2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

預金と不動産投資で資産5,000万円を目指そう

  • 投資の種類・方法
  • 不動産投資

将来や老後のために毎月預金をしているという人は多くいらっしゃいます。しかし、預金をするだけではお金が増えないので、効率よく資産形成できる方法は無いかとお悩みの方も多いと思います。

今回は、預金以外におすすめの資産形成として不動産投資を紹介します。預金だけで老後の資産形成をするのが難しい理由や、預金と不動産投資を組み合わせて資産5,000万円を達成する方法について説明します。

預金だけで資産形成は現実的ではない

バブルの頃には、定期預金金利が6%を超えていた時期もあり、銀行にお金を預けているだけでも資産が増えていきました。しかし、現在の日本では日銀によるゼロ金利政策が続いており、金融機関に預金していても、お金が増えることはほとんどありません

このまま金融機関に預金し続けるだけでは、資産形成は出来ないため、投資をしてお金に働いてもらい資産形成をする人が増えています。

投資で資産形成をするのが当たり前になりつつある

今の時代、政府も個人が持つ貯蓄を投資にシフトすることを奨励しており、NISA(少額投資非課税制度)の拡充、iDeCo(個人型確定拠出年金)の改革などを行い、一部の投資に関してさらなる税制優遇を実施する「資産所得倍増計」を推進するなど、投資で資産を形成するのは今や常識となってきました。2023年3月末時点のNISA総口座数は1,237万口座 で、2023年9月にはiDeCoの加入者は300万人を突破しました。 2024年からNISAがさらに使いやすくなると報じられており、今後ますますNISAやiDeCoを活用して資産形成する人が増えると予想されます。

不動産投資は近年、新たな資産形成方法として、NISAやiDeCoと共に、注目を浴びています。

不動産投資は投資初心者では難しいのでは無いかと考えている方も多いでしょう。しかし、未経験から不動産投資を始め、賃料収入を得ている不動産オーナーはたくさんいます。また、サラリーマンをしながら不動産オーナーとしても賃料収入を得るサラリーマン大家も増えています。また、不動産投資といえばある程度まとまった資金が必要であるイメージが強いですが、多くの人は不動産投資ローンを組むので、初期費用は比較的少なく抑えられます。最近では、頭金10万円からでも始められるパターンもあります。

【参照元】日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年6月30日現在)について」より
【参照元】厚生労働省「iDeCoの加入者が300万人を突破しました!」より

不動産投資の概要をおさらい

不動産投資は、マンションやアパートなどの不動産を購入し、第三者に貸して賃料収入を得る投資方法です。不動産を一棟丸ごと所有する方法や、マンション1室から投資する方法もあります。

不動産を購入する際には、不動産投資ローンを組むのが一般的です。その後、受け取った賃料収入の一部をローンの返済に充てながら、賃貸経営を続けます。無事にローンを完済すれば、その後の賃料収入は丸ごと手元に残ります。
不動産投資でローンを組むことに不安を覚える方もいますが、受け取った賃料収入からローンを返済するため、住宅ローンのように給与から返済資金を捻出する必要はほとんどありません。

また、入居者の募集や物件管理に不安を覚えるオーナーもいますが、物件管理はノウハウを持つ専門の会社に管理料を支払って一任することも可能です。
不動産投資はきちんと知識を身につけ、信頼できる不動産会社を見極めて始めれば、安定的な投資方法といえます

不動産投資と預金のそれぞれの利回り

不動産投資で得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。インカムゲインとは継続的に得られる利益のことで、不動産を所有している間に受け取れる賃料収入を指します。キャピタルゲインとは、売却時に購入時よりも高く売れると得られる売却益のことです。
不動産価格が上昇し続けていたバブル期は、キャピタルゲイン狙いの投資も多く行われましたが、現在はインカムゲインが不動産投資で得られるメインの利益といえるでしょう。

