2024.01.11
ベルテックスコラム事務局
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由とは?リスク管理について解説
- リスク
- 不動産投資
不動産投資について、「やめとけ」といわれることも少なくありません。確かに不動産投資ならではのリスクもありますが、その反面、メリットも多く存在します。不動産投資に対する否定的な意見がある中で、諦める前に、まずは覚えておきたいポイントについて解説します。 具体的に、不動産投資にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由
不動産投資はやめとけと言われているのは、大きく分けて3つの理由があります。
リスクがあり失敗する可能性がある
不動産投資はやめとけと言われるのは、さまざまなリスクがあるためです。リスクを解消するためには、事前に対策を講じなくてはいけないので、簡単にできる投資方法ではありません。空室リスクや家賃滞納リスク、家賃下落リスクをはじめ、物件の資産価値下落リスクなども考えられます。発生するタイミングを予測するのが難しいため、急なリスクに対応できないケースもあります。出費がかさみリスクの影響を大きく受けてしまうこともあるでしょう。
リスクがあり計画的な運用が欠かせないからこそ、不動産投資はやめとけといわれているのです。
投資金額が大きい
不動産投資は、もともとの投資金額が大きい運用です。マンションやアパートなどの物件を購入するため、投資金額は大きくなります。投資金額の大きいため、もし採算が取れなくなったらどうしようと考えてしまいがちです。
ローン返済が必要
不動産投資は、ローンの返済を確実に行える保証がないことも不動産投資やめとけと言われる理由です。投資額が大きいため、多くの人が不動産投資を始める際に、ローンを活用しています。投資金額にレバレッジをきかせられることもあり、長期でローンを組む人の割合が多いと言われています。入居者がいる間は家賃収入からローン返済をおこなうことができますが、退去した場合には、自分の貯金からローン返済をまかなう必要があります。
不動産投資でよくある10のリスクと対策
不動産投資は専門性が高いため、初心者が始めるのは難しい部分があります。安定的な収入を期待できる反面、多くのリスクがあります。不動産投資でよくある10のリスクや対策にはどのようなものがあるか解説します。
空室リスク
不動産投資におけるリスクの中でも、「空室」は特に深刻な問題とされています。物件を選ぶ際には、空室の発生リスクが低く、安定した収入を得られるかどうかを検討する必要があります。駅近や都心部など、需要が高く入居者が見つかりやすい物件は比較的安定していますが、都心から離れた場所では空室が生じやすい傾向があります。通常、単身者向けの物件は入れ替わりが多いので空室リスクが高まります。一方で、ファミリー向けの物件は条件が揃わない限り引っ越ししにくく、長期間の居住が期待できます。購入する物件がどの層を対象にしているかによって、空室リスクの程度も変わることがあります。
【対策】
・敷金礼金をなくしゼロゼロ物件にする
・費用の負担を減らすフリーレント期間を設ける
・物件のリフォームで清潔感をアピールする
・水回りやセキュリティなどの設備を新しくする
・相場よりも家賃を安く設定する
家賃滞納リスク
不動産投資において「家賃滞納」は重要なリスクです。入居者が家賃の支払いを怠る場合でも、すぐに退去を求めることは難しく、立ち退き訴訟に至るまでには3ヵ月以上の滞納実績が必要です。この期間、オーナーは本来得られるべき家賃を受け取れず、訴訟費用もかさむ可能性があります。家賃滞納が繰り返される可能性があるため、不動産投資においては重大なリスクとなります。入念な入居者審査や適切な契約条件の設定が、このリスクを軽減する一環となります。
【対策】
・家賃保証会社を利用して回収する
・連帯保証人をつける
いずれもオーナー本人に負担がかかってしまい、必ず回収できるものではないので注意しなくてはいけません。
家賃下落リスク
不動産投資のリスクには「家賃下落」も考えられます。空室になり新しい入居者を募集するタイミングに交渉され、家賃が下がってしまうことがあります。周囲の物件で似たような間取りで安い家賃で設定されていると、入居をすぐに決める代わりに家賃を下げて欲しいなど、条件をつけられてしまうこともあり得ます。建物は経年劣化に伴い家賃も下落していき、一般的には新築時から10年間の間に、20%程度家賃が下がるといわれています。この家賃の低下により、家賃収入が減少し、利回りも低下する可能性があります。
