2025.07.30

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

年収800万円で不動産投資をおすすめする5つの理由|節税効果や老後の収入試算も紹介

  • はじめ方・基礎知識

年収800万円となると、比較的収入が高い部類に入ります。日々の生活には困らないものの、子どもの教育資金や老後の生活資金など、将来に備えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。年収800万円で効率的に資産を増やしたいなら、不動産投資に取り組むのがおすすめです。

この記事では、年収800万円の方に不動産投資をおすすめする理由を解説します。あわせて、不動産投資による節税効果や老後の収入シミュレーションも紹介します。

年収800万円のポートフォリオ事例

最初に、年収800万円で不動産投資に取り組んでいる方のポートフォリオ事例を見てみましょう。

不動産投資に取り組む方のポートフォリオ事例

【プロフィール】 30代女性、年収700〜800万円 
【金融資産】現金:91%、保険9% 
【現物資産】区分マンション2部屋(新築1部屋、中古1部屋) 
【投資の目的】現物資産を所有することでインフレリスクをケア

こちらの方は、年収700〜800万円で区分マンション2部屋に投資しています。金融資産の多くを現金で保有しているため、最近のようなインフレ下では、資産額が大きく目減りするリスクがあります。

そこで取り組んでいるのが不動産投資です。資産の一部をインフレに強い不動産に振り分けることで、インフレリスクに備えつつ、安定的な資産運用を行っています。

年収800万円の方に不動産投資をおすすめする5つの理由

前述のとおり、年収800万円の資産運用方法としては不動産投資がおすすめです。主な理由は次の5つです。

①不動産投資ローンを借り入れやすいから 
②毎月安定した家賃収入を得られるから 
③老後の私的年金として機能するから 
④インフレ対策になるから 
⑤本業が忙しくても取り組めるから

以下では、それぞれの理由を詳しく解説します。 

①不動産投資ローンを借り入れやすいから

収益物件を購入する際には、不動産投資ローンを活用するのが基本です。不動産投資ローンを提供する金融機関の多くは、年収700万円を融資基準のひとつとしているとされます。

年収700万円以下でも必ずしも融資審査に落ちるわけではありませんが、700万円を超えていると融資を受けられる可能性が高まります。

年収800万円であれば、この基準を満たすため、ローンを活用した不動産投資に取り組みやすいのが大きなメリットです。

不動産投資ローンの借入可能額は年収に応じて変化し、一般的に年収の7〜10倍が目安とされます。年収800万円の方であれば、6,000万〜8,000万円程度まで借り入れられる計算です。

このようにまとまった金額の融資を受けられるため、投資できる物件の選択肢も広がります。年収が低い場合に比べて投資できる物件の幅が広がり、有利に運用を進められる可能性があります。

②毎月安定した家賃収入を得られるから

不動産投資の魅力は、所有する物件から毎月継続して家賃収入を得られる点です。家賃収入から、物件の管理費と修繕積立金、不動産管理会社へ支払う管理委託手数料、毎月のローン返済額などを除いた金額が、最終的な収入として毎月手元に入ります。

周辺エリアの環境が急激に変化したり、事故物件になったりしない限り、賃貸物件の家賃水準はそれほど大きく変化しません。そのため、長期に渡る安定的な収入が期待できます。

住宅ローンの返済や子どもの教育費など、何かと出費の多い年収800万円の会社員にとって、不動産投資による毎月の副収入は大きな魅力です。 

③老後の私的年金として機能するから

かつては終身雇用が主流で、厚生年金保険料を支払い続け、退職後は退職金と年金だけで豊かな老後を送るライフスタイルが一般的でした。しかし、今後ますます少子高齢化が進むと想定され、将来の老後生活に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

30代・40代のうちから不動産投資に取り組んでおけば、不動産投資ローン完済後には、老後に毎月まとまったお金を不労所得として受け取れるようになります。ローンの返済期間は数十年に及ぶケースが多いため、早めに投資を始めるのがポイントです。

毎月受け取れる家賃収入が、公的年金を補完する私的年金として機能するので、老後の生活にゆとりが生まれるでしょう。 

④インフレ対策になるから

近年、インフレに伴う物価上昇で、日々の家計管理に苦労している方も少なくないはずです。現預金や有価証券といった金融資産だけで資産運用していると、インフレ時に資産価値が目減りしてしまう恐れがあります。

これに対し、不動産は現物資産のため、物価上昇に伴って物件価格も高まるのが基本です。資産の一部を金融資産から不動産に振り分けておけば、インフレ対策としての効果が期待できます。

⑤本業が忙しくても取り組めるから

不動産投資は賃貸経営なので、「本業が忙しいと難しいのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、後述するように、賃貸経営業務のほとんどは不動産管理会社に委託できます。

不動産管理会社に業務を委託すれば、オーナー自身が日常的に対応すべき業務はほぼありません。そのため、本業で忙しい会社員でも無理なく取り組むことができます。

忙しい方こそ取り組むべき不動産投資

前述のとおり、賃貸経営に必要な業務のほとんどは不動産管理会社に委託できます。本業が忙しい方にこそ、不動産投資は適しているといえるでしょう。

ここでは、不動産投資で必要となる業務を紹介し、忙しい方でも取り組める理由を解説します。 

不動産投資において必要な2種類の運営管理

不動産投資は賃貸経営であり、安定した家賃収入を得るには、適切な運営管理が欠かせません。

賃貸住宅の運営管理は、大きく「入居者管理」と「建物管理」の2つに分類されます。それぞれの内容を見ていきましょう。 

1.入居者管理(賃貸管理)

