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2025.04.25
ベルテックスコラム事務局
アパート経営とマンション投資、結局どっちがいい?初心者のための徹底比較ガイド
- はじめ方・基礎知識
- 投資の種類・方法
不動産投資を検討する際、多くの人がアパート経営とマンション投資のどちらが自分に適しているか悩みます。両者には明確な違いがあり、それぞれに特有のメリットとデメリットが存在します。この記事では、アパート経営とマンション投資の特徴を詳しく比較し、投資スタイルや目標に合った選択ができるよう解説します。
アパート経営の基本と特徴
アパート経営は、一棟のアパートを所有し、その複数の部屋を貸し出す不動産投資の一形態です。安定した家賃収入を得やすく、老後の資産形成にも適した手法として注目を集めています。この章では、アパート経営の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
アパート経営とは何か
アパート経営は、不動産投資の中でも比較的古くから存在する手法で、安定した家賃収入を目的とする資産運用の一形態です。マンションの1室を購入して貸し出す「区分所有」とは異なり、アパート経営では一棟丸ごとを所有し、複数の部屋を貸し出すケースが一般的です。そのため、空室が出た場合でも全体の収益がゼロになるリスクは低く、一定の分散効果が得られる点が魅力です。
アパートは主に木造や軽量鉄骨で建てられることが多く、マンションと比べて初期投資額を抑えやすい傾向があります。地方都市や郊外に建てられることが多いため、土地の価格が比較的安く、利回りも高めになる傾向があります。しかしその一方で、人口減少エリアでは空室リスクも高くなるため、立地の見極めが非常に重要です。
また、経営といっても実際には不動産管理会社に委託するケースがほとんどで、オーナーは資金の調達や物件選定、修繕の判断などに注力します。特に新築物件では、初期は入居率も高く、安定した運営が可能ですが、築年数が経つにつれて修繕やリフォームの必要が出てくるため、長期的な資金計画が求められます。
アパート経営は、時間をかけて資産形成を行いたい人や、老後の年金代わりに安定収入を得たい人に向いている投資手法といえるでしょう。
アパート経営のメリット
アパート経営は、高い利回りや節税効果に加え、経営判断をオーナー自身で行える自由度の高さが魅力です。
この章では、その具体的なメリットについて詳しく解説します。
高い意思決定の自由度
アパート一棟を所有することの最大のメリットは、物件に関するあらゆる決定をオーナー自身が主体的に行える点にあります。
具体的には、賃料設定の自由度が高く、周辺市場の動向や競合物件の状況をふまえた柔軟な価格戦略をとることが可能です。また、共用部分の改修や修繕についても、自身の判断で予算やタイミングを決定できるため、入居者満足度の向上や資産価値の維持・向上を目的とした積極的な運営が行えます。
さらに、入居者の選定に関しても、自ら基準を設けて対応することができるため、トラブルのリスクを低減させ、良好なコミュニティ形成にもつながります。
これに対して、区分所有マンションの場合は、共用部の管理や改修には管理組合の合意が必要であり、迅速な対応が難しいケースも多々あります。その点、一棟アパート経営であれば、オーナーが経営の方針を柔軟かつスピーディーに反映させることができるという、大きなメリットがあるのです。
比較的高い利回り
区分マンション投資と比較して、一般的にアパート経営の利回りは高い傾向にあります。
不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」の調査によると、一棟アパートと区分マンションの利回りは、以下の通りです。
利回り | 価格 | |
---|---|---|
区分マンション | 6.67%(前期比+0.04ポイント) | 2,178万円(前期比-2.68%) |
一棟アパート | 8.33%(前期比+0.15ポイント) | 7,686万円(前期比-1.39%) |
一棟マンション | 7.84%(前期比-0.03ポイント) | 1億8,134万円(前期比+2.74%) |
特に地方都市や郊外エリアでは、都心の高額物件よりも投資効率の良い案件を見つけやすいことがあります。土地代が比較的安価で、建物の建築コストも抑えられることが、高利回りの一因となっています。
【引用】健美家「区分マンション、一棟アパートの利回り上昇」2025年2月3日掲載
優れた節税効果
木造アパートの減価償却は、建物の取得費用を法定耐用年数である22年間にわたり経費として計上する方法です。
例えば、取得費用が5,000万円の場合、年間の減価償却費は5,000万円 × 0.046(償却率)=230万円となります。
この減価償却費を経費計上することで、課税所得を減少させ、所得税や住民税の節税効果が期待できます。
さらに、不動産所得で生じた赤字は他の所得と損益通算が可能で、総所得を減らし納税額を軽減できます。ただし、耐用年数経過後は減価償却費の計上が終了し、課税所得が増加するため、長期的な資金計画を立てる際にはこの点を考慮する必要があります。
【おすすめ関連記事】木造アパートの耐用年数は?法定耐用年数を超えた際のリスクと5つの対処法を解説
アパート経営のデメリット
アパート経営は安定した家賃収入を期待できる一方で、初期投資の大きさや空室リスク、管理負担などのデメリットもあります。事前にリスクを理解し、慎重に検討することが重要です。
高額な初期投資
アパート経営は一棟単位での購入が基本となるため、区分マンション投資と比較して初期投資額が大きくなります。物件の規模や立地にもよりますが、多くの場合、数千万円から数億円の資金が必要となるため、投資家にとっては大きな資金的負担となる可能性があります。こうした高額な初期投資は、自己資金だけでまかなうのは難しく、金融機関からの融資を受けることが一般的です。
