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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
失敗しないための不動産投資のシミュレーションとは?無料で使えるツールも紹介
- はじめ方・基礎知識
- 利回り
- シミュレーション
不動産投資で安定経営を実現するためには、物件購入前のシミュレーションが欠かせません。しかし、不動産投資のシミュレーションは簡単にできるものではないので、「シミュレーションをしたいけれど方法がわからない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、前半で不動産投資のシミュレーションに関する基礎知識を解説し、後半で初心者でも簡単に実質利回りやキャッシュフローを算出できる便利なツール(無料サイト、エクセルソフト、アプリ) を紹介します。
不動産投資のシミュレーションに関する基礎知識
まずは不動産投資のシミュレーションの概要や目的など基本的な内容を説明します。
不動産投資のシミュレーションとは
不動産投資のシミュレーションとは、その物件から得られる実質利回りやキャッシュフローを計算することです。物件購入前にシミュレーションをすることで以下のような判断がしやすくなります。
- 希望するキャッシュフローを得られるか
- 空室や家賃下落のリスクにどこまで耐えられるか
- 減価償却費をどの程度計上できるか
- どのタイミングで売却するのが望ましいか
シミュレーションが必要な3つの理由
不動産投資の初心者の中には、「シミュレーションは難しそうなので省きたい」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、以下の理由から、物件購入を検討する際はシミュレーションをすることをおすすめします。
1.物件購入の判断に必要な情報を得られるから
不動産投資を始めるにあたって物件情報を見ても、物件購入の判断に必要な情報(実質利回りやキャッシュフローなど)が分からないため、シミュレーションで算出する必要があります。
2.リスクの影響が事前に確認できるから
長期的なキャッシュフローをシミュレーションすることで、稼働率や家賃がどれくらい下がると経営が厳しくなるかを物件購入前の段階で把握できます。
3.理想の売却タイミングが分かるから
キャッシュフローの推移をシミュレーションすることで、節税効果が落ちてくるポイントも分かります。そのため、物件購入前に理想の売却タイミングを把握することができます。
シミュレーションをする方法
不動産投資の専門知識がない人でも、無料で利用できるシミュレーションツールを使えば、実質利回りやキャッシュフローを算出できます。ただし、不動産投資のシミュレーションをするには、物件の基本情報が必要になります。どのような項目が必要かについては後ほど詳しく解説します。
シミュレーションの限界
不動産投資においてシミュレーションは役立つものです。しかし、実際の賃貸経営はシミュレーション通りにならないことも少なくありません。物件購入後も、定期的にシミュレーションの結果を見直し、差が出ていないか確認することも大切です。
不動産投資におけるシミュレーションの目的
不動産投資におけるシミュレーションの主な目的は、実質利回りやキャッシュフローを算出することです。実質利回りやキャッシュフローとはどのようなものなのか確認しましょう。
実質利回り
不動産投資におけるシミュレーションの目的の一つは、物件の実質利回りを把握することです。実質利回りとは、投資によって得られた収入から必要経費(税金、管理費、修繕費など)を差し引いた利益率のことで、投資家にとって重要な指標の一つです。実質利回りを正確に計算することで、投資家は物件の収益性を客観的に評価できます。
実質利回りを計算するには、物件の年間収入から必要経費を差し引いた金額を物件の価格で割り、その結果に100をかけます。この計算式によって算出される実質利回りは、投資家が物件を取得した際の初期利回りとなります。
ただし、実際には投資期間中にも様々な費用が発生するため、将来の収支を予測し、現在価値に換算して実質利回りを算出することもあります。このようにして算出される実質利回りは、将来のキャッシュフローを考慮したより正確な指標となります。
キャッシュフロー
不動産投資におけるシミュレーションの二つ目の目的は、物件のキャッシュフローを把握することです。キャッシュフローとは、物件に投資した際に発生する収入と支出の差額であり、キャッシュフローを把握することにより将来の現金収支を予測できます。キャッシュフローの正確な予測は、投資家にとって非常に重要であり、投資の成功に大きく関わってきます。
キャッシュフローを把握するためには、物件の収入と支出を細かく予測し、それぞれの金額をタイムラインに沿って並べ、現在価値に換算します。収入としては、家賃収入が挙げられます。一方、支出には、修繕費、管理費、税金、保険料、借入金の返済額などがあります。これらの収入と支出を計算し、将来の現金収支を予測します。
また、物件の投資期間中にはキャッシュフローが変動することがあるため、投資家は予測したキャッシュフローを定期的にチェックし、必要に応じて調整する必要があります。投資家が正確にキャッシュフローを把握することで、将来の現金収支を予測し、物件の運用に必要なキャッシュフローを確保することができ、投資のリスクを軽減できます。
不動産投資のシミュレーションに必要な情報
不動産投資のシミュレーションを行うことで、将来的な収益性を予測し、リスク管理のための対策を立てたり、資金計画を策定することができます。また、シミュレーションを通じて、物件購入前に収益性を評価し、投資判断の参考にすることもできます。さらに、将来的なキャッシュフローを予測し、物件購入後の賃料設定や修繕計画、入居率の向上など、利益を最大化するための戦略を策定することができます。
不動産投資にはリスクが伴いますが、シミュレーションをしっかり行うことにより、効果的なリスク管理ができます。ここでは、不動産投資のシミュレーションを行う際に必要な情報を紹介します。
物件に関する情報
不動産投資をする際には、将来的に需要が見込める、立地が良い、利回りが高い、入居率が高い物件を選ぶことが重要です。正確なシミュレーションを行うためにも、物件に関するさまざまな情報をできる限り収集しましょう。
- 物件の種類
不動産投資の対象物件には、区分/一棟マンション・アパート・戸建て・ビルなどがあります。それぞれ 構造によって、減価償却費を計算するときに必要な法定耐用年数が変わってきます。 - 購入金額
物件の適正な評価額や、将来的なキャッシュフローに影響するローンの返済計画を検討するために必要な情報です。 - 土地の特徴
物件の立地や周辺環境、将来的な開発計画などを考慮して、物件の価値や将来性を判断するために必要です。 - 建物の広さや構造
物件の構造や築年数、面積などを確認し、将来的な修繕や改装の必要性を見込むために必要です。 - 間取りと入居期間
入居者が求める間取りや入居期間、賃貸市場の需要と供給を把握するために必要です。 - 周辺情報
