2023.11.08

資産運用

ベルテックスコラム事務局

独身時代の貯金、みんなどうしてる?よくある悩みと対策を解説

  • 資産形成

独身時代は結婚した後に比べて、自由にお金を使ったり、貯金や資産運用が行えます。そういった貯金や金融資産について、結婚したらどうなってしまうのか? と不安や心配を抱かれている方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな独身時代の貯金の悩みや、お金の管理方法、将来への資産運用法などをお話していきます。これを読んだ独身の方が、今後、上手な資産運用をするヒントを少しでも得ていただければありがたいです。

独身時代の貯金はどうしている?

現在、独身の方で他の独身の方がどのくらい貯金が出来ているのか気になる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、単身世帯の人が年代別でどのくらい貯金をしているのか、また独身時代の貯金に関する悩みに関して解説します。

年代別の金融資産額[単身世帯編]の推移

まず、日本の働き世代の独身時代の貯蓄額はどれぐらいなのでしょうか。こちらは国の機関の調査結果がありますので、参考にしてみてください。

20~50代の金融資産額[単身世帯編]の2008年、2015年、2022年における推移

    2008年 2015年 2022年
20代 5種類別金融資産保有額 177万円 379万円 307万円
(うち預貯金) (124万円) (274万円) (152万円)
30代 5種類別金融資産保有額 686万円 825万円 741万円
(うち預貯金) (287万円) (475万円) (327万円)
40代 5種類別金融資産保有額 945万円 1,646万円 1,045万円
(うち預貯金) (405万円) (775万円) (398万円)
50代 5種類別金融資産保有額 1,615万円 1,941万円 1,775万円
(うち預貯金) (671万円) (923万円) (634万円)

こちらを見ると、近年は独身時代の総資産額が2015年より少なくなっており、物価高や増税の影響が感じられます。独身の人の金融資産保有額、貯金額は年代が上がり、年収が上がるにつれて増えていくことが分かります

独身時代の貯金に関するよくある悩み

独身時代の貯金に関する悩みは以下のようなものが代表的です。

  • 結婚したら、独身時代に貯めた貯金は夫婦二人のものになってしまう?
  • 独身時代に貯めた貯金は、結婚後は夫婦の口座に入れた方がいい?
  • 独身時代に貯めた貯金を結婚後、投資にまわした場合、離婚時の財産分与はどうなる?

ほぼ共通していえるのは、独身時代に貯めたお金は、結婚後、夫婦共有の財産になってしまうのか、そして離婚した場合、独身時代に貯めたお金も結婚後の資産と同じように財産分与されてしまうのか、といった悩みです。結論から申し上げると、こちらは全て共有財産になることはありません。詳しく解説致します。

独身時代の貯金は特有財産として扱われる

独身時代の貯金は、特有財産として扱われます。「特有財産」とは、離婚時の財産分与の対象とならない財産です「特有財産」は、独身時代の貯金のほか、自分の親などからの相続財産なども含まれます。

離婚時の財産分与の対象外となる

独身時代の貯金は、離婚時の財産分与の対象外となります。すなわち、全額自分の手元に残ることになります。離婚時の財産分与の対象となるものは、結婚後に夫婦が築き上げた財産です。独身時代の貯金は、自分ひとりで築き上げた財産なので特有財産となります

財産分与の対象となるものとは

前述通り、離婚時に財産分与の対象となるものは、結婚している間、夫婦で築き上げた財産となります。おもな対象となるものは、預貯金、保険金、株式、退職金のほか、不動産、自動車などが挙げられます。

結婚前に配偶者から貯金について聞かれたら

貯金額を言う必要性はない

結婚前に貯金額をわざわざ相手に伝える必要はないでしょう。たしかに、貯金額は、収入だけでなく、生活スタイルや、浪費家か節約家かなどが垣間見えるので、ある意味人間性の一部がわかるとも言えます。気になる方も多いでしょう。ですが、独身時の貯金はそれぞれに認められた貴重な財産ですから、無理に伝える必要はありません。

用途別に銀行口座開設を提案する

結婚後は、銀行口座を用途別に開設することを提案してみましょう。具体的には、生活費用口座・貯蓄用口座などです。生活費用口座には、家賃や食費・光熱費や雑費、そして学費などを入れます。貯蓄用口座は、将来の旅行代や学費、老後資金など家族として貯めておくべき資金の管理用となります。

