2023.12.04

不動産投資のコツ

ベルテックスコラム事務局

マンション経営の空室率はどれくらい?上昇する要因や下げる方法も紹介

  • マンション投資
  • 空室対策

マンション経営において空室率は重要な指標です。空室率は地域や市況により異なりますが、低いほど収益性が高まります。より多くの収益を安定的に得るためには、物件の間取りや築年数、駅からのアクセスや周辺環境などをチェックして、空室率を予測することが需要です。

この記事では、マンション経営における空室率の推移や上下する要因などについて詳しく解説します。

空室率とは

マンションの空室率とは、所有するマンションの部屋数に対する空室の部屋数の割合のことです。空室率には3つの計算方法があります。

1つ目は年単位の空室率で、稼働空室率とも呼ばれ、次の計算式で求められます。
稼働空室率=空室の部屋数×空室期間の日数÷全体の部屋数×365日×100
例えば3部屋のうち1部屋が1年で60日間空室だった場合、稼働空室率は次のとおりです。
1部屋×60日÷3部屋×365日×100=約5%

2つ目は現時点の空室率で、時点空室率とも呼ばれ、次の計算式で求められます。
時点空室率=現時点の空室の部屋数÷全体の部屋数×100
例えば現時点で3部屋のうち1部屋が空室だった場合、時点空室率は次のとおりです。
1部屋÷3部屋×100=約33%

3つ目は賃料から求める空室率で、賃料空室率とも呼ばれ、次の計算式で求められます。
賃料空室率=(満室時の年間賃料収入-実際の年間賃料収入)÷満室時の年間賃料収入×100
例えば、賃料10万円の部屋と賃料8万円の部屋を所有しており、賃料10万円の部屋は2ヵ月空室で、賃料8万円の部屋は3ヵ月家賃滞納があった場合、実際の年間賃料収入は172万円です。このケースの賃料空室率は次のとおりです。
(216万円-172万円)÷216万円×100=約20%

空室率と入居率の重要性

空室率が上がると賃料収入が減るため、不動産投資ローンの返済にも悪影響を及ぼします。空室率を下げることは、マンション経営の成功に直結します。
一般的には、年単位の稼働空室率をマンション経営に役立てるとよいでしょう。現時点の空室率では、どの時点で計算するかによって大きな差が出るためです。部屋ごとに間取りや賃料が異なる場合や、賃料の回収が滞っている部屋がある場合は、賃料空室率を計算するとよいでしょう。
入居率とは入居者が入っている部屋の割合のことで、空室率と正反対の概念です。入居率は「100%-空室率」で求められます。
マンション経営では空室率を下げ、入居率を上げることが重要です。

空室率の推移 アパートとマンションを比較

ここでは、エリアや物件の種類ごとに空室率がどの程度なのかを見ていきます。

東京23区の空室率推移

アパートかマンションなのかによって空室率には違いがあります。
アパート系の場合、木造や軽量鉄骨の建物は需要に敏感で、需要が増加すれば比較的早い段階で空室率が下がる傾向があります。これには、建物の構造や賃料設定の柔軟性 が影響しています。
一方、マンション系は建物の規模や設備、価格帯によって異なるものの、供給過多や景気の変動により空室率が上昇するケースが見られます。特にS造やRC造、SRC造の高層マンションは競争が激しく、需要と供給のバランスの影響を強く受けます。

東京23区外の空室率推移

東京23区外でも同様に、アパート系とマンション系の空室率に違いが見られます。アパート系の場合、郊外や住宅地において需要の安定性が高く、空室率の上昇を抑えられる傾向があります。木造や軽量鉄骨のアパートは、地域のニーズに合わせて柔軟な運営が可能なため、入居者を確保しやすいとされています。
マンション系も郊外エリアでは需要と供給が調和しており、比較的安定した空室率を維持しています。しかし、都心部や繁華街では高層マンションの競合が激しく、空室率の上昇が見られることもあります。

全国主要都市の空室率推移(関西圏・中京圏・福岡県)

関西圏(大阪府、京都府、兵庫県)や中京圏(愛知県)、福岡県などの主要都市でも、アパート系とマンション系の空室率の推移は似ています。地域ごとの特性や需要の違いによって異なるものの、アパート系の方が柔軟な運営が可能なため、需要に合わせた収益性を維持しやすいとされています。

一方、マンション系は都市圏においては供給過多な傾向があるため、競争が激しい状況が続いています。特に高層マンションは地域ごとの需要の変動に敏感で、空室率の上昇が見られることが多々あります。
総じて、アパート系とマンション系の空室率の推移は地域ごとの需要と供給のバランスに大きな影響を受けます。投資家やオーナーは、地域特性や建物の特徴を踏まえつつ適切な対策を講じることが、安定した賃貸経営を実現する鍵となるでしょう。

空室率が上がっていく原因

賃貸住宅市場において、空室率の上昇は避けて通れない課題です。さまざまな要因が絡み合い、空室率が増加します。一般的な要因は供給過剰や需要の低迷、社会状況の変化などです。ただし、建物のタイプや地域によって影響が異なるため、自身が経営する不動産の特性を理解し、空室率上昇の対策を講じることが大切です。
また、仲介業者との関係や物件管理も空室率に影響を及ぼします。
このセクションでは、空室率が上昇する背後にある主な原因を探求してみましょう。

