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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
金投資と不動産投資の特徴とは?実物資産で5,000万円を目指そう
- 資産形成
- 比較
「実物資産」への投資で代表的なものには金投資と不動産投資があります。今(2023年8月現在)、その2つの実物資産の価値が上昇していて人気なのはご存じでしょうか? いずれも史上最高値を更新する勢いです。今回はそんな実物投資である金投資、不動産投資の魅力に迫っていきます。
これを読んで資産形成の選択肢として実物資産も検討してみましょう!
実物資産とは
実物資産とはどういったものなのでしょうか? まずは実物資産の概要やメリット、デメリットなどを紹介いたします。
金融資産との違いについて
「実物資産」という言葉は、普段あまり聞き馴染みがないかもしれません。しかし実体はよく目にする物、耳にする物ばかりです。具体例を挙げると、「金」、「プラチナ」、「不動産」、「絵画」などです。実際に形として存在する物をいい、そのものに価値がある資産のことを指します。
それに対して、「金融資産」は聞き馴染みがあるでしょう。具体例を挙げると、「現金(預貯金)」、「株式」、「債券」、「投資信託」、「生命保険」、「商品券」などです。例に挙げた物のほとんどは現金に換えられる証書やデータであって、そのもの自体に価値はないものの、現金化が可能な資産となります。
代表的な実物資産について
ここでは実物資産の中でも特に投資がさかんな例を紹介します。
金投資
実物資産で代表的なものといえば「金」でしょう。金は長い歴史の中でも価値があるものとして扱われてきました。その理由は、他の金属と比較しても性質自体が長期にわたり変わることがないため、保存に優れていることが挙げられます。
また、希少価値があることも要因にあげられるでしょう。今まで人類が採掘した金の総量はオリンピックの競技用プールで言うと約3.8杯分(50m×25m×1.5m)と言われており、地中の金の総量もわずか約1杯分と考えられています。 存在する量が限られている点から金は希少価値が高いのです。 一言に「金投資」と言っても投資の方法は様々です。「純金積み立て」、「金ETF・投資信託」、「現物購入」、「金先物取引」の4種類について説明します。
【純金積み立て】
その名の通り、積み立てで金を購入していく手法です。毎月一定額をコツコツ積み立てていく(買い付けていく)定額積立と、一定数量を積み立てていく定量積立があります。
【金ETF・投資信託】
金価格に連動するように設計されたETF(上場投資信託)や投資信託に投資をする手法です。ETFは、「上場」と記されているように、株式と同じように東京証券取引所の上場している商品で、証券会社を通じて売買できます。「金投資信託」は、当該商品を購入した投資家から集めた資金を「金」や「金に関連する商品」に分散投資する金融商品です。
【現物購入(金地金)】
俗に言う「金塊」や「金貨」そのものを購入する手法です。金地金であれば、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が厳正に審査したもののみが流通を許され、それらのものには刻印が施されています。
【金先物取引】
「先物取引」とは、「物」の受け渡しの前に、「先」に受け渡しの取引価格を決める取引です。あらかじめ決められた受け渡し日までは、自由に売買できます。先物取引の投資家は、実際に金(きん)が欲しくて取引してはおらず、激しく動く取引価格の差額で利益を得るのが目的です。
不動産投資
代表的な実物資産として知られているのは「不動産」です。 不動産投資とは、アパートやマンションなどを購入して、家賃収入や値上がりした際の売却益を得る投資方法です。物件は数百万円~数千万と高額なため、一般的に購入時に金融機関とローンを組むことが多いです。ローン返済は家賃収入でまかなうので、自己資金をほとんど使わずに他人のお金で資産形成を進められるのが特徴です。
老後のための資産形成や副業収入を得る目的で不動産投資を行うほか、節税対策、生命保険代わりに行うことが知られています。
そして、不動産にも「不動産投資信託(REIT=リート)」という上場投資信託があります。こちらも東京証券取引所に上場されていて、株式と同じように取引が行えます。
実物投資のメリット
実物資産の投資にはどのようなメリットが存在するでしょうか。
【長期投資に向いている】
