2023.10.11

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資でワンルームはやめるべき?成功は事前リサーチが鍵!

  • はじめ方・基礎知識
  • マンション投資

近年、投資に興味を持つ人の間で注目されているワンルーム投資。不動産投資の中では比較的に低価格でサラリーマンでも手が出しやすいことから人気となっています。しかし、「ワンルーム投資はやめた方がいい」という声を耳にすることもありますが、実際のところどうでしょうか。

今回は、ワンルームマンション投資のメリット・デメリットや失敗しないためのポイントや注意点に関して解説していきます。

不動産投資でワンルームマンションを選ぶメリット

不動産投資にも様々なジャンルがありますが、それぞれ特徴を持っており、それぞれメリット・デメリットが存在します。まずは、ワンルーム投資における代表的な3つのメリットについて触れていきましょう。

比較的少ない自己資金で始められる

ワンルームマンションは1棟物件とは違い、普通のサラリーマンでも比較的手軽に購入することができます選ぶ立地や購入する不動産会社にもよるので一概には言えませんが、価格帯が低く購入時に必要となる頭金が準備しやすいことが大きな要因です。一般的には投資用不動産の融資を受ける際には、物件価格の10パーセント程の自己資金が必要と言われますが、この時点でも1棟物件と比べると自己資金に何百万円の差があります。

さらに銀行と強い関係性を構築している不動産会社では、自己資金が少なくても優遇されることがあります。このことを加味すると、比較的少額な自己資金でスタートすることが可能でしょう。

共有部分のメンテナンスが不要

マンションには居室など個人が使用する「専有部」と、他の所有者全員が使用する「共有部」があります。ワンルーム投資などの分譲マンションでは「管理人」や「管理組合」が存在し、共用部分の日常的な清掃や電球の取り換え、また、大規模修繕など全てのメンテナンスを一括して請け負っているのです。

1棟物件では、共用部分のメンテナンスは全て自分で行うことになります。物件の近所に住んでいて時間のある方であれば問題ありませんが、ほとんどの方はお金を支払って不動産管理会社と管理委託契約を結びメンテナンスをお願いすることになるでしょう。

会社員の副業にも適している 

ワンルーム投資は、本業で会社員として働く方の副業にとても最適です。サラリーマンのように本業があり、休日も家族との時間や趣味を大切にしたい方でも、一度購入してしまえば煩わしく負担になる過程は特にありません。また、時間がない中でも将来の資産形成をしたい方にとっては、おすすめの投資方法とも言えます。家賃収入による副収入のみならず、資産価値の増加が見込める物件を相場よりも安く購入することができれば、売却の際にも恩恵を受けられる可能性があるでしょう。

不動産投資でワンルームを選ぶデメリット

では反対にワンルーム投資のデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
今回はデメリットを2点挙げてみました。

空室時は収入がない

どの不動産投資においても共通のデメリットとなるのが、空室時の収入がゼロになってしまうことです。1棟物件は1部屋が空室になっても他の部屋からの家賃収入でマイナスにならない様、カバーできる利点があります。しかし、ワンルーム投資ではこのようなリスク分散の形をとることが不可能なので、デメリット回避が難しくなってしまうのです。賃貸人が退去後、原状回復工事やハウスクリーニングをなるべく早く終わらせて内覧可能状態にしておき、空室期間を長引かせないようにしなくてはいけません。

節税効果は限定的

不動産投資には節税を目的に行う方がいますが、ワンルーム投資で節税効果を継続的に得られる方は限られています。「年収1,200万円以上の方」かつ「木造など減価償却を大きくとれる物件の所有者」です。

年収が1,200万円を超えると所得税、住民税の税率が上がり多くの税金を納めなくてはいけません。その方々にとって、減価償却を利用して購入時の物件価格を経費計上することで年収1,200万円未満に抑え、所得税と住民税の税率を安くさせることが可能です。不動産投資では減価償却費を利用して節税対策をしますが、きちんと理解していないと節税効果は得られません。

