2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

レバレッジとは?初心者でもわかりやすく解説

  • はじめ方・基礎知識
  • レバレッジ

皆さんは「レバレッジ」という言葉をご存知でしょうか? 聞いたことがあるけど、どんな意味なのか分からないという方や、なんとなく危ないイメージがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

そんなレバレッジですが、きちんと学べば投資効率が上がる可能性があります。今回は、レバレッジについて、初心者でもわかりやすく解説していきます。

レバレッジの定義

まずはレバレッジとは、どんなものなのか詳しく紹介していきます。

レバレッジの由来

レバレッジの由来は「レバー=てこ(梃子)」から来ています。直訳すると 「レバレッジ=梃子作用、てこの原理」と訳されます。意味は小さな力で大きなものを動かすことができる「仕組み」を意味します。

レバレッジとは他人資本ありきのもの

会社を立ち上げる時には資本金(自己資本)が必要ですが、より規模の大きなビジネスを行う場合は社債を発行して資金を調達したり、銀行から借り入れを行ったりします。つまり他人のお金(他人資本)を増大させていきます。このように他人資本の増加によってビジネスを拡大させることを、「レバレッジを利かせる」と呼びます。

「レバレッジ比率」とは、「他人資本÷自己資本」の計算式で算出され、値が大きい方が「レバレッジ比率が高い」と言えます。レバレッジは自己資本ではなく、銀行などで資金調達をする他人資本ありきで成り立つものになります。

投資におけるレバレッジとは

投資の世界でレバレッジは、自己資金よりも多くの資金を借りて投資することで利益や損失の倍率を高めることを指します。他の投資方法と比較するとリスクが高い投資法であるため、あらかじめ自分のリスク許容量を知ることが大事となってきます。

FX(外国為替証拠金取引)

FXとは、ある国の通貨(お金)を別の国の通貨に交換することです。日本でFXは「外国為替証拠金取引」とも呼ばれており、取引額の一部に相当する証拠金を預けるだけで「外国為替」の取引を行えるのが特徴です。これは、少額で大きな金額の取引ができることを指しており、「レバレッジ効果」を活用した投資になります。
FXで得られる利益には二つあり、一つは為替レートが期待していた方向に変動したタイミングで再び両替する際に得られる「為替差益」です。もう一つの「スワップ収益」は金利と似た性質を持っており、政策金利(中央銀行にお金を貸す際の金利)が低金利の国の通貨を売って、高金利の国の通貨を買うことで利益が得られます。

FXのメリットはレバレッジを利かせれば少額で取引できることや、平日ほぼ24時間取引できること、「買い」と「売り」の両方から取引を始めることができるため、相場の上昇局面と下落局面で利益を得られる可能性があります。
FXのデメリットは相場の急変動によって短時間に大きな損失が出るリスクがあることや、預け入れた額以上の損失が出る可能性があること、世界中の市場/投資家の動きが影響するために先を見通すのが難しいことです。

レバレッジの計算例

例えば、証拠金10万円、取引金額150万円とすると、150万円÷10万円=15倍となります。
この15倍がレバレッジです。

先物取引

先物取引とは、ある商品(原資産)を、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引のことを指します。先物取引は価格の変動があるものを一定の値段で売買できるため、価格変動の影響を避けるための手段(リスクヘッジ)として利用されています。
また、価格変動を利用して「価格が上がる」と考えれば買いから入って、「下がる」と考えれば売りから入り、期日までに反対に売買していくことで、利益を得られます。
先物取引のメリットはレバレッジを効かせることで、少額の資金から取引ができることや、短期間で利益を生み出せること、前もって売買の価格を決めておくことで価格変動リスクを回避できます。

しかし、先物取引は大きな損失を抱える可能性があることや、追加の証拠金を差し入れる場合があること、元本及び利益が保証されないなどのリスクも伴います。先物取引では、契約時に必要な保証金は契約額の数パーセントから数十パーセント程度で、レバレッジをかけるために借りた資金に対しても金利がかかりますので、レバレッジの分だけ収益率に差が出ます。
先物取引は相場が思惑と逆に動いた場合、証拠金以上の損失がでる可能性もあるため、注意が必要です。