金や不動産投資などは、長期投資に向いています。金投資は、過去の価格の推移を振り返るとなだらかな右肩上がりの価格上昇となっていますし、今後も価格上昇が続く可能性があるでしょう。不動産投資の中でも特に鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションは建物の耐用年数が長く、メンテナンスを欠かさなければ長期的に家賃収入を得ることができます。
【資産価格の急落リスクが低い】
実物資産の投資は、世界情勢の影響を受けにくく、他の資産と比較しても急落リスクが低いです。コロナショックの際、株式相場は急落しましたが、そんな中で金価格は上昇し、40年ぶりに史上最高値を更新しました。不動産価格も、日銀マイナス金利導入やコロナショックの影響を受けず、右肩上がりで価格が上昇しています。
【インフレ対策として活用できる】
実物資産はインフレに強いとされています。インフレになると紙幣の価値は下がり、物の価値が上がります。例えば、100円で買えたものが110円になるのは、相対的にお金の価値が下がり、物の価値が上がった、という事になります。実物資産である金や不動産も例外ではなく、インフレになると金価格や不動産価格は上がりやすいのです。
現在も、日本ではインフレが続いています。お金をそのまま現金で所有しておくよりは、インフレに強い資産に変換しておく方が総資産額は下がりにくいと言えるでしょう。
【税金対策としても有効】
不動産は、税金対策としても有効です。確定申告をする際に不動産投資で出た赤字を計上することにより、所得税や住民税の節税をすることが可能です。 資産形成しながら税金対策もできるという点で不動産投資は投資初心者の会社員からも人気になっています。
【老後の安定収入につながる】
不動産投資は、老後の安定収入につながります。老後には国から年金が支給されますが、それだけでは資金不足になる可能性があります。老後二千万問題など記憶に新しいかと思いますが、昨今のインフレや医療費・介護費の高騰を考慮すると、月々の生活費は当時の試算から増える可能性はあります。 不動産投資を行ってローン完済すれば、月々の家賃収入が老後の年金にプラスできます。毎月収入があるという安心感が得られるほか、老後の資金を確保する一助となるでしょう。
実物資産のデメリット
実物資産のデメリットもあげていきましょう。
【保有コストがかかる】
実物資産には保有コストがかかるものがあります。たとえば不動産投資の場合、固定資産税や修繕費というコストがかかります。また絵画や宝石などは、盗難リスクが伴うので、セキュリティシステムの導入などを行うとその費用がかかります。
【流動性が低い】
不動産は流動性が低いのがデメリットです。1件あたりの売買価格が高額なため、売却しようとしたタイミングですぐに売却先が見つからないなど、取引の参加者が少ないことが要因です。ただし購入した物件のエリアや物件種別、価格帯によっては取引が活発で比較的早く売却することもできます。
【損壊・損傷時に影響を受ける】
実物資産はそのものに価値があるため、例えば貴金属やコレクション品は前述した通り盗難リスクがある他、紛失したり、損傷したりした際に大きく価値を損なう可能性があります。 不動産も同様に自然災害など外部環境の影響を受けます。水災で床上浸水などが起きれば、数ヵ月は修繕を行う期間が必要な上、修繕費用もかかってしまいます。他にも地震や火災などのリスクもあるので、適切な保険に加入して運用する方も多いです。
金投資と不動産投資の違いとは
金投資と不動産投資は、同じ実物資産への投資でも違いがあります。
【自己資金】
どちらも自己資金は少額から始めることが可能ですが、金投資の方がより少額から取り組み可能です。「純金積み立て」であれば、月々千円単位からでも金を購入できます。「金地金」は、数gから金塊を購入可能で、10gくらいの物までなら、その時の市場価格によりますが、10万円前後で購入できる可能性があります。
不動産投資は、物件にもよりますが自己資金をほとんど使わずに購入できるものもあります。購入時にローンを組めば、月々のローン返済は入居者の家賃でまかなうので、自己資金を少なく取り組むことができます。
【リターン】
リターンに関しては不動産投資の方が金投資より大きなリターンが狙える可能性があります。前述した通り、ローンを組んで不動産を購入した場合、他人資本で資産形成を進めるため、自己資金の手出しは少なく抑えられます。
仮に毎月5,000円の手出しがある物件を運用した場合、35年ローンで5,000×12か月×35年で手出し総額210万円となります。ローン完済後は物件そのものと家賃収入がそのまま収入になるため、得られる利益は大きいと言えるでしょう。ただし、家賃下落や空室になった場合に収支は悪化しますので、家賃が下がりにくいエリア、賃貸需要の高いエリアを選定するのが非常に重要です。