【対策】
・中古物件を検討してみる
・周辺の競合物件よりも設備を新しくする
・間取りをリノベーションする
・フリーレントで値下げと同等の効果を提供する
物件の資産価値下落リスク
不動産の価値は経年とともに下がる傾向があります。資産価値をできるだけ維持するためには、「立地」が重要です。築年数が経過した古い物件でも、立地が良ければ賃貸需要が下がりづらい傾向にあります。一方で、人口減少や土地価格の下落、景気の悪化などによっても物件の価値が低下する可能性があります。また、物件で事故や事件が発生すると、急激に価値が落ち、入居者が集まりにくくなることも考えられます。リスクを最小限に抑えるためには、物件の選定と管理が重要です。
【対策】
・将来的な景気動向を予測して物件を決める
・エリアの人口や開発計画がどの程度あるのか調べる
・日当たりのいい明るい部屋を意識する
・共働き世帯でも利用しやすい設備を充実させる
・スーパーやコンビニが近いなど利便性の良さを重視する
・駅近でアクセスがしやすい
流動性リスク(売却に時間がかかる)
不動産を売却したい場合、すぐに買い手が見つからない「流動性」のリスクが懸念されます。売却には投資家が思い通りの利益を得られなかったために現金化を検討する場合や、新しい物件に資金を振り向けたいと考える場合など、さまざまな理由があります。しかし、流動性が悪いと売却に時間がかかり、資産価値を高めるための工夫が求められます。潜在的な買い手層を見極め、適切なマーケティング戦略や査定価格の検討など、売却プロセスをスムーズに進めることが重要です。
【対策】
・築浅で需要の高いうちに売却を検討する
・満室で需要が高い事をアピールする
・最寄り駅の乗降者数が多い駅の物件を選ぶ
修繕費リスク
不動産投資は、修繕費のリスクについても考えなくてはいけません。
修繕費には主に2通りあります。
・「修繕積立金」は、分譲マンションなどの投資で管理会社に支払うもの
・「修繕費」は部屋の設備が故障したときに支払うもの
修繕費は必ずかかってくるものです。居住内の設備が古くなり寿命を迎えたときや故障したときに修繕を行います。居住者に過失がない限り基本的にはオーナー負担になることが多いので、出費として考えておかなくてはいけません。
主にエアコンや給湯器、食器洗浄機、浴室乾燥機など高額なものが多くなります。
【対策】
・定期的に交換して急な故障が起きない対策をする
・メーカーの性能を比較してコストに見合ったものを選ぶ
物件の老朽化リスク
不動産投資で、物件の老朽化リスクも考えておかなくてはいけません。老朽化は建物を外から見ただけで判断できるものではないので、定期的に状態を確認しておき大きなトラブルになる前に未然に防ぐ努力も必要です。どんなに優れた建物でも、必ず劣化はしていきます。一部が破損しただけでも、物件の価値を下げることになってしまうので注意しましょう。
【対策】
・定期的な物件の修繕を行い、トラブルを防止する
・利回りを意識し、築浅の段階で手放すようにする
・住宅診断で建物の状態を確認する
金利上昇リスク
不動産投資において、満室でも金利上昇のリスクは忘れてはいけません。金利は収支に大きな影響を与える部分といえるでしょう。銀行から融資を受けるときに「変動金利」「固定金利」のいずれかを選択できます。どの金利にするのかによっても、返済額の総額に大きな差が生まれてしまうこともあります。長期的に契約することが多いので、その間ずっと同じ金利になるとは限りません。できるだけ条件のいい金利で契約できるようにしておきたいものです。
【対策】
・金利上昇のリスクがあることを頭に入れておく
・固定金利で急な変動が起きないように備える
自然災害リスク
自然災害が起きると大きなリスクが出てしまうのも、不動産投資です。地震はいつ発生するかもわかりません。また、洪水や浸水など河川近くならではのリスクもありますし、風災による竜巻なども例外ではありません。日本は自然災害のリスクが高いのもあり、立地や物件選びが重要です。
【対策】
・新耐震基準を満たした物件を選ぶ
・住宅保険に加入しリスクに備える
・地盤が柔らかい土地を選ばない
・河川近くに物件を購入しない
事故物件リスク
不動産投資において、事故物件のリスクにも留意する必要があります。他殺や自殺などの事件が発生すると、賃料の低下だけでなく、他の入居者の退去なども懸念されます。特に事件が発覚するまでの経過時間が長くなると、原状回復費用も膨大になる可能性があります。事故物件のリスクは避けがたく、貸し出している以上は絶対に発生しないとは言い切れません。