仮想通貨

仮想通貨とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値のことです。代金の支払い等に使用でき、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できます。代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。仮想通貨のメリットは購入や換金、投資、取引所の利用がいつでも可能であることや、海外への送金・決済が手軽であることです。
通常、国をまたいだ送金をする場合、銀行を使って送金することが多いですが、着金まで2〜7営業日の時間がかかります。しかし、仮想通貨を利用すればすぐに着金できますし、24時間365日対応しています。仮想通貨のデメリットは価格変動が激しいことや、ネット限定での取引であること、仮想通貨を使える場所が限られていることです。
日本の仮想通貨事業者におけるレバレッジ倍率は最大2倍までと法令で定められています。一方で、海外の仮想通貨取引所では100倍以上のレバレッジ倍率を導入している取引所もあります。
仮想通貨のレバレッジには貸出手数料がかかります。まずは利用者と仮想通貨取引所の間で消費貸借契約を結び、利用者が仮想通貨を仮想通貨取引所へ一定期間貸し付けます。その後、契約期間が満了すると仮想通貨取引所は借り受けた仮想通貨を利用者へ返却し、借り受けた数量と期間に応じた貸借料を支払うという仕組みです。

不動産投資

不動産投資におけるレバレッジ効果は「少ない自己資金でより大きな利益を得る」ことです。自己資金(自己資本)と住宅ローンや不動産担保ローンなどの借入金(他人資本)を併用した場合に高いレバレッジ効果が出ます。

例えば、自己資金1,000万円で不動産投資を始めるとすると、レバレッジを効かせない場合、上図の通り自己資金1000万円で借入を行わず1,000万円の物件を購入します。
この物件の利回りが10%であれば年間で得られる家賃収入は、年間家賃収入=1,000万円×10%=100万円となります。
レバレッジを効かせた場合は、自己資金1,000万円に加えて銀行からお金を借りて5,000万円の物件を購入するとします。
この物件が利回10%の場合、年間の家賃収入は、年間家賃収入=5,000万円×10%=500万円となります。
利息分を考えると、金利3%で4,000万円の借入を行っているとすると、利息=4,000万円×3%=120万円となります。
この利息を差し引くと、実質の年間収入は、実質年間収入=500万円-120万円=380万円となります。

ただし、レバレッジ効果を効かせて不動産投資を行う際には、「逆レバレッジ」に注意する必要があります。逆レバレッジとは、利回りよりも金利が高くなってしまうことです。そのため、ローンを吟味したり、そもそも利回りが落ちにくい物件を選んだりする必要があります。

レバレッジのメリットとデメリット

それぞれの投資方法によるレバレッジの意味を知れたところで、次はレバレッジのメリットとデメリットについて、詳しく紹介していきます。

メリット

レバレッジのメリットは、自己資金が少なくても大きな取引と利益を期待できる点です。 自己資金10万円で100倍のレバレッジをかけると、1,000万円分の取引を行えるなど、担保である証拠金の何倍もの金額を取引が出来ます。
また、レバレッジ取引は新規の売り注文から取引ができるため、下落相場でも利益を狙うことができます。
売り注文からの取引は、保証金となる手元資金を証券会社や仮想通貨取引所に預け、その担保を元に売りから取引をすることを指します。レバレッジ取引は買いと売りの両方から取引できるため、どのような相場でも利益を狙えるのが強みです。

デメリット

レバレッジのデメリットは失敗した場合に大きな損失があるため、借金をする可能性があることです。少ない元手で大きな金額の取引をできる分、大きな利益を見込めると同時に失敗した時の損失は非常に大きいです。
例えば元手が100万円の場合、3倍のレバレッジ取引を行うと300万円まで取引を行えますが、300万円分の株式を購入したら、その株式が10%値下がりすると30万円の損失を抱えます。
一方、レバレッジ取引をせずに100万円分同じ株式を購入していれば、損失は10万円で済みます。莫大な損失を背負った場合は借金をしてでも返さなければいけなくなる場合もあります。

また、損失が膨らむと追証と呼ばれる、追加で証拠金を入金しなければならない可能性があります。こちらも追証を支払うために貯金を崩したり、借金を背負ったりする可能性もあります。急激に相場が変動してしまい、証拠金不足が原因でロスカットされてしまう可能性があるのもデメリットのひとつです。
大きな額を扱える分、ハイリスク・ハイリターンになることがレバレッジ取引の特徴と言えるでしょう。

レバレッジをかける際に気をつけること

レバレッジのメリットとデメリットが分かったところで、最後はレバレッジをかける際に気を付けることを詳しく紹介していきます。

高レバレッジに飛びつかない

確かに高レバレッジであれば、大きな利益を見込める可能性はありますが、同時に大損する可能性もあります。
海外では100倍以上のレバレッジを効かせられる商品もあるので、海外の業者を使えば高レバレッジで取引できるようになります。
しかし、相場を読む力や取引スキルが無ければ、たとえ高レバレッジで取引出来るようになっても利益を見込めるどころか、大きな損失を出すリスクも高いです。