一方、金投資は不動産投資のようにインカムゲイン(家賃収入や利息、分配金のように所有していると定期的に入る収益)が存在せず、キャピタルゲイン(値上がりによる売却益)がリターンとなります。インカムゲイン、キャピタルゲインの両方を狙える点から金投資よりも不動産投資の方が資産形成の効率が良いと言えるかもしれません。
実物資産で資産5,000万円を達成するためのポイント
ここでは実物資産で資産5,000万円を達成するためのポイントを紹介します。
ポートフォリオの作り方
実物資産で資産5,000万円を達成するためには、一つの商品だけで資産を増やすという考え方もありますが、様々なリスクを考えると分散投資を行うことが重要です。
「ポートフォリオ」とは、資産運用の際の商品の組み合わせのことです。ポートフォリオを組む時に最初に考えることは、リスク許容度をどのレベルに設定するかです。
投資のリスクとリターンは比例しており、リスクが高ければリターンも大きく、リスクが低ければリターンも小さくなります。いわゆる「ハイリスク・ハイリターン」、「ミドルリスク・ミドルリターン」、「ローリスク・ローリターン」と呼ばれるものです。
株式やFXなどは「ハイリスク・ハイリターン」、不動産や金などは「ミドルリスク・ミドルリターン」だとされています。
実物資産形成のメインは不動産投資で
今回のシミュレーションは、メインに不動産投資、サブに金投資という実物資産のみで資産5,000万円を達成するためのシミュレーションです。
5,000万円現物資産形成シミュレーション
<不動産投資>
物件:2,000万円の物件×2
ローン:35年、金利1.65%
頭金: 10万円
家賃収入: 6万7,000円/月
管理経費・建物管理費: 7,540円/月
修繕積立金: 1,470円/月
=収支-4,413円/月×2室=- 8,826円
→約9,000円/月の積み立てで、
35年後に2,000万円の物件×2室とローン完済後の6万7,000円/月×2の家賃収入
<金投資(純金積み立て)>
積立:1万円/月
上昇率:8%として試算(※)
積み立て年数:35年
※2009~2022年の金価格の前年比平均の上昇値を平均して計算
→1万円/月の積み立てで、
35年後に2,142万円相当
あわせて月2万円以下の手出しで、35年後に2,000万円の物件2室と2,142万円相当の金が取得できることになります。また、ローン完済後はそのまま家賃収入が入りますから、資産形成の速度は加速します。
ただし、不動産投資は必ずしも入居者がつかなかったり、将来的に家賃が下落したりする可能性がありますし、金の場合も思ったような価格の上昇が起きない可能性があります。
どんな投資にも必ずリスクがありますから、分散投資でリスクの低いポートフォリオを構築するのが大切です。そのため、資金に余裕があればNISA制度も活用し、金融資産も入れて安定感を底上げするのも良いでしょう。
不動産投資で抑えておきたい注意事項
不動産投資に伴う借入には、住宅ローンではなく、「不動産投資ローン(アパートローン)」を利用します。この不動産投資ローンには借入金額に上限があります。この上限は、商品内容として一律で定められている上限と、本人の属性や投資物件の評価で決められる上限です。本人の属性とは預貯金の額や年収などになりますが、借入限度額は、年収に対して〇倍と金融機関ごとに定められていることに注意が必要です。
【おすすめ関連記事】不動産投資ローンの年収目安はいくら?審査を有利に進めるポイントを解説
まとめ
今回は、実物資産とは何か?実物資産に投資するメリットやデメリット、そして実物資産に投資して5,000万円を得る方法について紹介しました。実物資産投資の代表格である金投資と不動産投資には、それぞれメリットやデメリットがあることが分かりました。
リスク分類でいうとミドルリスク・ミドルリターンに属すことから、若年層のうちからでも比較的投資しやすい商品であると言われています。現在、株式や投資信託などの金融資産を保有している方でも分散投資として不動産や金に投資してみてはいかがでしょうか。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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- 資産形成
- 比較
「実物資産」への投資で代表的なものには金投資と不動産投資があります。今(2023年8月現在)、その2つの実物資産の価値が上昇していて人気なのはご存じでしょうか? いずれも史上最高値を更新する勢いです。今回はそんな実物投資である金投資、不動産投資の魅力に迫っていきます。
これを読んで資産形成の選択肢として実物資産も検討してみましょう!
