2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

初心者におすすめの資産運用方法とは?運用商品の特徴についても解説

  • 投資の種類・方法
  • 資産形成
  • 不動産投資
  • NISA
  • iDeCo

人生100年時代に突入し、資産運用が必要なことは分かっているものの「何から手をつけたらいいのか分からない」「運用商品の特徴や買い方が分からない」という人も少なくありません。また若い世代では、資産運用に興味を持つ人が増えている一方で、リタイアを目前とした世代では、今さら資産運用を行っても意味がないと考える人もいるようです。

この記事では、資産運用が必要な理由を解説しながら、運用商品の特徴やおすすめの投資商品について紹介します。これから資産運用を始めようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

資産運用が必要な理由

資産運用が必要な理由を考える前に資産運用と資産形成の違いについて解説します。

資産形成とは、今持っている資産の価値を増やすことをいい、資産運用は資産形成の手段の一つです。現代の低金利下では、資産を銀行へ預けていても増えることは期待できません。しかし、物の値段は毎年のように上昇しています。

つまり持っているお金の価値が物価の上昇についていけず、円の価値が下がってしまっているのが日本の現状です。日本銀行は、物価上昇率2%を目標に掲げていますが、これはいわば自分が持っている資産の価値を2%以上で増やさないと資産の価値が下がってしまうことを意味します。

例えば、これまで1,000円で買えた商品が1年後に2%値上がりし、1,020円になった場合はどうでしょうか。消費税を考慮しないとすると、これまで1,000円で買えていたものが1,020円ということは20円プラスしないと買えないことになり、円の価値がそれだけ下がったことになります。

物価上昇率を上回る年3%で資産運用ができていれば、1,000円は1年後に1,030円(税金は考慮せず)となるため、資産価値を増やせることになるでしょう。

このような資産価値の減少を防ぐ観点からも、預貯金以外の運用商品を選択することが必要なのです。これからの時代は、さまざまな金融商品を上手に組み合わせながら資産運用を行い、持っている資産の価値を増やすことが求められています。つまり資産形成を行っていかなければならない時代に突入していることが、「資産運用が必要」といわれる大きな理由です。

初心者におすすめの資産運用

運用商品には、さまざまな種類がありますが初心者におすすめの投資として挙げられるのが「投資信託」です。投資信託の特徴については後述しますが「少ない資金で分散投資ができる」という性質があるため、初心者に向いている運用商品といえます。投資信託で運用に慣れたあとは、株式投資などにステップアップしていくことも選択肢の一つです。

もちろん「どの運用商品に投資して資産を増やしていくか」は、投資する人の持つ目標やリスクに対する考え方によって大きく異なります。それらを踏まえた上で自分に適した運用商品を選択し、運用していくことが、将来的な資産形成につながるといえるでしょう。ここでは、各運用商品の特徴やメリットやデメリットについて解説します。

投資信託の特徴とメリット・デメリット

投資信託とは、不特定多数の投資家一人ひとりから集めたお金を大きな資金として運用の専門家のファンドマネージャーが国内外の債券や株式、不動産、先物などに投資および運用を行う商品です。投資信託商品は、ファンドと呼ばれなかにはファンドで得た利益が分配金として投資家に還元される商品もあります。

また投資信託の価格(基準価額)は毎営業日変動するのが特徴です。投資信託で運用を行うメリットは、少額から運用を始められることです。証券会社によっては100円から購入できるため、気軽に投資を始めることができます。また運用をプロに任せられる点も投資信託のメリットです。投資信託の場合、運用会社のファンドマネージャーが投資家の代わりに運用を行ってくれるため、運用に関する知識がなくてもプロに任せられるという安心感があります。

さらに分散投資ができる点もメリットの一つです。投資を行う上で「長期」「積立」「分散」という3つは、3大原則とも呼ばれています。投資信託では、3大原則の「分散」が自動的に行える点が大きなメリットです。逆にデメリットは、投資信託で運用するにあたり、コストがかかることでしょう。投資信託商品には、信託報酬という管理費用が設定されており、保有資産から毎営業日引かれます。

