2023.10.13

市況

ベルテックスコラム事務局

日本の平均年収はどのぐらい?年収が上がらない原因と対策を解説

  • 日本の現状
  • 年収・収入

日本の平均年収はどのくらいかご存じですか。また、諸外国の平均年収や各業種の平均年収はいくらくらいなのでしょうか。

今回は、日本の平均年収の額と、日本の平均年収が上がらない原因、そして年収を上げるためのノウハウを紹介していきます。原因や年収アップへのノウハウを学んで、より豊かな生活を送れるようにしましょう。

日本の平均年収の推移

日本の平均年収は具体的にどれぐらいの金額なのでしょうか。2022年に国税庁から発表された調査によると、平均年収は「443万円」となっています。これは昔と比べてよくなっているのでしょうか?

【参照元】国税庁「 令和3年分民間給与実態統計調査結果 」について

30年間の日本の平均年収の推移

日本の2018年以前30年間の平均年収の推移をまとめてみました。

1990年代前半のバブル崩壊後から460~470万円台を維持してきましたが、2004年から数年450万円台に下がりました。この時期は、「物価が下がる→売上が減る→企業業績が下がる→給料が減る→物が売れないので物価が下がる」といった「デフレスパイラル」に陥り、給与が下がりました。

そして、2008年のリーマンショックで世界的不況が起き、その影響でさらに年収が下がります。その後も長年にわたり大きく上がることなく推移しています。1991年の472万円と比較すると、29万円も平均年収は下がっています

日本の30年間の年収推移。1989年が425万円、2019年が436万円とほぼ横ばいになっている。

世界との平均年収推移の比較

以下で世界の主要国の2000~2020年平均年収の推移をまとめてみました。

各国の平均年収の推移。2000年と2020年を比較して120%以上となっている諸外国もあるが、日本は±0となっている。

この20年間で年収が上がった国と、そうでない国が顕著になっています。アメリカとオーストラリアは2020年の平均年収が2000年に対して120%を超えています。ヨーロッパの主要国も軒並み110%台で、これらの国の経済成長がうかがえます。成長著しい韓国は、約150%とこの中ではトップの上昇率です。

対して日本は、20年間ほぼ横ばいです。2000年ごろ、ほぼ同水準だったイギリスやフランスとは20年経過すると1万ドルもの差を付けられました。さらには2000年には約1万ドル上回っていた韓国に2015年には抜かれて2020年には約7,000ドル下回ってしまいました。

グラフを見て分かるように日本は世界と比べて平均年収も低く、上昇率でも大きく差を付けられています

【参考】OECD.Stat「Average annual wages」より弊社作成

項目ごとの日本の平均年収の違い

残念ですが、日本の平均年収はこの30年間でほぼ横ばいで変わらないということがわかりました。続いて、業種や年齢別で、雇用形態によって平均年収がどのくらい違うのか見ていきましょう。

業種・年齢別(令和3年データ)

【業種・年齢別平均月給】 単位:月賃金(千円)