人口減少

現代の社会構造や経済状況の変化に伴い、人口減少は賃貸住宅市場に大きな影響を及ぼしています。日本をはじめとする多くの国々で人口減少が進行しており、これに伴って賃貸需要の低下が生じています。統計局の統計ダッシュボード『人口』に基づき、人口減少が空室率上昇の背景に与える影響を見てみましょう。

人口減少による影響は、まず需要の減少として現れます。少子高齢化により家族単位の住居需要が減少し、単身世帯やシニア世帯の増加が見られます。これにより、一般的な賃貸住宅だけでなく、小規模な賃貸マンションやアパートへの需要が減少する傾向があります。需要の減少に伴い、競争が激化し、空室率が上昇するリスクが高まります。

また、地域ごとの人口移動や移住の変化も影響を及ぼします。都市圏から郊外や地方への人口流出が進む場合、一部のエリアでは需要が減少し、空室率が上昇する可能性があります。反対に、特定のエリアに集中的に人口が集まる場合は需要が増加し、空室率が低下することも考えられます。
人口減少に対処するためには、賃貸経営者や不動産業者が地域特性や需要の変化を的確に把握し、適切な対策を講じることが重要です。
例えば、高齢者向けの施設やシニア向けのアクティブな住まいへの転換、コンパクトな単身者向け住宅の提供など、需要の変化に合わせた新たなプランニングを行います。

賃貸住宅の供給過多

近年、都市部を中心に賃貸住宅の供給過多が顕著な課題となっています。統計データによると、世帯数に対しての賃貸住宅の供給が増加し、需要とのバランスが乖離している状況です。
都市部においては人口密度が高く、求職者や学生などの需要に応じた賃貸住宅が増加しています。しかし、この需要に対して供給が過多な状況では、入居率の低下や家賃競争の激化を招きます。
特に、特定のエリアや建物タイプにおいては空室率の上昇が著しく、オーナーにとっては安定的な収益の確保が難しくなる可能性があります。

世帯数の増加ペースよりも供給が急速に進むと、市場に余剰な空室が蓄積されることになります。これに伴って家賃の引き下げが行われることがあり、結果として賃貸住宅の価格競争が生じます。このような状況下では、賃貸物件のオーナーや運営会社は、空室率の上昇による収益の減少に対処しなければならなくなります。

供給過多の解決には、需要の変化に適応することが重要です。需要が高まる特定のニーズに合わせたプランや施設の提供、地域ごとの需給バランスの調整が求められます。また、建物の特性や付加価値を高める工夫も方法の1つです。例えば、最新設備の導入やコミュニティ空間の提供など、入居者にとって魅力的な要素を持つ賃貸物件を目指します。
賃貸住宅の供給過多は市場に深刻な影響をもたらす問題であり、需要と供給のバランスを保つためには柔軟な運営戦略が不可欠です。

仲介業者との信頼関係を構築できていない

入居者の募集を仲介業者に依頼するオーナーは多いでしょう。仲介業者と信頼関係を構築できていないと、積極的に物件を紹介してもらえず、入居者をなかなか確保できません。
仲介業者は、物件の契約によって発生する仲介手数料が収益源です。そのため、取り扱っている物件の中から、入居希望者のニーズを満たしていそうな物件を優先的に紹介します。
そのため、入居希望者がなかなか現れない場合は、仲介業者にとって紹介しにくい物件になっている可能性があります。
その場合は、まず仲介業者と信頼関係を構築しなければなりません。仲介業者とコミュニケーションを取る機会を増やし、自分の所有する物件が賃貸ニーズに合っているか、どのような物件なら紹介しやすいのかなどを聞き出しましょう。

物件の管理が行き届いていない

管理が行き届いていない物件は入居者に選ばれにくく、自然と空室率が上がります。
退去後のクリーニングが不十分だったり必要なメンテナンスが行われていなかったりすると、仲介業者も紹介しにくくなるでしょう。また、築年数が経過していることで水廻り設備が古い、間取りが使いにくいなど、最近の賃貸ニーズに応えられない物件になっている可能性もあります。

リフォームにはお金がかかる、どこからメンテナンスしていいかわからないといった理由で物件管理を先延ばしにしていても、状況は改善しません。ノウハウを持つ会社からアドバイスを受け、優先順位をつけてメンテナンスを行いましょう。床や壁紙を張り替えるだけでも部屋の印象が大きく変わり、入居者確保につながることもあります。

マンション経営を行う上で空室率が上がりにくい物件の選び方

マンション経営で空室率の上昇を抑えるためには、物件選びが重要です。適切な物件選びは、将来的な収益の安定に直結します。需要の変化や地域特性を踏まえながら、空室率が上がりにくい物件を選ぶポイントについて詳しく解説します。

駅力の高い駅から近いエリアで探す

駅力とは

「駅力」とは、その駅が持つ魅力や便益のことを指します。例えば、駅周辺に職場や学校、ショッピングモールやスーパーマーケットなどがある場合、通勤・通学・買い物などがしやすくなります。そのほか、飲食店やカフェ、公園などがあると、日常生活がより充実するでしょう。
マンション経営で空室率を低く保つためには、物件の選定が極めて重要です。特に、駅力の高い駅から近い場所で物件を選ぶことは、成功の鍵と言えるでしょう。以下では、駅力の高い場所について詳しく解説します。