投資用ワンルームマンションの選び方

ワンルーム投資を成功させるためには、入居者に好まれ続ける「ここならば」と妥協しない1部屋を厳選することが重要です。選ぶ際の決め手として、どのような点を重視すればよいのでしょうか。

中古と新築の特徴を理解する

まずは中古ワンルームマンションと新築ワンルームマンションの違いを明確に把握することが大切です。

中古ワンルームマンション

メリット デメリット
・購入価格が安い
・自己資金が準備しやすい
・表面利回りが高くなる
・キャピタルゲインを狙える
・引渡後に故障など修繕が必要になる場合がある
・実際に部屋の中を見ることができない
・古くて人気のない設備が使用されている場合がある

新築ワンルームマンション

メリット デメリット
・部屋の中をみることができる
・故障などすぐに修繕が必要になることがない
・入居開始後しばらくは築年数で入居希望者が多い
・物件評価が高く融資が通りやすい
・購入価格が高い
・利回りが低くなる
・売却時の価格が下落しやすい

賃貸需要が高いエリアを選ぶ

「単身者」をターゲットにした間取りのワンルームは、大学生や社会人、単身赴任者、高齢者と男女問わず幅広い層を狙うことができます。ファミリー世帯は小学校までの距離や公園が近場にあるかなど、子供優先に住環境の条件を考えますが、単身者世帯は駅からの距離とスーパーやコンビニ、薬局などのショッピング施設が近くにあるかを重視する傾向が強いです。また、女性は防犯面から「外国人が多い地域」や「工場地帯」の近くには住みたくないと思う人が多いでしょう。1つ1つきちんと選定して賃貸需要の高いエリアを選ぶことがワンルーム投資を成功に導く手段です。

エリア内で需要が高い間取りを選ぶ

賃貸需要の高いエリアの選定ができたら、次は間取りの選定です。不動産会社は、自社の予算内で購入できる決められた土地になんとか間取りを入れ込みます。入居者の使い勝手だけを考えて設計することは難しいので、ここでも注意が必要です。ワンルームの場合はベッドやテレビなどの家具設置スペースと収納スペースがポイントとなります。

【注意点】
・ベッドやテレビが置けるか、干渉しないか
・冷蔵庫や電子レンジの設置場所イメージがつくか
・クローゼットがあるか
・幅約60~90cmの人が通るための動線確保がされているか

ワンルーム投資の失敗を回避するためのポイント

ワンルーム投資マンションの選び方を解説しましたが、物件に関すること以外にも失敗を回避させるためのポイントがあります。違う目線から4点掘り下げてみましょう。

信頼できる不動産投資会社を選ぶ

1つ目は、不動産会社選びです。不動産会社にも良心的な不動産会社とそうでない会社があります。
退去費用を入居者からも家主からも多めに徴収したり、契約期間満了前に解約する入居者へ徴収する「違約金」や契約更新時に発生する「更新料」の家主への送金有無は、不動産会社それぞれです。
できることなら、1円でも多く自分の手元に送ってくれる不動産会社を選ぶことが理想的でしょう。物件購入時の営業トークだけで見極めることは難しいので、発生しうるケースについて細かく質問しておくことが大切です。また、インターネットサイトで「全国大家の会」を利用することも情報収集にはよいでしょう。

実質利回りを計算する

2つ目は、表面利回りだけではなく実質利回りを計算することです。
不動産投資の利回りは、物件価格と家賃収入を基に簡単に計算する「表面利回り」と年間諸経費・購入時の諸経費なども含めて計算した「実質利回り」があります。

【それぞれの計算式】


表面利回り(パーセント):
年間家賃収入÷物件価格×100


実質利回り(パーセント):
(年間家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

表面利回りは簡易的で、利回りの数値が高く算出されます。将来的に発生することが予測される諸経費をあらかじめ念頭に置いて計算をしておくと、リスクを大幅に回避出来るでしょう。

