2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

不動産投資とリート(REIT)ならどっち?資産5,000万円を作る方法

  • 資産形成
  • 不動産投資

リート(REIT)と不動産投資は、どちらも不動産に関連する投資ですが、異なる特徴を持ちます。リート(REIT)は少額から手軽に始められるというメリットがあり、実物の不動産投資はリスクが大きい代わりに大きなリターンを狙えるというメリットがあります。
それぞれの特徴や違いを踏まえて自分の向き不向きを判断し、資産形成に活かしましょう。この記事では、リート(REIT)と不動産投資を徹底比較し、資産5,000万円を作るための方法を具体的にシミュレーションします。

リート(REIT)と不動産投資のどちらを始めるべきか悩んでいる方や、不動産が好きで投資しながら資産形成をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

リート(REIT)とは

リート(REIT)とは、「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」と呼ばれている金融商品です。簡単に言うと、不動産を証券化し、売買しやすくした商品です。
リートでは、投資家から集めたお金は、テナントやマンション、商業施設などの不動産に投資されます。そして投資先の不動産から得られる家賃収入や売却益を分配金として投資家へ還元するという仕組みとなっています。投資家はリートへの投資を通じて、少額からでもさまざまな不動産の間接的なオーナーになれます。

リートはアメリカで生まれた仕組みで、日本のリート(REIT)はJAPANのJを頭につけて「J-REIT」と呼ばれます。 
リート(REIT)は、証券取引所に上場しています。日本で初めてJ-REITが上場したのは、2001年です。上場されている株式を発行している企業が「法人」であるように、 リート(REIT)も「不動産投資法人」という「法人」という形を取り、上場企業が「株券」を発行して売買されているように、リート(REIT)は、「投資証券」を発行して売買されます。
リート(REIT)は、株式と同様に東証の取引時間内で売買でき、価格も随時変動するのです。そのため、リート(REIT)には実物の不動産投資と比べて流動性が高く、換金しやすいという特徴があります。

リート(REIT)と不動産投資の違い

続いては、リート(REIT)と不動産投資との違いをみていきましょう。

不動産の所有権

リート(REIT) 不動産投資法人が所有権を持ち、投資家には所有権がない
不動産投資 投資家に所有権がある

リート(REIT)では基本的に不動産の所有権がなく、登記上も投資家の名前が記載されることはありません。一方、不動産投資では投資家に所有権があり、所有者として登記されます。

投資で得られる利益

リート(REIT) 分配金、売却益
不動産投資 家賃収入、売却益

リート(REIT)では、不動産投資法人から分配金を得られます。一方、不動産投資では家賃収入から固定資産税や火災保険料、管理費などの経費を差し引いた利益が手元に残ります。どちらも、売却時に購入価格を上回れば売却益を得られます。

所得の種類

  所得の種類 給与所得との損益通算
リート(REIT) 配当所得、譲渡所得 ×
不動産投資 不動産所得、譲渡所得

 

分配金は配当所得となり、税率は一律約20%です。特定口座なら証券会社が税金を徴収してくれるため、自分で確定申告をする必要はありません。一方、不動産投資では家賃収入や経費を記録し、不動産所得として毎年確定申告をする必要があります。

平均的な利回り

  平均的な利回り
リート(REIT) 想定利回り 2~6%
不動産投資 表面利回り 5~15%

 

利回りは商品や不動産によって大きく変わりますが、リート(REIT)では投資先の選定や管理を投資法人に任せることから、利回りはやや低くなる傾向があります。

リート(REIT)はどんな人がやっている?

リート(REIT)はどんな人が取引しているのでしょうか?日本取引所グループが発表した2023年2月の所有者別投資主数の割合をみてみましょう。

2023年2月所有者別投資主割合(%)

  投資主割合
政府・地方公共団体 0.0%
金融機関計 0.8%
事業法人等 1.8%
外国法人等 1.9%
個人・その他 95.4%

この結果より、投資主のほとんどが個人投資家であることが読み取れます。リート(REIT)の利回りは2~6%と金融機関の預貯金金利より高く、高く安定した分配金を求めて投資する方が多いと思われます。

リート(REIT)(国内・海外)の特徴         

リート(REIT) は日本でも海外でも売買されています。これらの特徴を表も交えながらみていきましょう。

  国内リート(REIT) 海外リート(REIT)
リアルタイムでの取引 しやすい しにくい
情報の入手 しやすい しにくい
取扱銘柄数 少ない 多い
利回り 低い 高い

 

取引のしやすさ

取引のしやすさは圧倒的に国内リート(REIT)に軍配が上がります。東証の取引時間である9:00~11:30と12:30~15:00に売買でき、リアルタイムで取引が可能です。
欲しい銘柄があるときに素早く購入できることは、投資家にとって大きなメリットといえるでしょう。ネット証券を使えば、タブレットやスマートフォンを使って、仕事や家事の休憩時間に気に入った銘柄を買うこともできます。

一方、海外リート(REIT)は個別銘柄の取引ができません。購入するには、数銘柄がパックになっているETFとなります。
海外リート(REIT)を個別銘柄で買うためには、現地の証券口座を開設しなければなりません。かといってETFを購入すると、欲しい銘柄以外の銘柄も購入することになります。