  鉱業、採石業
砂利採取業
建設業 製造業 電気・ガス
熱供給・水道業
電気通信業
~19歳 183.7 192.3 182 180.3 180.7
20歳~24歳 215.3 221.5 199 213.6 232
25歳~29歳 261.1 255.9 229.9 262.9 267.5
30歳~34歳 296.1 292.3 260.3 333.4 318.5
35歳~39歳 307.5 315.9 289.4 391.1 364.1
40歳~44歳 328.5 355.5 311.3 434.1 418.5
45歳~49歳 349.6 371.6 332.4 468.8 436.5
50歳~54歳 368.4 409.4 359.8 536.5 492.9
55歳~59歳 403.8 406.2 361.9 531.4 502.6
60歳~64歳 281.4 347.5 265.7 290.6 343.7
65歳~69歳 262.8 305.8 226.9 235.2 337.8
70歳~ 237.3 258.9 221.1 263.7 346.7
全平均 323.3 333.2 294.9 419.7 373.5
  運輸業・郵便業 卸売業・小売業 金融業・保険業 不動産業
物品賃貸業
学術研究
専門技術サービス業
~19歳 182.8 181.8 170.6 176.2 178.1
20歳~24歳 209 211.3 223.5 222.4 223
25歳~29歳 239.2 248.2 268.4 252.8 269.5
30歳~34歳 264.4 274.3 331.6 286.5 328.1
35歳~39歳 285.4 304.3 395.6 336.5 370.7
40歳~44歳 295.1 327.4 431.1 354.8 420.2
45歳~49歳 305.1 348.4 460.5 380.6 437.4
50歳~54歳 304.2 377.3 484.3 402.1 480.8
55歳~59歳 297.8 369.7 453.7 418.9 500.7
60歳~64歳 250.4 281.3 331.2 304 400.1
65歳~69歳 217.2 234.6 323.3 250 342.7
70歳~ 204 228.9 328.4 222 324.9
全平均 278.5 308 383.5 326.1 386.9
  宿泊業
飲料サービス業
生活系サービス業
娯楽業
教育、学習支援業 医療、福祉 複合サービス業
~19歳 127.4 181.3 172.3 181.5 174.5
20歳~24歳 195.8 207.6 215.2 225.4 196.7
25歳~29歳 226.1 231.2 252.6 250.9 224.1
30歳~34歳 244.6 255.7 301.9 271.2 252.3
35歳~39歳 266.3 285.2 347.7 291.1 378.9
40歳~44歳 288.8 305.8 383.9 303.4 315.3
45歳~49歳 292.3 303.8 414.5 312.4 345.9
50歳~54歳 292.9 315 447.5 318.9 359.7
55歳~59歳 287.7 294.4 492.6 328.8 362.2
60歳~64歳 246.6 240.8 451.6 306.4 233.5
65歳~69歳 207.7 199.9 444.9 316.2 199.5
70歳~ 187.9 183.4 344.9 346.6 192.2
全平均 257.6 268.2 373.9 291.7 296.7

雇用形態別

【雇用形態別・年齢別平均年収】 単位:月賃金(千円)

年齢階級 正社員 正社員以外 正社員以外/正社員(%)
~19歳 183.9 167.9 91.3
20歳~24歳 216.6 183 84.5
25歳~29歳 250.9 204.9 81.7
30歳~34歳 283.7 207.6 73.2
35歳~39歳 315.9 208.3 65.9
40歳~44歳 341.8 210.2 61.5
45歳~49歳 361.3 209.9 58.1
50歳~54歳 388.4 212 54.6
55歳~59歳 393 210.5 53.6
60歳~64歳 329.8 248.8 75.4
65歳~69歳 299.2 224.2 74.9
70歳~ 280.1 205.6 73.4
全年齢平均 323.4 216.7 67
平均年齢(歳) 42.3 49.6  
平均勤続年数(年) 12.8 9.5  

業種で特に高いのは電気・ガスといったインフラ系、金融業、教育業で、30~40代で月40万を超えているものが多いです。賞与も加味すると、30代で550万以上の人が多そうです。また、どの業種でもほぼ50代が年収のピークとなっています。

【参照元】厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より

平均年収が上がらない原因とその対策

日本の平均年収はなぜ上がらないのでしょうか。そしてその対策はあるのでしょうか。理由と原因を探るとそのための対策も自ずと見えてきます。

日本の平均年収が上がらない理由

日本の年収は、上記でも述べたように約30年間ほぼ横ばいで推移しています。諸外国が軒並み上昇している中、日本だけ、なぜ上がらないのでしょうか。

理由はいくつか挙げられます。

  1. 経済成長率が低い
  2. 終身雇用制度

【1. 経済成長率が低い】

国の経済成長率は「GDP(国内総生産)」で表すことが出来ます。GDPは、ある一定の期間に、国内で生まれた付加価値の合計です。

GDPの値はその国の経済力を示します。経済が成長していくと自然と給与水準も上がっていきます。しかし、経済が停滞していると給与はなかなか上がりません。日本はこの20年間、諸外国と比較してGDPの成長が劣っています

【2000年を100とした場合の各項目の2019年の値(平均年収は2020年)】

  実質GDP 一人当たり実質GDP 平均年収
日本 114.9 115.7 100
アメリカ 144.9 125 126.9
イギリス 137.6 121.4 119.2
ドイツ 127 124 117.4
フランス 127.9 115.4 115.7

【2. 終身雇用制度】

日本の企業では終身雇用制度を多く採用しています。一度就職すると、定年までその企業で働き続ける文化が定着しているのです。

日本人は安定を求める傾向があります。たとえば、これから働こうとする人に「年間400万円の給料だけど一生働ける保障をする」か「年間800万円の給料にするが、成績が悪ければいつでも解雇する」と問いかけたら、多くの人は「400万円で一生働ける」方を選択するでしょう。

