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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
インフレ対策に有効な投資とは?不動産投資がインフレに強い理由を解説
- はじめ方・基礎知識
- メリット
近年、コロナウイルスの流行、ウクライナ問題など影響で世界的にインフレが加速しています。このような状況下では、気付かないうちに資産が目減りしてしまいます。いつまで続くか分からないインフレに対して対策する必要性が高まっています。
今回はインフレの概要とインフレに強い投資、その中でも不動産投資がインフレに強い理由を深堀して紹介します。リスクヘッジの1つとしてインフレ対策の理解を深めていきましょう。
インフレが起きる理由と対策の観点
ここでは、インフレの定義と起きる仕組み、対策方法について解説します。
インフレの定義と起きる仕組み
「インフレ」とは、「インフレーション」(inflation)という言葉の短縮形であり、通貨の相対的な価値が低下し、一方で商品やサービスの価格が上昇する状態を指します。例えば、今100円で買えるものが10年後に110円になったとします。この場合、ものを買うために必要な円が増えた=円の価値が低くなり、ものの価値は逆に上がったと言えます。
インフレには良いインフレと悪いインフレがあります。良いインフレとは、経済が活性化する→消費や需要が増加→需要が供給を上回る→ものの価値が上がり、物価上昇→企業利益が増大→従業員の給与が上昇し、経済が良い循環をすることを指し、健全な経済状態であると評価されます。
一方、悪いインフレは原材料価格の高騰や為替変動、労働者や生産者の減少等で、経済の活性化が起きないまま物価が上がってしまうことです。こうした悪いインフレは「スタグフレーション」と呼ばれます。景気停滞を意味するスタグネーションと物価上昇を表すインフレーションを合わせた言葉になります。
こうしたインフレを調整するために、日本銀行(以下日銀)は様々な金融施策で物価の安定を目指して経済を調整しています。
例えば、政策金利は景気や物価の安定を目指し、金融政策上の目的を達成するために設定する金利のことです。この金利は、各種金融機関が日銀から資金を調達する際にかかる金利のため、金利が低いほど金融機関から融資を受ける企業も資金が調達しやすくなり、経済が活発化し、景気上昇し、物価も上昇するとされています。
また、市場の通貨流通を制御し、経済の傾向を調整する買いオペ・売りオペと呼ばれるものもあります。買いオペは日銀が企業や市場から国債や手形を購入し、代わりに企業や市場に金銭が支払われます。そのため、企業の手元にお金が渡る→市場の通貨流入が増え、経済活動が活発化していきます。
反対に売りオペは日銀が企業や市場に国債や手形を売却します。企業や市場に残るお金自体は減るため、市場の通貨流入が減ります。こちらは物価上昇している際に、インフレ率を抑えるために行います。
このように、インフレの発生と度合いは経済の複雑な相互関係によって決まり、日本銀行も経済を注視しマーケットが激しく動かない様に調整に努めています。
現在、日銀は上記のような様々な対策を講じていますが、物価上昇に歯止めが利かない状況です。こうした状況下ではいち早くインフレ対策を行う必要があります。
インフレ対策の意味とメリット
現在日本ではインフレ、特に悪いインフレのスタグフレーションが進み、給与は上がっていないのに物価が上昇しています。例えば、国税庁の『民間給与実態統計調査』によると、日本人の平均給与は1990年425万で2019年は436万と、1.02倍です。この約30年でほぼ横ばいと言えるでしょう。
一方、食料品や税金は上がり続けています。
1990年 | 2020年~ | |
---|---|---|
消費税 | 3% | 10% |
介護保険料 | なし | 約6000円前後/月 |
小麦粉 | 197円 | 266円 |
ノート | 114円 | 162円 |
【参照元】統計局「『小売物価統計調査』2020年度」より
年収が上がるスピードより、ものやサービス・税金が上がる幅の方が大きく、私達の老後の30年後もこのペースで上がれば更に生活は困窮します。そのためお金を貯金するだけではなく、運用することやインフレ対策が重要になってきます。
例えば、100万円を貯金した場合、10年後もそのまま100万円です。同じ100万円を貯金せずに投資に回した場合、年利5%で10年間運用できれば、162.9万円になります。62.9万円も増えていれば、上がった税金や物価分も補える可能性が高いでしょう。また、金や不動産など、そのものに価値がある実物資産であれば、インフレに応じて価格が上昇します。もちろん、投資にはリスクが伴い、運用の結果、投資元本を下回ることも考えられます。
