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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
不動産投資は実質利回りが重要?相場や経費となる項目・選定ポイントとは
- はじめ方・基礎知識
- 利回り
不動産投資を始めるにあたり、投資物件の利回りを重視する人は多いかと思います。広告や物件資料に記載されている表面利回りの数値を鵜呑みにしてしまうと、実際の利回りと大きく異なり想定外の収益率の低さに驚くでしょう。不動産投資では、「表面利回り」ではなく「実質利回り」でリスクを考慮したシミュレーションをすることが大切です。
不動産投資の実質利回りとは
利回りとは、投資を行うにあたり指標となる収益率の目安を指します。
不動産投資で使用される「実質利回り」とは固定資産税や火災保険、修繕積立金など実際に不動産経営を行う上で発生する費用を含めて計算した年間の収益率です。不動産投資には他にも計算方法が異なる「利回り」という用語がいくつか存在しますが、投資物件を購入する際の判断材料としては、諸経費を含めて計算する実質利回りが最も信頼性が高いと言えるでしょう。
表面利回りとの違い
表面利回りは「単純利回り」とも言われます。その名の通り、諸経費は含めず「年間家賃収入÷購入時物件価格×100」という単純な計算式で数値を割り出します。
不動産会社の営業担当が投資初心者である顧客に説明がしやすく、諸経費を考慮せず利回りが高くなるため不動産業界の販促資料で使われている数値はほとんどが表面利回りです。
販促資料の利回りについて特に説明がない場合は、一度不動産会社へ確認してみましょう。
諸経費を考慮した実質利回りと比較すると、表面利回りで物件の収益性を計るには現実性に欠けます。表面利回りを重視しすぎず、大まかな指標の1つという認識にとどめておいた方がよいでしょう。
実質利回りの計算方法
(年間家賃収入-年間の諸経費)÷(購入時物件価格+購入時の諸経費)×100=実質利回り(%)
表面利回りの計算方法では、安価な物件を購入して家賃設定を高くすれば必然的に利回りが高くなります。
しかし、実質利回りの諸経費を含めた計算方法では、表面利回りと比べて利回りが低くなってしまうことは避けられません。さらに老朽化に伴い、修繕積立金などの維持費は将来的に上昇することが懸念されます。実質利回りを高く維持するためには、いかに諸経費を低く抑えられるかがポイントです。
実質利回りの計算に必要な項目
年間家賃収入は満室の仮定で「毎月の家賃×12ヵ月」の単純計算でよいでしょう。
では、実質利回りの計算式に充当する諸経費にはどのようなものが含まれるのでしょうか。
イメージが湧きやすいよう項目ごとに分類して解説します。
年間の諸経費
1つ目にかかるのは「年間の諸経費」で、代表的な項目は下記の通りです。
毎月発生する項目 | 突発的に発生する項目 |
---|---|
・管理費 ・修繕積立金 |
・火災(地震)保険料 ・補修・メンテナンス費 ・原状回復費 ・広告宣伝費 |
年間の諸経費は、毎月発生する項目と定期的に発生する項目があります。
毎月発生する項目はある程度年間でかかる金額が予測できますが、突発的に発生するポイントは「火災(地震)保険料」以外は予測しづらく注意が必要です。
「補修・メンテナンス費」は、軽微な補修や火災保険で対応可能な範囲であればさほど問題はありませんが、突然大きな出費となる場合があります。「原状回復費」のうち、基本的に故意・過失による損傷は借主負担ですが、経年劣化によるものは貸主負担で原状回復をしなくてはいけません。「広告宣伝費」は、退去が発生した後に新しい入居者を募集する際に賃貸仲介業者へ支払う費用です。1棟ものでは、3月の卒業シーズンには2~3室が一気に空室になるケースがみられます。
空室がなかなか埋まらない場合には、優先的にお部屋を紹介してもらうために広告宣伝費を2~3ヵ月分にアップする戦略をとることもあります。
固定資産税と都市計画税
2つ目は、「固定資産税」および「都市計画税」です。いずれも市町村によって課税される税金で、毎年1月1日時点で登記簿に記載されている所有者に請求されます。
固定資産税は、土地や家屋など固定資産を所有する人を対象に課税され、それぞれの資産を基に決められた固定資産評価額・課税標準を基に算出するものです。家屋、つまり建物は築年数とともに資産価値が下がることから、課税される固定資産税は年を追うごとに安くなります。都市計画税は、固定資産税の課税台帳に記載された土地・家屋の価格を基準するため、一般的には固定資産税にあわせて安くなるでしょう。
それぞれの計算式は、下記の通りです。
