2023.10.17

不動産投資のコツ

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の金利上昇リスクについて解説!有効な対策を紹介

  • リスク

不動産投資は、高い収益性と安定した資産形成を実現できる一つの選択肢として、多くの投資家から長く愛されています。現物投資の中でもとりわけ人気がある不動産投資ですが、金融市場の動向に左右される金利上昇リスクが潜んでいます。

この記事では、不動産投資における金利上昇リスクとその影響について解説し、金利上昇リスクに有効な対策をご紹介していきます。今後、金利上昇の直面に遭遇しても賢い判断ができるよう、購入前から金利上昇リスクに関する理解と知識をつけておきましょう。

不動産投資の金利上昇リスクとは

不動産投資には「金利上昇のリスクがつきもの」であることは、一般的によく知られています。金利上昇リスクに備えるには、はじめに何が要因となって金利が上昇するのか、経済情勢の仕組みを理解し、過去の金利の推移も把握しておく必要があるでしょう。
また、経済情勢から今後の動向に対する予測を立てておくことも非常に大切です。

金利上昇リスクとは

不動産投資における金利上昇リスクとは、金利上昇に伴って支払う利息が増え、毎月のローン返済額が増加してしまう状況になることです固定費の増大によって投資効率の低下に繋がり、入ってくる家賃収入の「キャッシュ・イン」よりもローン返済や諸経費である「キャッシュ・アウト」が増えてしまい、最悪のケースでは破産にまで追い込まれます。キャッシュフローを重要視する不動産投資において、ローンを組む際は一般的に低利率である変動金利が使われることが多く、金利上昇リスクとは切っても切り離せない関係なのです。

金利上昇が起こる原因

金利変動の要因は、景気との密接な関連性にみられます。通常、景気が良くなることで所得が増え、人は投資や買い物という消費行動が活発になります。消費行動をさらに促進させるため、企業側は提供するモノ・サービスのグレードアップのために資金を投資し、需要はより高まるのです。モノ・サービスの需要が上昇することは、金利上昇につながります。
しかし、金利変動のメカニズムはここで終了ではありません。一定の水準まで金利上昇が続くと、人はお金を消費から貯蓄に回すよう保身行動をとり、購買意欲が低下していきます。
その結果、企業の売上減少で景気は交代し、金利は下降へと導かれていくのです。景気回復、金利上昇、景気後退、金利下降の4シーンは、経済情勢における一連のループと考えられています。
上記のメカニズムは金利上昇における概念であり、他の要因によって金利変動するケースもあるようです。

変動金利の推移

次は、過去の金利推移について、フラット35が公表しているグラフを参考に見ていきましょう。

※ 変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載。
※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません。

【参照元】フラット35「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」(2023年5月時点)のデータより弊社作成

上記の図は、マイホーム購入などで利用する「住宅ローン」における金利推移であり、一般的に投資物件で使われる「アパートローン」とは異なります。「アパートローン」は住宅ローンよりも利率が高く設定される傾向にあります
日銀により長らく継続されている金融緩和政策で、日本ではここ20年程度、歴史的な低金利水準を維持しています。世界的に見ると、主要各国で金融引き締めによる利上げがされている中、日本は未だ低金利を続けている状況です。
世界の流れと逆行している日本ですが、昨今のインフレも相まって、一部では金利上昇によって破綻してしまう人が増えることも懸念されており、今後の金利動向は注目すべきところでしょう。

金利上昇が与える影響は?