しかし、アパート一棟に対する融資はリスクも相応に大きいため、金融機関の審査は厳しくなる傾向があります。特に、初めて不動産投資を行う人にとっては、年収や勤務先、勤続年数、資産状況など、さまざまな観点から信用力が厳しく問われることになります。加えて、融資を受けるためには、物件の収益性や立地、空室リスク、将来的な資産価値などについても詳細な説明が求められます。つまり、アパート経営は魅力的なリターンがある一方で、相応の資金力と信用力、そして綿密な計画が必要な投資手法であるといえるでしょう。
空室リスクの存在
アパート経営で最も大きなリスクは空室の発生です。空室が続くと家賃収入が得られないだけでなく、管理の手間やコストも増加します。特に長期間の空室は維持費の負担が重くなり、経営を圧迫しかねません。そのため、アパートを建築する前に、そのエリアの需要をしっかり調査することが大切です。駅からの距離、周辺施設、人口の推移などを考慮し、入居者が見込めるかを判断しましょう。適切な立地を選ぶことが、安定した運営につながります。
管理運営の負担
アパート経営では、一棟すべてを所有することから、建物全体の維持管理や入居者対応、家賃の回収、空室対策といった運営業務全般を担う必要があります。これらは日常的に発生する業務であり、定期的な清掃や設備点検、老朽化による修繕対応など、物件の状態を良好に保つために多くの管理が求められます。また、入居者からのクレーム対応や家賃滞納時の督促、退去時の原状回復など、突発的な対応も避けて通れません。
こうした運営の手間を軽減するために、管理会社に業務を委託する選択肢もあります。管理委託には、入居者募集、契約手続き、賃料管理、清掃・修繕などを一括で任せられるメリットがありますが、その分、管理委託料が発生し、収益性は若干低下します。特に、管理費が家賃収入の5%程度かかるケースも多く、長期的な収益計画を立てるうえではこの費用も加味しておく必要があります。
さらに、どれほど管理会社に任せたとしても、トラブルが発生した場合や重要な判断が必要な場面では、最終的な責任はオーナー自身にあります。したがって、アパート経営には一定の時間的・精神的負担を覚悟し、経営者としての主体性と対応力が求められるのです。
マンション投資(区分所有)の基本と特徴
マンション投資は、区分所有形態のマンションの一室または複数室を購入し、賃貸することで収益を得る不動産投資の形式です。所有権は購入した専有部分(部屋)に限定され、共用部分は区分所有者全員の共有となります。マンション投資の主な収益源も家賃収入ですが、都心部や人気エリアの物件では、将来的な資産価値の上昇も期待できることがあります。一室から始められる点が大きな特徴で、比較的少額の資金から投資を開始できます。
マンション投資のメリット
マンション投資は、少額から始められる手軽さと管理のしやすさから、初心者にも人気の不動産投資手法です。ここでは、マンション投資のメリットについて解説します。
少額から投資できる
マンション投資は一室から始められるため、数百万円から数千万円程度と比較的少額で開始可能です。融資額が小さいため金融機関のローン審査も比較的通りやすく、不動産投資初心者にも取り組みやすい特徴があります。段階的に部屋数を増やしていくことで、リスクを分散しながら投資規模を拡大できる柔軟性も魅力です。
管理の手間が少ない
共用部分の管理や建物全体に関わるトラブルは管理組合や管理会社が対応するため、個人オーナーの負担は比較的軽減されます。水漏れやエレベーター故障などの共用部分に関する問題は管理会社が窓口となり、費用は修繕積立金から支出されるケースが多いです。自分の所有する部屋の内部に関する事項のみに責任を持てばよいため、管理の手間を最小限にしたい投資家に適しています。
安定した入居需要
特に都市部の好立地物件であれば賃貸需要が高く、空室リスクを低減できる傾向にあります。駅近や利便性の高いエリアの物件は常に一定の需要があるため、安定した家賃収入が期待できます。単身者向けの物件は、若手社会人や学生などからの需要が継続的にあり、入居率を維持しやすい傾向があります。
マンション投資のデメリット
マンション投資は立地の良さや安定した需要が魅力ですが、利回りの低さや管理組合への依存、修繕積立金の負担など、特有のリスクも存在します。物件選びや運用には、こうしたデメリットを理解したうえでの慎重な判断が求められます。
比較的低い利回り
都心部の新築マンションは立地条件が良い反面、購入価格が高騰しており、投資効率の指標である表面利回りが低下しています。
例えば、東京23区の2024年1~5月における新築マンションの平均価格は1億1,862万円、平均㎡単価は172.4万円と報告されています。 この価格水準では、家賃収入に対する投資額が大きくなり、表面利回りは3%台から4%前後にとどまるケースが多くなります。 一方、アパート経営では、物件価格と家賃収入のバランスが比較的良好で、表面利回りが8%程度と、マンション投資に比べて高い傾向があります。このように、都心部の新築マンションは物件価格の高さから利回りが低下し、投資効率の面でアパート経営に比べて劣る場合が多いことがわかるでしょう。
【参考】LIFULL「LIFULL HOME'Sが東京23区の2024年新築マンション1㎡あたりの価格上昇率を調査」2024年6月26日掲載
【参考】不動産投資の健美家「区分マンション、一棟アパートの利回り上昇」2025年2月3日掲載
管理組合への依存
建物全体の管理は管理組合によって行われ、重要な決定は区分所有者による総会での議決が必要となります。エレベーターの交換や大規模修繕など共用部分に関する決定には他の所有者の同意が必要となるため、個人の裁量は限られます。管理組合の方針や他の区分所有者との関係が投資成績に影響を与える要素となるのです。
修繕積立金の負担
マンション投資では、毎月の管理費や修繕積立金を通じて、共用部分の維持・修繕費用を所有者全員で分担します。管理組合の運営方針によっては修繕積立金の値上げや追加の特別徴収が行われる可能性もあります。物件購入前に修繕積立金の積立状況や長期修繕計画を確認することが重要です。
アパートとマンション投資の徹底比較
アパートとマンション、どちらに投資すべきか迷っていませんか?