・課税標準額×1.4%=固定資産税
・課税標準額×0.3%=都市計画税
毎年発生するので年間の諸経費とも言えますが、相違点は「将来に向けて減少する」ことです。ちなみに都市計画税は課税されないケースもあります。
区域区分 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|---|
都市計画区域 | 市街化区域 | 課税 | 課税 |
市街化調整区域 | 課税 | 非課税 | |
非線引き区域 | 課税 | 条例などにより異なる | |
都市計画区域外 | 都市計画区域外 | 課税 | 非課税 |
購入時の諸経費
3つ目は「購入時の諸経費」で、代表的なものは下記の通りです。
購入時諸経費 |
---|
・不動産取得税 ・登録免許税 ・司法書士報酬 ・印紙代 ・不動産仲介手数料 ・ローン手数料 |
購入時の諸経費は、不動産会社が作成する見積書でおおよその金額は把握できます。交渉が上手くいけば不動産仲介手数料を値引きしてもらえる場合もありますが、購入時諸経費は金額を抑えることが難しい項目ばかりです。
先述の固定資産税や都市計画税を含む各種税金は、適用要件を満たすと特例の軽減措置を受けられます。しかし、適用要件を満たすかどうか曖昧な場合、特例を受ける前の金額でシミュレーションしておいた方が安心でしょう。
不動産投資における実質利回りの目安
実質利回りに関する特徴や計算方法に内容を絞って説明してきましたが、次は実質利回りの目安となる数値について解説します。
実質利回りの相場
利回りは地域や立地、築年数、間取りなどの諸条件によって大きく差があるため、安易に比較して判断できるものではありません。ただし、築年数や間取りが同じでも共通して言えるのは、都心ほど利回りが低く地方ほど利回りが高いことです。原因は、購入時の物件価格の違いにあります。これらを総合的に判断した実質利回りの相場としては、3%~5%程度が妥当でしょう。
最低ラインの目安
不動産投資において「利回りの最低ラインは5%」と言われることがありますが、このボーダーは表面利回りの数値です。実質利回りの最低ラインでいえば、3%程度にとどまるでしょう。ただし、3%前後の利回りだから悪い物件とは限りません。先述したように東京都心では物件価格の観点から利回りが低くなりがちですが、最低ラインぎりぎりでも資産価値として優れており、高値で売却されることもあります。
実質利回りのシミュレーションの精度を高めるコツ
未然に不動産投資の失敗を回避するために実質利回りのシミュレーションをしましょう。
ただシミュレーションするのではなく、実質の運用値により近づけた精度の高いシミュレーションが必要です。精度を高めるためにはいくつかのポイントがあります。
調査サイトを活用する
まずは、インターネットの検索エンジンから調査サイトを活用することです。媒介サイトなどの登録情報から、物件価格や諸経費の相場を把握しましょう。
次に利回り計算シミュレーションサイトを活用します。物件価格や家賃、諸費用を入力すると素早く自動計算してくれるので、比較する際には手動で行うよりも効率がよくミスが起こりにくいです。
幾度も計算を重ねると、購入すべき物件の条件が自然と絞れてきます。
メンテナンスを考慮する
そして、重要なのはリスクヘッジです。突発的に発生する費用の中でも、特にメンテナンスにかかる維持費用は試算することが難儀でしょう。
- 屋根の防水塗装
- 外壁の塗装
- 給湯器やエアコン、室外機など設備交換
- 給排水管の高圧洗浄や配管の取替
- 軽微な部品交換
他にも1棟ものであれば消防点検、木造であれば防蟻工事などの費用も発生します。
経年による老朽化は避けられず、外構や水回りに関するメンテナンス費用は特に高額です。不動産経営をする上で入居者から好まれ人気物件であり続けるためには、メンテナンスは欠かせません。老朽化リスクに備え、最大限のメンテナンス費を考慮したシミュレーションをしましょう。
複数のパターンを試算する
実質利回りは1パターンを信用するのではなく、必ず複数のパターンをシミュレーションしましょう。
利回りの数値を左右するものは、メンテナンス費用だけではありません。空室リスクや家賃下落リスク、金利上昇リスクなど多岐に渡ります。空室リスクであれば1ヵ月か6ヵ月かで違いが生じ、家賃下落リスクであれば1,000円と2,000円でも結果の数値は異なります。変動金利と固定金利でも全く異なる運用になり、変動金利を選択した場合には懸念される金利上昇幅に対応した試算が必要です。
【おすすめ関連記事】実質利回りとは?表面利回りとの違い・計算方法を解説
実質利回りが高い物件を選ぶポイント