損切りルールを決める

投資は会社経営と同じ考えであり、利益を出すことが目的です。まずは自分が損失しても問題ないと思える許容ラインを明確にしていきます。損失を抱えているにもかかわらず、事態が好転するかもと「もう少し様子をみよう」などと思ってしまうのは危険な状態です。
あらかじめ設定した許容ラインを超えたら手を引いて損切りをしていくべきです。損切りのタイミングを失うと、含み損がどんどん増えてしまい、いつまで経っても売却できなくなる最悪の状況に陥ります。
たとえ損失が出たとしても、損切りのラインを決めておくのと決めておかないのとでは、取引する上での心持ちが違ってきます。

大きな額を扱える点がメリットのレバレッジですが、その特性上ハイリスク・ハイリターンなことが多いです。ただし、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの商品です。
不動産投資も他人資本を使って物件を購入しますが、他のレバレッジを活用した投資商品と違い、一日で相場が変わる、といったような大きな額の変動はありません。入居者らの家賃でローンを返済していけることが他の投資との大きな違いです。性質上、こつこつ積み立てる投資のようにローン返済をしながら、大きな額を使って利益を得ることができます。不動産投資についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照下さい。

まとめ

今回は、レバレッジについて、初心者にも分かりやすいように解説してきました。レバレッジは少ない運用額で何倍もの大きな金額を取引できますが、あくまで自己資本ではないということを忘れてはいけません。他人資本である限りは借りた額を返さなければなりません。
また、レバレッジは投資方法によって意味合いが異なりますが、どの投資方法も高レバレッジ・高利回りだからといって飛びつくことは危険を伴います。確かに少ない運用額で大きな利益を見込める可能性はありますが、同時に大きな損失を抱えるリスクも高いからです。
レバレッジは他人資本ですから、損をした場合は借金が増えていく一方となります。その点、不動産投資は他人資本の家賃収入で返済しながら運用が可能で、老後に向けた資産形成にぴったりの投資方法です。

投資初心者でも運用を専門家に任せれば、安心して着実に資産形成していけます。ただし、不動産投資でも、入居者がいないと収益性が下がり、運用が難しくなってしまう可能性もあります。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.02.29

資産運用

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レバレッジとは?初心者でもわかりやすく解説

  • はじめ方・基礎知識
  • レバレッジ

皆さんは「レバレッジ」という言葉をご存知でしょうか? 聞いたことがあるけど、どんな意味なのか分からないという方や、なんとなく危ないイメージがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

そんなレバレッジですが、きちんと学べば投資効率が上がる可能性があります。今回は、レバレッジについて、初心者でもわかりやすく解説していきます。

レバレッジの定義

まずはレバレッジとは、どんなものなのか詳しく紹介していきます。

レバレッジの由来

レバレッジの由来は「レバー=てこ(梃子)」から来ています。直訳すると 「レバレッジ=梃子作用、てこの原理」と訳されます。意味は小さな力で大きなものを動かすことができる「仕組み」を意味します。

レバレッジとは他人資本ありきのもの

会社を立ち上げる時には資本金(自己資本)が必要ですが、より規模の大きなビジネスを行う場合は社債を発行して資金を調達したり、銀行から借り入れを行ったりします。つまり他人のお金(他人資本)を増大させていきます。このように他人資本の増加によってビジネスを拡大させることを、「レバレッジを利かせる」と呼びます。

「レバレッジ比率」とは、「他人資本÷自己資本」の計算式で算出され、値が大きい方が「レバレッジ比率が高い」と言えます。レバレッジは自己資本ではなく、銀行などで資金調達をする他人資本ありきで成り立つものになります。

投資におけるレバレッジとは

投資の世界でレバレッジは、自己資金よりも多くの資金を借りて投資することで利益や損失の倍率を高めることを指します。他の投資方法と比較するとリスクが高い投資法であるため、あらかじめ自分のリスク許容量を知ることが大事となってきます。

FX(外国為替証拠金取引)

FXとは、ある国の通貨(お金)を別の国の通貨に交換することです。日本でFXは「外国為替証拠金取引」とも呼ばれており、取引額の一部に相当する証拠金を預けるだけで「外国為替」の取引を行えるのが特徴です。これは、少額で大きな金額の取引ができることを指しており、「レバレッジ効果」を活用した投資になります。
FXで得られる利益には二つあり、一つは為替レートが期待していた方向に変動したタイミングで再び両替する際に得られる「為替差益」です。もう一つの「スワップ収益」は金利と似た性質を持っており、政策金利(中央銀行にお金を貸す際の金利)が低金利の国の通貨を売って、高金利の国の通貨を買うことで利益が得られます。

