2023.10.10

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資を始めるサラリーマンが増えている5大要因とは

  • 日本の現状
  • 節税・税金
  • 不動産投資
  • 会社員

最近、給与以外の収入を得る方法として、不動産投資をスタートするサラリーマンが増えています。現在、サラリーマンとして安定した収入を得ていても、これからの先の働き方の変化、セミリタイアの可能性、退職後も続く「人生100年時代」などを考えると、将来への不安を感じることもあるでしょう。

将来への不安を解消する具体的な方法として、副業を始める人も増えてきました。不動産投資も副業の一つですが、実際に不動産投資を始めた人が、数ある副業の中からなぜ不動産投資を選んだのか気になりますよね。

この記事では、不動産投資を検討しているサラリーマンに向けて、サラリーマンが不動産投資を副業として選ぶ理由や、副業として向いている理由などを、解説します。

不動産投資をするサラリーマンが増えている

まずは、サラリーマンが不動産投資をスタートさせる大きなきっかけとなる、5つの要因について説明します。

学校を卒業して会社勤めを始めた場合、定年退職をしてセカンドライフをスタートさせるまでには、約40年ほどの期間があります。40年もあれば、国も環境も大きく変わっていくので、将来、お金が必要な時に、必要なだけのお金が手元になくなっている可能性もあります。

このような将来の経済的な不安を少しでも解消し、生活や人生の安定化を図るために、サラリーマンとは別の、新しい収入源として、不動産投資を検討し始める方が増えています。

不動産投資を選ぶサラリーマンが、転職をするのではなく、副業として始める理由としては、主に以下の5つがあります。

  • インフレで物価が上がっている
  • 年金不安
  • 終身雇用制度の崩壊
  • 社会保険料負担増
  • 給与は横ばい

それぞれの理由について説明します。

インフレで物価が上がっている

日本を含めた世界経済では、少しずつインフレが進んでいます。インフレは一般的には少しずつ進むものなので、インフレには、すぐには気付かれにくいという傾向があります。インフレ状態を計る指標には、消費者物価指数があります。

以下のグラフはIMFが半年ごとに発表する、世界経済見通しデータベースをもとに、過去から未来までの日本の平均消費者物価指数をまとめたものです。 (IMF「世界経済金融調査 世界経済見通しデータベース」より弊社作成)

青色のラインが実質的物価指数、オレンジ色のラインは物価のトレンドラインです。1980年から2023年まで、少しずつゆっくりと物価が上昇しているのがわかります。4年後の2027年に向かっても、過去から現在までと同じように、緩やかな上昇が続いているため、今後も少しずつ物価が上昇していく「インフレ」の動きは変わらないことがわかります。

インフレとはモノの値段が上がることですが、サラリーマンの給与がそれに合わせて少しずつ上昇するなら、今までと同じ暮らしを続けられるので、それほど大きな問題にはなりません。しかし、長い期間、日本人の平均給与は横這いのままなので、収入が増えないのにモノの値段が上がり続けるという状態にあります。

年金不安

2019年に金融庁の金融審議会ワーキング・グループが発表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書の中で、夫65歳・妻60歳の高齢夫婦無職世帯が、今後20~30年のシニアライフを送るためには、約2,000万円の老後資金が不足しているという試算がありました。

この報告内容はネットニュースでも「老後2,000万円問題」として大きく取り上げられたので、記憶に残っている方も多いかと思います。この報告書の数値は、あながち間違いでもなく、実際に公的年金だけに頼った老後設計をしていると、老後資金は赤字になる可能性が高くなります。

報告書によれば、高齢夫婦無職世帯の平均実収入=年金受取額は1カ月21万円程であり、ある程度のゆとりがある暮らしをした時の支出は約26万円です。つまり、毎月マイナス5万円、年間で60万円のマイナスとなります。これが95歳まで生きて30年間続けば、2,000万円近い金額の赤字になります。

これらのシミュレーションは、あくまで現状からみた平均的な生活費から算出したものなので、全ての人に当てはまるものではありません。しかし、年間にこれだけの赤字になる前提で、ご自身が受け取れる公的年金の受給額をもとに試算をすると、「大丈夫」と言い切れる人はほとんどいないのではないでしょうか。

公的年金をもらう年齢になると、働くことを望んでいても、給与をもらえる職に就ける可能性は低くなります。再就職ができても、以前よりもかなり減額される可能性があります。

年金は長い期間かけて作り上げるタイプの老後資金ですが、それは将来を想定した時に「この金額で足りる」ことを前提とした計算の上に成り立っています。前項のインフレ問題などを含め、公的年金だけでは、準備できる金額には限界があるため、多くの方は将来の年金額に不安を抱いています。

終身雇用制度の崩壊

かつては多くの日本企業が、日本型雇用と呼ばれる終身雇用制度・年功序列という「長く勤めるほど、生活が安定して老後に対する不安が消える」タイプの雇用制度を採用していました。

終身雇用なので大きな問題を起こさない限りクビになることもなく、年功序列なので長く勤めればその分着実に給料が上がりました。

長く務めることが前提なので、入社から退職までの全期間、公的年金を確実に積み上げることができました。そのため、ほとんどのサラリーマンは、退職時には満額の公的年金と、多額の退職金を手に、悠々としたシニアライフを送れる条件を揃えることができました。

このような働き方をするためには、企業や経済が成長し続ける必要がありますが、バブル経済崩壊後から経済的な低迷期と成熟期を同時に迎えている日本には、過去の働き方を支え続けるだけの体力がなくなっています。

現在、日本政府は「働き方改革」の推進と同時に、NISAやiDeCoなどの老後のための資金形成をサポートする仕組みを国民に提案しながら、「自分の老後は、自分でなんとかする」という自立した社会を目指しています。

また、かつての企業のような長期間の雇用を保証する終身雇用制度や、長く勤めたら確実に給与に反映させる年功序列制度から、能力のある者がより多く稼げる制度へと変わろうとしています。

このことから、かつてサラリーマンが持っていた、所属会社に対する忠誠心のようなものは薄れ、各自が、自分の将来を守るために今からできることをしようという風潮に変わりつつあります。

社会保険料負担増

年収の高いサラリーマンの中には、医師や士業などの方と同様に、資産運用と節税目的で不動産投資をスタートする人が増えています。医師や士業の方は高年収の方が多いため、比較的早くから上手に節税を始めています。
しかし、サラリーマンは、給与と税金を勤め先が管理をしているため、高額所得者になればなるほど稼いだ分から給与天引きで差し引かれる金額が増えていきます。

最近、SNSで話題になったのが、社会保険料負担の増額です。内容は「税負担が厳しい!」というものでしたが、多くのリツイートやリプライを得ていることから、保険料値上げに対する不満を感じている人が多いことがわかります。

以下のグラフは、健康保険組合連合会「健保組合決算見込集計結果報告」が公開した2008~2020年の社会保険料の平均支払額負担の推移です。

オレンジ色で示したトレンドラインが、ずっと右肩上がりに推移していることから、平均的なサラリーマンの社会保険料支払額は、過去から現在まで上昇し続けていることがわかります。

医療費負担が増えるのは、日本が高齢化社会に向かって、猛烈なスピードで突き進んでいることが主な理由です。社会保険料は社会保障費の一つなので、国民全員で支えあうことが前提です。政府は過去にも、医療費の捻出が苦しくなると、社会保障費の引き上げをしながら対応をしています。

社会保険料の引き上げ方法として、月額報酬(給与)の等級別に負担額を増やす方法があります。等級に分けてあるので、任意の等級枠に対して保険料を増やすことができます。2020年9月(令和2年)には、高額報酬者の枠が新設され、超高額所得層の負担を増やすように改定されたため、収入が多い人ほど社会保険料が高くなりました。

日本の税制は、基本的に「持っている人・取れる人から取る」という傾向があり、今回も高額年収のサラリーマンが狙い撃ちされたことになります。

社会保障費はどれも、社会人として健全に生きていくためには必要な負担ですが、医師や士業などの同じ高額所得者と比較した場合、ご自分で操作できる節税方法がほとんどない点が、サラリーマンであることのネックとなります。

このような観点から、高収入のサラリーマンほど、節税目的で不動産投資を真剣に検討する価値があるといえるでしょう。

【参照元】日本年金機構「 厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定」より

給与は横ばい

物価が上がっても、給与が増えているのであれば、実質的な変化はありません。100円のモノが200円になっていても、給与も倍近くまで上がるのであれば、国民の生活状態は変わりません。

問題は、物価が上昇しているのに給与が横ばいのケースです。以下のグラフは、バブル崩壊直後である1993~2023年度までの過去30年間の平均給与推移です。青ラインが平均給与、オレンジのラインがトレンドラインです。( 国税庁「民間給与実態統計調査結果」より)

給与額を示す青色のラインはほぼ横ばい、オレンジ色のトレンドラインに関しては緩やかな右肩下がりとなっています。つまり、過去30年、日本人の給与はまったく上がっていないか、人によっては下がっていることがわかります。