働く側は、「平均年収より若干安い水準ではあるが、生活の安定には変えられない」、生活水準に多少のリスクはあるが、将来の生活が保障されるリターンが得られます。そして雇う側は、「どんな働きをしてくれるかわからないが、人件費が少なく済む」、労働力にリスクはあるが、人件費を低く抑えられるメリットがあります。

このような労使双方の気持ちが給与の上昇を抑制しているといえるでしょう。

そして、その思考にいたる背後には日本の転職市場の流動性の低さがあることは否めません。諸外国は、能力主義なので、仕事に能力が伴わない場合は別の仕事や企業へ転職することは当たりまえにあります。転職市場が充実しているため日本のように加齢によって転職が決まらないようなことは無く、安心して退職することができるのです。日本は、仕事内容は合わないが、転職する機会や先が無いので給与水準が低くてもずっと居るといったケースが多くでてきそうです。

年収を上げるためにできる対策

・資格取得、転職

年収を上げるためには、資格取得による昇給や転職が考えられます。今、在籍する会社で年収を上げられるのは昇給することです。資格手当等もあるのであれば、取得を考えても良いでしょう。

そして今、在籍する会社を退職して転職することも考えられます。今まで培ったノウハウや能力、人脈などを生かしてステップアップしましょう。近年では社会人の学びなおしである「リカレント教育」が注目されています年収アップを目指すためには、自身のスキルアップが不可欠です。

・副業

副業によっても年収を上げることができます。近年、大手企業でも副業が解禁されるようになり、今までのように副業禁止のムードは無くなりつつあります。本業の時間以外にも副業で労働をおこない、副収入を得ることで年収アップを目指せます。ただし、副業に時間を費やしすぎて本業に支障が出ては本末転倒なので、注意が必要です。

・資産運用

年収アップの方法として注目されているのが資産運用です。働かずともお金がお金を稼いでくれる資産運用はタイムパフォーマンスを重視する世代にマッチした方法です。その資産形成の中で特にメリットのある資産形成の手段を紹介します。

【iDeCo】
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」という私的年金制度です。自身で申込、掛金を払い、運用を行い、老後に年金として受け取ることができます。金融機関でiDeCo口座を開設し、その金融機関が取り扱う数種類の投資信託等から選択し、運用を行うのです。 iDeCoの最大のメリットはさまざまな税制の優遇が受けられることです。月々の掛金は、年末調整や確定申告時に「小規模企業共済等掛金控除」の対象となっています。

また、投資商品は通常、利益に約20%税金がかかりますが、iDeCoだと非課税です。そして老後に一括で受給する場合は「退職所得控除」を、年金として受給する場合は、「公的年金等控除」が受けられるのです。

運用対象となる金融商品は、定期預金などのローリスク・ローリターン商品から、株式等で運用するハイリスク・ハイリターンな投資信託まで幅広いラインナップが用意されています。その中から長期的な視点で利益が出そうな商品を選択して投資します。商品の選択は複数選べて月々の投資金額も商品ごとに変えられます。

運用期間中は手元に利益が残るわけではありませんが、掛金が所得控除の対象なので毎月の手取りの金額が増えるという意味で年収アップと言えるのではないでしょうか。

【NISA】
NISAも税制面でメリットがある制度です。銀行や証券会社等いずれか一つの金融機関でNISA口座を開設します。上場株式やその金融機関が指定する投資信託に投資を行います。その投資した商品の配当金や分配金そして売却益にかかる税金が非課税となることがNISAの最大の特徴かつメリットです。

株や投資信託を一括でまとまった口数購入する一般NISAと、月々一定の金額を積み立てて購入する場合のつみたてNISAをどちらか選択して運用するしくみでしたが、2024年以降は新しい制度がスタートし、その2つの方法のいずれも行えるようになります。それぞれ限度額が指定されているので、以下の表を参考にしてください。

【新NISAの概要】  つみたて投資枠  成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
投資対象商品 長期積立・分散投資に適した
投資信託等
上場株式・投資信託等
非課税保有限度枠 1,800万円
(そのうち成長投資枠の上限額は1,200万円) 
対象年齢 18歳以上
非課税保有期間 無期限化
口座開設期間 恒久化
現行制度との関係 2023年末までに現行制度にて投資した商品は、
新NISAとは別枠としてカウントされる