実物資産とは
実物資産とはどういったものなのでしょうか? まずは実物資産の概要やメリット、デメリットなどを紹介いたします。
金融資産との違いについて
「実物資産」という言葉は、普段あまり聞き馴染みがないかもしれません。しかし実体はよく目にする物、耳にする物ばかりです。具体例を挙げると、「金」、「プラチナ」、「不動産」、「絵画」などです。実際に形として存在する物をいい、そのものに価値がある資産のことを指します。
それに対して、「金融資産」は聞き馴染みがあるでしょう。具体例を挙げると、「現金(預貯金)」、「株式」、「債券」、「投資信託」、「生命保険」、「商品券」などです。例に挙げた物のほとんどは現金に換えられる証書やデータであって、そのもの自体に価値はないものの、現金化が可能な資産となります。
代表的な実物資産について
ここでは実物資産の中でも特に投資がさかんな例を紹介します。
金投資
実物資産で代表的なものといえば「金」でしょう。金は長い歴史の中でも価値があるものとして扱われてきました。その理由は、他の金属と比較しても性質自体が長期にわたり変わることがないため、保存に優れていることが挙げられます。
また、希少価値があることも要因にあげられるでしょう。今まで人類が採掘した金の総量はオリンピックの競技用プールで言うと約3.8杯分(50m×25m×1.5m)と言われており、地中の金の総量もわずか約1杯分と考えられています。 存在する量が限られている点から金は希少価値が高いのです。 一言に「金投資」と言っても投資の方法は様々です。「純金積み立て」、「金ETF・投資信託」、「現物購入」、「金先物取引」の4種類について説明します。
【純金積み立て】
その名の通り、積み立てで金を購入していく手法です。毎月一定額をコツコツ積み立てていく(買い付けていく)定額積立と、一定数量を積み立てていく定量積立があります。
【金ETF・投資信託】
金価格に連動するように設計されたETF(上場投資信託)や投資信託に投資をする手法です。ETFは、「上場」と記されているように、株式と同じように東京証券取引所の上場している商品で、証券会社を通じて売買できます。「金投資信託」は、当該商品を購入した投資家から集めた資金を「金」や「金に関連する商品」に分散投資する金融商品です。
【現物購入(金地金)】
俗に言う「金塊」や「金貨」そのものを購入する手法です。金地金であれば、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が厳正に審査したもののみが流通を許され、それらのものには刻印が施されています。
【金先物取引】
「先物取引」とは、「物」の受け渡しの前に、「先」に受け渡しの取引価格を決める取引です。あらかじめ決められた受け渡し日までは、自由に売買できます。先物取引の投資家は、実際に金(きん)が欲しくて取引してはおらず、激しく動く取引価格の差額で利益を得るのが目的です。
不動産投資
代表的な実物資産として知られているのは「不動産」です。 不動産投資とは、アパートやマンションなどを購入して、家賃収入や値上がりした際の売却益を得る投資方法です。物件は数百万円~数千万と高額なため、一般的に購入時に金融機関とローンを組むことが多いです。ローン返済は家賃収入でまかなうので、自己資金をほとんど使わずに他人のお金で資産形成を進められるのが特徴です。
老後のための資産形成や副業収入を得る目的で不動産投資を行うほか、節税対策、生命保険代わりに行うことが知られています。
そして、不動産にも「不動産投資信託(REIT=リート)」という上場投資信託があります。こちらも東京証券取引所に上場されていて、株式と同じように取引が行えます。
実物投資のメリット
実物資産の投資にはどのようなメリットが存在するでしょうか。
【長期投資に向いている】
金や不動産投資などは、長期投資に向いています。金投資は、過去の価格の推移を振り返るとなだらかな右肩上がりの価格上昇となっていますし、今後も価格上昇が続く可能性があるでしょう。不動産投資の中でも特に鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションは建物の耐用年数が長く、メンテナンスを欠かさなければ長期的に家賃収入を得ることができます。
【資産価格の急落リスクが低い】