物件の立地や周辺環境、交通アクセスや生活利便性、地域の治安情報などを把握し、物件の魅力や将来性を評価するために必要です。 - 修繕履歴
物件の過去の修繕履歴や現在の状態を確認し、将来的な修繕や改装に必要な費用を見積もるために必要です。
将来的な需要を見込めるエリアや、交通の便が良く、生活に必要な施設が周辺に揃っている地域などを選ぶことが望ましいです。物件の築年数や間取りも重要で、需要が高いと予想されるターゲット層に合わせて選ぶことが必要です。以上のような情報を収集し、分析することで、投資物件の選定や将来的な収益の見込みを予測することができます。
諸経費
不動産投資をする際には、以下のような諸経費が発生します。
- 仲介手数料
不動産業者に支払う手数料で、物件価格の3%~5%程度が一般的です。 - 登記費用
土地や建物の所有権を移転するために必要な登記手続きの費用です。 - 印紙税
契約書や譲渡証書に必要な印紙代です。 - 固定資産税
物件所有者が年間で支払う税金で、前年度の固定資産評価額に基づいて計算されます。 - 火災保険料
物件を保護するために必要な保険料です。 - 管理費用
不動産管理会社に支払う管理費用や、必要に応じて修繕やメンテナンスにかかる費用などが含まれます。 - 不動産取得税
不動産が所有物となったときに生じる税金です。固定資産税評価額の3%が課税されます。
これらの諸経費を考慮に入れたうえで、物件の投資収益を算出することが重要です。
借入金額・期間・金利
銀行の融資条件や審査基準、返済スケジュールの設定方法など、借入金額や期間、金利については注意深く検討する必要があります。また、金利が上昇した場合やキャッシュフローが想定外の場合に備えて、リスクマネジメントの策定も必要です。借入の際に必要な情報は下記の通りです。
- 借入金額
自己資金とのバランスを考慮し、適切な借入金額を設定する必要があります。また、物件のキャッシュフローを見据えて借入金額を設定することも大切です。 - 期間
物件のキャッシュフローに合わせて返済期間を設定することが望ましいです。長期化する場合、金利が上がるリスクもありますので注意が必要です。 - 金利
固定金利や変動金利の選択によって、ローンの金利が変わります。投資利回りに大きな影響を与えるため、適切な金利を選ぶ必要があります。
家賃収入
不動産投資において、家賃収入は非常に重要な収益源です。必要な家賃収入の情報は以下の通りです。
- 家賃相場
物件の場所や広さ、設備などによって家賃相場は異なります。そのため、地域や物件タイプごとに家賃相場を調べることが重要です。 - 入居率
物件が常に満室であるわけではありません。空室期間があると家賃収入が減少し、投資収益率に影響を与えます。そのため、入居率の確保が必要です。 - 家賃収入の滞納
家賃の滞納があると、収入が減少し、資金繰りに影響を与える可能性があります。入居者情報の確認や家賃保証会社の利用などの対策が必要です。 - 家賃収入の課税
家賃収入は所得として課税されます。そのため、適切な節税対策を行う必要があります。 - 家賃収入の管理
家賃収入の管理には手間や費用がかかります。物件管理会社に依頼する場合、費用やサービス内容などを十分に確認することが重要です。
これらの情報や注意点を把握することで、適切な家賃設定や入居者選定を行い、投資収益率の向上につなげることができます。
空室率
不動産投資をする際には、物件の空室率を考慮することが重要です。空室率とは、物件の空き部屋の割合を示す指標であり、賃貸物件の場合には重要な収益源である家賃収入に大きな影響を与えます。一般的に、空室率は低いほど収益が安定し、投資のリスクが低くなります。空室率を考慮する際には、周辺の賃貸物件の競合状況や需要の見通しなど、市場調査が必要となります。また、空室が発生した場合には、家賃収入が途絶えるため、その分の負担を考慮して、資金を確保しておく必要があります。空室を防止するためには、物件の魅力や設備、サービスの充実化などが必要であり、管理会社の選定も重要です。
不動産投資のシミュレーションに役立つサイト
不動産投資のシミュレーションに必要な情報について解説してきましたが、これらの全てを把握して計算するのは手間がかかります。実際に、シミュレーションする際は、ネット上で公開されている無料シミュレーターなどの便利なツールを活用するとよいでしょう。物件の基本情報を入力すれば実質利回りやキャッシュフローを自動で算出できる便利なサイトを紹介します。
ノムコム・プロの不動産投資シミュレーション
最初に紹介するのは、不動産大手の野村不動産ソリューションズが提供するシミュレーターです。5つの項目を入力すると、以下の情報がシンプルなグラフで表示されます。
・キャッシュフロー
・年間収入/年間支出
・累積キャッシュフロー
・売却損益の目安
・実質利回り(初年度)
ノムコム・プロの不動産投資シミュレーターは、以下のような方におすすめです。
・キャッシュフローを分かりやすいグラフで確認したい
・売却時の目安を知りたい
・実質利回りを知りたい
楽待のキャッシュフローシミュレーション
次に紹介するのは、国内最大級の不動産投資サイト「楽待」が提供するシミュレーターです。5つの項目を入力すると、以下の情報がグラフで表示されます。
・キャッシュフロー
・実質年間収入
・累計キャッシュフロー
・売却時累計キャッシュフロー
・大規模修繕の時期
楽待の不動産投資シミュレーターは、以下のような方におすすめです。
・税引き後のキャッシュフローを知りたい
・減価償却終了後の収支を知りたい
・大規模修繕の影響を知りたい
Oh!Ya(オーヤ) 投資シミュレーション
「Oh!Ya」はポイントサイト「モッピー」などのモバイルサービス事業を展開する株式会社セレスが提供する不動産投資のシミュレーターです。不動産投資初心者である30代から40代の会社員を中心に利用されています。
Oh!Yaの特徴は、単に物件ごとのキャッシュフローを提示するだけでなく、ご自身の条件に合った融資可能額を示してくれることです。さらに提携している不動産会社から具体的な物件提案も受けることができます。
これらの特徴を踏まえると、「不動産投資ローンの融資見込み額を知りたい」「融資見込み額に合った物件を提案してほしい」といったニーズを持っている人向けのシミュレーターといえるでしょう。
【外部リンク】株式会社セレス「Oh!Ya」
at homeの賃貸用不動産の投資利回り
登録手続きやアンケートへの回答などの手間を省いて、手軽に不動産投資の収支をシミュレーションしたいという人向きのツールが不動産情報サイト「at home (アットホーム)」が提供する「賃貸用不動産の投資利回り」です。
入力必須項目は、下記のわずか3項目です。
・物件価格
・想定賃料
・想定入居率
これらを入力するだけで、表面利回りと実質利回りの両方を即時に表示してくれます。使い勝手がよいので、賃料や入居率を調整しながら利回りを確認することも可能です。さらに、管理費、修繕積立費、その他の費用などを入力すると精度の高い利回りを示してくれます。
【外部リンク】at home「賃貸用不動産の投資利回り」
不動産投資・連合隊®の収益・投資物件 簡易収支シミュレーション
