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2025.01.22
ベルテックスコラム事務局
ほったらかし投資のおすすめ10選!メリットや注意点も解説
- 資産形成
- 投資の種類・方法
- 初心者
将来に備えて投資はしたいけれど、あまり時間は取れないという方は多いでしょう。仕事や家事で忙しい方が実践しやすいのが「ほったらかし投資」です。ほったらかし投資であれば、一度設定すればあとはほぼ自動的に資産を積み上げていけます。
この記事では、おすすめのほったらかし投資の方法、メリットやデメリットをわかりやすく解説します。それぞれの特徴に照らして、自分に合う投資方法を見つけてみましょう。
ほったらかし投資とは?
ほったらかし投資とは、投資を開始する前に投資や運用の環境を整え、その後は放置して資産を増やす方法です。たとえばNISAで積立投資をする場合、購入する銘柄と金額を指定します。あとは毎回自動で購入してくれるため、放置しているだけで資産を形成できます。
ほったらかし投資は手間がかからず、仕事などで忙しい人でも実践しやすい方法です。その一方、短期間で大きく稼ぐ方法ではないため、長期的・継続的な収益を得ることが目的と念頭に置く必要があります。
ほったらかし投資おすすめ10選
ほったらかし投資にもさまざまな種類があります。その中でもおすすめの方法を10個紹介します。
種類 | メリット | 向いている人 |
---|---|---|
不動産投資 | 毎月家賃収入を得られる |
ある程度の自己資金を用意できる人 |
不動産クラウドファンディング | 1万円程度で開始できる | 少額で不動産投資をスタートしたい人 |
NISA | 運用益に税金がかからない | 長期の積立投資をしたい人 |
iDeCo | 節税効果が高い | 老後資産を形成したい人 |
ロボアドバイザー | 投資先を自分で選ぶ必要がない | 投資先をAIの判断に任せたい人 |
ソーシャルレンディング | 少額で開始できて利回りもやや高い | 少額で高利回りの投資をしたい人 |
金・銀・プラチナなど貴金属 | 世界的に需要がありインフレに強い | 資産価値を守りたい人 |
債券 | 価格変動リスクが比較的低い | リスクの分散をしたい人 |
単元未満株 | 1株から購入できる | 少額で株式投資をやってみたい人 |
株式・FXの自動売買 | 感情に左右されずに取引ができる | 取引のチャンスを逃したくない人 |
それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。
不動産投資:長期間の収益が見込める
不動産投資はマンションやアパートなどを購入し、入居者から家賃収入を得る投資方法です。
【メリット】
- 毎月家賃収入を得られる
- 団信に加入すると、契約者が死亡や高度障害になったときも安心(生命保険効果)
- 相続税対策になる
- 所得税・住民税対策になる
【デメリット】
- 空室になると収入が得られない
- 災害などさまざまなリスクに備える必要がある
不動産投資では、住み続ける入居者がいる限り、毎月家賃収入が入ってきます。ローンを組むときに団信(団体信用生命保険)に加入すると、契約者が死亡や高度障害状態になった場合はローンが完済されます。残された家族がローンを負担する必要がなくなるのに加えて、家族に収益物件を残すことができます。
相続時において、不動産の評価額は市場価格より低くなるケースが多いです。このため、預貯金で資産を保有するよりも相続税評価額を低くできるメリットもあります。
不動産投資は長期的な安定収入を得るのに適した投資方法ですが、空室が発生してしまうと、その分の家賃収入は減ります。不動産投資を継続するためには、いかに満室に近い状態を維持するかが重要です。
【おすすめ関連記事】マンション経営の空室率を下げるには?要因と解決策を徹底解説
その他にも、災害・滞納といったさまざまなリスクに備える必要があります。ノウハウのない初心者では不動産投資のリスクに備えるのは難しいため、不動産投資会社のアドバイスを受けるのが望ましいでしょう。
【向いている人】
- 収入がある程度安定している人(会社員、公務員、士業、医療関係者など)
- 定期収入を得たい人
- 長期的な資産形成をしたい人
不動産投資は、ローンを活用することで物件を購入可能です。近年ではフルローンが主流で、頭金を入れずにローンを組む場合が多いです。そのため、不動産投資の参入障壁は低くなっていると言えますが、ローンの審査のためある程度の年収が必要になります。不動産投資ローンが組める目安は年収500万円以上です(※金融機関や融資を受ける人の状況により、多少前後します)。 年収500万円以上の場合、またはまとまった自己資金を用意できる場合は、ぜひ検討してみましょう。
不動産クラウドファンディング:少額で不動産投資が可能
不動産クラウドファンディングとは、複数の投資家から集めた資金によって、不動産経営を行い、得られた利益の一部を投資家に還元する仕組みのことです。
【メリット】
- 最低1万円からと少額で不動産に投資ができる
- インターネットで簡単に申し込める
- 利回りの高い商品もある
【デメリット】
- 元本割れになる可能性がある
- 物件の所有者にはなれない
- 途中での換金ができない
不動産クラウドファンディングは、資金は1万円からと気軽に始められるのが特徴です。物件の維持管理などをする必要はなく、プロに任せてほったらかし投資ができます。
利回りが高い商品もあるため、資産形成の効率を上げることもできますが、その分だけリスクもあるため注意が必要です。
また、通常の不動産投資とは異なり、出資者は物件の所有者にはなりません。よって、相続税対策として利用することはできません。
【向いている人】
- 少額で不動産投資をやってみたい人
- 物件の管理をしたくない人
- 物件を所有しなくても問題ない人
不動産クラウドファンディングは、まとまった資金がない方も実践しやすい投資方法です。物件の運営は専門家に任せるスタイルで、手間なしに投資をしたい方に向いています。 不動産投資は気になっているが、手が出しにくいと感じるような場合はとっかかりのひとつとして検討してみてもよいでしょう。
【おすすめ関連サイト】10万円から始める不動産クラウドファンディング
NISA:得られた運用益が非課税
NISAは「少額投資非課税制度」で、投資信託や株式などを売却した際の利益や受け取った配当が非課税になる制度です。2024年にリニューアルし、非課税期間が無制限になるなど内容がパワーアップしたことで大きく注目されました。 NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがありますが、ほったらかし投資に向いているのは「つみたて投資枠」です。毎月一定の額を積み立てていくことで、資産を形成できます。
【メリット】
- 年間投資枠が旧NISAより増加した