実物資産の投資は、世界情勢の影響を受けにくく、他の資産と比較しても急落リスクが低いです。コロナショックの際、株式相場は急落しましたが、そんな中で金価格は上昇し、40年ぶりに史上最高値を更新しました。不動産価格も、日銀マイナス金利導入やコロナショックの影響を受けず、右肩上がりで価格が上昇しています。
【インフレ対策として活用できる】
実物資産はインフレに強いとされています。インフレになると紙幣の価値は下がり、物の価値が上がります。例えば、100円で買えたものが110円になるのは、相対的にお金の価値が下がり、物の価値が上がった、という事になります。実物資産である金や不動産も例外ではなく、インフレになると金価格や不動産価格は上がりやすいのです。
現在も、日本ではインフレが続いています。お金をそのまま現金で所有しておくよりは、インフレに強い資産に変換しておく方が総資産額は下がりにくいと言えるでしょう。
【税金対策としても有効】
不動産は、税金対策としても有効です。確定申告をする際に不動産投資で出た赤字を計上することにより、所得税や住民税の節税をすることが可能です。 資産形成しながら税金対策もできるという点で不動産投資は投資初心者の会社員からも人気になっています。
【老後の安定収入につながる】
不動産投資は、老後の安定収入につながります。老後には国から年金が支給されますが、それだけでは資金不足になる可能性があります。老後二千万問題など記憶に新しいかと思いますが、昨今のインフレや医療費・介護費の高騰を考慮すると、月々の生活費は当時の試算から増える可能性はあります。 不動産投資を行ってローン完済すれば、月々の家賃収入が老後の年金にプラスできます。毎月収入があるという安心感が得られるほか、老後の資金を確保する一助となるでしょう。
実物資産のデメリット
実物資産のデメリットもあげていきましょう。
【保有コストがかかる】
実物資産には保有コストがかかるものがあります。たとえば不動産投資の場合、固定資産税や修繕費というコストがかかります。また絵画や宝石などは、盗難リスクが伴うので、セキュリティシステムの導入などを行うとその費用がかかります。
【流動性が低い】
不動産は流動性が低いのがデメリットです。1件あたりの売買価格が高額なため、売却しようとしたタイミングですぐに売却先が見つからないなど、取引の参加者が少ないことが要因です。ただし購入した物件のエリアや物件種別、価格帯によっては取引が活発で比較的早く売却することもできます。
【損壊・損傷時に影響を受ける】
実物資産はそのものに価値があるため、例えば貴金属やコレクション品は前述した通り盗難リスクがある他、紛失したり、損傷したりした際に大きく価値を損なう可能性があります。 不動産も同様に自然災害など外部環境の影響を受けます。水災で床上浸水などが起きれば、数ヵ月は修繕を行う期間が必要な上、修繕費用もかかってしまいます。他にも地震や火災などのリスクもあるので、適切な保険に加入して運用する方も多いです。
金投資と不動産投資の違いとは
金投資と不動産投資は、同じ実物資産への投資でも違いがあります。
【自己資金】
どちらも自己資金は少額から始めることが可能ですが、金投資の方がより少額から取り組み可能です。「純金積み立て」であれば、月々千円単位からでも金を購入できます。「金地金」は、数gから金塊を購入可能で、10gくらいの物までなら、その時の市場価格によりますが、10万円前後で購入できる可能性があります。
不動産投資は、物件にもよりますが自己資金をほとんど使わずに購入できるものもあります。購入時にローンを組めば、月々のローン返済は入居者の家賃でまかなうので、自己資金を少なく取り組むことができます。
【リターン】
リターンに関しては不動産投資の方が金投資より大きなリターンが狙える可能性があります。前述した通り、ローンを組んで不動産を購入した場合、他人資本で資産形成を進めるため、自己資金の手出しは少なく抑えられます。
仮に毎月5,000円の手出しがある物件を運用した場合、35年ローンで5,000×12か月×35年で手出し総額210万円となります。ローン完済後は物件そのものと家賃収入がそのまま収入になるため、得られる利益は大きいと言えるでしょう。ただし、家賃下落や空室になった場合に収支は悪化しますので、家賃が下がりにくいエリア、賃貸需要の高いエリアを選定するのが非常に重要です。