続いて、不動産投資と預金の利回りを比較してみましょう。

不動産投資

不動産投資の利回りは、不動産投資の種類によっても変わります。たとえば、新築区分マンション(ワンルームタイプ)の東京23区の利回りの相場は3%台後半、中古区分マンションの全国平均の利回りの相場(平均築30年)は7%程度です
不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。表面利回りとは、年間収入を物件価格で割って求める利回りのことです。実質利回りは、年間収入から賃貸経営にかかる諸経費を差し引いた上で、物件価格と購入時の諸経費の合計額で割って求める、より正確な利回りです。

物件をざっくり比較検討するときは表面利回りを参考にし、より詳細に検討する段階に入ったら実質利回りを考慮するなど、段階に応じて使い分けましょう。

預金

2023年9月現在、メガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)の普通預金金利は0.001%です1,000万円を預けても、1年間でたったの100円しか増えません。
東京スター銀行には、給与受取口座や年金受取口座に指定することで、普通預金金利が0.001%から0.250%にアップするスターワン円普通預金があります。それでも、1,000万円を預けて1年間で受け取れる利息は2万5,000円です。
定期預金金利も、メガバンクでは0.002%という低い水準です。オリックス銀行は高水準な金利が魅力のeダイレクト定期預金を提供していますが、7年もののスーパー定期300でも金利は0.45%です。
日本では長く低金利政策が続いており、すぐに預金金利が大きく上昇するとは考えにくいでしょう。

預金 vs 不動産投資を徹底比較 

預金だけでは資産形成をしていくのが難しいことを知ることが出来たところで、実際に預金と不動産投資では、どんな違いがあるのか、徹底比較していきます。

年金対策

まずは年金対策についてです。

預金の場合だと、確かにコツコツと貯蓄をしていけば、年金だけでは生活できなくなった時に貯蓄を切り崩して足しにすることは出来ます。しかし、金融機関に預金していても、預金した金額以上に資産が増えることはほとんどありません。一方で、不動産投資の場合は購入した物件のローンさえ完済してしまえば、物件を賃貸として貸し出せば、家賃収入が得られます。

年金以外にも不労所得として、家賃収入が手に入れられるので、年金対策という面では不動産投資の方がおすすめです

インフレ対策

次はインフレ対策についてです。

一般的に預金はインフレに弱いとされています。なぜなら、インフレが起こると、通貨の価値が下落するからです。円安が進行することによって、日本円の価値が下がる場合もあるので注意が必要です。インフレ時には預金金利は上がりますが、預金金利の上昇スピードはインフレが進むスピードよりも遅い場合がほとんどです。結果として相対的に資産価値が下落するため、預金はインフレに弱い資産なのです。

一方で、不動産投資はインフレに強いとされています。インフレになると物価が上昇するため、現物資産である不動産は価値が下がりにくいですまた、インフレが起きると家賃上昇も見込めます。
投資用ローンが目減りする点も、不動産投資がインフレに強いと言われる理由です。インフレになると、お金の価値は相対的に下がるため、投資用ローン(借入金)の価値も実質的に下がるからです。

節税効果

次は節税効果についてです。

預金の場合は預けたお金自体(元本)には税金は掛かりませんが、受取利息(利子所得)に対しては、20.315%の税金が掛かってしまいます。一方で、不動産投資は節税効果が非常に高いです。所得税・住民税については、不動産投資で赤字が出ていれば「損益通算」を行うことで課税所得額を減らして申告できるため、納税額を抑える効果を期待できます。

保険効果

次は保険効果についてです。
貯金しているだけでは、特に保険効果はありません。一方で、不動産投資は、ローンを組む際に加入する「団体信用生命保険」が生命保険代わりになります。団体信用生命保険の大きなメリットは、「万が一の事態に備えられる」という点です。ローンを契約した投資家が死亡し、保険が適用された後は不動産のみが残されますし、さまざまな特約がつけられるものもあります。

下落相場対策

次は下落相場対策についてです。

預金は下落相場に弱いとされています。円安が進行すると、外貨の価値が上がる代わりに日本円の価値が下がるからです。円の価値が下がるということは、預金して貯蓄している資産の価値も相対的に下がることを指します。一方で、不動産は下落相場に強い資産です。家賃収入は、株式相場の下落や経済悪化の影響をあまり受けづらく安定しています物件価格は相場によって変動はしますが、立地が良いなど好条件の物件であれば、価格は比較的安定しており、物件価格は下がりにくいです。

