2023.10.17

資産運用

ベルテックスコラム事務局

投資初心者が初めに取り組むべき資産運用法&ポイントを解説!

  • はじめ方・基礎知識
  • 投資の種類・方法
  • 資産形成
  • 初心者

「資産運用をやってみたいが、何から始めていいかわからない」、「資産運用を考えてはいるが、しっかりできるか不安」といった心配をされて、資産運用に一歩踏み出せない方は多いでしょう。なかなかお金のことは周りに相談しにくいので、そのまま何もできないままでいるのかもしれません。

今回は投資初心者向けの資産運用や成功のコツを紹介していきます。

資産運用する意味とメリット

資産運用には意義があると言われています。どんな意義があるでしょうか。そしてメリットもどんなものか考えていきましょう。

そもそも資産運用には社会的に意義がある

みなさんは「資産運用」という言葉にどんなイメージが湧くでしょうか?「お金を稼ぐ手段」「お金持ちがするもの」といったことが頭に浮かぶ人が多いかもしれません。

ですが、「資産運用」はそもそも社会的に意義があるものなのです。

例として「株式投資」をあげてみます。「株式」は、企業が発展するために資金調達する手段として存在します。企業は株式で調達した資金をもとに新たな工場建設を行ったり、人材採用を行ったりなどで将来の企業の成長のために使用します。このように全国の企業は株式で調達した資金を使い成長してきたのです。

このように、資産運用は経済活動を後押しするための資金投下であり、少額だとしても投資をすることは経済発展の一助となるものです。

投資ギャンブルではない

「投資」は、大きな儲けや、それと逆で損が出ることから「ギャンブル」というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。しかし、「投資」と「ギャンブル」は存在する目的が異なります。

「投資」は、前述通り企業や国などが今後の成長のために「投資家」から資金を調達するのが目的です。投資家は、配当金などで投資先から利益を享受するなど、利益が出ればWINWINの関係となります。

一方「ギャンブル」の目的は娯楽です。勝者と敗者がいることが前提となり、賭け金から主催者の運営費を差し引いた額を勝者へ振り分けるという仕組みとなっています。

預金と資産運用では30年間でこれだけ差が出る

では、「預金」と「資産運用」を行った場合、長期でみるとどれくらいの差が出るのでしょうか。シミュレーションを行って比較してみましょう。

【条件】
・それぞれ毎月1万5,000円ずつ積み立てていく
・期間は30年間


預金
金利0,01%の定期預金・・・540万8,086円

資産運用
利回り3%で積立運用・・・874万1,053円

30年後には、333万2,967円とかなりの差が出ることがわかります。もちろん、資産運用は必ずしも成功するとは限りません。そのため、堅実な資産運用をしたいなら、運用の中でもリスクが低いと思う商材を選ぶのが重要になります。

初心者がまず検討すべき資産運用とは

次に、ここでは初心者がまず検討すべき資産運用を紹介していきます。

投資信託

投資信託は、わたしたち投資家が資金を投資し、プロに運用を任せるようなスタイルの投資です。資産運用のプロがさまざまな株式や債券へ分散投資をして、利益を出し、その利益を投資家へ還元するといった内容の投資商品です。

投資信託には商品ごとにテーマが存在します。テーマは「米国の優良企業」であったり、「ハイテク株」であったり、「先進国企業」であったりします。テーマが「米国の優良企業」の商品だと、運用のプロが、米国企業を数社ピックアップして、投資家から集めた資金をそれらの企業の株式に分散投資します。分散投資した結果、儲けが出たら単価が上昇し、分配金として投資家へ還元していきます。逆に単価が下落することもあります。

こうしたテーマの中から商品を選び、投資をプロにしてもらうのが投資信託のしくみです。また、投資信託はその商品に「ファンドレーティング」という投信評価会社がつける評価がついています。初心者であれば、そうした評価を参考に商品を選ぶと良いでしょう。

このように、「プロに運用を任せられる」という点が、投資信託が初心者向けと言える理由の一つです。ほかにも、少額から投資が出来るというのがメリットです。投資信託は1万口単位で投資をしますが(商品にもよります)、単価は1万口で約1万円前後の商品も多いです。単価は日々上下するものの、1万円前後から始められるという点で始めやすい商品だと言われています。

そしてもう1点あげると、投資信託は一つの銘柄に集中して投資するのではなく、「分散投資」を行います。商品により異なりますが、一つの商品で10~20銘柄ほどの株式や債券へ分散投資します。