あくまで平均給与なので、業界によって右肩上がりのところもありますが、日本全体で見た場合には、ほとんどのサラリーマンの給与は「増えていない」ことがわかります。

給与が増えないのに、インフレによる物価上昇が重なることにより、手取りのほとんどは生活費に消え、将来のための貯金もままならないという生活実態が見えてきます。

30年という時間は、大卒22歳で入社した方が52歳となり、企業によっては早めのリタイアなどもある年齢となります。今後も企業の給与体系が大きく変わらないのであれば、定年後だけではなく、今からの人生をより良く生きるための方法として、他に収入が入ってくるようにしておく必要があると考えるのは、自然なことといえるでしょう。

そのような流れから、サラリーマンとして給与をもらいながら新しい収入源を確保する方法として、不動産投資に注目するサラリーマンが増えています。

サラリーマンが不動産投資を始めるべき理由

サラリーマンが数ある副業の中から不動産投資を選ぶのには理由があります。主な理由は以下の4つです。

  • 会社員としての給与があり融資が引きやすい
  • 物件によっては節税になる
  • 管理など安価なコストで依頼する仕組みが整っている
  • 株式投資やFXと違い安定している

それぞれの理由について説明します。

融資が受けやすいから

会社経営・自営業など、年収ベースでは同じくらいの稼ぎをしている方でも、不動産投資をスタートするとなった場合は、サラリーマンの方が圧倒的に有利になります。それは、サラリーマンには、高い社会的信用力があるからです。

不動産投資を始める時には、物件購入をする必要がありますが、多くの方はアパートローンを組むことになります。金融機関は、一般的に自営業者や会社経営者よりもサラリーマンに非常に高い信頼を置いています。

銀行が利益を生むためには、貸したお金の返済を滞りなく続けてもらう必要があります。サラリーマンは会社が存続する限り、必ず毎月の給与が支払われるため、金融機関から見ると、安定的に資金回収をしやすい優良な融資申込者となります。

もちろん、融資の申込時にはさまざまな審査項目がありますが、個人の経歴よりも、所属会社の業績や勤務年数などの、企業の給与支払い能力が、そのまま申込者本人の信用力になるケースが多いです。

そのため、不動産投資のために準備できる自己資金が少なくても、初めての不動産投資であっても、会社員として問題がなければ、融資を受けることができるため、サラリーマンは不動産投資をスタートしやすい職業といえます。

物件によっては節税になる

不動産投資で節税ができます。ここでは、不動産投資をはじめたら、どなたにでも関係のある所得税と住民税に関わる節税について説明します。

不動産投資におけるサラリーマンの節税とは、端的に言えば、減価償却で作った会計上の赤字を損益通算することにより所得を圧縮することです。損益通算とは、赤字の所得を他の所得の黒字と相殺する計算方法です。

減価償却とは、価格が大きくて何年も使い続けることができる物は、購入金額を一度に計上するのではなく、 法的に決められた年数に分けて少しずつ経費に計上するという税務上の考え方です。

つまり、サラリーマンをしながら不動産投資をすると、会社からの給与収入(黒字)に不動産投資で出た会計上の(赤字)をぶつけて、年間収入を少なくし、所得税と住民税の税率や金額を少なくすることが可能です。ケースによっては、会社で源泉徴収された金額が戻ってくることもあります。

不動産経営では、経営のために必要な費用は全て経費にできるので、たくさん経費を計上すると不動産収入が減り、課税対象額が減って節税にはなります。しかし、経費がたくさんかかるということは、実際にお金も出ていってしまっているため、節税はできても、不動産投資による手取り額が増えないことがあります。

しかし減価償却費であれば、経理上で費用として計上していますが、実際の物件購入代金はすでに支払っているので、実際にはお金が出ていきません。つまり、不動産収入の利益を経理上で減らすことができるのに、手元のお金が出ていかない節税方法です。

この減価償却費による節税方法は、物件を購入したときにできることが決まってしまうため、不動産投資で節税を視野に入れている場合には、物件選びが非常に大切です。

不動産投資の対象となる物件には、大きくわけて以下の4種があります。

  • A:区分マンション(新築)
  • B:区分マンション(中古)
  • C:木造アパート
  • D:マンション一棟

上記4物件の中で、減価償却費が大きく取れて節税効果が高いのは、太字で示したBの中古区分マンション、またはCの木造アパートです。

マンションの法定耐用年数は、鉄筋コンクリート造で47年です。シンプルな言い方をすれば、減価償却費は、購入金額を、物件が法的に価値があるとされる期間で割った金額になるので、残りの期間が短い物件ほど、減価償却費は大きく取れることになります。

そのため、比較しているのが同じ間取り・同じつくりのマンション物件であれば、Aの新築よりもBの中古の方が、節税はしやすくなります。

Cの木造アパートは、区分マンションに比べて大きな買い物になりますが、木造は法定耐用年数が22年とマンションよりも大幅に短くなるため、候補物件が同じ価格・同じ築年数だった場合、木造の方が大きく減価償却費をとることができます。

どの物件を選ぶのかは、実際にたくさんの物件資料を比較しながら、ご自身でシミュレーションをして決めていくことになります。

不動産投資をスタートさせる目的の中に節税が含まれている場合は、購入物件によって節税できる金額に大きな違いが出るので、信頼と実績のある不動産投資セミナーに参加して、勉強するとよいでしょう。

管理など安価なコストで依頼する仕組みが整っている

不動産投資は、入居者募集・家賃回収・クレーム対応・物件維持管理など、やることがたくさんあります。しかし、これらの仕事は物件オーナーがする必要はなく、不動産管理会社に一任できます。

つまり、不動産投資をスタートし、物件を購入するところまでがオーナーの主な仕事であり、その後は、ほったらかしでも大丈夫です。このように、不動産投資は、サラリーマンやOLの方が、副業として気軽にスタートできる条件が整っている副業なのです。

不動産管理には、賃貸管理と建物管理の二つがあります。

賃貸管理会社

賃貸管理は、オーナーからの委託によって、専有部分(区分・部屋)の管理をします。主な仕事は、入居者募集・家賃管理・クレーム対応・トラブル処理・修繕補修対応です。

ただし、賃貸管理会社は家賃保証をしてくれるわけではないので、家賃滞納や督促などの部分も含め、家賃収入を確実に確保したいのであれば、家賃保証システム、またはサブリース契約のある管理会社と契約してください。

家賃保証とは、滞納が起きた場合に家賃保証会社が賃料を肩代りしてオーナーに代理支払いをし、入居者に督促と回収をするシステムです。

サブリースとは、会社が物件を借り上げ、それを入居者に賃貸をするシステムです。サブリース契約を締結すると、空室が発生しても、最初に決めた月額賃料をサブリース会社が保証してくれます。

建物管理

建物管理会社は、エントランス・廊下・エレベーター・屋上・自転車置き場などの、入居者の共用部分の管理・点検・清掃などをします。また、管理費や修繕積立金の出納管理や、共用部分の電気水道支払いなどを含めた会計業務を行うこともあります。

建物管理会社は、物件オーナーが個別に契約するのではなく、マンション管理組合からの委託となります。不動産投資をスタートさせると、マンション管理組合に加入することになります。賃貸物件のみの建物の場合は、マンション管理組合=物件オーナー全員が所属する組織となります。

賃貸管理と建物管理は、1つの会社が2部門で経営しているケースと、個別の専門性を持って経営をしているケースがあります。不動産投資業界には、適切な管理を安価に行ってくれる仕組みがあるので、不動産投資をこれからスタートする方は、毎月安定した家賃収入が得られる確かな物件を選ぶことが主な仕事になります。

株式投資やFXと違い安定しているから

実物資産で行う不動産投資は、大きな値動きがある株式やFXとは異なる安定性を持つのが特徴です。
株式投資は、企業活動に対して出資し株式を受け取るものです。そのため、企業の事業内容や実績によって株価が上下し、経済市場の影響を受けやすくなります。
FXは、2カ国の通貨を使って差益を得る投資手法で、利益を得るためにはある程度の資金力が必要です。レバレッジ取引を使うことで手持ち金以上の取引も可能ですが、同時にリスクも大きくなるのでお勧めしません。
一方で、不動産投資は長期間保有しても資産価値が0になることは考えづらく、不動産会社へ管理を委託することで購入後は「ほったらかし投資」を実現できます。

  • 退去、原状回復の確認
  • 入居者の契約確認
  • 修繕に関する確認

これらのやりとりで連絡はありますが、指示を出せば全て管理会社が動いてくれます。
基本的には毎月の収支確認だけで、本業と時間調整することなく安定した運用ができます。値動きのこまめな監視が必要な株式やFXは、限られた時間で投資に取り組むサラリーマンには不向きな手法です。

生命保険の代わりになるから

不動産投資は一般的にローンを使って物件購入をするため、団体信用生命保険への加入が「生命保険代わりになる」という良さも持っています。死亡時や高度障害の他、特定疾患になったときにローン返済が免除される特約も付帯されています。日本人の死亡要因1位とされる「がん団信」の用意もあり、がんと診断されたときにはローン残債の返済を免除してもらえる点は大きなメリットです。
また、団体信用生命保険に加入することで、契約者が被相続人となり投資物件が相続財産となっても、相続人に残債の返済負担はありません。相続人が賃貸経営を望まなければ、物件を売却するという選択でまとまったお金として遺すこともできます。