給料が上がりづらく、税収も増えている日本においては、インフレ対策をする必要性は今後も高まっていくでしょう。
インフレになっても価値が落ちにくい投資商品
次に、インフレでも価値が落ちにくい、インフレ対策に有効な投資商品を紹介します。
個別株
一般的に、株式はインフレに対して強いとされます。企業が自社製品の価格を調整して収益を増やせるため、物価上昇に連動して株価も上昇する可能性があります。しかし、先述の悪いインフレの場合、企業収益が上がっている訳ではないため、注意が必要です。また、株価の上昇が見込める銘柄を選定する必要があるため、投資の難易度は比較的高いと言えるでしょう。
金(ゴールド)
金は、インフレに対して強い資産と言えます。世界中で取引されるため、不安定な経済状況や戦争の際にも価値が保たれると言われています。また、金は紙幣と異なり、そのものに価値があるため価値がゼロにはなりません。金投資は、「純金積み立て」のような積立投資もあり初心者でも取り組みやすいと言えるでしょう。
REIT(不動産投資信託)
REITは、不動産への投資を簡単に行える手段として注目されています。インフレ時には賃料も上がる傾向にあるため不動産の賃料収入が収益源のREITはインフレに強いとされます。投資信託であるため少額から可能で、1銘柄でホテルや倉庫、賃貸住宅など複数の物件を運用するため、分散投資にもなります。
投資信託
投資信託は、株式や債券から構成されており分散投資を容易に行えるため、インフレ対策に有効な選択肢です。また、数千円程度の小額から投資が可能なため初心者にもおすすめの投資です。各銘柄はファンドレーティングというプロが選定した評価基準があるため、初心者の方はそちらを参考にするのも良いでしょう。構成銘柄は運用のプロが選定しているため、個別銘柄の選定が難しい人にもおすすめです。
不動産投資
不動産はインフレ時には物件そのものの価格や家賃の上昇が見込まれるため、インフレ対策として有効です。一般的に、不動産投資はマンションの一室やアパート一棟を購入して、金融機関とローンを組みます。ローン返済は家賃収入でまかなうため、実は月々の自己資金は少なく済むのが特徴です。また、入居者対応を管理会社に任せてしまえば、購入後の労力がかからずに運用できるのも強みです。
不動産は経年劣化に従い価値が下がると考えがちですが、東京カンテイが発表している新築時の価格と10年後の価格を比較する『リセールバリュー』では、首都圏の駅近物件であれば価格は上昇しているものが多いことが分かります。エリアの選定が必要ですが、家賃収入と売却益、二つの観点でもインフレに強いと言えるのが不動産投資です。
様々な投資商品を紹介しましたが、投資にはリスクが伴います。ですので、投資商品を検討する際には、リスクとリターン、投資目的に応じて最適な組み合わせを考えることが重要です。
インフレ対策に不動産投資が強い理由
インフレ対策の観点からみて、不動産投資が他の投資商品に比べて優れている理由はいくつかあります。以下にその主な理由を紹介します。
実物資産なので価値が下がりづらい
インフレが進行すると、通常物価が上昇し、通貨の価値が低下します。不動産などの実物資産はもの自体に価値があり、経済の変動に対しても影響を受けにくい特性を持っています。株式等の金融資産をメインに運用している場合、資産価値の減少リスクを低減しながら、価値の保全と成長を実現する手段として実物資産である不動産をポートフォリオに組み込むのも良いでしょう。
ローン残高が目減りする
インフレによって通貨の価値が低下すると、借入金(ローン残高)の実質的な価値も下がります。例えば、投資用ローンの借り入れがある場合、インフレによって物価が上昇し、家賃収入などが増えると、返済負担が軽減されます。ただし、インフレによって金利が上昇する可能性もあるため、金利変動には注意が必要です。固定金利の場合はその影響を受けませんが、変動金利の場合は月々のローン返済が増加することが考えられます。
家賃収入もインフレに応じて上昇する
インフレが進行すると、生活費が増加するため、住宅に求められる家賃も上昇する傾向があります。不動産投資において主要な収入源となる家賃収入も、インフレによって上昇が期待されます。特に、家賃の調整は消費者物価指数の上昇に合わせて行われることが一般的であり、その結果、インフレ状況下でも家賃収入は相対的な安定性を保ちつつ上昇する傾向があります。このような仕組みにより、不動産投資家はインフレの影響を受けづらい収入を得ることができます。
ただし、物件の経年劣化によって家賃下落も起こりえます。物件の賃貸需要や管理状況などを十分に考慮してから物件を購入することが重要です。
不動産投資のリスクも対策次第で切り抜け可能