生活費用口座と貯蓄用口座は、まず毎月入金する金額を決めます。次に夫婦の金額割合を決めましょう。夫婦の金額割合は、収入比にすることで平等性を保てます。たとえば、毎月の手取り額が夫25万円、妻15万円の場合、5:3の比率となります。その比率で生活費用口座に月12万円入金の場合、夫7万5,000円、妻4万5,000円の入金となります。そして、貯蓄用口座に月4万円入金の場合、夫2万5,000円、妻1万5,000円の入金となります。

お互いの給与口座に残ったお金は自由に使えるお金です。昼食代やお小遣いなどのほか、将来のために資産運用をおこなうのもよいでしょう。

独身時代の資産 おすすめの管理・運用方法

独身時代も自己研鑽や娯楽のためなど、色々なタイミングでお金が必要になります。しかし、将来のための資産形成もしておきたい時期です。ここでは、そんな独身時代の資産のおすすめの管理・運用方法をあげていきます。

毎月先取り貯金をする

給料を受け取ったら、まずは手取り収入の20%を貯金にまわしてみましょう。
毎月貯金したいと思った場合、よくあるのが給料日前に残ったお金を貯金にまわす方法です。この方法では貯蓄額が毎月バラバラになりますし、使いすぎた月には貯蓄に回すお金が無いこともあるでしょう。これでは、なかなかお金は貯まりません。

そこでまず手取りの20%を貯金にまわして、残った80%で毎月やりくりしてみましょう。そうすると自然と節約すべきところは節約する習慣が付いて、残ったお金の範囲内で生活していけるようになります。

効率的な資産運用をおこなう

貯金だけでなく、お金自身に働いてもらうことで効率的にお金を増やしてみましょう。初心者におすすめの資産運用の代表例を、貯金と比較してあげてみます。

【貯金:銀行預金のシミュレーション】
1.5万円/月を積立・30年間定期預金・金利0.01%


<シミュレーションの結果>
投資元本・・・540万円
30年後運用結果・・・540万8,086円
増えた金額・・・8,086円

【資産運用:投資信託等での運用シミュレーション】
1.5万円/月を積立・30年間積立運用・利回り3%


<シミュレーションの結果>
投資元本・・・540万円
30年後運用結果・・・874万1,053円
増えた金額・・・334万1,053円

以上のように、効率的な運用をおこなうと、貯金と比較すると30年後の資産額に大きな差が出ます。
しかし投資初心者の場合、どんな投資方法が良いのか判断に迷うことも多いでしょう。そんな方は、この記事を参照してみてください。

資産運用は、若いうちから始める場合とそうでない場合とでは、大きな差が生じます。上記の資産運用シミュレーションは30年間の場合でおこないましたが、5年遅れで開始して25年間おこなった場合とでは、約200万円もの差が出てくるのです(25年後は669万117円)

このように具体的に見てみると、若いうちから資産運用を始めることが大事な理由がわかります。そして、独身時代の資産は離婚時の財産分与の対象外であることも考慮すると、資産運用は若いうちから始めると全額手元に残せるという面でも大きなメリットがあるといえます。
ただし、資産運用にはリスクも付き物です。リスクを把握せずに運用を開始してしまうと、最悪の場合、大きくお金を減らしてしまうということも考えられます。

独身の人におすすめの運用商品

iDeCo・NISA

iDeCoやNISAは、国が効率的な資産運用として推進しており、配当金や分配金、運用益などが非課税となる制度です(NISAは2024年1月より始まる新NISAで恒久的に非課税となります)。この制度を活用した場合のシミュレーションをおこなってみましょう。

【iDeCo・NISAを活用したシミュレーション】


<シミュレーションの条件>
25歳の会社員がiDeCo・NISAを活用した資産運用を始める
iDeCo・つみたてNISAにそれぞれ毎月1万円積立
積立終了65歳(積立期間40年間)
想定運用利回り3%