運用開始後、分散投資した中の数銘柄に損失が出ても、他の銘柄で利益が出たら、その投資信託の単価自体は値上がりしている可能性があります。分散投資は、一つの銘柄に集中した場合より利益は出にくいですが、損失も少なく済む可能性があるといった意味で、初心者向けであるとされているのです。

そして、老後資金を自助努力で賄う制度「iDeCo(イデコ)」は特に評価が高い投資信託の商品の中から選んで投資することになります。また、分配金や売却益が非課税となる「NISA(ニーサ)」も、投資信託で運用することで上記のようなメリットを享受できます。

債券

「債券」は、国や企業などが資金調達をおこなうために発行する、いわば「借用書」です。債券は償還日(満期)と利率と償還金額が決められており、大きく分けて二種類の債権があります。

まず一つ目が利息付きの債権です。購入した投資家には年に1回ないしは2回利息が支払われ償還になると償還金額が返ってくるタイプの債権があります。購入金額と満期まで持った際の金額にはあまり差はないものの、利息で利益を得るタイプの債権と言えます。 償還そして発行から満期までは途中売却は可能ですが、単価が変動するため、売却して利益を得ることもあれば、単価が下がっていれば損失が出る場合もあります。

二つ目は、利息が支払われないタイプの債権です。この場合、満期まで持った場合の償還金額が所持期間に応じて高くなる傾向にあります。米国国債のストリップス債が代表的です。

債券が初心者向けと言われるのは、発行する国や企業が潰れない限り、償還まで所有すると返ってくる点にあります。そして発行から償還まで経済状況で単価が変動するものの、され、その間の価格の変動も、よほど経済状況の変動がなく、発行体にデフォルト(債務不履行=返済不能)懸念がなければ大きくないので、途中売却しても大きな損失になる可能性が低いことがあげられます。

外貨預金

「外貨預金」はその名のとおり、日本円以外の通貨を通して預金をおこなうものです。日本以外の諸外国は2022年あたりから軒並み金利が上昇したため、預金金利が日本のものより何十倍もある商品が存在します。これは外国が異常なのではなく、日本の金利が非常に低いのです。

例えば、日本の大手銀行の普通定期預金金利は0.001%ですが、海外では0.5%など高い数字になっています。定期預金であれば更に高くなり、5%以上のものも存在します。

そのような高金利が魅力の外貨預金ですが、為替リスクが存在することは頭に入れておきましょう。外貨預金をおこなうには日本円をアメリカドルやユーロなどに換えなければ(外貨を購入しなければ)なりません。そして解約して手元に戻す場合、外貨から日本円に戻します(外貨を売却します)。

その外貨の購入と売却で為替差益や為替差損が出ることに注意が必要です。たとえば1ドル130円でアメリカドルを購入して140円で売却した場合、10円の為替差益が出ますが、売却が120円のタイミングだと10円の為替差損が出ることになります。また、利益に対して20.315%の課税がかかることも覚えておきましょう。

単位未満株(ミニ株)

「単位未満株(ミニ株)」は、文字通り株式購入最低単位より少ない単位の株式を購入することです。日本の株式は、ほとんどの銘柄が「100株単位」です。「単位未満株」は「1株」や「10株」の小さい単位で購入することです。

有名な株などは株価が高いのでなかなか手が出しにくいのが現状です。たとえば、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは1株約5,300円です(2023年8月15日現在)。単位株である100株購入するとなると約53万円が必要となります。しかし、単位未満株で10株購入だと約5万3,000円で済むのです。

配当金や株主優待を受けられるメリットがありますが、手数料が割高な点や株価は1日1度つく値段でしか取引できない点は注意が必要です。

REIT

「REIT(リート)」は東京証券取引所に上場している不動産の投資信託のことです。株式のように購入単位が決まっており、一口あたりの単価が高めです。また、東京証券取引所に上場している株式も同様ですが、リアルタイムで値動きをします。 売買の方法となります。そして投資信託なので、投資家から集めた資金を運用のプロが分散投資するのですが、その分散投資の対象が株式や債券ではなく「不動産」なのが特徴です。

分散投資の対象となる不動産は各商品によって異なりますが、主にテナントや商業施設、賃貸マンションであり、そこからの家賃収入などが投資家への配当金となります。株式ほど派手な値動きは少なく、安定的に配当金が得られることから、初心者向け商品という意味合いがあります。

