2024.02.29

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資における金利上昇リスクは仕組みを知れば怖くない

  • リスク
  • 融資・ローン

「老後に不自由なく暮らせる資産を用意したい。」
「子供が生きていくのに困らないよう資産を残したい。」

自分の老後や子供の将来と真剣に向き合い、このような感情を抱く方が多くいらっしゃいます。資産形成の手段として一度は「不動産投資」を視野に入れても、ローンを組むことへの抵抗感や不動産投資が危険なものであるとの認識から、候補から除外してしまう方が多いのが現状です。しかし、金利上昇リスクの仕組みを熟知した上でローンを組むことにより、不動産投資の「危険」「不安」「怖い」は払拭されるものです。

本記事では不動産と金利の関係について解説し、ローン利用者が不動産投資を成功させるために抑えるべきコツをご紹介します。

資産形成のおすすめは不動産投資  

近年、多くの方が検討している資産形成ですが、最近では「多忙な会社員」と「手間がかからない不動産投資」は、非常に相性がよいとされています。

不動産投資の人気が高まる理由  

第三者へ不動産を賃貸することで利益を得る根本的な仕組みは、江戸時代に生まれたと考えられています。そして、少しずつ形態を変えながら現代の「不動産投資」へと落ち着いてきました。
近年になっても未だその人気は衰えないどころか、更に人気が高まっているように思います。
不動産投資ブームがなぜ現代でも人気があり続けるのか、理由を挙げてみましょう。

・家賃収入による不労所得を得られる
金融機関の融資利用で会社員も手が出しやすい
・金融政策により低金利で融資を受けられる
・老後に必要な預貯金の蓄えを見込める
・節税対策ができる
・インフレの影響を受けづらい

近年の不動産投資は一般の会社員でも多くのメリットを享受できるため、2020年から続いたコロナ禍でも変わらず盛んであり続けたようです。

投資をする前に知っておきたいこと

預貯金だけでは資産増加を見込めない日本では、高等学校における授業の一環で「資産形成」が取り入れられるなど、国として投資を促す姿勢をとり、より私たちの身近なものになってきました。
これから投資を始める方は、不動産投資に限らず知っておくべき「投資の基本」があります。

まず、投資初心者は少額からスタートすることです。
投資に関する情報収集をしていると、目先の大きな収益に魅力を感じるものですが、知識の乏しい初心者は投資の仕組みや流れ、市場を把握しましょう。投資において、リスクとリターンは必ず比例していますので、「少額で大きな利益を狙える」という怪しい内容は、詐欺の可能性を疑わなくてはなりません。

次に投資の専門用語を理解することです。
例えば、代表的なものとして株式や債権など先物取引では「銘柄」「損切り」「配当」「チャート」、不動産投資では「表面利回り」「実質利回り」「減価償却」「収益還元法」などが挙げられます。いずれの投資を行うにしても、専門用語を理解しないまま先に進んではいけません。

最後にリスクのシミュレーションをすることです。
初心者はリスクを考慮せずに見切り発車してしまい、大損をしてしまうことがあります。
特に不動産投資はシミュレーションを積み重ねることで、多くのリスクを回避できることを覚えておきましょう。

金利上昇リスクとは?  

金利の変動は、市場・経済・資産の価値など大きな影響をもたらし、投資においてはどのような値動きをするか予測できないリスクを伴います。

金利とインフレの関係  

インフレとは、物やサービスの価格が上昇してお金の価値が下がることです。
金利とインフレには密接な関りがあり、金利政策で市場経済の活性化を促すよう人為的に操作することもあります。
一般的にインフレになると銀行による利上げが行われ、消費者の購買意欲を抑えさせる動きをとるのです。反対にデフレのときは利下げにより、お金の価値を上げ購買意欲を活性化させます。

一般的に金利が上昇する原因  

金利は「需要と供給のバランス」を保つために変動します。
私たちが融資利用をする際には各金融機関が独自に金利を設定していますが、その要因は主に景気・物価・為替相場の3つです。

景気が向上すると消費者の購買意欲が高まり、比例して物価上昇が起こりやすくなります。
また、物価の急激な上昇が見られるときは、消費者が買いだめなどの購買行動を起こして金利が関係する金融商品離れする傾向にあり、その結果として日銀による金融政策(引き締め)がとられるのです。
さらに輸出入が盛んな日本では、為替相場の変動があると国内の景気へ影響を与え、金利変動の原因となります。

昨今の金利上昇の背景とは

日本では、1999年に日銀の金融緩和政策である「ゼロ金利政策」の導入後、20年以上も低金利水準を維持してきました。しかし、2022年12月に金融緩和政策が一部修正されたことで、実質的な金利引き上げが行われたと言われています。
日銀は金融引き締めではないと主張していますが、世界的に見ると米国やオーストラリアなど各国が次々に利上げをしている状況で、日本もいずれ金利上昇は行われると予想されています。

不動産投資と金利の関係について  

個人が背負う一番大きな金利変動リスクは、金利上昇時における住宅ローン返済額が上昇することでしょう。もちろん、不動産投資で利用するローンも同じです。
本章では、不動産投資と金利の関係について解説をしていきます。

不動産投資における金利変動とは?  