不動産投資・連合隊®は、「楽待」や「健美家」と並んで投資家に人気の不動産投資サイトです。一棟マンション、ビル、アパート、区分所有物件などさまざまな種類の物件を紹介しています。
不動産投資・連合隊®のシミュレーターも使い勝手のよいツールです。物件価格、満室時想定年収、想定空室率、諸経費率などの物件情報に加えて、資金計画を入力すると詳細の収支データが表示されます。以下はその一例です。
・返済額
・家賃収入
・年間支出
・年間手取り
・利回り など
上記のうち利回りは、計4種類の利回りを示してくれます。
・表面利回り
・実質利回り
・返済後利回り
・投資利回り
なお、各項目の算出方法がデータ脇に示されているため、初心者でも理解しやすいのも利点です。
【外部リンク】不動産投資・連合隊「収益・投資物件 簡易収支シミュレーション」
オリックス銀行のキャッシュフローシミュレーター
オリックス銀行はインターネットを取引の中心とした金融機関の先駆けで、不動産投資ローンに力を入れています。同銀行では、公式サイト上で投資家向けに「キャッシュフローシミュレーター」を提供しています。
借入条件、運営収入。運営経費などの基本情報を入力すると、以下の内容を示してくれます。
・ 運営純収益(NOI)
・ 年間のローン返済額
・ 借入金償還余裕率(DSCR)
上記のうち、運営純収益(NOI)とは、物件の満室想定の家賃収入から、空室によるマイナス分や諸費用を差し引いた実質の手取り収入です。実質利回りよりもさらに実際の経営に近い数値といえるでしょう。
キャッシュフローシミュレーターでは、自身が希望する物件条件のほか、オリックス銀行が推奨する物件でのシミュレーションも可能です。
【外部リンク】オリックス銀行「キャッシュフローシミュレーター」
VALUE AIの査定・投資プランシミュレーション
「VALUE AI(バリューアイ)」は大手デベロッパーのコスモイニシアが提供する、一棟投資用・賃貸不動産の査定・投資プランのシミュレーションサービスです。約6,000万件の取引データを学習したAI(人工知能)が、対象物件の「これからの価値」を割り出します。
VALUE AIが提示してくれる「これからの価値」とは、具体的に物件を保有している間の「全期間利回り(IRR)」です。IRRを見ることで購入してから売却するまでのトータルの収益性を判断できます。
VALUE AIを利用することで物件購入の判断だけでなく、現在所有している物件の売却タイミングや理想的な売却価格も掴めます。不動産投資の初心者から上級者まで役立つシミュレーターといえるでしょう。
【外部リンク】コスモイニシア「VALUE AI」
高精度計算サイトの不動産投資シミュレーション
最後に紹介するのは、計算機メーカーのカシオが提供する不動産投資シミュレーターです。結果を保存しておいて後日確認することも可能です。
カシオの不動産投資シミュレーターは、以下のような方におすすめです。
・ローン完済までのキャッシュフローを知りたい
・物件から得られるトータルの収入を知りたい
不動産投資のシミュレーションに役立つエクセルソフト
不動産投資の中・上級者の中には、ご自身でエクセルソフトを活用して詳細なシミュレーションをする方もいらっしゃいます。不動産投資の詳細なシミュレーションに役立つエクセルソフトを紹介します。
ここで紹介するエクセルソフトは、ソフトライブラリの「ベクター」上でダウンロードできます。
キャッシュフロー計算ソフト
エクセルの表計算を使ってキャッシュフローの概算を算出できます。簡易的に概算を把握したいときに便利です。
IRRによる不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)
大手仲介会社やファンド関係者などの不動産投資のプロにも利用されているエクセルシートです。シートの名称に含まれている「IRR(内部収益率)」は、投資したお金をどれくらいの期間で回収できるかを表す指標です。
このExcelシートでシミュレーションすることでIRRやNOI利回りなどの収益指標に加えて、以下のような情報も得ることができます。
・購入時の必要費用
・固定資産税や都市計画税の年額
・減価償却費の推移
不動産投資DCF法レバレッジ方程式(無料版)
シートの名称に含まれている「DCF法」とは、対象の不動産から見込まれる各期間の総収益を現在価値に換算し、この現在価値の合計値を資産価値と考える手法です。少し難解に感じるかもしれませんが、DCF法は不動産業界で幅広く使われています。このExcelシートは将来を含めた物件の価値を判断するのに役立ちます。
不動産投資のシミュレーションに役立つアプリ
最近は、「不動産投資のシミュレーション」をテーマにしたアプリもリリースされています。パソコンよりもスマホやタブレットを使うことが多いという人は、ダウンロードしておくとよいかもしれません。
不動産投資 利回りシミュレーションアプリ
物件情報やローン情報などを入力するだけで、手軽に実質利回りを計算してくれるアプリです。実際に利用したユーザーの評価は5点中4.4 点で「シンプルで見やすい」「操作しやすい」など、高い評価を得ています(2023年 5月19日時点)。
不動産投資の収益計算 Real Estate Invest
「アプリを用いて詳細な不動産投資のシミュレーションをしたい」という人におすすめのアプリです。実質利回りをはじめ、税引前・税引後のキャッシュフロー、所得税・住民税の税率、キャッシュフロー累計など数多くの項目を算出できます。
不動産投資のシミュレーションの例
実際に、不動産投資のシミュレーションの例を紹介します。以下の3種類の物件の実質利回りとキャッシュフローを算出してみました。
・新築区分マンション
・中古区分マンション
・中古一棟アパート
*以下の結果は、ノムコム・プロのシミュレーターを用いて算出した結果です。
新築区分マンション①
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(新築)
所在地:東京都23区内
購入価格:3,000万円
想定利回り:6%
想定年間収入:180万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:26㎡
自己資金:600万円
金利:2%
ローン期間:35年
入居率:90%
上記の物件の場合、年間累計キャッシュフローがプラス1万円、実質利回りが3.7%になります(いずれも初年度)。このシミュレーションには固定資産税・都市計画税が含まれています(以下同)。
新築区分マンション②
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(新築)
所在地:東京都心
購入価格:9,000万円
表面利回り:3.2%
想定年間収入:288万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:55㎡
自己資金:1,800万円
金利:2%
ローン期間:35年
入居率:90%
東京都心の資産価値が高いマンションのシミュレーションです。都心物件はより低利回り傾向が強いため、年間累計キャッシュフローはマイナス76万円です(年間経費51万円、年間ローン返済額313万円、固定資産税・都市計画税含む)。