不動産投資

不動産投資には一棟まるまる投資するスタイルと、マンションの1室ごとに投資するスタイルがありますが、初心者には1室ごとに投資する「区分マンション投資」が向いているでしょう。
不動産投資は一般的には購入時に銀行とローンを組み、そのローン返済に購入した物件に住む入居者の家賃を宛てることになります。その特性上、月々の自分の支払いは比較的少なく済み、ローン完済後は数千万の物件と継続的な家賃収入がそのまま得られるのがメリットです。また、売却益を狙うことも可能です。他のメリットとして、株式や投資信託と違い、そのものに価値がある実物資産のため、世界経済の影響を受けにくく、インフレに強いのも特徴です。

お金持ちがするもの、という認識が強い投資ですが、実際は年収500万円以上のサラリーマンから取り組める投資です。ローンも区分マンション投資だと千万円台、地域によれば数百万円から始められます。

利回りは地域性や立地条件によりますが、初心者には入居者がつきやすい首都圏エリアを選ぶのがおすすめです。ただし、ローンの返済や空室リスク、修繕リスクなどに注意が必要です。

不動産型クラウドファンディング

不動産投資は多額の資金が必要といったイメージを覆したのが「不動産型クラウドファンディング」です。1口1万円前後から購入が可能で、投資家から集めた資金で不動産を購入し、家賃収入で還元が行われます。少額で始められるメリットがある反面、多くが途中解約や売却が行えないので注意が必要です。

物件そのものを得られるではないため、売却益などは狙えません。

ロボアドバイザー

「ロボアドバイザー」は、運用の助言をAIに行ってもらう資産運用の方法です。「アドバイス型」と「投資一任型」があり、「アドバイス型」は投資の助言をもらうだけなので手数料が無料なことが多いです。一方、「投資一任型」は、投資商品の選択や購入までも行ってくれることもあり、運用資産の1%ほどの手数料が必要となってきます。

資産運用を始めたいが何から行っていいかわからない場合や、それに加えて商品の比較や購入を行う時間が無い場合などに利用するのが有効です。

その中でも不動産投資がおすすめの理由

さまざまな資産運用の中でも不動産投資は魅力的であると言えます。その魅力を紐解いていきましょう。

  1. 自己資金が10万円程度で始められる
    不動産投資は、自己資金が少額でも始められます。実際の不動産物件を購入するには数千万円は必要ですが、金融機関からの借入によってその資金は賄えるため、自己資金をほとんど使わずに取り組める投資方法なのです。不動産投資は副業としても始めやすい投資です。最初の物件選びや各種手続きには手間は必要ですが、経営を始めたら入居者からの家賃収入を得られるので、特に手間がかからないのが副業として行いやすい理由です。
  2. 節税対策としても有効
    不動産投資は節税対策として行われることも多い投資方法です。所得税や住民税対策には有効で、特に年収800万円以上の高所得者は節税面でもメリットが大きいです。運用中に赤字が出れば自分の年収と損益通算して、所得税がかかる課税所得を下げることができ、より資産を残しやすくなっています。
  3. 初心者はワンルーム投資がおすすめ
    不動産投資には、一棟マンションや戸建てなどさまざまな建物への投資方法がありますが、初心者にはワンルーム投資がおすすめです。ワンルームは、不動産投資の中でも比較的少額で始められて、負担が少なく済みます。また、首都圏エリアであればニーズが高いため、入居者もつきやすいでしょう。

資産運用に失敗しないためには

大事なお金を運用するわけですから、失敗はなるべく避けたいところです。ここでは失敗しないための秘訣をご紹介します。

「長期」での資産形成を意識する

失敗するケースで多いのが、短期間で結果が出なかったばかりに、それを手仕舞いして他の投資に手を出し、それも結果が出ないということを続けてしまうことです。

実際、株を例にあげてみると、一番株式投資で儲かった人の特徴は、「亡くなった人」という話があります。もちろん、有望な株を選ぶ必要はありますが、購入してから一切の手をかけることなく放ったらかしにしておくのが一番儲かるということを教えてくれています。

そして、投資にはコストがかかります。投資コストを回収するには時間が必要です。長期での資産形成を意識すると1年あたりのコストは割安で済みますが、短期間で結果を得ようとすると、1年ごとのコストは割高となり、大きなリターンの見込みも薄いものとなりがちです。