新たな入居者が決まった際の契約業務、退去時の手続き、入居者への日々のサポート、クレーム対応などの業務が「入居者管理」です。賃貸管理と呼ばれることもあります。具体的な業務としては、次のようなものが挙げられます。

  • 入居者の募集業務 
  • 入居希望者との賃貸借契約業務 
  • 既存賃貸借契約の更新管理業務 
  • 入居者からの要望やクレーム/トラブル対応業務 
  • 家賃回収・滞納者への督促業務 
  • 退去時の解約や立ち会いに関する業務

これらの業務は、入居率の安定化や入居者満足度の向上に直結するため、対応が不十分だと、期待した家賃収入が得られなくなる恐れがあります。

2.建物管理

清掃や設備点検、修繕といった、建物のハード面に関わる管理業務が建物管理です。主な業務として次のようなものが挙げられます。

  • 共用部の清掃業務 
  • 共用部設備の定期点検、修繕業務 
  • エレベーターの法定点検、安全管理業務 
  • 日常的な巡回業務 
  • 退去発生時の原状回復、リフォーム工事業務 
  • 管理計画の策定業務 など

建物管理が疎かだと、入居者の生活水準の低下を招き、物件の資産価値も低下する恐れがあります。長期的に安定した収益を上げるには、適切な建物管理が不可欠です。

運営管理業務の一切を担う不動産管理会社

前述のとおり、不動産投資では、これらの運営管理業務を不動産管理会社に委託するのが一般的です。

オーナーからの管理委託手数料を収入源とする点は共通ですが、入居者の仲介業務まで担うかどうかは会社によって異なります。仲介業務まで対応する「仲介管理会社」に依頼すれば、ほぼすべての運営管理業務を任せることができます。

ベルテックスでは、賃貸管理から建物管理、仲介業務まで包括的にサポートしています。 

管理委託の物件においてオーナーがやるべきこと

不動産管理会社に運営管理業務を委託した場合、オーナーが担うべき業務は、管理委託の方法によって異なります。

不動産管理会社に運営管理業務を委託する「一般管理」では、家賃や敷金など、オーナーの収益に関わる条件は、オーナー自身の裁量で決められます。そのため、各種条件を不動産管理会社と協議したり、入居希望者の審査に関与したりといった業務が発生します。

一方、不動産管理会社が物件を一括して借り上げる「サブリース方式」の場合、賃料設定や入居契約などもすべて管理会社側が行います。

オーナーの日常的な業務はほぼなく、保証された家賃収入から管理会社が一定額を差し引いた賃料(サブリース賃料)を毎月受け取る仕組みです。その代わり、賃貸条件に関するオーナーの裁量は一般管理に比べて小さくなります。

年収800万円の方が取り組むならワンルームマンション投資!その理由とは?

不動産投資のうち、実際の物件に投資するのが現物不動産投資です。現物不動産投資にも、投資する物件の違いによってさまざまな種類があります。このうち、年収800万円の方が取り組むのにおすすめなのはワンルームマンション投資です。

ワンルームマンション投資とは、区分マンションの1戸ないしは複数戸に投資する手法のことです。ここでは、年収800万円の方にワンルームマンション投資をおすすめする理由を解説します。

比較的少ない初期投資で始められるから

ワンルームマンション投資は、物件を丸ごと購入する一棟アパート投資などに比べて物件価格が安いため、初期投資を抑えることができます。

冒頭で紹介したように、年収800万円の方であれば6,000万〜8,000万円程度の不動産投資ローンを組める可能性があります。これだけの融資があれば、都心部の好立地な物件でも十分に投資可能です。

初期投資が小さいので、1件目の賃貸経営が安定すれば、2件目・3件目と買い増していくこともできます。運用する部屋数が増えることで資産拡大を図れるだけでなく、空室や家賃滞納によって収支が悪化するリスクを分散することも可能です。 

賃貸ニーズが安定的で売却もしやすいから

都心部の管理が行き届いたマンションであれば、購入から年数が経過しても、安定した賃貸ニーズが見込める点もポイントです。空室が生じたとしても次の入居者が決まりやすく、家賃収入のない期間が短くなり、収入が安定しやすくなります。

また、売却のしやすさもワンルームマンション投資の魅力です。一棟アパートの場合、買い手は基本的に投資家に限定されますが、ワンルームマンションの場合、自宅用に購入する一般消費者(実需層)もターゲットになるからです。

現金化しやすいため、まとまった資金が必要になった場合でも対応しやすいでしょう。 

運営管理の項目が少ないから

運営管理業務は不動産管理会社に任せられるとしても、オーナーとして、物件の現況をある程度気にかける必要はあります。ワンルームマンション投資であれば、そもそも専有部のみを管理すればいいので、運営管理が必要な項目自体が少ないというのもメリットです。

専有部しか管理できないので運営管理に関する自由度が低い反面、管理費や修繕積立金さえ支払っておけば、共用部の管理に関することはマンションの管理会社に任せられます。そのため、本業の忙しい会社員におすすすめです。

年収800万円での不動産投資による節税効果

不動産投資のメリットとしてよく語られる節税効果ですが、年収800万円の方が不動産投資に取り組んだ場合、どの程度の効果が期待できるのでしょうか。

シミュレーションを通して、年収800万円における節税効果を具体的に検証してみましょう。

【年収別】所得税・住民税の節税効果シミュレーション

不動産投資による節税効果は、一般的に年収が高くなるほど大きくなります。

ここでは、年収500万・800万・1,300万の3パターンで、不動産投資をする場合としない場合の税額を比較し、どの程度まで節税できるのか検証しましょう。シミュレーションにあたっての条件は次のとおりです。