この条件だと高所得者層が節税目的で所有することは考えられますが、一般の投資家には不向きです。キャッシュフローを改善するのであれば、返済期間を長く設定する、現金一括で購入するなどが有効です。
中古区分マンション①
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(築30年)
所在地:東京都23区内
購入価格:1,400万円
表面利回り:6.4%
想定年間収入:90万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:20㎡
自己資金:280万円
金利:2%
ローン期間:25年
入居率:90%
上記の物件の場合、年間累計キャッシュフローがマイナス9.6万円、実質利回りが3.9%になります(いずれも初年度)。 新築に比べて良好なキャッシュフローが期待できるといわれている中古の区分マンションですが、 物件の条件によってはキャッシュフローがマイナスになることもあるので注意しましょう。
中古区分マンション②
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(築45年)
所在地:横浜市内
購入価格:580万円
表面利回り:8.10%
想定年間収入:47万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:16㎡
自己資金:116万円
金利:2%
ローン期間:25年
入居率:90%
築古の中古区分マンションであれば、1,000万円を大きく割り込む価格の物件もあります。こういった物件の多くは高利回り設定ですが、その分、空室や修繕費などのリスクがあることを理解しましょう。
上記物件の場合、年間累計キャッシュフローがプラス1万円、実質利回りが5%になります。年間収入47万円に対して、年間経費が13万円、ローン返済額が26万円、所得税・住民税率が15%の想定です。(いずれも初年度)
中古一棟アパート①
【物件条件】
物件種類:木造一棟アパート(築30年)
所在地:東京都23区内
購入価格:8,000万円
表面利回り:7.5%
想定年間収入:600万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:174㎡
自己資金:1,600万円
金利:2%
ローン期間:30年
入居率:90%
上記の物件の場合、年間累計キャッシュフローがプラス58.7万円、実質利回りが4.9%になります(いずれも初年度)。一棟物件は所有する戸数が多い分、一定の利回りを維持できれば、まとまったキャッシュフローを確保しやすいという特徴があります。ただし、耐用年数を大きく超えた木造アパートは、長い返済期間を設定するのが難しいケースもあります。
中古一棟アパート②
【物件条件】
物件種類:木造一棟アパート(築8年)
所在地: 東京23区内
購入価格:1億1,180万円
表面利回り:6.2%
想定年間収入:693万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:100㎡
自己資金:2,236万円
金利:2%
ローン期間:30年
入居率:90%
「中古一棟アパート①」よりも築浅な中古アパートでシミュレーションしてみました。物件価格が新しい分、1%以上下がります。年間累計キャッシュフローがマイナス29万円、実質利回りが3.9%になります(いずれも初年度)。
一般的に、中古一棟アパートはキャッシュフローを把握しやすいといわれますが、当該シミュレーションのように、物件や条件によってはまとまったマイナス計上になるケースもあります。やはりシミュレーションは重要です。
不動産投資のシミュレーションの精度を高める方法
不動産投資のシミュレーションの精度を高めるには、複数のパターンを想定して計算を行い、不動産投資のプロからアドバイスを受けることが重要です。複数のパターンを想定することで、リスクや収益の幅広い範囲をカバーすることができ、投資家が意思決定を行う際の判断材料となります。また、不動産投資のプロからアドバイスを受けることで、投資物件の選定やシミュレーション方法についての的確なアドバイスを受けることができ、シミュレーションの精度を高めることができます。
不動産投資のシミュレーションの精度を高める方法は、以下の通りです。
1.複数のパターンを想定する
不動産投資においては、将来の予測が非常に重要です。したがって、物件購入価格、利回り、入居率、修繕費などの各種仮定を変更して複数のシナリオを想定し、シミュレーションを行うことが重要です。シミュレーションを入念に行うことは、リスクを軽減し、損失を抑えることにつながります。
2.不動産投資のプロからアドバイスを受ける
不動産投資のプロフェッショナルにアドバイスを受けることで、投資家は物件の評価、市場トレンド、地域情報、税務情報、法律情報など、さまざまな専門知識を得ることができます。これらの情報は、シミュレーションの精度を高めるために非常に役立ちます。
以上のように、複数のパターンを想定し、専門家からのアドバイスを受けることで、不動産投資のシミュレーションの精度を高めることができます。さらに、過去の不動産市場の動向や将来の見通しを把握し、予測することも重要です。これらの方法を組み合わせることで、不動産投資のシミュレーションの精度を高め、成功へと導くことができます。
【おすすめ関連記事】不動産投資の成功率を高めるために把握すべき5つのポイント
不動産投資に関わるよくある質問とその回答
不動産投資で失敗しないためには、事前のシミュレーションに加えて、不動産投資とお金の関係について十分理解しておく必要があります。
不動産投資で元が取れるまで何年かかる?
一般的に、不動産投資で元が取れるまでの期間の目安は「5〜10年」といわれます。ただし、この目安にこだわり過ぎなくてもよいでしょう。なぜなら、不動産投資で元が取れるまでの期間はケースバイケースだからです。
不動産投資で元が取れるまでの期間に影響を与える要因は、物件の種類(アパートや区分マンションなど)、立地、購入価格、融資条件、ランニングコストなどです。
例えば、立地では都心物件よりも地方物件の方が「元が取れるまでの期間は短い」と考えられます。理由は、地方物件の方が高利回り傾向が強いからです。また、「物件を高値掴みしてしまった」「不動産投資ローンの金利が高い」などの悪条件になると、元が取れるまでの年数が長くなる傾向です。
不動産投資家の平均年収はいくらですか?
国税庁の「申告所得税標本調査結果(令和3年分)」によると、不動産所得者の平均所得は542.7 万円です。ここでいう「不動産所得」とは、家賃収入などから諸経費を差し引いた金額です。
ただし、不動産投資家の平均所得は、物件の種類、立地、所有している土地に建物を建てたかなどによって大きく変わってきます。一例では、区分マンションを1部屋所有している場合は不動産投資ローンの完済まで所得がほとんどないケースもあります。
これに対して、所有している土地に現金で複数のアパートを建てた場合、不動産投資家の平均所得を大きく超えるリターンを得られるケースもあります。
不動産投資を始めるにはいくらの年収が必要ですか?
