2024.06.06

資産運用

ベルテックスコラム事務局

独身者の老後資金はいくら必要?2,000万円と5,000万円の生活比較

  • 老後資金
  • 不動産投資
  • NISA
  • iDeCo

将来に向かって日本の人口減少が懸念されている中、実は「単身者世帯」は増加が見込まれています。単身者とは「一人で暮らす人」という意味で、配偶者を持ちながら仕事で単身赴任となっている人も含まれる言葉です。しかし、近年の単身者世帯の増加は、Z世代(1990年代半ばから2000年、もしくは2010年初期に生まれた年齢層)における結婚願望を持つ人の減少や、未婚率・離婚率の増加が大きな要因となっています。

この記事では、「単身者」の中でも「独身者」にフォーカスし、「貯蓄2,000万円」と「貯蓄5,000万円」という2つの老後資金のシナリオを比較し、それぞれの選択が将来の生活にどのような影響を与えるかを探求していきます。

【2024年版】独身者の老後資金が必要な期間とは?

老後資金の必要な期間を正確に見積もることは、将来の安定した生活を確保するうえで極めて重要です。

  • その資金がいつの時点から必要になるのか
  • その期間がどの程度続くのか

これらを把握することで、現役時代のうちから計画的な備えができます。

独身男性の場合(平均寿命:81歳)

老後資金の必要な期間の見積りで考えるのは、一般的に再雇用期間終了後の65歳から平均寿命までの期間です。65歳以降もアルバイトなどで生計を立て、年金受給時期を繰り下げる人も多く見られますが、以下では65歳の再雇用期間終了後から年金受給をするケースを例に解説します。

厚生労働省が公表している「令和4年簡易生命表の概況」では、新型コロナウイルスの影響によって直近2年のデータよりも平均寿命がわずかに縮まったものの、男性の平均寿命は「81.05歳」となっています。つまり、65歳から公的年金の受け取りを開始する場合、老後資金が必要な期間は平均16年ということです。

独身女性の場合(平均寿命:87歳) 

一方。同データで男女を比較すると、女性の寿命は「87.09歳」と男性よりも長生きであることが明らかになりました。これに関しては、男性と女性によるホルモンや基礎代謝量の違い、社会環境的な要因など様々な見方があります。女性の老後資金が必要な期間は、平均22年と男性よりも6年程度長く、より多くの老後資金が必要になりそうです。

WHO(世界保健機関)が発表した2023年の世界保健統計(2019年の推計値による)では、平均寿命の最も長い国として日本は世界ランキング一位となっています。「人生100年時代」という言葉があるように、日本における100歳以上の高齢者数は増加しています。(令和5年9月5日時点)

年次 男(人) 女(人) 計(人)
昭和38年 20 133 153
昭和49年 96 431 527
昭和56年 202 870 1,072
平成6年 1,093 4,500 3,078
平成10年 1,812 8,346 10,158
平成24年 6,534 44,842 51,376
令和5年 10,550 81,589 92,139

※注1:上表のデータは、住民基本台帳による報告数
※注2:海外在留邦人を除く
(出典:厚生労働省「男女別百歳以上高齢者数の年次推移」より一部抜粋)

最も古いデータが記録されている昭和38年には、100歳以上の高齢者は153人しかいませんでした。しかし、その数は急速に増加を続けています。
また、厚生労働省による同資料によれば、国内最高齢者の状況は男性が111歳、女性が116歳となっており、女性の老後期間はなんと50年を超えている状況です。

【2024年版】独身者の老後資金は2,000万円で足りるのか? 

「老後資金が2,000万円で足りるのか?」
老後の生活を見据える際には、適切な資金計画が不可欠ですが、その中でも最も基本的な疑問のひとつが、具体的にはいくら必要かということです。この章では、老後資金を2,000万円に設定したシナリオを立て、その額が独身者の生活をどのように支えるのか、そして将来安定した生活を送るために十分な額であるのかを検証していきます。

※老後の「収入」と「支出」については、調査機関によってさまざまなデータが残されており、一概に断定することは困難です。そのため、本章および次章では、統計局による「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年)平均結果の概要」のデータに基づいて解説します。

老後の独身者世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支

実収入

まずは、独身者世帯における老後の収入と支出額を見ていきましょう。
統計局のデータによると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の実収入は134,915円、可処分所得は122,559円となっています。可処分所得とは、各種税金や社会保険料などを差し引いた所得のことであり、言い換えれば生活費用として使うことができる金額のことです。
ここでいう「実収入」には、私的年金やその他の不労所得など、公的年金以外の収入も含みます。比較目安として、厚生年金加入者の平均的な老齢年金受給額は14.5万円(月額)程度になります。

消費支出 

次に、生活における消費支出は143,139円であるとしています。

【消費支出に含まれるもの】
・食料
・住居
・光熱・水道
・家具・家事用品
・被服および履物
・保健医療
・交通・通信
・教育
・共用娯楽
・交際費
・その他の消費支出

可処分所得から消費支出を差し引いた不足分、つまり生活赤字は毎月20,580円ということになります。(下図参照)
 
(出典:統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年)平均結果の概要」18頁より図編集)

老後から平均寿命までの不足資金はいくら?