高配当株や投資信託などには定期的に配当金が貰える商品もあるので、年収アップに効果的です。ただし配当金の利回りが5%だとしても、月1万円の配当金を受け取るためには、240万円の投資が必要になります。配当金のみで年収アップを目指す場合、大きな元手が必要になることを覚えておきましょう

【不動産投資】
不動産投資は、20~40代の世代にとっては投資しやすい商品です。なぜなら、リスク分類は「ミドルリスク・ミドルリターン」に属し、運用の手間がほとんどかからないことから忙しい会社員の方におすすめの投資商品だからです。

不動産投資は物件を購入して、入居者に貸し出して家賃を得ます。一般的には金融機関とローン締結をしておこないますので、家賃収入でローン返済をまかなうことが多いです。ローン完済後はそのまま家賃収入を得ることが可能で、老後資金の準備や、年金生活時には副収入として退職後の生活を安定させることができるのです。 月々の手出しが少なく済み、入居者管理も業者に任せてしまえば、労力は比較的かからない点がメリットです。

反面、空室リスクや修繕費用の負担などは頭に入れておかねばなりません。収支計画を立てる際には、必ず考慮しておくべきです。そして、将来、人口減少が予想されるため、駅や大学、など立地条件の良い物件に投資することが大事になってきます。

ローンで購入する場合、購入してすぐに大きな家賃収入を得ることは難しいですが、定期的に繰り上げ返済を行うことで少しずつ手元に残るお金を増やしていくことが可能です。

まとめ

今回は、日本の平均年収はどれくらいなのか?諸外国と比較した場合や、国内での年齢別・業種別や雇用形態別の平均年収を紹介してきました。ここ30年間で諸外国は年収を大幅に増やしましたが、日本は横ばいだったことがわかりました。

そして年収を上げるコツも紹介しました。会社に属しているだけでは年収を上げることが難しい日本では自ら努力して年収を増やすことが大切です。より豊かな生活を送るためにも今のうちから準備や勉強を始めましょう。ベルテックスでは、資産形成についてのセミナーを毎日開催しております。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.13

市況

ベルテックスコラム事務局

日本の平均年収はどのぐらい?年収が上がらない原因と対策を解説

  • 日本の現状
  • 年収・収入

日本の平均年収はどのくらいかご存じですか。また、諸外国の平均年収や各業種の平均年収はいくらくらいなのでしょうか。

今回は、日本の平均年収の額と、日本の平均年収が上がらない原因、そして年収を上げるためのノウハウを紹介していきます。原因や年収アップへのノウハウを学んで、より豊かな生活を送れるようにしましょう。

日本の平均年収の推移

日本の平均年収は具体的にどれぐらいの金額なのでしょうか。2022年に国税庁から発表された調査によると、平均年収は「443万円」となっています。これは昔と比べてよくなっているのでしょうか?

【参照元】国税庁「 令和3年分民間給与実態統計調査結果 」について

30年間の日本の平均年収の推移

日本の2018年以前30年間の平均年収の推移をまとめてみました。

1990年代前半のバブル崩壊後から460~470万円台を維持してきましたが、2004年から数年450万円台に下がりました。この時期は、「物価が下がる→売上が減る→企業業績が下がる→給料が減る→物が売れないので物価が下がる」といった「デフレスパイラル」に陥り、給与が下がりました。

そして、2008年のリーマンショックで世界的不況が起き、その影響でさらに年収が下がります。その後も長年にわたり大きく上がることなく推移しています。1991年の472万円と比較すると、29万円も平均年収は下がっています

日本の30年間の年収推移。1989年が425万円、2019年が436万円とほぼ横ばいになっている。

世界との平均年収推移の比較

以下で世界の主要国の2000~2020年平均年収の推移をまとめてみました。

各国の平均年収の推移。2000年と2020年を比較して120%以上となっている諸外国もあるが、日本は±0となっている。

この20年間で年収が上がった国と、そうでない国が顕著になっています。アメリカとオーストラリアは2020年の平均年収が2000年に対して120%を超えています。ヨーロッパの主要国も軒並み110%台で、これらの国の経済成長がうかがえます。成長著しい韓国は、約150%とこの中ではトップの上昇率です。