- 非課税期間は無制限
- 売却した分の空いた枠を再利用できる
【デメリット】
- 成長投資枠でリスクを取りすぎてしまう恐れがある
- つみたて投資枠では投資対象の銘柄に制限がある
年間投資枠は最大360万円、総枠は最大1,800万円で運用できます。商品は任意のタイミングで売却でき、空いた枠は再び投資に利用可能です。
成長投資枠では現物株式などにも投資ができますが、リスクが高まります。初心者の方は、まずつみたて投資枠から始めるのがおすすめです。
【向いている人】
- 長期投資を実践したい人
- 資金を途中で引き出す必要のある人
NISAは非課税メリットを享受しながら、長期投資を実践できる制度です。商品は任意のタイミングで売却して資金を引き出せるため、住宅ローンの頭金や教育資金などを準備するのにも向いています。
【参考】金融庁「NISAを知る」2024年12月24日現在
iDeCo:節税効果が高く老後の備えになる
iDeCoは「個人型確定拠出年金」であり、私的年金の制度です。拠出した掛金を投資信託などで運用でき、節税メリットの大きい制度です。
【メリット】
- 掛金の拠出時・運用時・引き出し時の3つのタイミングで税制優遇がある
- 積立投資ができる
【デメリット】
- 60歳まで資金を引き出せない
- 選べる銘柄には限りがある
iDeCoの節税メリットは多く、掛金が全額所得控除の対象になるのは大きなポイントです。運用で得られた利益は課税されず、資金を引き出すときには退職所得控除などの制度を利用することで税負担を軽くできます。
ただし、60歳になるまで資金を引き出せないため、教育資金などを貯める目的には向いていません。あくまで老後に使うお金を準備する目的で利用する必要があります。
【向いている人】
- 公的年金が少ない人
- 老後の資産を準備したい人
iDeCoは私的年金制度のため、受給できる公的年金が少ないと予想される方におすすめです。自営業者やフリーランスは厚生年金がなく国民年金のみであり、年金受給額が少なくなる傾向のため、iDeCoで備えるのもよいでしょう。
会社員や公務員の方もiDeCoに加入できるため、老後の資産をさらに充実させることが可能です。
ロボアドバイザー:AIに運用をお任せできる
ロボアドバイザーとは、株式や債券などの投資をAIにより自動で実行してくれる投資商品です。どの銘柄にするか、いつ購入または売却するかを判断する必要がないため、投資の知識がない方でも始められます。
【メリット】
- 売買を一切する必要がなく、投資の知識やスキルは不要
- 感情に左右されずに取引ができる
【デメリット】
- 損失が生まれるリスクもある
- 投資の知識を習得するのには向かない
ロボアドバイザーを利用すると、投資先や配分を提案してもらえて、お任せで自動運用ができます。感情にされず取引ができるため、価格の変動を見ると感情を揺さぶられてしまう方も安心して利用可能です。
ただし、AIや自動運用システムを活用しているとしても、損失が発生するリスクはあります。
【ロボアドバイザーがおすすめの人】
- 投資の第一歩を始めたい人
- ポートフォリオ(資産配分)の作成などに手間を取られたくない人
- 長期的な資産形成をしたい人
ロボアドバイザーは投資の知識やスキルが少ない人でも利用しやすいのが特徴です。ポートフォリオを自動で組んでくれてバランス調整も行ってくれるため、ほったらかしで投資ができます。
ただし、自分で売買をしないため、投資のノウハウを学ぶことはできません。ロボアドバイザーで投資の第一歩を踏み出し、慣れてきたら他の投資を実践するのがおすすめです。
ソーシャルレンディング:高利回りも期待できる
ソーシャルレンディングとは、インターネット上においてお金を貸したい投資家とお金を借りたい企業をマッチングする融資サービスです。ソーシャルレンディング事業者が投資家と企業の間に入り、お金を集めて企業側に融資し、企業から返済された分を投資家に配分します。
【メリット】
- 1万円からと少額投資ができる
- 高い利回りの商品もある
- 資金拘束期間が短い案件もある
【デメリット】
- 利回りや元本が保証されているわけではない
- 中途解約が認められないケースも多い
ソーシャルレンディングも少額投資ができる方法で、利回りの高い案件も見られるのがメリットです。その一方、元本や利回りが保証されているわけではないことを認識する必要はあります。
また、途中で解約することが認められないケースも多く、運用が終了するまで資金が引き出せないリスクもあります。
【向いている人】
- 少額から効率よく資産形成をしたい人
- 融資型の投資に関心のある人
- 短期で運用したい人
ソーシャルレンディングは、融資型の投資に興味のある方に適した方法です。拘束期間が数カ月程度の案件もあり、短期運用を希望する方も利用しやすいでしょう。
複数の案件に資金を分散させることで、リスクを軽減させることも可能です。
金・銀・プラチナなど貴金属:常に需要がある
金・銀・プラチナといった貴金属も、ほったらかし投資に向いている方法のひとつです。
貴金属は積立投資ができるサービスがあるため、少額での投資も実践できます。
【メリット】
- 価値が0になる可能性はほぼない
- 少額で積立投資も可能
- 株式や債券のリスク分散に役立つ
【デメリット】
- 配当や利息は手に入らない
- 価値が下落する恐れはある
金・銀・プラチナの主なメリットは、常に世界的な需要があり、価値が0になる可能性がほぼないことです。宝飾品だけでなく、先端産業でも使われているため、需要の高い素材であるためです。
金などの貴金属の価格の動きは、株式や債券との相関性が低いとされています。投資のポートフォリオに加えることにより、株式などのリスクを軽減できるのもメリットです。
その一方、株式や債券と異なり、配当や利息などは入ってきません。また、売却時の価格によっては、損失が発生するおそれがあります。
【向いている人】
- 投資のリスク分散をしたい人
- 資産を長期保有することに抵抗のない人
すでに株式や債券を保有している方も、金などの貴金属に投資することにより、リスク分散につながります。どちらかというと短期で売買する方法ではないため、長期で保有できる方に適しています。
債券:リスク分散に役立つ
債券とは、国や企業がお金を借りるために発行する有価証券です。債券を購入することでお金を貸している側となり、約束の期日まで、定期的に利子を受け取れます。
【メリット】
- 安定した発行元を選べば低リスクで資産運用ができる
- 外国債は利回りが高い
【デメリット】
- 価格変動リスクはある
- 外国債は為替変動リスクもある
債券投資は、国や自治体といった安定性のある発行元を選ぶと、比較的低リスクで運用できます。外国債は、日本の国債より利回りが高いものが多いのがメリットです。たとえば2024年12月5日時点の10年国債の利回りは以下のとおりです。
- 日本:1.059%
- 米国:4.192%
- ドイツ:2.050%