駅から徒歩10分内が理想

駅近物件の魅力は、交通の利便性にあります。駅からのアクセスが良いほど、入居者にとっての利便性が高まります。特に、駅から徒歩10分以内が理想的とされています。

通勤しやすさ、職場の最寄り駅まで乗り換え1~2回が目安➔駅力高いところがよい

入居者の多くは、通勤や通学などで駅を利用します。そのため、通勤しやすい場所であるかが重要なポイントです。一般的には、職場の最寄り駅まで乗り換えが1~2回程度である場所が入居者にとって魅力的と言えるでしょう。

駅周辺の治安の良さも駅力の1つです。一般的に、駅周辺は商業施設と人通りが多いため、犯罪が起こりにくい傾向があります。

入居者の需要が高い間取りと設備

東京都の人口動向を分析すると、特定の居住者層に高い需要が集まっていることがわかります。これに基づいて不動産投資を考える際には、入居者からの需要を的確に把握し、その需要に合った間取りと設備を提供することが重要です。

東京は単身者世帯が増えている➔1R,1K,1LDK 

東京都の人口統計データによると、単身者世帯が大きく増加しています。こうした需要に合わせて、1R、1K、1LDKが特に注目されています。
1Rはリビングと寝室がひとつで構成され、1Kはキッチンとリビングが一体となり、1LDKはリビングと寝室が分かれています。これらの間取りは、単身者にとって使いやすく、手頃な広さでありながら快適な生活を送ることができる魅力があります。
さらに、近代的なキッチン設備、バス・トイレが別々の設計、洗濯機置き場の充実など、快適で便利な日常生活を過ごすための設備も重要なポイントです。また、高速インターネット環境やセキュリティ対策なども日常生活に彩りと安心を与えます。

このように、単身者層をターゲットとした1R、1K、1LDKの間取りと、快適な生活をサポートする設備の条件がそろった物件を選ぶことが重要です。
投資物件を選ぶ際には、地域の人口動向や居住者の需要を分析し、それに合った間取りと設備を考慮することが成功のカギとなるでしょう。

独立洗面台、2口ガスコンロ、ウォークインクローゼットが人気 

独立洗面台、2口ガスコンロ、ウォークインクローゼットといった設備が人気を集めています。
単身者の中でも、特に女性やファッションや美容に関心の高い人々は、収納スペースを重視する傾向があります。例えば、ウォークインクローゼットがあれば、季節ごとの衣類やアクセサリー、靴などを整理しやすく、スッキリとした部屋を保つことができます。また、キッチンは日常の料理の場として重要なスペースであり、2口ガスコンロがあれば同時に複数品の調理が可能です。

さらに、独立洗面台は朝の忙しい時間帯や夜のリラックスタイムで重宝します。広いスペースで身支度やスキンケアを行えるため、快適な生活が期待できます。

適切な家賃設定が出来ているか:周辺賃料と比較して、高すぎないか

賃貸物件を選ぶ際に欠かせない要素の一つが、家賃の設定です。特に単身世帯にとっては、家計に影響を及ぼす重要なポイントとなります。適切な家賃設定は、経済的な面だけでなく、快適な生活を実現するためにも重要です。そのためには、周辺の同じくらいの広さや設備を持つ物件の家賃相場と比較することが必要です。
周囲の賃料相場と比較することで、自身が検討している物件の家賃が妥当な水準であるかを判断できます。家賃が周辺物件と比べて著しく高い場合、その差額に見合ったメリットや価値があるかどうかを検討することが重要です。高額な家賃が支払い続ける価値があるのか、もしくは同等の条件でより手頃な物件があるのか、冷静に判断することが求められます。

一方で、周囲よりも極端に低い家賃設定も注意が必要です。あまりにも安すぎる場合、設備や立地、物件の状態などに何らかの欠陥があるのか、確認が必要です。
周辺の賃料相場を確認し、物件が提供する価値との兼ね合いを考えながら判断することで、経済的な負担を最小限にしつつ満足度の高い生活を実現できるでしょう。

住環境が整っているか

快適な生活を送るためには、住環境の整備が欠かせません。住む場所の周辺に必要な施設が充実しているかどうかは、賃貸物件選びにおいて重要なポイントです。
まず、日常生活に不可欠な病院、市役所、スーパー、薬局などの施設が近隣に存在するかを確認しましょう。緊急時に安心して利用できる医療施設や、手続きを行う市役所、スーパーや薬局などが近くにあることは、生活の利便性の向上につながります。
さらに、再開発エリアの存在も重要なポイントです。都市部では、再開発プロジェクトによって街の景観や施設が刷新されることがあります。これにより、賃貸需要が上昇することが期待されます。再開発エリアの物件を選ぶことで、将来的な住環境の向上や地域の活性化を享受できる可能性が高まります。

マンション経営における空室率を下げる方法

すでにマンション経営をしており、空室率を下げたいと考えている方は、どのような対策を講じればよいのでしょうか。空室率を下げる方法はさまざまで、何から手を付けるべきか悩んでいるオーナーも多いでしょう。
空室率を下げる代表的な方法を5つ紹介するので、取り組めそうなものから取り組んでみてください。

