2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

初心者におすすめの投資11選比較!コツやポイントもご紹介

  • はじめ方・基礎知識
  • 資産形成
  • 初心者

現在の日本では、銀行にお金を預けているだけでは資産増加は見込めません。投資に関心を持つ人の割合が少ない日本でも、近年投資を始める人が増えてきました。
本記事では、初心者が投資を始めるにあたりおすすめのジャンルや選ぶポイント、失敗しないためのコツをお伝えします。

初心者におすすめの投資11選

投資は、基本的に元本保証がされません。これから資産運用を考えている「投資初心者」は、それぞれの投資が持つメリット・デメリットやリスクをしっかりと理解して、自分に合った賢い選択をすることが大切です。

1. 投資信託

投資信託は、投資家たちから集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれるプロが管理・運用し、利益を投資家に還元する仕組みです。銀行・証券会社の金融商品で、なるべく安全に資産運用をするため「分散型投資」が行われます。

しかし、プロでも予期出来ない市場の変動を受けてしまい、損失が発生する恐れがあることは覚えておきましょう。最近では数百円と少額から始められることから、とても身近な存在で初心者向けと言えます。

2. iDeCo

国が税制優遇に取り組んでいるiDeCoは、掛金(自分で決めた額)を積み立て運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。公的年金と併せて受け取ることで、老後の生活を豊かにすることが出来ます。運用は、定期預金・投資信託・保険商品等、自分で選択することが可能で、掛金や運用成果によって受け取れる年金が変わってくるのが特徴です。

iDeCoの魅力は、3つの節税効果にあります。

1. 毎月の掛金全てが「全額所得控除」の対象となる
2. 通常20.315%課税される運用利益が非課税となる
3. 受取方法によって「退職所得控除」もしくは「公的年金等控除」が適用される

デメリットとしては、金銭的に苦しくなっても原則60歳まで引き出しは出来ません。

3. つみたてNISA

つみたてNSAは、「長期」「積立」「分散投資」スタイルを軸にした非課税制度です。2018年1月からスタートしたこの制度は、専用のNISA口座を作って購入した公募株式投資信託の運用益・分配金が最長20年間非課税になります。 積立の下限額は金融機関によって異なりますが、1,000円ぐらいの少額から開始することが可能です。 設定した間隔で自動的に買付を行うので、買いのタイミングを見定める手間やリスクの軽減をすることが出来ます。

投資信託との大きな違いは、1回の積立金額です。投資信託は、金融機関で定められた金額以上であれば自分の希望上限額まで設定できるのに対して、つみたてNISAは1年間の非課税枠が40万円までと決められており、1ヵ月で積立できるのは33,333円が上限額となります。
2024年以降には、大規模な制度改正がおこなわれ、投資可能期間、非課税保有期間、年間投資枠などが変更になります。

4. 外貨預金

外貨預金は“外貨でお金を貯める”ことで、選択した国の利率による利息が付きます。 冒頭でお伝えしたように現在日本は超低金利時代で、普通預金における金利は0.001パーセント程度です。しかし、海外に視野を広げると低金利の国ばかりではありません。例えば、隣の韓国では金利政策水準がやや高めで普通預金金利が0.1パーセント、定期預金金利が0.8パーセント前後で近年注目が集まっています。

外貨預金は、為替レートの変動が影響するので注意が必要です。韓国の通貨であるウォンは流通量が少なく、取り扱っている銀行はさほど多くありません。言い換えると、変動が激しく安定しない特徴を持っており、リスクも大きいということです。各国で異なった金利政策や外貨の特徴があるため、各国でリターンが全く異なります。

5. ETF(上場投資信託)

ETFとは”Exchange Traded Funds”の頭文字からなる略称で、日本語訳で”上場投資信託”と言います。

・Exchange→取引所で
・Trade→取引される
・Fund→投資信託

通常の投資信託のように株価指数などの動きに連動して運用・管理し、かつ株式のように取引所に上場して、取引時間内にリアルタイムで売買を行う両者の性質を持ち合わせた金融商品です。

ニュース等でもよく耳にする日経平均株価は、日本経済新聞社が東京証券取引所プライム市場上場銘柄より選定した225銘柄の平均株価のことで、日経平均のETFを1本購入することで225銘柄に投資したことになるのです。投資信託は銀行でも購入が出来ますが、ETFは取り扱いが証券会社に限定されています。

