2024.02.29

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

初心者におすすめの不動産投資は?マンション経営の基礎とリスクを解説!

  • はじめ方・基礎知識
  • マンション投資
  • 初心者

不動産投資は、購入する物件の種類によって始めやすさやリスクが異なります。物件の種類は、主に区分マンション・マンション一棟・アパート一棟・戸建ての4種類です。初心者の場合、いきなり一棟所有は初期費用やリスクを考えるとハードルが高いかもしれません。不動産投資の初心者にはマンション経営がおすすめです。

この記事では、初心者でも始めやすいマンション経営について基礎知識やリスクを解説します。

不動産投資の初心者におすすめの物件は区分マンション

不動産投資の初心者にはマンション経営、なかでも区分マンション投資から始める方法がおすすめです。区分マンションとは、マンション一棟ではなくマンションの一室からはじめる不動産投資です。本項では、初心者にマンション経営をおすすめする理由からメリット、デメリットまでご紹介します。

初心者にマンション経営をおすすめする理由

マンションやアパートの一棟所有となると、莫大な初期費用がかかります。不動産投資の初心者にとっては難易度が高く、莫大なお金を動かす分大きなリスクを背負うことになります。しかし、区分マンションの場合、マンション一室から始められるため初期費用やリスクも一棟経営に比べ抑えられます。まずは一室から始めてみて、要領をつかめばもう一室と徐々に増やしていくと、初心者でも不動産投資を始めていきやすいのではないでしょうか。

アパート経営と区分マンション経営の違い

ここではよく比較されるアパート経営と区分マンション経営の違いについてご紹介します。アパート経営の不動産投資は、基本的に一棟所有です。それに対し、マンションは区分マンションとして、一室ずつ所有します。(※マンションの一棟所有もありますが、ここでは割愛します。)
以下にアパート経営とマンション経営の違いをまとめました。

  アパート経営 区分マンション経営
不動産の種類 一棟で管理 一室からOK
ローンの頭金 数百万~ 0円~
頭金なしでも可能
収入 部屋の数だけ収入が得られる。  一室分または購入した部屋の分だけ。
価格帯 広さや建材によって価格が全く異なるため予算が立てにくい。
マンション一棟よりも安価な資金で建設できる。
予算が立てやすい。(マンション一室分)
管理や手間 共用部の管理
建物の修理・修繕
入居者募集や審査
家賃の回収
自主管理または管理委託で大きく異なる。
ほぼ管理会社にお任せのため手間が掛からない。
家賃収入以外の利益 共益費
礼金
駐車場費用
契約更新費
礼金
契約更新費
アパート経営に比べて家賃収入以外で得られる利益は少ない。
支出 ローン返済額
光熱費
広告費
管理手数料
修理費
修繕費
税金(固定資産税など)
ローン返済額
管理手数料
税金(固定資産税など)
修繕費

以上の事からも、アパート経営は一棟所有のため建物全体を管理しなければなりません。それに対し、マンション経営は一室から不動産投資ができるため、購入した部屋の数だけ管理すればよいので、管理や初期費用の負担などが少ないため始めやすいです。

マンション経営のメリットとデメリットとは

初心者がマンション経営を始めるうえで、押さえておきたいメリットとデメリットをご紹介します。

【区分マンション】

メリット ・一室または購入した部屋の分だけ管理するので、一棟所有より管理の手間がかからない。
・自己資金が少なくても始められる。
・管理は管理会社に委託することが多いので購入後、手間はほとんどかからない。
・空室が出にくい好立地の物件を選択できる。
・不動産投資を辞める際、売却しやすい。
・アパート経営より投資額が低いため、金利上昇の影響も比較的少ない。
・立地条件が異なるマンションを複数購入することで分散投資が可能。
・ローンを組むと団体信用生命保険(団信)に加入するため、生命保険と保証が重複する可能性がある。
デメリット ・空室になると家賃収入がゼロになる。
・物件の管理に関する権限が限られる。
・アパート経営など一棟所有に比べ利回りが低い。

マンション経営をはじめ不動産投資で最も大切なことは、空室期間を短くすることです。
空室があると、家賃収入はゼロになってしまいます。
入居してもらいやすい物件または条件を事前に調査し、情報収集することが大切です。

マンション経営に必要な基礎知識とは?