入居者を募集するための情報を更新する

入居者を見つけるためには、まず物件に興味を持ってもらう必要があります。内見につながるかどうかは物件の写真が大きく影響するため、写真の内容や量を見直しましょう。
晴れている日に撮影したり、部屋の角に背をつけて撮影したりするだけでも、明るく広々とした印象になるため、入居者に興味を持ってもらえる可能性が高まります。
また、水廻り設備は特に気にする人が多いポイントのため、必ず詳細を載せておきましょう。水廻り設備の写真がないと不安を与え、候補に入れる可能性が低下します。
物件が多い地域なら、記憶に残りやすいように印象的な壁紙を使ったり、小物を置いて撮影したりするのもおすすめです。

既存の入居者の満足度を上げる

空室率を下げるには、既存の入居者の満足度を上げて退去を防ぐことも重要です。入居者に「住み続けたい」と思われるよう物件管理を行いましょう。
例えばエントランスや駐輪場、ゴミ置き場、廊下など共用部の清掃が行き届いていると、入居者は心地よく過ごせます。設備が故障したときは、速やかに交換や修繕を行いましょう。
入居者同士のトラブルは、特に退居につながりやすいため注意が必要です。トラブルが起きたときに、迅速に対応できるかどうかが入居者との信頼関係に影響します。
オーナーが間に入って解決することが難しいケースも多いため、トラブル対応の実績を持つ専門の会社に入居者対応を一任しておくと安心です。
満室時は、つい気がゆるみがちになることも多いでしょう。しかし、満室時こそ物件管理を徹底し、入居者の満足度を上げ、退去を防ぐことが空室率を下げることにつながります。

 広告費をかけて物件の認知度を上げる

最近はインターネットで物件選びをする人がほとんどのため、広告費を支払って複数の不動産ポータルサイトに掲載されるようにすると、入居者を確保できる可能性が高まります。不動産ポータルサイトに支払う広告費を上げることで、入居者の目に留まりやすくなることもあります。
また、地域によっては賃貸情報誌や折り込みチラシなどの紙媒体が、入居者確保につながるケースも少なくありません。競合物件がどのように入居者を募集しているかを確認し、地域性や入居者の年齢層も考慮したうえで集客方法を検討するとよいでしょう。
さらに、物件の詳細情報を伝えるホームページを作る方法もあります。自分でホームページを作ることのメリットは、デザインの自由度が高く、物件の魅力を伝えやすいことです。 

敷金や礼金などの初期費用を見直す

敷金・礼金の有無や金額は、物件を比較する際に大きく影響します。特に、周辺の似たような物件と比較して敷金や礼金が極端に高いと比較の候補に残らず、内見にいたらない場合があります。
反対に、敷金・礼金を相場と同程度の水準にしたり相場より少し下げたりすると、内見につながりやすくなるでしょう。敷金や礼金を0円にすれば入居者の目に留まりやすくなります。
ただし、敷金・礼金の金額を下げることは、マンション経営の収支に影響を及ぼすことを理解して、慎重に検討しなければなりません。敷金・礼金を下げてもメンテナンス費用や広告費を支払えるかを考え、専門のノウハウを持つ会社にも相談したうえで判断しましょう。

仲介業者に相談する

入居者が物件を探す際の主な窓口は、仲介業者の営業担当者です。そのため、仲介業者の営業担当者と良好な関係性を築くことで物件を紹介してもらいやすくなり、入居者を確保できる可能性が高まります。
また、仲介業者の営業担当者は物件を選ぶ人と直接話をするため、最新の賃貸ニーズを熟知しています。仲介業者の営業担当者と親しくなることで、どんな物件が選ばれやすいかを聞き出すことができます。
さらに、賃貸ニーズのトレンドの変化や地域の賃貸ニーズの特徴など、さまざまな情報を得られる場合もあるでしょう。仲介業者の営業担当者と小まめにコミュニケーションを取って良好な関係を築き、貴重な情報を得てマンション経営に活かしましょう。

サブリースを利用する

どんなに対策したとしても、空室率が0になることは難しいでしょう。不動産投資をおこなう上で空室を気にしたくないという方には「サブリース」という選択肢があります。
「サブリース」とは、オーナーが所有する物件を不動産会社に貸し、不動産会社が入居者に転貸する仕組みです。サブリースには空室保証が付いていることが一般的で空室であっても不動産会社から賃料が入るので、空室リスクを気にする必要がなくなります。
ただし、保証される賃料は募集賃料の80~90%で残りは不動産会社の手数料になります。
空室を気にせず安定収入が得られる一方、サブリースに関するトラブルも起きているので注意が必要です。契約前に必ず内容を確認することが重要です。

まとめ

不動産投資において物件を選ぶ際には、空室率の動向や部屋の特徴だけではなく、入居者のニーズやライフスタイルにも注目することが重要です。都市部は1Rや1Kの需要が高まっている一方で、広めの部屋や充実した設備を求める声も根強いです。住環境も見逃せない要素であり、生活圏内に必要な施設が整っているかどうか、また再開発エリアの動向も考慮すべきでしょう。周辺の賃料と家賃を比較し、適切に設定することも大切です。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.12.04