情報入手のしやすさ

情報の入手も圧倒的に国内リート(REIT)の方がしやすいです。ネットや新聞、雑誌から情報を入れられるほか、投資される不動産を直接見に行くことも可能だからです。収集した情報を分析した上で、納得のいく投資判断ができるでしょう。

一方、海外リート(REIT)の物件の情報は入手しづらく、実物の不動産を見にいくことは容易ではありません。
経済状況や政策動向といった不動産投資に影響を及ぼす可能性のある情報についても、簡単には入手できないことがあります。また、タイムリーな情報を得られず、損失が出てしまう可能性もあります。

取扱銘柄数

取扱銘柄数は日本ではやや少なめです。
J-REIT20周年特集の「世界のREIT市場2021」から、国内外のリート(REIT)の上場銘柄数をみてみましょう。

主な国のリート(REIT)上場銘柄数 2021年3月末

  リート(REIT)上場銘柄数
ブラジル 307
アメリカ 219
スペイン 94
イギリス 87
日本 61
タイ 59
オーストラリア 49

REITは1960年に初めてアメリカで制度化され、2000年以降に急拡大しました。2001年には日本でREIT市場が開設され、2021年には中国も新たに加わり、REITが上場する国は41ヵ国に達しました。
銘柄数はブラジルがアメリカを上回っていますが、時価総額の比率を見ると、アメリカが62.81%と圧倒的な割合を誇っています。なお、日本の時価総額の比率は6.87%で、アメリカに次いで2位となっています。

利回り

リート(REIT)の利回りも国内の銘柄より海外の銘柄の方が高いものがあります。国内リート(REIT)の利回りは、2~6%あたりの銘柄が多いのですが、海外リート(REIT)には10%を超える銘柄も少なくありません。これは国内の金利が低金利政策を継続している一方、海外の金利は上昇傾向にあることも起因しています。
ただし、日本国内の他の投資商品と比べると、J-REITの利回りは高いといえます。一般社団法人不動産証券化協会によると、2023年7月の各商品の利回りは以下のとおりです。

J-REITの平均予想分配金利回り 4.10%
株式の平均配当利回り 2.24%
10年国債の利回り 0.60%

J-REITは、収益の90%超を分配するなど一定の条件を満たせば、実質的には法人税がかかりません。そのため、収益がほぼ分配金として出されるという特徴があり、高利回りにつながっていると考えられます。

リート(REIT) vs 不動産投資を徹底比較

リート(REIT)と不動産投資は、同じ不動産に関わる投資商品ですが、性格は似ている部分、異なる部分さまざまあります。この2つの投資商品にどのような特徴があるのか検証していきましょう。

年金対策

  リート(REIT) 不動産投資
年金対策

お互い年金対策として適した投資商品です。

リート(REIT)は、比較的安定して年利回りが2~6%の分配金が支払われる商品です。利息が乏しい銀行預金代わりにリート(REIT)を購入して年2回の分配金を老後の生活費として活用できます。さらに、 リート(REIT)は、iDeCoの対象商品です。iDeCo の口座を開設している場合、掛金の一部でリート(REIT) を購入することで高い分配金を非課税で得ることができるのは年金対策になります。

不動産投資も年金対策となります。不動産投資は、長期投資を基本としています。若いうちから不動産投資を行っておくと、定年退職前後にローン返済が終わり、その後の家賃収入はすべて生活費などにまわすことができるのです。

インフレ対策

  リート(REIT) 不動産投資
インフレ対策 〇/△

インフレ対策に リート(REIT)は適していますが、商品によってはまちまちといった見方もできます。インフレになると家賃も上昇させる場合があります。家賃を上げることによりリート(REIT)が投資している不動産からの家賃収入が増えるので、投資家への分配金が増えプラスに作用します。

ただ、リート(REIT)を運用する立場だとインフレに伴い不動産価格が上がるので、下がらないうちに物件を売却して利益を確保することが考えられます。そうなると一時的には投資家が得られる分配金は投資物件の売却益も含まれるため増えますが、その後はファンドが他の不動産へ投資しない場合は家賃収入が入らず、分配金を払うことができない可能性も考えられます。

不動産投資は、インフレによって家賃を上げることが可能となります。物価上昇分の家賃収入が得られれば、上昇するであろう管理費の支払いや大規模修繕費の事前積立もスムーズにおこなえます。そしてインフレによって貨幣価値が下がるので借入金の負担が相対的に軽減します。 

節税効果

  リート(REIT) 不動産投資
節税効果

節税効果では不動産投資は直接的に、リート(REIT)は投資に節税効果のある制度を利用して購入すると効果が得られるという点で評価をしました。

リート(REIT)は、それ自体に投資することが節税効果になるわけではありませんが、投資に関して節税効果がある「NISA」や「iDeCo」を利用して購入できる投資商品の中に リート(REIT)が含まれているのです。ですのでリート(REIT)を購入する際に「NISA」を利用したり、iDeCoの投資商品にリート(REIT) を選択すれば節税効果があるともいえます。