  • 不動産所得:年間50万円の赤字
  • 基礎控除(所得税) :48万円
  • 基礎控除(住民税) :43万円
  • 住民税率 :10%(均等割を除く)
  • その他  :基礎控除以外の控除は考慮しないものとする

また、シミュレーションの前提となる給与所得は以下のとおりとします。 

 

給与所得

年収500万円 

356万円 

年収800万円 

610万円 

年収1,300万円 

1,105万円 

次に、課税所得別の所得税率(復興特別所得税を含む)と控除額は以下のとおりです。 

課税所得 

所得税率 

控除額 

1,000円〜194万9000円 

5.105% 

0円 

195万円〜329万9,000円 

10.21% 

9万7,500円 

330万円〜694万9,000円 

20.42% 

42万7,500円 

695万円〜899万9,000円 

23.483% 

63万6,000円 

900万円〜1,799万9,000円 

33.693% 

153万6,000円 

1,800万円〜3,999万9,000円 

40.84% 

279万6,000円 

4,000万円〜 

45.945% 

479万6,000円 

不動産投資をする場合と不動産投資をしない場合、それぞれの所得税は次の計算式で求められます。

不動産投資をしない場合 

(給与所得×税率)−控除額−基礎控除 

不動産投資をする場合 

(給与所得−不動産所得の赤字分)×税率−控除額−基礎控除 

上記の計算式に当てはめたとき、年収別の納税額と不動産投資による節税効果は次のようになります。 

           

 

不動産投資をしない場合 

不動産投資をする場合 

年収500万円 

52万9,900円 

42万8,900円 

→10万1,000円の節税効果 

年収800万円 

128万7,100円 

113万5,000円 

→15万2,100円の節税効果 

年収1,300万円 

308万7,300円 

286万8,800円 

→21万8,500円の節税効果 

こうして比較すると、年収800万円では年収500万と節税効果がそれほど変わりません。一方、年収1,300万以上になると節税効果が大きくなることがわかるでしょう。 

【引用】国税庁「No.2260 所得税の税率」2025年4月14日現在

【引用】原田会計事務所「給与所得控除額早見表」2025年4月14日現在

年収800万円で節税効果を狙うなら別の手段を考える

上記のシミュレーションのとおり、年収800万円だと不動産投資による節税効果は限定的です。不動産投資をするなら、節税目的というよりも、長期的な資産形成や将来の私的年金を目的に取り組むことをおすすめします。

年収800万円の方が節税効果を期待するであれば、下記に挙げる3つの方法を検討するとよいでしょう。

年収800万円で取り組みたい節税方法①ふるさと納税

手軽に取り組める節税方法として人気なのが「ふるさと納税」です。応援したい自治体に寄付すると、寄付額から自己負担額2,000円を差し引いた全額が、所得税・住民税から控除されます。寄付のお礼として受け取れる返礼品も大きな魅力です。

ふるさと納税には、年収や家族構成、その他の控除額に応じた控除上限額が設定されています。節税目的で取り組むなら、上限額をシミュレーションし、その範囲内で寄付することが大切です。

なお、年収800万円の場合、上限額の目安は、独身や共働き夫婦で約13万円程度、配偶者控除を適用する夫婦世帯で約11万9,000円程度です。

【引用】ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」2025年4月14日現在

年収800万円で取り組みたい節税方法②NISA

少額投資非課税制度「NISA」は、NISA口座を使って運用する場合、株式、投資信託、REITの売買益・配当金・分配金にかかる税金が非課税となる制度です。

本来であれば20.315%の所得税(復興特別所得税を含む)が課せられるため、NISAを活用することで、資産形成における税負担を軽減できます。

2024年に制度が改正され、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円、生涯で合計1,800万円分の非課税枠を利用できるようになりました。 

年収800万円で取り組みたい節税方法③iDeCo

NISAと同様に活用したいのが、個人型確定拠出年金「iDeCo」です。自分で決めた掛金を65歳になるまで積み立て、原則60歳以降に一時金や年金として受け取れます。

掛金を運用して得た収益は非課税になるうえ、掛金自体が全額所得控除の対象となるのがポイントです。積立期間中は、毎年積立額に応じた所得税・住民税の節税効果を得られます。

また、一時金や年金として受け取る際にも控除を受けられるなど、長期にわたって節税メリットがあるのも魅力です。

【参考】原田会計事務所「給与所得控除額早見表」2025年4月14日現在
【参考】ふどなび「年収800万円になったら不動産投資をした方が良い6つの理由」2021年8月31日更新
【参考】ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」2025年4月14日現在
【参考】SBI証券「2024年からのNISAの制度変更について」2025年4月14日現在
【参考】SBI証券「SBI証券のiDeCo」2025年4月14日現在

不動産投資による老後の月収入シミュレーション

年収800万円の方が不動産投資に取り組むメリットとして大きいのが、老後の私的年金としての効果です。

ここでは、以下の条件で老後の月収入をシミュレーションしてみます。なお、不動産投資ローンはすでに完済しているものとします。

【所有物件】 中古ワンルームマンション5室
【家賃収入】月10万円/月10.5万円/月9万円/月9.5万円/月10万円→合計月39.5万円
【管理委託手数料】家賃収入の5%→39.5万円×5%=月1万9,750円
【管理費・修繕積立金】1戸あたり月3万円→合計月15万円
【固定資産税・都市計画税】1戸あたり年間5万円→合計年間25万円 