管理のしやすさ

最後は管理のしやすさです。

預金は一度預けてしまえば、金融機関が管理してくれるのが特徴です。預けている期間に特に手間は掛かりません一方で、不動産投資は初心者には管理が難しいイメージがありますが、管理会社に費用を支払えば、入居者対応の手間は掛かりません。

預金しながら不動産投資すれば目標資産5,000万円は達成できる

次は預金をしながら不動産投資をすれば目標資産5,000万円を達成できるかについて、詳しく紹介していきます。

毎月一定額は預金する

まずは毎月一定額を預金することです。月々に貯蓄する金額を決め、国内預金だけで1,000万円を目指していきます。

毎月3万円を預金し続けた場合、30年後には1080万円貯蓄することが出来ます時間がかかるように思えますが、コツコツ貯金し続けられれば確実に資産は増えていきます。給料の3割を貯金に回すようにする方法もおすすめします。家賃や食費、光熱費などの固定費や変動費などの生活支出金を除いて、給料の3割程度を貯金出来るようになれば、安定した資産形成が出来るようになります。毎月コツコツ預金し続けるだけで、資産1,000万円を達成することは可能なのです。

手元資金の一部を高金利の定期預金で運用する

定期預金は日本円で預金するよりも外貨で預金したほうがおすすめです。なぜなら、外貨預金は日本よりも金利が高いからです。円預金を1年間した場合の金利は年0.002%ほどであるのに対し、外貨預金の場合は年1~4%ほどと圧倒的に金利が高いです。
外貨預金の金利は高いですが、為替リスクもあるので注意が必要です。

不動産投資で目標金額を達成させる

最後は不動産投資で目標金額を達成していきましょう。

不動産投資と株式投資を組み合わせた投資シミュレーションをした場合

シミュレーション 表面利回りを4%、2件運用したとして想定

物件価格 2,000万円
頭金 10万円
借入金利 1.65%
借入期間 35年
家賃収入 67,000円/月
管理経費・建物管理費 7,540円/月
修繕積立金 14,70円/月 

頭金の10万を抜いた1990万円を1.65%の金利で35年間のローンで借り入れします。月々のローン返済額は62,403円→各管理費用を差し引くと、月々の収支は-4413円となります。
ローン完済後は家賃がまるまる手元に残ります。貯蓄と合わせて分散投資すれば、ローン返済後は不動産資産4,000万円となり、合計5,000万円〜6,000万円程度の資産形成が可能となってきます。

不動産投資の注意点

不動産投資を始めて、賃貸経営を継続していけば、資産5,000万円を達成することも夢ではありません。しかし、不動産投資にはリスクや注意点もあります。これから不動産投資を始めたいと考えている方に向けて、事前に知っておくべき注意点と、注意点を踏まえてどんな対策を打つべきかを解説します。注意点も押さえた上で不動産投資を始めて、コツコツと資産を形成していきましょう。

借入金額に上限がある

不動産投資ローンの借入金額には上限があるためローンを組めず、希望する物件を購入できないというリスクがあります

不動産投資では、不動産投資ローンを組んで物件を購入するのが一般的です。不動産投資ローンには、主にアパートローンとプロパーローンがあります。アパートローンは不動産投資用にパッケージ化された融資商品で、初めて不動産投資をする人や、サラリーマンで不動産投資を始める人に向いています。アパートローンの借入金額の上限の目安は、年収の7~8倍です。

アパートローンは住宅ローンと比べると年収に対して借りられる金額が大きいものの、物件価格が高いとローンを組めない可能性もあるため注意しましょう。プロパーローンとは、保証会社を通さないオーダーメイド式のローンのことです。自由度が高く、1億円を超える借入にも対応しています。ただし銀行側のリスクが高いため、過去の融資実績など銀行が満たす厳しい基準をクリアしなければ、ローンを組むことができません。