不動産投資は、節税効果がある投資商品として知られています。 不動産投資での課税所得の区分けは「不動産所得」となるのですが、確定申告の際、「不動産所得」が家賃の減少や経費の上昇などが理由で赤字になる場合があります。投資家が給与所得者の場合、「給与所得」から「不動産所得」の赤字を差し引くことで、課税所得が減少して所得税と住民税の節税ができるのです。

保険効果

  リート(REIT) 不動産投資
保険効果 ×

リート(REIT)に関しては保険効果が無いといえます。

不動産投資は残された家族への保険代わりになります。不動産投資をおこなう際、多くの場合、ローンを組んで不動産を購入します。その際、「団体信用生命保険」という保険に加入します。この保険はローンの返済中に万が一のことが起きた場合、ローンの残債はこの保険が全額返済してくれるという商品なのです。ですので、残された家族にはローンが完済された不動産が相続されて、その不動産から毎月家賃収入を得ることができます。

下落相場対策

  リート(REIT) 不動産投資
下落相場対策 ×

株式相場の下落が起きた場合、リート(REIT)は連動して下落しやすいといえます。

不動産投資の場合は、家賃収入だけ考えると影響は少ないといえます。不動産価格自体は連動して下落する場合がありますが、不動産投資の目的が不動産価格の上昇での売却益を狙っておこなう場合以外には影響は少ないと言えるでしょう。むしろ相場が下落しても家賃が連動して下がることは少ないので、相対的に考えると下落相場時には効果的な投資方法であるといえます。

再現性

  リート(REIT) 不動産投資
再現性

再現性は、リート(REIT)も不動産投資もあると言えます。しかし注意も必要です。リート(REIT)は比較的安定した分配金を得ることができますが、価格変動があるため高値で購入してしまうと、投資利回りは低くなってしまうことがあります。

そして、不動産投資も物件選びを間違えてしまうと、空室率が上昇してローンの返済に苦労することも考えられます。ですので、資産に余裕がある場合の評価は「〇」ですが、総合的に考えると「△」とさせていただきました。

管理のしやすさ

  リート(REIT) 不動産投資
管理のしやすさ

管理のしやすさはリート(REIT)に軍配が上がります。リート(REIT)は、特に管理するものがありません。日々価格の変動をチェックし、分配金の受け取りを行えばよいです。

一方、不動産投資は、入居者の募集をおこなったり、家賃の滞納があれば督促を、そして入居者からのクレームや要望への対応をおこなわなければなりません。しかし、委託費を支払って管理会社に委託すればその手間からは解放されます。

始めやすさ

  リート(REIT) 不動産投資
始めやすさ

リート(REIT)は、株式と同様、市場で1単元ごとに購入します。銘柄で価格が異なり、10万円以下の銘柄もあれば50万円以上する銘柄もあります。

不動産投資は、物件自体の購入価格は多額の資金が必要ですが、ローンが組めるので資金的には10万円程度の頭金から始められます。ただ物件探しや物件購入の手続き、ローンを組む手続きなどを考えて「△」の評価にしました。

資産5,000万円形成するならリート(REIT) と不動産投資を組み合わせる

今回は、リート(REIT)と海外リート(REIT)、不動産投資で資産を5,000万円にするシミュレーションをおこないます。

5,000万円資産形成シミュレーション

リート(REIT)と海外リート(REIT)については、それぞれを投資先に持つ投資信託で、投資を行うことを想定します。

国内リート(REIT)で運用する投資信託に投資

毎月積立額・・・2万円
積立期間・・・20年
年利回り・・・5%(複利)
20年後の積立額・・・822万673円

海外リート(REIT)で運用する投資信託に積立投資

毎月積立額・・・2万円
積立期間・・・20年
年利回り・・・10%(複利)
20年後の積立額・・・1,518万7,377円

リート(REIT)と海外リート(REIT)に毎月2万円ずつ、合計4万円投資し、上記の年利で20年運用できれば、資産は約2,341万円になります。続いて、実物の不動産投資のシミュレーションをしてみましょう。

不動産投資

不動産投資開始年齢・・・30歳
物件価格・・・2,000万円の区分マンション3室
家賃・・・1室月12万円
諸経費・・・月家賃に対し15%
空室率・・・10%(10ヵ月のうち1ヵ月空室になると想定)
自己資金・・・300万円(3室いずれも100万円ずつ)
借入金額・・・5,700万円(3室いずれも1,900万円ずつ)
借入金利・・・年2%(固定金利)
返済期間・・・30年

以上の条件でシミュレーションを行うと、年間収支は以下のようになります。

年間家賃収入・・・432万円
年間返済金額・・・295万8,084円
年間想定空室率相当額・・・43万2,000円
年間諸経費・・・64万8,000円
年間手取金額・・・28万1,916円

家賃収入から経費を差し引いた利益は324万円で、返済金額を差し引いた手取りは約28万円です。
返済中の手取りは少なく感じるかもしれませんが、30年投資を続ければ、総手取り額は約846万円になります。また、借入金の返済が終われば年間の手取り額は324万円になり、手元資金に余裕が生まれます。
投資効果を考える上で重要な利回りは、上記のシミュレーションのとおりなら以下のようになります。