6. ミニ株

“株式ミニ投資”の通称となった”ミニ株”とは、名称から想像するように10株から購入できる株による投資です。
株と言うと、単元株(100株単位)で数万円以上からでないと購入出来ないイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。それは、全国にある証券取引所において、株式の売買単位を100株と統一されているからです。しかし、それでは購入したい企業の株価次第で巨額な現金が必要となることがあります。

個人投資家や初心者投資家にとってハードルが高いことを考慮し、10株単位で証券会社との間で売買取引することを可能とした方式です。

7. REIT(不動産投資信託)

REIT(リート)とは”Real Estate Investment Trust)の頭文字からなる略称で、複数の投資家から資金を集めて不動産投資の専門家が不動産を購入・保有し、賃貸料や売却益を配当金として投資家に還元するファンドです。日本のREITは”J-REIT”とも呼ばれます。

個人が不動産経営を行う場合は、銀行ローンの借り入れ審査があり容易ではありません。それに対しREITは10万円前後から投資出来るので、ローン審査に通らない方でも運用可能です。また、個人の不動産経営は金額が大きいので失敗した時の損失や所有する不動産の管理も大変ですが、知識のある専門家に全て任せられるのでリスク・手間が少なく済みます。不動産賃貸料は、設定された額が入居者から定期的に支払われるので、安定も見込めるでしょう。平均利回りは3~5%程度です。

8. 不動産投資型クラウドファンディング

2019年に出たのが不動産投資型クラウドファンディングです。これまで個人で行うにはハードルが高かった不動産投資ですが、少額で始められる身近な投資で注目を集めています。
REITと類似しており投資家から資金を集めて不動産運用・還元を行う仕組みで、傾向としてはREITより高利回りです。1口1万円前後で購入が可能で、REITとは利回り・市場規模・流動性等が異なります。

大きな相違点として、REITは金融上場されているので、取引市場の開いている時間であればいつでも売却可能なのに対し、不動産投資型クラウドファンディングは、多くが売却や途中解約が出来ません。

9. ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、長期分散投資スタイルを前提にAI(人工知能)が「助言」を行う資産運用サービスです。
無料でロボアドバイザーから投資に関する助言をもらえる「アドバイス型」、手数料を支払うことで、購入や運用を一任できる「投資一任型」があります。

アドバイス型は、助言のみで商品決定や購入は自分で行うため、ある程度自分の意思を反映した投資をしたい方は、アドバイス型を選ぶとよいでしょう。

投資一任型の手数料率は、運用資産の1パーセント(年率)程度ですが、運用方法に投資信託を組み込むことが多く、この場合は別途信託報酬も必要です。投資をスタートさせたいけど、情報収集の時間や手間が億劫に感じる方は、ロボアドバイザーの投資一任型は向いていると言えるでしょう。

10. ポイント投資

ポイント投資とは、本来お金を使って投資をするのに代わりクレジットカードやPayPayなどキャッシュレス決済により付与されたポイントを使って投資ができるサービスです。せっかく稼いだお金を投資に使って損をしたくないと躊躇う人でも「いつのまにか貯まっていた」ポイントで投資をするのはハードルがぐんと下がります。1ポイント1円として使えることが多く、投資初心者に注目されているサービスです。

【人気のポイント投資】
・楽天ポイント
・T-POINT
・d-ポイント

日常の中で私たち消費者がよく使用している身近なポイントで、投資信託や国内株式・米国株式などが購入出来ます。

11. 債権

債権とは、国・地方公共団体・会社などが資金を得るために発行するものです。投資家は債権を所有することで、あらかじめ約束された利子を得られます。一般的に債券は比較的、安定的な運用方法といわれているため、初心者におすすめの投資方法です。ただし、発行体が破綻すれば、債務不履行となる可能性もあります。
債権の利子の受け取り方は以下の2種類です。早めに利子の一部を受け取りたい方は、「利付債」を選ぶとよいでしょう。

利付債 ・保有している間、定期的に利子が支払われる
割引債 ・利子相当分を割り引いて発行される
・満期時に額面金額で償還されることで利子が支払われる

投資初心者にはおすすめできない投資法

ここまで投資初心者におすすめの投資法を紹介してきましたが、逆に、初心者におすすめできない投資法もあります。その中でも代表的な投資法を紹介します。

FX(外国為替証拠金取引)