不動産投資の醍醐味とも言える家賃収入は、賃貸経営をする上での必要経費と同じくらい自分の手元に残ります。つまり、金利変動はキャッシュフローに大きな影響をもたらすのです。
金利上昇はローンの総返済額に数百万円の差を生じさせ、不動産投資の成功を左右させると言っても過言ではありません。

不動産価格と金利の関係  

実は、不動産価格の値動きにも金利と密接した関りがあるのです。
一般論では、金利が上昇すると不動産価格は下落すると考えられ、「利上げで消費者の購買意欲が下がり不動産が売れなくなる」との見方をしています。
低金利時代が続いてきた現在の日本では、この事情を裏付けるかのように不動産価格が年々上昇傾向にあります。今後金利が上昇すると、不動産価格は下落に転じる可能性があるでしょう。

不動産投資ローンと金利の関係

不動産投資ローンの金利は、ほとんどの金融機関で住宅ローンの金利よりも高く設定されているため、1%の上昇がキャッシュフローに大きな打撃を与えます。変動金利と固定金利どちらを選択するか、慎重に経営戦略を立てることが非常に重要です。
また、不動産投資ローンによる金利部分は必要経費として計上することができます。
ただし、土地の取得にかかる借入の金利の計上は黒字経営の場合に限り、赤字経営では取り扱いが異なりますので注意しましょう。

金利上昇リスクを見越した投資計画

昨今の日本では多くの方が変動金利を選択し、低金利の恩恵を享受している状況です。
しかし、いつまでこの状況が続くか分かりません。金利と連動して給与が上がる訳ではないので、長期ローンはわずかな金利幅の上昇が家計を圧迫してしまいます。
不動産投資を行うには、金利上昇リスクを見越した投資計画、返済計画を行わなくてはなりません。

自己資金を残して融資を受ける  

不動産投資では物件購入時にまとまった頭金を入れる場合もありますが、金利上昇に備えてある程度の余剰資金を手元に残して融資を受けましょう。
そうすることで急な利上げにも焦らず対処可能で、金利以外の突発的な支出が発生してもリスクヘッジができます。

融資を受けるべき金融機関とは?  

メガバンクや地銀、信用金庫・組合など多くの金融機関で不動産投資ローンを取り扱っていますが、不動産投資では金利比較を最低3行以上は行いましょう。
事業者ですでに取引がある金融機関による金利の優遇や、地域密着型の信用金庫などの利用により低金利での借り入れが可能なケースがあります。
また、日本政策金融公庫は固定金利の一択なので、低金利で融資承認が下りると返済計画が立てやすくなるので活用してみましょう。

返済期間は長いほど毎月の返済額を抑えられる

住宅ローンやアパートローンは、借り入れ後に返済期間の短縮を申請することは可能ですが、延長は認められません。
返済期間を長めに設定することで、毎月の返済額を低く抑えることが可能です。早期のローン完済を目指して、返済期間を短縮したい気持ちは分かりますが、不動産経営を圧迫しない返済計画をしましょう。

不動産投資における金利上昇リスクの抑え方  

先を見越した返済計画について上述しましたが、本章ではすでに不動産投資における融資を受けている方に向けた金利上昇リスクの抑え方をお伝えします。

変動金利から固定金利へ  

現在変動金利を選択しており今後の金利上昇が不安な方は、固定金利への変更を視野にいれましょう。
ただし、消費税増税などと違い、いつから利上げすると事前に公表されるものではありません。利上げされることが公表されてしまうと、固定金利に変更しても利上げ後の利率が適用されてしまいます。
借り入れしている金融機関へ早めの相談をしてみましょう。