マンション経営を始める際は、購入前の事前調査、情報収集が大切です。
本項では、事前調査や情報収集を行う際に必要な基礎知識に関して5つご紹介します。

マンション経営に必要な基礎知識を学ぶ

初心者が不動産投資の勉強で押さえるべきポイントは5つです。

  1. 不動産投資の仕組み・流れを把握
    不動産投資でどのようにして収益を得るか、不動産購入後の手続き方法などの仕組みや流れを理解する。
  2. 不動産投資の目的を考える  
    投資にはリスクが伴うため「長期的に低リスクで収入を得たい」「高い利回りで儲けたい」など自身が不動産投資を行う目的を考える。
  3. 不動産投資の種類の違いを理解
    区分マンション、一棟アパート、戸建、一棟マンションなど、物件の種類の違い理解する。
  4. 不動産投資の専門用語を理解
    基礎知識を高めるためにも利回り、専任媒介契約、キャッシュフロー、サブリースなど、不動産投資の専門用語を理解する。
  5. 不動産投資の資金計画と税金の仕組みを理解
    自分にどれくらい資金があるかで購入できる物件も異なります。自身の資金計画を把握し、その後かかる税金などの費用も把握する。

これらの具体的な勉強方法は、インターネットでの情報収集や書籍、セミナーなどがあります。不動産投資に成功している人の意見を参考にすることも大切です。

マンション経営を始めるために必要なことは

マンション経営を始めるために必要なことは以下の通りです。

  • 物件選び
  • 資金計画のシミュレーション
  • 管理方法を決める

物件選び

物件選びには情報収集が大切で、「立地」と「建物」がポイントです。

  ポイント 具体的な対策
立地 どこのエリアに物件を購入すれば運営が安定するか。  人口が増えているエリアを探す。
駅の近くなど便利で住みやすいか。
建物 どのような物件だと人気が高いか。 間取りや設備、耐震性、防犯などを考慮する。

どこのエリアに物件を購入すれば運営が安定するか、どのような物件だと人気が高いか考えて物件を選びましょう。
購入する物件の候補が決まれば、一度下見に行って自分の目で確かめることも大切です。

資金計画のシミュレーション

物件選びの候補が決まれば、次は実際に資金計画のシミュレーションを行いましょう。
資金計画のシミュレーションのポイントは以下の通りです。

  • どれだけ自己資金が用意できるか
  • 銀行からいくら借りられるか
  • 毎月の利益はどのくらい出るのか
  • ランニングコストはどの程度かかるのか
  • 毎月の返済額はいくら必要か

融資を受ける場合、業種や年収によって借りられる金額は異なります。自己資金と銀行から借りられる金額から予算を決めて物件を選びましょう。

マンション経営の主な利益は家賃収入です。入居者から支払われた家賃収入からローン返済や管理費を引いた分が利益となります。

【例 家賃10万円の場合】
家賃(10万円)-ローン返済(例7万円)-管理費(例1万円)=利益2万円

予算に見合った資金計画を立てましょう。

管理方法を決める

物件購入後は、管理方法を決める必要があります。管理方法は、自主管理か管理業者へ委託するかで異なります。以下に自主管理と管理業者へ委託する場合のポイントをまとめました。

自主管理 ・管理委託費がかからない。
・入居者とコミュニケーションを取るため、入居者と良好な関係を作れる。
・時には緊急対応などもあり手間がかかるので、副業の場合本業に支障をきたす恐れがある。
・入居者が家賃を滞納した場合督促が必要。
管理業者へ委託 ・入居者の募集や契約、家賃の回収、日々の掃除、クレーム対応、退去時の立ち会いなどこれらをすべて任せられる。
・不動産投資を副業で行う場合には便利。
・管理委託費が必要(管理費の相場:月額家賃の5%前後)。

自主管理は手間がかかるため、多くの不動産オーナーが委託管理を選んでいます。特にサラリーマンなど本業が忙しい方には、管理業者へ委託をおすすめします。

マンション経営を始めるために必要な資金

不動産投資を始めるために、必要な資金はどのくらいなのでしょうか。頭金なしでも購入できるのか気になるところですが、基本的にはマンション購入に必要な頭金は、物件価格の1割から3割と言われています。不動産投資には住宅ローンが使えません。