ここでは、所有形態から利回り、空室リスク、初期投資額まで、両者の違いを徹底比較します。不動産投資を始める前に、それぞれの特徴と向き・不向きを把握しておきましょう。
比較項目 |
アパート経営 |
マンション投資 |
---|---|---|
所有形態 |
一棟全体を所有、完全な裁量権 |
区分所有、管理組合による共同管理 |
利回り |
8〜10%(特に郊外・地方) |
4〜6%(都市部、立地による) |
空室リスク |
高(特に競合物件多数エリア) |
低(都市部、交通利便性高エリア) |
初期投資額 |
数千万円〜億単位 |
数百万円〜数千万円 |
融資審査 |
厳しい(自己資金15〜30%推奨) |
比較的容易 |
投資の柔軟性 |
低(一括購入) |
高(段階的な投資可能) |
メリット |
高い利回り、完全な裁量権 |
安定した入居率、低額で開始可能 |
デメリット |
高額な初期投資、 空室リスク高 |
低い利回り、管理の自由度低 |
所有形態と管理裁量の違い
アパート経営では一棟全体を所有するため、オーナーは建物に関する全ての決定権を持ちます。外壁の塗り替えや共用部分のリノベーション、設備の更新など、建物全体に関わる判断をオーナー自身の裁量で行えます。自分のビジョンに合わせて物件をカスタマイズできる自由度は、多くの投資家にとって魅力的です。
一方、マンション投資では区分所有形態が一般的で、所有権は購入した専有部分(部屋)に限定されます。建物全体の管理は管理組合によって行われ、重要な決定は区分所有者による総会での議決が必要となります。個人の裁量は限られますが、その分管理の負担も軽減されます。
収益性とリスクの比較
不動産投資を検討する際、アパートとマンションのどちらが適しているか悩む方は多いでしょう。ここでは利回りや空室リスク、初期投資額といった観点から両者を比較し、投資判断の参考となる情報をお届けします。
利回りの違い
一般的に、アパート経営の表面利回りはマンション投資よりも高い傾向にあります。一棟で交渉できるため購入時の価格交渉で有利になることや、立地によっては割安な価格で取得できることが理由として挙げられます。郊外や地方都市では8〜10%程度の表面利回りも珍しくありません。
マンション投資は、特に都市部の好立地物件では購入価格が高くなりがちで、表面利回りは4〜6%程度に留まることが多いです。しかし、立地の良さから安定した入居率が期待でき、長期的な資産価値も維持されやすい傾向があります。
空室リスクの違い
アパート経営では、立地条件や物件の魅力によっては空室リスクが高まる可能性があります。一室が空室になるだけでなく、複数室が同時に空室になるリスクも考慮する必要があります。特に競合物件が多いエリアや、人口減少が進む地域では注意が必要です。
マンション投資、特に都市部の交通利便性の高いエリアの物件は、常に一定の賃貸需要があるため空室リスクを低減できる傾向にあります。また、単身者向けの物件は需要が安定しており、入居率を維持しやすいという利点があります。
初期投資額と資金計画の違い
アパート経営は一棟購入となるため初期投資額が高額になり、数千万円から億単位の資金が必要です。融資を受ける場合は審査が厳しくなる傾向があり、安定した収入や十分な自己資金、信用力が求められます。一般的に自己資金比率15〜30%程度が安全とされていますが、レバレッジ効果を最大化するためには、金利条件や返済期間の長さも含めた総合的な判断が必要です。
一方、マンション投資は一室から始められるため、数百万円から数千万円程度と比較的少額で開始可能です。融資額が小さいため金融機関のローン審査も比較的通りやすく、不動産投資初心者にも取り組みやすい特徴があります。段階的に部屋数を増やしていくことで、リスクを分散しながら投資規模を拡大できる柔軟性も魅力です。
成功するための物件選びのポイント
不動産投資で成功するには物件選びが何より重要ですが、アパート経営とマンション投資では、押さえるべき基準が異なります。ここでは、それぞれの物件選びのポイントを比較しながら解説します。
アパート経営で押さえるべき物件選びの基準
アパート経営で成功するためには、物件選びが重要なカギを握ります。立地条件、建物の品質、設備の充実度、そしてターゲット層に合った間取り構成など、押さえるべき基準を解説します。
立地の重要性
アパート経営で最も重要なのは立地です。人口動態の増加傾向がある地域や、大学・企業が集中するエリアは安定した需要が期待できます。駅からの距離は賃貸需要に直結し、徒歩10分圏内の物件は空室リスクを低減できる傾向にあります。また、周辺の生活利便施設(スーパー、病院、公園など)の充実度も入居率に影響するため、エリア調査を徹底しましょう。
建物の品質と設備
築年数よりも、建物の品質と設備の状態が重要です。耐震基準を満たしているか、外壁や共用部の劣化状況、給湯器・エアコン・インターネット環境などの設備状況を精査しましょう。近年はWi-Fi完備や宅配ボックスなど、ライフスタイルの変化に対応した設備が入居率向上に影響します。物件購入前の徹底した建物調査(ホームインスペクション)は、将来の修繕費抑制につながる投資になります。
ターゲット層を見据えた物件構成
投資する地域の主要な賃貸需要層を把握し、そのニーズに合った物件を選ぶようにしましょう。学生向けなら1Kや1DK、ファミリー向けなら2LDK以上など、ターゲット層に応じた間取り構成が求められるからです。また、入居者層に合わせた設備や仕様も検討すべきポイントになります。
マンション投資で押さえるべき物件選びの基準
マンション投資を成功させるためには、物件選びが極めて重要です。立地、管理状態、将来性といったポイントを押さえることで、安定した収益と資産価値の維持・向上が期待できます。