対して日本は、20年間ほぼ横ばいです。2000年ごろ、ほぼ同水準だったイギリスやフランスとは20年経過すると1万ドルもの差を付けられました。さらには2000年には約1万ドル上回っていた韓国に2015年には抜かれて2020年には約7,000ドル下回ってしまいました。

グラフを見て分かるように日本は世界と比べて平均年収も低く、上昇率でも大きく差を付けられています

【参考】OECD.Stat「Average annual wages」より弊社作成

項目ごとの日本の平均年収の違い

残念ですが、日本の平均年収はこの30年間でほぼ横ばいで変わらないということがわかりました。続いて、業種や年齢別で、雇用形態によって平均年収がどのくらい違うのか見ていきましょう。

業種・年齢別(令和3年データ)

【業種・年齢別平均月給】 単位:月賃金(千円)

  鉱業、採石業
砂利採取業
建設業 製造業 電気・ガス
熱供給・水道業
電気通信業
~19歳 183.7 192.3 182 180.3 180.7
20歳~24歳 215.3 221.5 199 213.6 232
25歳~29歳 261.1 255.9 229.9 262.9 267.5
30歳~34歳 296.1 292.3 260.3 333.4 318.5
35歳~39歳 307.5 315.9 289.4 391.1 364.1
40歳~44歳 328.5 355.5 311.3 434.1 418.5
45歳~49歳 349.6 371.6 332.4 468.8 436.5
50歳~54歳 368.4 409.4 359.8 536.5 492.9
55歳~59歳 403.8 406.2 361.9 531.4 502.6
60歳~64歳 281.4 347.5 265.7 290.6 343.7
65歳~69歳 262.8 305.8 226.9 235.2 337.8
70歳~ 237.3 258.9 221.1 263.7 346.7
全平均 323.3 333.2 294.9 419.7 373.5
  運輸業・郵便業 卸売業・小売業 金融業・保険業 不動産業
物品賃貸業
学術研究
専門技術サービス業
~19歳 182.8 181.8 170.6 176.2 178.1
20歳~24歳 209 211.3 223.5 222.4 223
25歳~29歳 239.2 248.2 268.4 252.8 269.5
30歳~34歳 264.4 274.3 331.6 286.5 328.1
35歳~39歳 285.4 304.3 395.6 336.5 370.7
40歳~44歳 295.1 327.4 431.1 354.8 420.2
45歳~49歳 305.1 348.4 460.5 380.6 437.4
50歳~54歳 304.2 377.3 484.3 402.1 480.8
55歳~59歳 297.8 369.7 453.7 418.9 500.7
60歳~64歳 250.4 281.3 331.2 304 400.1
65歳~69歳 217.2 234.6 323.3 250 342.7
70歳~ 204 228.9 328.4 222 324.9
全平均 278.5 308 383.5 326.1 386.9
  宿泊業
飲料サービス業
生活系サービス業
娯楽業
教育、学習支援業 医療、福祉 複合サービス業
~19歳 127.4 181.3 172.3 181.5 174.5
20歳~24歳 195.8 207.6 215.2 225.4 196.7
25歳~29歳 226.1 231.2 252.6 250.9 224.1
30歳~34歳 244.6 255.7 301.9 271.2 252.3
35歳~39歳 266.3 285.2 347.7 291.1 378.9
40歳~44歳 288.8 305.8 383.9 303.4 315.3
45歳~49歳 292.3 303.8 414.5 312.4 345.9
50歳~54歳 292.9 315 447.5 318.9 359.7
55歳~59歳 287.7 294.4 492.6 328.8 362.2
60歳~64歳 246.6 240.8 451.6 306.4 233.5
65歳~69歳 207.7 199.9 444.9 316.2 199.5
70歳~ 187.9 183.4 344.9 346.6 192.2
全平均 257.6 268.2 373.9 291.7 296.7

雇用形態別

【雇用形態別・年齢別平均年収】 単位:月賃金(千円)

年齢階級 正社員 正社員以外 正社員以外/正社員(%)
~19歳 183.9 167.9 91.3
20歳~24歳 216.6 183 84.5
25歳~29歳 250.9 204.9 81.7
30歳~34歳 283.7 207.6 73.2
35歳~39歳 315.9 208.3 65.9
40歳~44歳 341.8 210.2 61.5
45歳~49歳 361.3 209.9 58.1
50歳~54歳 388.4 212 54.6
55歳~59歳 393 210.5 53.6
60歳~64歳 329.8 248.8 75.4
65歳~69歳 299.2 224.2 74.9
70歳~ 280.1 205.6 73.4
全年齢平均 323.4 216.7 67
平均年齢(歳) 42.3 49.6  
平均勤続年数(年) 12.8 9.5  