不動産投資には住宅ローンではなく、不動産投資ローンを使います。住宅ローンを組む場合、審査に職業や収入、勤務年数などが必要ですが、不動産投資ローンの場合は物件の審査もあります。ローンを組む物件が、不動産投資をするにあたって価値があるかどうか見極められます。

不動産投資ローンで借入した場合の返済シミュレーションを以下にご紹介します。

【3000万円を借り入れた場合】

  住宅ローン 不動産投資ローンA 不動産投資ローンB
金利(変動金利型) 0.5% 2.5% 3.5%
毎月返済額 7万7,875円 10万7,248円 12万3,987円
年間返済額 93万4,500円 128万6,976円 148万7,844円
総返済額(内支払い利息) 約3,271万円(約271万円) 約4,505万円(約1,505万円) 約5,208万円(約2,208万円)

※35年返済、元利均等返済、ボーナス返済無しとする

このように不動産投資ローンは住宅ローンに比べて金利が高く、同じ金額の物件を購入した場合でも毎月の返済額が高くなることを理解したうえで計画をたてましょう。

マンション経営の3つのリスク

マンション経営の3つのリスクと対処方法についてご紹介します。

マンション経営のリスク①空室

マンション経営で最もリスクとなるのは、空室です。特に区分マンションの場合、空室になると家賃収入がゼロになります。空室期間中は、マンションのローンを自分で返済していかなければなりません。空室の原因は人口の減少や、近隣にアパートやマンションが増えたなど自分だけでは回避できない様々な要因が考えられます。

空室を回避するために個々でできる対処方法は以下の通りです。

入居者のターゲット層の見直し 地域の特色を理解し、入居者のターゲットを見直す必要がある。
(ファミリー世帯あるいは単身者、学生等)
入居者のターゲットに合わせて生活に応じた必要な設備を検討する。
料金の見直し 家賃や敷金、礼金の値下げをする。
一度値下げした場合、再度値上げすることは難しいので値下げしても返済できるかシミュレーションを必ず行いましょう。
募集資料の見直し 管理会社へ委託している場合は、管理会社に相談しましょう。
物件の写真が古くなっている場合は取り直す。
掲載情報の更新が必要。
付加価値をつける マンションによって付加価値の条件が異なる。
無料インターネット環境の整備やペットOK、宅配ボックスの設置、浴室換気乾燥機、ホームセキュリティーなどが人気。

 

マンション経営のリスク②老朽化

マンションは新築や築浅物件が人気です。購入してから築年数が経過した物件では、老朽化など様々な問題が発生します。一般的には築20年を超えた老朽化したマンションについて以下の問題点があります。

  • 市場競争力の低下
  • 修繕費などの支出の増加
  • 設備の減価償却期間の終了

競争力が低下して家賃が下がると、キャッシュフローが悪化します。長年同じ入居者が住み続けてくれればいいですが、途中で退去した場合、次の入居者を探そうとしても建物の築年数が長いと、再び入居者を探すのは困難です。築年数が経過して空室の発生が目立ってきた時は、新しい設備の導入やリフォームの検討が必要です。設備の導入やリフォームは、一時的な出費を伴いますが、空室率を改善できれば家賃による費用回収も十分に期待できます。

マンション経営のリスク③不動産価格の変動

不動産価格の変動も、マンション経営のリスクです。売却したいときに、不動産価格が下落していると想定していた金額で売却できない可能性があります。不動産価格のリスクを下げるためには、購入前の事前調査が大切です。不動産価格は、直近約10年など長期間の価格推移を参考にします。

不動産価格の確認方法は、国土交通省のホームページで公開されている「不動産価格指数」です。国土交通省はホームページで、約1ヶ月ごとに「不動産価格指数」というデータを公開しています。区分所有のマンションの不動産価格指数は、2013年以降右肩上がりとなっており、戸建てに比べて大幅に増加しています。