独身男性の場合

この生活赤字の数値を使用すると、平均寿命までの不足資金は以下のとおりです。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=20,580(円)×192(ヵ月)
 =3,951,360円

上記の計算によれば、老後の不足資金は約400万円程度という試算になります。
想定していたより少なく済むと感じるかもしれませんが、単身者は「会社員」として厚生年金に加入している第2号被保険者の割合が多く、それに伴って実収入(老齢年金)も多い、という要因が背景にあります。
独身男性の懸念点は、自営業を営むなど第1号被保険者です。国民年金受給者の場合、老齢年金は5~6万円程度となるため、私的年金などで老後の実収入を増やすことが必要となりそうです。

ちなみに、100歳まで生きた場合の不足資金は以下のとおりです。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=20,580(円)×420(ヵ月)
       =8,643,600円

現役時代に厚生年金を支払い続けていた人でも、850万円以上の貯蓄が必要になります。

独身女性の場合

同様に、女性の平均寿命までの必要資金を見ていきましょう。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=20,580(円)×264(ヵ月)
    =5,433,120円

こちらも想定していたより少なく、約545万円程度の試算となりました。

しかし、独身女性の懸念点は、厚生年金による老齢年金受給額が男性よりも低いことです。これは、一般的に女性は男性より年収が低く、納めている税額も少ないためです。
また、一度は結婚していて離婚したというケースにも懸念点があります。配偶者がいた期間のうちに、第3号被保険者となり配偶者の扶養に入っていた期間があると、老齢年金がさらに下がる可能性があります。
そのため、本章で解説した内容は、あくまで老後の可処分所得の月額が「122,559円」であった場合に限る考え方です。

【2024年版】夫婦二人世帯の老後資金は2,000万円で足りるのか?

次に同データを用いて、夫婦二人世帯の老後資金について考えてみましょう。

老後の夫婦二人世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支

実収入

65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の実収入について見ると月額246,237円、可処分所得は214,426円となっています。
目安として、厚生年金における夫婦二人分の平均的な老齢年金受給額は約22.5万円程度です。
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

消費支出

次に、生活における消費支出は236,696円であるとしています。
夫婦二人世帯でも、「可処分所得214,426円-消費支出236,696円」で、毎月22,270円の赤字が発生するという結果になっており、毎月の赤字額としては独身者をわずかに上回っています。(下図参照)

 
(出典:統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年)平均結果の概要」18頁より図編集)

老後から平均寿命までの不足資金はいくら?

夫婦の場合、男女で平均寿命が異なるため正確な計算は困難ですが、男性の寿命である81歳までの試算は以下のとおりです。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=22,270(円)×192(ヵ月)
    =4,275,840円

本章と前章を踏まえると、500万円程度の老後資金を準備していれば問題ないように思えるかもしれません。
しかし、これは20歳から60歳までの40年間を会社員として就業し、平均標準報酬が(賞与含む月額換算)43.9万円の場合のケースです。ご自身の置かれた状況と比較してみるとどうでしょうか。

また、公益財団法人生命保険文化センターにおける「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」では、老後の夫婦二人世帯における「最低日常生活費」の平均額を月額23.2万円としています。
つまり、上記で解説してきた「消費支出」は、あくまで「老後生活を送るために最低限必要な費用」に限りなく近いということです。
また、同調査では夫婦二人世帯におけるゆとりある老後生活を送るためには、平均で月額37.9万円が必要であると明らかにしています。このデータを基に夫婦二人世帯が必要な「ゆとりある老後生活費」を算出すると、以下のようになります。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=164,574(円)×192(ヵ月)
       =31,598,208円

※毎月の不足分=379,000-214,426

男性の寿命である81歳までに夫婦で3,150万円が必要なため、単純計算では女性はさらに多くの老後資金が必要となります。人それぞれに置かれた環境や生活水準が異なるため、この試算をきっかけに一度ご自身の老後資金シミュレーションをしてみることをおすすめします。

老後資金が2,000万円では足りない懸念点3つ

「2,000万円では老後が心もとない」という不安の声がよく聞かれます。
特に、頼れる人がいない独身者の場合は、夫婦世帯と比べて経済的な不安が大きく、生活資金に対する考え方が変わってきつつあります。これからの老後資金計画を考えるうえで、考慮すべき懸念点を3つ紹介します。

長寿化

日本は世界でも類を見ない高齢化社会になりました。その結果、人生の晩年を過ごす期間が年々長くなり、それに伴う老後資金の必要性が高まっています。
医療の発達により、今後ますます平均寿命は延びると予測されているため、私たちは非常に長い老後期間を過ごすことになります。そのため、たとえ上記のように厚生年金を受け取っていても、2,000万円では不十分だというのが現実的です。年金受給開始年齢を迎えた後も、まだまだ長い人生をどのように設計し、資金をどのように配分するかが重要な課題となっているのです。

公的年金の減少

公的年金制度の将来は非常に不透明で、すでに受給額の減少が予想されています。これは少子高齢化の影響で保険料の支払い者が減少する一方で、受給者が増加し続けるという構造的な問題から起こっています。日本における年金の財政方式は、「賦課方式」といい、現役の若い層が支払っている保険料がそのまま今の高齢者に支払われる仕組みです。自分の支払った年金が、そのまま積み立てられて自分に返ってくるわけではありません。

自分が高齢になったときに支えてくれる現役世代の人口が少なくなるため、どれだけ高年収で多額の年金を収めていても受給額の減少は避けられません。特に配偶者や家族を持たない独身者は、年金だけに頼った生活設計はリスクが高く、老後に備えて独自の貯蓄や投資が必要になってきます。

医療・介護費用の増加

年齢を重ねると共に健康を維持することは難しくなり、医療や介護の必要性が高まります。病院での治療や薬の処方だけでなく、家のバリアフリー化や入院、介護施設の利用といった高額な費用が老後生活に大きく影響してきます。老人ホームへの入居となると、10年で3,000万円近くの費用(自己負担)がかかるケースもあるようです。
昨今、人手不足に悩まされる日本では人件費の高騰も懸念されており、将来的に働き手の減少を考えると、ますますの物価高が考えられます。さらに、不安定な世界情勢から、インフレによる物価高も常時不安が付きまとう問題でしょう。
個人ひとりひとりがこれらの問題に対処し、将来の生活防衛を意識しなくてはなりません。

独身者が老後資金を5,000万円貯めたらどんな生活ができる?