<シミュレーション結果>
投資元本(積立総額)・・・960万円
40年後運用結果・・・1,852万1,190円
増えた金額・・・892万1,190円

さらに、お金に余裕が出てきたタイミングでiDeCoとつみたてNISAの毎月の掛け金を増やすのも良いでしょう。例えば、30歳から毎月の掛け金をiDeCoとつみたてNISAを合わせて2万円から5万円にすることで、65歳時点の運用資産が約3,840万円になります。

【増額分のシミュレーション】


<シミュレーションの条件>
30歳時から増額
iDeCoの毎月の積立金額を1万円、つみたてNISAを2万円増額
積立終了65歳(積立期間35年間)
想定運用利回り3%


<シミュレーションの結果>
投資元本(積立総額)・・・1,380万円
運用結果・・・1万円
増えた金額・・・1万円

以上により、65歳時のiDeCo・つみたてNISAの資産額は、4043.1万円となります。

不動産投資

独身時代の資産運用として他人資本(融資)を活用し、自己資金が少額ではじめられる不動産投資もおすすめです。不動産投資のシミュレーションを見てみましょう。

【不動産投資シミュレーション】
新築物件(物件価格3,020万円)と中古物件(物件価格2,980万円)を購入


<シミュレーションの条件>
不動産投資開始年齢・・・30歳
物件価格・・・6,000万円(新築物件3,020万円+中古物件2,980万円)
家賃・・・22万円(新築物件、中古物件ともに11万円)
自己資金・・・20万円(新築物件、中古物件ともに10万円)
借入金額・・・5,980万円(新築物件3,010万円+中古物件2,970万円)
借入金利・・・年75%(固定金利)
返済期間・・・35年


<シミュレーションの結果>
月間家賃収入・・・22万円
年間家賃収入・・・264万円
月間返済金額・・・190,509円
年間返済金額・・・2,286,108円
総返済金額・・・8,001万3,949円
表面利回り・・・4%※年間家賃収入264万円÷物件価格6,000万円

65歳時にはローンを完済し、マンション2件約6,000万円の実物資産が残り、翌年以降は、毎月家賃収入がそのまま手元に残るので、年金プラスアルファの老後資金となります。

高配当株

定期的に分配金よる収入が手に入る高配当株も注目されています。今回は、東京証券取引所に上場している企業の中から高配当の銘柄だけで構成された指数に連動する上場投資信託で資産形成する場合のシミュレーションをおこなってみましょう。

【高配当株ETF運用シミュレーション】


<シミュレーションの条件>
初期投資額・・・100万円、投資期間・・・5年
分配利回り・・・10%
増配率・・・5%
株価成長率・・・5%
初期価格・・・1万円
分配金の税率(国内税)3%
分配金は再投資


<シミュレーションの結果>
5年後の年間分配金・・・12万8,844円(税引き後)
5年後の月分配金・・・1万737円(税引き後)
累積投資額・・・137万5,281円(分配金の再投資額も含む)

債券

債券は、国や自治体、企業が発行する借用書のようなものです。投資商品の中では、ローリスクローリターンという位置づけのリスク分類となります。満期までの間、年に1回ないしは2回利払いがおこなわれます。今回は個人向け国債のシミュレーションをおこなってみましょう。

【個人向け国債のシミュレーション】


<シミュレーションの条件>
銘柄・・・個人向け5年固定国債 第149回債
投資金額・・・500万円
利率・・・14%(年2回利払い)
募集価格・・・額面金額100円につき100円
償還価格・・・額面金額100円につき100円


<シミュレーションの結果>
1回の利払いでの受取利息・・・3,500円
償還までの総受取利息・・・3万5,000円(1回の受取利息3,500円×10回)

今回紹介したシミュレーションはリスクを含まないものになっているので、実際に運用をスタートする際には、リスクも含めた詳細なシミュレーションを行うことをおすすめします。

まとめ

今回は、独身時代の貯金が結婚後どうなるのか、そして独身時代のお金の貯め方や資産運用の方法などをお話してきました。独身時代の貯金は、結婚し、その後離婚した場合には、財産分与の対象外となり自分の資産という扱いになります。

ですので、独身時代から万一の時のための貯蓄や、更に資産を増やすために資産運用をしてみましょう。シミュレーションでも結果が出ていますが、資産運用は若いうちから始めた方が効率的な運用ができます。上記の資産運用法を参考にして、明るい未來を築いていただければ幸いです。

ベルテックスでは資産形成にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.11.08

資産運用

ベルテックスコラム事務局

独身時代の貯金、みんなどうしてる?よくある悩みと対策を解説

  • 資産形成

独身時代は結婚した後に比べて、自由にお金を使ったり、貯金や資産運用が行えます。そういった貯金や金融資産について、結婚したらどうなってしまうのか? と不安や心配を抱かれている方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな独身時代の貯金の悩みや、お金の管理方法、将来への資産運用法などをお話していきます。これを読んだ独身の方が、今後、上手な資産運用をするヒントを少しでも得ていただければありがたいです。

独身時代の貯金はどうしている?