老後の年金の代わりになる可能性があるから

不動産投資では、定期的な家賃収入が期待できることから老後の年金代わりになると考えられています。「老後2,000万円問題」が話題になり、年金だけでは老後の生活費が不足すると言われています。
老後にどんな生活をしたいのか、によっても必要な老後資金は異なりますが、中には趣味や旅行で老後を有意義な時間にしたいと考えている人も多いでしょう。
今後、高齢化が進み若い世代の人口減少が進行することで、年金受給額の減少が深刻な課題となります。生活費の不足分を何で補うかを考えたとき、年金以外の収入源として家賃収入の存在は大きいでしょう。老後で身体が衰えても、さほど手間をかけることなく安定した不労所得を得られます。

インフレに強いから

インフレが発生した場合、金融資産よりも実物資産を保有する方が「対策になる」と言われています。インフレは、一般的に物価水準が上昇し、通貨の価値が低下した状況です。実物資産は物そのものに価値があるため、このような状況下でも現金より資産価値の下落リスクが少なく済みます。
また、不動産はインフレで物件自体の価格が下がりにくいだけでなく、消費者物価指数の上昇に伴って、家賃も上がりやすいという特徴を持っています。そのため、インフレ対策として非常に効果的なのです。インフレが一時的に発生しても、不動産の価値は比較的安定しているため、長期的な収益を追求できます。

副業が禁止されている会社でも不動産投資は始められるのか?

一部の会社では、規則として副業を禁止する企業も少なくありません。結論から伝えると、副業が禁止の会社であっても、不動産投資は問題ないとされるケースがほとんどです。

ひと言に不動産投資を行っていると言っても、さまざまな背景があります。例えば、不動産投資を禁止してしまうと、親から受け継いだ物件で賃貸経営を継続することが難しくなります。相続などの問題でやむを得ずに不動産投資をしているケースもあるため、企業が一概に禁止するのは難しいでしょう。

また、不動産投資は本業に支障が出にくいのも理由の一つです。日本の企業が副業を禁止している理由の多くに、「本業への支障を懸念していること」が挙げられます。不動産投資は多くの時間を割くことなく取り組めるので、本業に支障が出にくい副業です。
ただし、企業によっては、就業規則に抵触してしまう可能性も考えられるので、事前に確認をとっておくことが重要です。

 

サラリーマンが不動産投資を始めて成功した事例

一般的に不動産投資における成功の判断基準は、「家賃収入」と「売却益」をトータルで見て、購入コストを上回っているかどうかがポイントです。しかし、不動産投資では人それぞれに求めるものが違いますので、個人が達成したい目標をクリアできれば、それは成功であると言えます。

  • 老後生活の不安を解決するために毎月の収入源が欲しい
  • 自分に万が一のことがあった時に備え、家族の選択肢を広げたい

以下では、このような願望を叶えることに成功した投資家の事例を紹介しましょう。

ケース①

大手企業に勤める30代のAさんは、築10年の中古ワンルームを購入しました。老後の年金問題に不安を抱き、不労所得を増やしたいと思ったのがきっかけです。子育て中だったので目先の出費の心配もあり、できるだけキャッシュを残せるように初期費用を抑えて運用ができる物件にしたと言います。

長期的に利益を出し続けるためにも、将来のエリアにおける人口の増減を調べたうえで、駅から徒歩5分以内という利便性が高い物件を購入しました。もともと土地勘がある場所を選択したため、治安の良さなどや主要部へのアクセスの良好さも把握していたようです。
購入から3年経過し、1度退去が発生したもののすぐに次の入居者が決まり、安定的した収入を得られています。物件選びで妥協せず立地をこだわったことで、安定して入居者が入り続けています。現在、毎月の家賃収入は少額ですが、ローン返済後は家賃がそのまま入るので、老後年金問題への心配が軽減されました。

ケース②

会社員のBさんは、都心部へ直通できる人気駅から徒歩20分ほどにあるエリアで、相場よりも安く物件を手に入れました。周辺の物件は都内でも需要が高く、ある程度の築年数が経過している物件でも値下がりしにくい特徴があります。
根気強く売主に交渉を続けたこと、そして近年の不動産価格の高騰が後押しして、今では売却益が出せる程になっているそうです。自分に「もしも」のことがあった場合は、賃貸経営で家賃収入を得ることもできますし、売却して現金化もできます。さらに、Bさんは持ち家を保有しているので、家族はマイホームの方を売却して投資物件に居住する方法もあります。
残される家族は柔軟な選択をとることができ、Bさんの精神的な安心感に繋がりました。

サラリーマンが不動産投資を始めて失敗した事例

サラリーマンが将来を見据えて不動産投資を始めたものの、中には事前の計画通りにいかず失敗してしまったという事例も少なくありません。不動産投資では、長期的な視野で収益化できるかどうかを見極めることが大切です。

  • 築年数の古い物件で修繕費用が思いのほか高かった
  • 空室を埋めたいがために家賃下落せざるを得なかった

この章では、このような失敗をしてしまった事例を2つ紹介しましょう。

ケース①

利回りの高い築20年以上の物件を選び、予想外の莫大な出費が課されたCさんのようなケースもあります。不動産投資は、長期的に収益を出しながら運用することが必要です。Cさんが運用を始めたばかりの時には、さほど修繕費は発生しなかったということですが、次第に経年劣化による修繕費の出費に頭を悩ませるようになったと言います。
入居者の入れ替わり時にオーナー負担で補修費用を支払うばかりではなく、雨漏りや配管の老朽化など入居中の突発的な設備故障で大きな出費が続くことがあります。結果的にキャッシュフローがマイナスになってしまい、貯蓄の切り崩しで現金が大きく減ってしまったようです。中古の投資物件は、基本的に物件の中を確認せずに取引を行うため、このような修繕リスクに見舞われてしまうケースが多くあります。

ケース②

築年数の経過とともに空室が目立つようになってしまい、「家賃下落リスク」を目の当たりにしたDさんのケースを紹介しましょう。不動産投資は、入居者がいるときは安定的な収入を得られますが、退去後に次の契約者がなかなか決まらないケースもよくあります。
一般的な家賃の下落率は年間約1%ですが、一定期間募集をしても見つからない場合、これよりさらに家賃を下げて入居者を募集しなくてはならないケースもあります。以下の表は、Dさんが所有する家賃8万円で貸し出している物件で、家賃下落率が1%と1.5%の場合を比較した収入差です。
 

  1年目 2年目 3年目
家賃下落率1% 79,200円 78,400円 77,600円
家賃下落率1.5% 78,800円 77,600円 76,400円
毎月の収入差 400円 800円 1,200円
年間の収入差 4,800円 9,600円 14,400円

1年間の家賃下落率はわずか0.5%の差でも、年数が経つにつれて収入差はどんどん開いていきます。また、一度下げてしまった家賃はなかなか元に戻せませんので、慎重にならなくてはいけません。

サラリーマンはもはや安定的な職種でないので、本業とは別の収入を得る仕組みを作るべき

かつての日本では、会社員は比較的安定した人生を送れると考えられていましたが、「サラリーマンは安定した職種」という神話は、年金問題・インフレ・増税・給与の横ばいなどによって崩壊しつつあります。

給与体系の良い企業に属したとしても、給与の伸び率がインフレ率を追い越すことができなければ、将来に向かって給与が少しずつ下がるのと同じことです。

どれだけ頑張って老後資金を貯めても、セカンドライフが始まった時点で物価が今の倍以上になっていれば、年金と預貯金だけでは足りません。

また、出世によって年収が上がっても、今度は社会保障の増税枠・所得税と住民税の高額枠にひっかかり、稼ぎのほとんどは税金に持っていかれるため、想像していたような豊かな暮らしはできないことになります。

これからのサラリーマンは、企業で出世して高給取りを目指すことよりも、自分の時間を確保し、自分のために人生の対策をしていくことで、理想とする人生に近づきやすくなります。
具体的な対策を二つ紹介します。

副業

働きながら自分のための時間を確保することで、副業ができるようになります。副業の内容は「給与以外で入ってくる収入」であれば、自由に選べるため、自分の好きなことを仕事にすることもできます。具体的な副業としては以下のようなものがあります。

得意分野の講師・コーチ

資格や職業分野での専門がある方は、その分野での講師やコンサルティングを副業にできます。個人のコンサルティングから、企業コンサルまで幅広い範囲で仕事ができます。顔と名前を知ってもらうまでに時間がかかりますが、一つひとつの仕事を誠実に積み上げていくことにより、将来は専門分野での独立も可能です。