表面利回り・・・7.2%
※年間家賃収入432万円÷物件価格6,000万円
実質利回り・・・5.4%
※(年間家賃収入432万円-年間想定空室率相当額43万2,000円-年間諸経費64万8,000円)÷物件価格6,000万円
返済後利回り・・・0.5%
※年間手取金額28万1,916万円÷物件価格6,000万円

国内リート(REIT)、海外リート(REIT)、不動産投資を組み合わせて30年投資した場合、シミュレーションどおりの利回りを達成できれば、60歳時点の資産は以下のようになります。

国内リート(REIT)投信・・・822万673円
海外リート(REIT)投信・・・1,518万7,377円
不動産投資家賃収入合計・・・845万7,480円
上記資産合計・・・3,186万5,530円

5,000万円まであと1,813万4,470円で、借入金返済後の不動産投資年間手取り額は324万円なので、5,000万円貯まるまでにかかる年月は約5年7ヵ月です。
あくまでシミュレーションなので、利回りがこのとおりになるとは限りませんが、国内リート(REIT)、海外リート(REIT)、不動産投資を組み合わせれば、資産5,000万円は十分達成できる金額といえます。

不動産投資で抑えておきたい注意事項とは

借入金額には上限がある

不動産投資に伴う借入は、「不動産投資ローン」を利用します。俗に言う「アパートローン」です。
この不動産投資ローンの借入金額には上限が設定されています。この上限は、商品内容として一律で定められている上限、そして本人の属性や投資物件の評価で決められる上限があります。本人の属性は年収や資産額などになりますが、借入限度額は、金融機関ごとに「年収に対して〇倍」と定められていることがあるので注意が必要です。

リート(REIT)の始め方 

リート(REIT)は証券会社を通じて取引できるため、実物の不動産投資と比べると手軽に始めやすいというメリットがあります。現物の不動産投資を考えている方も、まずはリート(REIT)から始めるという選択肢もあるでしょう。
リート(REIT)に投資するには、どんな手順を踏めばよいのでしょうか。5つのステップを見ていきましょう。

1.証券会社に証券口座を開設する

リート(REIT)は株式などと同じように、証券会社を通じて取引します。そのため、まずは証券会社で口座を開設しましょう。
証券会社を選んだら、口座開設を申し込みます。住所等の個人情報を入力し、マイナンバーカードなどの本人確認書類を提出しましょう。
証券会社の口座開設では審査が行われるため、口座開設の完了まで数日を要することがあります。審査に通過して口座開設が完了したら、ログインID等の必要情報が届くので初期設定をしてください。

2.証券口座に入金する

証券会社で口座を開設したら、投資に必要な資金を証券口座に入金します。この時点で、いくらを投資に回すかをある程度決めておくとよいでしょう。
投資にはリスクがあるため、最低でも半年分の生活費は生活防衛資金として預金口座に残しておくことをおすすめします。
証券口座への入金方法は、インターネットバンキングからの入金や、銀行振込による入金など、いくつかあります。グループ内の銀行口座と証券口座の間で自動入出金の設定ができるケースもあるため、必要に応じて設定しましょう。

3.リート(REIT)の銘柄の選別方法を決める(物件重視か、分配金重視かなど)

証券口座への入金を終えたら、いよいよ投資先を選ぶステップです。まずは、どのような基準で銘柄を選ぶかを決めましょう。
リート(REIT)には、単一用途特化型と複数用途型の2種類があります。単一用途特化型は住居、オフィスビル、商業施設、ホテルなど、特定の用途の不動産に投資するタイプです。複数用途型は複数の用途の不動産に投資するタイプで、2つの用途の不動産に投資する複合型と、3つ以上もしくは用途を限定しない総合型の2つに分けられます。

4.決めた選別方法から購入する候補を挙げる

リスクを抑えて投資するなら、分散投資の効果も見込める複数用途型の総合型のリート(REIT)を選ぶとよいでしょう。特定の不動産に関心が高く、しっかり分析して投資したい方は、最初から単一用途特化型を選んでも構いません。
証券会社のホームページにはリート(REIT)の銘柄情報が載っているため、さまざまな条件で比較検討してください。現在の評価額はもちろん、過去の評価額の推移や予想分配金利回りも確認しましょう。

5.候補が決まり購入

気になる銘柄を投資先の候補としてピックアップしたら、どの銘柄をどのくらい購入するか決めましょう。分散投資のために、いくつかの銘柄を組み合わせて購入するのもおすすめです。
東証の取引時間である9:00~11:30と12:30~15:00なら、リアルタイムで売買できます。購入後は、マイページなどで注文が確定したことを確認しましょう。
その後も定期的に評価額の変動をチェックし、必要に応じて売却や追加投資を検討してください。

まとめ

今回は、リート(REIT)と不動産投資の特徴を説明してきました。どちらも不動産を利用した投資商品ですが、似ている部分もあれば、異なる部分もあることがわかりました。それぞれに特色があるので、資産形成の目標に見合った商品であれば、リート(REIT)や不動産投資をポートフォリオに組み込みのも面白いのではないでしょうか。

ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.02.29

資産運用

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不動産投資とリート(REIT)ならどっち?資産5,000万円を作る方法

  • 資産形成
  • 不動産投資

リート(REIT)と不動産投資は、どちらも不動産に関連する投資ですが、異なる特徴を持ちます。リート(REIT)は少額から手軽に始められるというメリットがあり、実物の不動産投資はリスクが大きい代わりに大きなリターンを狙えるというメリットがあります。
それぞれの特徴や違いを踏まえて自分の向き不向きを判断し、資産形成に活かしましょう。この記事では、リート(REIT)と不動産投資を徹底比較し、資産5,000万円を作るための方法を具体的にシミュレーションします。

リート(REIT)と不動産投資のどちらを始めるべきか悩んでいる方や、不動産が好きで投資しながら資産形成をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

リート(REIT)とは

リート(REIT)とは、「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」と呼ばれている金融商品です。簡単に言うと、不動産を証券化し、売買しやすくした商品です。
リートでは、投資家から集めたお金は、テナントやマンション、商業施設などの不動産に投資されます。そして投資先の不動産から得られる家賃収入や売却益を分配金として投資家へ還元するという仕組みとなっています。投資家はリートへの投資を通じて、少額からでもさまざまな不動産の間接的なオーナーになれます。

リートはアメリカで生まれた仕組みで、日本のリート(REIT)はJAPANのJを頭につけて「J-REIT」と呼ばれます。 
リート(REIT)は、証券取引所に上場しています。日本で初めてJ-REITが上場したのは、2001年です。上場されている株式を発行している企業が「法人」であるように、 リート(REIT)も「不動産投資法人」という「法人」という形を取り、上場企業が「株券」を発行して売買されているように、リート(REIT)は、「投資証券」を発行して売買されます。
リート(REIT)は、株式と同様に東証の取引時間内で売買でき、価格も随時変動するのです。そのため、リート(REIT)には実物の不動産投資と比べて流動性が高く、換金しやすいという特徴があります。

リート(REIT)と不動産投資の違い

続いては、リート(REIT)と不動産投資との違いをみていきましょう。

不動産の所有権

リート(REIT) 不動産投資法人が所有権を持ち、投資家には所有権がない
不動産投資 投資家に所有権がある

リート(REIT)では基本的に不動産の所有権がなく、登記上も投資家の名前が記載されることはありません。一方、不動産投資では投資家に所有権があり、所有者として登記されます。

投資で得られる利益

リート(REIT) 分配金、売却益
不動産投資 家賃収入、売却益

リート(REIT)では、不動産投資法人から分配金を得られます。一方、不動産投資では家賃収入から固定資産税や火災保険料、管理費などの経費を差し引いた利益が手元に残ります。どちらも、売却時に購入価格を上回れば売却益を得られます。

所得の種類

  所得の種類 給与所得との損益通算
リート(REIT) 配当所得、譲渡所得 ×
不動産投資 不動産所得、譲渡所得

 

分配金は配当所得となり、税率は一律約20%です。特定口座なら証券会社が税金を徴収してくれるため、自分で確定申告をする必要はありません。一方、不動産投資では家賃収入や経費を記録し、不動産所得として毎年確定申告をする必要があります。

平均的な利回り

  平均的な利回り
リート(REIT) 想定利回り 2~6%
不動産投資 表面利回り 5~15%

 

利回りは商品や不動産によって大きく変わりますが、リート(REIT)では投資先の選定や管理を投資法人に任せることから、利回りはやや低くなる傾向があります。

リート(REIT)はどんな人がやっている?

リート(REIT)はどんな人が取引しているのでしょうか?日本取引所グループが発表した2023年2月の所有者別投資主数の割合をみてみましょう。

2023年2月所有者別投資主割合(%)

  投資主割合
政府・地方公共団体 0.0%
金融機関計 0.8%
事業法人等 1.8%
外国法人等 1.9%
個人・その他 95.4%

この結果より、投資主のほとんどが個人投資家であることが読み取れます。リート(REIT)の利回りは2~6%と金融機関の預貯金金利より高く、高く安定した分配金を求めて投資する方が多いと思われます。

リート(REIT)(国内・海外)の特徴         

リート(REIT) は日本でも海外でも売買されています。これらの特徴を表も交えながらみていきましょう。

  国内リート(REIT) 海外リート(REIT)
リアルタイムでの取引 しやすい しにくい
情報の入手 しやすい しにくい
取扱銘柄数 少ない 多い
利回り 低い 高い

 

取引のしやすさ

取引のしやすさは圧倒的に国内リート(REIT)に軍配が上がります。東証の取引時間である9:00~11:30と12:30~15:00に売買でき、リアルタイムで取引が可能です。
欲しい銘柄があるときに素早く購入できることは、投資家にとって大きなメリットといえるでしょう。ネット証券を使えば、タブレットやスマートフォンを使って、仕事や家事の休憩時間に気に入った銘柄を買うこともできます。

一方、海外リート(REIT)は個別銘柄の取引ができません。購入するには、数銘柄がパックになっているETFとなります。
海外リート(REIT)を個別銘柄で買うためには、現地の証券口座を開設しなければなりません。かといってETFを購入すると、欲しい銘柄以外の銘柄も購入することになります。