金利上昇は金融市場や経済への影響が大きく、正しい知識と理解が求められます。
不動産投資をする上では、「不動産価格」と「ローン返済」2つの局面における影響を考えていきましょう。

不動産価格への影響

一般的に金利が上昇すると不動産価格は低下し、金利が低下すると不動産価格は上昇すると言われています。不動産価格への影響については、前章で解説した「金利上昇が起こる原因」と強い関係性があります。
一連のループ(景気回復、金利上昇、景気後退、金利下降)に当てはめると、金利が上昇すると不動産売買も同様に人々の購買意欲は低下していきます。すると、世の中に溢れる不動産がなかなか売れない状況に陥り、購入してもらうために不動産価格を下げるのです。
不動産投資では「出口戦略」も非常に重要ですから、金利上昇で不動産価格が低下しているタイミングで不動産を売却すると、購入時の価格次第では損失が大きくなってしまう可能性があります。

ローン返済への影響

変動金利は半年に1度見直され、ローンの返済途中でも容赦なく上昇は行われます。
各金融機関で設定されている変動金利の利率は、長期プライムレート短期プライムレートと呼ばれる金利基準に基づき決められています。
これにより金利上昇が行われると、毎月の返済額が増加し、当初の返済計画から総返済額が百万円以上高くなることが考えられます。返済期間中に金利が上昇し続ければ、変動金利でも全期間固定金利と同等以上の支払いになる可能性も否めません。
不動産会社から金利上昇リスクの詳細を提示されないケースも多いので、「20年ローンで5年に一度、0.5%ずつ上昇した場合」などと数値を明確化した上で、何パターンもシミュレーションをすることが大切です。

不動産投資の金利上昇リスクの対策

投資家たちに脅威を示す金利上昇リスクは、金利上昇後は最低でも半年間は固定費が高止まりします。現実的には半年後すぐに金利下降する保証もなく、それ以降も上昇を続けていくかもしれません。
これらに対処するために、あらかじめリスクヘッジ法を念頭に入れておきましょう。

5年ルール、1.25倍ルール

金利上昇に直面した際、金融機関は2つのルールを設けており、急激なキャッシュフローの悪化を免れることが可能です。

5年ルール

まずは、「5年ルール」について解説していきましょう。
5年ルールとは利上げによる生活圧迫を考慮して、元本と利息における割合を調整し、5年間は毎月の返済額増やさず据え置きとするルールです。
5年ルールを利用すると、「金利上昇で増大した返済額」と「据え置きの返済額」に差額が生じますが、この差額は6年目以降のローン返済額に上乗せされます。

1.25倍ルール

次に解説するのは1.25倍ルール(125%ルール)と呼ばれるもので、利上げで返済額が増額しても前回の返済額の1.25倍を上限とするルールです。前述の5年ルールでは、6年目以降のローン返済額が急激に増額してしまう恐れがあります。
しかし、1.25倍ルールは、5年目までは毎月10万円返済していたローンが6年目以降は上がっても12.5万円までなので、精神的にも家計的にも気が楽になるでしょう。
急な利上げの対応策として安心できる上記2つの対策には、注意すべき点もあります。借入先によってはこれらのルールを設けていない金融機関もあり、制度の適用が無い場合があります。
また、いずれも利上げにより上昇した分の支払いを「先延ばし」している状態に過ぎず、「未払い金利」の割合が大きくなれば総返済額にも悪影響を及ぼすことを覚えておきましょう。

変動金利から固定金利に切り替え

変動金利から固定金利への切り替えは、金利上昇が続く際には特に有効な対策です
しかし、金利上昇はいつ起きるか分からないので、「金利が上がりそうなタイミング」を見計らって切り替える必要があります。
一般的には、金利は期間が長いもの(全期間固定型金利)からじわじわと上昇を始め、最後に変動金利に影響が出ますので、タイミングを誤ると切り替えをする意味がなくなってしまうでしょう。

繰り上げ返済

手元の運用資金に余裕がある場合、繰り上げ返済も視野に入れてみましょう。
繰り上げ返済は、毎月の返済額は同じまま返済期間を短くする「返済期間短縮型」と、返済期間は同じまま毎月の返済額を少なくする「返済額軽減型」の2パターンから選ぶことが可能です。
毎月の負担を減らせる返済額軽減型が魅力的に思えますが、長期的な視野で見ると返済期間短縮型の方が、総合的な利息の負担を軽減しやすい傾向にあります。
注意すべきデメリットとしては、金融機関によって繰り上げ返済の手数料が発生する点、繰り上げ返済実施後は取り消しができない点です。返済負担軽減に注力するあまり、他のリスクに対処するための手元資金が無くなってしまわないように気を付けましょう。