このような副業・独立をすることも視野に入れて、職場でのスキルアップも兼ね、今から資格を取得するのもよいでしょう。

SNS・動画配信による広告収入

Youtube、InstagramなどのSNSを利用した、ネット広告収入が入ります。常に多くの方が参加していますが、ヒットすれば何十万回も繰り返し再生され、比較的、長期間の副収入も期待できます。内容は前項のような得意分野があれば、それを配信するという方法もあります。また、ニュースの時事ネタや自分の趣味の分野のことをコツコツと配信して行く中で、内容の面白いものがあれば多くの人が視聴してくれます。

ヒット作をいくつか作ることができれば、そのノウハウを教材として販売することも可能です。

宿直バイト

警備の仕事の一つですが、夜間の宿直は、人のいないビル・学校の見回り警備や、葬儀場・結婚式場・ホテル・旅館のフロント業務などがあります。基本的に仕事中には建物に利用者がいないため、時給の割には精神的にも肉体的にも楽だと感じる人もいるようです。防犯のため2人以上でシフトが組まれて交代で仮眠がとれることが多いため、サラリーマンの本業にも影響が及びにくく、継続しやすい副業といえます。

テストの採点

小学生~大学受験生までが受けたテストや模擬試験の答案を、マニュアルに従いながら添削・採点をするアルバイトです。紙の答案用紙と電子答案用紙があり、基本的に在宅でできる仕事なので、提出締切日さえ守れば、好きな時間に働けます。アルバイトサイトなどで登録をしてスタートし、数がこなせるようになったら、ご自身でアルバイトを雇い、大手学習塾などと直接契約をすることも可能です。

運転代行

飲酒運転が法律で禁止されてから、飲み会などの帰りに運転代行を頼むのが当たり前になりました。特に木曜・金曜の夜は、エリアによっては運転代行が確保できないほどの需要があります。ピークは20時~2時なので、終業後に3時間くらいの仮眠を取れば、サラリーマンでも副業にできます。

料金体系は会社によってバラバラですが、基本的に、タクシーと同様に初乗り料金と距離に応じた加算料金があります。多くの方は代行会社のドライバーとして業務委託またはアルバイト登録をして副業をスタートします。

運転代行業はビジネスモデルがシンプルなわりに稼ぎの良い仕事なため、慣れてきたらご自身で起業をして業務委託をして会社経営をすることもできます。その場合は、警察署への登録が必要になります。

宅配代行業

昔からある車の送迎代行以外にも、今はUber Eatsなどをはじめとした買い物や配送の代行があります。一回の作業による収入はそう多くはありませんが、数をこなすことでまとまった月収になります。

登録した企業によっては、顧客からのチップ制度があるため、小刻みに時給・分給を上げていくことも可能です。配送手段は車・バイク・自転車などから選べますが、多くの方はメンテナンス費用がかからない自転車を選びます。アプリを使って自分でシフトを組めるため、「今日、できるな」と思った日はすぐに仕事ができ、「今日は休みたいな」と思えば即休みにできる自由さも人気の秘密です。

また、自転車で移動するため、フィットネスジムに通っているつもりで配送代行をしている方も多く、健康・ダイエット+収入という、自分にとってプラスになること・好きなことで収入を得るという気楽さもあります。

ポイント・アンケートサイト

ポイ活と呼ばれる、ポイントサイトやアンケートサイトに登録をして、企業の提案するアンケートなどに回答をすることで、ポイントを貯めるものです。ほとんどのポイントサイトやアンケートサイトはアプリがあるので、暇な時間にスマホで副業ができます。一回の作業で得られるポイントは少ないのですが、無数にアンケートや参加できるポイント活動があります。

また、サイト作成などができる方は、このようなサイトをご自身で運営することもできます。

アルバイトをする

平日夜や、土日祝などにアルバイトをする副業で、最近ではWワークとも呼ばれています。現在、多くの企業では副業に対して寛容になっているので、就業規則などで禁止されているのでなければ、アルバイトやパートをしても問題はありません。

普通に応募をして働く、知人友人・実家の仕事を手伝うなども含まれます。また、前日や当日に出来るアルバイト情報が掲載されたアプリもあるので、登録をしておけばすぐに働くことができます。

不用品の売却

多くの家には、まだ使えるのに使っていない商品や、着なくなった服、履かなくなった靴などがあります。このような不用品を、ネットオークション(ヤフオク!・メルカリなど)で販売すると、リサイクルショップに買い取ってもらうよりも高値で売れることがあります。

不用品の整理と収入が同時にできますし、ネットオークション手数料は成功報酬制なので、出品するだけなら無料でできます。もともと不用品なので、いつ売れても問題なく、サラリーマンをしながらでも気楽にできます。自宅だけではなく、実家にある不用品も取り扱えば、かなりの品数を出品できるかもしれません。

転売ビジネス

転売とは、自分で商品を購入し、それを他人に高く売ることで、差額分の利益を得るビジネスです。せどりともいいます。取扱い商品は何でもよく、日用品・カードゲーム・ゲームソフト・洋服・家電まで幅広くあります。

高値で売れる商品や、これから流行るものを見抜く力に自信があれば、まとまった金額を稼ぐことも可能です。凝った商品ではなくても、エリアごとに品薄になる商品を調べておくと、日用生活品でも面白いように売れることがあります。

ただし、ある程度の流行りがあるので、購入量やタイミングを間違えると不良在庫を抱えることになります。

副業は、あくまで自分軸・自分サイズで考えるものなので、自分が希望する副収入が入れば、それでよいことになります。そのため、数万円のスモールビジネスから、青天井のビッグビジネスまで、ポテンシャルも無限大です。ただし、あくまで自分が主体で行う必要があるため、限られた時間で行うビジネスとなり、結果が出るまでには、かなりの労力が必要となります。

資産運用

資産運用とは、ご自身の預貯金などを投資に回して効率良く運用することで、資産を増やしていく方法です。資産運用も副業の一つなのですが、ご自身があまり動かないでもよいという点が一般的な副業とは違います。

資産運用の方法には、以下のようなものがあります。

株式投資

企業への投資です。株価の値動きに合わせて売買することにより、短期で結果を出せる可能性があります。投資先の選定も運用も自分で行います。

投資信託

株式投資とは違い、投資先のセレクトと運用をプロのマネージャーがするため、投資初心者でも始めやすいパッケージ化された金融商品です。ただし、基本的に運用期間が中長期のものが多いため、短期間で収益を出すのには不向きです。

NISA・iDeCo

国民の資産形成を支援するために政府が推奨している制度です。掛金は全額控除、利益は非課税であるため、公的年金と同様に、将来のための備えをしながら、節税にもなります。

投資内容を自由に選び、自分用のポートフォリオを作りながら資産運用ができます。ただし、iDeCoに関しては、年金をもらえる年齢になるまでは、投資金額を引き出すことができません。

非常に多くの方が参加しており、安心感のある資産運用方法といえます。ただし、自己資金で継続して行う必要があるため、病気や怪我で給与を得られなくなると、その期間は運用もストップする必要があります。

不動産投資

ご所有の預貯金を人に貸すための不動産に投資し、不動産経営をすることで家賃収入を得ながら、不動産という実物も資産にしていく投資方法です。物件購入の際はローンを組みますが、その返済原資は入居者からの家賃なので、ご自身がローン返済をする必要がありません。管理は専門会社に委託できるので、文字通りのほったらかしでも、毎月確実に家賃収入が入り、着々とローン完済へ向かって進んでいけます。

ローン完済後は、経費以外の全額が収入となりますので、将来のインフレ経済に備える、セカンドライフの年金サポートにするなど、使い道も必要なものに応じて自由に設計できます。

また、不動産は実物のある「モノ」であるため、インフレに強いという特徴があります。インフレが起きれば物件価値も上がりますので、タイミング良く売却すれば、大きな売却益を得ることも可能です。

どの資産運用であっても副業と比べると投資をする本人がバタバタと動き回る必要がないことがわかります。株式投資・FX・投資信託・NISA・iDeCoは、自分の代わりにお金に働いてもらう方法です。不動産投資は、ご自分の預貯金を不動産に投資することによって、不動産物件に働いてもらう方法です。

どちらも、最初の時点での商品選び・物件選びさえ間違えなければ、後は、ほったかしにしておいても、着々と資産が増えていくタイプの投資なので、激務のサラリーマンであっても、時間や体力を気にせずに投資を続けることができます。

まとめ

サラリーマンが不動産投資を検討する際に、気になることをまとめました。昔の日本とは違い、サラリーマンという職業は、安定した将来が約束された職業ではなくなりつつあります。

しかし、サラリーマンである限りは、安定的に給与が入るという強みがあり、金融機関からも高い評価を得ています。このメリットを最大限に活かせる不動産投資は、サラリーマンの副業として非常に適しているといえます。

将来の不安を解消する方法として、給与収入だけにとらわれてしまうと、年収を上げるために頑張るか、年収を上げるために転職をするなど、ストレスの多い人生を選択することになります。