自分に合う運用計画を作る

自分に合った運用計画を作ることも大事です。目標を大きく掲げることはいいことですが、身の丈以上の運用計画を立ててしまったら、普段の生活の金銭面や時間の面などに大きな歪みが生じて、ストレスが溜まり、計画を途中で挫折しかねません。

また、自分のスタンスを把握するのも大事です。例えば、多少損失が出ても利益を取りたいか、リスクを極力排し緩やかでも堅実に資産形成したいかは人に寄ります。また、値動きで気持ちがどれぐらい揺さぶられてしまうのかも人それぞれです。自分のリスク許容度を把握するために、まず少額から投資をしてみるのがおすすめです。

分散投資をする

分散投資をおこなうことで、長期での資産形成のリスクを少なく抑えられます。一つの投資方法に特化した結果、その方法が成功を収めれば良いですが、それが悪い結果を招けば、思ったような利益が出ずに収支がマイナスになる可能性もあります。そのためには、大きな儲けを得るよりも分散投資でリスクを軽減し、確実に利益を得る方法を取ることが失敗しない秘訣となります。

分散の考え方は、エリア・商材などです。異なる商材を組み合わせた、違うエリアの投資商品を資産形成時には意識するといいでしょう。

リスクを理解する

投資にはリスクがつきものです。大きなリターンを得ようと思えばリスクを取らなければなりません。リスクを考えると、保有している資産を全額投資にまわすことは危険です。生活資金の数か月分や、目先のライフイベント費用は確保した上で、投資には余剰資金をまわすようにしましょう。

まとめ

今回は投資初心者がやるべき資産運用法と、成功の秘訣を紹介してきました。投資初心者は比較的少額で行えて、リスクの低めな商品選びが有効となります。そして、長期的な視点で運用を行うことや、分散投資を行うなどのコツをつかむことが成功への道に近づきます。そして資産形成を行うのは早ければ早いほど、月々の負担は少なく済み、かつ、目標金額に達成しやすくなります。今回の記事が、皆さんの資産形成に一役買うことができれば嬉しいです。

ベルテックスでは初心者の方にも好評な不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.17

資産運用

ベルテックスコラム事務局

投資初心者が初めに取り組むべき資産運用法&ポイントを解説!

  • はじめ方・基礎知識
  • 投資の種類・方法
  • 資産形成
  • 初心者

「資産運用をやってみたいが、何から始めていいかわからない」、「資産運用を考えてはいるが、しっかりできるか不安」といった心配をされて、資産運用に一歩踏み出せない方は多いでしょう。なかなかお金のことは周りに相談しにくいので、そのまま何もできないままでいるのかもしれません。

今回は投資初心者向けの資産運用や成功のコツを紹介していきます。

資産運用する意味とメリット

資産運用には意義があると言われています。どんな意義があるでしょうか。そしてメリットもどんなものか考えていきましょう。

そもそも資産運用には社会的に意義がある

みなさんは「資産運用」という言葉にどんなイメージが湧くでしょうか?「お金を稼ぐ手段」「お金持ちがするもの」といったことが頭に浮かぶ人が多いかもしれません。

ですが、「資産運用」はそもそも社会的に意義があるものなのです。

例として「株式投資」をあげてみます。「株式」は、企業が発展するために資金調達する手段として存在します。企業は株式で調達した資金をもとに新たな工場建設を行ったり、人材採用を行ったりなどで将来の企業の成長のために使用します。このように全国の企業は株式で調達した資金を使い成長してきたのです。

このように、資産運用は経済活動を後押しするための資金投下であり、少額だとしても投資をすることは経済発展の一助となるものです。

投資ギャンブルではない

「投資」は、大きな儲けや、それと逆で損が出ることから「ギャンブル」というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。しかし、「投資」と「ギャンブル」は存在する目的が異なります。

「投資」は、前述通り企業や国などが今後の成長のために「投資家」から資金を調達するのが目的です。投資家は、配当金などで投資先から利益を享受するなど、利益が出ればWINWINの関係となります。