初めて不動産投資をするならアパートローンを想定し、借入金額を年収の7~8倍までに抑えられるような物件を探しましょう

空室が出ると安定した収益が得られない

不動産投資を始めても、空室で賃料収入が得られないと賃貸経営は安定しません。空室が続けば不動産投資ローンの返済が難しくなり、やがて物件を手放さざるを得なくなります。

物件選びでは、満室時の利回りである想定利回りだけでなく、現時点の空室を考慮した利回りである現行利回りにも着目しましょう。また、賃貸ニーズや周辺環境の変化で空室が増えるリスクもあるため、どの程度までなら空室が出てもキャッシュフローがマイナスにならないか、あらかじめシミュレーションしておくことが大切です。
空室リスクを抑えるために、初心者は入居者の募集といった物件管理を専門のノウハウを持つ不動産会社に任せることをおすすめします。物件管理の実績がある不動産会社は、公式ホームページなどで入居率を公表しているので、参考にしましょう。 

初めからすべて自分でやろうとせず、必要に応じて専門家に任せることも不動産投資を成功させる秘訣です

収支計画を立てずに始めるのは危険

不動産投資では物件購入後の収支計画を立て、さまざまなシミュレーションを行うことが大切です

不動産オーナーは、賃貸経営の経営者でもあります。不動産会社が作成した収支計画を鵜呑みにして物件を購入するのではなく、数字を読み取る能力を身につけ、必要に応じて質問したり、条件を変更したりしてシミュレーションを行いましょう。

たとえば、空室や家賃の下落といったリスクを想定し、どの程度までなら不動産投資ローンの返済に影響がないのかシミュレーションするといったことが考えられます。また、不動産は購入して終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要なので、メンテナンス費用をどのように積み立てていくかも計画しておきましょう。

事前に災害リスクがあることを把握する

不動産は実物資産であるため、地震や津波、火災、台風といった自然災害にも注意が必要です。
民法第606条では、災害などで建物が被害を受けた場合、オーナーは入居者が安心して暮らせるよう修繕する義務があると定められています。 災害によって多額の修繕費が発生し、不動産投資ローンの返済に響くといったことも考えられます。

災害リスクに備えるためには、火災保険や地震保険への加入がおすすめです火災保険は、火災以外にも台風などの風災や豪雨による洪水、土砂崩れなどの水災、落雷、雪災など、さまざまな災害をカバーしてくれます。補償範囲は、物件の立地や地域の気候を踏まえてよく検討しましょう。
地震保険は、火災保険とセットで加入する保険です。注意しておきたいのが、地震による火災や地震による噴火や津波による被害は、火災保険ではカバーされないことです。地震保険に加入しておくことで、このようなケースでも補償を受けられます。

流動性は他の資産と比較して低い

不動産は流動性が低い、つまり売りたいときに売って換金できるとは限らないという特徴があります。預金なら、お金をおろすだけですぐに使えます。証券取引所に上場している企業の株式は、取引所が開いている時間なら、リアルタイムで売買できます。
しかし、不動産は売却しようと思っても、すぐに買い手が見つかるとは限りません売却を急いでいる場合、価格を下げざるを得ないこともあります。それでも、買い手が見つからないかもしれません。
初めて不動産投資をするなら、流動性が低いというリスクを抑えるために、買い手が見つかりやすい都市部の物件を選ぶことをおすすめします。日本では人口減少が続いていますが、東京都の人口は増加傾向にあり、賃貸ニーズも安定しています。
東京都をはじめとした都市部の物件なら、不測の事態が起きた際にも、物件を売却してまとまった資金を得やすいといえます

まとめ

今回は、預金と不動産投資の特徴について説明しました。預金していてもお金はほとんど増えないので、将来に向けて資産形成をする人が増えています。
なかでも不動産投資は預金よりも年金対策や節税効果、保険効果が高く、インフレや下落相場に強い資産です。不動産投資は頭金10万円からでも始められることもあり、運用資金がそこまで無い方でも気軽に始められるようになってきています。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