立地条件の優先
マンション投資では、立地条件が最優先事項です。駅からの距離、繁華街へのアクセス、周辺環境の良さなどが、入居率と将来の資産価値に直結します。特に単身者向けの物件は、通勤・通学の利便性が重視されるため、主要駅への近さや交通アクセスの良さは非常に重要な要素となります。
管理状態のチェック
マンション全体の管理状態は、将来の資産価値に大きく影響します。管理組合の運営状況、修繕積立金の積立状況、大規模修繕の実施履歴などを詳細に確認するようにしましょう。また、区分所有者間のトラブルの有無や、空室率の推移なども調査すべきポイントです。
将来性を見据えた物件選び
将来的な再販価値も考慮した物件選びも大切です。大規模開発計画がある地域や、インフラ整備が進む地域は、将来的な価値上昇が期待できるからです。また、人口動態の推移や地域の経済状況なども、長期的な投資判断の材料となります。
自分に合った不動産投資を選ぶ基準
不動産投資は目的やライフスタイルによって選ぶべき手法が異なります。ここでは、投資家のタイプや投資目的に応じて「自分に合った不動産投資」の選び方を分かりやすく解説します。
投資家タイプ別の適性分析
不動産投資には、投資家の目的やライフスタイルに適したスタイルがあります。初心者、資産形成を目指す人、副業として始めたい会社員など、タイプ別に最適な投資手法を解説します。
不動産投資初心者はマンション投資
不動産投資初心者には、管理の手間が少なく、比較的少額から始められるマンション投資が適しています。特に都心部の好立地マンションは賃貸需要が安定しており、初めての投資でも安心して取り組めるでしょう。ただし、初期段階では自己資金と借入のバランスを考慮し、無理のない範囲での投資を心がけるようにしてください。
積極的な資産形成を目指す投資家はアパート経営
大規模な資産形成を目指す投資家や、物件運営に積極的に関わって価値を高めていきたい投資家には、アパート経営が適しています。また、自らの判断で物件の価値向上策を実施したい場合や、将来的な土地活用まで視野に入れた長期的な不動産戦略を描きたい投資家にも向いています。
副業として不動産投資を行う会社員はマンション投資
本業が忙しく、不動産管理に多くの時間を割けない場合は、管理のしやすさを重視すべきでしょう。マンション投資は管理会社に委託しやすく、日常的な管理業務から解放されるため、時間的制約のある投資家に適しています。定期的な収入確保と資産形成を両立させたい場合の選択肢として検討する価値があります。
投資目的に応じた選択基準
不動産投資は目的によって最適な物件タイプが異なります。安定収入を重視するのか、高利回りを狙うのか、将来の資産価値を見込むのか―それぞれに適した投資手法を解説します。
安定した収入を重視する場合
安定した家賃収入を最優先する場合は、空室リスクの低いマンション投資が適しています。特に都心部や交通利便性の高いエリアの物件は、景気変動の影響を受けにくく、安定した賃貸需要が期待できます。初期投資額に対する利回りは低めでも、長期的な安定性を重視する投資スタイルに合致するでしょう。
高い収益性を追求する場合
より高い投資効率を求める場合は、アパート経営が魅力的です。地方都市や郊外エリアの物件は、適切な管理運営を行うことで高い利回りを実現できる可能性があります。また、建物の減価償却による節税効果も含めた総合的な収益性を考慮すると、積極的な投資家にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。
将来的な資産価値の上昇を見込む場合
将来的な資産価値の上昇を重視する場合は、成長性のあるエリアのマンション投資が適しています。都市開発が進む地域や、インフラ整備が計画されているエリアの物件は、将来的な価値上昇が期待できるからです。また、希少性の高い立地の物件は、長期的に見て資産価値が維持されやすい傾向があります。
まとめ~成功する不動産投資の選び方
不動産投資において、「安定性」を重視するならマンション投資、「高い利回り」を求めるならアパート経営が適しています。また、投資に割ける時間や労力も重要な判断材料です。管理の手間を最小限に抑えたい場合はマンション投資、自らの判断で積極的に運用したい場合はアパート経営が向いています。
最終的には、自分の資金力やリスク許容度、ライフスタイルを踏まえた上で、長期的な視点で投資計画を立てることが重要です。地域の将来性や需要動向も十分に調査し、自分のニーズに最も適した不動産投資を選択しましょう。
不動産投資は、適切な物件選びと管理運営を行うことで安定した収入源となり、長期的な資産形成に貢献する可能性を秘めています。しかし、その道のりは決して容易ではなく、自身の資産状況や性格、ライフスタイルを十分に考慮した上で、どちらの投資手法が自分に合っているかを見極めることが成功への第一歩となります。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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2025.04.25
ベルテックスコラム事務局
アパート経営とマンション投資、結局どっちがいい?初心者のための徹底比較ガイド
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不動産投資を検討する際、多くの人がアパート経営とマンション投資のどちらが自分に適しているか悩みます。両者には明確な違いがあり、それぞれに特有のメリットとデメリットが存在します。この記事では、アパート経営とマンション投資の特徴を詳しく比較し、投資スタイルや目標に合った選択ができるよう解説します。
アパート経営の基本と特徴
