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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
名古屋の不動産投資は危険?東京都との比較で危険性を検証【東京VS名古屋】
- 不動産投資
日本全国がマーケットとなる不動産投資ではエリアの多様性が魅力となる反面、エリアを選定するのに頭を悩ませることでしょう。それぞれのエリア独自の特徴を正確に把握して、将来性を見込めるかどうかの判断が大切です。
今回は、47都道府県の中から愛知県をピックアップし、県庁所在地である「名古屋」で行う不動産投資について解説します。名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットや将来性、東京で行う不動産投資との比較も交えてご説明していきましょう。
名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットとは?
愛知県といえば世界的にも有名なトヨタ自動車の本社所在地があり、2027年に予定されているリニア中央新幹線の開通が話題となっています。
では、その名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットを見ていきましょう。
名古屋で不動産投資をするメリット
メリット1:都心や駅近でも物件価格が比較的安い
名古屋で不動産投資をする大きなメリットの1つに「物件価格の安さ」が挙げられます。
名古屋は本州の真ん中あたりに位置し、二大都市である東京と大阪の間という好立地な場所であるわりには、他の主要都市と比較して地価が安価であることが特徴です。
国土交通省が提供するオープンデータを出典元として地価の目安を公表している株式会社Land Price Japanによる坪単価は、東京都(1位)の358万7656円に次いで大阪府(2位)が123万8083円、愛知県(5位)は74万301円となっています。
47都道府県から見ると愛知県はトップ5に位置していますが、3位に神奈川県、4位に京都府が間に入っており、主要都市の中では下位で不動産投資の狙い目とも言えます。 また、名古屋市西区は都心の名古屋駅から比較的近くて周辺施設も充実しているわりに平均年収程度の人なら手が出る価格帯で、単身者やファミリーも多いエリアです。
メリット2:空室率が低い傾向にある
様々なメディア調査によって、愛知県の「空室率の低さ」は全国トップ10にランクインしており、全国でも低い数値であることも明らかになっています。
空室の多い都道府県では空室率が30%を超えていますが、愛知県は10%台にとどまっており、不動産投資の最大のリスクとも言える「空室リスク」は低い傾向にあるといえるでしょう。
メリット3:高利回りを期待できる
名古屋市は他の主要都市と比べて空室率だけでなく、利回りについても期待ができそうです。 一般財団法人日本不動産研究所が公表するデータにおいても、ワンルームタイプ・ファミリータイプともに首都圏の東京や横浜、関西圏の大阪の利回りを上回っています。
トヨタ自動車を筆頭に愛知県内では、アイシン精機やデンソーなどの自動車製造業が盛んです。また、他にも中部電力やブラザー工業、JR東海、名古屋鉄道といった大手企業が存在しており、経済が安定している背景から高所得者が多く、質の良い入居者を見込みやすい環境と言えるでしょう。
名古屋で不動産投資をするデメリット
デメリット1:都心と郊外近くの需要差が大きい
デメリットで言うと、まず名古屋市内において都心と郊外近くのエリアで需要差が大きいことが上げられます。例えば、南区は桜通線と名城線の交差する新瑞橋駅周辺こそ賑わいを見せているものの、南へ行くとガラッと雰囲気が変わります。 また、名古屋駅の西側も注意が必要で、中川区の一部や港区は昔から外国人が多く物騒な印象があり、地元民からの人気はあまり高くありません。
デメリット2:エリアによって軟弱地盤リスクがある
全国どこでもその土地の歴史や成り立ちを理解することは大切で、名古屋では地盤で注意すべきエリアがあります。
引用元:名古屋市「歴史災害から見る名古屋〔名古屋市域の土地の成り立ち〕」
上図の青色エリアは、特に水害には気をつけておきたいところです。 海に面している港区の一帯、また西区には一級河川の庄内川が流れていることから、名古屋市の一部には地盤が軟弱なエリアがあります。不動産投資を行う際には、ハザードマップの確認と合わせて過去の災害被害についても把握が必要です。
デメリット3:地域経済との繋がりが強い