業種で特に高いのは電気・ガスといったインフラ系、金融業、教育業で、30~40代で月40万を超えているものが多いです。賞与も加味すると、30代で550万以上の人が多そうです。また、どの業種でもほぼ50代が年収のピークとなっています。

【参照元】厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より

平均年収が上がらない原因とその対策

日本の平均年収はなぜ上がらないのでしょうか。そしてその対策はあるのでしょうか。理由と原因を探るとそのための対策も自ずと見えてきます。

日本の平均年収が上がらない理由

日本の年収は、上記でも述べたように約30年間ほぼ横ばいで推移しています。諸外国が軒並み上昇している中、日本だけ、なぜ上がらないのでしょうか。

理由はいくつか挙げられます。

  1. 経済成長率が低い
  2. 終身雇用制度

【1. 経済成長率が低い】

国の経済成長率は「GDP(国内総生産)」で表すことが出来ます。GDPは、ある一定の期間に、国内で生まれた付加価値の合計です。

GDPの値はその国の経済力を示します。経済が成長していくと自然と給与水準も上がっていきます。しかし、経済が停滞していると給与はなかなか上がりません。日本はこの20年間、諸外国と比較してGDPの成長が劣っています

【2000年を100とした場合の各項目の2019年の値(平均年収は2020年)】

  実質GDP 一人当たり実質GDP 平均年収
日本 114.9 115.7 100
アメリカ 144.9 125 126.9
イギリス 137.6 121.4 119.2
ドイツ 127 124 117.4
フランス 127.9 115.4 115.7

【2. 終身雇用制度】

日本の企業では終身雇用制度を多く採用しています。一度就職すると、定年までその企業で働き続ける文化が定着しているのです。

日本人は安定を求める傾向があります。たとえば、これから働こうとする人に「年間400万円の給料だけど一生働ける保障をする」か「年間800万円の給料にするが、成績が悪ければいつでも解雇する」と問いかけたら、多くの人は「400万円で一生働ける」方を選択するでしょう。

働く側は、「平均年収より若干安い水準ではあるが、生活の安定には変えられない」、生活水準に多少のリスクはあるが、将来の生活が保障されるリターンが得られます。そして雇う側は、「どんな働きをしてくれるかわからないが、人件費が少なく済む」、労働力にリスクはあるが、人件費を低く抑えられるメリットがあります。

このような労使双方の気持ちが給与の上昇を抑制しているといえるでしょう。

そして、その思考にいたる背後には日本の転職市場の流動性の低さがあることは否めません。諸外国は、能力主義なので、仕事に能力が伴わない場合は別の仕事や企業へ転職することは当たりまえにあります。転職市場が充実しているため日本のように加齢によって転職が決まらないようなことは無く、安心して退職することができるのです。日本は、仕事内容は合わないが、転職する機会や先が無いので給与水準が低くてもずっと居るといったケースが多くでてきそうです。

年収を上げるためにできる対策

・資格取得、転職

年収を上げるためには、資格取得による昇給や転職が考えられます。今、在籍する会社で年収を上げられるのは昇給することです。資格手当等もあるのであれば、取得を考えても良いでしょう。

そして今、在籍する会社を退職して転職することも考えられます。今まで培ったノウハウや能力、人脈などを生かしてステップアップしましょう。近年では社会人の学びなおしである「リカレント教育」が注目されています年収アップを目指すためには、自身のスキルアップが不可欠です。

・副業

副業によっても年収を上げることができます。近年、大手企業でも副業が解禁されるようになり、今までのように副業禁止のムードは無くなりつつあります。本業の時間以外にも副業で労働をおこない、副収入を得ることで年収アップを目指せます。ただし、副業に時間を費やしすぎて本業に支障が出ては本末転倒なので、注意が必要です。

・資産運用

年収アップの方法として注目されているのが資産運用です。働かずともお金がお金を稼いでくれる資産運用はタイムパフォーマンスを重視する世代にマッチした方法です。その資産形成の中で特にメリットのある資産形成の手段を紹介します。