一方「ギャンブル」の目的は娯楽です。勝者と敗者がいることが前提となり、賭け金から主催者の運営費を差し引いた額を勝者へ振り分けるという仕組みとなっています。

預金と資産運用では30年間でこれだけ差が出る

では、「預金」と「資産運用」を行った場合、長期でみるとどれくらいの差が出るのでしょうか。シミュレーションを行って比較してみましょう。

【条件】
・それぞれ毎月1万5,000円ずつ積み立てていく
・期間は30年間


預金
金利0,01%の定期預金・・・540万8,086円

資産運用
利回り3%で積立運用・・・874万1,053円

30年後には、333万2,967円とかなりの差が出ることがわかります。もちろん、資産運用は必ずしも成功するとは限りません。そのため、堅実な資産運用をしたいなら、運用の中でもリスクが低いと思う商材を選ぶのが重要になります。

初心者がまず検討すべき資産運用とは

次に、ここでは初心者がまず検討すべき資産運用を紹介していきます。

投資信託

投資信託は、わたしたち投資家が資金を投資し、プロに運用を任せるようなスタイルの投資です。資産運用のプロがさまざまな株式や債券へ分散投資をして、利益を出し、その利益を投資家へ還元するといった内容の投資商品です。

投資信託には商品ごとにテーマが存在します。テーマは「米国の優良企業」であったり、「ハイテク株」であったり、「先進国企業」であったりします。テーマが「米国の優良企業」の商品だと、運用のプロが、米国企業を数社ピックアップして、投資家から集めた資金をそれらの企業の株式に分散投資します。分散投資した結果、儲けが出たら単価が上昇し、分配金として投資家へ還元していきます。逆に単価が下落することもあります。

こうしたテーマの中から商品を選び、投資をプロにしてもらうのが投資信託のしくみです。また、投資信託はその商品に「ファンドレーティング」という投信評価会社がつける評価がついています。初心者であれば、そうした評価を参考に商品を選ぶと良いでしょう。

このように、「プロに運用を任せられる」という点が、投資信託が初心者向けと言える理由の一つです。ほかにも、少額から投資が出来るというのがメリットです。投資信託は1万口単位で投資をしますが(商品にもよります)、単価は1万口で約1万円前後の商品も多いです。単価は日々上下するものの、1万円前後から始められるという点で始めやすい商品だと言われています。

そしてもう1点あげると、投資信託は一つの銘柄に集中して投資するのではなく、「分散投資」を行います。商品により異なりますが、一つの商品で10~20銘柄ほどの株式や債券へ分散投資します。

運用開始後、分散投資した中の数銘柄に損失が出ても、他の銘柄で利益が出たら、その投資信託の単価自体は値上がりしている可能性があります。分散投資は、一つの銘柄に集中した場合より利益は出にくいですが、損失も少なく済む可能性があるといった意味で、初心者向けであるとされているのです。

そして、老後資金を自助努力で賄う制度「iDeCo(イデコ)」は特に評価が高い投資信託の商品の中から選んで投資することになります。また、分配金や売却益が非課税となる「NISA(ニーサ)」も、投資信託で運用することで上記のようなメリットを享受できます。

債券

「債券」は、国や企業などが資金調達をおこなうために発行する、いわば「借用書」です。債券は償還日(満期)と利率と償還金額が決められており、大きく分けて二種類の債権があります。

まず一つ目が利息付きの債権です。購入した投資家には年に1回ないしは2回利息が支払われ償還になると償還金額が返ってくるタイプの債権があります。購入金額と満期まで持った際の金額にはあまり差はないものの、利息で利益を得るタイプの債権と言えます。 償還そして発行から満期までは途中売却は可能ですが、単価が変動するため、売却して利益を得ることもあれば、単価が下がっていれば損失が出る場合もあります。

二つ目は、利息が支払われないタイプの債権です。この場合、満期まで持った場合の償還金額が所持期間に応じて高くなる傾向にあります。米国国債のストリップス債が代表的です。

債券が初心者向けと言われるのは、発行する国や企業が潰れない限り、償還まで所有すると返ってくる点にあります。そして発行から償還まで経済状況で単価が変動するものの、され、その間の価格の変動も、よほど経済状況の変動がなく、発行体にデフォルト(債務不履行=返済不能)懸念がなければ大きくないので、途中売却しても大きな損失になる可能性が低いことがあげられます。

外貨預金

「外貨預金」はその名のとおり、日本円以外の通貨を通して預金をおこなうものです。日本以外の諸外国は2022年あたりから軒並み金利が上昇したため、預金金利が日本のものより何十倍もある商品が存在します。これは外国が異常なのではなく、日本の金利が非常に低いのです。