不動産投資ローンの借り換え

最後の対処法は、ローンの借入先を物件購入で融資を受けた金融機関から、他の金融機関に変更する「借り換え」です。
新規契約する金融機関から受ける融資で、契約していた金融機関の残りのローンを完済し、それ以降は新規契約した金融機関にローン返済をしていきます。
借り換えをする目的は「金利を下げる」ことで、新規契約する金融機関を探す手間や審査に時間を要すものの、成功するとキャッシュフローが好転する可能性があるのです。すでに不動産投資における実績があるので、物件購入の際に受けた融資審査よりも、承認までスムーズに運ぶ場合もあります。

デメリットは、一括返済手数料など、借り換える際に様々な費用が発生してしまう点です。
金融機関側は売上である利子が無くなってしまうのは困るので、既存顧客を他の金融機関に取られてしまうのは避けたいと考えます。契約中の金融機関へ借り換え希望の旨を伝えたら、金融機関側から「利下げ」を提案され、借り換えの費用を要さず利下げに成功した事例もあります。
契約している金融機関、新規契約する金融機関と上手くやりとりをして、キャッシュフローの改善を目指しましょう。

まとめ

この記事では、不動産投資の金利上昇リスクとその対処法についてお伝えしました。
金利上昇による返済負担の増加は、収益性の悪化に繋がり、精神的にも苦しめられます。
不動産投資を始める前に経済情勢に対する理解を深め、利上げのタイミングを予測できるようにしておくこと、また、試算を繰り返し行うことでリスクの軽減が可能です。
これから投資物件を購入する方は、融資を受ける金融機関の比較をして、最善の条件でアパートローンを組みましょう。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.17

不動産投資のコツ

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の金利上昇リスクについて解説!有効な対策を紹介

  • リスク

不動産投資は、高い収益性と安定した資産形成を実現できる一つの選択肢として、多くの投資家から長く愛されています。現物投資の中でもとりわけ人気がある不動産投資ですが、金融市場の動向に左右される金利上昇リスクが潜んでいます。

この記事では、不動産投資における金利上昇リスクとその影響について解説し、金利上昇リスクに有効な対策をご紹介していきます。今後、金利上昇の直面に遭遇しても賢い判断ができるよう、購入前から金利上昇リスクに関する理解と知識をつけておきましょう。

不動産投資の金利上昇リスクとは

不動産投資には「金利上昇のリスクがつきもの」であることは、一般的によく知られています。金利上昇リスクに備えるには、はじめに何が要因となって金利が上昇するのか、経済情勢の仕組みを理解し、過去の金利の推移も把握しておく必要があるでしょう。
また、経済情勢から今後の動向に対する予測を立てておくことも非常に大切です。

金利上昇リスクとは

不動産投資における金利上昇リスクとは、金利上昇に伴って支払う利息が増え、毎月のローン返済額が増加してしまう状況になることです固定費の増大によって投資効率の低下に繋がり、入ってくる家賃収入の「キャッシュ・イン」よりもローン返済や諸経費である「キャッシュ・アウト」が増えてしまい、最悪のケースでは破産にまで追い込まれます。キャッシュフローを重要視する不動産投資において、ローンを組む際は一般的に低利率である変動金利が使われることが多く、金利上昇リスクとは切っても切り離せない関係なのです。