現在、独身の方で他の独身の方がどのくらい貯金が出来ているのか気になる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、単身世帯の人が年代別でどのくらい貯金をしているのか、また独身時代の貯金に関する悩みに関して解説します。

年代別の金融資産額[単身世帯編]の推移

まず、日本の働き世代の独身時代の貯蓄額はどれぐらいなのでしょうか。こちらは国の機関の調査結果がありますので、参考にしてみてください。

20~50代の金融資産額[単身世帯編]の2008年、2015年、2022年における推移

    2008年 2015年 2022年
20代 5種類別金融資産保有額 177万円 379万円 307万円
(うち預貯金) (124万円) (274万円) (152万円)
30代 5種類別金融資産保有額 686万円 825万円 741万円
(うち預貯金) (287万円) (475万円) (327万円)
40代 5種類別金融資産保有額 945万円 1,646万円 1,045万円
(うち預貯金) (405万円) (775万円) (398万円)
50代 5種類別金融資産保有額 1,615万円 1,941万円 1,775万円
(うち預貯金) (671万円) (923万円) (634万円)

こちらを見ると、近年は独身時代の総資産額が2015年より少なくなっており、物価高や増税の影響が感じられます。独身の人の金融資産保有額、貯金額は年代が上がり、年収が上がるにつれて増えていくことが分かります

独身時代の貯金に関するよくある悩み

独身時代の貯金に関する悩みは以下のようなものが代表的です。

  • 結婚したら、独身時代に貯めた貯金は夫婦二人のものになってしまう?
  • 独身時代に貯めた貯金は、結婚後は夫婦の口座に入れた方がいい?
  • 独身時代に貯めた貯金を結婚後、投資にまわした場合、離婚時の財産分与はどうなる?

ほぼ共通していえるのは、独身時代に貯めたお金は、結婚後、夫婦共有の財産になってしまうのか、そして離婚した場合、独身時代に貯めたお金も結婚後の資産と同じように財産分与されてしまうのか、といった悩みです。結論から申し上げると、こちらは全て共有財産になることはありません。詳しく解説致します。

独身時代の貯金は特有財産として扱われる

独身時代の貯金は、特有財産として扱われます。「特有財産」とは、離婚時の財産分与の対象とならない財産です「特有財産」は、独身時代の貯金のほか、自分の親などからの相続財産なども含まれます。

離婚時の財産分与の対象外となる

独身時代の貯金は、離婚時の財産分与の対象外となります。すなわち、全額自分の手元に残ることになります。離婚時の財産分与の対象となるものは、結婚後に夫婦が築き上げた財産です。独身時代の貯金は、自分ひとりで築き上げた財産なので特有財産となります

財産分与の対象となるものとは

前述通り、離婚時に財産分与の対象となるものは、結婚している間、夫婦で築き上げた財産となります。おもな対象となるものは、預貯金、保険金、株式、退職金のほか、不動産、自動車などが挙げられます。

結婚前に配偶者から貯金について聞かれたら

貯金額を言う必要性はない

結婚前に貯金額をわざわざ相手に伝える必要はないでしょう。たしかに、貯金額は、収入だけでなく、生活スタイルや、浪費家か節約家かなどが垣間見えるので、ある意味人間性の一部がわかるとも言えます。気になる方も多いでしょう。ですが、独身時の貯金はそれぞれに認められた貴重な財産ですから、無理に伝える必要はありません。

用途別に銀行口座開設を提案する

結婚後は、銀行口座を用途別に開設することを提案してみましょう。具体的には、生活費用口座・貯蓄用口座などです。生活費用口座には、家賃や食費・光熱費や雑費、そして学費などを入れます。貯蓄用口座は、将来の旅行代や学費、老後資金など家族として貯めておくべき資金の管理用となります。