実質利回りが低くても悪い物件ではないことをお伝えしましたが、投資家の心理としてはやはり利回りの高い物件を選んでおきたいものです。高利回り物件を購入したい人のために、実質利回りが高い物件を選ぶ際のポイントをご紹介します。
賃貸需要が高いエリアを選ぶ
最も重要ともいえるポイントは、賃貸需要が高いエリアを選ぶことです。駅から近いことや周辺施設が充実した環境にある物件は、継続的に入居者の需要があります。
今現在の人気エリアであることはもちろん、将来的に需要を見込めるエリアであることを重要視しましょう。地方物件で利回りが高くても、人口減少や利便性の発展がなく地域として衰退してしまうエリアでは数十年先の賃貸需要が心配です。エリア選定は、今後を見据えた賢い判断をしましょう。
対象エリアで需要が高い間取りを選ぶ
検討するエリア内で需要が高い間取りを選定することも重要ポイントです。例えば、近くに大学が多い学生エリアであればファミリー向けの間取りではなく、ワンルームの方が向いているでしょう。また、ファミリー向けの間取りは、少し駅が離れていても小学校や公園が近く閑静な住宅街が好まれます。
借り手のニーズを調査して、空室期間を減らすことで利回りを高く維持し続けましょう。
新築か築年数が浅い物件を選ぶ
年間の諸経費を抑える点では、新築か築浅物件を選ぶとよいでしょう。
表面利回りだけを注視するのであれば、物件価格が安い中古の方が利回りは高いです。しかし、築年数が経過している物件ほど、所有後の突発的なメンテナンス費が発生するタイミングに早く直面します。
メンテナンス費で年間の諸経費がかさみ、数値に大きな影響を与えてしまうので新築か築浅物件を選ぶことで、実質利回りを高く保てるでしょう。
まとめ
本記事では、実質利回りについて「精度の高いシミュレーションの重要性」や「実質利回りが高くなる物件のポイント」に重点をおいて解説しました。
表面利回りよりも正確性の高い実質利回りですが、より正確な値にするためにはメンテナンスを考慮した複数のパターンを試算することが必要です。
不動産投資を成功の道へ導くためには、実質利回りのシミュレーションは慎重に行いましょう。
不動産投資をご検討の際にはぜひベルテックスにご相談ください!
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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不動産投資は実質利回りが重要?相場や経費となる項目・選定ポイントとは
- はじめ方・基礎知識
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不動産投資を始めるにあたり、投資物件の利回りを重視する人は多いかと思います。広告や物件資料に記載されている表面利回りの数値を鵜呑みにしてしまうと、実際の利回りと大きく異なり想定外の収益率の低さに驚くでしょう。不動産投資では、「表面利回り」ではなく「実質利回り」でリスクを考慮したシミュレーションをすることが大切です。
不動産投資の実質利回りとは
利回りとは、投資を行うにあたり指標となる収益率の目安を指します。
不動産投資で使用される「実質利回り」とは固定資産税や火災保険、修繕積立金など実際に不動産経営を行う上で発生する費用を含めて計算した年間の収益率です。不動産投資には他にも計算方法が異なる「利回り」という用語がいくつか存在しますが、投資物件を購入する際の判断材料としては、諸経費を含めて計算する実質利回りが最も信頼性が高いと言えるでしょう。
表面利回りとの違い
表面利回りは「単純利回り」とも言われます。その名の通り、諸経費は含めず「年間家賃収入÷購入時物件価格×100」という単純な計算式で数値を割り出します。
不動産会社の営業担当が投資初心者である顧客に説明がしやすく、諸経費を考慮せず利回りが高くなるため不動産業界の販促資料で使われている数値はほとんどが表面利回りです。
販促資料の利回りについて特に説明がない場合は、一度不動産会社へ確認してみましょう。
諸経費を考慮した実質利回りと比較すると、表面利回りで物件の収益性を計るには現実性に欠けます。表面利回りを重視しすぎず、大まかな指標の1つという認識にとどめておいた方がよいでしょう。
実質利回りの計算方法
(年間家賃収入-年間の諸経費)÷(購入時物件価格+購入時の諸経費)×100=実質利回り(%)
表面利回りの計算方法では、安価な物件を購入して家賃設定を高くすれば必然的に利回りが高くなります。
しかし、実質利回りの諸経費を含めた計算方法では、表面利回りと比べて利回りが低くなってしまうことは避けられません。さらに老朽化に伴い、修繕積立金などの維持費は将来的に上昇することが懸念されます。実質利回りを高く維持するためには、いかに諸経費を低く抑えられるかがポイントです。