先述の試算では、「20歳から60歳までの40年間で平均的な標準報酬の男性の場合、貯蓄が400万円程度で必要最低限の生活を送ることができる」ということがわかりました。
しかし、自営業による個人事業主や、平均的な標準報酬を下回る人、平均寿命が長い女性などはこの限りではなく、多くの人にとって老後2,000万円は身近で不可避な課題であると言えます。
では、余裕を持ってゆとりのある老後生活を送るためには、具体的にいくら必要なのでしょうか。本章では、独身者で老後資金5,000万円を貯蓄している人の生活水準を解説します。

①日常生活の不安は特になし

日常生活に必須の住居費や食費、光熱費などの固定費を考えるとき、5,000万円の老後資金があれば、特別な節約をすることなく安定した生活ができるでしょう。公的年金を加えることで、より一層余裕を持った家計簿を維持できます。
また、予期しない出費があっても資金を蓄えているため、心理的なストレスが少なく、精神的にも健康な状態を保つことができます。日々の生活に余裕が生まれることで、趣味や娯楽へを楽しむなど、充実した毎日を過ごせるでしょう。

②身体の不調も我慢せず通院できる

老後は体の不調が出やすい時期ですが、十分な老後資金があれば、少しの体のサインを見逃すことなく、迅速に医療機関でのチェックを受けられます。
医療費の自己負担割合は、原則として70歳から74歳までが2割負担、75歳以上が1割負担と減少していきますが、高齢者の延命は治療自体が高額なものも多くあります。
しかし、老後までに5,000万円を蓄えておけば高額な治療にも柔軟に対応できるため、健康状態の維持にも有利です。定期的な健康診断や歯科治療を受けることで、大きな病気への予防にも繋がり、安心した老後を過ごせるでしょう。

③趣味や旅行などの娯楽にもお金をかけられる 

独身者で5,000万円の資産があれば、趣味や娯楽への投資も積極的に行うことが可能です。これまで忙しくて手を出せなかった趣味に挑戦したり、国内外を問わず旅行を楽しんだりできるでしょう。旅行先での少しの贅沢や思い出に残る体験にも、金銭的な心配をせず資金を充てることができます。これにより、精神的な豊かさも手に入れ、仕事に追われることのない人生の後半期をより楽しめるようになるでしょう。

④頼れる人がいなくても施設入居で生活ができる 

独身者の場合、頼りにできる家族や親族がいないケースが考えられますが、5,000万円の老後資金を貯めることができれば、施設入居にも対応が可能です。老人ホームや介護施設など、質の高い施設に入居し、専門のスタッフに任せることで、一人でも安心して生活することができます。
訪問介護やデイサービス、また完全施設入居など幅広い選択肢から最適なものを選ぶ余裕があるので、精神面での支えも確保できるでしょう。
現在でも、老後資金として十分な蓄えがない方は、社会的孤立による「孤独死」が問題になっています。

夫婦二人世帯が老後資金を5,000万円貯めたらどんな生活ができる?

子育てが終わった夫婦は、人生の晩年としてゆっくりと安心した老後を過ごしたいと願うものです。老後2,000万円程度の貯蓄の場合、寿命の短い男性側は残される妻のことを心配し、十分な余生を楽しめないかもしれません。
では、夫婦二人が5,000万円の資金を老後に備えたら、十分と言えるのでしょうか。「有り余る」と思われるかもしれませんが、実は不測の事態や豊かな生活を目指す場合には必要額であると言えます。

①日常生活の不安は特になし

老後までに5,000万円を貯めている夫婦は、日常生活において特段の不安を抱える必要はありません。今まで通りに暮らしていく上での基本的な生活費に加え、予期せぬ出費があっても余裕を持って対応できるでしょう。
また、厚生年金加入者であれば公的年金受給と併用することで、ある程度安定した収入基盤が得られます。通常の家計管理から、余裕のある時は少し豪華な食事に出かけることも可能になります。健康保険や国民年金、さらには住宅ローンなどの支払いも、余裕をもって計画的に行うことができるでしょう。

②趣味や近場旅行にもある程度お金がかけられる

老後の楽しみといえば、趣味や娯楽が挙げられます。
5,000万円の資金があれば、ガーデニング、手芸、絵画、音楽などの趣味にお金をかけることもできるでしょう。また、気軽に近場の温泉旅行や美術館・博物館巡りなども楽しめます。趣味に没頭することで、老後の充実感や生きがいにつながります。
ただし、5,000万円の資金があっても海外旅行など1回の費用が高くついてしまう旅行は、状況次第では難しいかもしれません。

③孫世帯の祝い事に資金援助できる

5,000万円の貯蓄があれば、子供や孫の結婚、出産などの祝い事に対して援助が可能です。形として残るような援助ができれば、子孫たちとの絆もより一層深まることでしょう。
さらには、教育資金としてのサポートを行うことも考えられます。これらはお金を出すことが肝心かどうかは別として、できる範囲で援助することが老後の幸せな関係構築につながるでしょう。
ただし、②と③については、夫婦二人ともが健康体な場合に限ります。どちらかに介護が必要な状況で、施設入居の必要などが出てくると、生活が厳しくなることも考えられます。