預金と不動産投資で資産5,000万円を目指そう

  • 投資の種類・方法
  • 不動産投資

将来や老後のために毎月預金をしているという人は多くいらっしゃいます。しかし、預金をするだけではお金が増えないので、効率よく資産形成できる方法は無いかとお悩みの方も多いと思います。

今回は、預金以外におすすめの資産形成として不動産投資を紹介します。預金だけで老後の資産形成をするのが難しい理由や、預金と不動産投資を組み合わせて資産5,000万円を達成する方法について説明します。

預金だけで資産形成は現実的ではない

バブルの頃には、定期預金金利が6%を超えていた時期もあり、銀行にお金を預けているだけでも資産が増えていきました。しかし、現在の日本では日銀によるゼロ金利政策が続いており、金融機関に預金していても、お金が増えることはほとんどありません

このまま金融機関に預金し続けるだけでは、資産形成は出来ないため、投資をしてお金に働いてもらい資産形成をする人が増えています。

投資で資産形成をするのが当たり前になりつつある

今の時代、政府も個人が持つ貯蓄を投資にシフトすることを奨励しており、NISA(少額投資非課税制度)の拡充、iDeCo(個人型確定拠出年金)の改革などを行い、一部の投資に関してさらなる税制優遇を実施する「資産所得倍増計」を推進するなど、投資で資産を形成するのは今や常識となってきました。2023年3月末時点のNISA総口座数は1,237万口座 で、2023年9月にはiDeCoの加入者は300万人を突破しました。 2024年からNISAがさらに使いやすくなると報じられており、今後ますますNISAやiDeCoを活用して資産形成する人が増えると予想されます。

不動産投資は近年、新たな資産形成方法として、NISAやiDeCoと共に、注目を浴びています。

不動産投資は投資初心者では難しいのでは無いかと考えている方も多いでしょう。しかし、未経験から不動産投資を始め、賃料収入を得ている不動産オーナーはたくさんいます。また、サラリーマンをしながら不動産オーナーとしても賃料収入を得るサラリーマン大家も増えています。また、不動産投資といえばある程度まとまった資金が必要であるイメージが強いですが、多くの人は不動産投資ローンを組むので、初期費用は比較的少なく抑えられます。最近では、頭金10万円からでも始められるパターンもあります。

【参照元】日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年6月30日現在)について」より
【参照元】厚生労働省「iDeCoの加入者が300万人を突破しました!」より

不動産投資の概要をおさらい

不動産投資は、マンションやアパートなどの不動産を購入し、第三者に貸して賃料収入を得る投資方法です。不動産を一棟丸ごと所有する方法や、マンション1室から投資する方法もあります。

不動産を購入する際には、不動産投資ローンを組むのが一般的です。その後、受け取った賃料収入の一部をローンの返済に充てながら、賃貸経営を続けます。無事にローンを完済すれば、その後の賃料収入は丸ごと手元に残ります。
不動産投資でローンを組むことに不安を覚える方もいますが、受け取った賃料収入からローンを返済するため、住宅ローンのように給与から返済資金を捻出する必要はほとんどありません。

また、入居者の募集や物件管理に不安を覚えるオーナーもいますが、物件管理はノウハウを持つ専門の会社に管理料を支払って一任することも可能です。
不動産投資はきちんと知識を身につけ、信頼できる不動産会社を見極めて始めれば、安定的な投資方法といえます

不動産投資と預金のそれぞれの利回り

不動産投資で得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。インカムゲインとは継続的に得られる利益のことで、不動産を所有している間に受け取れる賃料収入を指します。キャピタルゲインとは、売却時に購入時よりも高く売れると得られる売却益のことです。
不動産価格が上昇し続けていたバブル期は、キャピタルゲイン狙いの投資も多く行われましたが、現在はインカムゲインが不動産投資で得られるメインの利益といえるでしょう。