無理のない返済計画を立てる

3つ目は、他の借入とも同じで無理のない返済計画を立てることです。不動産投資は空室の場合、自分の給与から手出しが発生することを前提に考えましょう。
毎月6万円のローン返済計画だとして、毎月の給与が手取り30万円のサラリーマンに手出しができるでしょうか。独り身で実家暮らしであれば、給与からの返済が可能かもしれません。家族を養う男性で妻が専業主婦の場合は、とても厳しくなってくるかと思います。
無理をせず、空室や修繕費などの急な出費に対応できる額面での返済計画を立てましょう。

リスクを理解して対策を講じる

4つ目は、あらゆるリスクを事前に想定して対策を講じることです。

  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 家賃下落リスク
  • 物件の資産価値下落リスク
  • 流動性リスク(売却に時間がかかる)
  • 修繕費リスク
  • 物件の老朽化リスク
  • 金利上昇リスク
  • 自然災害リスク
  • 事故事件リスク

ワンルーム投資は比較的手軽に始めることができる一方で、ローン返済中に毎月手元に入ってくるお金は多くありません。返済計画と同じく、様々なリスクに給与からの手出しで対応できるかを理解して、対策を講じておく必要があります。対策を講じるか否かで失敗回避できるかが大きく変わってくるでしょう。

ワンルーム投資で融資を受ける際の注意点

最後にワンルーム投資で融資を受ける際に気を付けるべきポイントをご紹介します。しっかりと理解しないと、最悪の場合、金融機関から一括返済を迫られてしまいます。

住宅ローンは利用できない

不動産投資用ローンと住宅ローンは別物です。一般的には住宅ローンのほうが不動産投資用ローンよりも金利が低い傾向にありますが、不動産投資をおこなう際には、住宅ローンを利用することはできません

近年、不動産会社の営業担当が販売したいがために金融機関の借入審査時、消費者に「自分が居住する」と嘘をつくよう促すことが問題となっております。この嘘で、本来は適用できない住宅ローンを組ませるケースが全国的に発生しており、ニュースでも多々見かけます。嘘が発覚した場合、怖いのは金融機関から借入額の一括返済を求められてしまうことです。知らなかった、不動産会社に丸めこまれた、という言い訳は金融機関には通用しません。これらの問題に直面した消費者は、一括返済できず自己破産や多額の借金を背負っています。

フルローンを組む場合は無理をしない

先にお話しした通り、場合によっては自己資金なしのフルローンで組めることがワンルーム投資の良い点だとも言えます。しかし、フルローンを組む場合には月々の返済額も高くなってしまいます。

不動産投資を始める際には、基本的に「自己資金を貯めてから」というスタンスが望ましいですが、自己資金を貯める前に良い物件と巡り合ってしまうこともあります。やむを得ずフルローンを組む場合は、その物件がフルローンを組んで購入するほどの価値ある物件かどうか、念入りに調査の上で判断をしましょう。
給与からの手出しで対応できること、将来的に好まれる物件でいられること、キャピタルゲインを狙える物件であることなどを注視しましょう。

変動金利の上昇リスクを考慮する

固定金利を選択する方にはあまり関係のない話ですが、変動金利を選択する多くの方のキャッシュフローを左右する「金利上昇リスク」。投資用ローンも半年に一度金利の見直しがありますが、金利は住宅ローンよりも高い設定の上、もちろん住宅ローン減税なども活用することができません。大手金融機関で良い条件で借りることができたとしても、変動金利を選択した方全員に金利上昇のリスクは伴います。

ワンルーム投資は、自己資金次第では家賃収入と返済額がほぼ同額の方もいることでしょう。1~2パーセント金利が上昇した場合の利回り計算、キャッシュフローへの影響をあらかじめ把握しておくことが非常に重要です。

まとめ

ワンルーム投資は、大きな儲けがなく給与からの手出しをしなくてはいけないため、失敗しやすいと思っている人が多くいるかもしれません。

しかし、単身者世帯はターゲットとしては幅広く需要が見込め、成功の道も十分にあります。中古か新築か、エリアや間取りをどうするかで全く違う運用となるでしょう。ワンルーム投資で成功をさせたいのであれば、本記事の内容に沿った事前リサーチと仮説を立てることが大切です。

不動産投資をご検討の際にはぜひベルテックスにご相談ください!