- イギリス:4.252%
- フランス:2.891%
日本の国債は格付けが高く安定性はあるものの、利回りが低いためあまり資産の成長は期待できません。また、外国債は為替変動リスクがあり、売却時の為替の状況によって損失が出ることもあります。
【向いている人】
- リスクを分散したい人
- わかりやすい投資をしたい人
株式の価格変動とは違う動きを示すことが多いため、債券をポートフォリオに加えることでリスクを分散できます。また、債券は比較的シンプルな仕組みのため、理解しやすい投資をしたい方にもおすすめです。
単元未満株:少額で分散投資ができる
単元未満株とは、1株から株式を売買できるサービスです。通常の株式は100株単位で売買する必要があり、たとえば1株5,000円なら、50万円の資金がないと取引できません。 しかし、単元未満株なら1株から購入できるため、5,000円の資金で始められます。
【メリット】
- 少額で株式投資ができる
- 分散投資をしやすい
- 株式投資のトレーニングになる
【デメリット】
- 指値注文ができない
- 得られる利益は小さい
株価は銘柄によってさまざまですが、1株1,000円を切る株式もあり、お小遣いレベルの資金でも投資を始められます。分散投資がしやすく、損失も限定的であり、経済的なダメージも小さいでしょう。
その一方、一般的には指値注文を利用できないことに注意が必要です。指値注文とは価格を指定して注文することであり、逆に価格を指定しない注文方法を成行注文といいます。単元未満株は成行注文で取引することになるため、想定より高い価格で買ってしまうリスクがあります。
【単元未満株に向いている人】
- まとまった投資資金を用意できない人
- 株式投資を学びたい人
単元未満株は、少額で株式投資の練習をしたい方に向いています。NISAの対象でもあるため、利益が非課税になるメリットも享受できます。 取引の規模は小さいため、ある程度経験を重ねてきたら、徐々に100株単位の単元株に切り替えていくのがおすすめです。
株式やFXの自動売買:仕事中や就寝中も取引をしてくれる
株式やFX(外国為替証拠金取引)では、自動売買の仕組みを利用した取引もできます。あらかじめ設定した条件を満たした時点で取引を実行する仕組みで、たとえば「ある銘柄が3,000円以下になったら買う」「4,000円以上になったら売る」といった条件を設定することが可能です。
【メリット】
- 仕事や就寝中でも自動で取引できる
- 感情に惑わされず機械的に取引できる
【デメリット】
- 株式やFXに関する知識がないと難しい
- 臨機応変な対応ができない
自動売買の主なメリットは、画面を見ていなくても取引ができることです。仕事をしていたり睡眠を取っていたりするときでも、システムが売買を実行してくれます。条件を満たした時点で自動的に取引をするため、感情の影響を受けないのもメリットです。 その一方、売買の条件を設定しなくてはならないため、注文方法の種類や指標など知識がないと実践できません。投資の初心者が実践するのは現実的ではないでしょう。
【向いている人】
- 多忙なため市場を頻繁にチェックできない人
- 売買タイミングがむずかしいと感じている人
株式やFXの自動売買がおすすめなのは、多忙で相場を見る時間がない方です。また自分で売買のタイミングを計るのが難しい方も、自動売買は利用しやすいでしょう。
初心者にはおすすめできない投資
投資初心者の段階では、以下の投資方法は避けましょう。
種類 | 概要 |
---|---|
FX | 為替の差額による利益を目指す取引 |
暗号資産(仮想通貨) | ビットコインなど暗号資産の売買で利益を目指す取引 |
個別株 | 個別の株式銘柄を売買する取引 |
貯蓄型保険 | 保険料の一部を積み立てて運用することで、解約や満期時にお金を受け取る保険 |
FXはレバレッジをかけると大きな利益を狙えますが、その分リスクも大きくなります。レバレッジを適切に設定するには、FXの経験や知識が必要です。
暗号資産は短期間で暴落するケースが過去にいくつかあり、ほったらかしにするのは初心者では難しいでしょう。銘柄も玉石混合で、投資対象の見極めは困難です。
個別株は投資信託などと比較すると値動きが激しいです。また、企業の財務諸表が読めないと銘柄選定ができません。
貯蓄型保険は、掛け捨て型保険と比較すると保険料が高く、経済的な負担になる可能性もあります。満期前や払込期間満了前に解約すると、元本割れするものがほとんどなのも注意点です。
ほったらかし投資のメリット
ほったらかし投資には、下記のメリットがあります。
- 投資経験が少なくても実践しやすい
- 少額から投資できる方法も多い
- 長期投資でお金がどんどん増えていく
- 金融リテラシーを高められる
1つずつ詳しく解説します。
投資経験が少なくても実践しやすい
通常の投資では、以下のような作業が必要です。
- 金融商品・市場の動向・企業の動向などさまざまな情報を調べる
- 投資先の商品を選定する
- 買い注文を出す
- 購入した商品の価格などを観察する
- 売り注文を出す
- 利益または損失を確認する
投資の経験があまりない方の場合、これらをすべて実践するのは難しいでしょう。情報を調べて、どの商品に投資をするか決める段階だけでも、相当な労力や時間を必要とします。
これに対してほったらかし投資では、毎月一定額の積立をするだけなど、実践しやすい内容になっています。投資にかけられる時間があまりない方でも問題ありません。
少額から投資できる方法も多い
ほったらかし投資は、少ない投資金額でも実践できるものが多く見られます。最低投資額が少ないものをあげると、下記のとおりです。
- 不動産クラウドファンディング:最低1万円~10万円から
- NISAのつみたて投資:月1,000円~
- iDeCo:月5,000円~
- 単元未満株:数千円程度
- ロボアドバイザー:月1,000円~
※利用するサービスや投資対象によっては、上記より高い場合もあります。
数千円程度で投資できるサービスがたくさんあり、まとまった資金がなくても問題ありません。少額の資金でリスクを低く抑えながら、投資の知識やスキルを身に付けられます。
長期投資でお金がどんどん増えていく
ほったらかし投資では、投資で利益を得ると、その分を再び投資に回す仕組みになっているものも多いです。利益が元本に加算され、元本が大きくなり、さらなる利益が生じる「複利効果」を得られます。
複利効果が得られる投資方法は、NISAの積立、iDeCo、ロボアドバイザーなどです。長期で投資をするほど福利効果も大きくなり、資産形成が効率的になります。
たとえ少ない投資資金でも、早めにスタートして長期間取り組めば、複利効果によって大きな利益を得られる可能性もあります。
金融リテラシーを高められる
ほったらかし投資は実践しやすい投資ですが、単純で簡単な投資というわけではありません。利益を出すには、投資先や購入方法を自分なりに考えて判断を下す必要があります。 ロボアドバイザーなどは投資先選びなどの手間がかかりませんが、そもそもそのロボアドバイザーを選ぶべきなのか、過去の成績などから判断しなくてはなりません。