FXとは、投資家が差し入れた証拠金(元手になるお金)をもとに、2国間の通貨の取引をする金融商品です。証拠金の25倍までレバレッジをかけて取引できるのが特徴ですが、それだけ投資家が高いリスクをとれることになり、証拠金を超えた損失が生じるおそれもあります。つまり、FXによって負債を抱える可能性があり、初心者には不向きな投資法といえるでしょう。

初心者がFXをするなら少額かつレバレッジをかけないで行うことをおすすめします。 FX取引には、為替相場の値動きが大きくなった際に流動性が悪くなるリスクや、業者の財務状況が悪化して取引ができなくなるといったリスクもあります。

暗号資産(仮想通貨)投資

暗号資産(仮想通貨)は「インターネット上で利用や保管ができる」「円やドルなどの法定通貨と交換できる」といった特徴を持つデジタル資産です。代表的な銘柄に、ビットコインやイーサリアムなどがあります。
仮想通貨は、国や中央銀行などが信頼性を担保する通貨ではありません。投資家の値上がり期待や信用力などによって価値を維持しているため、値動きが読みにくく、価格変動が大きくなりやすい傾向があります。

このような背景があるため、暗号資産は初心者に不向きな投資方法といえます。投資をする場合、なくなってもよいくらいの少額にとどめることをおすすめします。

個別株投資

個別株投資とは、上場企業の株式銘柄を選ぶ投資法です。個別株投資を行う人は多いですが、リスクもあるため、初心者が気軽に投資をするのは避けましょう。例えば、株式はマーケットと連動しているため、価格下落リスクがあります。企業業績が悪いなどの理由で期待していた配当が得られない、さらに、投資先企業が破綻して株式価値がゼロになる信用リスクもあります。

個別株投資では、株価に影響与える金利・為替・景気動向・企業業績などを分析するスキルが求められます。初心者がこのようなスキルを身に付けるには時間がかかるため、株式投資を始めたい場合は、株式中心でファンドが構成されている株式型の投資信託をおすすめします。株式型の投資信託なら、数多くの企業に分散投資することによりリスクを軽減できます。

一棟アパート投資

不動産投資の中で、不動産クラウドファンディングや区分マンション投資などは初心者向きといわれています。しかし、一棟アパート投資は初心者におすすめできません。理由は、投資金額が大きく、運用に手間がかかるからです。
投資金額については、中古の一棟アパートの相場は8,000万円〜1億円程度です。土地を仕入れて新築の一棟アパートを建てる場合は、億円単位の予算が必要となります(首都圏の場合)。 金融機関から融資を受けて一棟アパート投資をする場合、2〜3割程度の自己資金が必要といわれています。つまり、一棟アパート投資をするなら数千万円の自己資金を用意しなければならないのです。

また、運用の手間で考えても、一棟アパートは部屋数が多いため、 家賃督促・クレーム対応・原状回復などの負担が大きいです。

投資初心者が知っておきたい基礎知識

投資には数多くの知識が必要ですが、ここでは、投資初心者が最低限押さえておきたいポイントを説明します。

資産運用の基本

投資初心者は「お金を増やすこと」にフォーカスしがちですが、資産運用はライフプラン(人生設計)、ライフイベント(人生の大きな出来事)を意識しながら計画することをおすすめします。ライフイベントの例は、就職(転職)・結婚・子どもの教育・マイホーム購入などです。

「それぞれのライフイベントでどのくらいお金が必要か」をシミュレーションしながら、給与収入だけでは足りない分を資産運用でまかなっていきましょう。投資は中長期で行っていくことが大切です。投資で得られた利益をさらに投資に回すことでお金が雪だるま式に増える「複利効果」を利用すると、資産を効率的に増やすことが可能です。

ポートフォリオ

投資の基本的な用語の一つに「ポートフォリオ」があります。ポートフォリオとは分散投資(詳しくは次項参照)を目的とした投資商品の組み合わせのことで、「ポートフォリオを組む」といった形で使われることが多いです。
投資を実行する際は、投資目的やライフプランに合わせて大まかな資産配分(アセットアロケーション)を考え、その後に具体的な投資商品を組み合わせながら、ポートフォリオを組んでいくのが一般的です。