アパート経営は、一棟のアパートを所有し、その複数の部屋を貸し出す不動産投資の一形態です。安定した家賃収入を得やすく、老後の資産形成にも適した手法として注目を集めています。この章では、アパート経営の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
アパート経営とは何か
アパート経営は、不動産投資の中でも比較的古くから存在する手法で、安定した家賃収入を目的とする資産運用の一形態です。マンションの1室を購入して貸し出す「区分所有」とは異なり、アパート経営では一棟丸ごとを所有し、複数の部屋を貸し出すケースが一般的です。そのため、空室が出た場合でも全体の収益がゼロになるリスクは低く、一定の分散効果が得られる点が魅力です。
アパートは主に木造や軽量鉄骨で建てられることが多く、マンションと比べて初期投資額を抑えやすい傾向があります。地方都市や郊外に建てられることが多いため、土地の価格が比較的安く、利回りも高めになる傾向があります。しかしその一方で、人口減少エリアでは空室リスクも高くなるため、立地の見極めが非常に重要です。
また、経営といっても実際には不動産管理会社に委託するケースがほとんどで、オーナーは資金の調達や物件選定、修繕の判断などに注力します。特に新築物件では、初期は入居率も高く、安定した運営が可能ですが、築年数が経つにつれて修繕やリフォームの必要が出てくるため、長期的な資金計画が求められます。
アパート経営は、時間をかけて資産形成を行いたい人や、老後の年金代わりに安定収入を得たい人に向いている投資手法といえるでしょう。
アパート経営のメリット
アパート経営は、高い利回りや節税効果に加え、経営判断をオーナー自身で行える自由度の高さが魅力です。
この章では、その具体的なメリットについて詳しく解説します。
高い意思決定の自由度
アパート一棟を所有することの最大のメリットは、物件に関するあらゆる決定をオーナー自身が主体的に行える点にあります。
具体的には、賃料設定の自由度が高く、周辺市場の動向や競合物件の状況をふまえた柔軟な価格戦略をとることが可能です。また、共用部分の改修や修繕についても、自身の判断で予算やタイミングを決定できるため、入居者満足度の向上や資産価値の維持・向上を目的とした積極的な運営が行えます。
さらに、入居者の選定に関しても、自ら基準を設けて対応することができるため、トラブルのリスクを低減させ、良好なコミュニティ形成にもつながります。
これに対して、区分所有マンションの場合は、共用部の管理や改修には管理組合の合意が必要であり、迅速な対応が難しいケースも多々あります。その点、一棟アパート経営であれば、オーナーが経営の方針を柔軟かつスピーディーに反映させることができるという、大きなメリットがあるのです。
比較的高い利回り
区分マンション投資と比較して、一般的にアパート経営の利回りは高い傾向にあります。
不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」の調査によると、一棟アパートと区分マンションの利回りは、以下の通りです。
利回り | 価格 | |
---|---|---|
区分マンション | 6.67%(前期比+0.04ポイント) | 2,178万円(前期比-2.68%) |
一棟アパート | 8.33%(前期比+0.15ポイント) | 7,686万円(前期比-1.39%) |
一棟マンション | 7.84%(前期比-0.03ポイント) | 1億8,134万円(前期比+2.74%) |
特に地方都市や郊外エリアでは、都心の高額物件よりも投資効率の良い案件を見つけやすいことがあります。土地代が比較的安価で、建物の建築コストも抑えられることが、高利回りの一因となっています。
【引用】健美家「区分マンション、一棟アパートの利回り上昇」2025年2月3日掲載
優れた節税効果
木造アパートの減価償却は、建物の取得費用を法定耐用年数である22年間にわたり経費として計上する方法です。
例えば、取得費用が5,000万円の場合、年間の減価償却費は5,000万円 × 0.046(償却率)=230万円となります。
この減価償却費を経費計上することで、課税所得を減少させ、所得税や住民税の節税効果が期待できます。
さらに、不動産所得で生じた赤字は他の所得と損益通算が可能で、総所得を減らし納税額を軽減できます。ただし、耐用年数経過後は減価償却費の計上が終了し、課税所得が増加するため、長期的な資金計画を立てる際にはこの点を考慮する必要があります。
【おすすめ関連記事】木造アパートの耐用年数は?法定耐用年数を超えた際のリスクと5つの対処法を解説
アパート経営のデメリット
アパート経営は安定した家賃収入を期待できる一方で、初期投資の大きさや空室リスク、管理負担などのデメリットもあります。事前にリスクを理解し、慎重に検討することが重要です。
高額な初期投資
アパート経営は一棟単位での購入が基本となるため、区分マンション投資と比較して初期投資額が大きくなります。物件の規模や立地にもよりますが、多くの場合、数千万円から数億円の資金が必要となるため、投資家にとっては大きな資金的負担となる可能性があります。こうした高額な初期投資は、自己資金だけでまかなうのは難しく、金融機関からの融資を受けることが一般的です。
しかし、アパート一棟に対する融資はリスクも相応に大きいため、金融機関の審査は厳しくなる傾向があります。特に、初めて不動産投資を行う人にとっては、年収や勤務先、勤続年数、資産状況など、さまざまな観点から信用力が厳しく問われることになります。加えて、融資を受けるためには、物件の収益性や立地、空室リスク、将来的な資産価値などについても詳細な説明が求められます。つまり、アパート経営は魅力的なリターンがある一方で、相応の資金力と信用力、そして綿密な計画が必要な投資手法であるといえるでしょう。