情報入手のしやすさ

情報の入手も圧倒的に国内リート(REIT)の方がしやすいです。ネットや新聞、雑誌から情報を入れられるほか、投資される不動産を直接見に行くことも可能だからです。収集した情報を分析した上で、納得のいく投資判断ができるでしょう。

一方、海外リート(REIT)の物件の情報は入手しづらく、実物の不動産を見にいくことは容易ではありません。
経済状況や政策動向といった不動産投資に影響を及ぼす可能性のある情報についても、簡単には入手できないことがあります。また、タイムリーな情報を得られず、損失が出てしまう可能性もあります。

取扱銘柄数

取扱銘柄数は日本ではやや少なめです。
J-REIT20周年特集の「世界のREIT市場2021」から、国内外のリート(REIT)の上場銘柄数をみてみましょう。

主な国のリート(REIT)上場銘柄数 2021年3月末

  リート(REIT)上場銘柄数
ブラジル 307
アメリカ 219
スペイン 94
イギリス 87
日本 61
タイ 59
オーストラリア 49

REITは1960年に初めてアメリカで制度化され、2000年以降に急拡大しました。2001年には日本でREIT市場が開設され、2021年には中国も新たに加わり、REITが上場する国は41ヵ国に達しました。
銘柄数はブラジルがアメリカを上回っていますが、時価総額の比率を見ると、アメリカが62.81%と圧倒的な割合を誇っています。なお、日本の時価総額の比率は6.87%で、アメリカに次いで2位となっています。

利回り

リート(REIT)の利回りも国内の銘柄より海外の銘柄の方が高いものがあります。国内リート(REIT)の利回りは、2~6%あたりの銘柄が多いのですが、海外リート(REIT)には10%を超える銘柄も少なくありません。これは国内の金利が低金利政策を継続している一方、海外の金利は上昇傾向にあることも起因しています。
ただし、日本国内の他の投資商品と比べると、J-REITの利回りは高いといえます。一般社団法人不動産証券化協会によると、2023年7月の各商品の利回りは以下のとおりです。

J-REITの平均予想分配金利回り 4.10%
株式の平均配当利回り 2.24%
10年国債の利回り 0.60%

J-REITは、収益の90%超を分配するなど一定の条件を満たせば、実質的には法人税がかかりません。そのため、収益がほぼ分配金として出されるという特徴があり、高利回りにつながっていると考えられます。

リート(REIT) vs 不動産投資を徹底比較

リート(REIT)と不動産投資は、同じ不動産に関わる投資商品ですが、性格は似ている部分、異なる部分さまざまあります。この2つの投資商品にどのような特徴があるのか検証していきましょう。

年金対策

  リート(REIT) 不動産投資
年金対策

お互い年金対策として適した投資商品です。

リート(REIT)は、比較的安定して年利回りが2~6%の分配金が支払われる商品です。利息が乏しい銀行預金代わりにリート(REIT)を購入して年2回の分配金を老後の生活費として活用できます。さらに、 リート(REIT)は、iDeCoの対象商品です。iDeCo の口座を開設している場合、掛金の一部でリート(REIT) を購入することで高い分配金を非課税で得ることができるのは年金対策になります。

不動産投資も年金対策となります。不動産投資は、長期投資を基本としています。若いうちから不動産投資を行っておくと、定年退職前後にローン返済が終わり、その後の家賃収入はすべて生活費などにまわすことができるのです。

インフレ対策

  リート(REIT) 不動産投資
インフレ対策 〇/△

インフレ対策に リート(REIT)は適していますが、商品によってはまちまちといった見方もできます。インフレになると家賃も上昇させる場合があります。家賃を上げることによりリート(REIT)が投資している不動産からの家賃収入が増えるので、投資家への分配金が増えプラスに作用します。

ただ、リート(REIT)を運用する立場だとインフレに伴い不動産価格が上がるので、下がらないうちに物件を売却して利益を確保することが考えられます。そうなると一時的には投資家が得られる分配金は投資物件の売却益も含まれるため増えますが、その後はファンドが他の不動産へ投資しない場合は家賃収入が入らず、分配金を払うことができない可能性も考えられます。

不動産投資は、インフレによって家賃を上げることが可能となります。物価上昇分の家賃収入が得られれば、上昇するであろう管理費の支払いや大規模修繕費の事前積立もスムーズにおこなえます。そしてインフレによって貨幣価値が下がるので借入金の負担が相対的に軽減します。 

節税効果

  リート(REIT) 不動産投資
節税効果

節税効果では不動産投資は直接的に、リート(REIT)は投資に節税効果のある制度を利用して購入すると効果が得られるという点で評価をしました。

リート(REIT)は、それ自体に投資することが節税効果になるわけではありませんが、投資に関して節税効果がある「NISA」や「iDeCo」を利用して購入できる投資商品の中に リート(REIT)が含まれているのです。ですのでリート(REIT)を購入する際に「NISA」を利用したり、iDeCoの投資商品にリート(REIT) を選択すれば節税効果があるともいえます。