FXのメリットはレバレッジを利かせれば少額で取引できることや、平日ほぼ24時間取引できること、「買い」と「売り」の両方から取引を始めることができるため、相場の上昇局面と下落局面で利益を得られる可能性があります。
FXのデメリットは相場の急変動によって短時間に大きな損失が出るリスクがあることや、預け入れた額以上の損失が出る可能性があること、世界中の市場/投資家の動きが影響するために先を見通すのが難しいことです。

レバレッジの計算例

例えば、証拠金10万円、取引金額150万円とすると、150万円÷10万円=15倍となります。
この15倍がレバレッジです。

先物取引

先物取引とは、ある商品(原資産)を、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引のことを指します。先物取引は価格の変動があるものを一定の値段で売買できるため、価格変動の影響を避けるための手段(リスクヘッジ)として利用されています。
また、価格変動を利用して「価格が上がる」と考えれば買いから入って、「下がる」と考えれば売りから入り、期日までに反対に売買していくことで、利益を得られます。
先物取引のメリットはレバレッジを効かせることで、少額の資金から取引ができることや、短期間で利益を生み出せること、前もって売買の価格を決めておくことで価格変動リスクを回避できます。

しかし、先物取引は大きな損失を抱える可能性があることや、追加の証拠金を差し入れる場合があること、元本及び利益が保証されないなどのリスクも伴います。先物取引では、契約時に必要な保証金は契約額の数パーセントから数十パーセント程度で、レバレッジをかけるために借りた資金に対しても金利がかかりますので、レバレッジの分だけ収益率に差が出ます。
先物取引は相場が思惑と逆に動いた場合、証拠金以上の損失がでる可能性もあるため、注意が必要です。

仮想通貨

仮想通貨とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値のことです。代金の支払い等に使用でき、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できます。代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。仮想通貨のメリットは購入や換金、投資、取引所の利用がいつでも可能であることや、海外への送金・決済が手軽であることです。
通常、国をまたいだ送金をする場合、銀行を使って送金することが多いですが、着金まで2〜7営業日の時間がかかります。しかし、仮想通貨を利用すればすぐに着金できますし、24時間365日対応しています。仮想通貨のデメリットは価格変動が激しいことや、ネット限定での取引であること、仮想通貨を使える場所が限られていることです。
日本の仮想通貨事業者におけるレバレッジ倍率は最大2倍までと法令で定められています。一方で、海外の仮想通貨取引所では100倍以上のレバレッジ倍率を導入している取引所もあります。
仮想通貨のレバレッジには貸出手数料がかかります。まずは利用者と仮想通貨取引所の間で消費貸借契約を結び、利用者が仮想通貨を仮想通貨取引所へ一定期間貸し付けます。その後、契約期間が満了すると仮想通貨取引所は借り受けた仮想通貨を利用者へ返却し、借り受けた数量と期間に応じた貸借料を支払うという仕組みです。

不動産投資

不動産投資におけるレバレッジ効果は「少ない自己資金でより大きな利益を得る」ことです。自己資金(自己資本)と住宅ローンや不動産担保ローンなどの借入金(他人資本)を併用した場合に高いレバレッジ効果が出ます。

例えば、自己資金1,000万円で不動産投資を始めるとすると、レバレッジを効かせない場合、上図の通り自己資金1000万円で借入を行わず1,000万円の物件を購入します。
この物件の利回りが10%であれば年間で得られる家賃収入は、年間家賃収入=1,000万円×10%=100万円となります。
レバレッジを効かせた場合は、自己資金1,000万円に加えて銀行からお金を借りて5,000万円の物件を購入するとします。
この物件が利回10%の場合、年間の家賃収入は、年間家賃収入=5,000万円×10%=500万円となります。
利息分を考えると、金利3%で4,000万円の借入を行っているとすると、利息=4,000万円×3%=120万円となります。
この利息を差し引くと、実質の年間収入は、実質年間収入=500万円-120万円=380万円となります。

ただし、レバレッジ効果を効かせて不動産投資を行う際には、「逆レバレッジ」に注意する必要があります。逆レバレッジとは、利回りよりも金利が高くなってしまうことです。そのため、ローンを吟味したり、そもそも利回りが落ちにくい物件を選んだりする必要があります。