一般的に、不動産投資を始めるために必要な年収は「500〜700万円以上」といわれています。ただ実際にどれくらいの年収が必要かは、物件の種類、立地、自己資金などによって変わってきます。
例えば、より多くの年収や自己資金が必要なのは、都心の一棟マンションを購入する場合です。物件価格が高額な分、不動産投資ローンの融資審査が厳しく、属性の項目の1つである年収水準がより多く求められます。
これに対して、中古の区分マンションであれば物件価額が安い分、一棟物件に比べると融資のハードルが低めです。なお、不動産投資ローンの年収要件は、金融機関によって変わってきます。ご自身の年収に合った金融機関を選びましょう。
まとめ
不動産投資において、より精度の高いシミュレーションを行い成功するためには、複数のパターンを想定することが重要です。
不動産投資は将来の収益性が重要であり、将来的な市場動向や物件の価値変動を考慮する必要があります。さらに、不動産投資においてはリスク管理が重要であり、適切なリスク管理を行うことも大切です。
この記事で紹介したようなシミュレーターを利用すれば、実質利回りやキャッシュフローを手軽に算出できますが、実際に投資の判断をする際は信頼できる不動産投資のプロに相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
ベルテックスでも不動産投資の専門家による無料のシミュレーションを実施しています。自分が不動産投資をはじめたら?を具体的に数字で確認してみたい方はぜひお気軽にお申し込みください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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2024.02.29
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不動産投資で安定経営を実現するためには、物件購入前のシミュレーションが欠かせません。しかし、不動産投資のシミュレーションは簡単にできるものではないので、「シミュレーションをしたいけれど方法がわからない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、前半で不動産投資のシミュレーションに関する基礎知識を解説し、後半で初心者でも簡単に実質利回りやキャッシュフローを算出できる便利なツール(無料サイト、エクセルソフト、アプリ) を紹介します。
不動産投資のシミュレーションに関する基礎知識
まずは不動産投資のシミュレーションの概要や目的など基本的な内容を説明します。
不動産投資のシミュレーションとは
不動産投資のシミュレーションとは、その物件から得られる実質利回りやキャッシュフローを計算することです。物件購入前にシミュレーションをすることで以下のような判断がしやすくなります。
- 希望するキャッシュフローを得られるか
- 空室や家賃下落のリスクにどこまで耐えられるか
- 減価償却費をどの程度計上できるか
- どのタイミングで売却するのが望ましいか
シミュレーションが必要な3つの理由
不動産投資の初心者の中には、「シミュレーションは難しそうなので省きたい」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、以下の理由から、物件購入を検討する際はシミュレーションをすることをおすすめします。
1.物件購入の判断に必要な情報を得られるから
不動産投資を始めるにあたって物件情報を見ても、物件購入の判断に必要な情報(実質利回りやキャッシュフローなど)が分からないため、シミュレーションで算出する必要があります。
2.リスクの影響が事前に確認できるから
長期的なキャッシュフローをシミュレーションすることで、稼働率や家賃がどれくらい下がると経営が厳しくなるかを物件購入前の段階で把握できます。
3.理想の売却タイミングが分かるから
キャッシュフローの推移をシミュレーションすることで、節税効果が落ちてくるポイントも分かります。そのため、物件購入前に理想の売却タイミングを把握することができます。
シミュレーションをする方法
不動産投資の専門知識がない人でも、無料で利用できるシミュレーションツールを使えば、実質利回りやキャッシュフローを算出できます。ただし、不動産投資のシミュレーションをするには、物件の基本情報が必要になります。どのような項目が必要かについては後ほど詳しく解説します。
シミュレーションの限界
不動産投資においてシミュレーションは役立つものです。しかし、実際の賃貸経営はシミュレーション通りにならないことも少なくありません。物件購入後も、定期的にシミュレーションの結果を見直し、差が出ていないか確認することも大切です。
不動産投資におけるシミュレーションの目的
不動産投資におけるシミュレーションの主な目的は、実質利回りやキャッシュフローを算出することです。実質利回りやキャッシュフローとはどのようなものなのか確認しましょう。
実質利回り
不動産投資におけるシミュレーションの目的の一つは、物件の実質利回りを把握することです。実質利回りとは、投資によって得られた収入から必要経費(税金、管理費、修繕費など)を差し引いた利益率のことで、投資家にとって重要な指標の一つです。実質利回りを正確に計算することで、投資家は物件の収益性を客観的に評価できます。
実質利回りを計算するには、物件の年間収入から必要経費を差し引いた金額を物件の価格で割り、その結果に100をかけます。この計算式によって算出される実質利回りは、投資家が物件を取得した際の初期利回りとなります。
ただし、実際には投資期間中にも様々な費用が発生するため、将来の収支を予測し、現在価値に換算して実質利回りを算出することもあります。このようにして算出される実質利回りは、将来のキャッシュフローを考慮したより正確な指標となります。
キャッシュフロー
不動産投資におけるシミュレーションの二つ目の目的は、物件のキャッシュフローを把握することです。キャッシュフローとは、物件に投資した際に発生する収入と支出の差額であり、キャッシュフローを把握することにより将来の現金収支を予測できます。キャッシュフローの正確な予測は、投資家にとって非常に重要であり、投資の成功に大きく関わってきます。
キャッシュフローを把握するためには、物件の収入と支出を細かく予測し、それぞれの金額をタイムラインに沿って並べ、現在価値に換算します。収入としては、家賃収入が挙げられます。一方、支出には、修繕費、管理費、税金、保険料、借入金の返済額などがあります。これらの収入と支出を計算し、将来の現金収支を予測します。
また、物件の投資期間中にはキャッシュフローが変動することがあるため、投資家は予測したキャッシュフローを定期的にチェックし、必要に応じて調整する必要があります。投資家が正確にキャッシュフローを把握することで、将来の現金収支を予測し、物件の運用に必要なキャッシュフローを確保することができ、投資のリスクを軽減できます。
不動産投資のシミュレーションに必要な情報
不動産投資のシミュレーションを行うことで、将来的な収益性を予測し、リスク管理のための対策を立てたり、資金計画を策定することができます。また、シミュレーションを通じて、物件購入前に収益性を評価し、投資判断の参考にすることもできます。さらに、将来的なキャッシュフローを予測し、物件購入後の賃料設定や修繕計画、入居率の向上など、利益を最大化するための戦略を策定することができます。
不動産投資にはリスクが伴いますが、シミュレーションをしっかり行うことにより、効果的なリスク管理ができます。ここでは、不動産投資のシミュレーションを行う際に必要な情報を紹介します。
物件に関する情報
不動産投資をする際には、将来的に需要が見込める、立地が良い、利回りが高い、入居率が高い物件を選ぶことが重要です。正確なシミュレーションを行うためにも、物件に関するさまざまな情報をできる限り収集しましょう。