空室リスクの存在
アパート経営で最も大きなリスクは空室の発生です。空室が続くと家賃収入が得られないだけでなく、管理の手間やコストも増加します。特に長期間の空室は維持費の負担が重くなり、経営を圧迫しかねません。そのため、アパートを建築する前に、そのエリアの需要をしっかり調査することが大切です。駅からの距離、周辺施設、人口の推移などを考慮し、入居者が見込めるかを判断しましょう。適切な立地を選ぶことが、安定した運営につながります。
管理運営の負担
アパート経営では、一棟すべてを所有することから、建物全体の維持管理や入居者対応、家賃の回収、空室対策といった運営業務全般を担う必要があります。これらは日常的に発生する業務であり、定期的な清掃や設備点検、老朽化による修繕対応など、物件の状態を良好に保つために多くの管理が求められます。また、入居者からのクレーム対応や家賃滞納時の督促、退去時の原状回復など、突発的な対応も避けて通れません。
こうした運営の手間を軽減するために、管理会社に業務を委託する選択肢もあります。管理委託には、入居者募集、契約手続き、賃料管理、清掃・修繕などを一括で任せられるメリットがありますが、その分、管理委託料が発生し、収益性は若干低下します。特に、管理費が家賃収入の5%程度かかるケースも多く、長期的な収益計画を立てるうえではこの費用も加味しておく必要があります。
さらに、どれほど管理会社に任せたとしても、トラブルが発生した場合や重要な判断が必要な場面では、最終的な責任はオーナー自身にあります。したがって、アパート経営には一定の時間的・精神的負担を覚悟し、経営者としての主体性と対応力が求められるのです。
マンション投資(区分所有)の基本と特徴
マンション投資は、区分所有形態のマンションの一室または複数室を購入し、賃貸することで収益を得る不動産投資の形式です。所有権は購入した専有部分(部屋)に限定され、共用部分は区分所有者全員の共有となります。マンション投資の主な収益源も家賃収入ですが、都心部や人気エリアの物件では、将来的な資産価値の上昇も期待できることがあります。一室から始められる点が大きな特徴で、比較的少額の資金から投資を開始できます。
マンション投資のメリット
マンション投資は、少額から始められる手軽さと管理のしやすさから、初心者にも人気の不動産投資手法です。ここでは、マンション投資のメリットについて解説します。
少額から投資できる
マンション投資は一室から始められるため、数百万円から数千万円程度と比較的少額で開始可能です。融資額が小さいため金融機関のローン審査も比較的通りやすく、不動産投資初心者にも取り組みやすい特徴があります。段階的に部屋数を増やしていくことで、リスクを分散しながら投資規模を拡大できる柔軟性も魅力です。
管理の手間が少ない
共用部分の管理や建物全体に関わるトラブルは管理組合や管理会社が対応するため、個人オーナーの負担は比較的軽減されます。水漏れやエレベーター故障などの共用部分に関する問題は管理会社が窓口となり、費用は修繕積立金から支出されるケースが多いです。自分の所有する部屋の内部に関する事項のみに責任を持てばよいため、管理の手間を最小限にしたい投資家に適しています。
安定した入居需要
特に都市部の好立地物件であれば賃貸需要が高く、空室リスクを低減できる傾向にあります。駅近や利便性の高いエリアの物件は常に一定の需要があるため、安定した家賃収入が期待できます。単身者向けの物件は、若手社会人や学生などからの需要が継続的にあり、入居率を維持しやすい傾向があります。
マンション投資のデメリット
マンション投資は立地の良さや安定した需要が魅力ですが、利回りの低さや管理組合への依存、修繕積立金の負担など、特有のリスクも存在します。物件選びや運用には、こうしたデメリットを理解したうえでの慎重な判断が求められます。
比較的低い利回り
都心部の新築マンションは立地条件が良い反面、購入価格が高騰しており、投資効率の指標である表面利回りが低下しています。
例えば、東京23区の2024年1~5月における新築マンションの平均価格は1億1,862万円、平均㎡単価は172.4万円と報告されています。 この価格水準では、家賃収入に対する投資額が大きくなり、表面利回りは3%台から4%前後にとどまるケースが多くなります。 一方、アパート経営では、物件価格と家賃収入のバランスが比較的良好で、表面利回りが8%程度と、マンション投資に比べて高い傾向があります。このように、都心部の新築マンションは物件価格の高さから利回りが低下し、投資効率の面でアパート経営に比べて劣る場合が多いことがわかるでしょう。
【参考】LIFULL「LIFULL HOME'Sが東京23区の2024年新築マンション1㎡あたりの価格上昇率を調査」2024年6月26日掲載
【参考】不動産投資の健美家「区分マンション、一棟アパートの利回り上昇」2025年2月3日掲載
管理組合への依存
建物全体の管理は管理組合によって行われ、重要な決定は区分所有者による総会での議決が必要となります。エレベーターの交換や大規模修繕など共用部分に関する決定には他の所有者の同意が必要となるため、個人の裁量は限られます。管理組合の方針や他の区分所有者との関係が投資成績に影響を与える要素となるのです。
修繕積立金の負担
マンション投資では、毎月の管理費や修繕積立金を通じて、共用部分の維持・修繕費用を所有者全員で分担します。管理組合の運営方針によっては修繕積立金の値上げや追加の特別徴収が行われる可能性もあります。物件購入前に修繕積立金の積立状況や長期修繕計画を確認することが重要です。
アパートとマンション投資の徹底比較
アパートとマンション、どちらに投資すべきか迷っていませんか?