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.11

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資でワンルームはやめるべき?成功は事前リサーチが鍵!

  • はじめ方・基礎知識
  • マンション投資

近年、投資に興味を持つ人の間で注目されているワンルーム投資。不動産投資の中では比較的に低価格でサラリーマンでも手が出しやすいことから人気となっています。しかし、「ワンルーム投資はやめた方がいい」という声を耳にすることもありますが、実際のところどうでしょうか。

今回は、ワンルームマンション投資のメリット・デメリットや失敗しないためのポイントや注意点に関して解説していきます。

不動産投資でワンルームマンションを選ぶメリット

不動産投資にも様々なジャンルがありますが、それぞれ特徴を持っており、それぞれメリット・デメリットが存在します。まずは、ワンルーム投資における代表的な3つのメリットについて触れていきましょう。

比較的少ない自己資金で始められる

ワンルームマンションは1棟物件とは違い、普通のサラリーマンでも比較的手軽に購入することができます選ぶ立地や購入する不動産会社にもよるので一概には言えませんが、価格帯が低く購入時に必要となる頭金が準備しやすいことが大きな要因です。一般的には投資用不動産の融資を受ける際には、物件価格の10パーセント程の自己資金が必要と言われますが、この時点でも1棟物件と比べると自己資金に何百万円の差があります。

さらに銀行と強い関係性を構築している不動産会社では、自己資金が少なくても優遇されることがあります。このことを加味すると、比較的少額な自己資金でスタートすることが可能でしょう。

共有部分のメンテナンスが不要

マンションには居室など個人が使用する「専有部」と、他の所有者全員が使用する「共有部」があります。ワンルーム投資などの分譲マンションでは「管理人」や「管理組合」が存在し、共用部分の日常的な清掃や電球の取り換え、また、大規模修繕など全てのメンテナンスを一括して請け負っているのです。

1棟物件では、共用部分のメンテナンスは全て自分で行うことになります。物件の近所に住んでいて時間のある方であれば問題ありませんが、ほとんどの方はお金を支払って不動産管理会社と管理委託契約を結びメンテナンスをお願いすることになるでしょう。

会社員の副業にも適している 

ワンルーム投資は、本業で会社員として働く方の副業にとても最適です。サラリーマンのように本業があり、休日も家族との時間や趣味を大切にしたい方でも、一度購入してしまえば煩わしく負担になる過程は特にありません。また、時間がない中でも将来の資産形成をしたい方にとっては、おすすめの投資方法とも言えます。家賃収入による副収入のみならず、資産価値の増加が見込める物件を相場よりも安く購入することができれば、売却の際にも恩恵を受けられる可能性があるでしょう。

不動産投資でワンルームを選ぶデメリット

では反対にワンルーム投資のデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
今回はデメリットを2点挙げてみました。

空室時は収入がない

どの不動産投資においても共通のデメリットとなるのが、空室時の収入がゼロになってしまうことです。1棟物件は1部屋が空室になっても他の部屋からの家賃収入でマイナスにならない様、カバーできる利点があります。しかし、ワンルーム投資ではこのようなリスク分散の形をとることが不可能なので、デメリット回避が難しくなってしまうのです。賃貸人が退去後、原状回復工事やハウスクリーニングをなるべく早く終わらせて内覧可能状態にしておき、空室期間を長引かせないようにしなくてはいけません。

節税効果は限定的

不動産投資には節税を目的に行う方がいますが、ワンルーム投資で節税効果を継続的に得られる方は限られています。「年収1,200万円以上の方」かつ「木造など減価償却を大きくとれる物件の所有者」です。

年収が1,200万円を超えると所得税、住民税の税率が上がり多くの税金を納めなくてはいけません。その方々にとって、減価償却を利用して購入時の物件価格を経費計上することで年収1,200万円未満に抑え、所得税と住民税の税率を安くさせることが可能です。不動産投資では減価償却費を利用して節税対策をしますが、きちんと理解していないと節税効果は得られません。