このように解説すると「投資は難しそう」と感じられるかもしれませんが、まずは少額で投資を体験してみることも大切です。

分散投資(例:ドル・コスト平均法)

あらゆる投資には必ずリスクがあります。例えば、 信用リスク、流動性リスク、株価・金利・為替などの変動リスクです。これらのリスクを軽減するためには、以下の3つの分散投資を意識することをおすすめします。

資産の分散 投資信託・債券・REITなど違う種類の資産を組み合わせる
(前述したポートフォリオがこれにあたる)
地域の分散 アメリカ・ユーロ圏・日本など複数の地域の資産を組み合わせる
時間の分散 投資商品を購入する時期を分散させる

時間の分散の手法には「ドル・コスト平均法」があります。これは価格が高い時期も低い時期も決まった額の投資をすることで全体の投資価格をフラットにするものです。

初心者が投資先を選ぶ時のポイント

どの投資を選択するかによって、今後の生活や老後に多少なりとも影響が生じます。スタートする年齢によっても、選ぶべき投資は異なってくるでしょう。投資初心者は、預貯金とのバランスや運用期間といったポイントを見据えて、無理のない範囲で行うことをおすすめします。

投資に回せる金額で選ぶ

日頃の生活にゆとりがあるからといって、使わないお金の全額を投資に注ぎ込んではいけません。
まずは預貯金の準備として、給与額の3~6ヵ月分を目安にしておきましょう。不測の事態に備え、現金が必要となった時にすぐに引き出すことができるお金の用意をします。 このボーダーラインに満たない場合は、投資よりも現金を貯めることが先決です。 預貯金がある方は、日々の固定費や生活費を除いた余剰資金から投資をスタートさせましょう。

運用期間や目的で選ぶ

現在の日本では、65歳までの雇用機会確保がルール化されています。多くの方は、老後の生活費を貯める目的で投資を始められるのではないでしょうか。例えば、老後2,000万円問題のために備えたいなら、65歳から逆算した運用期間の中で2,000万円に到達する利率で投資を行う必要があります。

しかし、若年層のうちに投資をスタートすると、比較的リスクが少ないと言われる「長期分散型投資」を運用出来ますが、中高年でのスタートでは「つみたてNISA」や「ロボアドバイザー」の特徴である長期投資のメリットや恩恵が受けづらくなるでしょう。

投資で資産形成を行いたいなら、早いに越したことはありません。

リスクやリターンの大きさで選ぶ

投資において、リスクとリターンは比例していると言えます。
リスクが少ないものは還元率や配当金も低く、リスクが高いものはその逆です。誰しもローリスク&ハイリターンを望みますが、世の中にそんな投資は存在しません。

  1. 預貯金…ローリスク、ローリターン
  2. 投資信託…リスク、リターンは様々
  3. 株式…ハイリスク、ハイリターン

投資には、政治・経済・金利・天候・災害・世界情勢・外国為替相場と多くの事象が複雑に絡み合っており、近年では新型コロナウイルス、戦争による世界情勢の変化で世界中の投資家に影響を与えました。ハイリターンを狙うには、ハイリスクが付き物となっていることを理解しておきましょう。

投資を始める手順

「これから投資を始めよう」と思ったとき、何から始めればよいのでしょうか。 投資初心者が実際に投資を始める際の具体的な手順について説明します。

本やセミナーなどで勉強する

投資初心者は、まず投資商品全般を扱った本を読んだりセミナーを受講したりすることをおすすめします。難しい内容を覚える必要はありません。初心者向けのたくさんのコンテンツに触れて、リスクから資産を守るための基礎知識を習得しましょう。投資をテーマにした本の中から、レビュー数が多く、評価の高いものを選ぶとよいでしょう。
その後、ご自身が興味を持つ投資商品を掘り下げた本やセミナーに触れることで、基礎知識と専門知識を バランスよく習得できます。