金利上昇が起こる原因

金利変動の要因は、景気との密接な関連性にみられます。通常、景気が良くなることで所得が増え、人は投資や買い物という消費行動が活発になります。消費行動をさらに促進させるため、企業側は提供するモノ・サービスのグレードアップのために資金を投資し、需要はより高まるのです。モノ・サービスの需要が上昇することは、金利上昇につながります。
しかし、金利変動のメカニズムはここで終了ではありません。一定の水準まで金利上昇が続くと、人はお金を消費から貯蓄に回すよう保身行動をとり、購買意欲が低下していきます。
その結果、企業の売上減少で景気は交代し、金利は下降へと導かれていくのです。景気回復、金利上昇、景気後退、金利下降の4シーンは、経済情勢における一連のループと考えられています。
上記のメカニズムは金利上昇における概念であり、他の要因によって金利変動するケースもあるようです。

変動金利の推移

次は、過去の金利推移について、フラット35が公表しているグラフを参考に見ていきましょう。

※ 変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載。
※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません。

【参照元】フラット35「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」(2023年5月時点)のデータより弊社作成

上記の図は、マイホーム購入などで利用する「住宅ローン」における金利推移であり、一般的に投資物件で使われる「アパートローン」とは異なります。「アパートローン」は住宅ローンよりも利率が高く設定される傾向にあります
日銀により長らく継続されている金融緩和政策で、日本ではここ20年程度、歴史的な低金利水準を維持しています。世界的に見ると、主要各国で金融引き締めによる利上げがされている中、日本は未だ低金利を続けている状況です。
世界の流れと逆行している日本ですが、昨今のインフレも相まって、一部では金利上昇によって破綻してしまう人が増えることも懸念されており、今後の金利動向は注目すべきところでしょう。

金利上昇が与える影響は?

金利上昇は金融市場や経済への影響が大きく、正しい知識と理解が求められます。
不動産投資をする上では、「不動産価格」と「ローン返済」2つの局面における影響を考えていきましょう。

不動産価格への影響

一般的に金利が上昇すると不動産価格は低下し、金利が低下すると不動産価格は上昇すると言われています。不動産価格への影響については、前章で解説した「金利上昇が起こる原因」と強い関係性があります。
一連のループ(景気回復、金利上昇、景気後退、金利下降)に当てはめると、金利が上昇すると不動産売買も同様に人々の購買意欲は低下していきます。すると、世の中に溢れる不動産がなかなか売れない状況に陥り、購入してもらうために不動産価格を下げるのです。
不動産投資では「出口戦略」も非常に重要ですから、金利上昇で不動産価格が低下しているタイミングで不動産を売却すると、購入時の価格次第では損失が大きくなってしまう可能性があります。

ローン返済への影響

変動金利は半年に1度見直され、ローンの返済途中でも容赦なく上昇は行われます。
各金融機関で設定されている変動金利の利率は、長期プライムレート短期プライムレートと呼ばれる金利基準に基づき決められています。
これにより金利上昇が行われると、毎月の返済額が増加し、当初の返済計画から総返済額が百万円以上高くなることが考えられます。返済期間中に金利が上昇し続ければ、変動金利でも全期間固定金利と同等以上の支払いになる可能性も否めません。
不動産会社から金利上昇リスクの詳細を提示されないケースも多いので、「20年ローンで5年に一度、0.5%ずつ上昇した場合」などと数値を明確化した上で、何パターンもシミュレーションをすることが大切です。

不動産投資の金利上昇リスクの対策

投資家たちに脅威を示す金利上昇リスクは、金利上昇後は最低でも半年間は固定費が高止まりします。現実的には半年後すぐに金利下降する保証もなく、それ以降も上昇を続けていくかもしれません。
これらに対処するために、あらかじめリスクヘッジ法を念頭に入れておきましょう。

5年ルール、1.25倍ルール

金利上昇に直面した際、金融機関は2つのルールを設けており、急激なキャッシュフローの悪化を免れることが可能です。

5年ルール

まずは、「5年ルール」について解説していきましょう。
5年ルールとは利上げによる生活圧迫を考慮して、元本と利息における割合を調整し、5年間は毎月の返済額増やさず据え置きとするルールです。
5年ルールを利用すると、「金利上昇で増大した返済額」と「据え置きの返済額」に差額が生じますが、この差額は6年目以降のローン返済額に上乗せされます。