また運用商品全体にいえることですが、元本が保証されない点もデメリットです。

株式投資の特徴とメリット・デメリット

株式投資とは、株式会社が発行する株式を売買もしくは保有することで売買益(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)を得る運用商品です。株式を購入することで投資先企業の株主となり、単元株以上を保有する場合は株主総会での議決権を得られます。

株式投資のメリットは、売却による値上がり益が期待できることです。株価が安い時に購入し、株価が上がった時に売却すれば、値上がり益を得ることができます。また保有しているだけで配当金を得られたり株主優待を受けられたりする点もメリットの一つです。一方で株価の価格変動リスクを負うことはデメリットといえます。株価は、世界情勢や企業業績などさまざまな要因により毎営業日価格が変動するのが特徴です。

企業によっては、株価の変動幅(ボラティリティー)が高く、大きな損失を被るケースもあります。さらに株式を発行した企業が倒産した場合、投資した株式の価値がゼロになってしまう可能性があることもデメリットの一つです。

債券の特徴とメリット・デメリット

債券とは、国や企業等が発行体となり投資家から資金を調達する目的で発行する有価証券のことです。発行体によって「国債」「地方債」「社債」などに分けられており、外貨建ての債券もあります。外貨建ての債券は、利子が高い傾向にある一方で為替リスクを負う点に注意が必要です。債券には、利子と満期が設定されており、償還日まで保有すると額面金額と利子の合計額が投資家に払い戻されます。

債券のメリットは、債券の発行体が債務不履行に陥らない限り、償還日まで保持しておけば額面通りの金額を受け取れる点です。さらに外貨建ての債券を保有すればリスク分散が図れる点もメリットといえるでしょう。債券も株式と同様に価格が変動するため、売却益を狙うこともできますが、市場金利の影響を強く受ける点に注意が必要です。

また外貨建ての債券は、為替リスクを負うことも忘れてはいけません。また、内容が分かりにくい仕組債などは高リターンな半面、予想以上の損失を被る可能性があるため注意が必要です。仕組債に限らず、仕組みがよく理解できていない金融商品は、利回りの高さだけで安易に購入しないようにしましょう。

REITの特徴とメリット・デメリット

REIT(リート)は、Real Estate Investment Trustの略で和訳すると「不動産投資信託」となり、投資信託の運用対象が不動産に限られる点が特徴です。オフィスや商業センター、物流倉庫などさまざまな不動産に投資を行い、運用で得た賃料収入や売却益で投資家に分配金を還元します。特に日本の不動産を投資対象とする「J-REIT」は、収益の90%超を投資家へ還元する等の条件を満たせば法人税が免除される制度が設けられており、高利回りの分配金が投資家に支払われています。REITのメリットは、不動産投資に興味はあるものの現物投資(実際に不動産を所有し、賃貸経営を行うこと)には抵抗がある人でも投資しやすい点です。一般的に不動産はインフレに強く配当金の利回りが高いといわれる点もREITを保有するメリットといえるでしょう。

一方でREITのデメリットは、不動産市場の影響を強く受けることです。賃貸需要が大きく下がった地域では、賃料の下落が基準価額の下落につながります。他にも投資している不動産がある地域で地震などの災害が発生した場合、物件の被害の程度によっては、基準価額が下がってしまう可能性もあるでしょう。

外貨預金の特徴とメリット・デメリット

外貨預金とは、外貨建てで預金を行うことです。日本円で預金するよりも高い金利で預けられる可能性があり人気があります。為替リスクはあるものの相場の動きによっては利息に加えて為替差益を得ることも可能です。設定されている金利は、通貨によって大きく異なり、普通預金か定期預金かでも金利が異なるケースがあるため、選ぶ際にはよく確認しておきましょう。

上述したように外貨預金のメリットは、日本円で預けるよりも高金利が期待できることです。また為替変動によっては、換金時に為替差益を得られる可能性もあります。ただし、購入時よりも円高となっている場合は、為替差損が発生する可能性があります。