ほったらかし投資を実践するうちに投資の知識や経験を得られ、金融リテラシーの向上につながります。
ほったらかし投資のデメリット
ほったらかし投資はメリットが多いですが、下記の点には注意が必要です。
- 利益が保証されているわけではない
- 短期的な市場変動に対応しにくい
- 短期間で大きく儲けることはできない
利益が保証されているわけではない
ほったらかし投資のなかには債権や金など、比較的リスクが低いものもあります。しかし、利益が確実に保証されているわけではないため、ほったらかし投資をあたかも預貯金のように認識するのは間違いです。
債券や金も含めて金融商品の価格は常に変動しますので、売却時の価格によっては損失が発生する可能性があります。債券は発行元の企業や国の財政が悪化して返済ができなくなり、元金が戻ってこないリスクもあります。
ほったらかし投資でも損失リスクはあることを、しっかりと認識しておきましょう。
短期的な市場変動に対処しにくい
ほったらかし投資では、頻繁に市場の動向をチェックすることはありません。よって、短期的な価格変動を見逃しやすくなるため、その場で臨機応変に対応するのは難しいです。
また、積立投資などはそもそも長期的な視点で投資する方法であるため、短期で多少変動したからといって、積立の額を下げたり0にしたり、損切りすることは適切ではありません。
短期的な市場変動を気にすることなく、淡々と継続することが大切です。そのためには、短期で価格が乱高下しにくい商品を選ぶことも重要です。
短期間で大きく儲けることはできない
今回紹介した投資方法の多くは、短期で大きく稼ぐ方法ではありません。NISA・iDeCo・ロボアドバイザーなどは、毎月一定の額をコツコツ積み上げて、長期での複利効果を狙う投資方法です。
不動産投資は毎月入ってくる家賃収入は大きいですが、ローンの返済額などの経費を考慮すると、大きなプラスにはならないこともあります。家賃収入を積み上げて、長期的に利益がプラスになることを目指します。
ほったらかし投資では1カ月・半年といった短期ではなく、10年後・20年後といった長期的な視点で、どのように資産を築いていくのかを考えましょう。
初心者が押さえておきたい投資のポイント
この章では、初心者の方が投資を始める前に把握しておきたい重要なポイントを解説します。
生活資金を準備しておく
どのような投資であっても、利益が出る保証があるわけではなく、損失が出るリスクがあります。また、一定の時期まで解約や資金の引き出しができない場合もあるため、手持ちのすべてのお金を投資に使うのは適切でありません。
よって、投資資金とは別に、生活資金を現金で持っておきましょう。どの程度準備すればよいかは個人によって異なりますが、おおむね半年~1年分ほどが目安です。
毎月の生活費が25万円の方なら、150万円~300万円を用意する必要があります。
投資の目的や目標額を明確にする
投資をする目的や、目標とする金額を明確に定めましょう。たとえば、以下のような事例が考えられます。
- 5年後に住宅を購入するため頭金として300万円を用意する
- 子どもの大学進学に備えて10年後までに500万円を準備する
- 30年後から始まる老後生活に向けて2,000万円を準備する
資産運用でいくら形成し、何に使うのかを決めることで、どのような投資をすればよいかが明確になります。目標が決まれば、投資のモチベーションが高まり、長期投資も継続しやすいでしょう。
勧められた金融商品を安易に購入しない
金融機関などは、さまざまな金融商品を勧めてきます。しかし、金融機関が販売したい商品は、必ずしも投資家にとってよいものとは限りません。
基本的に、リスクのない投資は存在せず、低リスクで大きなリターンを見込める投資もありません。金融機関の説明が一見魅力的に見えても、よく内容を確認するとデメリットに触れていない、デメリットを過小に伝えているなどの可能性があります。
金融機関などの情報を鵜呑みにせず、自分でよく調べて、納得してから投資をしましょう。
長期・分散投資を心がける
投資のリスクを下げるには、長期目線で、複数の方法や銘柄に分散することが非常に重要です。短期でまとめて購入せず、時期をずらして長期的に少しずつ購入していけば、高い価格でたくさん購入してしまうリスクを減らせます。
投資対象の銘柄もできる限り分散することが大切で、1つの銘柄がダメになっても他の銘柄でカバーできます。たとえば、株価指数に連動する成果を目指す投資信託は、多数の銘柄を購入して運用するため、どれか1社だけの株価が大きく下がっても、全体への影響は軽微です。
このような投資信託を選ぶのも、リスク分散の方法の1つといえます。
価格が下がってもすぐに売らない
価格が一時的に大きく下がると、不安やプレッシャーを感じてしまい、すぐに売りたくなる方もいるかもしれません。しかし、売ると損失がその場で確定してしまいます。
長期的な視点に立てば、価格が戻ったりさらに上昇したりする可能性もあります。長期的な投資をするなら、一時的に下がっても我慢して保有を続けることが重要です。
また、積立投資は長期的にコツコツ買い続ける手法であり、短期的に下がったからといって止めてはいけません。
投資について継続的に学ぶ
ほったらかし投資は、一度設定すればあとは放置しても資産を構築できる方法です。しかし、ただほったらかすだけでは投資に関する知識が身に付かず、投資家として成長できません。
投資を取り巻く環境は変化し続け、新たなサービスや制度が誕生する可能性もあり、常に学び続ける必要があります。自分に合った方法で学び続けることで、投資スキルを高めていけます。
投資を学ぶ方法は、書籍、動画、Webサイト、SNSなど多数あります。自分に合う方法を見つけてみましょう。
まとめ
ほったらかし投資の概要や、おすすめの方法10選などを解説しました。10個の方法それぞれにメリット・デメリットがあり、十分に理解・納得してから投資を始めることが重要です。
少額で始められる投資も多く、まとまった資金がなくても実践できます。忙しい方でも実践しやすい投資を初めて、将来に備えてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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- 初心者
将来に備えて投資はしたいけれど、あまり時間は取れないという方は多いでしょう。仕事や家事で忙しい方が実践しやすいのが「ほったらかし投資」です。ほったらかし投資であれば、一度設定すればあとはほぼ自動的に資産を積み上げていけます。
この記事では、おすすめのほったらかし投資の方法、メリットやデメリットをわかりやすく解説します。それぞれの特徴に照らして、自分に合う投資方法を見つけてみましょう。
ほったらかし投資とは?