- 物件の種類
不動産投資の対象物件には、区分/一棟マンション・アパート・戸建て・ビルなどがあります。それぞれ 構造によって、減価償却費を計算するときに必要な法定耐用年数が変わってきます。 - 購入金額
物件の適正な評価額や、将来的なキャッシュフローに影響するローンの返済計画を検討するために必要な情報です。 - 土地の特徴
物件の立地や周辺環境、将来的な開発計画などを考慮して、物件の価値や将来性を判断するために必要です。 - 建物の広さや構造
物件の構造や築年数、面積などを確認し、将来的な修繕や改装の必要性を見込むために必要です。 - 間取りと入居期間
入居者が求める間取りや入居期間、賃貸市場の需要と供給を把握するために必要です。 - 周辺情報
物件の立地や周辺環境、交通アクセスや生活利便性、地域の治安情報などを把握し、物件の魅力や将来性を評価するために必要です。 - 修繕履歴
物件の過去の修繕履歴や現在の状態を確認し、将来的な修繕や改装に必要な費用を見積もるために必要です。
将来的な需要を見込めるエリアや、交通の便が良く、生活に必要な施設が周辺に揃っている地域などを選ぶことが望ましいです。物件の築年数や間取りも重要で、需要が高いと予想されるターゲット層に合わせて選ぶことが必要です。以上のような情報を収集し、分析することで、投資物件の選定や将来的な収益の見込みを予測することができます。
諸経費
不動産投資をする際には、以下のような諸経費が発生します。
- 仲介手数料
不動産業者に支払う手数料で、物件価格の3%~5%程度が一般的です。 - 登記費用
土地や建物の所有権を移転するために必要な登記手続きの費用です。 - 印紙税
契約書や譲渡証書に必要な印紙代です。 - 固定資産税
物件所有者が年間で支払う税金で、前年度の固定資産評価額に基づいて計算されます。 - 火災保険料
物件を保護するために必要な保険料です。 - 管理費用
不動産管理会社に支払う管理費用や、必要に応じて修繕やメンテナンスにかかる費用などが含まれます。 - 不動産取得税
不動産が所有物となったときに生じる税金です。固定資産税評価額の3%が課税されます。
これらの諸経費を考慮に入れたうえで、物件の投資収益を算出することが重要です。
借入金額・期間・金利
銀行の融資条件や審査基準、返済スケジュールの設定方法など、借入金額や期間、金利については注意深く検討する必要があります。また、金利が上昇した場合やキャッシュフローが想定外の場合に備えて、リスクマネジメントの策定も必要です。借入の際に必要な情報は下記の通りです。
- 借入金額
自己資金とのバランスを考慮し、適切な借入金額を設定する必要があります。また、物件のキャッシュフローを見据えて借入金額を設定することも大切です。 - 期間
物件のキャッシュフローに合わせて返済期間を設定することが望ましいです。長期化する場合、金利が上がるリスクもありますので注意が必要です。 - 金利
固定金利や変動金利の選択によって、ローンの金利が変わります。投資利回りに大きな影響を与えるため、適切な金利を選ぶ必要があります。
家賃収入
不動産投資において、家賃収入は非常に重要な収益源です。必要な家賃収入の情報は以下の通りです。
- 家賃相場
物件の場所や広さ、設備などによって家賃相場は異なります。そのため、地域や物件タイプごとに家賃相場を調べることが重要です。 - 入居率
物件が常に満室であるわけではありません。空室期間があると家賃収入が減少し、投資収益率に影響を与えます。そのため、入居率の確保が必要です。 - 家賃収入の滞納
家賃の滞納があると、収入が減少し、資金繰りに影響を与える可能性があります。入居者情報の確認や家賃保証会社の利用などの対策が必要です。 - 家賃収入の課税
家賃収入は所得として課税されます。そのため、適切な節税対策を行う必要があります。 - 家賃収入の管理
家賃収入の管理には手間や費用がかかります。物件管理会社に依頼する場合、費用やサービス内容などを十分に確認することが重要です。
これらの情報や注意点を把握することで、適切な家賃設定や入居者選定を行い、投資収益率の向上につなげることができます。
空室率
不動産投資をする際には、物件の空室率を考慮することが重要です。空室率とは、物件の空き部屋の割合を示す指標であり、賃貸物件の場合には重要な収益源である家賃収入に大きな影響を与えます。一般的に、空室率は低いほど収益が安定し、投資のリスクが低くなります。空室率を考慮する際には、周辺の賃貸物件の競合状況や需要の見通しなど、市場調査が必要となります。また、空室が発生した場合には、家賃収入が途絶えるため、その分の負担を考慮して、資金を確保しておく必要があります。空室を防止するためには、物件の魅力や設備、サービスの充実化などが必要であり、管理会社の選定も重要です。
不動産投資のシミュレーションに役立つサイト
不動産投資のシミュレーションに必要な情報について解説してきましたが、これらの全てを把握して計算するのは手間がかかります。実際に、シミュレーションする際は、ネット上で公開されている無料シミュレーターなどの便利なツールを活用するとよいでしょう。物件の基本情報を入力すれば実質利回りやキャッシュフローを自動で算出できる便利なサイトを紹介します。
ノムコム・プロの不動産投資シミュレーション
最初に紹介するのは、不動産大手の野村不動産ソリューションズが提供するシミュレーターです。5つの項目を入力すると、以下の情報がシンプルなグラフで表示されます。
・キャッシュフロー
・年間収入/年間支出
・累積キャッシュフロー
・売却損益の目安
・実質利回り(初年度)
ノムコム・プロの不動産投資シミュレーターは、以下のような方におすすめです。
・キャッシュフローを分かりやすいグラフで確認したい
・売却時の目安を知りたい
・実質利回りを知りたい
楽待のキャッシュフローシミュレーション
次に紹介するのは、国内最大級の不動産投資サイト「楽待」が提供するシミュレーターです。5つの項目を入力すると、以下の情報がグラフで表示されます。
・キャッシュフロー
・実質年間収入
・累計キャッシュフロー
・売却時累計キャッシュフロー
・大規模修繕の時期
楽待の不動産投資シミュレーターは、以下のような方におすすめです。
・税引き後のキャッシュフローを知りたい
・減価償却終了後の収支を知りたい
・大規模修繕の影響を知りたい
Oh!Ya(オーヤ) 投資シミュレーション
「Oh!Ya」はポイントサイト「モッピー」などのモバイルサービス事業を展開する株式会社セレスが提供する不動産投資のシミュレーターです。不動産投資初心者である30代から40代の会社員を中心に利用されています。
Oh!Yaの特徴は、単に物件ごとのキャッシュフローを提示するだけでなく、ご自身の条件に合った融資可能額を示してくれることです。さらに提携している不動産会社から具体的な物件提案も受けることができます。
これらの特徴を踏まえると、「不動産投資ローンの融資見込み額を知りたい」「融資見込み額に合った物件を提案してほしい」といったニーズを持っている人向けのシミュレーターといえるでしょう。
【外部リンク】株式会社セレス「Oh!Ya」
at homeの賃貸用不動産の投資利回り
登録手続きやアンケートへの回答などの手間を省いて、手軽に不動産投資の収支をシミュレーションしたいという人向きのツールが不動産情報サイト「at home (アットホーム)」が提供する「賃貸用不動産の投資利回り」です。
入力必須項目は、下記のわずか3項目です。
・物件価格
・想定賃料
・想定入居率
これらを入力するだけで、表面利回りと実質利回りの両方を即時に表示してくれます。使い勝手がよいので、賃料や入居率を調整しながら利回りを確認することも可能です。さらに、管理費、修繕積立費、その他の費用などを入力すると精度の高い利回りを示してくれます。
【外部リンク】at home「賃貸用不動産の投資利回り」
不動産投資・連合隊®の収益・投資物件 簡易収支シミュレーション