外貨預金には、手数料(為替手数料)が発生するなどのデメリットもあるため、注意が必要です。また為替手数料は「円→外貨」「外貨→円」と換金ごとにかかるため、為替レートが変わらなくても元本割れの可能性があります。為替手数料は、金融機関によって大きく異なるため、手数料の低い金融機関を選べば手数料負担を少なくできるでしょう。

資産運用に不動産投資がおすすめの理由

不動産投資は、数ある投資商品の中でもおすすめの投資商品です。 不動産投資をおすすめする理由について詳しく解説します。

会社員の属性は金融機関からの与信が高く少ない自己資金で開始できる可能性がある

金融機関からの融資は、誰でも受けられるわけではなく、金融機関独自の審査に通過しなければなりません。会社員が副業として不動産投資を行う場合、一般的に会社員の属性は与信(金融機関からの評価)が高い傾向となるため、希望融資額に近い額の融資を受けられる可能性があります。その結果、少ない自己資金で不動産投資を始められることも期待できるでしょう。

安定した物件を購入すればアウトソースする仕組みが整っていて手間がかからない

不動産投資を行う場合、オーナーが入居者の対応や建物管理などを行うことが必要です。しかし、中には、管理業務を管理会社へ委託している物件もあります。そのような物件を購入すれば、管理業務を自分で行う必要がなく本業に専念できるでしょう。

実物資産であり、インフレに強い

インフレ時に注目されるのが資産価値の下がりにくいインフレに強い資産です。インフレとは、インフレーションの略で物価の上昇を意味しますが、インフレにより資産の価値が下がることは上述しました。不動産は、実物資産でインフレ時に賃料を上げることもできるため、現金で保有するのに比べるとインフレに強い資産といえます。

生命保険の代替になる(返済金利に含まれる)

金融機関から融資を受けて収益物件を購入する場合、団信(団体信用生命保険)への加入ができます。団信とは、ローン返済途中に借り入れしている人に万が一のことがあった際に、それ以降の返済を保険金で完済する仕組みの保険のことです。残された家族が返済の負担を免れるだけでなく相続時にも借り入れがない状態の収益物件を得られます。

収益物件を相続した人は、引き続き家賃収入を得ることができます。また、売却することで、まとまった資金を得ることも可能です。一般的に団信の保険料は、金利に含まれています。近年では、金利を上乗せすることでさまざまな種類の保証をプラスした団体信用生命保険が用意されています。がん団信や三大疾病団信など、死亡や高度障害以外でも特定の病気になった際にその後の返済免除されるものもあります。

少ない自己資金で大きな資産形成ができる

不動産を購入する際は、高額な初期費用が必要になるのではないかと不安に考える人もいるかもしれません。しかし金融機関では、不動産投資を対象とした融資も行っているので安心です。逆に不動産購入費用を全額自己負担で賄うのではなく金融機関から融資を受けて不動産投資を行うことで少ない自己資金で大きな利益を得る「レバレッジ効果」が期待できます。

まずはNISA、iDecoから

資産運用を始めてみたいけど何から始めたらいいのか分からないという場合、まずは以下の運用方法から取り組んでみましょう。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託などの金融商品に投資して得られる利益が一定の範囲内で非課税になる制度です。積立や分散投資による安定的な資産形成を支援することを目的として、2014年に導入されました。

NISAの制度は、2024年から大きく拡充されることが予定されています。これまで限度が設けられていた非課税期間は無期限となり、非課税限度額も大幅に拡大します。非課税で保有できる資産の総額は、つみたて投資枠と成長投資枠合わせて1,800万円となります。

iDeCo

iDeCoとは、基本的に老後資金を形成する目的の私的年金の一つとして位置付けられており、正式名称は「個人型確定拠出年金」といいます。掛け金が全額所得控除の対象となるほか、運用期間中の運用益が非課税になり、さらに給付時にも受け取り方に応じた控除を受けられるというメリットがあります。最低5,000円から積み立てることが可能です。