④タイミング次第では二人同時に施設入居が難しい

老後資金が5,000万円貯まっているとしても、夫婦同時に介護施設に入居するのは、費用面で見直す必要があるかもしれません。高齢者の増加と介護ニーズの高まりから、施設にかかる費用は年々上昇しています。2人同時に入居するとなると、それだけで何千万円という事態にもなり得ます。
夫婦2人ともが施設を利用する際は、施設のグレードやサービスの質、そして予算との兼ね合いを考慮しなければなりません。資金計画には余裕を持ちつつ、未来の介護状況を早いうちに家族と相談しながら、適切な選択をしていくことが求められるでしょう。

投資初心者の独身者が老後資金5,000万円貯める方法は?

昨今、資産運用や投資が話題に上がる中、これから投資を考えている方は証券口座の開設や、買付へのハードルが高いと感じることもあるでしょう。特に会社員など本業が忙しい方は、運用開始後も、なるべく「ほったらかし投資」できる手軽な手法を選ぶべきです。
そんな方に向けて、以下では投資初心者の独身者でも無理なく老後資金5,000万円の貯蓄を叶える方法について紹介します。

①iDeCo

国が提供しているiDeCo(個人型確定拠出年金)は、投資初心者の方にも取り組みやすい老後資金づくりの1つです。節税効果が高く、手数料も比較的低いため、長期間コツコツと資産を積み上げていくことが可能です。「掛金」「運用」「給付受取」の3つのタイミングで税制上の優遇があります。受取時は退職金のように「一括」と、私的年金のように「分割」のどちらにするか選べる点も、柔軟性が高くおすすめです。
iDeCoを始める際には、まずは加入条件を確認することが重要であり、その後選択できる金融商品について理解を深めることが成功への鍵となります。
ただし、途中解約ができず、原則として60歳まで引き出せないことには注意しておきましょう。

②NISA 

NISAは、非課税で長期間積み立て投資ができる制度です。
少額から始められる点、資金の柔軟性がある点が続けやすい理由です。2024年から内容がブラッシュアップされた新NISAは、他の投資と合わせて利用したい制度でしょう。
まずはご自身の投資経験に合わせ、リスク分散ができるようなポートフォリオを組みましょう。
時間を味方につけた複利効果を活用した運用法で、老後資金5,000万円への道筋が明確になっていきます。
NISAを行う際は、事前にインターネット上で「資産運用シミュレーション」をしてみることがおすすめです。「毎月の積立金額」「想定利回り」「積立期間」を設定すると、元本に対して運用収益や最終積立金額といった成果が一目でわかります。

③不動産投資

不動産投資は、賃貸収入や不動産価格の値上がりを通じて、長期的な資産形成を行う方法です。特に独身者が老後資金5,000万円を目指すうえで、安定した収益を見込める不動産投資は魅力的な選択肢の1つです。
不動産投資には管理費や修繕費、空室リスクなどもあるため、始める前に十分な知識と準備が必要ですが、上手くいけば老後の公的年金にプラスして毎月の収入を得ることができます。新築か中古か、都心部か地方か、単身向けかファミリー向けかなど、幅広い商品の中から自身に合った予算と利回りを選択可能です。
不動産投資のメリットは節税効果が高いことや、団体信用生命保険に加入できることです。また、収益面で言えば、現物資産なので価値がゼロを下回ることがなく、高いレバレッジ効果で大きな資産形成ができることでしょう。

④株式投資

株式投資は、高いリターンを期待できる一方でリスクも伴う投資法です。経済の動向や企業の業績を分析し、価値が上がると予想される株式を購入することで、資産の増加を目指します。
投資初心者でも、ミニ株(単元未満株)による少額運用や、証券会社のシミュレーションツールを活用しながら知識を深めていくことができます。
定期的な市場のチェックや、中・長期的な視野を持って投資に臨むことで、老後資金5,000万円に向けた資産形成を行うことができるでしょう。
ただし、投資初心者には少しレベルが高い方法でもあるため、まずはNISAなどから始めてみることを推奨します。5,000万円という大きな目標があると、FXや暗号資産、先物取引などで大きな利益を狙いたくなりますが、初心者はローリスク・ローリターンからスタートし、時間をかけた分散投資がおすすめです。

まとめ

独身者が老後に必要な資金は、受給できる公的年金の金額や生活スタイル、希望する生活クオリティによって大きく異なります。
しかし、今回の比較で明らかになったのは、2,000万円という資金では、老後に長寿化や公的年金の減少、医療・介護費用の増加といったさまざまなリスクに対応できない可能性があるという点です。これに対し、5,000万円という充分な資金があれば、これらのリスクにも対応しながら快適な老後生活を送ることが可能になります。

また、老後資金の準備には、iDeCoやNISAなどの税制優遇を利用した積立投資や、リスクを適切に管理しながらの不動産投資や株式投資が有効であり、これらを利用することで目標達成に向けた道筋が立てやすくなります。ただし、投資にはリスクが伴うため、自身のライフプランに合わせた投資計画を立てることが大切です。

結論として、老後資金を2,000万円とするには不安が残り、5,000万円を貯めるために早期に準備を始めること、そして計画的に実行していくことが求められます。個々の状況に合わせて最適な貯蓄・投資計画を立て、安心した老後を迎えられるよう対策しましょう。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.06.06