まず、年間の手取り収入を求めてみましょう。年間の家賃収入は474万円、管理委託手数料は23万7,000円、管理費・修繕積立金は180万円なので、年間手取り収入は次のように計算できます。

年間手取り収入=474万円−23万7,000円−180万円−25万円=245万3,000円

よって、月々の手取り収入は245万3,000円÷12≒約20万4,000円となります。これはあくまでも試算ですが、ワンルームマンション投資は私的年金として大きな効果を発揮する可能性があります。

年収800万円の方が不動産投資を成功させるためのポイント

年収800万円の方が不動産投資を成功させるには、次に紹介するポイントを押さえる必要があります。1点ずつ確認していきましょう。 

不動産投資のリスクをしっかり理解しておく

不動産投資は安定した家賃収入を得られる反面、空室リスクや家賃滞納リスクなど、特有のリスクも存在します。代表的な10のリスクをまとめたものが以下の表です。 

空室リスク  

空室が発生して家賃収入がなくなるリスク  

家賃滞納リスク  

入居者の家賃滞納により収入がなくなるリスク  

家賃下落リスク  

周辺の家賃相場が下落し、収入が少なくなるリスク  

資産価値下落リスク  

資産価値の低下により、入居者がつきにくくなるリスク  

流動性リスク  

売りたいときに売れず、現金化できないリスク  

修繕費リスク  

高い修繕費で収支が悪化するリスク  

老朽化リスク  

老朽化で想定外の修繕が発生するリスク  

金利上昇リスク 

ローン金利上昇で、月々の返済額が増えるリスク  

自然災害リスク  

災害で物件が使えなくなるリスク、修繕費用が発生するリスク  

事故物件リスク  

物件で死亡事故や孤独死などが発生し、空室や家賃下落が生じるリスク 

ただし、これらのリスクの多くは事前の対策で軽減できます。不動産投資を成功させるには、どのようなリスクがあるのかを十分理解しておくことが大切です。

投資する物件は慎重に選ぶ

不動産投資の成否は物件選びで決まると言っても過言ではありません。長期運用を目的に投資するなら、将来にわたって安定した賃貸ニーズが見込める物件を選ぶ必要があります。

物件広告などに記載されている利回りの多くは、物件から得られる年間家賃収入を物件価格で割った「表面利回り」です。この利回りは、年間にかかる経費を反映していないほか、価格の安い物件で数値が高くなりやすいという特徴があります。

そのため、表面利回りばかりに気を取られていると、物件選びを誤る恐れがあります。

経費も考慮した実質利回りや周辺エリアの賃貸市場の状況なども考慮し、慎重に物件を選ぶことが、不動産投資を成功させるための鍵です。

ローンを組む場合でも一定の自己資金は準備する

初期投資にローンを活用できる不動産投資では、頭金なしのフルローンで投資をスタートすることも可能です。ただし、実際に運用を始めると、突発的な修繕対応などの想定外の出費が発生するケースもあります。

賃貸経営を安定させるには、こうした事態に対応できるだけの自己資金は手元に準備しておかなければなりません。不動産投資ローンを活用する前提であっても、自己資金には余裕を見ておいたほうがよいでしょう。

自己資金が潤沢なほうが、ローンも有利な条件で借りやすくなります。不動産投資を始めたときの収支や資金計画のイメージをつかみたい方は、ベルテックスが提供する不動産投資専門の高性能シミュレーションをおすすめします。

信頼できる不動産管理会社に委託する

不動産投資の収益性は、物件の管理状態に大きく左右されます。どれだけ賃貸ニーズの高い好立地な物件であっても、業務を委託する不動産管理会社の質が高くなければ、安定的な家賃収入を得ることは難しいでしょう。

入居者募集から日常的な対応まで、物件の管理運営を代行する不動産管理会社は、賃貸経営における大切なパートナーです。信頼できる不動産管理会社を見つけることが、不動産投資成功への近道と考え、会社選びは慎重に行いましょう。

まとめ

年収800万円の方が資産運用に取り組むなら不動産投資がおすすめです。安定した家賃収入が貴重な副収入になるだけでなく、インフレ対策や老後の私的年金としての効果も期待できます。

業務の大半は不動産管理会社に委託できるため、本業が忙しい会社員の方でも取り組みやすいでしょう。

「不動産投資は節税効果が高い」と言われますが、年収800万円における節税効果は限定的です。年収800万円で取り組む場合、節税よりも長期的な資産形成や将来の私的年金づくりを目的にすることをおすすめします。

ベルテックスの個別相談では、ご自身のライフプランや資産形成の考え方を丁寧にヒアリングし、一人ひとりの目的に合った不動産投資の方法を提案しています。これから不動産投資を始めたいと考えているなら、検討の第一歩として個別相談をご活用ください。

この記事を監修した人

宮川 真一

税理士 税理士法人みらいサクセスパートナーズ 代表

岐阜県大垣市出身。一橋大学商学部を1996年に卒業後、1997年より税理士としてのキャリアをスタート。25年以上の経験を持ち、税務や財務に関する深い知識を生かし、1級FP技能士、CFP®、宅地建物取引士資格も取得。企業の取締役や監査役としても幅広く活躍し、財務コンサルティングや資産管理のエキスパートとして信頼を集めている。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2025.07.30