しかし、現状のライフスタイルはそのままで、給与以外に収入源を確保する方法として副業や資産運用をするのであれば、もっと楽に今と未来を変えていくことができます。

ベルテックスでは不動産にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.10

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資を始めるサラリーマンが増えている5大要因とは

  • 日本の現状
  • 節税・税金
  • 不動産投資
  • 会社員

最近、給与以外の収入を得る方法として、不動産投資をスタートするサラリーマンが増えています。現在、サラリーマンとして安定した収入を得ていても、これからの先の働き方の変化、セミリタイアの可能性、退職後も続く「人生100年時代」などを考えると、将来への不安を感じることもあるでしょう。

将来への不安を解消する具体的な方法として、副業を始める人も増えてきました。不動産投資も副業の一つですが、実際に不動産投資を始めた人が、数ある副業の中からなぜ不動産投資を選んだのか気になりますよね。

この記事では、不動産投資を検討しているサラリーマンに向けて、サラリーマンが不動産投資を副業として選ぶ理由や、副業として向いている理由などを、解説します。

不動産投資をするサラリーマンが増えている

まずは、サラリーマンが不動産投資をスタートさせる大きなきっかけとなる、5つの要因について説明します。

学校を卒業して会社勤めを始めた場合、定年退職をしてセカンドライフをスタートさせるまでには、約40年ほどの期間があります。40年もあれば、国も環境も大きく変わっていくので、将来、お金が必要な時に、必要なだけのお金が手元になくなっている可能性もあります。

このような将来の経済的な不安を少しでも解消し、生活や人生の安定化を図るために、サラリーマンとは別の、新しい収入源として、不動産投資を検討し始める方が増えています。

不動産投資を選ぶサラリーマンが、転職をするのではなく、副業として始める理由としては、主に以下の5つがあります。

  • インフレで物価が上がっている
  • 年金不安
  • 終身雇用制度の崩壊
  • 社会保険料負担増
  • 給与は横ばい

それぞれの理由について説明します。

インフレで物価が上がっている

日本を含めた世界経済では、少しずつインフレが進んでいます。インフレは一般的には少しずつ進むものなので、インフレには、すぐには気付かれにくいという傾向があります。インフレ状態を計る指標には、消費者物価指数があります。

以下のグラフはIMFが半年ごとに発表する、世界経済見通しデータベースをもとに、過去から未来までの日本の平均消費者物価指数をまとめたものです。 (IMF「世界経済金融調査 世界経済見通しデータベース」より弊社作成)

青色のラインが実質的物価指数、オレンジ色のラインは物価のトレンドラインです。1980年から2023年まで、少しずつゆっくりと物価が上昇しているのがわかります。4年後の2027年に向かっても、過去から現在までと同じように、緩やかな上昇が続いているため、今後も少しずつ物価が上昇していく「インフレ」の動きは変わらないことがわかります。

インフレとはモノの値段が上がることですが、サラリーマンの給与がそれに合わせて少しずつ上昇するなら、今までと同じ暮らしを続けられるので、それほど大きな問題にはなりません。しかし、長い期間、日本人の平均給与は横這いのままなので、収入が増えないのにモノの値段が上がり続けるという状態にあります。

年金不安

2019年に金融庁の金融審議会ワーキング・グループが発表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書の中で、夫65歳・妻60歳の高齢夫婦無職世帯が、今後20~30年のシニアライフを送るためには、約2,000万円の老後資金が不足しているという試算がありました。

この報告内容はネットニュースでも「老後2,000万円問題」として大きく取り上げられたので、記憶に残っている方も多いかと思います。この報告書の数値は、あながち間違いでもなく、実際に公的年金だけに頼った老後設計をしていると、老後資金は赤字になる可能性が高くなります。

報告書によれば、高齢夫婦無職世帯の平均実収入=年金受取額は1カ月21万円程であり、ある程度のゆとりがある暮らしをした時の支出は約26万円です。つまり、毎月マイナス5万円、年間で60万円のマイナスとなります。これが95歳まで生きて30年間続けば、2,000万円近い金額の赤字になります。

これらのシミュレーションは、あくまで現状からみた平均的な生活費から算出したものなので、全ての人に当てはまるものではありません。しかし、年間にこれだけの赤字になる前提で、ご自身が受け取れる公的年金の受給額をもとに試算をすると、「大丈夫」と言い切れる人はほとんどいないのではないでしょうか。

公的年金をもらう年齢になると、働くことを望んでいても、給与をもらえる職に就ける可能性は低くなります。再就職ができても、以前よりもかなり減額される可能性があります。

年金は長い期間かけて作り上げるタイプの老後資金ですが、それは将来を想定した時に「この金額で足りる」ことを前提とした計算の上に成り立っています。前項のインフレ問題などを含め、公的年金だけでは、準備できる金額には限界があるため、多くの方は将来の年金額に不安を抱いています。

終身雇用制度の崩壊

かつては多くの日本企業が、日本型雇用と呼ばれる終身雇用制度・年功序列という「長く勤めるほど、生活が安定して老後に対する不安が消える」タイプの雇用制度を採用していました。

終身雇用なので大きな問題を起こさない限りクビになることもなく、年功序列なので長く勤めればその分着実に給料が上がりました。

長く務めることが前提なので、入社から退職までの全期間、公的年金を確実に積み上げることができました。そのため、ほとんどのサラリーマンは、退職時には満額の公的年金と、多額の退職金を手に、悠々としたシニアライフを送れる条件を揃えることができました。

このような働き方をするためには、企業や経済が成長し続ける必要がありますが、バブル経済崩壊後から経済的な低迷期と成熟期を同時に迎えている日本には、過去の働き方を支え続けるだけの体力がなくなっています。

現在、日本政府は「働き方改革」の推進と同時に、NISAやiDeCoなどの老後のための資金形成をサポートする仕組みを国民に提案しながら、「自分の老後は、自分でなんとかする」という自立した社会を目指しています。

また、かつての企業のような長期間の雇用を保証する終身雇用制度や、長く勤めたら確実に給与に反映させる年功序列制度から、能力のある者がより多く稼げる制度へと変わろうとしています。

このことから、かつてサラリーマンが持っていた、所属会社に対する忠誠心のようなものは薄れ、各自が、自分の将来を守るために今からできることをしようという風潮に変わりつつあります。

社会保険料負担増

年収の高いサラリーマンの中には、医師や士業などの方と同様に、資産運用と節税目的で不動産投資をスタートする人が増えています。医師や士業の方は高年収の方が多いため、比較的早くから上手に節税を始めています。
しかし、サラリーマンは、給与と税金を勤め先が管理をしているため、高額所得者になればなるほど稼いだ分から給与天引きで差し引かれる金額が増えていきます。

最近、SNSで話題になったのが、社会保険料負担の増額です。内容は「税負担が厳しい!」というものでしたが、多くのリツイートやリプライを得ていることから、保険料値上げに対する不満を感じている人が多いことがわかります。

以下のグラフは、健康保険組合連合会「健保組合決算見込集計結果報告」が公開した2008~2020年の社会保険料の平均支払額負担の推移です。

オレンジ色で示したトレンドラインが、ずっと右肩上がりに推移していることから、平均的なサラリーマンの社会保険料支払額は、過去から現在まで上昇し続けていることがわかります。

医療費負担が増えるのは、日本が高齢化社会に向かって、猛烈なスピードで突き進んでいることが主な理由です。社会保険料は社会保障費の一つなので、国民全員で支えあうことが前提です。政府は過去にも、医療費の捻出が苦しくなると、社会保障費の引き上げをしながら対応をしています。

社会保険料の引き上げ方法として、月額報酬(給与)の等級別に負担額を増やす方法があります。等級に分けてあるので、任意の等級枠に対して保険料を増やすことができます。2020年9月(令和2年)には、高額報酬者の枠が新設され、超高額所得層の負担を増やすように改定されたため、収入が多い人ほど社会保険料が高くなりました。

日本の税制は、基本的に「持っている人・取れる人から取る」という傾向があり、今回も高額年収のサラリーマンが狙い撃ちされたことになります。

社会保障費はどれも、社会人として健全に生きていくためには必要な負担ですが、医師や士業などの同じ高額所得者と比較した場合、ご自分で操作できる節税方法がほとんどない点が、サラリーマンであることのネックとなります。

このような観点から、高収入のサラリーマンほど、節税目的で不動産投資を真剣に検討する価値があるといえるでしょう。

【参照元】日本年金機構「 厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定」より

給与は横ばい

物価が上がっても、給与が増えているのであれば、実質的な変化はありません。100円のモノが200円になっていても、給与も倍近くまで上がるのであれば、国民の生活状態は変わりません。

問題は、物価が上昇しているのに給与が横ばいのケースです。以下のグラフは、バブル崩壊直後である1993~2023年度までの過去30年間の平均給与推移です。青ラインが平均給与、オレンジのラインがトレンドラインです。( 国税庁「民間給与実態統計調査結果」より)

給与額を示す青色のラインはほぼ横ばい、オレンジ色のトレンドラインに関しては緩やかな右肩下がりとなっています。つまり、過去30年、日本人の給与はまったく上がっていないか、人によっては下がっていることがわかります。

