方法、成功と失敗の事例を紹介しました。
不動産はインフレに強く、長期的な収益性が期待できます。忙しいサラリーマンでも管理会社に業務を任せられるため、手間をかけずに投資を続けられる点もメリットです。また、年収の高い方には節税効果も大きな魅力で、減価償却や損益通算を活用すれば税負担を軽減しながら収益を最大化できます。
社会保険料の増加や給与が上がりにくい現状を考えると、不動産投資は将来に備えるための有力な手段です。将来の不確実性に対するリスクヘッジとして、不動産投資を賢く活用しましょう。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。