【iDeCo】
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」という私的年金制度です。自身で申込、掛金を払い、運用を行い、老後に年金として受け取ることができます。金融機関でiDeCo口座を開設し、その金融機関が取り扱う数種類の投資信託等から選択し、運用を行うのです。 iDeCoの最大のメリットはさまざまな税制の優遇が受けられることです。月々の掛金は、年末調整や確定申告時に「小規模企業共済等掛金控除」の対象となっています。

また、投資商品は通常、利益に約20%税金がかかりますが、iDeCoだと非課税です。そして老後に一括で受給する場合は「退職所得控除」を、年金として受給する場合は、「公的年金等控除」が受けられるのです。

運用対象となる金融商品は、定期預金などのローリスク・ローリターン商品から、株式等で運用するハイリスク・ハイリターンな投資信託まで幅広いラインナップが用意されています。その中から長期的な視点で利益が出そうな商品を選択して投資します。商品の選択は複数選べて月々の投資金額も商品ごとに変えられます。

運用期間中は手元に利益が残るわけではありませんが、掛金が所得控除の対象なので毎月の手取りの金額が増えるという意味で年収アップと言えるのではないでしょうか。

【NISA】
NISAも税制面でメリットがある制度です。銀行や証券会社等いずれか一つの金融機関でNISA口座を開設します。上場株式やその金融機関が指定する投資信託に投資を行います。その投資した商品の配当金や分配金そして売却益にかかる税金が非課税となることがNISAの最大の特徴かつメリットです。

株や投資信託を一括でまとまった口数購入する一般NISAと、月々一定の金額を積み立てて購入する場合のつみたてNISAをどちらか選択して運用するしくみでしたが、2024年以降は新しい制度がスタートし、その2つの方法のいずれも行えるようになります。それぞれ限度額が指定されているので、以下の表を参考にしてください。

【新NISAの概要】  つみたて投資枠  成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
投資対象商品 長期積立・分散投資に適した
投資信託等
上場株式・投資信託等
非課税保有限度枠 1,800万円
(そのうち成長投資枠の上限額は1,200万円) 
対象年齢 18歳以上
非課税保有期間 無期限化
口座開設期間 恒久化
現行制度との関係 2023年末までに現行制度にて投資した商品は、
新NISAとは別枠としてカウントされる

高配当株や投資信託などには定期的に配当金が貰える商品もあるので、年収アップに効果的です。ただし配当金の利回りが5%だとしても、月1万円の配当金を受け取るためには、240万円の投資が必要になります。配当金のみで年収アップを目指す場合、大きな元手が必要になることを覚えておきましょう

【不動産投資】
不動産投資は、20~40代の世代にとっては投資しやすい商品です。なぜなら、リスク分類は「ミドルリスク・ミドルリターン」に属し、運用の手間がほとんどかからないことから忙しい会社員の方におすすめの投資商品だからです。

不動産投資は物件を購入して、入居者に貸し出して家賃を得ます。一般的には金融機関とローン締結をしておこないますので、家賃収入でローン返済をまかなうことが多いです。ローン完済後はそのまま家賃収入を得ることが可能で、老後資金の準備や、年金生活時には副収入として退職後の生活を安定させることができるのです。 月々の手出しが少なく済み、入居者管理も業者に任せてしまえば、労力は比較的かからない点がメリットです。

反面、空室リスクや修繕費用の負担などは頭に入れておかねばなりません。収支計画を立てる際には、必ず考慮しておくべきです。そして、将来、人口減少が予想されるため、駅や大学、など立地条件の良い物件に投資することが大事になってきます。

ローンで購入する場合、購入してすぐに大きな家賃収入を得ることは難しいですが、定期的に繰り上げ返済を行うことで少しずつ手元に残るお金を増やしていくことが可能です。

まとめ

今回は、日本の平均年収はどれくらいなのか?諸外国と比較した場合や、国内での年齢別・業種別や雇用形態別の平均年収を紹介してきました。ここ30年間で諸外国は年収を大幅に増やしましたが、日本は横ばいだったことがわかりました。

そして年収を上げるコツも紹介しました。会社に属しているだけでは年収を上げることが難しい日本では自ら努力して年収を増やすことが大切です。より豊かな生活を送るためにも今のうちから準備や勉強を始めましょう。ベルテックスでは、資産形成についてのセミナーを毎日開催しております。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。