【対策】
・入居時審査を厳しくする
・保証人をつけてもらう
・高齢者の入居はできるだけ控える
不動産投資を「やめとく」前に知りたいメリット
不動産投資にはリスクはありますが、メリットも存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
不労所得が得られる
不動産投資のメリットの中で、特に注目されているのが不動産投資から得られる「不労所得」です。サラリーマンとしての本業と平行して不動産投資を行う人も多く見られます。急なトラブルに備えて物件の管理を不動産会社に委託すれば、トラブルの際も負担が軽減されます。不労所得を望む人にとって、不動産投資は魅力的な選択肢となります。
保険効果が得られる
不動産投資では、ローンを利用する際に金融機関より「団体信用生命保険」への加入が求められます。ローン契約者に万が一のことがあった場合に団体信用生命保険の保険金で物件のローンを弁済することが可能です。 さらに家賃収入を生み出す収益物件はそのまま相続できますし、毎月の生活費として収入を得ることもできます。そのため、不動産投資は生命保険の効果が得られると言われています。
節税効果が得られる
不動産投資のメリットの1つは、節税効果が得られることです。確定申告することにより所得税の還付や住民税が安くなる場合があります。
実物資産ならではのリスクヘッジが出来る
不動産は、株式などの金融資産と違い、モノが存在している実物資産です。実物資産は金融資産と比べても、インフレに強く、価格が安定して急落することは少ないとされています。
区分マンションは少額から始められる
不動産投資で区分マンションを選択すれば、自己資金が少なくても投資が始められます。投資にまわせる資金に余裕がない人もいると思います。不動産投資ローンを組むと、自己資金をほとんど使うこともありません。物件の資産価値も考慮されるので、初心者でも始めやすく、本業が別にあっても取り組みやすい投資方法になるのです。
不動産投資で安定した収入を得るには
不動産投資で安定した収入を得る方法について、解説したいと思います。
不動産投資の目的を明確に定める
不動産投資の目的を明確に決めましょう。なんのために不動産投資を行うのか、投資を行いどうしたいのか具体的な目的設定が重要です。
相場や物件について念入りに調査する
不動産投資は、どの物件を購入するかが重要です。投資の成功は物件の価格や相場によっても変わってきますし、周辺の環境についても学ぶ必要があります。長期的に物件を所有して収益になるのかどうか、念入りな調査が欠かせません。
失敗事例も併せて勉強する
不動産投資には失敗した事例があるのも事実です。同じような失敗をしないためにリスクの把握をし、十分な対策を講じておく必要があります。また、物件を購入する前にさまざまなリスクを考慮したシミュレーションをすることも重要です。
収支シミュレーションをする
不動産投資で成功するためには、収支のシミュレーションもしっかりと行いましょう。どこでどんな出費が考えられるのか、どの程度のお金が出ていくのかも予測できていないと、リスクに備える事はできません。できるだけ具体的な収支を視覚化しておき、都度見直しながら最善を尽くせるようにしていきましょう。
不動産投資会社や管理会社を比較選定する
物件選びはもちろんですが、不動産投資会社や管理会社選びも欠かせません。いきなり1つの会社に絞らずに、まずは複数の会社で見積もりを取り納得できる会社と契約するようにしましょう。
不動産投資の勉強を定期的にする
不動産投資について常に学ぶようにしていきましょう。大きなお金が動く投資でもありますし、このまま保有していたほうがいいのか、売却するタイミングを見極めるためにも必要です。また、設備についてどんなものがあるのか、周囲に競合となる物件はないかなど定期的な勉強を忘れずに行いましょう。
まとめ
不動産投資は「やめとけ」という声もありますが、きちんとリスクヘッジをおこなえば不労所得を得る方法としておすすめです。リスクを回避するためには事前の対策や計画も欠かせません。そのための勉強や情報収集も含め、出来る限りを尽くしリスクを回避できるようにしておきましょう。
ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
2024.01.11