名古屋市はしばしば「魅力の無い街」や「人気がない観光地」の象徴に挙げられます。実際にこう称されるように名古屋に魅力を感じ、好んで移り住む「転入者」はさほど多くありません。 特に製造業の盛んな愛知県は地域経済との繋がりが強く、賃貸需要にも大きな影響を与える可能性があります。新型コロナウイルスのような不測の事態に見舞われ製造業がストップもしくは衰退してしまうと、大分県で起こった資産価値下落リスクが懸念されるでしょう。
名古屋における不動産投資の将来性
名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットを理解したうえで、次は名古屋の将来性を考えていきましょう。名古屋の将来性は、二大繁華街である「名駅エリア」と「栄エリア」がどのように発展していくかが重要ポイントとなるでしょう。
リニア中央新幹線の開業
名古屋の将来性を高める最も有力なプロジェクトは、2027年に予定しているリニア中央新幹線の開業です。現在JR東海新幹線で約1時間半かかる「東京-名古屋間」が、リニア中央新幹線は約40分で移動が可能といいます。愛知県によれば開業により、2時間以内の交流圏が現況の8都道府県から15都道府県に増え、開業に伴う後述する再開発も後押しして、名古屋への人口流入が期待できそうです。
名古屋経済の未来を明るくすることが期待されているプロジェクトですが、「東京-名古屋間」に位置する静岡県が着工に反対しており、2027年の開業は事実上の延期とされています。 資源問題など反対する要因は根深く合意の目処が立っていないことから、名古屋の明るい未来はもう少し先送りとなるでしょう。
名古屋駅周辺の再開発
名古屋駅周辺ではリニア中央新幹線開業の時期を目指して、大規模な再開発が進行中です。 再開発計画では駅を起点とする東西両側において、全く別物の新しい姿へ一掃する予定になっています。名鉄百貨店や近鉄パッセといった名古屋駅を取り巻く6棟のビルが取り壊され、数千億円の総事業費をかけて南北に巨大ビルが建設されるとのことです。
名古屋駅の活性化や利便性の上昇により、不動産価値の資産性は向上していくとみられます。
栄駅周辺の再開発
一足先を行く名古屋駅に続き、栄駅周辺でも再開発が行われています。 栄駅周辺は、2020年にセントラルパーク一帯がリニューアルオープンし、2022年には丸栄百貨店跡地に新たな商業施設もオープンしました。また、2026年には錦三丁目に地上41階、地下4階、塔屋1階からなる大型施設が建設予定で、新たな名古屋のランドマークとなることが期待されています。 また、名古屋と栄の間に位置する「丸の内エリア」「伏見エリア」2つのオフィスエリアにおいても再開発プロジェクトが進行しており、「柳橋駅」の新設も検討中です。
名古屋駅に続いて栄駅周辺も再開発が活発に行われており、将来性が見込めるでしょう。
東京23区と比較
不動産投資において多くの人が気になるのは、東京都との違いではないでしょうか。 人口推移や将来性など、実際に東京23区と名古屋市どちらが不動産投資に適しているのか比較してみましょう。
人口推移
国勢調査に基づいた人口動向の調査結果では、2023年9月時点での東京都の人口数は14,095,231人、愛知県の人口数は7,481,561人となっています。また、総務省が公表するデータを基にすると、人口の上昇率の高さは東京に軍配が上がります。
人口の確保が賃貸需要へ直結する不動産投資において人の流れが絶えず、特に転入者数の多い点が東京都の魅力と言えるでしょう。 日本全体が少子高齢化による人口減少となっても、東京都の一極化が問題となっているように23区は今後も一定数の人口を確保できそうです。
入居者属性
賃貸経営をするうえでオーナーを悩ませる問題の1つに、滞納やクレームなどの入居者トラブルがあります。トラブルを避ける1つの手が属性の良い入居者を迎え入れることです。
属性の良さは一般的に職業や年収と相対関係にありますが、東京都民と愛知県民の属性について比較してみましょう。
まず、上場企業のプロフィールや業績、株価などを一覧にまとめた情報誌「会社四季報オンライン」のデータで比較すると、2021年1月時点で上場企業の本社数は東京都が2,029社、愛知県が222社となっています。両者には歴然の差が見られますが、間に2位の大阪府434社が入り、愛知県は3位に位置づけています。
また、厚生労働省による令和3年賃金構造基本統計調査によると、全国の平均年収は東京都が584万円であるのに対して、愛知県は524万円です。やはり属性の良さは東京都民に軍配が上がりますが、全国的に見ると愛知県も上位に位置していることがわかりました。
家賃
キャッシュフローで重要となるのが、設定家賃です。
総務省統計局が5年に1回行う「平成30年住宅・土地統計調査」の結果では、1ヶ月あたりの家賃・間代は55,675円となっています。都道府県別で見ると都内全体で需要が高い東京都は81,001円、知多半島や東三河地区といった資産価値の下落に歯止めがきかないエリアを含む愛知県は52,492円という結果となりました。