ほったらかし投資とは、投資を開始する前に投資や運用の環境を整え、その後は放置して資産を増やす方法です。たとえばNISAで積立投資をする場合、購入する銘柄と金額を指定します。あとは毎回自動で購入してくれるため、放置しているだけで資産を形成できます。
ほったらかし投資は手間がかからず、仕事などで忙しい人でも実践しやすい方法です。その一方、短期間で大きく稼ぐ方法ではないため、長期的・継続的な収益を得ることが目的と念頭に置く必要があります。
ほったらかし投資おすすめ10選
ほったらかし投資にもさまざまな種類があります。その中でもおすすめの方法を10個紹介します。
種類 | メリット | 向いている人 |
---|---|---|
不動産投資 | 毎月家賃収入を得られる |
ある程度の自己資金を用意できる人 |
不動産クラウドファンディング | 1万円程度で開始できる | 少額で不動産投資をスタートしたい人 |
NISA | 運用益に税金がかからない | 長期の積立投資をしたい人 |
iDeCo | 節税効果が高い | 老後資産を形成したい人 |
ロボアドバイザー | 投資先を自分で選ぶ必要がない | 投資先をAIの判断に任せたい人 |
ソーシャルレンディング | 少額で開始できて利回りもやや高い | 少額で高利回りの投資をしたい人 |
金・銀・プラチナなど貴金属 | 世界的に需要がありインフレに強い | 資産価値を守りたい人 |
債券 | 価格変動リスクが比較的低い | リスクの分散をしたい人 |
単元未満株 | 1株から購入できる | 少額で株式投資をやってみたい人 |
株式・FXの自動売買 | 感情に左右されずに取引ができる | 取引のチャンスを逃したくない人 |
それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。
不動産投資:長期間の収益が見込める
不動産投資はマンションやアパートなどを購入し、入居者から家賃収入を得る投資方法です。
【メリット】
- 毎月家賃収入を得られる
- 団信に加入すると、契約者が死亡や高度障害になったときも安心(生命保険効果)
- 相続税対策になる
- 所得税・住民税対策になる
【デメリット】
- 空室になると収入が得られない
- 災害などさまざまなリスクに備える必要がある
不動産投資では、住み続ける入居者がいる限り、毎月家賃収入が入ってきます。ローンを組むときに団信(団体信用生命保険)に加入すると、契約者が死亡や高度障害状態になった場合はローンが完済されます。残された家族がローンを負担する必要がなくなるのに加えて、家族に収益物件を残すことができます。
相続時において、不動産の評価額は市場価格より低くなるケースが多いです。このため、預貯金で資産を保有するよりも相続税評価額を低くできるメリットもあります。
不動産投資は長期的な安定収入を得るのに適した投資方法ですが、空室が発生してしまうと、その分の家賃収入は減ります。不動産投資を継続するためには、いかに満室に近い状態を維持するかが重要です。
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その他にも、災害・滞納といったさまざまなリスクに備える必要があります。ノウハウのない初心者では不動産投資のリスクに備えるのは難しいため、不動産投資会社のアドバイスを受けるのが望ましいでしょう。
【向いている人】
- 収入がある程度安定している人(会社員、公務員、士業、医療関係者など)
- 定期収入を得たい人
- 長期的な資産形成をしたい人
不動産投資は、ローンを活用することで物件を購入可能です。近年ではフルローンが主流で、頭金を入れずにローンを組む場合が多いです。そのため、不動産投資の参入障壁は低くなっていると言えますが、ローンの審査のためある程度の年収が必要になります。不動産投資ローンが組める目安は年収500万円以上です(※金融機関や融資を受ける人の状況により、多少前後します)。 年収500万円以上の場合、またはまとまった自己資金を用意できる場合は、ぜひ検討してみましょう。
不動産クラウドファンディング:少額で不動産投資が可能
不動産クラウドファンディングとは、複数の投資家から集めた資金によって、不動産経営を行い、得られた利益の一部を投資家に還元する仕組みのことです。
【メリット】
- 最低1万円からと少額で不動産に投資ができる
- インターネットで簡単に申し込める
- 利回りの高い商品もある
【デメリット】
- 元本割れになる可能性がある
- 物件の所有者にはなれない
- 途中での換金ができない
不動産クラウドファンディングは、資金は1万円からと気軽に始められるのが特徴です。物件の維持管理などをする必要はなく、プロに任せてほったらかし投資ができます。
利回りが高い商品もあるため、資産形成の効率を上げることもできますが、その分だけリスクもあるため注意が必要です。
また、通常の不動産投資とは異なり、出資者は物件の所有者にはなりません。よって、相続税対策として利用することはできません。
【向いている人】
- 少額で不動産投資をやってみたい人
- 物件の管理をしたくない人
- 物件を所有しなくても問題ない人
不動産クラウドファンディングは、まとまった資金がない方も実践しやすい投資方法です。物件の運営は専門家に任せるスタイルで、手間なしに投資をしたい方に向いています。 不動産投資は気になっているが、手が出しにくいと感じるような場合はとっかかりのひとつとして検討してみてもよいでしょう。
【おすすめ関連サイト】10万円から始める不動産クラウドファンディング
NISA:得られた運用益が非課税
NISAは「少額投資非課税制度」で、投資信託や株式などを売却した際の利益や受け取った配当が非課税になる制度です。2024年にリニューアルし、非課税期間が無制限になるなど内容がパワーアップしたことで大きく注目されました。 NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがありますが、ほったらかし投資に向いているのは「つみたて投資枠」です。毎月一定の額を積み立てていくことで、資産を形成できます。
【メリット】
- 年間投資枠が旧NISAより増加した
- 非課税期間は無制限
- 売却した分の空いた枠を再利用できる
【デメリット】
- 成長投資枠でリスクを取りすぎてしまう恐れがある
- つみたて投資枠では投資対象の銘柄に制限がある
年間投資枠は最大360万円、総枠は最大1,800万円で運用できます。商品は任意のタイミングで売却でき、空いた枠は再び投資に利用可能です。