生活費用口座と貯蓄用口座は、まず毎月入金する金額を決めます。次に夫婦の金額割合を決めましょう。夫婦の金額割合は、収入比にすることで平等性を保てます。たとえば、毎月の手取り額が夫25万円、妻15万円の場合、5:3の比率となります。その比率で生活費用口座に月12万円入金の場合、夫7万5,000円、妻4万5,000円の入金となります。そして、貯蓄用口座に月4万円入金の場合、夫2万5,000円、妻1万5,000円の入金となります。

お互いの給与口座に残ったお金は自由に使えるお金です。昼食代やお小遣いなどのほか、将来のために資産運用をおこなうのもよいでしょう。

独身時代の資産 おすすめの管理・運用方法

独身時代も自己研鑽や娯楽のためなど、色々なタイミングでお金が必要になります。しかし、将来のための資産形成もしておきたい時期です。ここでは、そんな独身時代の資産のおすすめの管理・運用方法をあげていきます。

毎月先取り貯金をする

給料を受け取ったら、まずは手取り収入の20%を貯金にまわしてみましょう。
毎月貯金したいと思った場合、よくあるのが給料日前に残ったお金を貯金にまわす方法です。この方法では貯蓄額が毎月バラバラになりますし、使いすぎた月には貯蓄に回すお金が無いこともあるでしょう。これでは、なかなかお金は貯まりません。

そこでまず手取りの20%を貯金にまわして、残った80%で毎月やりくりしてみましょう。そうすると自然と節約すべきところは節約する習慣が付いて、残ったお金の範囲内で生活していけるようになります。

効率的な資産運用をおこなう

貯金だけでなく、お金自身に働いてもらうことで効率的にお金を増やしてみましょう。初心者におすすめの資産運用の代表例を、貯金と比較してあげてみます。

【貯金:銀行預金のシミュレーション】
1.5万円/月を積立・30年間定期預金・金利0.01%


<シミュレーションの結果>
投資元本・・・540万円
30年後運用結果・・・540万8,086円
増えた金額・・・8,086円

【資産運用:投資信託等での運用シミュレーション】
1.5万円/月を積立・30年間積立運用・利回り3%


<シミュレーションの結果>
投資元本・・・540万円
30年後運用結果・・・874万1,053円
増えた金額・・・334万1,053円

以上のように、効率的な運用をおこなうと、貯金と比較すると30年後の資産額に大きな差が出ます。
しかし投資初心者の場合、どんな投資方法が良いのか判断に迷うことも多いでしょう。そんな方は、この記事を参照してみてください。

資産運用は、若いうちから始める場合とそうでない場合とでは、大きな差が生じます。上記の資産運用シミュレーションは30年間の場合でおこないましたが、5年遅れで開始して25年間おこなった場合とでは、約200万円もの差が出てくるのです(25年後は669万117円)

このように具体的に見てみると、若いうちから資産運用を始めることが大事な理由がわかります。そして、独身時代の資産は離婚時の財産分与の対象外であることも考慮すると、資産運用は若いうちから始めると全額手元に残せるという面でも大きなメリットがあるといえます。
ただし、資産運用にはリスクも付き物です。リスクを把握せずに運用を開始してしまうと、最悪の場合、大きくお金を減らしてしまうということも考えられます。

独身の人におすすめの運用商品

iDeCo・NISA

iDeCoやNISAは、国が効率的な資産運用として推進しており、配当金や分配金、運用益などが非課税となる制度です(NISAは2024年1月より始まる新NISAで恒久的に非課税となります)。この制度を活用した場合のシミュレーションをおこなってみましょう。

【iDeCo・NISAを活用したシミュレーション】


<シミュレーションの条件>
25歳の会社員がiDeCo・NISAを活用した資産運用を始める
iDeCo・つみたてNISAにそれぞれ毎月1万円積立
積立終了65歳(積立期間40年間)
想定運用利回り3%