実質利回りの計算に必要な項目
年間家賃収入は満室の仮定で「毎月の家賃×12ヵ月」の単純計算でよいでしょう。
では、実質利回りの計算式に充当する諸経費にはどのようなものが含まれるのでしょうか。
イメージが湧きやすいよう項目ごとに分類して解説します。
年間の諸経費
1つ目にかかるのは「年間の諸経費」で、代表的な項目は下記の通りです。
毎月発生する項目 | 突発的に発生する項目 |
---|---|
・管理費 ・修繕積立金 |
・火災(地震)保険料 ・補修・メンテナンス費 ・原状回復費 ・広告宣伝費 |
年間の諸経費は、毎月発生する項目と定期的に発生する項目があります。
毎月発生する項目はある程度年間でかかる金額が予測できますが、突発的に発生するポイントは「火災(地震)保険料」以外は予測しづらく注意が必要です。
「補修・メンテナンス費」は、軽微な補修や火災保険で対応可能な範囲であればさほど問題はありませんが、突然大きな出費となる場合があります。「原状回復費」のうち、基本的に故意・過失による損傷は借主負担ですが、経年劣化によるものは貸主負担で原状回復をしなくてはいけません。「広告宣伝費」は、退去が発生した後に新しい入居者を募集する際に賃貸仲介業者へ支払う費用です。1棟ものでは、3月の卒業シーズンには2~3室が一気に空室になるケースがみられます。
空室がなかなか埋まらない場合には、優先的にお部屋を紹介してもらうために広告宣伝費を2~3ヵ月分にアップする戦略をとることもあります。
固定資産税と都市計画税
2つ目は、「固定資産税」および「都市計画税」です。いずれも市町村によって課税される税金で、毎年1月1日時点で登記簿に記載されている所有者に請求されます。
固定資産税は、土地や家屋など固定資産を所有する人を対象に課税され、それぞれの資産を基に決められた固定資産評価額・課税標準を基に算出するものです。家屋、つまり建物は築年数とともに資産価値が下がることから、課税される固定資産税は年を追うごとに安くなります。都市計画税は、固定資産税の課税台帳に記載された土地・家屋の価格を基準するため、一般的には固定資産税にあわせて安くなるでしょう。
それぞれの計算式は、下記の通りです。
・課税標準額×1.4%=固定資産税
・課税標準額×0.3%=都市計画税
毎年発生するので年間の諸経費とも言えますが、相違点は「将来に向けて減少する」ことです。ちなみに都市計画税は課税されないケースもあります。
区域区分 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|---|
都市計画区域 | 市街化区域 | 課税 | 課税 |
市街化調整区域 | 課税 | 非課税 | |
非線引き区域 | 課税 | 条例などにより異なる | |
都市計画区域外 | 都市計画区域外 | 課税 | 非課税 |
購入時の諸経費
3つ目は「購入時の諸経費」で、代表的なものは下記の通りです。
購入時諸経費 |
---|
・不動産取得税 ・登録免許税 ・司法書士報酬 ・印紙代 ・不動産仲介手数料 ・ローン手数料 |
購入時の諸経費は、不動産会社が作成する見積書でおおよその金額は把握できます。交渉が上手くいけば不動産仲介手数料を値引きしてもらえる場合もありますが、購入時諸経費は金額を抑えることが難しい項目ばかりです。
先述の固定資産税や都市計画税を含む各種税金は、適用要件を満たすと特例の軽減措置を受けられます。しかし、適用要件を満たすかどうか曖昧な場合、特例を受ける前の金額でシミュレーションしておいた方が安心でしょう。
不動産投資における実質利回りの目安
実質利回りに関する特徴や計算方法に内容を絞って説明してきましたが、次は実質利回りの目安となる数値について解説します。
実質利回りの相場
利回りは地域や立地、築年数、間取りなどの諸条件によって大きく差があるため、安易に比較して判断できるものではありません。ただし、築年数や間取りが同じでも共通して言えるのは、都心ほど利回りが低く地方ほど利回りが高いことです。原因は、購入時の物件価格の違いにあります。これらを総合的に判断した実質利回りの相場としては、3%~5%程度が妥当でしょう。
最低ラインの目安
不動産投資において「利回りの最低ラインは5%」と言われることがありますが、このボーダーは表面利回りの数値です。実質利回りの最低ラインでいえば、3%程度にとどまるでしょう。ただし、3%前後の利回りだから悪い物件とは限りません。先述したように東京都心では物件価格の観点から利回りが低くなりがちですが、最低ラインぎりぎりでも資産価値として優れており、高値で売却されることもあります。
実質利回りのシミュレーションの精度を高めるコツ