不動産投資はインフレ対策に有効な一方で様々なリスクもあります。しかし、リスクを適切に把握し、対策を講じることで、リスクを抑えることは可能です。以下では、不動産投資における主なリスクとそれに対する対策について詳しく見ていきましょう。
不動産投資における主なリスクと対策
不動産投資における5つの主要なリスク
- 空室リスク
- 滞納リスク
- 災害リスク
- 老朽化による修繕リスク
- 金利上昇のリスク
不動産投資にはこういったリスクが付きものですが、適切な対策を講じることでリスクを軽減し、安定した収益を確保することが可能です。特に影響が大きいとされる、空室リスクについて解説します。
【空室リスクと対策】
不動産投資において最大のリスクの一つが空室リスクです。空室リスクとは、物件に入居者が付かず、家賃収入が得られない状況のことを指します。入居者がいない期間のローン返済は自費で払わなくてはならないため、大きなリスクと言えます。
空室リスクを軽減するために、重要なのが物件のエリア選定です。例えば人口減少している地方物件よりは、現在も人口が増加している東京エリアの物件の方が空室リスクは低いでしょう。都心へのアクセスが良いことや、物件周辺の利便性が高いことなど入居者目線で住みやすいかが重要です。エリア選定は家賃下落リスクや、災害リスクにも影響しますから、慎重に行う必要があります。
他にも、こんな対策方法が考えられます。
・初期費用を軽減する
・リフォームで部屋の価値・質を上げる
・仲介業者に支払う広告料を上げる
不動産投資は他の投資と同様にリスクを伴います。しかし、適切な対策を講じることでリスクを抑えていくことが可能です。更に詳しく不動産投資のリスクについて知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
【おすすめ関連記事】不動産投資における10つのリスクと失敗しないための対策を解説
まとめ
本記事では、インフレの仕組み、インフレ対策の必要性、インフレに強い投資商品について紹介しました。さらにインフレに特に強いと言われている不動産投資ついても説明しました。
インフレ時には、対策を講じていないと資産が目減りしていってしまいます。近年、老後に向けた資産形成に取り組む方が増えていますが、ただ資産を増やすことを目的にするのではなく、インフレなど様々なリスクに備えたバランスの取れたポートフォリオを組むことをおすすめします。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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インフレ対策に有効な投資とは?不動産投資がインフレに強い理由を解説
- はじめ方・基礎知識
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近年、コロナウイルスの流行、ウクライナ問題など影響で世界的にインフレが加速しています。このような状況下では、気付かないうちに資産が目減りしてしまいます。いつまで続くか分からないインフレに対して対策する必要性が高まっています。
今回はインフレの概要とインフレに強い投資、その中でも不動産投資がインフレに強い理由を深堀して紹介します。リスクヘッジの1つとしてインフレ対策の理解を深めていきましょう。
インフレが起きる理由と対策の観点
ここでは、インフレの定義と起きる仕組み、対策方法について解説します。
インフレの定義と起きる仕組み
「インフレ」とは、「インフレーション」(inflation)という言葉の短縮形であり、通貨の相対的な価値が低下し、一方で商品やサービスの価格が上昇する状態を指します。例えば、今100円で買えるものが10年後に110円になったとします。この場合、ものを買うために必要な円が増えた=円の価値が低くなり、ものの価値は逆に上がったと言えます。
インフレには良いインフレと悪いインフレがあります。良いインフレとは、経済が活性化する→消費や需要が増加→需要が供給を上回る→ものの価値が上がり、物価上昇→企業利益が増大→従業員の給与が上昇し、経済が良い循環をすることを指し、健全な経済状態であると評価されます。
一方、悪いインフレは原材料価格の高騰や為替変動、労働者や生産者の減少等で、経済の活性化が起きないまま物価が上がってしまうことです。こうした悪いインフレは「スタグフレーション」と呼ばれます。景気停滞を意味するスタグネーションと物価上昇を表すインフレーションを合わせた言葉になります。
こうしたインフレを調整するために、日本銀行(以下日銀)は様々な金融施策で物価の安定を目指して経済を調整しています。
例えば、政策金利は景気や物価の安定を目指し、金融政策上の目的を達成するために設定する金利のことです。この金利は、各種金融機関が日銀から資金を調達する際にかかる金利のため、金利が低いほど金融機関から融資を受ける企業も資金が調達しやすくなり、経済が活発化し、景気上昇し、物価も上昇するとされています。