資産運用

ベルテックスコラム事務局

独身者の老後資金はいくら必要?2,000万円と5,000万円の生活比較

  • 老後資金
  • 不動産投資
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将来に向かって日本の人口減少が懸念されている中、実は「単身者世帯」は増加が見込まれています。単身者とは「一人で暮らす人」という意味で、配偶者を持ちながら仕事で単身赴任となっている人も含まれる言葉です。しかし、近年の単身者世帯の増加は、Z世代(1990年代半ばから2000年、もしくは2010年初期に生まれた年齢層)における結婚願望を持つ人の減少や、未婚率・離婚率の増加が大きな要因となっています。

この記事では、「単身者」の中でも「独身者」にフォーカスし、「貯蓄2,000万円」と「貯蓄5,000万円」という2つの老後資金のシナリオを比較し、それぞれの選択が将来の生活にどのような影響を与えるかを探求していきます。

【2024年版】独身者の老後資金が必要な期間とは?

老後資金の必要な期間を正確に見積もることは、将来の安定した生活を確保するうえで極めて重要です。

  • その資金がいつの時点から必要になるのか
  • その期間がどの程度続くのか

これらを把握することで、現役時代のうちから計画的な備えができます。

独身男性の場合(平均寿命:81歳)

老後資金の必要な期間の見積りで考えるのは、一般的に再雇用期間終了後の65歳から平均寿命までの期間です。65歳以降もアルバイトなどで生計を立て、年金受給時期を繰り下げる人も多く見られますが、以下では65歳の再雇用期間終了後から年金受給をするケースを例に解説します。

厚生労働省が公表している「令和4年簡易生命表の概況」では、新型コロナウイルスの影響によって直近2年のデータよりも平均寿命がわずかに縮まったものの、男性の平均寿命は「81.05歳」となっています。つまり、65歳から公的年金の受け取りを開始する場合、老後資金が必要な期間は平均16年ということです。

独身女性の場合(平均寿命:87歳) 

一方。同データで男女を比較すると、女性の寿命は「87.09歳」と男性よりも長生きであることが明らかになりました。これに関しては、男性と女性によるホルモンや基礎代謝量の違い、社会環境的な要因など様々な見方があります。女性の老後資金が必要な期間は、平均22年と男性よりも6年程度長く、より多くの老後資金が必要になりそうです。

WHO(世界保健機関)が発表した2023年の世界保健統計(2019年の推計値による)では、平均寿命の最も長い国として日本は世界ランキング一位となっています。「人生100年時代」という言葉があるように、日本における100歳以上の高齢者数は増加しています。(令和5年9月5日時点)

年次 男(人) 女(人) 計(人)
昭和38年 20 133 153
昭和49年 96 431 527
昭和56年 202 870 1,072
平成6年 1,093 4,500 3,078
平成10年 1,812 8,346 10,158
平成24年 6,534 44,842 51,376
令和5年 10,550 81,589 92,139

※注1:上表のデータは、住民基本台帳による報告数
※注2:海外在留邦人を除く
(出典:厚生労働省「男女別百歳以上高齢者数の年次推移」より一部抜粋)

最も古いデータが記録されている昭和38年には、100歳以上の高齢者は153人しかいませんでした。しかし、その数は急速に増加を続けています。
また、厚生労働省による同資料によれば、国内最高齢者の状況は男性が111歳、女性が116歳となっており、女性の老後期間はなんと50年を超えている状況です。

【2024年版】独身者の老後資金は2,000万円で足りるのか? 

「老後資金が2,000万円で足りるのか?」
老後の生活を見据える際には、適切な資金計画が不可欠ですが、その中でも最も基本的な疑問のひとつが、具体的にはいくら必要かということです。この章では、老後資金を2,000万円に設定したシナリオを立て、その額が独身者の生活をどのように支えるのか、そして将来安定した生活を送るために十分な額であるのかを検証していきます。

※老後の「収入」と「支出」については、調査機関によってさまざまなデータが残されており、一概に断定することは困難です。そのため、本章および次章では、統計局による「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年)平均結果の概要」のデータに基づいて解説します。

老後の独身者世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支

実収入

まずは、独身者世帯における老後の収入と支出額を見ていきましょう。
統計局のデータによると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の実収入は134,915円、可処分所得は122,559円となっています。可処分所得とは、各種税金や社会保険料などを差し引いた所得のことであり、言い換えれば生活費用として使うことができる金額のことです。
ここでいう「実収入」には、私的年金やその他の不労所得など、公的年金以外の収入も含みます。比較目安として、厚生年金加入者の平均的な老齢年金受給額は14.5万円(月額)程度になります。

消費支出 

次に、生活における消費支出は143,139円であるとしています。

【消費支出に含まれるもの】
・食料
・住居
・光熱・水道
・家具・家事用品
・被服および履物
・保健医療
・交通・通信
・教育
・共用娯楽
・交際費
・その他の消費支出

可処分所得から消費支出を差し引いた不足分、つまり生活赤字は毎月20,580円ということになります。(下図参照)
 
(出典:統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年)平均結果の概要」18頁より図編集)

老後から平均寿命までの不足資金はいくら?