ここでは、所有形態から利回り、空室リスク、初期投資額まで、両者の違いを徹底比較します。不動産投資を始める前に、それぞれの特徴と向き・不向きを把握しておきましょう。
比較項目 |
アパート経営 |
マンション投資 |
---|---|---|
所有形態 |
一棟全体を所有、完全な裁量権 |
区分所有、管理組合による共同管理 |
利回り |
8〜10%(特に郊外・地方) |
4〜6%(都市部、立地による) |
空室リスク |
高(特に競合物件多数エリア) |
低(都市部、交通利便性高エリア) |
初期投資額 |
数千万円〜億単位 |
数百万円〜数千万円 |
融資審査 |
厳しい(自己資金15〜30%推奨) |
比較的容易 |
投資の柔軟性 |
低(一括購入) |
高(段階的な投資可能) |
メリット |
高い利回り、完全な裁量権 |
安定した入居率、低額で開始可能 |
デメリット |
高額な初期投資、 空室リスク高 |
低い利回り、管理の自由度低 |
所有形態と管理裁量の違い
アパート経営では一棟全体を所有するため、オーナーは建物に関する全ての決定権を持ちます。外壁の塗り替えや共用部分のリノベーション、設備の更新など、建物全体に関わる判断をオーナー自身の裁量で行えます。自分のビジョンに合わせて物件をカスタマイズできる自由度は、多くの投資家にとって魅力的です。
一方、マンション投資では区分所有形態が一般的で、所有権は購入した専有部分(部屋)に限定されます。建物全体の管理は管理組合によって行われ、重要な決定は区分所有者による総会での議決が必要となります。個人の裁量は限られますが、その分管理の負担も軽減されます。
収益性とリスクの比較
不動産投資を検討する際、アパートとマンションのどちらが適しているか悩む方は多いでしょう。ここでは利回りや空室リスク、初期投資額といった観点から両者を比較し、投資判断の参考となる情報をお届けします。
利回りの違い
一般的に、アパート経営の表面利回りはマンション投資よりも高い傾向にあります。一棟で交渉できるため購入時の価格交渉で有利になることや、立地によっては割安な価格で取得できることが理由として挙げられます。郊外や地方都市では8〜10%程度の表面利回りも珍しくありません。
マンション投資は、特に都市部の好立地物件では購入価格が高くなりがちで、表面利回りは4〜6%程度に留まることが多いです。しかし、立地の良さから安定した入居率が期待でき、長期的な資産価値も維持されやすい傾向があります。
空室リスクの違い
アパート経営では、立地条件や物件の魅力によっては空室リスクが高まる可能性があります。一室が空室になるだけでなく、複数室が同時に空室になるリスクも考慮する必要があります。特に競合物件が多いエリアや、人口減少が進む地域では注意が必要です。
マンション投資、特に都市部の交通利便性の高いエリアの物件は、常に一定の賃貸需要があるため空室リスクを低減できる傾向にあります。また、単身者向けの物件は需要が安定しており、入居率を維持しやすいという利点があります。
初期投資額と資金計画の違い
アパート経営は一棟購入となるため初期投資額が高額になり、数千万円から億単位の資金が必要です。融資を受ける場合は審査が厳しくなる傾向があり、安定した収入や十分な自己資金、信用力が求められます。一般的に自己資金比率15〜30%程度が安全とされていますが、レバレッジ効果を最大化するためには、金利条件や返済期間の長さも含めた総合的な判断が必要です。
一方、マンション投資は一室から始められるため、数百万円から数千万円程度と比較的少額で開始可能です。融資額が小さいため金融機関のローン審査も比較的通りやすく、不動産投資初心者にも取り組みやすい特徴があります。段階的に部屋数を増やしていくことで、リスクを分散しながら投資規模を拡大できる柔軟性も魅力です。
成功するための物件選びのポイント
不動産投資で成功するには物件選びが何より重要ですが、アパート経営とマンション投資では、押さえるべき基準が異なります。ここでは、それぞれの物件選びのポイントを比較しながら解説します。
アパート経営で押さえるべき物件選びの基準
アパート経営で成功するためには、物件選びが重要なカギを握ります。立地条件、建物の品質、設備の充実度、そしてターゲット層に合った間取り構成など、押さえるべき基準を解説します。
立地の重要性
アパート経営で最も重要なのは立地です。人口動態の増加傾向がある地域や、大学・企業が集中するエリアは安定した需要が期待できます。駅からの距離は賃貸需要に直結し、徒歩10分圏内の物件は空室リスクを低減できる傾向にあります。また、周辺の生活利便施設(スーパー、病院、公園など)の充実度も入居率に影響するため、エリア調査を徹底しましょう。
建物の品質と設備
築年数よりも、建物の品質と設備の状態が重要です。耐震基準を満たしているか、外壁や共用部の劣化状況、給湯器・エアコン・インターネット環境などの設備状況を精査しましょう。近年はWi-Fi完備や宅配ボックスなど、ライフスタイルの変化に対応した設備が入居率向上に影響します。物件購入前の徹底した建物調査(ホームインスペクション)は、将来の修繕費抑制につながる投資になります。
ターゲット層を見据えた物件構成
投資する地域の主要な賃貸需要層を把握し、そのニーズに合った物件を選ぶようにしましょう。学生向けなら1Kや1DK、ファミリー向けなら2LDK以上など、ターゲット層に応じた間取り構成が求められるからです。また、入居者層に合わせた設備や仕様も検討すべきポイントになります。