成長投資枠では現物株式などにも投資ができますが、リスクが高まります。初心者の方は、まずつみたて投資枠から始めるのがおすすめです。
【向いている人】
- 長期投資を実践したい人
- 資金を途中で引き出す必要のある人
NISAは非課税メリットを享受しながら、長期投資を実践できる制度です。商品は任意のタイミングで売却して資金を引き出せるため、住宅ローンの頭金や教育資金などを準備するのにも向いています。
【参考】金融庁「NISAを知る」2024年12月24日現在
iDeCo:節税効果が高く老後の備えになる
iDeCoは「個人型確定拠出年金」であり、私的年金の制度です。拠出した掛金を投資信託などで運用でき、節税メリットの大きい制度です。
【メリット】
- 掛金の拠出時・運用時・引き出し時の3つのタイミングで税制優遇がある
- 積立投資ができる
【デメリット】
- 60歳まで資金を引き出せない
- 選べる銘柄には限りがある
iDeCoの節税メリットは多く、掛金が全額所得控除の対象になるのは大きなポイントです。運用で得られた利益は課税されず、資金を引き出すときには退職所得控除などの制度を利用することで税負担を軽くできます。
ただし、60歳になるまで資金を引き出せないため、教育資金などを貯める目的には向いていません。あくまで老後に使うお金を準備する目的で利用する必要があります。
【向いている人】
- 公的年金が少ない人
- 老後の資産を準備したい人
iDeCoは私的年金制度のため、受給できる公的年金が少ないと予想される方におすすめです。自営業者やフリーランスは厚生年金がなく国民年金のみであり、年金受給額が少なくなる傾向のため、iDeCoで備えるのもよいでしょう。
会社員や公務員の方もiDeCoに加入できるため、老後の資産をさらに充実させることが可能です。
ロボアドバイザー:AIに運用をお任せできる
ロボアドバイザーとは、株式や債券などの投資をAIにより自動で実行してくれる投資商品です。どの銘柄にするか、いつ購入または売却するかを判断する必要がないため、投資の知識がない方でも始められます。
【メリット】
- 売買を一切する必要がなく、投資の知識やスキルは不要
- 感情に左右されずに取引ができる
【デメリット】
- 損失が生まれるリスクもある
- 投資の知識を習得するのには向かない
ロボアドバイザーを利用すると、投資先や配分を提案してもらえて、お任せで自動運用ができます。感情にされず取引ができるため、価格の変動を見ると感情を揺さぶられてしまう方も安心して利用可能です。
ただし、AIや自動運用システムを活用しているとしても、損失が発生するリスクはあります。
【ロボアドバイザーがおすすめの人】
- 投資の第一歩を始めたい人
- ポートフォリオ(資産配分)の作成などに手間を取られたくない人
- 長期的な資産形成をしたい人
ロボアドバイザーは投資の知識やスキルが少ない人でも利用しやすいのが特徴です。ポートフォリオを自動で組んでくれてバランス調整も行ってくれるため、ほったらかしで投資ができます。
ただし、自分で売買をしないため、投資のノウハウを学ぶことはできません。ロボアドバイザーで投資の第一歩を踏み出し、慣れてきたら他の投資を実践するのがおすすめです。
ソーシャルレンディング:高利回りも期待できる
ソーシャルレンディングとは、インターネット上においてお金を貸したい投資家とお金を借りたい企業をマッチングする融資サービスです。ソーシャルレンディング事業者が投資家と企業の間に入り、お金を集めて企業側に融資し、企業から返済された分を投資家に配分します。
【メリット】
- 1万円からと少額投資ができる
- 高い利回りの商品もある
- 資金拘束期間が短い案件もある
【デメリット】
- 利回りや元本が保証されているわけではない
- 中途解約が認められないケースも多い
ソーシャルレンディングも少額投資ができる方法で、利回りの高い案件も見られるのがメリットです。その一方、元本や利回りが保証されているわけではないことを認識する必要はあります。
また、途中で解約することが認められないケースも多く、運用が終了するまで資金が引き出せないリスクもあります。
【向いている人】
- 少額から効率よく資産形成をしたい人
- 融資型の投資に関心のある人
- 短期で運用したい人
ソーシャルレンディングは、融資型の投資に興味のある方に適した方法です。拘束期間が数カ月程度の案件もあり、短期運用を希望する方も利用しやすいでしょう。
複数の案件に資金を分散させることで、リスクを軽減させることも可能です。
金・銀・プラチナなど貴金属:常に需要がある
金・銀・プラチナといった貴金属も、ほったらかし投資に向いている方法のひとつです。
貴金属は積立投資ができるサービスがあるため、少額での投資も実践できます。
【メリット】
- 価値が0になる可能性はほぼない
- 少額で積立投資も可能
- 株式や債券のリスク分散に役立つ
【デメリット】
- 配当や利息は手に入らない
- 価値が下落する恐れはある
金・銀・プラチナの主なメリットは、常に世界的な需要があり、価値が0になる可能性がほぼないことです。宝飾品だけでなく、先端産業でも使われているため、需要の高い素材であるためです。
金などの貴金属の価格の動きは、株式や債券との相関性が低いとされています。投資のポートフォリオに加えることにより、株式などのリスクを軽減できるのもメリットです。
その一方、株式や債券と異なり、配当や利息などは入ってきません。また、売却時の価格によっては、損失が発生するおそれがあります。
【向いている人】
- 投資のリスク分散をしたい人
- 資産を長期保有することに抵抗のない人
すでに株式や債券を保有している方も、金などの貴金属に投資することにより、リスク分散につながります。どちらかというと短期で売買する方法ではないため、長期で保有できる方に適しています。
債券:リスク分散に役立つ
債券とは、国や企業がお金を借りるために発行する有価証券です。債券を購入することでお金を貸している側となり、約束の期日まで、定期的に利子を受け取れます。
【メリット】
- 安定した発行元を選べば低リスクで資産運用ができる
- 外国債は利回りが高い
【デメリット】
- 価格変動リスクはある
- 外国債は為替変動リスクもある
債券投資は、国や自治体といった安定性のある発行元を選ぶと、比較的低リスクで運用できます。外国債は、日本の国債より利回りが高いものが多いのがメリットです。たとえば2024年12月5日時点の10年国債の利回りは以下のとおりです。
- 日本:1.059%
- 米国:4.192%
- ドイツ:2.050%
- イギリス:4.252%
- フランス:2.891%