名古屋市に絞ればもう少し上がる見込みですが、それでも全国平均程度の設定家賃にとどまりそうです。反対に東京23区における資産価値の上昇は著しく、上記よりもさらに高い設定家賃となるでしょう。
将来性
不動産投資において人口数の確保と同じぐらい大切なのが、資産価値です。
上述した愛知県の一例のように、人口減少による資産価値の下落を考慮するとリセールバリューは非常に重要になります。東京都のマンション価格は2013年からの10年で約1.8倍に上昇しており、高い資産価値が保てます。
また、資産価値に大切なのが再開発などのプロジェクトによる地域の活性化です。名古屋エリアは名古屋駅・栄駅の周辺がめまぐるしい発展を予定していますが、他の区では目立った動きがみられません。 反対に東京では、港区や新宿区を中心に至るところで大規模な再開発が行われており、高い将来性が期待できます。
名古屋で不動産投資を成功させるポイント
東京23区は、不動産投資において非常に良い環境が整っていることが分かりました。
しかし、両者を比較する中で地域性や愛知県民の属性など、不動産投資に有利な一面も見えてきたことでしょう。
最後は、名古屋で不動産投資を成功に導くポイントを3つご紹介します。
エリアごとの特徴や歴史を十分に調査する
名古屋駅を起点に東西でエリアの持つ特色が異なり、地域を熟知しなくてはなりません。
先に軟弱地盤について触れましたが、南西に位置する港区はもともと周辺一体が海だった干拓地です。実は港区以外にも、熱田区、中川区、南区の一部も干拓地に含まれており、大きな地震による災害リスクが懸念されます。 また、平成12年に発生した東海大豪雨では庄内川の氾濫や、北区から西区にかかる新川の堤防決壊により、広範囲に甚大な被害をもたらしました。このようなエリアごとの特徴や歴史を十分に調査したうえで、不動産投資を行いましょう。
地域経済の動きを把握する
上述してきた通り、名古屋は地域経済との密接な繋がりが特に濃い街です。
現在の日本は、人口減少によりあらゆる方面で人材不足が問題化しています。人材確保が難題となり、今後の製造業もAIやロボットを積極的に取り入れるなど、姿形を変えていく可能性も考えられるでしょう。人が集まることを最重要事項とする不動産投資において、名古屋エリアでは地域経済の動向には特にアンテナをはっておく必要があります。
名古屋駅・栄駅までの交通利便性を重視する
名古屋の二大繁華街である「名古屋駅エリア」と「栄駅エリア」は、どちらも地下鉄東山線上に位置しています。現に、東山線沿線は名古屋市内でも人気が高く、設定家賃も高水準です。不動産投資では「名古屋駅」と「栄駅」までの利便性を考慮し、東山線への乗継ぎ回数は最低1回、2つの駅まで30分以内で行ける場所にしておくのが無難でしょう。
地下鉄でも港区へ続く「名港線」や、「桜通線」の南区の先端エリアはあまりおすすめできません。
また、名古屋市の人口は東京の約半数近くですが、自動車の新規登録台数および保有台数が全国1位で、車の保有率が非常に高いことが特徴です。
建物敷地内に駐車場の確保がない場合、近隣の月極駐車場との繋がりも大切になります。建物から近い場所にあるかどうか、空き状況など事前調査が重要です。
まとめ
この記事では、名古屋で不動産投資をするメリット・デメリット、将来性や成功させるためのポイントについて解説しました。記事内では、名古屋と東京における不動産投資の比較も交え、不動産投資におけるそれぞれの地域性や特徴も浮き上がったことかと思います。
不動産投資の成功を決める要素としては東京に軍配が上がりますが、名古屋はリニア中央新幹線の開業に向けて再開発が盛んに行われており、将来性が見込めるエリアです。
不動産投資を専門に取り扱う弊社でも、毎日セミナーを行っております。豊富な知識やスキルの高い担当者がお客様に合った物件をご紹介させて頂きますので、不動産投資に関する心配ごとやお悩みは弊社まで是非お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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日本全国がマーケットとなる不動産投資ではエリアの多様性が魅力となる反面、エリアを選定するのに頭を悩ませることでしょう。それぞれのエリア独自の特徴を正確に把握して、将来性を見込めるかどうかの判断が大切です。
今回は、47都道府県の中から愛知県をピックアップし、県庁所在地である「名古屋」で行う不動産投資について解説します。名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットや将来性、東京で行う不動産投資との比較も交えてご説明していきましょう。
名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットとは?