不動産投資ローンを借り換える

不動産投資ローンの借り換えを行うことも、金利上昇リスクには非常に有効的です。
運用実績を提示できるため賃貸経営が順調にまわっている方は、購入時よりも容易に融資承認を得られる可能性があります。残りの返済期間が長い方は、総返済額を大幅に減少させられるかもしれません。
ただし、借り換えには銀行に支払う種手数料などの諸費用がかかることは覚えておきましょう。
また、金融機関は貸し付けによる利息分が利益になっているため、他社への借り換えは避けたいと考えています。借り換えを検討している旨を相談してみると、現状の利率よりも下げてもらえた事例もあるようです。

自己資金を用いた繰り上げ返済  

手元に残しておいた自己資金で繰り上げ返済をすることで、金利上昇によるダメージを減らすことができます。
ただし、不動産投資は他にも「空室」「修繕」「災害」などのリスクと常に隣り合わせです。繰り上げ返済を行う際は、リスク発生時に対処できるだけの手元資金を十分に残した上で行いましょう。
また、物件を増やすことを検討している方は、追加物件に充てる頭金の貯蓄も必要となります。これらのバランスを吟味しながら、繰り上げ返済への充当分を算出してください。

売却してローンを完済する

不動産投資をする上で金利上昇はリスクが大きいので、不動産を売却するのも1つの手です。
不動産価格と金利の関係について前章でご説明しましたが、金利上昇が起こったからすぐに不動産価格が下落するわけではありません。
低金利政策で徐々に不動産価格が上昇したように、下落傾向に転じます。金利上昇の動きが見られたら、底値まで下落してしまう前に手離すことでローン完済をしてしまいましょう。
昨今は新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ戦争の影響で、光熱費や日常品が値上がり、ローン審査もより厳しくなっている可能性があり、買主探しに時間がかかることも予測されます。
売却にはスムーズにいっても3ヵ月~半年ほどかかるため、早いうちから動き出しておきましょう。

まとめ

本記事では、不動産投資をするうえで懸念される「金利上昇リスク」について、分かりづらい経済事情を噛み砕いた言葉でわかりやすく解説しました。
不動産投資をするローン利用者にとって、金利上昇は非常に大きなリスクです。
しかし、金利が変動するのには仕組みがあり、事前に理解して計画的に備えておけば、いざ金利上昇に直面しても何も怖くありません。
不動産投資はあらゆるリスクに1つずつ対策を施し、万全な体制で挑むことが成功へのキーポイントとなるでしょう。

ベルテックスでは不動産にまつわるリスクセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.02.29

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資における金利上昇リスクは仕組みを知れば怖くない

  • リスク
  • 融資・ローン

「老後に不自由なく暮らせる資産を用意したい。」
「子供が生きていくのに困らないよう資産を残したい。」

自分の老後や子供の将来と真剣に向き合い、このような感情を抱く方が多くいらっしゃいます。資産形成の手段として一度は「不動産投資」を視野に入れても、ローンを組むことへの抵抗感や不動産投資が危険なものであるとの認識から、候補から除外してしまう方が多いのが現状です。しかし、金利上昇リスクの仕組みを熟知した上でローンを組むことにより、不動産投資の「危険」「不安」「怖い」は払拭されるものです。

本記事では不動産と金利の関係について解説し、ローン利用者が不動産投資を成功させるために抑えるべきコツをご紹介します。

資産形成のおすすめは不動産投資  

近年、多くの方が検討している資産形成ですが、最近では「多忙な会社員」と「手間がかからない不動産投資」は、非常に相性がよいとされています。

不動産投資の人気が高まる理由  

第三者へ不動産を賃貸することで利益を得る根本的な仕組みは、江戸時代に生まれたと考えられています。そして、少しずつ形態を変えながら現代の「不動産投資」へと落ち着いてきました。
近年になっても未だその人気は衰えないどころか、更に人気が高まっているように思います。
不動産投資ブームがなぜ現代でも人気があり続けるのか、理由を挙げてみましょう。

・家賃収入による不労所得を得られる
金融機関の融資利用で会社員も手が出しやすい
・金融政策により低金利で融資を受けられる
・老後に必要な預貯金の蓄えを見込める
・節税対策ができる
・インフレの影響を受けづらい

近年の不動産投資は一般の会社員でも多くのメリットを享受できるため、2020年から続いたコロナ禍でも変わらず盛んであり続けたようです。

投資をする前に知っておきたいこと

預貯金だけでは資産増加を見込めない日本では、高等学校における授業の一環で「資産形成」が取り入れられるなど、国として投資を促す姿勢をとり、より私たちの身近なものになってきました。
これから投資を始める方は、不動産投資に限らず知っておくべき「投資の基本」があります。