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ベルテックスコラム事務局

マンション経営の空室率はどれくらい?上昇する要因や下げる方法も紹介

  • マンション投資
  • 空室対策

マンション経営において空室率は重要な指標です。空室率は地域や市況により異なりますが、低いほど収益性が高まります。より多くの収益を安定的に得るためには、物件の間取りや築年数、駅からのアクセスや周辺環境などをチェックして、空室率を予測することが需要です。

この記事では、マンション経営における空室率の推移や上下する要因などについて詳しく解説します。

空室率とは

マンションの空室率とは、所有するマンションの部屋数に対する空室の部屋数の割合のことです。空室率には3つの計算方法があります。

1つ目は年単位の空室率で、稼働空室率とも呼ばれ、次の計算式で求められます。
稼働空室率=空室の部屋数×空室期間の日数÷全体の部屋数×365日×100
例えば3部屋のうち1部屋が1年で60日間空室だった場合、稼働空室率は次のとおりです。
1部屋×60日÷3部屋×365日×100=約5%

2つ目は現時点の空室率で、時点空室率とも呼ばれ、次の計算式で求められます。
時点空室率=現時点の空室の部屋数÷全体の部屋数×100
例えば現時点で3部屋のうち1部屋が空室だった場合、時点空室率は次のとおりです。
1部屋÷3部屋×100=約33%

3つ目は賃料から求める空室率で、賃料空室率とも呼ばれ、次の計算式で求められます。
賃料空室率=(満室時の年間賃料収入-実際の年間賃料収入)÷満室時の年間賃料収入×100
例えば、賃料10万円の部屋と賃料8万円の部屋を所有しており、賃料10万円の部屋は2ヵ月空室で、賃料8万円の部屋は3ヵ月家賃滞納があった場合、実際の年間賃料収入は172万円です。このケースの賃料空室率は次のとおりです。
(216万円-172万円)÷216万円×100=約20%

空室率と入居率の重要性

空室率が上がると賃料収入が減るため、不動産投資ローンの返済にも悪影響を及ぼします。空室率を下げることは、マンション経営の成功に直結します。
一般的には、年単位の稼働空室率をマンション経営に役立てるとよいでしょう。現時点の空室率では、どの時点で計算するかによって大きな差が出るためです。部屋ごとに間取りや賃料が異なる場合や、賃料の回収が滞っている部屋がある場合は、賃料空室率を計算するとよいでしょう。
入居率とは入居者が入っている部屋の割合のことで、空室率と正反対の概念です。入居率は「100%-空室率」で求められます。
マンション経営では空室率を下げ、入居率を上げることが重要です。

空室率の推移 アパートとマンションを比較

ここでは、エリアや物件の種類ごとに空室率がどの程度なのかを見ていきます。

東京23区の空室率推移

アパートかマンションなのかによって空室率には違いがあります。
アパート系の場合、木造や軽量鉄骨の建物は需要に敏感で、需要が増加すれば比較的早い段階で空室率が下がる傾向があります。これには、建物の構造や賃料設定の柔軟性 が影響しています。
一方、マンション系は建物の規模や設備、価格帯によって異なるものの、供給過多や景気の変動により空室率が上昇するケースが見られます。特にS造やRC造、SRC造の高層マンションは競争が激しく、需要と供給のバランスの影響を強く受けます。

東京23区外の空室率推移

東京23区外でも同様に、アパート系とマンション系の空室率に違いが見られます。アパート系の場合、郊外や住宅地において需要の安定性が高く、空室率の上昇を抑えられる傾向があります。木造や軽量鉄骨のアパートは、地域のニーズに合わせて柔軟な運営が可能なため、入居者を確保しやすいとされています。
マンション系も郊外エリアでは需要と供給が調和しており、比較的安定した空室率を維持しています。しかし、都心部や繁華街では高層マンションの競合が激しく、空室率の上昇が見られることもあります。

全国主要都市の空室率推移(関西圏・中京圏・福岡県)

関西圏(大阪府、京都府、兵庫県)や中京圏(愛知県)、福岡県などの主要都市でも、アパート系とマンション系の空室率の推移は似ています。地域ごとの特性や需要の違いによって異なるものの、アパート系の方が柔軟な運営が可能なため、需要に合わせた収益性を維持しやすいとされています。

一方、マンション系は都市圏においては供給過多な傾向があるため、競争が激しい状況が続いています。特に高層マンションは地域ごとの需要の変動に敏感で、空室率の上昇が見られることが多々あります。
総じて、アパート系とマンション系の空室率の推移は地域ごとの需要と供給のバランスに大きな影響を受けます。投資家やオーナーは、地域特性や建物の特徴を踏まえつつ適切な対策を講じることが、安定した賃貸経営を実現する鍵となるでしょう。

空室率が上がっていく原因

賃貸住宅市場において、空室率の上昇は避けて通れない課題です。さまざまな要因が絡み合い、空室率が増加します。一般的な要因は供給過剰や需要の低迷、社会状況の変化などです。ただし、建物のタイプや地域によって影響が異なるため、自身が経営する不動産の特性を理解し、空室率上昇の対策を講じることが大切です。
また、仲介業者との関係や物件管理も空室率に影響を及ぼします。
このセクションでは、空室率が上昇する背後にある主な原因を探求してみましょう。