愛知県といえば世界的にも有名なトヨタ自動車の本社所在地があり、2027年に予定されているリニア中央新幹線の開通が話題となっています。
では、その名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットを見ていきましょう。
名古屋で不動産投資をするメリット
メリット1:都心や駅近でも物件価格が比較的安い
名古屋で不動産投資をする大きなメリットの1つに「物件価格の安さ」が挙げられます。
名古屋は本州の真ん中あたりに位置し、二大都市である東京と大阪の間という好立地な場所であるわりには、他の主要都市と比較して地価が安価であることが特徴です。
国土交通省が提供するオープンデータを出典元として地価の目安を公表している株式会社Land Price Japanによる坪単価は、東京都(1位)の358万7656円に次いで大阪府(2位)が123万8083円、愛知県(5位)は74万301円となっています。
47都道府県から見ると愛知県はトップ5に位置していますが、3位に神奈川県、4位に京都府が間に入っており、主要都市の中では下位で不動産投資の狙い目とも言えます。 また、名古屋市西区は都心の名古屋駅から比較的近くて周辺施設も充実しているわりに平均年収程度の人なら手が出る価格帯で、単身者やファミリーも多いエリアです。
メリット2:空室率が低い傾向にある
様々なメディア調査によって、愛知県の「空室率の低さ」は全国トップ10にランクインしており、全国でも低い数値であることも明らかになっています。
空室の多い都道府県では空室率が30%を超えていますが、愛知県は10%台にとどまっており、不動産投資の最大のリスクとも言える「空室リスク」は低い傾向にあるといえるでしょう。
メリット3:高利回りを期待できる
名古屋市は他の主要都市と比べて空室率だけでなく、利回りについても期待ができそうです。 一般財団法人日本不動産研究所が公表するデータにおいても、ワンルームタイプ・ファミリータイプともに首都圏の東京や横浜、関西圏の大阪の利回りを上回っています。
トヨタ自動車を筆頭に愛知県内では、アイシン精機やデンソーなどの自動車製造業が盛んです。また、他にも中部電力やブラザー工業、JR東海、名古屋鉄道といった大手企業が存在しており、経済が安定している背景から高所得者が多く、質の良い入居者を見込みやすい環境と言えるでしょう。
名古屋で不動産投資をするデメリット
デメリット1:都心と郊外近くの需要差が大きい
デメリットで言うと、まず名古屋市内において都心と郊外近くのエリアで需要差が大きいことが上げられます。例えば、南区は桜通線と名城線の交差する新瑞橋駅周辺こそ賑わいを見せているものの、南へ行くとガラッと雰囲気が変わります。 また、名古屋駅の西側も注意が必要で、中川区の一部や港区は昔から外国人が多く物騒な印象があり、地元民からの人気はあまり高くありません。
デメリット2:エリアによって軟弱地盤リスクがある
全国どこでもその土地の歴史や成り立ちを理解することは大切で、名古屋では地盤で注意すべきエリアがあります。
引用元:名古屋市「歴史災害から見る名古屋〔名古屋市域の土地の成り立ち〕」
上図の青色エリアは、特に水害には気をつけておきたいところです。 海に面している港区の一帯、また西区には一級河川の庄内川が流れていることから、名古屋市の一部には地盤が軟弱なエリアがあります。不動産投資を行う際には、ハザードマップの確認と合わせて過去の災害被害についても把握が必要です。
デメリット3:地域経済との繋がりが強い
名古屋市はしばしば「魅力の無い街」や「人気がない観光地」の象徴に挙げられます。実際にこう称されるように名古屋に魅力を感じ、好んで移り住む「転入者」はさほど多くありません。 特に製造業の盛んな愛知県は地域経済との繋がりが強く、賃貸需要にも大きな影響を与える可能性があります。新型コロナウイルスのような不測の事態に見舞われ製造業がストップもしくは衰退してしまうと、大分県で起こった資産価値下落リスクが懸念されるでしょう。
名古屋における不動産投資の将来性