まず、投資初心者は少額からスタートすることです。
投資に関する情報収集をしていると、目先の大きな収益に魅力を感じるものですが、知識の乏しい初心者は投資の仕組みや流れ、市場を把握しましょう。投資において、リスクとリターンは必ず比例していますので、「少額で大きな利益を狙える」という怪しい内容は、詐欺の可能性を疑わなくてはなりません。

次に投資の専門用語を理解することです。
例えば、代表的なものとして株式や債権など先物取引では「銘柄」「損切り」「配当」「チャート」、不動産投資では「表面利回り」「実質利回り」「減価償却」「収益還元法」などが挙げられます。いずれの投資を行うにしても、専門用語を理解しないまま先に進んではいけません。

最後にリスクのシミュレーションをすることです。
初心者はリスクを考慮せずに見切り発車してしまい、大損をしてしまうことがあります。
特に不動産投資はシミュレーションを積み重ねることで、多くのリスクを回避できることを覚えておきましょう。

金利上昇リスクとは?  

金利の変動は、市場・経済・資産の価値など大きな影響をもたらし、投資においてはどのような値動きをするか予測できないリスクを伴います。

金利とインフレの関係  

インフレとは、物やサービスの価格が上昇してお金の価値が下がることです。
金利とインフレには密接な関りがあり、金利政策で市場経済の活性化を促すよう人為的に操作することもあります。
一般的にインフレになると銀行による利上げが行われ、消費者の購買意欲を抑えさせる動きをとるのです。反対にデフレのときは利下げにより、お金の価値を上げ購買意欲を活性化させます。

一般的に金利が上昇する原因  

金利は「需要と供給のバランス」を保つために変動します。
私たちが融資利用をする際には各金融機関が独自に金利を設定していますが、その要因は主に景気・物価・為替相場の3つです。

景気が向上すると消費者の購買意欲が高まり、比例して物価上昇が起こりやすくなります。
また、物価の急激な上昇が見られるときは、消費者が買いだめなどの購買行動を起こして金利が関係する金融商品離れする傾向にあり、その結果として日銀による金融政策(引き締め)がとられるのです。
さらに輸出入が盛んな日本では、為替相場の変動があると国内の景気へ影響を与え、金利変動の原因となります。

昨今の金利上昇の背景とは

日本では、1999年に日銀の金融緩和政策である「ゼロ金利政策」の導入後、20年以上も低金利水準を維持してきました。しかし、2022年12月に金融緩和政策が一部修正されたことで、実質的な金利引き上げが行われたと言われています。
日銀は金融引き締めではないと主張していますが、世界的に見ると米国やオーストラリアなど各国が次々に利上げをしている状況で、日本もいずれ金利上昇は行われると予想されています。

不動産投資と金利の関係について  

個人が背負う一番大きな金利変動リスクは、金利上昇時における住宅ローン返済額が上昇することでしょう。もちろん、不動産投資で利用するローンも同じです。
本章では、不動産投資と金利の関係について解説をしていきます。

不動産投資における金利変動とは?  

不動産投資の醍醐味とも言える家賃収入は、賃貸経営をする上での必要経費と同じくらい自分の手元に残ります。つまり、金利変動はキャッシュフローに大きな影響をもたらすのです。
金利上昇はローンの総返済額に数百万円の差を生じさせ、不動産投資の成功を左右させると言っても過言ではありません。

不動産価格と金利の関係  

実は、不動産価格の値動きにも金利と密接した関りがあるのです。
一般論では、金利が上昇すると不動産価格は下落すると考えられ、「利上げで消費者の購買意欲が下がり不動産が売れなくなる」との見方をしています。
低金利時代が続いてきた現在の日本では、この事情を裏付けるかのように不動産価格が年々上昇傾向にあります。今後金利が上昇すると、不動産価格は下落に転じる可能性があるでしょう。

不動産投資ローンと金利の関係

不動産投資ローンの金利は、ほとんどの金融機関で住宅ローンの金利よりも高く設定されているため、1%の上昇がキャッシュフローに大きな打撃を与えます。変動金利と固定金利どちらを選択するか、慎重に経営戦略を立てることが非常に重要です。
また、不動産投資ローンによる金利部分は必要経費として計上することができます。
ただし、土地の取得にかかる借入の金利の計上は黒字経営の場合に限り、赤字経営では取り扱いが異なりますので注意しましょう。

金利上昇リスクを見越した投資計画

昨今の日本では多くの方が変動金利を選択し、低金利の恩恵を享受している状況です。
しかし、いつまでこの状況が続くか分かりません。金利と連動して給与が上がる訳ではないので、長期ローンはわずかな金利幅の上昇が家計を圧迫してしまいます。
不動産投資を行うには、金利上昇リスクを見越した投資計画、返済計画を行わなくてはなりません。

自己資金を残して融資を受ける  

不動産投資では物件購入時にまとまった頭金を入れる場合もありますが、金利上昇に備えてある程度の余剰資金を手元に残して融資を受けましょう。
そうすることで急な利上げにも焦らず対処可能で、金利以外の突発的な支出が発生してもリスクヘッジができます。

融資を受けるべき金融機関とは?  