あくまで平均給与なので、業界によって右肩上がりのところもありますが、日本全体で見た場合には、ほとんどのサラリーマンの給与は「増えていない」ことがわかります。

給与が増えないのに、インフレによる物価上昇が重なることにより、手取りのほとんどは生活費に消え、将来のための貯金もままならないという生活実態が見えてきます。

30年という時間は、大卒22歳で入社した方が52歳となり、企業によっては早めのリタイアなどもある年齢となります。今後も企業の給与体系が大きく変わらないのであれば、定年後だけではなく、今からの人生をより良く生きるための方法として、他に収入が入ってくるようにしておく必要があると考えるのは、自然なことといえるでしょう。

そのような流れから、サラリーマンとして給与をもらいながら新しい収入源を確保する方法として、不動産投資に注目するサラリーマンが増えています。

サラリーマンが不動産投資を始めるべき理由

サラリーマンが数ある副業の中から不動産投資を選ぶのには理由があります。主な理由は以下の4つです。

  • 会社員としての給与があり融資が引きやすい
  • 物件によっては節税になる
  • 管理など安価なコストで依頼する仕組みが整っている
  • 株式投資やFXと違い安定している

それぞれの理由について説明します。

融資が受けやすいから

会社経営・自営業など、年収ベースでは同じくらいの稼ぎをしている方でも、不動産投資をスタートするとなった場合は、サラリーマンの方が圧倒的に有利になります。それは、サラリーマンには、高い社会的信用力があるからです。

不動産投資を始める時には、物件購入をする必要がありますが、多くの方はアパートローンを組むことになります。金融機関は、一般的に自営業者や会社経営者よりもサラリーマンに非常に高い信頼を置いています。

銀行が利益を生むためには、貸したお金の返済を滞りなく続けてもらう必要があります。サラリーマンは会社が存続する限り、必ず毎月の給与が支払われるため、金融機関から見ると、安定的に資金回収をしやすい優良な融資申込者となります。

もちろん、融資の申込時にはさまざまな審査項目がありますが、個人の経歴よりも、所属会社の業績や勤務年数などの、企業の給与支払い能力が、そのまま申込者本人の信用力になるケースが多いです。

そのため、不動産投資のために準備できる自己資金が少なくても、初めての不動産投資であっても、会社員として問題がなければ、融資を受けることができるため、サラリーマンは不動産投資をスタートしやすい職業といえます。

物件によっては節税になる

不動産投資で節税ができます。ここでは、不動産投資をはじめたら、どなたにでも関係のある所得税と住民税に関わる節税について説明します。

不動産投資におけるサラリーマンの節税とは、端的に言えば、減価償却で作った会計上の赤字を損益通算することにより所得を圧縮することです。損益通算とは、赤字の所得を他の所得の黒字と相殺する計算方法です。

減価償却とは、価格が大きくて何年も使い続けることができる物は、購入金額を一度に計上するのではなく、 法的に決められた年数に分けて少しずつ経費に計上するという税務上の考え方です。

つまり、サラリーマンをしながら不動産投資をすると、会社からの給与収入(黒字)に不動産投資で出た会計上の(赤字)をぶつけて、年間収入を少なくし、所得税と住民税の税率や金額を少なくすることが可能です。ケースによっては、会社で源泉徴収された金額が戻ってくることもあります。

不動産経営では、経営のために必要な費用は全て経費にできるので、たくさん経費を計上すると不動産収入が減り、課税対象額が減って節税にはなります。しかし、経費がたくさんかかるということは、実際にお金も出ていってしまっているため、節税はできても、不動産投資による手取り額が増えないことがあります。

しかし減価償却費であれば、経理上で費用として計上していますが、実際の物件購入代金はすでに支払っているので、実際にはお金が出ていきません。つまり、不動産収入の利益を経理上で減らすことができるのに、手元のお金が出ていかない節税方法です。

この減価償却費による節税方法は、物件を購入したときにできることが決まってしまうため、不動産投資で節税を視野に入れている場合には、物件選びが非常に大切です。

不動産投資の対象となる物件には、大きくわけて以下の4種があります。

  • A:区分マンション(新築)
  • B:区分マンション(中古)
  • C:木造アパート
  • D:マンション一棟

上記4物件の中で、減価償却費が大きく取れて節税効果が高いのは、太字で示したBの中古区分マンション、またはCの木造アパートです。

マンションの法定耐用年数は、鉄筋コンクリート造で47年です。シンプルな言い方をすれば、減価償却費は、購入金額を、物件が法的に価値があるとされる期間で割った金額になるので、残りの期間が短い物件ほど、減価償却費は大きく取れることになります。

そのため、比較しているのが同じ間取り・同じつくりのマンション物件であれば、Aの新築よりもBの中古の方が、節税はしやすくなります。

Cの木造アパートは、区分マンションに比べて大きな買い物になりますが、木造は法定耐用年数が22年とマンションよりも大幅に短くなるため、候補物件が同じ価格・同じ築年数だった場合、木造の方が大きく減価償却費をとることができます。

どの物件を選ぶのかは、実際にたくさんの物件資料を比較しながら、ご自身でシミュレーションをして決めていくことになります。

不動産投資をスタートさせる目的の中に節税が含まれている場合は、購入物件によって節税できる金額に大きな違いが出るので、信頼と実績のある不動産投資セミナーに参加して、勉強するとよいでしょう。

管理など安価なコストで依頼する仕組みが整っている

不動産投資は、入居者募集・家賃回収・クレーム対応・物件維持管理など、やることがたくさんあります。しかし、これらの仕事は物件オーナーがする必要はなく、不動産管理会社に一任できます。

つまり、不動産投資をスタートし、物件を購入するところまでがオーナーの主な仕事であり、その後は、ほったらかしでも大丈夫です。このように、不動産投資は、サラリーマンやOLの方が、副業として気軽にスタートできる条件が整っている副業なのです。

不動産管理には、賃貸管理と建物管理の二つがあります。

賃貸管理会社

賃貸管理は、オーナーからの委託によって、専有部分(区分・部屋)の管理をします。主な仕事は、入居者募集・家賃管理・クレーム対応・トラブル処理・修繕補修対応です。

ただし、賃貸管理会社は家賃保証をしてくれるわけではないので、家賃滞納や督促などの部分も含め、家賃収入を確実に確保したいのであれば、家賃保証システム、またはサブリース契約のある管理会社と契約してください。

家賃保証とは、滞納が起きた場合に家賃保証会社が賃料を肩代りしてオーナーに代理支払いをし、入居者に督促と回収をするシステムです。

サブリースとは、会社が物件を借り上げ、それを入居者に賃貸をするシステムです。サブリース契約を締結すると、空室が発生しても、最初に決めた月額賃料をサブリース会社が保証してくれます。

建物管理

建物管理会社は、エントランス・廊下・エレベーター・屋上・自転車置き場などの、入居者の共用部分の管理・点検・清掃などをします。また、管理費や修繕積立金の出納管理や、共用部分の電気水道支払いなどを含めた会計業務を行うこともあります。

建物管理会社は、物件オーナーが個別に契約するのではなく、マンション管理組合からの委託となります。不動産投資をスタートさせると、マンション管理組合に加入することになります。賃貸物件のみの建物の場合は、マンション管理組合=物件オーナー全員が所属する組織となります。

賃貸管理と建物管理は、1つの会社が2部門で経営しているケースと、個別の専門性を持って経営をしているケースがあります。不動産投資業界には、適切な管理を安価に行ってくれる仕組みがあるので、不動産投資をこれからスタートする方は、毎月安定した家賃収入が得られる確かな物件を選ぶことが主な仕事になります。

株式投資やFXと違い安定しているから

実物資産で行う不動産投資は、大きな値動きがある株式やFXとは異なる安定性を持つのが特徴です。
株式投資は、企業活動に対して出資し株式を受け取るものです。そのため、企業の事業内容や実績によって株価が上下し、経済市場の影響を受けやすくなります。
FXは、2カ国の通貨を使って差益を得る投資手法で、利益を得るためにはある程度の資金力が必要です。レバレッジ取引を使うことで手持ち金以上の取引も可能ですが、同時にリスクも大きくなるのでお勧めしません。
一方で、不動産投資は長期間保有しても資産価値が0になることは考えづらく、不動産会社へ管理を委託することで購入後は「ほったらかし投資」を実現できます。

  • 退去、原状回復の確認
  • 入居者の契約確認
  • 修繕に関する確認

これらのやりとりで連絡はありますが、指示を出せば全て管理会社が動いてくれます。
基本的には毎月の収支確認だけで、本業と時間調整することなく安定した運用ができます。値動きのこまめな監視が必要な株式やFXは、限られた時間で投資に取り組むサラリーマンには不向きな手法です。

生命保険の代わりになるから

不動産投資は一般的にローンを使って物件購入をするため、団体信用生命保険への加入が「生命保険代わりになる」という良さも持っています。死亡時や高度障害の他、特定疾患になったときにローン返済が免除される特約も付帯されています。日本人の死亡要因1位とされる「がん団信」の用意もあり、がんと診断されたときにはローン残債の返済を免除してもらえる点は大きなメリットです。
また、団体信用生命保険に加入することで、契約者が被相続人となり投資物件が相続財産となっても、相続人に残債の返済負担はありません。相続人が賃貸経営を望まなければ、物件を売却するという選択でまとまったお金として遺すこともできます。