未然に不動産投資の失敗を回避するために実質利回りのシミュレーションをしましょう。
ただシミュレーションするのではなく、実質の運用値により近づけた精度の高いシミュレーションが必要です。精度を高めるためにはいくつかのポイントがあります。
調査サイトを活用する
まずは、インターネットの検索エンジンから調査サイトを活用することです。媒介サイトなどの登録情報から、物件価格や諸経費の相場を把握しましょう。
次に利回り計算シミュレーションサイトを活用します。物件価格や家賃、諸費用を入力すると素早く自動計算してくれるので、比較する際には手動で行うよりも効率がよくミスが起こりにくいです。
幾度も計算を重ねると、購入すべき物件の条件が自然と絞れてきます。
メンテナンスを考慮する
そして、重要なのはリスクヘッジです。突発的に発生する費用の中でも、特にメンテナンスにかかる維持費用は試算することが難儀でしょう。
- 屋根の防水塗装
- 外壁の塗装
- 給湯器やエアコン、室外機など設備交換
- 給排水管の高圧洗浄や配管の取替
- 軽微な部品交換
他にも1棟ものであれば消防点検、木造であれば防蟻工事などの費用も発生します。
経年による老朽化は避けられず、外構や水回りに関するメンテナンス費用は特に高額です。不動産経営をする上で入居者から好まれ人気物件であり続けるためには、メンテナンスは欠かせません。老朽化リスクに備え、最大限のメンテナンス費を考慮したシミュレーションをしましょう。
複数のパターンを試算する
実質利回りは1パターンを信用するのではなく、必ず複数のパターンをシミュレーションしましょう。
利回りの数値を左右するものは、メンテナンス費用だけではありません。空室リスクや家賃下落リスク、金利上昇リスクなど多岐に渡ります。空室リスクであれば1ヵ月か6ヵ月かで違いが生じ、家賃下落リスクであれば1,000円と2,000円でも結果の数値は異なります。変動金利と固定金利でも全く異なる運用になり、変動金利を選択した場合には懸念される金利上昇幅に対応した試算が必要です。
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実質利回りが高い物件を選ぶポイント
実質利回りが低くても悪い物件ではないことをお伝えしましたが、投資家の心理としてはやはり利回りの高い物件を選んでおきたいものです。高利回り物件を購入したい人のために、実質利回りが高い物件を選ぶ際のポイントをご紹介します。
賃貸需要が高いエリアを選ぶ
最も重要ともいえるポイントは、賃貸需要が高いエリアを選ぶことです。駅から近いことや周辺施設が充実した環境にある物件は、継続的に入居者の需要があります。
今現在の人気エリアであることはもちろん、将来的に需要を見込めるエリアであることを重要視しましょう。地方物件で利回りが高くても、人口減少や利便性の発展がなく地域として衰退してしまうエリアでは数十年先の賃貸需要が心配です。エリア選定は、今後を見据えた賢い判断をしましょう。
対象エリアで需要が高い間取りを選ぶ
検討するエリア内で需要が高い間取りを選定することも重要ポイントです。例えば、近くに大学が多い学生エリアであればファミリー向けの間取りではなく、ワンルームの方が向いているでしょう。また、ファミリー向けの間取りは、少し駅が離れていても小学校や公園が近く閑静な住宅街が好まれます。
借り手のニーズを調査して、空室期間を減らすことで利回りを高く維持し続けましょう。
新築か築年数が浅い物件を選ぶ
年間の諸経費を抑える点では、新築か築浅物件を選ぶとよいでしょう。
表面利回りだけを注視するのであれば、物件価格が安い中古の方が利回りは高いです。しかし、築年数が経過している物件ほど、所有後の突発的なメンテナンス費が発生するタイミングに早く直面します。
メンテナンス費で年間の諸経費がかさみ、数値に大きな影響を与えてしまうので新築か築浅物件を選ぶことで、実質利回りを高く保てるでしょう。
まとめ
本記事では、実質利回りについて「精度の高いシミュレーションの重要性」や「実質利回りが高くなる物件のポイント」に重点をおいて解説しました。
表面利回りよりも正確性の高い実質利回りですが、より正確な値にするためにはメンテナンスを考慮した複数のパターンを試算することが必要です。
不動産投資を成功の道へ導くためには、実質利回りのシミュレーションは慎重に行いましょう。
不動産投資をご検討の際にはぜひベルテックスにご相談ください!
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
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