日本の国債は格付けが高く安定性はあるものの、利回りが低いためあまり資産の成長は期待できません。また、外国債は為替変動リスクがあり、売却時の為替の状況によって損失が出ることもあります。
【向いている人】
- リスクを分散したい人
- わかりやすい投資をしたい人
株式の価格変動とは違う動きを示すことが多いため、債券をポートフォリオに加えることでリスクを分散できます。また、債券は比較的シンプルな仕組みのため、理解しやすい投資をしたい方にもおすすめです。
単元未満株:少額で分散投資ができる
単元未満株とは、1株から株式を売買できるサービスです。通常の株式は100株単位で売買する必要があり、たとえば1株5,000円なら、50万円の資金がないと取引できません。 しかし、単元未満株なら1株から購入できるため、5,000円の資金で始められます。
【メリット】
- 少額で株式投資ができる
- 分散投資をしやすい
- 株式投資のトレーニングになる
【デメリット】
- 指値注文ができない
- 得られる利益は小さい
株価は銘柄によってさまざまですが、1株1,000円を切る株式もあり、お小遣いレベルの資金でも投資を始められます。分散投資がしやすく、損失も限定的であり、経済的なダメージも小さいでしょう。
その一方、一般的には指値注文を利用できないことに注意が必要です。指値注文とは価格を指定して注文することであり、逆に価格を指定しない注文方法を成行注文といいます。単元未満株は成行注文で取引することになるため、想定より高い価格で買ってしまうリスクがあります。
【単元未満株に向いている人】
- まとまった投資資金を用意できない人
- 株式投資を学びたい人
単元未満株は、少額で株式投資の練習をしたい方に向いています。NISAの対象でもあるため、利益が非課税になるメリットも享受できます。 取引の規模は小さいため、ある程度経験を重ねてきたら、徐々に100株単位の単元株に切り替えていくのがおすすめです。
株式やFXの自動売買:仕事中や就寝中も取引をしてくれる
株式やFX(外国為替証拠金取引)では、自動売買の仕組みを利用した取引もできます。あらかじめ設定した条件を満たした時点で取引を実行する仕組みで、たとえば「ある銘柄が3,000円以下になったら買う」「4,000円以上になったら売る」といった条件を設定することが可能です。
【メリット】
- 仕事や就寝中でも自動で取引できる
- 感情に惑わされず機械的に取引できる
【デメリット】
- 株式やFXに関する知識がないと難しい
- 臨機応変な対応ができない
自動売買の主なメリットは、画面を見ていなくても取引ができることです。仕事をしていたり睡眠を取っていたりするときでも、システムが売買を実行してくれます。条件を満たした時点で自動的に取引をするため、感情の影響を受けないのもメリットです。 その一方、売買の条件を設定しなくてはならないため、注文方法の種類や指標など知識がないと実践できません。投資の初心者が実践するのは現実的ではないでしょう。
【向いている人】
- 多忙なため市場を頻繁にチェックできない人
- 売買タイミングがむずかしいと感じている人
株式やFXの自動売買がおすすめなのは、多忙で相場を見る時間がない方です。また自分で売買のタイミングを計るのが難しい方も、自動売買は利用しやすいでしょう。
初心者にはおすすめできない投資
投資初心者の段階では、以下の投資方法は避けましょう。
種類 | 概要 |
---|---|
FX | 為替の差額による利益を目指す取引 |
暗号資産(仮想通貨) | ビットコインなど暗号資産の売買で利益を目指す取引 |
個別株 | 個別の株式銘柄を売買する取引 |
貯蓄型保険 | 保険料の一部を積み立てて運用することで、解約や満期時にお金を受け取る保険 |
FXはレバレッジをかけると大きな利益を狙えますが、その分リスクも大きくなります。レバレッジを適切に設定するには、FXの経験や知識が必要です。
暗号資産は短期間で暴落するケースが過去にいくつかあり、ほったらかしにするのは初心者では難しいでしょう。銘柄も玉石混合で、投資対象の見極めは困難です。
個別株は投資信託などと比較すると値動きが激しいです。また、企業の財務諸表が読めないと銘柄選定ができません。
貯蓄型保険は、掛け捨て型保険と比較すると保険料が高く、経済的な負担になる可能性もあります。満期前や払込期間満了前に解約すると、元本割れするものがほとんどなのも注意点です。
ほったらかし投資のメリット
ほったらかし投資には、下記のメリットがあります。
- 投資経験が少なくても実践しやすい
- 少額から投資できる方法も多い
- 長期投資でお金がどんどん増えていく
- 金融リテラシーを高められる
1つずつ詳しく解説します。
投資経験が少なくても実践しやすい
通常の投資では、以下のような作業が必要です。
- 金融商品・市場の動向・企業の動向などさまざまな情報を調べる
- 投資先の商品を選定する
- 買い注文を出す
- 購入した商品の価格などを観察する
- 売り注文を出す
- 利益または損失を確認する
投資の経験があまりない方の場合、これらをすべて実践するのは難しいでしょう。情報を調べて、どの商品に投資をするか決める段階だけでも、相当な労力や時間を必要とします。
これに対してほったらかし投資では、毎月一定額の積立をするだけなど、実践しやすい内容になっています。投資にかけられる時間があまりない方でも問題ありません。
少額から投資できる方法も多い
ほったらかし投資は、少ない投資金額でも実践できるものが多く見られます。最低投資額が少ないものをあげると、下記のとおりです。
- 不動産クラウドファンディング:最低1万円~10万円から
- NISAのつみたて投資:月1,000円~
- iDeCo:月5,000円~
- 単元未満株:数千円程度
- ロボアドバイザー:月1,000円~
※利用するサービスや投資対象によっては、上記より高い場合もあります。
数千円程度で投資できるサービスがたくさんあり、まとまった資金がなくても問題ありません。少額の資金でリスクを低く抑えながら、投資の知識やスキルを身に付けられます。
長期投資でお金がどんどん増えていく
ほったらかし投資では、投資で利益を得ると、その分を再び投資に回す仕組みになっているものも多いです。利益が元本に加算され、元本が大きくなり、さらなる利益が生じる「複利効果」を得られます。
複利効果が得られる投資方法は、NISAの積立、iDeCo、ロボアドバイザーなどです。長期で投資をするほど福利効果も大きくなり、資産形成が効率的になります。
たとえ少ない投資資金でも、早めにスタートして長期間取り組めば、複利効果によって大きな利益を得られる可能性もあります。