続いて、不動産投資と預金の利回りを比較してみましょう。

不動産投資

不動産投資の利回りは、不動産投資の種類によっても変わります。たとえば、新築区分マンション(ワンルームタイプ)の東京23区の利回りの相場は3%台後半、中古区分マンションの全国平均の利回りの相場(平均築30年)は7%程度です
不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。表面利回りとは、年間収入を物件価格で割って求める利回りのことです。実質利回りは、年間収入から賃貸経営にかかる諸経費を差し引いた上で、物件価格と購入時の諸経費の合計額で割って求める、より正確な利回りです。

物件をざっくり比較検討するときは表面利回りを参考にし、より詳細に検討する段階に入ったら実質利回りを考慮するなど、段階に応じて使い分けましょう。

預金

2023年9月現在、メガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)の普通預金金利は0.001%です1,000万円を預けても、1年間でたったの100円しか増えません。
東京スター銀行には、給与受取口座や年金受取口座に指定することで、普通預金金利が0.001%から0.250%にアップするスターワン円普通預金があります。それでも、1,000万円を預けて1年間で受け取れる利息は2万5,000円です。
定期預金金利も、メガバンクでは0.002%という低い水準です。オリックス銀行は高水準な金利が魅力のeダイレクト定期預金を提供していますが、7年もののスーパー定期300でも金利は0.45%です。
日本では長く低金利政策が続いており、すぐに預金金利が大きく上昇するとは考えにくいでしょう。

預金 vs 不動産投資を徹底比較 

預金だけでは資産形成をしていくのが難しいことを知ることが出来たところで、実際に預金と不動産投資では、どんな違いがあるのか、徹底比較していきます。

年金対策

まずは年金対策についてです。

預金の場合だと、確かにコツコツと貯蓄をしていけば、年金だけでは生活できなくなった時に貯蓄を切り崩して足しにすることは出来ます。しかし、金融機関に預金していても、預金した金額以上に資産が増えることはほとんどありません。一方で、不動産投資の場合は購入した物件のローンさえ完済してしまえば、物件を賃貸として貸し出せば、家賃収入が得られます。

年金以外にも不労所得として、家賃収入が手に入れられるので、年金対策という面では不動産投資の方がおすすめです

インフレ対策

次はインフレ対策についてです。

一般的に預金はインフレに弱いとされています。なぜなら、インフレが起こると、通貨の価値が下落するからです。円安が進行することによって、日本円の価値が下がる場合もあるので注意が必要です。インフレ時には預金金利は上がりますが、預金金利の上昇スピードはインフレが進むスピードよりも遅い場合がほとんどです。結果として相対的に資産価値が下落するため、預金はインフレに弱い資産なのです。

一方で、不動産投資はインフレに強いとされています。インフレになると物価が上昇するため、現物資産である不動産は価値が下がりにくいですまた、インフレが起きると家賃上昇も見込めます。
投資用ローンが目減りする点も、不動産投資がインフレに強いと言われる理由です。インフレになると、お金の価値は相対的に下がるため、投資用ローン(借入金)の価値も実質的に下がるからです。

節税効果

次は節税効果についてです。

預金の場合は預けたお金自体(元本)には税金は掛かりませんが、受取利息(利子所得)に対しては、20.315%の税金が掛かってしまいます。一方で、不動産投資は節税効果が非常に高いです。所得税・住民税については、不動産投資で赤字が出ていれば「損益通算」を行うことで課税所得額を減らして申告できるため、納税額を抑える効果を期待できます。

保険効果

次は保険効果についてです。
貯金しているだけでは、特に保険効果はありません。一方で、不動産投資は、ローンを組む際に加入する「団体信用生命保険」が生命保険代わりになります。団体信用生命保険の大きなメリットは、「万が一の事態に備えられる」という点です。ローンを契約した投資家が死亡し、保険が適用された後は不動産のみが残されますし、さまざまな特約がつけられるものもあります。

下落相場対策

次は下落相場対策についてです。

預金は下落相場に弱いとされています。円安が進行すると、外貨の価値が上がる代わりに日本円の価値が下がるからです。円の価値が下がるということは、預金して貯蓄している資産の価値も相対的に下がることを指します。一方で、不動産は下落相場に強い資産です。家賃収入は、株式相場の下落や経済悪化の影響をあまり受けづらく安定しています物件価格は相場によって変動はしますが、立地が良いなど好条件の物件であれば、価格は比較的安定しており、物件価格は下がりにくいです。