1.25倍ルール

次に解説するのは1.25倍ルール(125%ルール)と呼ばれるもので、利上げで返済額が増額しても前回の返済額の1.25倍を上限とするルールです。前述の5年ルールでは、6年目以降のローン返済額が急激に増額してしまう恐れがあります。
しかし、1.25倍ルールは、5年目までは毎月10万円返済していたローンが6年目以降は上がっても12.5万円までなので、精神的にも家計的にも気が楽になるでしょう。
急な利上げの対応策として安心できる上記2つの対策には、注意すべき点もあります。借入先によってはこれらのルールを設けていない金融機関もあり、制度の適用が無い場合があります。
また、いずれも利上げにより上昇した分の支払いを「先延ばし」している状態に過ぎず、「未払い金利」の割合が大きくなれば総返済額にも悪影響を及ぼすことを覚えておきましょう。

変動金利から固定金利に切り替え

変動金利から固定金利への切り替えは、金利上昇が続く際には特に有効な対策です
しかし、金利上昇はいつ起きるか分からないので、「金利が上がりそうなタイミング」を見計らって切り替える必要があります。
一般的には、金利は期間が長いもの(全期間固定型金利)からじわじわと上昇を始め、最後に変動金利に影響が出ますので、タイミングを誤ると切り替えをする意味がなくなってしまうでしょう。

繰り上げ返済

手元の運用資金に余裕がある場合、繰り上げ返済も視野に入れてみましょう。
繰り上げ返済は、毎月の返済額は同じまま返済期間を短くする「返済期間短縮型」と、返済期間は同じまま毎月の返済額を少なくする「返済額軽減型」の2パターンから選ぶことが可能です。
毎月の負担を減らせる返済額軽減型が魅力的に思えますが、長期的な視野で見ると返済期間短縮型の方が、総合的な利息の負担を軽減しやすい傾向にあります。
注意すべきデメリットとしては、金融機関によって繰り上げ返済の手数料が発生する点、繰り上げ返済実施後は取り消しができない点です。返済負担軽減に注力するあまり、他のリスクに対処するための手元資金が無くなってしまわないように気を付けましょう。

不動産投資ローンの借り換え

最後の対処法は、ローンの借入先を物件購入で融資を受けた金融機関から、他の金融機関に変更する「借り換え」です。
新規契約する金融機関から受ける融資で、契約していた金融機関の残りのローンを完済し、それ以降は新規契約した金融機関にローン返済をしていきます。
借り換えをする目的は「金利を下げる」ことで、新規契約する金融機関を探す手間や審査に時間を要すものの、成功するとキャッシュフローが好転する可能性があるのです。すでに不動産投資における実績があるので、物件購入の際に受けた融資審査よりも、承認までスムーズに運ぶ場合もあります。

デメリットは、一括返済手数料など、借り換える際に様々な費用が発生してしまう点です。
金融機関側は売上である利子が無くなってしまうのは困るので、既存顧客を他の金融機関に取られてしまうのは避けたいと考えます。契約中の金融機関へ借り換え希望の旨を伝えたら、金融機関側から「利下げ」を提案され、借り換えの費用を要さず利下げに成功した事例もあります。
契約している金融機関、新規契約する金融機関と上手くやりとりをして、キャッシュフローの改善を目指しましょう。

まとめ

この記事では、不動産投資の金利上昇リスクとその対処法についてお伝えしました。
金利上昇による返済負担の増加は、収益性の悪化に繋がり、精神的にも苦しめられます。
不動産投資を始める前に経済情勢に対する理解を深め、利上げのタイミングを予測できるようにしておくこと、また、試算を繰り返し行うことでリスクの軽減が可能です。
これから投資物件を購入する方は、融資を受ける金融機関の比較をして、最善の条件でアパートローンを組みましょう。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。