投資用ワンルームマンションの選び方

ワンルーム投資を成功させるためには、入居者に好まれ続ける「ここならば」と妥協しない1部屋を厳選することが重要です。選ぶ際の決め手として、どのような点を重視すればよいのでしょうか。

中古と新築の特徴を理解する

まずは中古ワンルームマンションと新築ワンルームマンションの違いを明確に把握することが大切です。

中古ワンルームマンション

メリット デメリット
・購入価格が安い
・自己資金が準備しやすい
・表面利回りが高くなる
・キャピタルゲインを狙える
・引渡後に故障など修繕が必要になる場合がある
・実際に部屋の中を見ることができない
・古くて人気のない設備が使用されている場合がある

新築ワンルームマンション

メリット デメリット
・部屋の中をみることができる
・故障などすぐに修繕が必要になることがない
・入居開始後しばらくは築年数で入居希望者が多い
・物件評価が高く融資が通りやすい
・購入価格が高い
・利回りが低くなる
・売却時の価格が下落しやすい

賃貸需要が高いエリアを選ぶ

「単身者」をターゲットにした間取りのワンルームは、大学生や社会人、単身赴任者、高齢者と男女問わず幅広い層を狙うことができます。ファミリー世帯は小学校までの距離や公園が近場にあるかなど、子供優先に住環境の条件を考えますが、単身者世帯は駅からの距離とスーパーやコンビニ、薬局などのショッピング施設が近くにあるかを重視する傾向が強いです。また、女性は防犯面から「外国人が多い地域」や「工場地帯」の近くには住みたくないと思う人が多いでしょう。1つ1つきちんと選定して賃貸需要の高いエリアを選ぶことがワンルーム投資を成功に導く手段です。

エリア内で需要が高い間取りを選ぶ

賃貸需要の高いエリアの選定ができたら、次は間取りの選定です。不動産会社は、自社の予算内で購入できる決められた土地になんとか間取りを入れ込みます。入居者の使い勝手だけを考えて設計することは難しいので、ここでも注意が必要です。ワンルームの場合はベッドやテレビなどの家具設置スペースと収納スペースがポイントとなります。

【注意点】
・ベッドやテレビが置けるか、干渉しないか
・冷蔵庫や電子レンジの設置場所イメージがつくか
・クローゼットがあるか
・幅約60~90cmの人が通るための動線確保がされているか

ワンルーム投資の失敗を回避するためのポイント

ワンルーム投資マンションの選び方を解説しましたが、物件に関すること以外にも失敗を回避させるためのポイントがあります。違う目線から4点掘り下げてみましょう。

信頼できる不動産投資会社を選ぶ

1つ目は、不動産会社選びです。不動産会社にも良心的な不動産会社とそうでない会社があります。
退去費用を入居者からも家主からも多めに徴収したり、契約期間満了前に解約する入居者へ徴収する「違約金」や契約更新時に発生する「更新料」の家主への送金有無は、不動産会社それぞれです。
できることなら、1円でも多く自分の手元に送ってくれる不動産会社を選ぶことが理想的でしょう。物件購入時の営業トークだけで見極めることは難しいので、発生しうるケースについて細かく質問しておくことが大切です。また、インターネットサイトで「全国大家の会」を利用することも情報収集にはよいでしょう。

実質利回りを計算する

2つ目は、表面利回りだけではなく実質利回りを計算することです。
不動産投資の利回りは、物件価格と家賃収入を基に簡単に計算する「表面利回り」と年間諸経費・購入時の諸経費なども含めて計算した「実質利回り」があります。

【それぞれの計算式】


表面利回り(パーセント):
年間家賃収入÷物件価格×100


実質利回り(パーセント):
(年間家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

表面利回りは簡易的で、利回りの数値が高く算出されます。将来的に発生することが予測される諸経費をあらかじめ念頭に置いて計算をしておくと、リスクを大幅に回避出来るでしょう。