ただし、不動産価格は変動するため注意が必要です。変動の要因は以下の通りです。

  • 人口減少による土地価格の下落
  • 不景気
  • 事故や事件
  • 老朽化などによる物件価格の下落

不動産価格の変動は情勢の影響が大きいですが、個人でできる対処方法は以下の通りです。

購入前の事前調査 購入前に、土地の人口動態や開発計画などを事前に調べておく。
修繕 物件価格を下落させないために、定期的な修繕が必要。
景気動向を予測 景気の変動は不動産価格に影響するため、日経平均株価や人口の推移などの指標を調べる。
中古物件の場合 過去にあった事件や事故をチェック。

失敗しないマンション経営のポイント

マンション経営などの不動産投資は金額が大きく、リスクやリターンについての正しい知識を身に付けずに行うと失敗してしまいます。不動産投資を失敗してしまう人の特徴には、以下が挙げられます。

  • 情報収集不足
  • リスクを把握・理解できていない
  • 短期間で結果がでると思っている

マンション経営で失敗しないためにも、不動産投資を始めるためには、十分な情報収集と基礎知識を学び、自身でリスクの把握・理解することが大切です。

では、マンション経営にはどんな人が向いているのでしょうか。
この記事でご紹介したマンション経営は以下のような人におすすめです。

  • 少ない自己資金で不動産投資を始めたい人
  • 本業が忙しいサラリーマン
  • 老後の生活に不安がある人
  • 生命保険に払っているお金を軽減したい人

不動産投資は株やFXなど他の副業に比べて手間がかからないことから、副業としても人気です。

まとめ

この記事では、不動産投資の初心者でも始めやすいマンション経営について基礎知識やリスクを解説しました。マンションの区分所有は、マンションの一室から不動産投資を始められるため、リスクや初期投資が少ないため始めやすく、初心者にもおすすめです。まずは一室から初めて見て、様子を見ながら部屋数を増やしていくことも可能です。初心者でこれからマンション経営を検討されている方は、マンション経営の基礎とリスクをご参考に、まずは情報収集から始めてみましょう。

不動産投資をご検討の際にはぜひベルテックスにご相談ください!

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.02.29

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

初心者におすすめの不動産投資は?マンション経営の基礎とリスクを解説!

  • はじめ方・基礎知識
  • マンション投資
  • 初心者

不動産投資は、購入する物件の種類によって始めやすさやリスクが異なります。物件の種類は、主に区分マンション・マンション一棟・アパート一棟・戸建ての4種類です。初心者の場合、いきなり一棟所有は初期費用やリスクを考えるとハードルが高いかもしれません。不動産投資の初心者にはマンション経営がおすすめです。

この記事では、初心者でも始めやすいマンション経営について基礎知識やリスクを解説します。

不動産投資の初心者におすすめの物件は区分マンション

不動産投資の初心者にはマンション経営、なかでも区分マンション投資から始める方法がおすすめです。区分マンションとは、マンション一棟ではなくマンションの一室からはじめる不動産投資です。本項では、初心者にマンション経営をおすすめする理由からメリット、デメリットまでご紹介します。

初心者にマンション経営をおすすめする理由

マンションやアパートの一棟所有となると、莫大な初期費用がかかります。不動産投資の初心者にとっては難易度が高く、莫大なお金を動かす分大きなリスクを背負うことになります。しかし、区分マンションの場合、マンション一室から始められるため初期費用やリスクも一棟経営に比べ抑えられます。まずは一室から始めてみて、要領をつかめばもう一室と徐々に増やしていくと、初心者でも不動産投資を始めていきやすいのではないでしょうか。

アパート経営と区分マンション経営の違い

ここではよく比較されるアパート経営と区分マンション経営の違いについてご紹介します。アパート経営の不動産投資は、基本的に一棟所有です。それに対し、マンションは区分マンションとして、一室ずつ所有します。(※マンションの一棟所有もありますが、ここでは割愛します。)
以下にアパート経営とマンション経営の違いをまとめました。