老後の年金の代わりになる可能性があるから

不動産投資では、定期的な家賃収入が期待できることから老後の年金代わりになると考えられています。「老後2,000万円問題」が話題になり、年金だけでは老後の生活費が不足すると言われています。
老後にどんな生活をしたいのか、によっても必要な老後資金は異なりますが、中には趣味や旅行で老後を有意義な時間にしたいと考えている人も多いでしょう。
今後、高齢化が進み若い世代の人口減少が進行することで、年金受給額の減少が深刻な課題となります。生活費の不足分を何で補うかを考えたとき、年金以外の収入源として家賃収入の存在は大きいでしょう。老後で身体が衰えても、さほど手間をかけることなく安定した不労所得を得られます。

インフレに強いから

インフレが発生した場合、金融資産よりも実物資産を保有する方が「対策になる」と言われています。インフレは、一般的に物価水準が上昇し、通貨の価値が低下した状況です。実物資産は物そのものに価値があるため、このような状況下でも現金より資産価値の下落リスクが少なく済みます。
また、不動産はインフレで物件自体の価格が下がりにくいだけでなく、消費者物価指数の上昇に伴って、家賃も上がりやすいという特徴を持っています。そのため、インフレ対策として非常に効果的なのです。インフレが一時的に発生しても、不動産の価値は比較的安定しているため、長期的な収益を追求できます。

副業が禁止されている会社でも不動産投資は始められるのか?

一部の会社では、規則として副業を禁止する企業も少なくありません。結論から伝えると、副業が禁止の会社であっても、不動産投資は問題ないとされるケースがほとんどです。

ひと言に不動産投資を行っていると言っても、さまざまな背景があります。例えば、不動産投資を禁止してしまうと、親から受け継いだ物件で賃貸経営を継続することが難しくなります。相続などの問題でやむを得ずに不動産投資をしているケースもあるため、企業が一概に禁止するのは難しいでしょう。

また、不動産投資は本業に支障が出にくいのも理由の一つです。日本の企業が副業を禁止している理由の多くに、「本業への支障を懸念していること」が挙げられます。不動産投資は多くの時間を割くことなく取り組めるので、本業に支障が出にくい副業です。
ただし、企業によっては、就業規則に抵触してしまう可能性も考えられるので、事前に確認をとっておくことが重要です。

 

サラリーマンが不動産投資を始めて成功した事例

一般的に不動産投資における成功の判断基準は、「家賃収入」と「売却益」をトータルで見て、購入コストを上回っているかどうかがポイントです。しかし、不動産投資では人それぞれに求めるものが違いますので、個人が達成したい目標をクリアできれば、それは成功であると言えます。

  • 老後生活の不安を解決するために毎月の収入源が欲しい
  • 自分に万が一のことがあった時に備え、家族の選択肢を広げたい

以下では、このような願望を叶えることに成功した投資家の事例を紹介しましょう。

ケース①

大手企業に勤める30代のAさんは、築10年の中古ワンルームを購入しました。老後の年金問題に不安を抱き、不労所得を増やしたいと思ったのがきっかけです。子育て中だったので目先の出費の心配もあり、できるだけキャッシュを残せるように初期費用を抑えて運用ができる物件にしたと言います。

長期的に利益を出し続けるためにも、将来のエリアにおける人口の増減を調べたうえで、駅から徒歩5分以内という利便性が高い物件を購入しました。もともと土地勘がある場所を選択したため、治安の良さなどや主要部へのアクセスの良好さも把握していたようです。
購入から3年経過し、1度退去が発生したもののすぐに次の入居者が決まり、安定的した収入を得られています。物件選びで妥協せず立地をこだわったことで、安定して入居者が入り続けています。現在、毎月の家賃収入は少額ですが、ローン返済後は家賃がそのまま入るので、老後年金問題への心配が軽減されました。

ケース②

会社員のBさんは、都心部へ直通できる人気駅から徒歩20分ほどにあるエリアで、相場よりも安く物件を手に入れました。周辺の物件は都内でも需要が高く、ある程度の築年数が経過している物件でも値下がりしにくい特徴があります。
根気強く売主に交渉を続けたこと、そして近年の不動産価格の高騰が後押しして、今では売却益が出せる程になっているそうです。自分に「もしも」のことがあった場合は、賃貸経営で家賃収入を得ることもできますし、売却して現金化もできます。さらに、Bさんは持ち家を保有しているので、家族はマイホームの方を売却して投資物件に居住する方法もあります。
残される家族は柔軟な選択をとることができ、Bさんの精神的な安心感に繋がりました。

サラリーマンが不動産投資を始めて失敗した事例

サラリーマンが将来を見据えて不動産投資を始めたものの、中には事前の計画通りにいかず失敗してしまったという事例も少なくありません。不動産投資では、長期的な視野で収益化できるかどうかを見極めることが大切です。

  • 築年数の古い物件で修繕費用が思いのほか高かった
  • 空室を埋めたいがために家賃下落せざるを得なかった

この章では、このような失敗をしてしまった事例を2つ紹介しましょう。

ケース①

利回りの高い築20年以上の物件を選び、予想外の莫大な出費が課されたCさんのようなケースもあります。不動産投資は、長期的に収益を出しながら運用することが必要です。Cさんが運用を始めたばかりの時には、さほど修繕費は発生しなかったということですが、次第に経年劣化による修繕費の出費に頭を悩ませるようになったと言います。
入居者の入れ替わり時にオーナー負担で補修費用を支払うばかりではなく、雨漏りや配管の老朽化など入居中の突発的な設備故障で大きな出費が続くことがあります。結果的にキャッシュフローがマイナスになってしまい、貯蓄の切り崩しで現金が大きく減ってしまったようです。中古の投資物件は、基本的に物件の中を確認せずに取引を行うため、このような修繕リスクに見舞われてしまうケースが多くあります。

ケース②

築年数の経過とともに空室が目立つようになってしまい、「家賃下落リスク」を目の当たりにしたDさんのケースを紹介しましょう。不動産投資は、入居者がいるときは安定的な収入を得られますが、退去後に次の契約者がなかなか決まらないケースもよくあります。
一般的な家賃の下落率は年間約1%ですが、一定期間募集をしても見つからない場合、これよりさらに家賃を下げて入居者を募集しなくてはならないケースもあります。以下の表は、Dさんが所有する家賃8万円で貸し出している物件で、家賃下落率が1%と1.5%の場合を比較した収入差です。
 

  1年目 2年目 3年目
家賃下落率1% 79,200円 78,400円 77,600円
家賃下落率1.5% 78,800円 77,600円 76,400円
毎月の収入差 400円 800円 1,200円
年間の収入差 4,800円 9,600円 14,400円

1年間の家賃下落率はわずか0.5%の差でも、年数が経つにつれて収入差はどんどん開いていきます。また、一度下げてしまった家賃はなかなか元に戻せませんので、慎重にならなくてはいけません。

サラリーマンはもはや安定的な職種でないので、本業とは別の収入を得る仕組みを作るべき

かつての日本では、会社員は比較的安定した人生を送れると考えられていましたが、「サラリーマンは安定した職種」という神話は、年金問題・インフレ・増税・給与の横ばいなどによって崩壊しつつあります。

給与体系の良い企業に属したとしても、給与の伸び率がインフレ率を追い越すことができなければ、将来に向かって給与が少しずつ下がるのと同じことです。

どれだけ頑張って老後資金を貯めても、セカンドライフが始まった時点で物価が今の倍以上になっていれば、年金と預貯金だけでは足りません。

また、出世によって年収が上がっても、今度は社会保障の増税枠・所得税と住民税の高額枠にひっかかり、稼ぎのほとんどは税金に持っていかれるため、想像していたような豊かな暮らしはできないことになります。

これからのサラリーマンは、企業で出世して高給取りを目指すことよりも、自分の時間を確保し、自分のために人生の対策をしていくことで、理想とする人生に近づきやすくなります。
具体的な対策を二つ紹介します。

副業

働きながら自分のための時間を確保することで、副業ができるようになります。副業の内容は「給与以外で入ってくる収入」であれば、自由に選べるため、自分の好きなことを仕事にすることもできます。具体的な副業としては以下のようなものがあります。

得意分野の講師・コーチ

資格や職業分野での専門がある方は、その分野での講師やコンサルティングを副業にできます。個人のコンサルティングから、企業コンサルまで幅広い範囲で仕事ができます。顔と名前を知ってもらうまでに時間がかかりますが、一つひとつの仕事を誠実に積み上げていくことにより、将来は専門分野での独立も可能です。