また、市場の通貨流通を制御し、経済の傾向を調整する買いオペ・売りオペと呼ばれるものもあります。買いオペは日銀が企業や市場から国債や手形を購入し、代わりに企業や市場に金銭が支払われます。そのため、企業の手元にお金が渡る→市場の通貨流入が増え、経済活動が活発化していきます。
反対に売りオペは日銀が企業や市場に国債や手形を売却します。企業や市場に残るお金自体は減るため、市場の通貨流入が減ります。こちらは物価上昇している際に、インフレ率を抑えるために行います。
このように、インフレの発生と度合いは経済の複雑な相互関係によって決まり、日本銀行も経済を注視しマーケットが激しく動かない様に調整に努めています。
現在、日銀は上記のような様々な対策を講じていますが、物価上昇に歯止めが利かない状況です。こうした状況下ではいち早くインフレ対策を行う必要があります。
インフレ対策の意味とメリット
現在日本ではインフレ、特に悪いインフレのスタグフレーションが進み、給与は上がっていないのに物価が上昇しています。例えば、国税庁の『民間給与実態統計調査』によると、日本人の平均給与は1990年425万で2019年は436万と、1.02倍です。この約30年でほぼ横ばいと言えるでしょう。
一方、食料品や税金は上がり続けています。
1990年 | 2020年~ | |
---|---|---|
消費税 | 3% | 10% |
介護保険料 | なし | 約6000円前後/月 |
小麦粉 | 197円 | 266円 |
ノート | 114円 | 162円 |
【参照元】統計局「『小売物価統計調査』2020年度」より
年収が上がるスピードより、ものやサービス・税金が上がる幅の方が大きく、私達の老後の30年後もこのペースで上がれば更に生活は困窮します。そのためお金を貯金するだけではなく、運用することやインフレ対策が重要になってきます。
例えば、100万円を貯金した場合、10年後もそのまま100万円です。同じ100万円を貯金せずに投資に回した場合、年利5%で10年間運用できれば、162.9万円になります。62.9万円も増えていれば、上がった税金や物価分も補える可能性が高いでしょう。また、金や不動産など、そのものに価値がある実物資産であれば、インフレに応じて価格が上昇します。もちろん、投資にはリスクが伴い、運用の結果、投資元本を下回ることも考えられます。
給料が上がりづらく、税収も増えている日本においては、インフレ対策をする必要性は今後も高まっていくでしょう。
インフレになっても価値が落ちにくい投資商品
次に、インフレでも価値が落ちにくい、インフレ対策に有効な投資商品を紹介します。
個別株
一般的に、株式はインフレに対して強いとされます。企業が自社製品の価格を調整して収益を増やせるため、物価上昇に連動して株価も上昇する可能性があります。しかし、先述の悪いインフレの場合、企業収益が上がっている訳ではないため、注意が必要です。また、株価の上昇が見込める銘柄を選定する必要があるため、投資の難易度は比較的高いと言えるでしょう。
金(ゴールド)
金は、インフレに対して強い資産と言えます。世界中で取引されるため、不安定な経済状況や戦争の際にも価値が保たれると言われています。また、金は紙幣と異なり、そのものに価値があるため価値がゼロにはなりません。金投資は、「純金積み立て」のような積立投資もあり初心者でも取り組みやすいと言えるでしょう。
REIT(不動産投資信託)
REITは、不動産への投資を簡単に行える手段として注目されています。インフレ時には賃料も上がる傾向にあるため不動産の賃料収入が収益源のREITはインフレに強いとされます。投資信託であるため少額から可能で、1銘柄でホテルや倉庫、賃貸住宅など複数の物件を運用するため、分散投資にもなります。
投資信託
投資信託は、株式や債券から構成されており分散投資を容易に行えるため、インフレ対策に有効な選択肢です。また、数千円程度の小額から投資が可能なため初心者にもおすすめの投資です。各銘柄はファンドレーティングというプロが選定した評価基準があるため、初心者の方はそちらを参考にするのも良いでしょう。構成銘柄は運用のプロが選定しているため、個別銘柄の選定が難しい人にもおすすめです。
不動産投資
不動産はインフレ時には物件そのものの価格や家賃の上昇が見込まれるため、インフレ対策として有効です。一般的に、不動産投資はマンションの一室やアパート一棟を購入して、金融機関とローンを組みます。ローン返済は家賃収入でまかなうため、実は月々の自己資金は少なく済むのが特徴です。また、入居者対応を管理会社に任せてしまえば、購入後の労力がかからずに運用できるのも強みです。