管理のしやすさ

最後は管理のしやすさです。

預金は一度預けてしまえば、金融機関が管理してくれるのが特徴です。預けている期間に特に手間は掛かりません一方で、不動産投資は初心者には管理が難しいイメージがありますが、管理会社に費用を支払えば、入居者対応の手間は掛かりません。

預金しながら不動産投資すれば目標資産5,000万円は達成できる

次は預金をしながら不動産投資をすれば目標資産5,000万円を達成できるかについて、詳しく紹介していきます。

毎月一定額は預金する

まずは毎月一定額を預金することです。月々に貯蓄する金額を決め、国内預金だけで1,000万円を目指していきます。

毎月3万円を預金し続けた場合、30年後には1080万円貯蓄することが出来ます時間がかかるように思えますが、コツコツ貯金し続けられれば確実に資産は増えていきます。給料の3割を貯金に回すようにする方法もおすすめします。家賃や食費、光熱費などの固定費や変動費などの生活支出金を除いて、給料の3割程度を貯金出来るようになれば、安定した資産形成が出来るようになります。毎月コツコツ預金し続けるだけで、資産1,000万円を達成することは可能なのです。

手元資金の一部を高金利の定期預金で運用する

定期預金は日本円で預金するよりも外貨で預金したほうがおすすめです。なぜなら、外貨預金は日本よりも金利が高いからです。円預金を1年間した場合の金利は年0.002%ほどであるのに対し、外貨預金の場合は年1~4%ほどと圧倒的に金利が高いです。
外貨預金の金利は高いですが、為替リスクもあるので注意が必要です。

不動産投資で目標金額を達成させる

最後は不動産投資で目標金額を達成していきましょう。

不動産投資と株式投資を組み合わせた投資シミュレーションをした場合

シミュレーション 表面利回りを4%、2件運用したとして想定

物件価格 2,000万円
頭金 10万円
借入金利 1.65%
借入期間 35年
家賃収入 67,000円/月
管理経費・建物管理費 7,540円/月
修繕積立金 14,70円/月 

頭金の10万を抜いた1990万円を1.65%の金利で35年間のローンで借り入れします。月々のローン返済額は62,403円→各管理費用を差し引くと、月々の収支は-4413円となります。
ローン完済後は家賃がまるまる手元に残ります。貯蓄と合わせて分散投資すれば、ローン返済後は不動産資産4,000万円となり、合計5,000万円〜6,000万円程度の資産形成が可能となってきます。

不動産投資の注意点

不動産投資を始めて、賃貸経営を継続していけば、資産5,000万円を達成することも夢ではありません。しかし、不動産投資にはリスクや注意点もあります。これから不動産投資を始めたいと考えている方に向けて、事前に知っておくべき注意点と、注意点を踏まえてどんな対策を打つべきかを解説します。注意点も押さえた上で不動産投資を始めて、コツコツと資産を形成していきましょう。

借入金額に上限がある

不動産投資ローンの借入金額には上限があるためローンを組めず、希望する物件を購入できないというリスクがあります

不動産投資では、不動産投資ローンを組んで物件を購入するのが一般的です。不動産投資ローンには、主にアパートローンとプロパーローンがあります。アパートローンは不動産投資用にパッケージ化された融資商品で、初めて不動産投資をする人や、サラリーマンで不動産投資を始める人に向いています。アパートローンの借入金額の上限の目安は、年収の7~8倍です。

アパートローンは住宅ローンと比べると年収に対して借りられる金額が大きいものの、物件価格が高いとローンを組めない可能性もあるため注意しましょう。プロパーローンとは、保証会社を通さないオーダーメイド式のローンのことです。自由度が高く、1億円を超える借入にも対応しています。ただし銀行側のリスクが高いため、過去の融資実績など銀行が満たす厳しい基準をクリアしなければ、ローンを組むことができません。