ベルテックスコラム事務局
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由とは?リスク管理について解説
- リスク
- 不動産投資
不動産投資について、「やめとけ」といわれることも少なくありません。確かに不動産投資ならではのリスクもありますが、その反面、メリットも多く存在します。不動産投資に対する否定的な意見がある中で、諦める前に、まずは覚えておきたいポイントについて解説します。 具体的に、不動産投資にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由
不動産投資はやめとけと言われているのは、大きく分けて3つの理由があります。
リスクがあり失敗する可能性がある
不動産投資はやめとけと言われるのは、さまざまなリスクがあるためです。リスクを解消するためには、事前に対策を講じなくてはいけないので、簡単にできる投資方法ではありません。空室リスクや家賃滞納リスク、家賃下落リスクをはじめ、物件の資産価値下落リスクなども考えられます。発生するタイミングを予測するのが難しいため、急なリスクに対応できないケースもあります。出費がかさみリスクの影響を大きく受けてしまうこともあるでしょう。
リスクがあり計画的な運用が欠かせないからこそ、不動産投資はやめとけといわれているのです。
投資金額が大きい
不動産投資は、もともとの投資金額が大きい運用です。マンションやアパートなどの物件を購入するため、投資金額は大きくなります。投資金額の大きいため、もし採算が取れなくなったらどうしようと考えてしまいがちです。
ローン返済が必要
不動産投資は、ローンの返済を確実に行える保証がないことも不動産投資やめとけと言われる理由です。投資額が大きいため、多くの人が不動産投資を始める際に、ローンを活用しています。投資金額にレバレッジをきかせられることもあり、長期でローンを組む人の割合が多いと言われています。入居者がいる間は家賃収入からローン返済をおこなうことができますが、退去した場合には、自分の貯金からローン返済をまかなう必要があります。
不動産投資でよくある10のリスクと対策
不動産投資は専門性が高いため、初心者が始めるのは難しい部分があります。安定的な収入を期待できる反面、多くのリスクがあります。不動産投資でよくある10のリスクや対策にはどのようなものがあるか解説します。
空室リスク
不動産投資におけるリスクの中でも、「空室」は特に深刻な問題とされています。物件を選ぶ際には、空室の発生リスクが低く、安定した収入を得られるかどうかを検討する必要があります。駅近や都心部など、需要が高く入居者が見つかりやすい物件は比較的安定していますが、都心から離れた場所では空室が生じやすい傾向があります。通常、単身者向けの物件は入れ替わりが多いので空室リスクが高まります。一方で、ファミリー向けの物件は条件が揃わない限り引っ越ししにくく、長期間の居住が期待できます。購入する物件がどの層を対象にしているかによって、空室リスクの程度も変わることがあります。
【対策】
・敷金礼金をなくしゼロゼロ物件にする
・費用の負担を減らすフリーレント期間を設ける
・物件のリフォームで清潔感をアピールする
・水回りやセキュリティなどの設備を新しくする
・相場よりも家賃を安く設定する
家賃滞納リスク
不動産投資において「家賃滞納」は重要なリスクです。入居者が家賃の支払いを怠る場合でも、すぐに退去を求めることは難しく、立ち退き訴訟に至るまでには3ヵ月以上の滞納実績が必要です。この期間、オーナーは本来得られるべき家賃を受け取れず、訴訟費用もかさむ可能性があります。家賃滞納が繰り返される可能性があるため、不動産投資においては重大なリスクとなります。入念な入居者審査や適切な契約条件の設定が、このリスクを軽減する一環となります。
【対策】
・家賃保証会社を利用して回収する
・連帯保証人をつける
いずれもオーナー本人に負担がかかってしまい、必ず回収できるものではないので注意しなくてはいけません。
家賃下落リスク
不動産投資のリスクには「家賃下落」も考えられます。空室になり新しい入居者を募集するタイミングに交渉され、家賃が下がってしまうことがあります。周囲の物件で似たような間取りで安い家賃で設定されていると、入居をすぐに決める代わりに家賃を下げて欲しいなど、条件をつけられてしまうこともあり得ます。建物は経年劣化に伴い家賃も下落していき、一般的には新築時から10年間の間に、20%程度家賃が下がるといわれています。この家賃の低下により、家賃収入が減少し、利回りも低下する可能性があります。