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

年収800万円で不動産投資をおすすめする5つの理由|節税効果や老後の収入試算も紹介

  • はじめ方・基礎知識

年収800万円となると、比較的収入が高い部類に入ります。日々の生活には困らないものの、子どもの教育資金や老後の生活資金など、将来に備えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。年収800万円で効率的に資産を増やしたいなら、不動産投資に取り組むのがおすすめです。

この記事では、年収800万円の方に不動産投資をおすすめする理由を解説します。あわせて、不動産投資による節税効果や老後の収入シミュレーションも紹介します。

年収800万円のポートフォリオ事例

最初に、年収800万円で不動産投資に取り組んでいる方のポートフォリオ事例を見てみましょう。

不動産投資に取り組む方のポートフォリオ事例

【プロフィール】 30代女性、年収700〜800万円 
【金融資産】現金:91%、保険9% 
【現物資産】区分マンション2部屋(新築1部屋、中古1部屋) 
【投資の目的】現物資産を所有することでインフレリスクをケア

こちらの方は、年収700〜800万円で区分マンション2部屋に投資しています。金融資産の多くを現金で保有しているため、最近のようなインフレ下では、資産額が大きく目減りするリスクがあります。

そこで取り組んでいるのが不動産投資です。資産の一部をインフレに強い不動産に振り分けることで、インフレリスクに備えつつ、安定的な資産運用を行っています。

年収800万円の方に不動産投資をおすすめする5つの理由

前述のとおり、年収800万円の資産運用方法としては不動産投資がおすすめです。主な理由は次の5つです。

①不動産投資ローンを借り入れやすいから 
②毎月安定した家賃収入を得られるから 
③老後の私的年金として機能するから 
④インフレ対策になるから 
⑤本業が忙しくても取り組めるから

以下では、それぞれの理由を詳しく解説します。 

①不動産投資ローンを借り入れやすいから

収益物件を購入する際には、不動産投資ローンを活用するのが基本です。不動産投資ローンを提供する金融機関の多くは、年収700万円を融資基準のひとつとしているとされます。

年収700万円以下でも必ずしも融資審査に落ちるわけではありませんが、700万円を超えていると融資を受けられる可能性が高まります。

年収800万円であれば、この基準を満たすため、ローンを活用した不動産投資に取り組みやすいのが大きなメリットです。

不動産投資ローンの借入可能額は年収に応じて変化し、一般的に年収の7〜10倍が目安とされます。年収800万円の方であれば、6,000万〜8,000万円程度まで借り入れられる計算です。

このようにまとまった金額の融資を受けられるため、投資できる物件の選択肢も広がります。年収が低い場合に比べて投資できる物件の幅が広がり、有利に運用を進められる可能性があります。

②毎月安定した家賃収入を得られるから

不動産投資の魅力は、所有する物件から毎月継続して家賃収入を得られる点です。家賃収入から、物件の管理費と修繕積立金、不動産管理会社へ支払う管理委託手数料、毎月のローン返済額などを除いた金額が、最終的な収入として毎月手元に入ります。

周辺エリアの環境が急激に変化したり、事故物件になったりしない限り、賃貸物件の家賃水準はそれほど大きく変化しません。そのため、長期に渡る安定的な収入が期待できます。

住宅ローンの返済や子どもの教育費など、何かと出費の多い年収800万円の会社員にとって、不動産投資による毎月の副収入は大きな魅力です。 

③老後の私的年金として機能するから

かつては終身雇用が主流で、厚生年金保険料を支払い続け、退職後は退職金と年金だけで豊かな老後を送るライフスタイルが一般的でした。しかし、今後ますます少子高齢化が進むと想定され、将来の老後生活に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

30代・40代のうちから不動産投資に取り組んでおけば、不動産投資ローン完済後には、老後に毎月まとまったお金を不労所得として受け取れるようになります。ローンの返済期間は数十年に及ぶケースが多いため、早めに投資を始めるのがポイントです。

毎月受け取れる家賃収入が、公的年金を補完する私的年金として機能するので、老後の生活にゆとりが生まれるでしょう。 

④インフレ対策になるから

近年、インフレに伴う物価上昇で、日々の家計管理に苦労している方も少なくないはずです。現預金や有価証券といった金融資産だけで資産運用していると、インフレ時に資産価値が目減りしてしまう恐れがあります。

これに対し、不動産は現物資産のため、物価上昇に伴って物件価格も高まるのが基本です。資産の一部を金融資産から不動産に振り分けておけば、インフレ対策としての効果が期待できます。

⑤本業が忙しくても取り組めるから

不動産投資は賃貸経営なので、「本業が忙しいと難しいのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、後述するように、賃貸経営業務のほとんどは不動産管理会社に委託できます。

不動産管理会社に業務を委託すれば、オーナー自身が日常的に対応すべき業務はほぼありません。そのため、本業で忙しい会社員でも無理なく取り組むことができます。

忙しい方こそ取り組むべき不動産投資

前述のとおり、賃貸経営に必要な業務のほとんどは不動産管理会社に委託できます。本業が忙しい方にこそ、不動産投資は適しているといえるでしょう。

ここでは、不動産投資で必要となる業務を紹介し、忙しい方でも取り組める理由を解説します。 

不動産投資において必要な2種類の運営管理

不動産投資は賃貸経営であり、安定した家賃収入を得るには、適切な運営管理が欠かせません。

賃貸住宅の運営管理は、大きく「入居者管理」と「建物管理」の2つに分類されます。それぞれの内容を見ていきましょう。 

1.入居者管理(賃貸管理)