人口減少

現代の社会構造や経済状況の変化に伴い、人口減少は賃貸住宅市場に大きな影響を及ぼしています。日本をはじめとする多くの国々で人口減少が進行しており、これに伴って賃貸需要の低下が生じています。統計局の統計ダッシュボード『人口』に基づき、人口減少が空室率上昇の背景に与える影響を見てみましょう。

人口減少による影響は、まず需要の減少として現れます。少子高齢化により家族単位の住居需要が減少し、単身世帯やシニア世帯の増加が見られます。これにより、一般的な賃貸住宅だけでなく、小規模な賃貸マンションやアパートへの需要が減少する傾向があります。需要の減少に伴い、競争が激化し、空室率が上昇するリスクが高まります。

また、地域ごとの人口移動や移住の変化も影響を及ぼします。都市圏から郊外や地方への人口流出が進む場合、一部のエリアでは需要が減少し、空室率が上昇する可能性があります。反対に、特定のエリアに集中的に人口が集まる場合は需要が増加し、空室率が低下することも考えられます。
人口減少に対処するためには、賃貸経営者や不動産業者が地域特性や需要の変化を的確に把握し、適切な対策を講じることが重要です。
例えば、高齢者向けの施設やシニア向けのアクティブな住まいへの転換、コンパクトな単身者向け住宅の提供など、需要の変化に合わせた新たなプランニングを行います。

賃貸住宅の供給過多

近年、都市部を中心に賃貸住宅の供給過多が顕著な課題となっています。統計データによると、世帯数に対しての賃貸住宅の供給が増加し、需要とのバランスが乖離している状況です。
都市部においては人口密度が高く、求職者や学生などの需要に応じた賃貸住宅が増加しています。しかし、この需要に対して供給が過多な状況では、入居率の低下や家賃競争の激化を招きます。
特に、特定のエリアや建物タイプにおいては空室率の上昇が著しく、オーナーにとっては安定的な収益の確保が難しくなる可能性があります。

世帯数の増加ペースよりも供給が急速に進むと、市場に余剰な空室が蓄積されることになります。これに伴って家賃の引き下げが行われることがあり、結果として賃貸住宅の価格競争が生じます。このような状況下では、賃貸物件のオーナーや運営会社は、空室率の上昇による収益の減少に対処しなければならなくなります。

供給過多の解決には、需要の変化に適応することが重要です。需要が高まる特定のニーズに合わせたプランや施設の提供、地域ごとの需給バランスの調整が求められます。また、建物の特性や付加価値を高める工夫も方法の1つです。例えば、最新設備の導入やコミュニティ空間の提供など、入居者にとって魅力的な要素を持つ賃貸物件を目指します。
賃貸住宅の供給過多は市場に深刻な影響をもたらす問題であり、需要と供給のバランスを保つためには柔軟な運営戦略が不可欠です。

仲介業者との信頼関係を構築できていない

入居者の募集を仲介業者に依頼するオーナーは多いでしょう。仲介業者と信頼関係を構築できていないと、積極的に物件を紹介してもらえず、入居者をなかなか確保できません。
仲介業者は、物件の契約によって発生する仲介手数料が収益源です。そのため、取り扱っている物件の中から、入居希望者のニーズを満たしていそうな物件を優先的に紹介します。
そのため、入居希望者がなかなか現れない場合は、仲介業者にとって紹介しにくい物件になっている可能性があります。
その場合は、まず仲介業者と信頼関係を構築しなければなりません。仲介業者とコミュニケーションを取る機会を増やし、自分の所有する物件が賃貸ニーズに合っているか、どのような物件なら紹介しやすいのかなどを聞き出しましょう。

物件の管理が行き届いていない

管理が行き届いていない物件は入居者に選ばれにくく、自然と空室率が上がります。
退去後のクリーニングが不十分だったり必要なメンテナンスが行われていなかったりすると、仲介業者も紹介しにくくなるでしょう。また、築年数が経過していることで水廻り設備が古い、間取りが使いにくいなど、最近の賃貸ニーズに応えられない物件になっている可能性もあります。

リフォームにはお金がかかる、どこからメンテナンスしていいかわからないといった理由で物件管理を先延ばしにしていても、状況は改善しません。ノウハウを持つ会社からアドバイスを受け、優先順位をつけてメンテナンスを行いましょう。床や壁紙を張り替えるだけでも部屋の印象が大きく変わり、入居者確保につながることもあります。

マンション経営を行う上で空室率が上がりにくい物件の選び方

マンション経営で空室率の上昇を抑えるためには、物件選びが重要です。適切な物件選びは、将来的な収益の安定に直結します。需要の変化や地域特性を踏まえながら、空室率が上がりにくい物件を選ぶポイントについて詳しく解説します。

駅力の高い駅から近いエリアで探す

駅力とは

「駅力」とは、その駅が持つ魅力や便益のことを指します。例えば、駅周辺に職場や学校、ショッピングモールやスーパーマーケットなどがある場合、通勤・通学・買い物などがしやすくなります。そのほか、飲食店やカフェ、公園などがあると、日常生活がより充実するでしょう。
マンション経営で空室率を低く保つためには、物件の選定が極めて重要です。特に、駅力の高い駅から近い場所で物件を選ぶことは、成功の鍵と言えるでしょう。以下では、駅力の高い場所について詳しく解説します。