【対策】
・中古物件を検討してみる
・周辺の競合物件よりも設備を新しくする
・間取りをリノベーションする
・フリーレントで値下げと同等の効果を提供する
物件の資産価値下落リスク
不動産の価値は経年とともに下がる傾向があります。資産価値をできるだけ維持するためには、「立地」が重要です。築年数が経過した古い物件でも、立地が良ければ賃貸需要が下がりづらい傾向にあります。一方で、人口減少や土地価格の下落、景気の悪化などによっても物件の価値が低下する可能性があります。また、物件で事故や事件が発生すると、急激に価値が落ち、入居者が集まりにくくなることも考えられます。リスクを最小限に抑えるためには、物件の選定と管理が重要です。
【対策】
・将来的な景気動向を予測して物件を決める
・エリアの人口や開発計画がどの程度あるのか調べる
・日当たりのいい明るい部屋を意識する
・共働き世帯でも利用しやすい設備を充実させる
・スーパーやコンビニが近いなど利便性の良さを重視する
・駅近でアクセスがしやすい
流動性リスク(売却に時間がかかる)
不動産を売却したい場合、すぐに買い手が見つからない「流動性」のリスクが懸念されます。売却には投資家が思い通りの利益を得られなかったために現金化を検討する場合や、新しい物件に資金を振り向けたいと考える場合など、さまざまな理由があります。しかし、流動性が悪いと売却に時間がかかり、資産価値を高めるための工夫が求められます。潜在的な買い手層を見極め、適切なマーケティング戦略や査定価格の検討など、売却プロセスをスムーズに進めることが重要です。
【対策】
・築浅で需要の高いうちに売却を検討する
・満室で需要が高い事をアピールする
・最寄り駅の乗降者数が多い駅の物件を選ぶ
修繕費リスク
不動産投資は、修繕費のリスクについても考えなくてはいけません。
修繕費には主に2通りあります。
・「修繕積立金」は、分譲マンションなどの投資で管理会社に支払うもの
・「修繕費」は部屋の設備が故障したときに支払うもの
修繕費は必ずかかってくるものです。居住内の設備が古くなり寿命を迎えたときや故障したときに修繕を行います。居住者に過失がない限り基本的にはオーナー負担になることが多いので、出費として考えておかなくてはいけません。
主にエアコンや給湯器、食器洗浄機、浴室乾燥機など高額なものが多くなります。
【対策】
・定期的に交換して急な故障が起きない対策をする
・メーカーの性能を比較してコストに見合ったものを選ぶ
物件の老朽化リスク
不動産投資で、物件の老朽化リスクも考えておかなくてはいけません。老朽化は建物を外から見ただけで判断できるものではないので、定期的に状態を確認しておき大きなトラブルになる前に未然に防ぐ努力も必要です。どんなに優れた建物でも、必ず劣化はしていきます。一部が破損しただけでも、物件の価値を下げることになってしまうので注意しましょう。
【対策】
・定期的な物件の修繕を行い、トラブルを防止する
・利回りを意識し、築浅の段階で手放すようにする
・住宅診断で建物の状態を確認する
金利上昇リスク
不動産投資において、満室でも金利上昇のリスクは忘れてはいけません。金利は収支に大きな影響を与える部分といえるでしょう。銀行から融資を受けるときに「変動金利」「固定金利」のいずれかを選択できます。どの金利にするのかによっても、返済額の総額に大きな差が生まれてしまうこともあります。長期的に契約することが多いので、その間ずっと同じ金利になるとは限りません。できるだけ条件のいい金利で契約できるようにしておきたいものです。
【対策】
・金利上昇のリスクがあることを頭に入れておく
・固定金利で急な変動が起きないように備える
自然災害リスク
自然災害が起きると大きなリスクが出てしまうのも、不動産投資です。地震はいつ発生するかもわかりません。また、洪水や浸水など河川近くならではのリスクもありますし、風災による竜巻なども例外ではありません。日本は自然災害のリスクが高いのもあり、立地や物件選びが重要です。
【対策】
・新耐震基準を満たした物件を選ぶ
・住宅保険に加入しリスクに備える
・地盤が柔らかい土地を選ばない
・河川近くに物件を購入しない
事故物件リスク
不動産投資において、事故物件のリスクにも留意する必要があります。他殺や自殺などの事件が発生すると、賃料の低下だけでなく、他の入居者の退去なども懸念されます。特に事件が発覚するまでの経過時間が長くなると、原状回復費用も膨大になる可能性があります。事故物件のリスクは避けがたく、貸し出している以上は絶対に発生しないとは言い切れません。