新たな入居者が決まった際の契約業務、退去時の手続き、入居者への日々のサポート、クレーム対応などの業務が「入居者管理」です。賃貸管理と呼ばれることもあります。具体的な業務としては、次のようなものが挙げられます。

  • 入居者の募集業務 
  • 入居希望者との賃貸借契約業務 
  • 既存賃貸借契約の更新管理業務 
  • 入居者からの要望やクレーム/トラブル対応業務 
  • 家賃回収・滞納者への督促業務 
  • 退去時の解約や立ち会いに関する業務

これらの業務は、入居率の安定化や入居者満足度の向上に直結するため、対応が不十分だと、期待した家賃収入が得られなくなる恐れがあります。

2.建物管理

清掃や設備点検、修繕といった、建物のハード面に関わる管理業務が建物管理です。主な業務として次のようなものが挙げられます。

  • 共用部の清掃業務 
  • 共用部設備の定期点検、修繕業務 
  • エレベーターの法定点検、安全管理業務 
  • 日常的な巡回業務 
  • 退去発生時の原状回復、リフォーム工事業務 
  • 管理計画の策定業務 など

建物管理が疎かだと、入居者の生活水準の低下を招き、物件の資産価値も低下する恐れがあります。長期的に安定した収益を上げるには、適切な建物管理が不可欠です。

運営管理業務の一切を担う不動産管理会社

前述のとおり、不動産投資では、これらの運営管理業務を不動産管理会社に委託するのが一般的です。

オーナーからの管理委託手数料を収入源とする点は共通ですが、入居者の仲介業務まで担うかどうかは会社によって異なります。仲介業務まで対応する「仲介管理会社」に依頼すれば、ほぼすべての運営管理業務を任せることができます。

ベルテックスでは、賃貸管理から建物管理、仲介業務まで包括的にサポートしています。 

管理委託の物件においてオーナーがやるべきこと

不動産管理会社に運営管理業務を委託した場合、オーナーが担うべき業務は、管理委託の方法によって異なります。

不動産管理会社に運営管理業務を委託する「一般管理」では、家賃や敷金など、オーナーの収益に関わる条件は、オーナー自身の裁量で決められます。そのため、各種条件を不動産管理会社と協議したり、入居希望者の審査に関与したりといった業務が発生します。

一方、不動産管理会社が物件を一括して借り上げる「サブリース方式」の場合、賃料設定や入居契約などもすべて管理会社側が行います。

オーナーの日常的な業務はほぼなく、保証された家賃収入から管理会社が一定額を差し引いた賃料(サブリース賃料)を毎月受け取る仕組みです。その代わり、賃貸条件に関するオーナーの裁量は一般管理に比べて小さくなります。

年収800万円の方が取り組むならワンルームマンション投資!その理由とは?

不動産投資のうち、実際の物件に投資するのが現物不動産投資です。現物不動産投資にも、投資する物件の違いによってさまざまな種類があります。このうち、年収800万円の方が取り組むのにおすすめなのはワンルームマンション投資です。

ワンルームマンション投資とは、区分マンションの1戸ないしは複数戸に投資する手法のことです。ここでは、年収800万円の方にワンルームマンション投資をおすすめする理由を解説します。

比較的少ない初期投資で始められるから

ワンルームマンション投資は、物件を丸ごと購入する一棟アパート投資などに比べて物件価格が安いため、初期投資を抑えることができます。

冒頭で紹介したように、年収800万円の方であれば6,000万〜8,000万円程度の不動産投資ローンを組める可能性があります。これだけの融資があれば、都心部の好立地な物件でも十分に投資可能です。

初期投資が小さいので、1件目の賃貸経営が安定すれば、2件目・3件目と買い増していくこともできます。運用する部屋数が増えることで資産拡大を図れるだけでなく、空室や家賃滞納によって収支が悪化するリスクを分散することも可能です。 

賃貸ニーズが安定的で売却もしやすいから

都心部の管理が行き届いたマンションであれば、購入から年数が経過しても、安定した賃貸ニーズが見込める点もポイントです。空室が生じたとしても次の入居者が決まりやすく、家賃収入のない期間が短くなり、収入が安定しやすくなります。

また、売却のしやすさもワンルームマンション投資の魅力です。一棟アパートの場合、買い手は基本的に投資家に限定されますが、ワンルームマンションの場合、自宅用に購入する一般消費者(実需層)もターゲットになるからです。

現金化しやすいため、まとまった資金が必要になった場合でも対応しやすいでしょう。 

運営管理の項目が少ないから

運営管理業務は不動産管理会社に任せられるとしても、オーナーとして、物件の現況をある程度気にかける必要はあります。ワンルームマンション投資であれば、そもそも専有部のみを管理すればいいので、運営管理が必要な項目自体が少ないというのもメリットです。

専有部しか管理できないので運営管理に関する自由度が低い反面、管理費や修繕積立金さえ支払っておけば、共用部の管理に関することはマンションの管理会社に任せられます。そのため、本業の忙しい会社員におすすすめです。

年収800万円での不動産投資による節税効果

不動産投資のメリットとしてよく語られる節税効果ですが、年収800万円の方が不動産投資に取り組んだ場合、どの程度の効果が期待できるのでしょうか。

シミュレーションを通して、年収800万円における節税効果を具体的に検証してみましょう。

【年収別】所得税・住民税の節税効果シミュレーション

不動産投資による節税効果は、一般的に年収が高くなるほど大きくなります。

ここでは、年収500万・800万・1,300万の3パターンで、不動産投資をする場合としない場合の税額を比較し、どの程度まで節税できるのか検証しましょう。シミュレーションにあたっての条件は次のとおりです。