名古屋で不動産投資をするメリット・デメリットを理解したうえで、次は名古屋の将来性を考えていきましょう。名古屋の将来性は、二大繁華街である「名駅エリア」と「栄エリア」がどのように発展していくかが重要ポイントとなるでしょう。
リニア中央新幹線の開業
名古屋の将来性を高める最も有力なプロジェクトは、2027年に予定しているリニア中央新幹線の開業です。現在JR東海新幹線で約1時間半かかる「東京-名古屋間」が、リニア中央新幹線は約40分で移動が可能といいます。愛知県によれば開業により、2時間以内の交流圏が現況の8都道府県から15都道府県に増え、開業に伴う後述する再開発も後押しして、名古屋への人口流入が期待できそうです。
名古屋経済の未来を明るくすることが期待されているプロジェクトですが、「東京-名古屋間」に位置する静岡県が着工に反対しており、2027年の開業は事実上の延期とされています。 資源問題など反対する要因は根深く合意の目処が立っていないことから、名古屋の明るい未来はもう少し先送りとなるでしょう。
名古屋駅周辺の再開発
名古屋駅周辺ではリニア中央新幹線開業の時期を目指して、大規模な再開発が進行中です。 再開発計画では駅を起点とする東西両側において、全く別物の新しい姿へ一掃する予定になっています。名鉄百貨店や近鉄パッセといった名古屋駅を取り巻く6棟のビルが取り壊され、数千億円の総事業費をかけて南北に巨大ビルが建設されるとのことです。
名古屋駅の活性化や利便性の上昇により、不動産価値の資産性は向上していくとみられます。
栄駅周辺の再開発
一足先を行く名古屋駅に続き、栄駅周辺でも再開発が行われています。 栄駅周辺は、2020年にセントラルパーク一帯がリニューアルオープンし、2022年には丸栄百貨店跡地に新たな商業施設もオープンしました。また、2026年には錦三丁目に地上41階、地下4階、塔屋1階からなる大型施設が建設予定で、新たな名古屋のランドマークとなることが期待されています。 また、名古屋と栄の間に位置する「丸の内エリア」「伏見エリア」2つのオフィスエリアにおいても再開発プロジェクトが進行しており、「柳橋駅」の新設も検討中です。
名古屋駅に続いて栄駅周辺も再開発が活発に行われており、将来性が見込めるでしょう。
東京23区と比較
不動産投資において多くの人が気になるのは、東京都との違いではないでしょうか。 人口推移や将来性など、実際に東京23区と名古屋市どちらが不動産投資に適しているのか比較してみましょう。
人口推移
国勢調査に基づいた人口動向の調査結果では、2023年9月時点での東京都の人口数は14,095,231人、愛知県の人口数は7,481,561人となっています。また、総務省が公表するデータを基にすると、人口の上昇率の高さは東京に軍配が上がります。
人口の確保が賃貸需要へ直結する不動産投資において人の流れが絶えず、特に転入者数の多い点が東京都の魅力と言えるでしょう。 日本全体が少子高齢化による人口減少となっても、東京都の一極化が問題となっているように23区は今後も一定数の人口を確保できそうです。
入居者属性
賃貸経営をするうえでオーナーを悩ませる問題の1つに、滞納やクレームなどの入居者トラブルがあります。トラブルを避ける1つの手が属性の良い入居者を迎え入れることです。
属性の良さは一般的に職業や年収と相対関係にありますが、東京都民と愛知県民の属性について比較してみましょう。
まず、上場企業のプロフィールや業績、株価などを一覧にまとめた情報誌「会社四季報オンライン」のデータで比較すると、2021年1月時点で上場企業の本社数は東京都が2,029社、愛知県が222社となっています。両者には歴然の差が見られますが、間に2位の大阪府434社が入り、愛知県は3位に位置づけています。
また、厚生労働省による令和3年賃金構造基本統計調査によると、全国の平均年収は東京都が584万円であるのに対して、愛知県は524万円です。やはり属性の良さは東京都民に軍配が上がりますが、全国的に見ると愛知県も上位に位置していることがわかりました。
家賃
キャッシュフローで重要となるのが、設定家賃です。
総務省統計局が5年に1回行う「平成30年住宅・土地統計調査」の結果では、1ヶ月あたりの家賃・間代は55,675円となっています。都道府県別で見ると都内全体で需要が高い東京都は81,001円、知多半島や東三河地区といった資産価値の下落に歯止めがきかないエリアを含む愛知県は52,492円という結果となりました。