  アパート経営 区分マンション経営
不動産の種類 一棟で管理 一室からOK
ローンの頭金 数百万~ 0円~
頭金なしでも可能
収入 部屋の数だけ収入が得られる。  一室分または購入した部屋の分だけ。
価格帯 広さや建材によって価格が全く異なるため予算が立てにくい。
マンション一棟よりも安価な資金で建設できる。
予算が立てやすい。(マンション一室分)
管理や手間 共用部の管理
建物の修理・修繕
入居者募集や審査
家賃の回収
自主管理または管理委託で大きく異なる。
ほぼ管理会社にお任せのため手間が掛からない。
家賃収入以外の利益 共益費
礼金
駐車場費用
契約更新費
礼金
契約更新費
アパート経営に比べて家賃収入以外で得られる利益は少ない。
支出 ローン返済額
光熱費
広告費
管理手数料
修理費
修繕費
税金(固定資産税など)
ローン返済額
管理手数料
税金(固定資産税など)
修繕費

以上の事からも、アパート経営は一棟所有のため建物全体を管理しなければなりません。それに対し、マンション経営は一室から不動産投資ができるため、購入した部屋の数だけ管理すればよいので、管理や初期費用の負担などが少ないため始めやすいです。

マンション経営のメリットとデメリットとは

初心者がマンション経営を始めるうえで、押さえておきたいメリットとデメリットをご紹介します。

【区分マンション】

メリット ・一室または購入した部屋の分だけ管理するので、一棟所有より管理の手間がかからない。
・自己資金が少なくても始められる。
・管理は管理会社に委託することが多いので購入後、手間はほとんどかからない。
・空室が出にくい好立地の物件を選択できる。
・不動産投資を辞める際、売却しやすい。
・アパート経営より投資額が低いため、金利上昇の影響も比較的少ない。
・立地条件が異なるマンションを複数購入することで分散投資が可能。
・ローンを組むと団体信用生命保険(団信)に加入するため、生命保険と保証が重複する可能性がある。
デメリット ・空室になると家賃収入がゼロになる。
・物件の管理に関する権限が限られる。
・アパート経営など一棟所有に比べ利回りが低い。

マンション経営をはじめ不動産投資で最も大切なことは、空室期間を短くすることです。
空室があると、家賃収入はゼロになってしまいます。
入居してもらいやすい物件または条件を事前に調査し、情報収集することが大切です。

マンション経営に必要な基礎知識とは?

マンション経営を始める際は、購入前の事前調査、情報収集が大切です。
本項では、事前調査や情報収集を行う際に必要な基礎知識に関して5つご紹介します。

マンション経営に必要な基礎知識を学ぶ

初心者が不動産投資の勉強で押さえるべきポイントは5つです。

  1. 不動産投資の仕組み・流れを把握
    不動産投資でどのようにして収益を得るか、不動産購入後の手続き方法などの仕組みや流れを理解する。
  2. 不動産投資の目的を考える  
    投資にはリスクが伴うため「長期的に低リスクで収入を得たい」「高い利回りで儲けたい」など自身が不動産投資を行う目的を考える。
  3. 不動産投資の種類の違いを理解
    区分マンション、一棟アパート、戸建、一棟マンションなど、物件の種類の違い理解する。
  4. 不動産投資の専門用語を理解
    基礎知識を高めるためにも利回り、専任媒介契約、キャッシュフロー、サブリースなど、不動産投資の専門用語を理解する。
  5. 不動産投資の資金計画と税金の仕組みを理解
    自分にどれくらい資金があるかで購入できる物件も異なります。自身の資金計画を把握し、その後かかる税金などの費用も把握する。

これらの具体的な勉強方法は、インターネットでの情報収集や書籍、セミナーなどがあります。不動産投資に成功している人の意見を参考にすることも大切です。

マンション経営を始めるために必要なことは

マンション経営を始めるために必要なことは以下の通りです。

  • 物件選び
  • 資金計画のシミュレーション
  • 管理方法を決める

物件選び

物件選びには情報収集が大切で、「立地」と「建物」がポイントです。

  ポイント 具体的な対策
立地 どこのエリアに物件を購入すれば運営が安定するか。  人口が増えているエリアを探す。
駅の近くなど便利で住みやすいか。
建物 どのような物件だと人気が高いか。 間取りや設備、耐震性、防犯などを考慮する。