このような副業・独立をすることも視野に入れて、職場でのスキルアップも兼ね、今から資格を取得するのもよいでしょう。

SNS・動画配信による広告収入

Youtube、InstagramなどのSNSを利用した、ネット広告収入が入ります。常に多くの方が参加していますが、ヒットすれば何十万回も繰り返し再生され、比較的、長期間の副収入も期待できます。内容は前項のような得意分野があれば、それを配信するという方法もあります。また、ニュースの時事ネタや自分の趣味の分野のことをコツコツと配信して行く中で、内容の面白いものがあれば多くの人が視聴してくれます。

ヒット作をいくつか作ることができれば、そのノウハウを教材として販売することも可能です。

宿直バイト

警備の仕事の一つですが、夜間の宿直は、人のいないビル・学校の見回り警備や、葬儀場・結婚式場・ホテル・旅館のフロント業務などがあります。基本的に仕事中には建物に利用者がいないため、時給の割には精神的にも肉体的にも楽だと感じる人もいるようです。防犯のため2人以上でシフトが組まれて交代で仮眠がとれることが多いため、サラリーマンの本業にも影響が及びにくく、継続しやすい副業といえます。

テストの採点

小学生~大学受験生までが受けたテストや模擬試験の答案を、マニュアルに従いながら添削・採点をするアルバイトです。紙の答案用紙と電子答案用紙があり、基本的に在宅でできる仕事なので、提出締切日さえ守れば、好きな時間に働けます。アルバイトサイトなどで登録をしてスタートし、数がこなせるようになったら、ご自身でアルバイトを雇い、大手学習塾などと直接契約をすることも可能です。

運転代行

飲酒運転が法律で禁止されてから、飲み会などの帰りに運転代行を頼むのが当たり前になりました。特に木曜・金曜の夜は、エリアによっては運転代行が確保できないほどの需要があります。ピークは20時~2時なので、終業後に3時間くらいの仮眠を取れば、サラリーマンでも副業にできます。

料金体系は会社によってバラバラですが、基本的に、タクシーと同様に初乗り料金と距離に応じた加算料金があります。多くの方は代行会社のドライバーとして業務委託またはアルバイト登録をして副業をスタートします。

運転代行業はビジネスモデルがシンプルなわりに稼ぎの良い仕事なため、慣れてきたらご自身で起業をして業務委託をして会社経営をすることもできます。その場合は、警察署への登録が必要になります。

宅配代行業

昔からある車の送迎代行以外にも、今はUber Eatsなどをはじめとした買い物や配送の代行があります。一回の作業による収入はそう多くはありませんが、数をこなすことでまとまった月収になります。

登録した企業によっては、顧客からのチップ制度があるため、小刻みに時給・分給を上げていくことも可能です。配送手段は車・バイク・自転車などから選べますが、多くの方はメンテナンス費用がかからない自転車を選びます。アプリを使って自分でシフトを組めるため、「今日、できるな」と思った日はすぐに仕事ができ、「今日は休みたいな」と思えば即休みにできる自由さも人気の秘密です。

また、自転車で移動するため、フィットネスジムに通っているつもりで配送代行をしている方も多く、健康・ダイエット+収入という、自分にとってプラスになること・好きなことで収入を得るという気楽さもあります。

ポイント・アンケートサイト

ポイ活と呼ばれる、ポイントサイトやアンケートサイトに登録をして、企業の提案するアンケートなどに回答をすることで、ポイントを貯めるものです。ほとんどのポイントサイトやアンケートサイトはアプリがあるので、暇な時間にスマホで副業ができます。一回の作業で得られるポイントは少ないのですが、無数にアンケートや参加できるポイント活動があります。

また、サイト作成などができる方は、このようなサイトをご自身で運営することもできます。

アルバイトをする

平日夜や、土日祝などにアルバイトをする副業で、最近ではWワークとも呼ばれています。現在、多くの企業では副業に対して寛容になっているので、就業規則などで禁止されているのでなければ、アルバイトやパートをしても問題はありません。

普通に応募をして働く、知人友人・実家の仕事を手伝うなども含まれます。また、前日や当日に出来るアルバイト情報が掲載されたアプリもあるので、登録をしておけばすぐに働くことができます。

不用品の売却

多くの家には、まだ使えるのに使っていない商品や、着なくなった服、履かなくなった靴などがあります。このような不用品を、ネットオークション(ヤフオク!・メルカリなど)で販売すると、リサイクルショップに買い取ってもらうよりも高値で売れることがあります。

不用品の整理と収入が同時にできますし、ネットオークション手数料は成功報酬制なので、出品するだけなら無料でできます。もともと不用品なので、いつ売れても問題なく、サラリーマンをしながらでも気楽にできます。自宅だけではなく、実家にある不用品も取り扱えば、かなりの品数を出品できるかもしれません。

転売ビジネス

転売とは、自分で商品を購入し、それを他人に高く売ることで、差額分の利益を得るビジネスです。せどりともいいます。取扱い商品は何でもよく、日用品・カードゲーム・ゲームソフト・洋服・家電まで幅広くあります。

高値で売れる商品や、これから流行るものを見抜く力に自信があれば、まとまった金額を稼ぐことも可能です。凝った商品ではなくても、エリアごとに品薄になる商品を調べておくと、日用生活品でも面白いように売れることがあります。

ただし、ある程度の流行りがあるので、購入量やタイミングを間違えると不良在庫を抱えることになります。

副業は、あくまで自分軸・自分サイズで考えるものなので、自分が希望する副収入が入れば、それでよいことになります。そのため、数万円のスモールビジネスから、青天井のビッグビジネスまで、ポテンシャルも無限大です。ただし、あくまで自分が主体で行う必要があるため、限られた時間で行うビジネスとなり、結果が出るまでには、かなりの労力が必要となります。

資産運用

資産運用とは、ご自身の預貯金などを投資に回して効率良く運用することで、資産を増やしていく方法です。資産運用も副業の一つなのですが、ご自身があまり動かないでもよいという点が一般的な副業とは違います。

資産運用の方法には、以下のようなものがあります。

株式投資

企業への投資です。株価の値動きに合わせて売買することにより、短期で結果を出せる可能性があります。投資先の選定も運用も自分で行います。

投資信託

株式投資とは違い、投資先のセレクトと運用をプロのマネージャーがするため、投資初心者でも始めやすいパッケージ化された金融商品です。ただし、基本的に運用期間が中長期のものが多いため、短期間で収益を出すのには不向きです。

NISA・iDeCo

国民の資産形成を支援するために政府が推奨している制度です。掛金は全額控除、利益は非課税であるため、公的年金と同様に、将来のための備えをしながら、節税にもなります。

投資内容を自由に選び、自分用のポートフォリオを作りながら資産運用ができます。ただし、iDeCoに関しては、年金をもらえる年齢になるまでは、投資金額を引き出すことができません。

非常に多くの方が参加しており、安心感のある資産運用方法といえます。ただし、自己資金で継続して行う必要があるため、病気や怪我で給与を得られなくなると、その期間は運用もストップする必要があります。

不動産投資

ご所有の預貯金を人に貸すための不動産に投資し、不動産経営をすることで家賃収入を得ながら、不動産という実物も資産にしていく投資方法です。物件購入の際はローンを組みますが、その返済原資は入居者からの家賃なので、ご自身がローン返済をする必要がありません。管理は専門会社に委託できるので、文字通りのほったらかしでも、毎月確実に家賃収入が入り、着々とローン完済へ向かって進んでいけます。

ローン完済後は、経費以外の全額が収入となりますので、将来のインフレ経済に備える、セカンドライフの年金サポートにするなど、使い道も必要なものに応じて自由に設計できます。

また、不動産は実物のある「モノ」であるため、インフレに強いという特徴があります。インフレが起きれば物件価値も上がりますので、タイミング良く売却すれば、大きな売却益を得ることも可能です。

どの資産運用であっても副業と比べると投資をする本人がバタバタと動き回る必要がないことがわかります。株式投資・FX・投資信託・NISA・iDeCoは、自分の代わりにお金に働いてもらう方法です。不動産投資は、ご自分の預貯金を不動産に投資することによって、不動産物件に働いてもらう方法です。

どちらも、最初の時点での商品選び・物件選びさえ間違えなければ、後は、ほったかしにしておいても、着々と資産が増えていくタイプの投資なので、激務のサラリーマンであっても、時間や体力を気にせずに投資を続けることができます。

まとめ

サラリーマンが不動産投資を検討する際に、気になることをまとめました。昔の日本とは違い、サラリーマンという職業は、安定した将来が約束された職業ではなくなりつつあります。

しかし、サラリーマンである限りは、安定的に給与が入るという強みがあり、金融機関からも高い評価を得ています。このメリットを最大限に活かせる不動産投資は、サラリーマンの副業として非常に適しているといえます。

将来の不安を解消する方法として、給与収入だけにとらわれてしまうと、年収を上げるために頑張るか、年収を上げるために転職をするなど、ストレスの多い人生を選択することになります。

しかし、現状のライフスタイルはそのままで、給与以外に収入源を確保する方法として副業や資産運用をするのであれば、もっと楽に今と未来を変えていくことができます。

ベルテックスでは不動産にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。