レバレッジのメリットとデメリット

それぞれの投資方法によるレバレッジの意味を知れたところで、次はレバレッジのメリットとデメリットについて、詳しく紹介していきます。

メリット

レバレッジのメリットは、自己資金が少なくても大きな取引と利益を期待できる点です。 自己資金10万円で100倍のレバレッジをかけると、1,000万円分の取引を行えるなど、担保である証拠金の何倍もの金額を取引が出来ます。
また、レバレッジ取引は新規の売り注文から取引ができるため、下落相場でも利益を狙うことができます。
売り注文からの取引は、保証金となる手元資金を証券会社や仮想通貨取引所に預け、その担保を元に売りから取引をすることを指します。レバレッジ取引は買いと売りの両方から取引できるため、どのような相場でも利益を狙えるのが強みです。

デメリット

レバレッジのデメリットは失敗した場合に大きな損失があるため、借金をする可能性があることです。少ない元手で大きな金額の取引をできる分、大きな利益を見込めると同時に失敗した時の損失は非常に大きいです。
例えば元手が100万円の場合、3倍のレバレッジ取引を行うと300万円まで取引を行えますが、300万円分の株式を購入したら、その株式が10%値下がりすると30万円の損失を抱えます。
一方、レバレッジ取引をせずに100万円分同じ株式を購入していれば、損失は10万円で済みます。莫大な損失を背負った場合は借金をしてでも返さなければいけなくなる場合もあります。

また、損失が膨らむと追証と呼ばれる、追加で証拠金を入金しなければならない可能性があります。こちらも追証を支払うために貯金を崩したり、借金を背負ったりする可能性もあります。急激に相場が変動してしまい、証拠金不足が原因でロスカットされてしまう可能性があるのもデメリットのひとつです。
大きな額を扱える分、ハイリスク・ハイリターンになることがレバレッジ取引の特徴と言えるでしょう。

レバレッジをかける際に気をつけること

レバレッジのメリットとデメリットが分かったところで、最後はレバレッジをかける際に気を付けることを詳しく紹介していきます。

高レバレッジに飛びつかない

確かに高レバレッジであれば、大きな利益を見込める可能性はありますが、同時に大損する可能性もあります。
海外では100倍以上のレバレッジを効かせられる商品もあるので、海外の業者を使えば高レバレッジで取引できるようになります。
しかし、相場を読む力や取引スキルが無ければ、たとえ高レバレッジで取引出来るようになっても利益を見込めるどころか、大きな損失を出すリスクも高いです。

損切りルールを決める

投資は会社経営と同じ考えであり、利益を出すことが目的です。まずは自分が損失しても問題ないと思える許容ラインを明確にしていきます。損失を抱えているにもかかわらず、事態が好転するかもと「もう少し様子をみよう」などと思ってしまうのは危険な状態です。
あらかじめ設定した許容ラインを超えたら手を引いて損切りをしていくべきです。損切りのタイミングを失うと、含み損がどんどん増えてしまい、いつまで経っても売却できなくなる最悪の状況に陥ります。
たとえ損失が出たとしても、損切りのラインを決めておくのと決めておかないのとでは、取引する上での心持ちが違ってきます。

大きな額を扱える点がメリットのレバレッジですが、その特性上ハイリスク・ハイリターンなことが多いです。ただし、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの商品です。
不動産投資も他人資本を使って物件を購入しますが、他のレバレッジを活用した投資商品と違い、一日で相場が変わる、といったような大きな額の変動はありません。入居者らの家賃でローンを返済していけることが他の投資との大きな違いです。性質上、こつこつ積み立てる投資のようにローン返済をしながら、大きな額を使って利益を得ることができます。不動産投資についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照下さい。

まとめ

今回は、レバレッジについて、初心者にも分かりやすいように解説してきました。レバレッジは少ない運用額で何倍もの大きな金額を取引できますが、あくまで自己資本ではないということを忘れてはいけません。他人資本である限りは借りた額を返さなければなりません。
また、レバレッジは投資方法によって意味合いが異なりますが、どの投資方法も高レバレッジ・高利回りだからといって飛びつくことは危険を伴います。確かに少ない運用額で大きな利益を見込める可能性はありますが、同時に大きな損失を抱えるリスクも高いからです。
レバレッジは他人資本ですから、損をした場合は借金が増えていく一方となります。その点、不動産投資は他人資本の家賃収入で返済しながら運用が可能で、老後に向けた資産形成にぴったりの投資方法です。

投資初心者でも運用を専門家に任せれば、安心して着実に資産形成していけます。ただし、不動産投資でも、入居者がいないと収益性が下がり、運用が難しくなってしまう可能性もあります。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。