選択できる運用商品は、iDeCoの口座開設している金融機関によって異なります。制度改正に伴い2022年10月から加入要件が緩和されて、企業型確定拠出年金加入者の併用が可能となりました。そのため加入者が増えており、今後も増加することが予想されています。原則として60歳まで引き出せない点がデメリットですが、逆に老後資産を確実に形成することを考えれば有意義といえるかもしれません。

インデックス投資×積立

インデックス投資とは、市場の値動きを表す指数に連動した運用を目指す投資手法です。投資信託商品で多く用いられています。対象となる指数(インデックス)は、日経平均やTOPIX、NYダウ、S&P500などさまざまです。指数によって投資対象の国や地域、また上位組み入れ株式銘柄も異なりますが、インデックス投資を行うことで分散投資ができる点は大きなメリットといえます。

インデックス投資のように価格が変動する商品を購入する際は、投資3大原則の一つ「積立」を取り入れることも大切です。価格が変動する商品を購入する際には、一括で購入するのではなく購入するタイミングを分ける方が高値づかみするリスクを低くすることができます。インデックスの投資商品を選び、積立購入していけば効率的に運用できるしょう。

NISAと不動産投資を活用した資産形成の記事も宜しければご覧ください。

まとめ

資産運用を始めるにあたり大切なことは、生活に必要な金額を除いた余剰資金で行うことです。短期間の成績に一喜一憂するのではなく長期目線で捉えることも大切です。資産運用を行うことでどのような未来を実現したいのかという具体的な目標をしっかりと立てた上で、投資の3大原則「長期」「積立」「分散」を心がけながら運用を行っていきましょう。

いきなり多額の資金を投資することに抵抗がある場合は、少額から運用を始めるとよいでしょう。投資に慣れてきたら興味のある投資商品に投資先を増やすなどして、少しずつ投資の幅を広げていきましょう。

ベルテックスでは不動産にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

初心者におすすめの資産運用方法とは?運用商品の特徴についても解説

  • 投資の種類・方法
  • 資産形成
  • 不動産投資
  • NISA
  • iDeCo

人生100年時代に突入し、資産運用が必要なことは分かっているものの「何から手をつけたらいいのか分からない」「運用商品の特徴や買い方が分からない」という人も少なくありません。また若い世代では、資産運用に興味を持つ人が増えている一方で、リタイアを目前とした世代では、今さら資産運用を行っても意味がないと考える人もいるようです。

この記事では、資産運用が必要な理由を解説しながら、運用商品の特徴やおすすめの投資商品について紹介します。これから資産運用を始めようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

資産運用が必要な理由

資産運用が必要な理由を考える前に資産運用と資産形成の違いについて解説します。

資産形成とは、今持っている資産の価値を増やすことをいい、資産運用は資産形成の手段の一つです。現代の低金利下では、資産を銀行へ預けていても増えることは期待できません。しかし、物の値段は毎年のように上昇しています。

つまり持っているお金の価値が物価の上昇についていけず、円の価値が下がってしまっているのが日本の現状です。日本銀行は、物価上昇率2%を目標に掲げていますが、これはいわば自分が持っている資産の価値を2%以上で増やさないと資産の価値が下がってしまうことを意味します。

例えば、これまで1,000円で買えた商品が1年後に2%値上がりし、1,020円になった場合はどうでしょうか。消費税を考慮しないとすると、これまで1,000円で買えていたものが1,020円ということは20円プラスしないと買えないことになり、円の価値がそれだけ下がったことになります。

物価上昇率を上回る年3%で資産運用ができていれば、1,000円は1年後に1,030円(税金は考慮せず)となるため、資産価値を増やせることになるでしょう。

このような資産価値の減少を防ぐ観点からも、預貯金以外の運用商品を選択することが必要なのです。これからの時代は、さまざまな金融商品を上手に組み合わせながら資産運用を行い、持っている資産の価値を増やすことが求められています。つまり資産形成を行っていかなければならない時代に突入していることが、「資産運用が必要」といわれる大きな理由です。