不動産は経年劣化に従い価値が下がると考えがちですが、東京カンテイが発表している新築時の価格と10年後の価格を比較する『リセールバリュー』では、首都圏の駅近物件であれば価格は上昇しているものが多いことが分かります。エリアの選定が必要ですが、家賃収入と売却益、二つの観点でもインフレに強いと言えるのが不動産投資です。
様々な投資商品を紹介しましたが、投資にはリスクが伴います。ですので、投資商品を検討する際には、リスクとリターン、投資目的に応じて最適な組み合わせを考えることが重要です。
インフレ対策に不動産投資が強い理由
インフレ対策の観点からみて、不動産投資が他の投資商品に比べて優れている理由はいくつかあります。以下にその主な理由を紹介します。
実物資産なので価値が下がりづらい
インフレが進行すると、通常物価が上昇し、通貨の価値が低下します。不動産などの実物資産はもの自体に価値があり、経済の変動に対しても影響を受けにくい特性を持っています。株式等の金融資産をメインに運用している場合、資産価値の減少リスクを低減しながら、価値の保全と成長を実現する手段として実物資産である不動産をポートフォリオに組み込むのも良いでしょう。
ローン残高が目減りする
インフレによって通貨の価値が低下すると、借入金(ローン残高)の実質的な価値も下がります。例えば、投資用ローンの借り入れがある場合、インフレによって物価が上昇し、家賃収入などが増えると、返済負担が軽減されます。ただし、インフレによって金利が上昇する可能性もあるため、金利変動には注意が必要です。固定金利の場合はその影響を受けませんが、変動金利の場合は月々のローン返済が増加することが考えられます。
家賃収入もインフレに応じて上昇する
インフレが進行すると、生活費が増加するため、住宅に求められる家賃も上昇する傾向があります。不動産投資において主要な収入源となる家賃収入も、インフレによって上昇が期待されます。特に、家賃の調整は消費者物価指数の上昇に合わせて行われることが一般的であり、その結果、インフレ状況下でも家賃収入は相対的な安定性を保ちつつ上昇する傾向があります。このような仕組みにより、不動産投資家はインフレの影響を受けづらい収入を得ることができます。
ただし、物件の経年劣化によって家賃下落も起こりえます。物件の賃貸需要や管理状況などを十分に考慮してから物件を購入することが重要です。
不動産投資のリスクも対策次第で切り抜け可能
不動産投資はインフレ対策に有効な一方で様々なリスクもあります。しかし、リスクを適切に把握し、対策を講じることで、リスクを抑えることは可能です。以下では、不動産投資における主なリスクとそれに対する対策について詳しく見ていきましょう。
不動産投資における主なリスクと対策
不動産投資における5つの主要なリスク
- 空室リスク
- 滞納リスク
- 災害リスク
- 老朽化による修繕リスク
- 金利上昇のリスク
不動産投資にはこういったリスクが付きものですが、適切な対策を講じることでリスクを軽減し、安定した収益を確保することが可能です。特に影響が大きいとされる、空室リスクについて解説します。
【空室リスクと対策】
不動産投資において最大のリスクの一つが空室リスクです。空室リスクとは、物件に入居者が付かず、家賃収入が得られない状況のことを指します。入居者がいない期間のローン返済は自費で払わなくてはならないため、大きなリスクと言えます。
空室リスクを軽減するために、重要なのが物件のエリア選定です。例えば人口減少している地方物件よりは、現在も人口が増加している東京エリアの物件の方が空室リスクは低いでしょう。都心へのアクセスが良いことや、物件周辺の利便性が高いことなど入居者目線で住みやすいかが重要です。エリア選定は家賃下落リスクや、災害リスクにも影響しますから、慎重に行う必要があります。
他にも、こんな対策方法が考えられます。
・初期費用を軽減する
・リフォームで部屋の価値・質を上げる
・仲介業者に支払う広告料を上げる
不動産投資は他の投資と同様にリスクを伴います。しかし、適切な対策を講じることでリスクを抑えていくことが可能です。更に詳しく不動産投資のリスクについて知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
【おすすめ関連記事】不動産投資における10つのリスクと失敗しないための対策を解説
まとめ
本記事では、インフレの仕組み、インフレ対策の必要性、インフレに強い投資商品について紹介しました。さらにインフレに特に強いと言われている不動産投資ついても説明しました。
インフレ時には、対策を講じていないと資産が目減りしていってしまいます。近年、老後に向けた資産形成に取り組む方が増えていますが、ただ資産を増やすことを目的にするのではなく、インフレなど様々なリスクに備えたバランスの取れたポートフォリオを組むことをおすすめします。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。