独身男性の場合

この生活赤字の数値を使用すると、平均寿命までの不足資金は以下のとおりです。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=20,580(円)×192(ヵ月)
 =3,951,360円

上記の計算によれば、老後の不足資金は約400万円程度という試算になります。
想定していたより少なく済むと感じるかもしれませんが、単身者は「会社員」として厚生年金に加入している第2号被保険者の割合が多く、それに伴って実収入(老齢年金)も多い、という要因が背景にあります。
独身男性の懸念点は、自営業を営むなど第1号被保険者です。国民年金受給者の場合、老齢年金は5~6万円程度となるため、私的年金などで老後の実収入を増やすことが必要となりそうです。

ちなみに、100歳まで生きた場合の不足資金は以下のとおりです。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=20,580(円)×420(ヵ月)
       =8,643,600円

現役時代に厚生年金を支払い続けていた人でも、850万円以上の貯蓄が必要になります。

独身女性の場合

同様に、女性の平均寿命までの必要資金を見ていきましょう。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=20,580(円)×264(ヵ月)
    =5,433,120円

こちらも想定していたより少なく、約545万円程度の試算となりました。

しかし、独身女性の懸念点は、厚生年金による老齢年金受給額が男性よりも低いことです。これは、一般的に女性は男性より年収が低く、納めている税額も少ないためです。
また、一度は結婚していて離婚したというケースにも懸念点があります。配偶者がいた期間のうちに、第3号被保険者となり配偶者の扶養に入っていた期間があると、老齢年金がさらに下がる可能性があります。
そのため、本章で解説した内容は、あくまで老後の可処分所得の月額が「122,559円」であった場合に限る考え方です。

【2024年版】夫婦二人世帯の老後資金は2,000万円で足りるのか?

次に同データを用いて、夫婦二人世帯の老後資金について考えてみましょう。

老後の夫婦二人世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支

実収入

65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の実収入について見ると月額246,237円、可処分所得は214,426円となっています。
目安として、厚生年金における夫婦二人分の平均的な老齢年金受給額は約22.5万円程度です。
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

消費支出

次に、生活における消費支出は236,696円であるとしています。
夫婦二人世帯でも、「可処分所得214,426円-消費支出236,696円」で、毎月22,270円の赤字が発生するという結果になっており、毎月の赤字額としては独身者をわずかに上回っています。(下図参照)

 
(出典:統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年)平均結果の概要」18頁より図編集)

老後から平均寿命までの不足資金はいくら?

夫婦の場合、男女で平均寿命が異なるため正確な計算は困難ですが、男性の寿命である81歳までの試算は以下のとおりです。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=22,270(円)×192(ヵ月)
    =4,275,840円

本章と前章を踏まえると、500万円程度の老後資金を準備していれば問題ないように思えるかもしれません。
しかし、これは20歳から60歳までの40年間を会社員として就業し、平均標準報酬が(賞与含む月額換算)43.9万円の場合のケースです。ご自身の置かれた状況と比較してみるとどうでしょうか。

また、公益財団法人生命保険文化センターにおける「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」では、老後の夫婦二人世帯における「最低日常生活費」の平均額を月額23.2万円としています。
つまり、上記で解説してきた「消費支出」は、あくまで「老後生活を送るために最低限必要な費用」に限りなく近いということです。
また、同調査では夫婦二人世帯におけるゆとりある老後生活を送るためには、平均で月額37.9万円が必要であると明らかにしています。このデータを基に夫婦二人世帯が必要な「ゆとりある老後生活費」を算出すると、以下のようになります。

計算式:毎月の不足分×寿命までの期間
=164,574(円)×192(ヵ月)
       =31,598,208円

※毎月の不足分=379,000-214,426

男性の寿命である81歳までに夫婦で3,150万円が必要なため、単純計算では女性はさらに多くの老後資金が必要となります。人それぞれに置かれた環境や生活水準が異なるため、この試算をきっかけに一度ご自身の老後資金シミュレーションをしてみることをおすすめします。

老後資金が2,000万円では足りない懸念点3つ

「2,000万円では老後が心もとない」という不安の声がよく聞かれます。
特に、頼れる人がいない独身者の場合は、夫婦世帯と比べて経済的な不安が大きく、生活資金に対する考え方が変わってきつつあります。これからの老後資金計画を考えるうえで、考慮すべき懸念点を3つ紹介します。

長寿化

日本は世界でも類を見ない高齢化社会になりました。その結果、人生の晩年を過ごす期間が年々長くなり、それに伴う老後資金の必要性が高まっています。
医療の発達により、今後ますます平均寿命は延びると予測されているため、私たちは非常に長い老後期間を過ごすことになります。そのため、たとえ上記のように厚生年金を受け取っていても、2,000万円では不十分だというのが現実的です。年金受給開始年齢を迎えた後も、まだまだ長い人生をどのように設計し、資金をどのように配分するかが重要な課題となっているのです。

公的年金の減少

公的年金制度の将来は非常に不透明で、すでに受給額の減少が予想されています。これは少子高齢化の影響で保険料の支払い者が減少する一方で、受給者が増加し続けるという構造的な問題から起こっています。日本における年金の財政方式は、「賦課方式」といい、現役の若い層が支払っている保険料がそのまま今の高齢者に支払われる仕組みです。自分の支払った年金が、そのまま積み立てられて自分に返ってくるわけではありません。

自分が高齢になったときに支えてくれる現役世代の人口が少なくなるため、どれだけ高年収で多額の年金を収めていても受給額の減少は避けられません。特に配偶者や家族を持たない独身者は、年金だけに頼った生活設計はリスクが高く、老後に備えて独自の貯蓄や投資が必要になってきます。

医療・介護費用の増加

年齢を重ねると共に健康を維持することは難しくなり、医療や介護の必要性が高まります。病院での治療や薬の処方だけでなく、家のバリアフリー化や入院、介護施設の利用といった高額な費用が老後生活に大きく影響してきます。老人ホームへの入居となると、10年で3,000万円近くの費用(自己負担)がかかるケースもあるようです。
昨今、人手不足に悩まされる日本では人件費の高騰も懸念されており、将来的に働き手の減少を考えると、ますますの物価高が考えられます。さらに、不安定な世界情勢から、インフレによる物価高も常時不安が付きまとう問題でしょう。
個人ひとりひとりがこれらの問題に対処し、将来の生活防衛を意識しなくてはなりません。

独身者が老後資金を5,000万円貯めたらどんな生活ができる?