<シミュレーション結果>
投資元本(積立総額)・・・960万円
40年後運用結果・・・1,852万1,190円
増えた金額・・・892万1,190円

さらに、お金に余裕が出てきたタイミングでiDeCoとつみたてNISAの毎月の掛け金を増やすのも良いでしょう。例えば、30歳から毎月の掛け金をiDeCoとつみたてNISAを合わせて2万円から5万円にすることで、65歳時点の運用資産が約3,840万円になります。

【増額分のシミュレーション】


<シミュレーションの条件>
30歳時から増額
iDeCoの毎月の積立金額を1万円、つみたてNISAを2万円増額
積立終了65歳(積立期間35年間)
想定運用利回り3%


<シミュレーションの結果>
投資元本(積立総額)・・・1,380万円
運用結果・・・1万円
増えた金額・・・1万円

以上により、65歳時のiDeCo・つみたてNISAの資産額は、4043.1万円となります。

不動産投資

独身時代の資産運用として他人資本(融資)を活用し、自己資金が少額ではじめられる不動産投資もおすすめです。不動産投資のシミュレーションを見てみましょう。

【不動産投資シミュレーション】
新築物件(物件価格3,020万円)と中古物件(物件価格2,980万円)を購入


<シミュレーションの条件>
不動産投資開始年齢・・・30歳
物件価格・・・6,000万円(新築物件3,020万円+中古物件2,980万円)
家賃・・・22万円(新築物件、中古物件ともに11万円)
自己資金・・・20万円(新築物件、中古物件ともに10万円)
借入金額・・・5,980万円(新築物件3,010万円+中古物件2,970万円)
借入金利・・・年75%(固定金利)
返済期間・・・35年


<シミュレーションの結果>
月間家賃収入・・・22万円
年間家賃収入・・・264万円
月間返済金額・・・190,509円
年間返済金額・・・2,286,108円
総返済金額・・・8,001万3,949円
表面利回り・・・4%※年間家賃収入264万円÷物件価格6,000万円

65歳時にはローンを完済し、マンション2件約6,000万円の実物資産が残り、翌年以降は、毎月家賃収入がそのまま手元に残るので、年金プラスアルファの老後資金となります。

高配当株

定期的に分配金よる収入が手に入る高配当株も注目されています。今回は、東京証券取引所に上場している企業の中から高配当の銘柄だけで構成された指数に連動する上場投資信託で資産形成する場合のシミュレーションをおこなってみましょう。

【高配当株ETF運用シミュレーション】


<シミュレーションの条件>
初期投資額・・・100万円、投資期間・・・5年
分配利回り・・・10%
増配率・・・5%
株価成長率・・・5%
初期価格・・・1万円
分配金の税率(国内税)3%
分配金は再投資


<シミュレーションの結果>
5年後の年間分配金・・・12万8,844円(税引き後)
5年後の月分配金・・・1万737円(税引き後)
累積投資額・・・137万5,281円(分配金の再投資額も含む)

債券

債券は、国や自治体、企業が発行する借用書のようなものです。投資商品の中では、ローリスクローリターンという位置づけのリスク分類となります。満期までの間、年に1回ないしは2回利払いがおこなわれます。今回は個人向け国債のシミュレーションをおこなってみましょう。

【個人向け国債のシミュレーション】


<シミュレーションの条件>
銘柄・・・個人向け5年固定国債 第149回債
投資金額・・・500万円
利率・・・14%(年2回利払い)
募集価格・・・額面金額100円につき100円
償還価格・・・額面金額100円につき100円


<シミュレーションの結果>
1回の利払いでの受取利息・・・3,500円
償還までの総受取利息・・・3万5,000円(1回の受取利息3,500円×10回)

今回紹介したシミュレーションはリスクを含まないものになっているので、実際に運用をスタートする際には、リスクも含めた詳細なシミュレーションを行うことをおすすめします。

まとめ

今回は、独身時代の貯金が結婚後どうなるのか、そして独身時代のお金の貯め方や資産運用の方法などをお話してきました。独身時代の貯金は、結婚し、その後離婚した場合には、財産分与の対象外となり自分の資産という扱いになります。

ですので、独身時代から万一の時のための貯蓄や、更に資産を増やすために資産運用をしてみましょう。シミュレーションでも結果が出ていますが、資産運用は若いうちから始めた方が効率的な運用ができます。上記の資産運用法を参考にして、明るい未來を築いていただければ幸いです。

ベルテックスでは資産形成にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。