初心者におすすめの資産運用

運用商品には、さまざまな種類がありますが初心者におすすめの投資として挙げられるのが「投資信託」です。投資信託の特徴については後述しますが「少ない資金で分散投資ができる」という性質があるため、初心者に向いている運用商品といえます。投資信託で運用に慣れたあとは、株式投資などにステップアップしていくことも選択肢の一つです。

もちろん「どの運用商品に投資して資産を増やしていくか」は、投資する人の持つ目標やリスクに対する考え方によって大きく異なります。それらを踏まえた上で自分に適した運用商品を選択し、運用していくことが、将来的な資産形成につながるといえるでしょう。ここでは、各運用商品の特徴やメリットやデメリットについて解説します。

投資信託の特徴とメリット・デメリット

投資信託とは、不特定多数の投資家一人ひとりから集めたお金を大きな資金として運用の専門家のファンドマネージャーが国内外の債券や株式、不動産、先物などに投資および運用を行う商品です。投資信託商品は、ファンドと呼ばれなかにはファンドで得た利益が分配金として投資家に還元される商品もあります。

また投資信託の価格(基準価額)は毎営業日変動するのが特徴です。投資信託で運用を行うメリットは、少額から運用を始められることです。証券会社によっては100円から購入できるため、気軽に投資を始めることができます。また運用をプロに任せられる点も投資信託のメリットです。投資信託の場合、運用会社のファンドマネージャーが投資家の代わりに運用を行ってくれるため、運用に関する知識がなくてもプロに任せられるという安心感があります。

さらに分散投資ができる点もメリットの一つです。投資を行う上で「長期」「積立」「分散」という3つは、3大原則とも呼ばれています。投資信託では、3大原則の「分散」が自動的に行える点が大きなメリットです。逆にデメリットは、投資信託で運用するにあたり、コストがかかることでしょう。投資信託商品には、信託報酬という管理費用が設定されており、保有資産から毎営業日引かれます。

また運用商品全体にいえることですが、元本が保証されない点もデメリットです。

株式投資の特徴とメリット・デメリット

株式投資とは、株式会社が発行する株式を売買もしくは保有することで売買益(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)を得る運用商品です。株式を購入することで投資先企業の株主となり、単元株以上を保有する場合は株主総会での議決権を得られます。

株式投資のメリットは、売却による値上がり益が期待できることです。株価が安い時に購入し、株価が上がった時に売却すれば、値上がり益を得ることができます。また保有しているだけで配当金を得られたり株主優待を受けられたりする点もメリットの一つです。一方で株価の価格変動リスクを負うことはデメリットといえます。株価は、世界情勢や企業業績などさまざまな要因により毎営業日価格が変動するのが特徴です。

企業によっては、株価の変動幅(ボラティリティー)が高く、大きな損失を被るケースもあります。さらに株式を発行した企業が倒産した場合、投資した株式の価値がゼロになってしまう可能性があることもデメリットの一つです。

債券の特徴とメリット・デメリット

債券とは、国や企業等が発行体となり投資家から資金を調達する目的で発行する有価証券のことです。発行体によって「国債」「地方債」「社債」などに分けられており、外貨建ての債券もあります。外貨建ての債券は、利子が高い傾向にある一方で為替リスクを負う点に注意が必要です。債券には、利子と満期が設定されており、償還日まで保有すると額面金額と利子の合計額が投資家に払い戻されます。

債券のメリットは、債券の発行体が債務不履行に陥らない限り、償還日まで保持しておけば額面通りの金額を受け取れる点です。さらに外貨建ての債券を保有すればリスク分散が図れる点もメリットといえるでしょう。債券も株式と同様に価格が変動するため、売却益を狙うこともできますが、市場金利の影響を強く受ける点に注意が必要です。