駅から徒歩10分内が理想

駅近物件の魅力は、交通の利便性にあります。駅からのアクセスが良いほど、入居者にとっての利便性が高まります。特に、駅から徒歩10分以内が理想的とされています。

通勤しやすさ、職場の最寄り駅まで乗り換え1~2回が目安➔駅力高いところがよい

入居者の多くは、通勤や通学などで駅を利用します。そのため、通勤しやすい場所であるかが重要なポイントです。一般的には、職場の最寄り駅まで乗り換えが1~2回程度である場所が入居者にとって魅力的と言えるでしょう。

駅周辺の治安の良さも駅力の1つです。一般的に、駅周辺は商業施設と人通りが多いため、犯罪が起こりにくい傾向があります。

入居者の需要が高い間取りと設備

東京都の人口動向を分析すると、特定の居住者層に高い需要が集まっていることがわかります。これに基づいて不動産投資を考える際には、入居者からの需要を的確に把握し、その需要に合った間取りと設備を提供することが重要です。

東京は単身者世帯が増えている➔1R,1K,1LDK 

東京都の人口統計データによると、単身者世帯が大きく増加しています。こうした需要に合わせて、1R、1K、1LDKが特に注目されています。
1Rはリビングと寝室がひとつで構成され、1Kはキッチンとリビングが一体となり、1LDKはリビングと寝室が分かれています。これらの間取りは、単身者にとって使いやすく、手頃な広さでありながら快適な生活を送ることができる魅力があります。
さらに、近代的なキッチン設備、バス・トイレが別々の設計、洗濯機置き場の充実など、快適で便利な日常生活を過ごすための設備も重要なポイントです。また、高速インターネット環境やセキュリティ対策なども日常生活に彩りと安心を与えます。

このように、単身者層をターゲットとした1R、1K、1LDKの間取りと、快適な生活をサポートする設備の条件がそろった物件を選ぶことが重要です。
投資物件を選ぶ際には、地域の人口動向や居住者の需要を分析し、それに合った間取りと設備を考慮することが成功のカギとなるでしょう。

独立洗面台、2口ガスコンロ、ウォークインクローゼットが人気 

独立洗面台、2口ガスコンロ、ウォークインクローゼットといった設備が人気を集めています。
単身者の中でも、特に女性やファッションや美容に関心の高い人々は、収納スペースを重視する傾向があります。例えば、ウォークインクローゼットがあれば、季節ごとの衣類やアクセサリー、靴などを整理しやすく、スッキリとした部屋を保つことができます。また、キッチンは日常の料理の場として重要なスペースであり、2口ガスコンロがあれば同時に複数品の調理が可能です。

さらに、独立洗面台は朝の忙しい時間帯や夜のリラックスタイムで重宝します。広いスペースで身支度やスキンケアを行えるため、快適な生活が期待できます。

適切な家賃設定が出来ているか:周辺賃料と比較して、高すぎないか

賃貸物件を選ぶ際に欠かせない要素の一つが、家賃の設定です。特に単身世帯にとっては、家計に影響を及ぼす重要なポイントとなります。適切な家賃設定は、経済的な面だけでなく、快適な生活を実現するためにも重要です。そのためには、周辺の同じくらいの広さや設備を持つ物件の家賃相場と比較することが必要です。
周囲の賃料相場と比較することで、自身が検討している物件の家賃が妥当な水準であるかを判断できます。家賃が周辺物件と比べて著しく高い場合、その差額に見合ったメリットや価値があるかどうかを検討することが重要です。高額な家賃が支払い続ける価値があるのか、もしくは同等の条件でより手頃な物件があるのか、冷静に判断することが求められます。

一方で、周囲よりも極端に低い家賃設定も注意が必要です。あまりにも安すぎる場合、設備や立地、物件の状態などに何らかの欠陥があるのか、確認が必要です。
周辺の賃料相場を確認し、物件が提供する価値との兼ね合いを考えながら判断することで、経済的な負担を最小限にしつつ満足度の高い生活を実現できるでしょう。

住環境が整っているか

快適な生活を送るためには、住環境の整備が欠かせません。住む場所の周辺に必要な施設が充実しているかどうかは、賃貸物件選びにおいて重要なポイントです。
まず、日常生活に不可欠な病院、市役所、スーパー、薬局などの施設が近隣に存在するかを確認しましょう。緊急時に安心して利用できる医療施設や、手続きを行う市役所、スーパーや薬局などが近くにあることは、生活の利便性の向上につながります。
さらに、再開発エリアの存在も重要なポイントです。都市部では、再開発プロジェクトによって街の景観や施設が刷新されることがあります。これにより、賃貸需要が上昇することが期待されます。再開発エリアの物件を選ぶことで、将来的な住環境の向上や地域の活性化を享受できる可能性が高まります。

マンション経営における空室率を下げる方法

すでにマンション経営をしており、空室率を下げたいと考えている方は、どのような対策を講じればよいのでしょうか。空室率を下げる方法はさまざまで、何から手を付けるべきか悩んでいるオーナーも多いでしょう。
空室率を下げる代表的な方法を5つ紹介するので、取り組めそうなものから取り組んでみてください。