例えば、日本の大手銀行の普通定期預金金利は0.001%ですが、海外では0.5%など高い数字になっています。定期預金であれば更に高くなり、5%以上のものも存在します。

そのような高金利が魅力の外貨預金ですが、為替リスクが存在することは頭に入れておきましょう。外貨預金をおこなうには日本円をアメリカドルやユーロなどに換えなければ(外貨を購入しなければ)なりません。そして解約して手元に戻す場合、外貨から日本円に戻します(外貨を売却します)。

その外貨の購入と売却で為替差益や為替差損が出ることに注意が必要です。たとえば1ドル130円でアメリカドルを購入して140円で売却した場合、10円の為替差益が出ますが、売却が120円のタイミングだと10円の為替差損が出ることになります。また、利益に対して20.315%の課税がかかることも覚えておきましょう。

単位未満株(ミニ株)

「単位未満株(ミニ株)」は、文字通り株式購入最低単位より少ない単位の株式を購入することです。日本の株式は、ほとんどの銘柄が「100株単位」です。「単位未満株」は「1株」や「10株」の小さい単位で購入することです。

有名な株などは株価が高いのでなかなか手が出しにくいのが現状です。たとえば、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは1株約5,300円です(2023年8月15日現在)。単位株である100株購入するとなると約53万円が必要となります。しかし、単位未満株で10株購入だと約5万3,000円で済むのです。

配当金や株主優待を受けられるメリットがありますが、手数料が割高な点や株価は1日1度つく値段でしか取引できない点は注意が必要です。

REIT

「REIT(リート)」は東京証券取引所に上場している不動産の投資信託のことです。株式のように購入単位が決まっており、一口あたりの単価が高めです。また、東京証券取引所に上場している株式も同様ですが、リアルタイムで値動きをします。 売買の方法となります。そして投資信託なので、投資家から集めた資金を運用のプロが分散投資するのですが、その分散投資の対象が株式や債券ではなく「不動産」なのが特徴です。

分散投資の対象となる不動産は各商品によって異なりますが、主にテナントや商業施設、賃貸マンションであり、そこからの家賃収入などが投資家への配当金となります。株式ほど派手な値動きは少なく、安定的に配当金が得られることから、初心者向け商品という意味合いがあります。

不動産投資

不動産投資には一棟まるまる投資するスタイルと、マンションの1室ごとに投資するスタイルがありますが、初心者には1室ごとに投資する「区分マンション投資」が向いているでしょう。
不動産投資は一般的には購入時に銀行とローンを組み、そのローン返済に購入した物件に住む入居者の家賃を宛てることになります。その特性上、月々の自分の支払いは比較的少なく済み、ローン完済後は数千万の物件と継続的な家賃収入がそのまま得られるのがメリットです。また、売却益を狙うことも可能です。他のメリットとして、株式や投資信託と違い、そのものに価値がある実物資産のため、世界経済の影響を受けにくく、インフレに強いのも特徴です。

お金持ちがするもの、という認識が強い投資ですが、実際は年収500万円以上のサラリーマンから取り組める投資です。ローンも区分マンション投資だと千万円台、地域によれば数百万円から始められます。

利回りは地域性や立地条件によりますが、初心者には入居者がつきやすい首都圏エリアを選ぶのがおすすめです。ただし、ローンの返済や空室リスク、修繕リスクなどに注意が必要です。

不動産型クラウドファンディング

不動産投資は多額の資金が必要といったイメージを覆したのが「不動産型クラウドファンディング」です。1口1万円前後から購入が可能で、投資家から集めた資金で不動産を購入し、家賃収入で還元が行われます。少額で始められるメリットがある反面、多くが途中解約や売却が行えないので注意が必要です。

物件そのものを得られるではないため、売却益などは狙えません。

ロボアドバイザー

「ロボアドバイザー」は、運用の助言をAIに行ってもらう資産運用の方法です。「アドバイス型」と「投資一任型」があり、「アドバイス型」は投資の助言をもらうだけなので手数料が無料なことが多いです。一方、「投資一任型」は、投資商品の選択や購入までも行ってくれることもあり、運用資産の1%ほどの手数料が必要となってきます。