  • 不動産所得:年間50万円の赤字
  • 基礎控除(所得税) :48万円
  • 基礎控除(住民税) :43万円
  • 住民税率 :10%(均等割を除く)
  • その他  :基礎控除以外の控除は考慮しないものとする

また、シミュレーションの前提となる給与所得は以下のとおりとします。 

 

給与所得

年収500万円 

356万円 

年収800万円 

610万円 

年収1,300万円 

1,105万円 

次に、課税所得別の所得税率(復興特別所得税を含む)と控除額は以下のとおりです。 

課税所得 

所得税率 

控除額 

1,000円〜194万9000円 

5.105% 

0円 

195万円〜329万9,000円 

10.21% 

9万7,500円 

330万円〜694万9,000円 

20.42% 

42万7,500円 

695万円〜899万9,000円 

23.483% 

63万6,000円 

900万円〜1,799万9,000円 

33.693% 

153万6,000円 

1,800万円〜3,999万9,000円 

40.84% 

279万6,000円 

4,000万円〜 

45.945% 

479万6,000円 

不動産投資をする場合と不動産投資をしない場合、それぞれの所得税は次の計算式で求められます。

不動産投資をしない場合 

(給与所得×税率)−控除額−基礎控除 

不動産投資をする場合 

(給与所得−不動産所得の赤字分)×税率−控除額−基礎控除 

上記の計算式に当てはめたとき、年収別の納税額と不動産投資による節税効果は次のようになります。 

           

 

不動産投資をしない場合 

不動産投資をする場合 

年収500万円 

52万9,900円 

42万8,900円 

→10万1,000円の節税効果 

年収800万円 

128万7,100円 

113万5,000円 

→15万2,100円の節税効果 

年収1,300万円 

308万7,300円 

286万8,800円 

→21万8,500円の節税効果 

こうして比較すると、年収800万円では年収500万と節税効果がそれほど変わりません。一方、年収1,300万以上になると節税効果が大きくなることがわかるでしょう。 

【引用】国税庁「No.2260 所得税の税率」2025年4月14日現在

【引用】原田会計事務所「給与所得控除額早見表」2025年4月14日現在

年収800万円で節税効果を狙うなら別の手段を考える

上記のシミュレーションのとおり、年収800万円だと不動産投資による節税効果は限定的です。不動産投資をするなら、節税目的というよりも、長期的な資産形成や将来の私的年金を目的に取り組むことをおすすめします。

年収800万円の方が節税効果を期待するであれば、下記に挙げる3つの方法を検討するとよいでしょう。

年収800万円で取り組みたい節税方法①ふるさと納税

手軽に取り組める節税方法として人気なのが「ふるさと納税」です。応援したい自治体に寄付すると、寄付額から自己負担額2,000円を差し引いた全額が、所得税・住民税から控除されます。寄付のお礼として受け取れる返礼品も大きな魅力です。

ふるさと納税には、年収や家族構成、その他の控除額に応じた控除上限額が設定されています。節税目的で取り組むなら、上限額をシミュレーションし、その範囲内で寄付することが大切です。

なお、年収800万円の場合、上限額の目安は、独身や共働き夫婦で約13万円程度、配偶者控除を適用する夫婦世帯で約11万9,000円程度です。

【引用】ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」2025年4月14日現在

年収800万円で取り組みたい節税方法②NISA

少額投資非課税制度「NISA」は、NISA口座を使って運用する場合、株式、投資信託、REITの売買益・配当金・分配金にかかる税金が非課税となる制度です。

本来であれば20.315%の所得税(復興特別所得税を含む)が課せられるため、NISAを活用することで、資産形成における税負担を軽減できます。

2024年に制度が改正され、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円、生涯で合計1,800万円分の非課税枠を利用できるようになりました。 

年収800万円で取り組みたい節税方法③iDeCo

NISAと同様に活用したいのが、個人型確定拠出年金「iDeCo」です。自分で決めた掛金を65歳になるまで積み立て、原則60歳以降に一時金や年金として受け取れます。

掛金を運用して得た収益は非課税になるうえ、掛金自体が全額所得控除の対象となるのがポイントです。積立期間中は、毎年積立額に応じた所得税・住民税の節税効果を得られます。

また、一時金や年金として受け取る際にも控除を受けられるなど、長期にわたって節税メリットがあるのも魅力です。

【参考】原田会計事務所「給与所得控除額早見表」2025年4月14日現在
【参考】ふどなび「年収800万円になったら不動産投資をした方が良い6つの理由」2021年8月31日更新
【参考】ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」2025年4月14日現在
【参考】SBI証券「2024年からのNISAの制度変更について」2025年4月14日現在
【参考】SBI証券「SBI証券のiDeCo」2025年4月14日現在

不動産投資による老後の月収入シミュレーション

年収800万円の方が不動産投資に取り組むメリットとして大きいのが、老後の私的年金としての効果です。

ここでは、以下の条件で老後の月収入をシミュレーションしてみます。なお、不動産投資ローンはすでに完済しているものとします。

【所有物件】 中古ワンルームマンション5室
【家賃収入】月10万円/月10.5万円/月9万円/月9.5万円/月10万円→合計月39.5万円
【管理委託手数料】家賃収入の5%→39.5万円×5%=月1万9,750円
【管理費・修繕積立金】1戸あたり月3万円→合計月15万円
【固定資産税・都市計画税】1戸あたり年間5万円→合計年間25万円 