不動産投資・連合隊®は、「楽待」や「健美家」と並んで投資家に人気の不動産投資サイトです。一棟マンション、ビル、アパート、区分所有物件などさまざまな種類の物件を紹介しています。
不動産投資・連合隊®のシミュレーターも使い勝手のよいツールです。物件価格、満室時想定年収、想定空室率、諸経費率などの物件情報に加えて、資金計画を入力すると詳細の収支データが表示されます。以下はその一例です。
・返済額
・家賃収入
・年間支出
・年間手取り
・利回り など
上記のうち利回りは、計4種類の利回りを示してくれます。
・表面利回り
・実質利回り
・返済後利回り
・投資利回り
なお、各項目の算出方法がデータ脇に示されているため、初心者でも理解しやすいのも利点です。
【外部リンク】不動産投資・連合隊「収益・投資物件 簡易収支シミュレーション」
オリックス銀行のキャッシュフローシミュレーター
オリックス銀行はインターネットを取引の中心とした金融機関の先駆けで、不動産投資ローンに力を入れています。同銀行では、公式サイト上で投資家向けに「キャッシュフローシミュレーター」を提供しています。
借入条件、運営収入。運営経費などの基本情報を入力すると、以下の内容を示してくれます。
・ 運営純収益(NOI)
・ 年間のローン返済額
・ 借入金償還余裕率(DSCR)
上記のうち、運営純収益(NOI)とは、物件の満室想定の家賃収入から、空室によるマイナス分や諸費用を差し引いた実質の手取り収入です。実質利回りよりもさらに実際の経営に近い数値といえるでしょう。
キャッシュフローシミュレーターでは、自身が希望する物件条件のほか、オリックス銀行が推奨する物件でのシミュレーションも可能です。
【外部リンク】オリックス銀行「キャッシュフローシミュレーター」
VALUE AIの査定・投資プランシミュレーション
「VALUE AI(バリューアイ)」は大手デベロッパーのコスモイニシアが提供する、一棟投資用・賃貸不動産の査定・投資プランのシミュレーションサービスです。約6,000万件の取引データを学習したAI(人工知能)が、対象物件の「これからの価値」を割り出します。
VALUE AIが提示してくれる「これからの価値」とは、具体的に物件を保有している間の「全期間利回り(IRR)」です。IRRを見ることで購入してから売却するまでのトータルの収益性を判断できます。
VALUE AIを利用することで物件購入の判断だけでなく、現在所有している物件の売却タイミングや理想的な売却価格も掴めます。不動産投資の初心者から上級者まで役立つシミュレーターといえるでしょう。
【外部リンク】コスモイニシア「VALUE AI」
高精度計算サイトの不動産投資シミュレーション
最後に紹介するのは、計算機メーカーのカシオが提供する不動産投資シミュレーターです。結果を保存しておいて後日確認することも可能です。
カシオの不動産投資シミュレーターは、以下のような方におすすめです。
・ローン完済までのキャッシュフローを知りたい
・物件から得られるトータルの収入を知りたい
不動産投資のシミュレーションに役立つエクセルソフト
不動産投資の中・上級者の中には、ご自身でエクセルソフトを活用して詳細なシミュレーションをする方もいらっしゃいます。不動産投資の詳細なシミュレーションに役立つエクセルソフトを紹介します。
ここで紹介するエクセルソフトは、ソフトライブラリの「ベクター」上でダウンロードできます。
キャッシュフロー計算ソフト
エクセルの表計算を使ってキャッシュフローの概算を算出できます。簡易的に概算を把握したいときに便利です。
IRRによる不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)
大手仲介会社やファンド関係者などの不動産投資のプロにも利用されているエクセルシートです。シートの名称に含まれている「IRR(内部収益率)」は、投資したお金をどれくらいの期間で回収できるかを表す指標です。
このExcelシートでシミュレーションすることでIRRやNOI利回りなどの収益指標に加えて、以下のような情報も得ることができます。
・購入時の必要費用
・固定資産税や都市計画税の年額
・減価償却費の推移
不動産投資DCF法レバレッジ方程式(無料版)
シートの名称に含まれている「DCF法」とは、対象の不動産から見込まれる各期間の総収益を現在価値に換算し、この現在価値の合計値を資産価値と考える手法です。少し難解に感じるかもしれませんが、DCF法は不動産業界で幅広く使われています。このExcelシートは将来を含めた物件の価値を判断するのに役立ちます。
不動産投資のシミュレーションに役立つアプリ
最近は、「不動産投資のシミュレーション」をテーマにしたアプリもリリースされています。パソコンよりもスマホやタブレットを使うことが多いという人は、ダウンロードしておくとよいかもしれません。
不動産投資 利回りシミュレーションアプリ
物件情報やローン情報などを入力するだけで、手軽に実質利回りを計算してくれるアプリです。実際に利用したユーザーの評価は5点中4.4 点で「シンプルで見やすい」「操作しやすい」など、高い評価を得ています(2023年 5月19日時点)。
不動産投資の収益計算 Real Estate Invest
「アプリを用いて詳細な不動産投資のシミュレーションをしたい」という人におすすめのアプリです。実質利回りをはじめ、税引前・税引後のキャッシュフロー、所得税・住民税の税率、キャッシュフロー累計など数多くの項目を算出できます。
不動産投資のシミュレーションの例
実際に、不動産投資のシミュレーションの例を紹介します。以下の3種類の物件の実質利回りとキャッシュフローを算出してみました。
・新築区分マンション
・中古区分マンション
・中古一棟アパート
*以下の結果は、ノムコム・プロのシミュレーターを用いて算出した結果です。
新築区分マンション①
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(新築)
所在地:東京都23区内
購入価格:3,000万円
想定利回り:6%
想定年間収入:180万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:26㎡
自己資金:600万円
金利:2%
ローン期間:35年
入居率:90%
上記の物件の場合、年間累計キャッシュフローがプラス1万円、実質利回りが3.7%になります(いずれも初年度)。このシミュレーションには固定資産税・都市計画税が含まれています(以下同)。
新築区分マンション②
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(新築)
所在地:東京都心
購入価格:9,000万円
表面利回り:3.2%
想定年間収入:288万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:55㎡
自己資金:1,800万円
金利:2%
ローン期間:35年
入居率:90%
東京都心の資産価値が高いマンションのシミュレーションです。都心物件はより低利回り傾向が強いため、年間累計キャッシュフローはマイナス76万円です(年間経費51万円、年間ローン返済額313万円、固定資産税・都市計画税含む)。
この条件だと高所得者層が節税目的で所有することは考えられますが、一般の投資家には不向きです。キャッシュフローを改善するのであれば、返済期間を長く設定する、現金一括で購入するなどが有効です。
中古区分マンション①
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(築30年)
所在地:東京都23区内
購入価格:1,400万円
表面利回り:6.4%
想定年間収入:90万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:20㎡
自己資金:280万円
金利:2%
ローン期間:25年
入居率:90%