また外貨建ての債券は、為替リスクを負うことも忘れてはいけません。また、内容が分かりにくい仕組債などは高リターンな半面、予想以上の損失を被る可能性があるため注意が必要です。仕組債に限らず、仕組みがよく理解できていない金融商品は、利回りの高さだけで安易に購入しないようにしましょう。

REITの特徴とメリット・デメリット

REIT(リート)は、Real Estate Investment Trustの略で和訳すると「不動産投資信託」となり、投資信託の運用対象が不動産に限られる点が特徴です。オフィスや商業センター、物流倉庫などさまざまな不動産に投資を行い、運用で得た賃料収入や売却益で投資家に分配金を還元します。特に日本の不動産を投資対象とする「J-REIT」は、収益の90%超を投資家へ還元する等の条件を満たせば法人税が免除される制度が設けられており、高利回りの分配金が投資家に支払われています。REITのメリットは、不動産投資に興味はあるものの現物投資(実際に不動産を所有し、賃貸経営を行うこと)には抵抗がある人でも投資しやすい点です。一般的に不動産はインフレに強く配当金の利回りが高いといわれる点もREITを保有するメリットといえるでしょう。

一方でREITのデメリットは、不動産市場の影響を強く受けることです。賃貸需要が大きく下がった地域では、賃料の下落が基準価額の下落につながります。他にも投資している不動産がある地域で地震などの災害が発生した場合、物件の被害の程度によっては、基準価額が下がってしまう可能性もあるでしょう。

外貨預金の特徴とメリット・デメリット

外貨預金とは、外貨建てで預金を行うことです。日本円で預金するよりも高い金利で預けられる可能性があり人気があります。為替リスクはあるものの相場の動きによっては利息に加えて為替差益を得ることも可能です。設定されている金利は、通貨によって大きく異なり、普通預金か定期預金かでも金利が異なるケースがあるため、選ぶ際にはよく確認しておきましょう。

上述したように外貨預金のメリットは、日本円で預けるよりも高金利が期待できることです。また為替変動によっては、換金時に為替差益を得られる可能性もあります。ただし、購入時よりも円高となっている場合は、為替差損が発生する可能性があります。

外貨預金には、手数料(為替手数料)が発生するなどのデメリットもあるため、注意が必要です。また為替手数料は「円→外貨」「外貨→円」と換金ごとにかかるため、為替レートが変わらなくても元本割れの可能性があります。為替手数料は、金融機関によって大きく異なるため、手数料の低い金融機関を選べば手数料負担を少なくできるでしょう。

資産運用に不動産投資がおすすめの理由

不動産投資は、数ある投資商品の中でもおすすめの投資商品です。 不動産投資をおすすめする理由について詳しく解説します。

会社員の属性は金融機関からの与信が高く少ない自己資金で開始できる可能性がある

金融機関からの融資は、誰でも受けられるわけではなく、金融機関独自の審査に通過しなければなりません。会社員が副業として不動産投資を行う場合、一般的に会社員の属性は与信(金融機関からの評価)が高い傾向となるため、希望融資額に近い額の融資を受けられる可能性があります。その結果、少ない自己資金で不動産投資を始められることも期待できるでしょう。

安定した物件を購入すればアウトソースする仕組みが整っていて手間がかからない

不動産投資を行う場合、オーナーが入居者の対応や建物管理などを行うことが必要です。しかし、中には、管理業務を管理会社へ委託している物件もあります。そのような物件を購入すれば、管理業務を自分で行う必要がなく本業に専念できるでしょう。

実物資産であり、インフレに強い

インフレ時に注目されるのが資産価値の下がりにくいインフレに強い資産です。インフレとは、インフレーションの略で物価の上昇を意味しますが、インフレにより資産の価値が下がることは上述しました。不動産は、実物資産でインフレ時に賃料を上げることもできるため、現金で保有するのに比べるとインフレに強い資産といえます。

生命保険の代替になる(返済金利に含まれる)