初めて不動産投資をするならアパートローンを想定し、借入金額を年収の7~8倍までに抑えられるような物件を探しましょう

空室が出ると安定した収益が得られない

不動産投資を始めても、空室で賃料収入が得られないと賃貸経営は安定しません。空室が続けば不動産投資ローンの返済が難しくなり、やがて物件を手放さざるを得なくなります。

物件選びでは、満室時の利回りである想定利回りだけでなく、現時点の空室を考慮した利回りである現行利回りにも着目しましょう。また、賃貸ニーズや周辺環境の変化で空室が増えるリスクもあるため、どの程度までなら空室が出てもキャッシュフローがマイナスにならないか、あらかじめシミュレーションしておくことが大切です。
空室リスクを抑えるために、初心者は入居者の募集といった物件管理を専門のノウハウを持つ不動産会社に任せることをおすすめします。物件管理の実績がある不動産会社は、公式ホームページなどで入居率を公表しているので、参考にしましょう。 

初めからすべて自分でやろうとせず、必要に応じて専門家に任せることも不動産投資を成功させる秘訣です

収支計画を立てずに始めるのは危険

不動産投資では物件購入後の収支計画を立て、さまざまなシミュレーションを行うことが大切です

不動産オーナーは、賃貸経営の経営者でもあります。不動産会社が作成した収支計画を鵜呑みにして物件を購入するのではなく、数字を読み取る能力を身につけ、必要に応じて質問したり、条件を変更したりしてシミュレーションを行いましょう。

たとえば、空室や家賃の下落といったリスクを想定し、どの程度までなら不動産投資ローンの返済に影響がないのかシミュレーションするといったことが考えられます。また、不動産は購入して終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要なので、メンテナンス費用をどのように積み立てていくかも計画しておきましょう。

事前に災害リスクがあることを把握する

不動産は実物資産であるため、地震や津波、火災、台風といった自然災害にも注意が必要です。
民法第606条では、災害などで建物が被害を受けた場合、オーナーは入居者が安心して暮らせるよう修繕する義務があると定められています。 災害によって多額の修繕費が発生し、不動産投資ローンの返済に響くといったことも考えられます。

災害リスクに備えるためには、火災保険や地震保険への加入がおすすめです火災保険は、火災以外にも台風などの風災や豪雨による洪水、土砂崩れなどの水災、落雷、雪災など、さまざまな災害をカバーしてくれます。補償範囲は、物件の立地や地域の気候を踏まえてよく検討しましょう。
地震保険は、火災保険とセットで加入する保険です。注意しておきたいのが、地震による火災や地震による噴火や津波による被害は、火災保険ではカバーされないことです。地震保険に加入しておくことで、このようなケースでも補償を受けられます。

流動性は他の資産と比較して低い

不動産は流動性が低い、つまり売りたいときに売って換金できるとは限らないという特徴があります。預金なら、お金をおろすだけですぐに使えます。証券取引所に上場している企業の株式は、取引所が開いている時間なら、リアルタイムで売買できます。
しかし、不動産は売却しようと思っても、すぐに買い手が見つかるとは限りません売却を急いでいる場合、価格を下げざるを得ないこともあります。それでも、買い手が見つからないかもしれません。
初めて不動産投資をするなら、流動性が低いというリスクを抑えるために、買い手が見つかりやすい都市部の物件を選ぶことをおすすめします。日本では人口減少が続いていますが、東京都の人口は増加傾向にあり、賃貸ニーズも安定しています。
東京都をはじめとした都市部の物件なら、不測の事態が起きた際にも、物件を売却してまとまった資金を得やすいといえます

まとめ

今回は、預金と不動産投資の特徴について説明しました。預金していてもお金はほとんど増えないので、将来に向けて資産形成をする人が増えています。
なかでも不動産投資は預金よりも年金対策や節税効果、保険効果が高く、インフレや下落相場に強い資産です。不動産投資は頭金10万円からでも始められることもあり、運用資金がそこまで無い方でも気軽に始められるようになってきています。

ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。