メガバンクや地銀、信用金庫・組合など多くの金融機関で不動産投資ローンを取り扱っていますが、不動産投資では金利比較を最低3行以上は行いましょう。
事業者ですでに取引がある金融機関による金利の優遇や、地域密着型の信用金庫などの利用により低金利での借り入れが可能なケースがあります。
また、日本政策金融公庫は固定金利の一択なので、低金利で融資承認が下りると返済計画が立てやすくなるので活用してみましょう。

返済期間は長いほど毎月の返済額を抑えられる

住宅ローンやアパートローンは、借り入れ後に返済期間の短縮を申請することは可能ですが、延長は認められません。
返済期間を長めに設定することで、毎月の返済額を低く抑えることが可能です。早期のローン完済を目指して、返済期間を短縮したい気持ちは分かりますが、不動産経営を圧迫しない返済計画をしましょう。

不動産投資における金利上昇リスクの抑え方  

先を見越した返済計画について上述しましたが、本章ではすでに不動産投資における融資を受けている方に向けた金利上昇リスクの抑え方をお伝えします。

変動金利から固定金利へ  

現在変動金利を選択しており今後の金利上昇が不安な方は、固定金利への変更を視野にいれましょう。
ただし、消費税増税などと違い、いつから利上げすると事前に公表されるものではありません。利上げされることが公表されてしまうと、固定金利に変更しても利上げ後の利率が適用されてしまいます。
借り入れしている金融機関へ早めの相談をしてみましょう。

不動産投資ローンを借り換える

不動産投資ローンの借り換えを行うことも、金利上昇リスクには非常に有効的です。
運用実績を提示できるため賃貸経営が順調にまわっている方は、購入時よりも容易に融資承認を得られる可能性があります。残りの返済期間が長い方は、総返済額を大幅に減少させられるかもしれません。
ただし、借り換えには銀行に支払う種手数料などの諸費用がかかることは覚えておきましょう。
また、金融機関は貸し付けによる利息分が利益になっているため、他社への借り換えは避けたいと考えています。借り換えを検討している旨を相談してみると、現状の利率よりも下げてもらえた事例もあるようです。

自己資金を用いた繰り上げ返済  

手元に残しておいた自己資金で繰り上げ返済をすることで、金利上昇によるダメージを減らすことができます。
ただし、不動産投資は他にも「空室」「修繕」「災害」などのリスクと常に隣り合わせです。繰り上げ返済を行う際は、リスク発生時に対処できるだけの手元資金を十分に残した上で行いましょう。
また、物件を増やすことを検討している方は、追加物件に充てる頭金の貯蓄も必要となります。これらのバランスを吟味しながら、繰り上げ返済への充当分を算出してください。

売却してローンを完済する

不動産投資をする上で金利上昇はリスクが大きいので、不動産を売却するのも1つの手です。
不動産価格と金利の関係について前章でご説明しましたが、金利上昇が起こったからすぐに不動産価格が下落するわけではありません。
低金利政策で徐々に不動産価格が上昇したように、下落傾向に転じます。金利上昇の動きが見られたら、底値まで下落してしまう前に手離すことでローン完済をしてしまいましょう。
昨今は新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ戦争の影響で、光熱費や日常品が値上がり、ローン審査もより厳しくなっている可能性があり、買主探しに時間がかかることも予測されます。
売却にはスムーズにいっても3ヵ月~半年ほどかかるため、早いうちから動き出しておきましょう。

まとめ

本記事では、不動産投資をするうえで懸念される「金利上昇リスク」について、分かりづらい経済事情を噛み砕いた言葉でわかりやすく解説しました。
不動産投資をするローン利用者にとって、金利上昇は非常に大きなリスクです。
しかし、金利が変動するのには仕組みがあり、事前に理解して計画的に備えておけば、いざ金利上昇に直面しても何も怖くありません。
不動産投資はあらゆるリスクに1つずつ対策を施し、万全な体制で挑むことが成功へのキーポイントとなるでしょう。

ベルテックスでは不動産にまつわるリスクセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。