名古屋市に絞ればもう少し上がる見込みですが、それでも全国平均程度の設定家賃にとどまりそうです。反対に東京23区における資産価値の上昇は著しく、上記よりもさらに高い設定家賃となるでしょう。
将来性
不動産投資において人口数の確保と同じぐらい大切なのが、資産価値です。
上述した愛知県の一例のように、人口減少による資産価値の下落を考慮するとリセールバリューは非常に重要になります。東京都のマンション価格は2013年からの10年で約1.8倍に上昇しており、高い資産価値が保てます。
また、資産価値に大切なのが再開発などのプロジェクトによる地域の活性化です。名古屋エリアは名古屋駅・栄駅の周辺がめまぐるしい発展を予定していますが、他の区では目立った動きがみられません。 反対に東京では、港区や新宿区を中心に至るところで大規模な再開発が行われており、高い将来性が期待できます。
名古屋で不動産投資を成功させるポイント
東京23区は、不動産投資において非常に良い環境が整っていることが分かりました。
しかし、両者を比較する中で地域性や愛知県民の属性など、不動産投資に有利な一面も見えてきたことでしょう。
最後は、名古屋で不動産投資を成功に導くポイントを3つご紹介します。
エリアごとの特徴や歴史を十分に調査する
名古屋駅を起点に東西でエリアの持つ特色が異なり、地域を熟知しなくてはなりません。
先に軟弱地盤について触れましたが、南西に位置する港区はもともと周辺一体が海だった干拓地です。実は港区以外にも、熱田区、中川区、南区の一部も干拓地に含まれており、大きな地震による災害リスクが懸念されます。 また、平成12年に発生した東海大豪雨では庄内川の氾濫や、北区から西区にかかる新川の堤防決壊により、広範囲に甚大な被害をもたらしました。このようなエリアごとの特徴や歴史を十分に調査したうえで、不動産投資を行いましょう。
地域経済の動きを把握する
上述してきた通り、名古屋は地域経済との密接な繋がりが特に濃い街です。
現在の日本は、人口減少によりあらゆる方面で人材不足が問題化しています。人材確保が難題となり、今後の製造業もAIやロボットを積極的に取り入れるなど、姿形を変えていく可能性も考えられるでしょう。人が集まることを最重要事項とする不動産投資において、名古屋エリアでは地域経済の動向には特にアンテナをはっておく必要があります。
名古屋駅・栄駅までの交通利便性を重視する
名古屋の二大繁華街である「名古屋駅エリア」と「栄駅エリア」は、どちらも地下鉄東山線上に位置しています。現に、東山線沿線は名古屋市内でも人気が高く、設定家賃も高水準です。不動産投資では「名古屋駅」と「栄駅」までの利便性を考慮し、東山線への乗継ぎ回数は最低1回、2つの駅まで30分以内で行ける場所にしておくのが無難でしょう。
地下鉄でも港区へ続く「名港線」や、「桜通線」の南区の先端エリアはあまりおすすめできません。
また、名古屋市の人口は東京の約半数近くですが、自動車の新規登録台数および保有台数が全国1位で、車の保有率が非常に高いことが特徴です。
建物敷地内に駐車場の確保がない場合、近隣の月極駐車場との繋がりも大切になります。建物から近い場所にあるかどうか、空き状況など事前調査が重要です。
まとめ
この記事では、名古屋で不動産投資をするメリット・デメリット、将来性や成功させるためのポイントについて解説しました。記事内では、名古屋と東京における不動産投資の比較も交え、不動産投資におけるそれぞれの地域性や特徴も浮き上がったことかと思います。
不動産投資の成功を決める要素としては東京に軍配が上がりますが、名古屋はリニア中央新幹線の開業に向けて再開発が盛んに行われており、将来性が見込めるエリアです。
不動産投資を専門に取り扱う弊社でも、毎日セミナーを行っております。豊富な知識やスキルの高い担当者がお客様に合った物件をご紹介させて頂きますので、不動産投資に関する心配ごとやお悩みは弊社まで是非お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。