【対策】
・入居時審査を厳しくする
・保証人をつけてもらう
・高齢者の入居はできるだけ控える
不動産投資を「やめとく」前に知りたいメリット
不動産投資にはリスクはありますが、メリットも存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
不労所得が得られる
不動産投資のメリットの中で、特に注目されているのが不動産投資から得られる「不労所得」です。サラリーマンとしての本業と平行して不動産投資を行う人も多く見られます。急なトラブルに備えて物件の管理を不動産会社に委託すれば、トラブルの際も負担が軽減されます。不労所得を望む人にとって、不動産投資は魅力的な選択肢となります。
保険効果が得られる
不動産投資では、ローンを利用する際に金融機関より「団体信用生命保険」への加入が求められます。ローン契約者に万が一のことがあった場合に団体信用生命保険の保険金で物件のローンを弁済することが可能です。 さらに家賃収入を生み出す収益物件はそのまま相続できますし、毎月の生活費として収入を得ることもできます。そのため、不動産投資は生命保険の効果が得られると言われています。
節税効果が得られる
不動産投資のメリットの1つは、節税効果が得られることです。確定申告することにより所得税の還付や住民税が安くなる場合があります。
実物資産ならではのリスクヘッジが出来る
不動産は、株式などの金融資産と違い、モノが存在している実物資産です。実物資産は金融資産と比べても、インフレに強く、価格が安定して急落することは少ないとされています。
区分マンションは少額から始められる
不動産投資で区分マンションを選択すれば、自己資金が少なくても投資が始められます。投資にまわせる資金に余裕がない人もいると思います。不動産投資ローンを組むと、自己資金をほとんど使うこともありません。物件の資産価値も考慮されるので、初心者でも始めやすく、本業が別にあっても取り組みやすい投資方法になるのです。
不動産投資で安定した収入を得るには
不動産投資で安定した収入を得る方法について、解説したいと思います。
不動産投資の目的を明確に定める
不動産投資の目的を明確に決めましょう。なんのために不動産投資を行うのか、投資を行いどうしたいのか具体的な目的設定が重要です。
相場や物件について念入りに調査する
不動産投資は、どの物件を購入するかが重要です。投資の成功は物件の価格や相場によっても変わってきますし、周辺の環境についても学ぶ必要があります。長期的に物件を所有して収益になるのかどうか、念入りな調査が欠かせません。
失敗事例も併せて勉強する
不動産投資には失敗した事例があるのも事実です。同じような失敗をしないためにリスクの把握をし、十分な対策を講じておく必要があります。また、物件を購入する前にさまざまなリスクを考慮したシミュレーションをすることも重要です。
収支シミュレーションをする
不動産投資で成功するためには、収支のシミュレーションもしっかりと行いましょう。どこでどんな出費が考えられるのか、どの程度のお金が出ていくのかも予測できていないと、リスクに備える事はできません。できるだけ具体的な収支を視覚化しておき、都度見直しながら最善を尽くせるようにしていきましょう。
不動産投資会社や管理会社を比較選定する
物件選びはもちろんですが、不動産投資会社や管理会社選びも欠かせません。いきなり1つの会社に絞らずに、まずは複数の会社で見積もりを取り納得できる会社と契約するようにしましょう。
不動産投資の勉強を定期的にする
不動産投資について常に学ぶようにしていきましょう。大きなお金が動く投資でもありますし、このまま保有していたほうがいいのか、売却するタイミングを見極めるためにも必要です。また、設備についてどんなものがあるのか、周囲に競合となる物件はないかなど定期的な勉強を忘れずに行いましょう。
まとめ
不動産投資は「やめとけ」という声もありますが、きちんとリスクヘッジをおこなえば不労所得を得る方法としておすすめです。リスクを回避するためには事前の対策や計画も欠かせません。そのための勉強や情報収集も含め、出来る限りを尽くしリスクを回避できるようにしておきましょう。
ベルテックスでは不動産投資にまつわるセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。