入居者を募集するための情報を更新する

入居者を見つけるためには、まず物件に興味を持ってもらう必要があります。内見につながるかどうかは物件の写真が大きく影響するため、写真の内容や量を見直しましょう。
晴れている日に撮影したり、部屋の角に背をつけて撮影したりするだけでも、明るく広々とした印象になるため、入居者に興味を持ってもらえる可能性が高まります。
また、水廻り設備は特に気にする人が多いポイントのため、必ず詳細を載せておきましょう。水廻り設備の写真がないと不安を与え、候補に入れる可能性が低下します。
物件が多い地域なら、記憶に残りやすいように印象的な壁紙を使ったり、小物を置いて撮影したりするのもおすすめです。

既存の入居者の満足度を上げる

空室率を下げるには、既存の入居者の満足度を上げて退去を防ぐことも重要です。入居者に「住み続けたい」と思われるよう物件管理を行いましょう。
例えばエントランスや駐輪場、ゴミ置き場、廊下など共用部の清掃が行き届いていると、入居者は心地よく過ごせます。設備が故障したときは、速やかに交換や修繕を行いましょう。
入居者同士のトラブルは、特に退居につながりやすいため注意が必要です。トラブルが起きたときに、迅速に対応できるかどうかが入居者との信頼関係に影響します。
オーナーが間に入って解決することが難しいケースも多いため、トラブル対応の実績を持つ専門の会社に入居者対応を一任しておくと安心です。
満室時は、つい気がゆるみがちになることも多いでしょう。しかし、満室時こそ物件管理を徹底し、入居者の満足度を上げ、退去を防ぐことが空室率を下げることにつながります。

 広告費をかけて物件の認知度を上げる

最近はインターネットで物件選びをする人がほとんどのため、広告費を支払って複数の不動産ポータルサイトに掲載されるようにすると、入居者を確保できる可能性が高まります。不動産ポータルサイトに支払う広告費を上げることで、入居者の目に留まりやすくなることもあります。
また、地域によっては賃貸情報誌や折り込みチラシなどの紙媒体が、入居者確保につながるケースも少なくありません。競合物件がどのように入居者を募集しているかを確認し、地域性や入居者の年齢層も考慮したうえで集客方法を検討するとよいでしょう。
さらに、物件の詳細情報を伝えるホームページを作る方法もあります。自分でホームページを作ることのメリットは、デザインの自由度が高く、物件の魅力を伝えやすいことです。 

敷金や礼金などの初期費用を見直す

敷金・礼金の有無や金額は、物件を比較する際に大きく影響します。特に、周辺の似たような物件と比較して敷金や礼金が極端に高いと比較の候補に残らず、内見にいたらない場合があります。
反対に、敷金・礼金を相場と同程度の水準にしたり相場より少し下げたりすると、内見につながりやすくなるでしょう。敷金や礼金を0円にすれば入居者の目に留まりやすくなります。
ただし、敷金・礼金の金額を下げることは、マンション経営の収支に影響を及ぼすことを理解して、慎重に検討しなければなりません。敷金・礼金を下げてもメンテナンス費用や広告費を支払えるかを考え、専門のノウハウを持つ会社にも相談したうえで判断しましょう。

仲介業者に相談する

入居者が物件を探す際の主な窓口は、仲介業者の営業担当者です。そのため、仲介業者の営業担当者と良好な関係性を築くことで物件を紹介してもらいやすくなり、入居者を確保できる可能性が高まります。
また、仲介業者の営業担当者は物件を選ぶ人と直接話をするため、最新の賃貸ニーズを熟知しています。仲介業者の営業担当者と親しくなることで、どんな物件が選ばれやすいかを聞き出すことができます。
さらに、賃貸ニーズのトレンドの変化や地域の賃貸ニーズの特徴など、さまざまな情報を得られる場合もあるでしょう。仲介業者の営業担当者と小まめにコミュニケーションを取って良好な関係を築き、貴重な情報を得てマンション経営に活かしましょう。

サブリースを利用する

どんなに対策したとしても、空室率が0になることは難しいでしょう。不動産投資をおこなう上で空室を気にしたくないという方には「サブリース」という選択肢があります。
「サブリース」とは、オーナーが所有する物件を不動産会社に貸し、不動産会社が入居者に転貸する仕組みです。サブリースには空室保証が付いていることが一般的で空室であっても不動産会社から賃料が入るので、空室リスクを気にする必要がなくなります。
ただし、保証される賃料は募集賃料の80~90%で残りは不動産会社の手数料になります。
空室を気にせず安定収入が得られる一方、サブリースに関するトラブルも起きているので注意が必要です。契約前に必ず内容を確認することが重要です。

まとめ

不動産投資において物件を選ぶ際には、空室率の動向や部屋の特徴だけではなく、入居者のニーズやライフスタイルにも注目することが重要です。都市部は1Rや1Kの需要が高まっている一方で、広めの部屋や充実した設備を求める声も根強いです。住環境も見逃せない要素であり、生活圏内に必要な施設が整っているかどうか、また再開発エリアの動向も考慮すべきでしょう。周辺の賃料と家賃を比較し、適切に設定することも大切です。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。