一方、金投資は不動産投資のようにインカムゲイン(家賃収入や利息、分配金のように所有していると定期的に入る収益)が存在せず、キャピタルゲイン(値上がりによる売却益)がリターンとなります。インカムゲイン、キャピタルゲインの両方を狙える点から金投資よりも不動産投資の方が資産形成の効率が良いと言えるかもしれません。
実物資産で資産5,000万円を達成するためのポイント
ここでは実物資産で資産5,000万円を達成するためのポイントを紹介します。
ポートフォリオの作り方
実物資産で資産5,000万円を達成するためには、一つの商品だけで資産を増やすという考え方もありますが、様々なリスクを考えると分散投資を行うことが重要です。
「ポートフォリオ」とは、資産運用の際の商品の組み合わせのことです。ポートフォリオを組む時に最初に考えることは、リスク許容度をどのレベルに設定するかです。
投資のリスクとリターンは比例しており、リスクが高ければリターンも大きく、リスクが低ければリターンも小さくなります。いわゆる「ハイリスク・ハイリターン」、「ミドルリスク・ミドルリターン」、「ローリスク・ローリターン」と呼ばれるものです。
株式やFXなどは「ハイリスク・ハイリターン」、不動産や金などは「ミドルリスク・ミドルリターン」だとされています。
実物資産形成のメインは不動産投資で
今回のシミュレーションは、メインに不動産投資、サブに金投資という実物資産のみで資産5,000万円を達成するためのシミュレーションです。
5,000万円現物資産形成シミュレーション
<不動産投資>
物件:2,000万円の物件×2
ローン:35年、金利1.65%
頭金: 10万円
家賃収入: 6万7,000円/月
管理経費・建物管理費: 7,540円/月
修繕積立金: 1,470円/月
=収支-4,413円/月×2室=- 8,826円
→約9,000円/月の積み立てで、
35年後に2,000万円の物件×2室とローン完済後の6万7,000円/月×2の家賃収入
<金投資(純金積み立て)>
積立:1万円/月
上昇率:8%として試算(※)
積み立て年数:35年
※2009~2022年の金価格の前年比平均の上昇値を平均して計算
→1万円/月の積み立てで、
35年後に2,142万円相当
あわせて月2万円以下の手出しで、35年後に2,000万円の物件2室と2,142万円相当の金が取得できることになります。また、ローン完済後はそのまま家賃収入が入りますから、資産形成の速度は加速します。
ただし、不動産投資は必ずしも入居者がつかなかったり、将来的に家賃が下落したりする可能性がありますし、金の場合も思ったような価格の上昇が起きない可能性があります。
どんな投資にも必ずリスクがありますから、分散投資でリスクの低いポートフォリオを構築するのが大切です。そのため、資金に余裕があればNISA制度も活用し、金融資産も入れて安定感を底上げするのも良いでしょう。
不動産投資で抑えておきたい注意事項
不動産投資に伴う借入には、住宅ローンではなく、「不動産投資ローン(アパートローン)」を利用します。この不動産投資ローンには借入金額に上限があります。この上限は、商品内容として一律で定められている上限と、本人の属性や投資物件の評価で決められる上限です。本人の属性とは預貯金の額や年収などになりますが、借入限度額は、年収に対して〇倍と金融機関ごとに定められていることに注意が必要です。
【おすすめ関連記事】不動産投資ローンの年収目安はいくら?審査を有利に進めるポイントを解説
まとめ
今回は、実物資産とは何か?実物資産に投資するメリットやデメリット、そして実物資産に投資して5,000万円を得る方法について紹介しました。実物資産投資の代表格である金投資と不動産投資には、それぞれメリットやデメリットがあることが分かりました。
リスク分類でいうとミドルリスク・ミドルリターンに属すことから、若年層のうちからでも比較的投資しやすい商品であると言われています。現在、株式や投資信託などの金融資産を保有している方でも分散投資として不動産や金に投資してみてはいかがでしょうか。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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