金融機関から融資を受けて収益物件を購入する場合、団信(団体信用生命保険)への加入ができます。団信とは、ローン返済途中に借り入れしている人に万が一のことがあった際に、それ以降の返済を保険金で完済する仕組みの保険のことです。残された家族が返済の負担を免れるだけでなく相続時にも借り入れがない状態の収益物件を得られます。

収益物件を相続した人は、引き続き家賃収入を得ることができます。また、売却することで、まとまった資金を得ることも可能です。一般的に団信の保険料は、金利に含まれています。近年では、金利を上乗せすることでさまざまな種類の保証をプラスした団体信用生命保険が用意されています。がん団信や三大疾病団信など、死亡や高度障害以外でも特定の病気になった際にその後の返済免除されるものもあります。

少ない自己資金で大きな資産形成ができる

不動産を購入する際は、高額な初期費用が必要になるのではないかと不安に考える人もいるかもしれません。しかし金融機関では、不動産投資を対象とした融資も行っているので安心です。逆に不動産購入費用を全額自己負担で賄うのではなく金融機関から融資を受けて不動産投資を行うことで少ない自己資金で大きな利益を得る「レバレッジ効果」が期待できます。

まずはNISA、iDecoから

資産運用を始めてみたいけど何から始めたらいいのか分からないという場合、まずは以下の運用方法から取り組んでみましょう。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託などの金融商品に投資して得られる利益が一定の範囲内で非課税になる制度です。積立や分散投資による安定的な資産形成を支援することを目的として、2014年に導入されました。

NISAの制度は、2024年から大きく拡充されることが予定されています。これまで限度が設けられていた非課税期間は無期限となり、非課税限度額も大幅に拡大します。非課税で保有できる資産の総額は、つみたて投資枠と成長投資枠合わせて1,800万円となります。

iDeCo

iDeCoとは、基本的に老後資金を形成する目的の私的年金の一つとして位置付けられており、正式名称は「個人型確定拠出年金」といいます。掛け金が全額所得控除の対象となるほか、運用期間中の運用益が非課税になり、さらに給付時にも受け取り方に応じた控除を受けられるというメリットがあります。最低5,000円から積み立てることが可能です。

選択できる運用商品は、iDeCoの口座開設している金融機関によって異なります。制度改正に伴い2022年10月から加入要件が緩和されて、企業型確定拠出年金加入者の併用が可能となりました。そのため加入者が増えており、今後も増加することが予想されています。原則として60歳まで引き出せない点がデメリットですが、逆に老後資産を確実に形成することを考えれば有意義といえるかもしれません。

インデックス投資×積立

インデックス投資とは、市場の値動きを表す指数に連動した運用を目指す投資手法です。投資信託商品で多く用いられています。対象となる指数(インデックス)は、日経平均やTOPIX、NYダウ、S&P500などさまざまです。指数によって投資対象の国や地域、また上位組み入れ株式銘柄も異なりますが、インデックス投資を行うことで分散投資ができる点は大きなメリットといえます。

インデックス投資のように価格が変動する商品を購入する際は、投資3大原則の一つ「積立」を取り入れることも大切です。価格が変動する商品を購入する際には、一括で購入するのではなく購入するタイミングを分ける方が高値づかみするリスクを低くすることができます。インデックスの投資商品を選び、積立購入していけば効率的に運用できるしょう。

NISAと不動産投資を活用した資産形成の記事も宜しければご覧ください。

まとめ

資産運用を始めるにあたり大切なことは、生活に必要な金額を除いた余剰資金で行うことです。短期間の成績に一喜一憂するのではなく長期目線で捉えることも大切です。資産運用を行うことでどのような未来を実現したいのかという具体的な目標をしっかりと立てた上で、投資の3大原則「長期」「積立」「分散」を心がけながら運用を行っていきましょう。

いきなり多額の資金を投資することに抵抗がある場合は、少額から運用を始めるとよいでしょう。投資に慣れてきたら興味のある投資商品に投資先を増やすなどして、少しずつ投資の幅を広げていきましょう。

ベルテックスでは不動産にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。