まず、年間の手取り収入を求めてみましょう。年間の家賃収入は474万円、管理委託手数料は23万7,000円、管理費・修繕積立金は180万円なので、年間手取り収入は次のように計算できます。

年間手取り収入=474万円−23万7,000円−180万円−25万円=245万3,000円

よって、月々の手取り収入は245万3,000円÷12≒約20万4,000円となります。これはあくまでも試算ですが、ワンルームマンション投資は私的年金として大きな効果を発揮する可能性があります。

年収800万円の方が不動産投資を成功させるためのポイント

年収800万円の方が不動産投資を成功させるには、次に紹介するポイントを押さえる必要があります。1点ずつ確認していきましょう。 

不動産投資のリスクをしっかり理解しておく

不動産投資は安定した家賃収入を得られる反面、空室リスクや家賃滞納リスクなど、特有のリスクも存在します。代表的な10のリスクをまとめたものが以下の表です。 

空室リスク  

空室が発生して家賃収入がなくなるリスク  

家賃滞納リスク  

入居者の家賃滞納により収入がなくなるリスク  

家賃下落リスク  

周辺の家賃相場が下落し、収入が少なくなるリスク  

資産価値下落リスク  

資産価値の低下により、入居者がつきにくくなるリスク  

流動性リスク  

売りたいときに売れず、現金化できないリスク  

修繕費リスク  

高い修繕費で収支が悪化するリスク  

老朽化リスク  

老朽化で想定外の修繕が発生するリスク  

金利上昇リスク 

ローン金利上昇で、月々の返済額が増えるリスク  

自然災害リスク  

災害で物件が使えなくなるリスク、修繕費用が発生するリスク  

事故物件リスク  

物件で死亡事故や孤独死などが発生し、空室や家賃下落が生じるリスク 

ただし、これらのリスクの多くは事前の対策で軽減できます。不動産投資を成功させるには、どのようなリスクがあるのかを十分理解しておくことが大切です。

投資する物件は慎重に選ぶ

不動産投資の成否は物件選びで決まると言っても過言ではありません。長期運用を目的に投資するなら、将来にわたって安定した賃貸ニーズが見込める物件を選ぶ必要があります。

物件広告などに記載されている利回りの多くは、物件から得られる年間家賃収入を物件価格で割った「表面利回り」です。この利回りは、年間にかかる経費を反映していないほか、価格の安い物件で数値が高くなりやすいという特徴があります。

そのため、表面利回りばかりに気を取られていると、物件選びを誤る恐れがあります。

経費も考慮した実質利回りや周辺エリアの賃貸市場の状況なども考慮し、慎重に物件を選ぶことが、不動産投資を成功させるための鍵です。

ローンを組む場合でも一定の自己資金は準備する

初期投資にローンを活用できる不動産投資では、頭金なしのフルローンで投資をスタートすることも可能です。ただし、実際に運用を始めると、突発的な修繕対応などの想定外の出費が発生するケースもあります。

賃貸経営を安定させるには、こうした事態に対応できるだけの自己資金は手元に準備しておかなければなりません。不動産投資ローンを活用する前提であっても、自己資金には余裕を見ておいたほうがよいでしょう。

自己資金が潤沢なほうが、ローンも有利な条件で借りやすくなります。不動産投資を始めたときの収支や資金計画のイメージをつかみたい方は、ベルテックスが提供する不動産投資専門の高性能シミュレーションをおすすめします。

信頼できる不動産管理会社に委託する

不動産投資の収益性は、物件の管理状態に大きく左右されます。どれだけ賃貸ニーズの高い好立地な物件であっても、業務を委託する不動産管理会社の質が高くなければ、安定的な家賃収入を得ることは難しいでしょう。

入居者募集から日常的な対応まで、物件の管理運営を代行する不動産管理会社は、賃貸経営における大切なパートナーです。信頼できる不動産管理会社を見つけることが、不動産投資成功への近道と考え、会社選びは慎重に行いましょう。

まとめ

年収800万円の方が資産運用に取り組むなら不動産投資がおすすめです。安定した家賃収入が貴重な副収入になるだけでなく、インフレ対策や老後の私的年金としての効果も期待できます。

業務の大半は不動産管理会社に委託できるため、本業が忙しい会社員の方でも取り組みやすいでしょう。

「不動産投資は節税効果が高い」と言われますが、年収800万円における節税効果は限定的です。年収800万円で取り組む場合、節税よりも長期的な資産形成や将来の私的年金づくりを目的にすることをおすすめします。

ベルテックスの個別相談では、ご自身のライフプランや資産形成の考え方を丁寧にヒアリングし、一人ひとりの目的に合った不動産投資の方法を提案しています。これから不動産投資を始めたいと考えているなら、検討の第一歩として個別相談をご活用ください。

この記事を監修した人

宮川 真一

税理士 税理士法人みらいサクセスパートナーズ 代表

岐阜県大垣市出身。一橋大学商学部を1996年に卒業後、1997年より税理士としてのキャリアをスタート。25年以上の経験を持ち、税務や財務に関する深い知識を生かし、1級FP技能士、CFP®、宅地建物取引士資格も取得。企業の取締役や監査役としても幅広く活躍し、財務コンサルティングや資産管理のエキスパートとして信頼を集めている。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。