資産運用を始めたいが何から行っていいかわからない場合や、それに加えて商品の比較や購入を行う時間が無い場合などに利用するのが有効です。

その中でも不動産投資がおすすめの理由

さまざまな資産運用の中でも不動産投資は魅力的であると言えます。その魅力を紐解いていきましょう。

  1. 自己資金が10万円程度で始められる
    不動産投資は、自己資金が少額でも始められます。実際の不動産物件を購入するには数千万円は必要ですが、金融機関からの借入によってその資金は賄えるため、自己資金をほとんど使わずに取り組める投資方法なのです。不動産投資は副業としても始めやすい投資です。最初の物件選びや各種手続きには手間は必要ですが、経営を始めたら入居者からの家賃収入を得られるので、特に手間がかからないのが副業として行いやすい理由です。
  2. 節税対策としても有効
    不動産投資は節税対策として行われることも多い投資方法です。所得税や住民税対策には有効で、特に年収800万円以上の高所得者は節税面でもメリットが大きいです。運用中に赤字が出れば自分の年収と損益通算して、所得税がかかる課税所得を下げることができ、より資産を残しやすくなっています。
  3. 初心者はワンルーム投資がおすすめ
    不動産投資には、一棟マンションや戸建てなどさまざまな建物への投資方法がありますが、初心者にはワンルーム投資がおすすめです。ワンルームは、不動産投資の中でも比較的少額で始められて、負担が少なく済みます。また、首都圏エリアであればニーズが高いため、入居者もつきやすいでしょう。

資産運用に失敗しないためには

大事なお金を運用するわけですから、失敗はなるべく避けたいところです。ここでは失敗しないための秘訣をご紹介します。

「長期」での資産形成を意識する

失敗するケースで多いのが、短期間で結果が出なかったばかりに、それを手仕舞いして他の投資に手を出し、それも結果が出ないということを続けてしまうことです。

実際、株を例にあげてみると、一番株式投資で儲かった人の特徴は、「亡くなった人」という話があります。もちろん、有望な株を選ぶ必要はありますが、購入してから一切の手をかけることなく放ったらかしにしておくのが一番儲かるということを教えてくれています。

そして、投資にはコストがかかります。投資コストを回収するには時間が必要です。長期での資産形成を意識すると1年あたりのコストは割安で済みますが、短期間で結果を得ようとすると、1年ごとのコストは割高となり、大きなリターンの見込みも薄いものとなりがちです。

自分に合う運用計画を作る

自分に合った運用計画を作ることも大事です。目標を大きく掲げることはいいことですが、身の丈以上の運用計画を立ててしまったら、普段の生活の金銭面や時間の面などに大きな歪みが生じて、ストレスが溜まり、計画を途中で挫折しかねません。

また、自分のスタンスを把握するのも大事です。例えば、多少損失が出ても利益を取りたいか、リスクを極力排し緩やかでも堅実に資産形成したいかは人に寄ります。また、値動きで気持ちがどれぐらい揺さぶられてしまうのかも人それぞれです。自分のリスク許容度を把握するために、まず少額から投資をしてみるのがおすすめです。

分散投資をする

分散投資をおこなうことで、長期での資産形成のリスクを少なく抑えられます。一つの投資方法に特化した結果、その方法が成功を収めれば良いですが、それが悪い結果を招けば、思ったような利益が出ずに収支がマイナスになる可能性もあります。そのためには、大きな儲けを得るよりも分散投資でリスクを軽減し、確実に利益を得る方法を取ることが失敗しない秘訣となります。

分散の考え方は、エリア・商材などです。異なる商材を組み合わせた、違うエリアの投資商品を資産形成時には意識するといいでしょう。

リスクを理解する

投資にはリスクがつきものです。大きなリターンを得ようと思えばリスクを取らなければなりません。リスクを考えると、保有している資産を全額投資にまわすことは危険です。生活資金の数か月分や、目先のライフイベント費用は確保した上で、投資には余剰資金をまわすようにしましょう。

まとめ

今回は投資初心者がやるべき資産運用法と、成功の秘訣を紹介してきました。投資初心者は比較的少額で行えて、リスクの低めな商品選びが有効となります。そして、長期的な視点で運用を行うことや、分散投資を行うなどのコツをつかむことが成功への道に近づきます。そして資産形成を行うのは早ければ早いほど、月々の負担は少なく済み、かつ、目標金額に達成しやすくなります。今回の記事が、皆さんの資産形成に一役買うことができれば嬉しいです。

ベルテックスでは初心者の方にも好評な不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。