不動産投資は、節税効果がある投資商品として知られています。 不動産投資での課税所得の区分けは「不動産所得」となるのですが、確定申告の際、「不動産所得」が家賃の減少や経費の上昇などが理由で赤字になる場合があります。投資家が給与所得者の場合、「給与所得」から「不動産所得」の赤字を差し引くことで、課税所得が減少して所得税と住民税の節税ができるのです。

保険効果

  リート(REIT) 不動産投資
保険効果 ×

リート(REIT)に関しては保険効果が無いといえます。

不動産投資は残された家族への保険代わりになります。不動産投資をおこなう際、多くの場合、ローンを組んで不動産を購入します。その際、「団体信用生命保険」という保険に加入します。この保険はローンの返済中に万が一のことが起きた場合、ローンの残債はこの保険が全額返済してくれるという商品なのです。ですので、残された家族にはローンが完済された不動産が相続されて、その不動産から毎月家賃収入を得ることができます。

下落相場対策

  リート(REIT) 不動産投資
下落相場対策 ×

株式相場の下落が起きた場合、リート(REIT)は連動して下落しやすいといえます。

不動産投資の場合は、家賃収入だけ考えると影響は少ないといえます。不動産価格自体は連動して下落する場合がありますが、不動産投資の目的が不動産価格の上昇での売却益を狙っておこなう場合以外には影響は少ないと言えるでしょう。むしろ相場が下落しても家賃が連動して下がることは少ないので、相対的に考えると下落相場時には効果的な投資方法であるといえます。

再現性

  リート(REIT) 不動産投資
再現性

再現性は、リート(REIT)も不動産投資もあると言えます。しかし注意も必要です。リート(REIT)は比較的安定した分配金を得ることができますが、価格変動があるため高値で購入してしまうと、投資利回りは低くなってしまうことがあります。

そして、不動産投資も物件選びを間違えてしまうと、空室率が上昇してローンの返済に苦労することも考えられます。ですので、資産に余裕がある場合の評価は「〇」ですが、総合的に考えると「△」とさせていただきました。

管理のしやすさ

  リート(REIT) 不動産投資
管理のしやすさ

管理のしやすさはリート(REIT)に軍配が上がります。リート(REIT)は、特に管理するものがありません。日々価格の変動をチェックし、分配金の受け取りを行えばよいです。

一方、不動産投資は、入居者の募集をおこなったり、家賃の滞納があれば督促を、そして入居者からのクレームや要望への対応をおこなわなければなりません。しかし、委託費を支払って管理会社に委託すればその手間からは解放されます。

始めやすさ

  リート(REIT) 不動産投資
始めやすさ

リート(REIT)は、株式と同様、市場で1単元ごとに購入します。銘柄で価格が異なり、10万円以下の銘柄もあれば50万円以上する銘柄もあります。

不動産投資は、物件自体の購入価格は多額の資金が必要ですが、ローンが組めるので資金的には10万円程度の頭金から始められます。ただ物件探しや物件購入の手続き、ローンを組む手続きなどを考えて「△」の評価にしました。

資産5,000万円形成するならリート(REIT) と不動産投資を組み合わせる

今回は、リート(REIT)と海外リート(REIT)、不動産投資で資産を5,000万円にするシミュレーションをおこないます。

5,000万円資産形成シミュレーション

リート(REIT)と海外リート(REIT)については、それぞれを投資先に持つ投資信託で、投資を行うことを想定します。

国内リート(REIT)で運用する投資信託に投資

毎月積立額・・・2万円
積立期間・・・20年
年利回り・・・5%(複利)
20年後の積立額・・・822万673円

海外リート(REIT)で運用する投資信託に積立投資

毎月積立額・・・2万円
積立期間・・・20年
年利回り・・・10%(複利)
20年後の積立額・・・1,518万7,377円

リート(REIT)と海外リート(REIT)に毎月2万円ずつ、合計4万円投資し、上記の年利で20年運用できれば、資産は約2,341万円になります。続いて、実物の不動産投資のシミュレーションをしてみましょう。

不動産投資

不動産投資開始年齢・・・30歳
物件価格・・・2,000万円の区分マンション3室
家賃・・・1室月12万円
諸経費・・・月家賃に対し15%
空室率・・・10%(10ヵ月のうち1ヵ月空室になると想定)
自己資金・・・300万円(3室いずれも100万円ずつ)
借入金額・・・5,700万円(3室いずれも1,900万円ずつ)
借入金利・・・年2%(固定金利)
返済期間・・・30年

以上の条件でシミュレーションを行うと、年間収支は以下のようになります。

年間家賃収入・・・432万円
年間返済金額・・・295万8,084円
年間想定空室率相当額・・・43万2,000円
年間諸経費・・・64万8,000円
年間手取金額・・・28万1,916円

家賃収入から経費を差し引いた利益は324万円で、返済金額を差し引いた手取りは約28万円です。
返済中の手取りは少なく感じるかもしれませんが、30年投資を続ければ、総手取り額は約846万円になります。また、借入金の返済が終われば年間の手取り額は324万円になり、手元資金に余裕が生まれます。
投資効果を考える上で重要な利回りは、上記のシミュレーションのとおりなら以下のようになります。