先述の試算では、「20歳から60歳までの40年間で平均的な標準報酬の男性の場合、貯蓄が400万円程度で必要最低限の生活を送ることができる」ということがわかりました。
しかし、自営業による個人事業主や、平均的な標準報酬を下回る人、平均寿命が長い女性などはこの限りではなく、多くの人にとって老後2,000万円は身近で不可避な課題であると言えます。
では、余裕を持ってゆとりのある老後生活を送るためには、具体的にいくら必要なのでしょうか。本章では、独身者で老後資金5,000万円を貯蓄している人の生活水準を解説します。

①日常生活の不安は特になし

日常生活に必須の住居費や食費、光熱費などの固定費を考えるとき、5,000万円の老後資金があれば、特別な節約をすることなく安定した生活ができるでしょう。公的年金を加えることで、より一層余裕を持った家計簿を維持できます。
また、予期しない出費があっても資金を蓄えているため、心理的なストレスが少なく、精神的にも健康な状態を保つことができます。日々の生活に余裕が生まれることで、趣味や娯楽へを楽しむなど、充実した毎日を過ごせるでしょう。

②身体の不調も我慢せず通院できる

老後は体の不調が出やすい時期ですが、十分な老後資金があれば、少しの体のサインを見逃すことなく、迅速に医療機関でのチェックを受けられます。
医療費の自己負担割合は、原則として70歳から74歳までが2割負担、75歳以上が1割負担と減少していきますが、高齢者の延命は治療自体が高額なものも多くあります。
しかし、老後までに5,000万円を蓄えておけば高額な治療にも柔軟に対応できるため、健康状態の維持にも有利です。定期的な健康診断や歯科治療を受けることで、大きな病気への予防にも繋がり、安心した老後を過ごせるでしょう。

③趣味や旅行などの娯楽にもお金をかけられる 

独身者で5,000万円の資産があれば、趣味や娯楽への投資も積極的に行うことが可能です。これまで忙しくて手を出せなかった趣味に挑戦したり、国内外を問わず旅行を楽しんだりできるでしょう。旅行先での少しの贅沢や思い出に残る体験にも、金銭的な心配をせず資金を充てることができます。これにより、精神的な豊かさも手に入れ、仕事に追われることのない人生の後半期をより楽しめるようになるでしょう。

④頼れる人がいなくても施設入居で生活ができる 

独身者の場合、頼りにできる家族や親族がいないケースが考えられますが、5,000万円の老後資金を貯めることができれば、施設入居にも対応が可能です。老人ホームや介護施設など、質の高い施設に入居し、専門のスタッフに任せることで、一人でも安心して生活することができます。
訪問介護やデイサービス、また完全施設入居など幅広い選択肢から最適なものを選ぶ余裕があるので、精神面での支えも確保できるでしょう。
現在でも、老後資金として十分な蓄えがない方は、社会的孤立による「孤独死」が問題になっています。

夫婦二人世帯が老後資金を5,000万円貯めたらどんな生活ができる?

子育てが終わった夫婦は、人生の晩年としてゆっくりと安心した老後を過ごしたいと願うものです。老後2,000万円程度の貯蓄の場合、寿命の短い男性側は残される妻のことを心配し、十分な余生を楽しめないかもしれません。
では、夫婦二人が5,000万円の資金を老後に備えたら、十分と言えるのでしょうか。「有り余る」と思われるかもしれませんが、実は不測の事態や豊かな生活を目指す場合には必要額であると言えます。

①日常生活の不安は特になし

老後までに5,000万円を貯めている夫婦は、日常生活において特段の不安を抱える必要はありません。今まで通りに暮らしていく上での基本的な生活費に加え、予期せぬ出費があっても余裕を持って対応できるでしょう。
また、厚生年金加入者であれば公的年金受給と併用することで、ある程度安定した収入基盤が得られます。通常の家計管理から、余裕のある時は少し豪華な食事に出かけることも可能になります。健康保険や国民年金、さらには住宅ローンなどの支払いも、余裕をもって計画的に行うことができるでしょう。

②趣味や近場旅行にもある程度お金がかけられる

老後の楽しみといえば、趣味や娯楽が挙げられます。
5,000万円の資金があれば、ガーデニング、手芸、絵画、音楽などの趣味にお金をかけることもできるでしょう。また、気軽に近場の温泉旅行や美術館・博物館巡りなども楽しめます。趣味に没頭することで、老後の充実感や生きがいにつながります。
ただし、5,000万円の資金があっても海外旅行など1回の費用が高くついてしまう旅行は、状況次第では難しいかもしれません。

③孫世帯の祝い事に資金援助できる

5,000万円の貯蓄があれば、子供や孫の結婚、出産などの祝い事に対して援助が可能です。形として残るような援助ができれば、子孫たちとの絆もより一層深まることでしょう。
さらには、教育資金としてのサポートを行うことも考えられます。これらはお金を出すことが肝心かどうかは別として、できる範囲で援助することが老後の幸せな関係構築につながるでしょう。
ただし、②と③については、夫婦二人ともが健康体な場合に限ります。どちらかに介護が必要な状況で、施設入居の必要などが出てくると、生活が厳しくなることも考えられます。