どこのエリアに物件を購入すれば運営が安定するか、どのような物件だと人気が高いか考えて物件を選びましょう。
購入する物件の候補が決まれば、一度下見に行って自分の目で確かめることも大切です。

資金計画のシミュレーション

物件選びの候補が決まれば、次は実際に資金計画のシミュレーションを行いましょう。
資金計画のシミュレーションのポイントは以下の通りです。

  • どれだけ自己資金が用意できるか
  • 銀行からいくら借りられるか
  • 毎月の利益はどのくらい出るのか
  • ランニングコストはどの程度かかるのか
  • 毎月の返済額はいくら必要か

融資を受ける場合、業種や年収によって借りられる金額は異なります。自己資金と銀行から借りられる金額から予算を決めて物件を選びましょう。

マンション経営の主な利益は家賃収入です。入居者から支払われた家賃収入からローン返済や管理費を引いた分が利益となります。

【例 家賃10万円の場合】
家賃(10万円)-ローン返済(例7万円)-管理費(例1万円)=利益2万円

予算に見合った資金計画を立てましょう。

管理方法を決める

物件購入後は、管理方法を決める必要があります。管理方法は、自主管理か管理業者へ委託するかで異なります。以下に自主管理と管理業者へ委託する場合のポイントをまとめました。

自主管理 ・管理委託費がかからない。
・入居者とコミュニケーションを取るため、入居者と良好な関係を作れる。
・時には緊急対応などもあり手間がかかるので、副業の場合本業に支障をきたす恐れがある。
・入居者が家賃を滞納した場合督促が必要。
管理業者へ委託 ・入居者の募集や契約、家賃の回収、日々の掃除、クレーム対応、退去時の立ち会いなどこれらをすべて任せられる。
・不動産投資を副業で行う場合には便利。
・管理委託費が必要(管理費の相場:月額家賃の5%前後)。

自主管理は手間がかかるため、多くの不動産オーナーが委託管理を選んでいます。特にサラリーマンなど本業が忙しい方には、管理業者へ委託をおすすめします。

マンション経営を始めるために必要な資金

不動産投資を始めるために、必要な資金はどのくらいなのでしょうか。頭金なしでも購入できるのか気になるところですが、基本的にはマンション購入に必要な頭金は、物件価格の1割から3割と言われています。不動産投資には住宅ローンが使えません。

不動産投資には住宅ローンではなく、不動産投資ローンを使います。住宅ローンを組む場合、審査に職業や収入、勤務年数などが必要ですが、不動産投資ローンの場合は物件の審査もあります。ローンを組む物件が、不動産投資をするにあたって価値があるかどうか見極められます。

不動産投資ローンで借入した場合の返済シミュレーションを以下にご紹介します。

【3000万円を借り入れた場合】

  住宅ローン 不動産投資ローンA 不動産投資ローンB
金利(変動金利型) 0.5% 2.5% 3.5%
毎月返済額 7万7,875円 10万7,248円 12万3,987円
年間返済額 93万4,500円 128万6,976円 148万7,844円
総返済額(内支払い利息) 約3,271万円(約271万円) 約4,505万円(約1,505万円) 約5,208万円(約2,208万円)

※35年返済、元利均等返済、ボーナス返済無しとする

このように不動産投資ローンは住宅ローンに比べて金利が高く、同じ金額の物件を購入した場合でも毎月の返済額が高くなることを理解したうえで計画をたてましょう。

マンション経営の3つのリスク

マンション経営の3つのリスクと対処方法についてご紹介します。

マンション経営のリスク①空室

マンション経営で最もリスクとなるのは、空室です。特に区分マンションの場合、空室になると家賃収入がゼロになります。空室期間中は、マンションのローンを自分で返済していかなければなりません。空室の原因は人口の減少や、近隣にアパートやマンションが増えたなど自分だけでは回避できない様々な要因が考えられます。