上記の物件の場合、年間累計キャッシュフローがマイナス9.6万円、実質利回りが3.9%になります(いずれも初年度)。 新築に比べて良好なキャッシュフローが期待できるといわれている中古の区分マンションですが、 物件の条件によってはキャッシュフローがマイナスになることもあるので注意しましょう。
中古区分マンション②
【物件条件】
物件種類:RC造区分マンション(築45年)
所在地:横浜市内
購入価格:580万円
表面利回り:8.10%
想定年間収入:47万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:16㎡
自己資金:116万円
金利:2%
ローン期間:25年
入居率:90%
築古の中古区分マンションであれば、1,000万円を大きく割り込む価格の物件もあります。こういった物件の多くは高利回り設定ですが、その分、空室や修繕費などのリスクがあることを理解しましょう。
上記物件の場合、年間累計キャッシュフローがプラス1万円、実質利回りが5%になります。年間収入47万円に対して、年間経費が13万円、ローン返済額が26万円、所得税・住民税率が15%の想定です。(いずれも初年度)
中古一棟アパート①
【物件条件】
物件種類:木造一棟アパート(築30年)
所在地:東京都23区内
購入価格:8,000万円
表面利回り:7.5%
想定年間収入:600万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:174㎡
自己資金:1,600万円
金利:2%
ローン期間:30年
入居率:90%
上記の物件の場合、年間累計キャッシュフローがプラス58.7万円、実質利回りが4.9%になります(いずれも初年度)。一棟物件は所有する戸数が多い分、一定の利回りを維持できれば、まとまったキャッシュフローを確保しやすいという特徴があります。ただし、耐用年数を大きく超えた木造アパートは、長い返済期間を設定するのが難しいケースもあります。
中古一棟アパート②
【物件条件】
物件種類:木造一棟アパート(築8年)
所在地: 東京23区内
購入価格:1億1,180万円
表面利回り:6.2%
想定年間収入:693万円(家賃下落率−0.5%/年)
専有面積:100㎡
自己資金:2,236万円
金利:2%
ローン期間:30年
入居率:90%
「中古一棟アパート①」よりも築浅な中古アパートでシミュレーションしてみました。物件価格が新しい分、1%以上下がります。年間累計キャッシュフローがマイナス29万円、実質利回りが3.9%になります(いずれも初年度)。
一般的に、中古一棟アパートはキャッシュフローを把握しやすいといわれますが、当該シミュレーションのように、物件や条件によってはまとまったマイナス計上になるケースもあります。やはりシミュレーションは重要です。
不動産投資のシミュレーションの精度を高める方法
不動産投資のシミュレーションの精度を高めるには、複数のパターンを想定して計算を行い、不動産投資のプロからアドバイスを受けることが重要です。複数のパターンを想定することで、リスクや収益の幅広い範囲をカバーすることができ、投資家が意思決定を行う際の判断材料となります。また、不動産投資のプロからアドバイスを受けることで、投資物件の選定やシミュレーション方法についての的確なアドバイスを受けることができ、シミュレーションの精度を高めることができます。
不動産投資のシミュレーションの精度を高める方法は、以下の通りです。
1.複数のパターンを想定する
不動産投資においては、将来の予測が非常に重要です。したがって、物件購入価格、利回り、入居率、修繕費などの各種仮定を変更して複数のシナリオを想定し、シミュレーションを行うことが重要です。シミュレーションを入念に行うことは、リスクを軽減し、損失を抑えることにつながります。
2.不動産投資のプロからアドバイスを受ける
不動産投資のプロフェッショナルにアドバイスを受けることで、投資家は物件の評価、市場トレンド、地域情報、税務情報、法律情報など、さまざまな専門知識を得ることができます。これらの情報は、シミュレーションの精度を高めるために非常に役立ちます。
以上のように、複数のパターンを想定し、専門家からのアドバイスを受けることで、不動産投資のシミュレーションの精度を高めることができます。さらに、過去の不動産市場の動向や将来の見通しを把握し、予測することも重要です。これらの方法を組み合わせることで、不動産投資のシミュレーションの精度を高め、成功へと導くことができます。
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不動産投資に関わるよくある質問とその回答
不動産投資で失敗しないためには、事前のシミュレーションに加えて、不動産投資とお金の関係について十分理解しておく必要があります。
不動産投資で元が取れるまで何年かかる?
一般的に、不動産投資で元が取れるまでの期間の目安は「5〜10年」といわれます。ただし、この目安にこだわり過ぎなくてもよいでしょう。なぜなら、不動産投資で元が取れるまでの期間はケースバイケースだからです。
不動産投資で元が取れるまでの期間に影響を与える要因は、物件の種類(アパートや区分マンションなど)、立地、購入価格、融資条件、ランニングコストなどです。
例えば、立地では都心物件よりも地方物件の方が「元が取れるまでの期間は短い」と考えられます。理由は、地方物件の方が高利回り傾向が強いからです。また、「物件を高値掴みしてしまった」「不動産投資ローンの金利が高い」などの悪条件になると、元が取れるまでの年数が長くなる傾向です。
不動産投資家の平均年収はいくらですか?
国税庁の「申告所得税標本調査結果(令和3年分)」によると、不動産所得者の平均所得は542.7 万円です。ここでいう「不動産所得」とは、家賃収入などから諸経費を差し引いた金額です。
ただし、不動産投資家の平均所得は、物件の種類、立地、所有している土地に建物を建てたかなどによって大きく変わってきます。一例では、区分マンションを1部屋所有している場合は不動産投資ローンの完済まで所得がほとんどないケースもあります。
これに対して、所有している土地に現金で複数のアパートを建てた場合、不動産投資家の平均所得を大きく超えるリターンを得られるケースもあります。
不動産投資を始めるにはいくらの年収が必要ですか?
一般的に、不動産投資を始めるために必要な年収は「500〜700万円以上」といわれています。ただ実際にどれくらいの年収が必要かは、物件の種類、立地、自己資金などによって変わってきます。
例えば、より多くの年収や自己資金が必要なのは、都心の一棟マンションを購入する場合です。物件価格が高額な分、不動産投資ローンの融資審査が厳しく、属性の項目の1つである年収水準がより多く求められます。
これに対して、中古の区分マンションであれば物件価額が安い分、一棟物件に比べると融資のハードルが低めです。なお、不動産投資ローンの年収要件は、金融機関によって変わってきます。ご自身の年収に合った金融機関を選びましょう。
まとめ
不動産投資において、より精度の高いシミュレーションを行い成功するためには、複数のパターンを想定することが重要です。
不動産投資は将来の収益性が重要であり、将来的な市場動向や物件の価値変動を考慮する必要があります。さらに、不動産投資においてはリスク管理が重要であり、適切なリスク管理を行うことも大切です。
この記事で紹介したようなシミュレーターを利用すれば、実質利回りやキャッシュフローを手軽に算出できますが、実際に投資の判断をする際は信頼できる不動産投資のプロに相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
ベルテックスでも不動産投資の専門家による無料のシミュレーションを実施しています。自分が不動産投資をはじめたら?を具体的に数字で確認してみたい方はぜひお気軽にお申し込みください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。