金融リテラシーを高められる
ほったらかし投資は実践しやすい投資ですが、単純で簡単な投資というわけではありません。利益を出すには、投資先や購入方法を自分なりに考えて判断を下す必要があります。 ロボアドバイザーなどは投資先選びなどの手間がかかりませんが、そもそもそのロボアドバイザーを選ぶべきなのか、過去の成績などから判断しなくてはなりません。
ほったらかし投資を実践するうちに投資の知識や経験を得られ、金融リテラシーの向上につながります。
ほったらかし投資のデメリット
ほったらかし投資はメリットが多いですが、下記の点には注意が必要です。
- 利益が保証されているわけではない
- 短期的な市場変動に対応しにくい
- 短期間で大きく儲けることはできない
利益が保証されているわけではない
ほったらかし投資のなかには債権や金など、比較的リスクが低いものもあります。しかし、利益が確実に保証されているわけではないため、ほったらかし投資をあたかも預貯金のように認識するのは間違いです。
債券や金も含めて金融商品の価格は常に変動しますので、売却時の価格によっては損失が発生する可能性があります。債券は発行元の企業や国の財政が悪化して返済ができなくなり、元金が戻ってこないリスクもあります。
ほったらかし投資でも損失リスクはあることを、しっかりと認識しておきましょう。
短期的な市場変動に対処しにくい
ほったらかし投資では、頻繁に市場の動向をチェックすることはありません。よって、短期的な価格変動を見逃しやすくなるため、その場で臨機応変に対応するのは難しいです。
また、積立投資などはそもそも長期的な視点で投資する方法であるため、短期で多少変動したからといって、積立の額を下げたり0にしたり、損切りすることは適切ではありません。
短期的な市場変動を気にすることなく、淡々と継続することが大切です。そのためには、短期で価格が乱高下しにくい商品を選ぶことも重要です。
短期間で大きく儲けることはできない
今回紹介した投資方法の多くは、短期で大きく稼ぐ方法ではありません。NISA・iDeCo・ロボアドバイザーなどは、毎月一定の額をコツコツ積み上げて、長期での複利効果を狙う投資方法です。
不動産投資は毎月入ってくる家賃収入は大きいですが、ローンの返済額などの経費を考慮すると、大きなプラスにはならないこともあります。家賃収入を積み上げて、長期的に利益がプラスになることを目指します。
ほったらかし投資では1カ月・半年といった短期ではなく、10年後・20年後といった長期的な視点で、どのように資産を築いていくのかを考えましょう。
初心者が押さえておきたい投資のポイント
この章では、初心者の方が投資を始める前に把握しておきたい重要なポイントを解説します。
生活資金を準備しておく
どのような投資であっても、利益が出る保証があるわけではなく、損失が出るリスクがあります。また、一定の時期まで解約や資金の引き出しができない場合もあるため、手持ちのすべてのお金を投資に使うのは適切でありません。
よって、投資資金とは別に、生活資金を現金で持っておきましょう。どの程度準備すればよいかは個人によって異なりますが、おおむね半年~1年分ほどが目安です。
毎月の生活費が25万円の方なら、150万円~300万円を用意する必要があります。
投資の目的や目標額を明確にする
投資をする目的や、目標とする金額を明確に定めましょう。たとえば、以下のような事例が考えられます。
- 5年後に住宅を購入するため頭金として300万円を用意する
- 子どもの大学進学に備えて10年後までに500万円を準備する
- 30年後から始まる老後生活に向けて2,000万円を準備する
資産運用でいくら形成し、何に使うのかを決めることで、どのような投資をすればよいかが明確になります。目標が決まれば、投資のモチベーションが高まり、長期投資も継続しやすいでしょう。
勧められた金融商品を安易に購入しない
金融機関などは、さまざまな金融商品を勧めてきます。しかし、金融機関が販売したい商品は、必ずしも投資家にとってよいものとは限りません。
基本的に、リスクのない投資は存在せず、低リスクで大きなリターンを見込める投資もありません。金融機関の説明が一見魅力的に見えても、よく内容を確認するとデメリットに触れていない、デメリットを過小に伝えているなどの可能性があります。
金融機関などの情報を鵜呑みにせず、自分でよく調べて、納得してから投資をしましょう。
長期・分散投資を心がける
投資のリスクを下げるには、長期目線で、複数の方法や銘柄に分散することが非常に重要です。短期でまとめて購入せず、時期をずらして長期的に少しずつ購入していけば、高い価格でたくさん購入してしまうリスクを減らせます。
投資対象の銘柄もできる限り分散することが大切で、1つの銘柄がダメになっても他の銘柄でカバーできます。たとえば、株価指数に連動する成果を目指す投資信託は、多数の銘柄を購入して運用するため、どれか1社だけの株価が大きく下がっても、全体への影響は軽微です。
このような投資信託を選ぶのも、リスク分散の方法の1つといえます。
価格が下がってもすぐに売らない
価格が一時的に大きく下がると、不安やプレッシャーを感じてしまい、すぐに売りたくなる方もいるかもしれません。しかし、売ると損失がその場で確定してしまいます。
長期的な視点に立てば、価格が戻ったりさらに上昇したりする可能性もあります。長期的な投資をするなら、一時的に下がっても我慢して保有を続けることが重要です。
また、積立投資は長期的にコツコツ買い続ける手法であり、短期的に下がったからといって止めてはいけません。
投資について継続的に学ぶ
ほったらかし投資は、一度設定すればあとは放置しても資産を構築できる方法です。しかし、ただほったらかすだけでは投資に関する知識が身に付かず、投資家として成長できません。
投資を取り巻く環境は変化し続け、新たなサービスや制度が誕生する可能性もあり、常に学び続ける必要があります。自分に合った方法で学び続けることで、投資スキルを高めていけます。
投資を学ぶ方法は、書籍、動画、Webサイト、SNSなど多数あります。自分に合う方法を見つけてみましょう。
まとめ
ほったらかし投資の概要や、おすすめの方法10選などを解説しました。10個の方法それぞれにメリット・デメリットがあり、十分に理解・納得してから投資を始めることが重要です。
少額で始められる投資も多く、まとまった資金がなくても実践できます。忙しい方でも実践しやすい投資を初めて、将来に備えてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。