無理のない返済計画を立てる

3つ目は、他の借入とも同じで無理のない返済計画を立てることです。不動産投資は空室の場合、自分の給与から手出しが発生することを前提に考えましょう。
毎月6万円のローン返済計画だとして、毎月の給与が手取り30万円のサラリーマンに手出しができるでしょうか。独り身で実家暮らしであれば、給与からの返済が可能かもしれません。家族を養う男性で妻が専業主婦の場合は、とても厳しくなってくるかと思います。
無理をせず、空室や修繕費などの急な出費に対応できる額面での返済計画を立てましょう。

リスクを理解して対策を講じる

4つ目は、あらゆるリスクを事前に想定して対策を講じることです。

  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 家賃下落リスク
  • 物件の資産価値下落リスク
  • 流動性リスク(売却に時間がかかる)
  • 修繕費リスク
  • 物件の老朽化リスク
  • 金利上昇リスク
  • 自然災害リスク
  • 事故事件リスク

ワンルーム投資は比較的手軽に始めることができる一方で、ローン返済中に毎月手元に入ってくるお金は多くありません。返済計画と同じく、様々なリスクに給与からの手出しで対応できるかを理解して、対策を講じておく必要があります。対策を講じるか否かで失敗回避できるかが大きく変わってくるでしょう。

ワンルーム投資で融資を受ける際の注意点

最後にワンルーム投資で融資を受ける際に気を付けるべきポイントをご紹介します。しっかりと理解しないと、最悪の場合、金融機関から一括返済を迫られてしまいます。

住宅ローンは利用できない

不動産投資用ローンと住宅ローンは別物です。一般的には住宅ローンのほうが不動産投資用ローンよりも金利が低い傾向にありますが、不動産投資をおこなう際には、住宅ローンを利用することはできません

近年、不動産会社の営業担当が販売したいがために金融機関の借入審査時、消費者に「自分が居住する」と嘘をつくよう促すことが問題となっております。この嘘で、本来は適用できない住宅ローンを組ませるケースが全国的に発生しており、ニュースでも多々見かけます。嘘が発覚した場合、怖いのは金融機関から借入額の一括返済を求められてしまうことです。知らなかった、不動産会社に丸めこまれた、という言い訳は金融機関には通用しません。これらの問題に直面した消費者は、一括返済できず自己破産や多額の借金を背負っています。

フルローンを組む場合は無理をしない

先にお話しした通り、場合によっては自己資金なしのフルローンで組めることがワンルーム投資の良い点だとも言えます。しかし、フルローンを組む場合には月々の返済額も高くなってしまいます。

不動産投資を始める際には、基本的に「自己資金を貯めてから」というスタンスが望ましいですが、自己資金を貯める前に良い物件と巡り合ってしまうこともあります。やむを得ずフルローンを組む場合は、その物件がフルローンを組んで購入するほどの価値ある物件かどうか、念入りに調査の上で判断をしましょう。
給与からの手出しで対応できること、将来的に好まれる物件でいられること、キャピタルゲインを狙える物件であることなどを注視しましょう。

変動金利の上昇リスクを考慮する

固定金利を選択する方にはあまり関係のない話ですが、変動金利を選択する多くの方のキャッシュフローを左右する「金利上昇リスク」。投資用ローンも半年に一度金利の見直しがありますが、金利は住宅ローンよりも高い設定の上、もちろん住宅ローン減税なども活用することができません。大手金融機関で良い条件で借りることができたとしても、変動金利を選択した方全員に金利上昇のリスクは伴います。

ワンルーム投資は、自己資金次第では家賃収入と返済額がほぼ同額の方もいることでしょう。1~2パーセント金利が上昇した場合の利回り計算、キャッシュフローへの影響をあらかじめ把握しておくことが非常に重要です。

まとめ

ワンルーム投資は、大きな儲けがなく給与からの手出しをしなくてはいけないため、失敗しやすいと思っている人が多くいるかもしれません。

しかし、単身者世帯はターゲットとしては幅広く需要が見込め、成功の道も十分にあります。中古か新築か、エリアや間取りをどうするかで全く違う運用となるでしょう。ワンルーム投資で成功をさせたいのであれば、本記事の内容に沿った事前リサーチと仮説を立てることが大切です。

不動産投資をご検討の際にはぜひベルテックスにご相談ください!

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。