空室を回避するために個々でできる対処方法は以下の通りです。

入居者のターゲット層の見直し 地域の特色を理解し、入居者のターゲットを見直す必要がある。
(ファミリー世帯あるいは単身者、学生等)
入居者のターゲットに合わせて生活に応じた必要な設備を検討する。
料金の見直し 家賃や敷金、礼金の値下げをする。
一度値下げした場合、再度値上げすることは難しいので値下げしても返済できるかシミュレーションを必ず行いましょう。
募集資料の見直し 管理会社へ委託している場合は、管理会社に相談しましょう。
物件の写真が古くなっている場合は取り直す。
掲載情報の更新が必要。
付加価値をつける マンションによって付加価値の条件が異なる。
無料インターネット環境の整備やペットOK、宅配ボックスの設置、浴室換気乾燥機、ホームセキュリティーなどが人気。

 

マンション経営のリスク②老朽化

マンションは新築や築浅物件が人気です。購入してから築年数が経過した物件では、老朽化など様々な問題が発生します。一般的には築20年を超えた老朽化したマンションについて以下の問題点があります。

  • 市場競争力の低下
  • 修繕費などの支出の増加
  • 設備の減価償却期間の終了

競争力が低下して家賃が下がると、キャッシュフローが悪化します。長年同じ入居者が住み続けてくれればいいですが、途中で退去した場合、次の入居者を探そうとしても建物の築年数が長いと、再び入居者を探すのは困難です。築年数が経過して空室の発生が目立ってきた時は、新しい設備の導入やリフォームの検討が必要です。設備の導入やリフォームは、一時的な出費を伴いますが、空室率を改善できれば家賃による費用回収も十分に期待できます。

マンション経営のリスク③不動産価格の変動

不動産価格の変動も、マンション経営のリスクです。売却したいときに、不動産価格が下落していると想定していた金額で売却できない可能性があります。不動産価格のリスクを下げるためには、購入前の事前調査が大切です。不動産価格は、直近約10年など長期間の価格推移を参考にします。

不動産価格の確認方法は、国土交通省のホームページで公開されている「不動産価格指数」です。国土交通省はホームページで、約1ヶ月ごとに「不動産価格指数」というデータを公開しています。区分所有のマンションの不動産価格指数は、2013年以降右肩上がりとなっており、戸建てに比べて大幅に増加しています。

ただし、不動産価格は変動するため注意が必要です。変動の要因は以下の通りです。

  • 人口減少による土地価格の下落
  • 不景気
  • 事故や事件
  • 老朽化などによる物件価格の下落

不動産価格の変動は情勢の影響が大きいですが、個人でできる対処方法は以下の通りです。

購入前の事前調査 購入前に、土地の人口動態や開発計画などを事前に調べておく。
修繕 物件価格を下落させないために、定期的な修繕が必要。
景気動向を予測 景気の変動は不動産価格に影響するため、日経平均株価や人口の推移などの指標を調べる。
中古物件の場合 過去にあった事件や事故をチェック。

失敗しないマンション経営のポイント

マンション経営などの不動産投資は金額が大きく、リスクやリターンについての正しい知識を身に付けずに行うと失敗してしまいます。不動産投資を失敗してしまう人の特徴には、以下が挙げられます。

  • 情報収集不足
  • リスクを把握・理解できていない
  • 短期間で結果がでると思っている

マンション経営で失敗しないためにも、不動産投資を始めるためには、十分な情報収集と基礎知識を学び、自身でリスクの把握・理解することが大切です。

では、マンション経営にはどんな人が向いているのでしょうか。
この記事でご紹介したマンション経営は以下のような人におすすめです。

  • 少ない自己資金で不動産投資を始めたい人
  • 本業が忙しいサラリーマン
  • 老後の生活に不安がある人
  • 生命保険に払っているお金を軽減したい人

不動産投資は株やFXなど他の副業に比べて手間がかからないことから、副業としても人気です。

まとめ

この記事では、不動産投資の初心者でも始めやすいマンション経営について基礎知識やリスクを解説しました。マンションの区分所有は、マンションの一室から不動産投資を始められるため、リスクや初期投資が少ないため始めやすく、初心者にもおすすめです。まずは一室から初めて見て、様子を見ながら部屋数を増やしていくことも可能です。初心者でこれからマンション経営を検討されている方は、マンション経営の基礎とリスクをご参考に、まずは情報収集から始めてみましょう。

不動産投資をご検討の際にはぜひベルテックスにご相談ください!

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。