マンション投資で押さえるべき物件選びの基準
マンション投資を成功させるためには、物件選びが極めて重要です。立地、管理状態、将来性といったポイントを押さえることで、安定した収益と資産価値の維持・向上が期待できます。
立地条件の優先
マンション投資では、立地条件が最優先事項です。駅からの距離、繁華街へのアクセス、周辺環境の良さなどが、入居率と将来の資産価値に直結します。特に単身者向けの物件は、通勤・通学の利便性が重視されるため、主要駅への近さや交通アクセスの良さは非常に重要な要素となります。
管理状態のチェック
マンション全体の管理状態は、将来の資産価値に大きく影響します。管理組合の運営状況、修繕積立金の積立状況、大規模修繕の実施履歴などを詳細に確認するようにしましょう。また、区分所有者間のトラブルの有無や、空室率の推移なども調査すべきポイントです。
将来性を見据えた物件選び
将来的な再販価値も考慮した物件選びも大切です。大規模開発計画がある地域や、インフラ整備が進む地域は、将来的な価値上昇が期待できるからです。また、人口動態の推移や地域の経済状況なども、長期的な投資判断の材料となります。
自分に合った不動産投資を選ぶ基準
不動産投資は目的やライフスタイルによって選ぶべき手法が異なります。ここでは、投資家のタイプや投資目的に応じて「自分に合った不動産投資」の選び方を分かりやすく解説します。
投資家タイプ別の適性分析
不動産投資には、投資家の目的やライフスタイルに適したスタイルがあります。初心者、資産形成を目指す人、副業として始めたい会社員など、タイプ別に最適な投資手法を解説します。
不動産投資初心者はマンション投資
不動産投資初心者には、管理の手間が少なく、比較的少額から始められるマンション投資が適しています。特に都心部の好立地マンションは賃貸需要が安定しており、初めての投資でも安心して取り組めるでしょう。ただし、初期段階では自己資金と借入のバランスを考慮し、無理のない範囲での投資を心がけるようにしてください。
積極的な資産形成を目指す投資家はアパート経営
大規模な資産形成を目指す投資家や、物件運営に積極的に関わって価値を高めていきたい投資家には、アパート経営が適しています。また、自らの判断で物件の価値向上策を実施したい場合や、将来的な土地活用まで視野に入れた長期的な不動産戦略を描きたい投資家にも向いています。
副業として不動産投資を行う会社員はマンション投資
本業が忙しく、不動産管理に多くの時間を割けない場合は、管理のしやすさを重視すべきでしょう。マンション投資は管理会社に委託しやすく、日常的な管理業務から解放されるため、時間的制約のある投資家に適しています。定期的な収入確保と資産形成を両立させたい場合の選択肢として検討する価値があります。
投資目的に応じた選択基準
不動産投資は目的によって最適な物件タイプが異なります。安定収入を重視するのか、高利回りを狙うのか、将来の資産価値を見込むのか―それぞれに適した投資手法を解説します。
安定した収入を重視する場合
安定した家賃収入を最優先する場合は、空室リスクの低いマンション投資が適しています。特に都心部や交通利便性の高いエリアの物件は、景気変動の影響を受けにくく、安定した賃貸需要が期待できます。初期投資額に対する利回りは低めでも、長期的な安定性を重視する投資スタイルに合致するでしょう。
高い収益性を追求する場合
より高い投資効率を求める場合は、アパート経営が魅力的です。地方都市や郊外エリアの物件は、適切な管理運営を行うことで高い利回りを実現できる可能性があります。また、建物の減価償却による節税効果も含めた総合的な収益性を考慮すると、積極的な投資家にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。
将来的な資産価値の上昇を見込む場合
将来的な資産価値の上昇を重視する場合は、成長性のあるエリアのマンション投資が適しています。都市開発が進む地域や、インフラ整備が計画されているエリアの物件は、将来的な価値上昇が期待できるからです。また、希少性の高い立地の物件は、長期的に見て資産価値が維持されやすい傾向があります。
まとめ~成功する不動産投資の選び方
不動産投資において、「安定性」を重視するならマンション投資、「高い利回り」を求めるならアパート経営が適しています。また、投資に割ける時間や労力も重要な判断材料です。管理の手間を最小限に抑えたい場合はマンション投資、自らの判断で積極的に運用したい場合はアパート経営が向いています。
最終的には、自分の資金力やリスク許容度、ライフスタイルを踏まえた上で、長期的な視点で投資計画を立てることが重要です。地域の将来性や需要動向も十分に調査し、自分のニーズに最も適した不動産投資を選択しましょう。
不動産投資は、適切な物件選びと管理運営を行うことで安定した収入源となり、長期的な資産形成に貢献する可能性を秘めています。しかし、その道のりは決して容易ではなく、自身の資産状況や性格、ライフスタイルを十分に考慮した上で、どちらの投資手法が自分に合っているかを見極めることが成功への第一歩となります。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。