④タイミング次第では二人同時に施設入居が難しい

老後資金が5,000万円貯まっているとしても、夫婦同時に介護施設に入居するのは、費用面で見直す必要があるかもしれません。高齢者の増加と介護ニーズの高まりから、施設にかかる費用は年々上昇しています。2人同時に入居するとなると、それだけで何千万円という事態にもなり得ます。
夫婦2人ともが施設を利用する際は、施設のグレードやサービスの質、そして予算との兼ね合いを考慮しなければなりません。資金計画には余裕を持ちつつ、未来の介護状況を早いうちに家族と相談しながら、適切な選択をしていくことが求められるでしょう。

投資初心者の独身者が老後資金5,000万円貯める方法は?

昨今、資産運用や投資が話題に上がる中、これから投資を考えている方は証券口座の開設や、買付へのハードルが高いと感じることもあるでしょう。特に会社員など本業が忙しい方は、運用開始後も、なるべく「ほったらかし投資」できる手軽な手法を選ぶべきです。
そんな方に向けて、以下では投資初心者の独身者でも無理なく老後資金5,000万円の貯蓄を叶える方法について紹介します。

①iDeCo

国が提供しているiDeCo(個人型確定拠出年金)は、投資初心者の方にも取り組みやすい老後資金づくりの1つです。節税効果が高く、手数料も比較的低いため、長期間コツコツと資産を積み上げていくことが可能です。「掛金」「運用」「給付受取」の3つのタイミングで税制上の優遇があります。受取時は退職金のように「一括」と、私的年金のように「分割」のどちらにするか選べる点も、柔軟性が高くおすすめです。
iDeCoを始める際には、まずは加入条件を確認することが重要であり、その後選択できる金融商品について理解を深めることが成功への鍵となります。
ただし、途中解約ができず、原則として60歳まで引き出せないことには注意しておきましょう。

②NISA 

NISAは、非課税で長期間積み立て投資ができる制度です。
少額から始められる点、資金の柔軟性がある点が続けやすい理由です。2024年から内容がブラッシュアップされた新NISAは、他の投資と合わせて利用したい制度でしょう。
まずはご自身の投資経験に合わせ、リスク分散ができるようなポートフォリオを組みましょう。
時間を味方につけた複利効果を活用した運用法で、老後資金5,000万円への道筋が明確になっていきます。
NISAを行う際は、事前にインターネット上で「資産運用シミュレーション」をしてみることがおすすめです。「毎月の積立金額」「想定利回り」「積立期間」を設定すると、元本に対して運用収益や最終積立金額といった成果が一目でわかります。

③不動産投資

不動産投資は、賃貸収入や不動産価格の値上がりを通じて、長期的な資産形成を行う方法です。特に独身者が老後資金5,000万円を目指すうえで、安定した収益を見込める不動産投資は魅力的な選択肢の1つです。
不動産投資には管理費や修繕費、空室リスクなどもあるため、始める前に十分な知識と準備が必要ですが、上手くいけば老後の公的年金にプラスして毎月の収入を得ることができます。新築か中古か、都心部か地方か、単身向けかファミリー向けかなど、幅広い商品の中から自身に合った予算と利回りを選択可能です。
不動産投資のメリットは節税効果が高いことや、団体信用生命保険に加入できることです。また、収益面で言えば、現物資産なので価値がゼロを下回ることがなく、高いレバレッジ効果で大きな資産形成ができることでしょう。

④株式投資

株式投資は、高いリターンを期待できる一方でリスクも伴う投資法です。経済の動向や企業の業績を分析し、価値が上がると予想される株式を購入することで、資産の増加を目指します。
投資初心者でも、ミニ株(単元未満株)による少額運用や、証券会社のシミュレーションツールを活用しながら知識を深めていくことができます。
定期的な市場のチェックや、中・長期的な視野を持って投資に臨むことで、老後資金5,000万円に向けた資産形成を行うことができるでしょう。
ただし、投資初心者には少しレベルが高い方法でもあるため、まずはNISAなどから始めてみることを推奨します。5,000万円という大きな目標があると、FXや暗号資産、先物取引などで大きな利益を狙いたくなりますが、初心者はローリスク・ローリターンからスタートし、時間をかけた分散投資がおすすめです。

まとめ

独身者が老後に必要な資金は、受給できる公的年金の金額や生活スタイル、希望する生活クオリティによって大きく異なります。
しかし、今回の比較で明らかになったのは、2,000万円という資金では、老後に長寿化や公的年金の減少、医療・介護費用の増加といったさまざまなリスクに対応できない可能性があるという点です。これに対し、5,000万円という充分な資金があれば、これらのリスクにも対応しながら快適な老後生活を送ることが可能になります。

また、老後資金の準備には、iDeCoやNISAなどの税制優遇を利用した積立投資や、リスクを適切に管理しながらの不動産投資や株式投資が有効であり、これらを利用することで目標達成に向けた道筋が立てやすくなります。ただし、投資にはリスクが伴うため、自身のライフプランに合わせた投資計画を立てることが大切です。

結論として、老後資金を2,000万円とするには不安が残り、5,000万円を貯めるために早期に準備を始めること、そして計画的に実行していくことが求められます。個々の状況に合わせて最適な貯蓄・投資計画を立て、安心した老後を迎えられるよう対策しましょう。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。