表面利回り・・・7.2%
※年間家賃収入432万円÷物件価格6,000万円
実質利回り・・・5.4%
※(年間家賃収入432万円-年間想定空室率相当額43万2,000円-年間諸経費64万8,000円)÷物件価格6,000万円
返済後利回り・・・0.5%
※年間手取金額28万1,916万円÷物件価格6,000万円

国内リート(REIT)、海外リート(REIT)、不動産投資を組み合わせて30年投資した場合、シミュレーションどおりの利回りを達成できれば、60歳時点の資産は以下のようになります。

国内リート(REIT)投信・・・822万673円
海外リート(REIT)投信・・・1,518万7,377円
不動産投資家賃収入合計・・・845万7,480円
上記資産合計・・・3,186万5,530円

5,000万円まであと1,813万4,470円で、借入金返済後の不動産投資年間手取り額は324万円なので、5,000万円貯まるまでにかかる年月は約5年7ヵ月です。
あくまでシミュレーションなので、利回りがこのとおりになるとは限りませんが、国内リート(REIT)、海外リート(REIT)、不動産投資を組み合わせれば、資産5,000万円は十分達成できる金額といえます。

不動産投資で抑えておきたい注意事項とは

借入金額には上限がある

不動産投資に伴う借入は、「不動産投資ローン」を利用します。俗に言う「アパートローン」です。
この不動産投資ローンの借入金額には上限が設定されています。この上限は、商品内容として一律で定められている上限、そして本人の属性や投資物件の評価で決められる上限があります。本人の属性は年収や資産額などになりますが、借入限度額は、金融機関ごとに「年収に対して〇倍」と定められていることがあるので注意が必要です。

リート(REIT)の始め方 

リート(REIT)は証券会社を通じて取引できるため、実物の不動産投資と比べると手軽に始めやすいというメリットがあります。現物の不動産投資を考えている方も、まずはリート(REIT)から始めるという選択肢もあるでしょう。
リート(REIT)に投資するには、どんな手順を踏めばよいのでしょうか。5つのステップを見ていきましょう。

1.証券会社に証券口座を開設する

リート(REIT)は株式などと同じように、証券会社を通じて取引します。そのため、まずは証券会社で口座を開設しましょう。
証券会社を選んだら、口座開設を申し込みます。住所等の個人情報を入力し、マイナンバーカードなどの本人確認書類を提出しましょう。
証券会社の口座開設では審査が行われるため、口座開設の完了まで数日を要することがあります。審査に通過して口座開設が完了したら、ログインID等の必要情報が届くので初期設定をしてください。

2.証券口座に入金する

証券会社で口座を開設したら、投資に必要な資金を証券口座に入金します。この時点で、いくらを投資に回すかをある程度決めておくとよいでしょう。
投資にはリスクがあるため、最低でも半年分の生活費は生活防衛資金として預金口座に残しておくことをおすすめします。
証券口座への入金方法は、インターネットバンキングからの入金や、銀行振込による入金など、いくつかあります。グループ内の銀行口座と証券口座の間で自動入出金の設定ができるケースもあるため、必要に応じて設定しましょう。

3.リート(REIT)の銘柄の選別方法を決める(物件重視か、分配金重視かなど)

証券口座への入金を終えたら、いよいよ投資先を選ぶステップです。まずは、どのような基準で銘柄を選ぶかを決めましょう。
リート(REIT)には、単一用途特化型と複数用途型の2種類があります。単一用途特化型は住居、オフィスビル、商業施設、ホテルなど、特定の用途の不動産に投資するタイプです。複数用途型は複数の用途の不動産に投資するタイプで、2つの用途の不動産に投資する複合型と、3つ以上もしくは用途を限定しない総合型の2つに分けられます。

4.決めた選別方法から購入する候補を挙げる

リスクを抑えて投資するなら、分散投資の効果も見込める複数用途型の総合型のリート(REIT)を選ぶとよいでしょう。特定の不動産に関心が高く、しっかり分析して投資したい方は、最初から単一用途特化型を選んでも構いません。
証券会社のホームページにはリート(REIT)の銘柄情報が載っているため、さまざまな条件で比較検討してください。現在の評価額はもちろん、過去の評価額の推移や予想分配金利回りも確認しましょう。

5.候補が決まり購入

気になる銘柄を投資先の候補としてピックアップしたら、どの銘柄をどのくらい購入するか決めましょう。分散投資のために、いくつかの銘柄を組み合わせて購入するのもおすすめです。
東証の取引時間である9:00~11:30と12:30~15:00なら、リアルタイムで売買できます。購入後は、マイページなどで注文が確定したことを確認しましょう。
その後も定期的に評価額の変動をチェックし、必要に応じて売却や追加投資を検討してください。

まとめ

今回は、リート(REIT)と不動産投資の特徴を説明してきました。どちらも不動産を利用した投資商品ですが、似ている部分もあれば、異なる部分もあることがわかりました。それぞれに特色があるので、資産形成の目標に見合った商品であれば、リート(REIT)や不動産投資をポートフォリオに組み込みのも面白いのではないでしょうか。

ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。