本を読んだりセミナーを受講したりする時間がない方は、本要約サービスやオーディオブックなどを活用して短時間で効率的に投資に必要な知識を吸収していくとよいでしょう。

ポートフォリオを決める

前述した通り、ポートフォリオとは分散投資を目的とした投資商品の組み合わせのことです。ポートフォリオを組むことは投資のリスクを軽減することになるので、投資の経験値に関係なく意識すべきものでしょう。
とはいえ、初心者にとってポートフォリオを組むことは簡単ではありません。なぜなら、資産形成の目的、貯蓄、許容できるリスクは人それぞれ異なるからです。状況に合わせて適切なポートフォリオを組むには豊富な知識と経験が求められます。

そのため、投資初心者は、FP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などの専門家にサポートしてもらいながら自分に合うポートフォリオを組むことをおすすめします。

証券会社の口座を開く

証券会社経由で、投資信託・債券・株式などの取引をするためには証券口座が必要です。銀行経由でも債券や投資信託の取引はできますが、商品ラインナップは証券会社の方が圧倒的に豊富です。また、株式取引は証券口座がなくてはできません。

証券口座には3つの種類がありますが、投資初心者であれば証券会社が年間取引報告書を作成してくれる特定口座の「源泉徴収あり」または「源泉徴収なし」を選択することをおすすめします。年間取引報告書とは、その証券口座を通して行った1年間の取引をまとめた報告書のことです。

証券口座は複数の証券会社で開設することもできます。「手数料が安い」「IPO銘柄が多い」「ポイントが付きやすい」など、それぞれの証券会社の特色に合わせて使い分けましょう。

初心者が投資で失敗しないコツ

全ての投資には元本割れのリスクがありますが、失敗回避のために押さえておくべきコツがあります。 これから紹介するコツを把握し、運用イメージをすると元本割れリスクが軽減されるでしょう。

目的と目標を明確にしておく

まずは、目的と目標を明確にしておくことです。
2022年4月より、日本でも高校で「資産形成」の授業が取り入れられるようになりました。すでに授業カリキュラムが組まれている投資における先進国の米国では、投資目的を「退職準備」と答えられる投資家がほとんどでした。
しかし、同様の調査を日本で行ったところ、米国ではほとんど聞かれなかった「特にない」という回答が最も多く両国の意識の違いが浮き彫りになりました。

そもそも米国には投資アドバイザーがおり、コンサルティングで目標設定を行います。そうすることで「なんとなく投資」による資産形成途中の解約や無茶な方向転換による失敗を防ぐことが出来ます。

日本ではまだ投資アドバイザー自体が普及されていないため、自分で投資の行き先を明確にしましょう。

まずは少額から始める

少額からコツコツ始めることで、投資の仕組みを知り慣れるようにしましょう。手元にまとまったお金があるからといって、全てを使い込んでしまうのはハイリスクです。
政治や経済、世界情勢がどのように株価や投資と関わりあっているかを理解するまでは、少額でローリスクのものを選びましょう。

少額と謳った商品でも、注意が必要なものもあります。例えば、よく知られているFXです。少額スタートしても、初心者は多くの取引をして利益を出そうとする傾向にあり、1万円程度で始めても結果として大きな損失を招いてしまうことがあります。FXは多くのトレーダーが負ける仕組みになっているので、初心者は安易に手を出さない方がいいでしょう。

あらかじめ運用シミュレーション行う

目的と目標と同時に運用シミュレーションを行うことも大切です。
自分で計算することが難しくても、現在はインターネット上でも数値を入力するだけで簡単に資産運用のシミュレーションが出来ます。

金融庁のページにある資産運用シミュレーションでは、月々3万円(元金)を3パーセント(年率)で積み立てると、1年目には0.5万円、5年目には13.9万円、10年目には59.2万円の運用収益が発生しています。 シミュレーションを行うことで、自分の貯めたい金額に対する必要元金や運用すべき年率も見えてくるでしょう。

最低限の知識は身につけておく

「投資はギャンブル」という言葉があります。投資の正しい知識を得ずスタートしてしまうと、ギャンブルのような運任せの賭け事になってしまうでしょう。しかし、投資はギャンブルとは違い、知識を付けることで政治や経済の流れを読み、自分で戦略を立てることが出来るのです。

後述しますが「リスク」と一括りに言っても様々なものがあり、「利回り」と「利率」は類似していますが意味が異なります。このような専門用語にも深い理解が必要です。
また、投資には購入時、保有時、売却時、利益発生時といった各シーンで手数料が発生します。上手に資産運用するには、各種手数料を把握することは必須でしょう。

リスクを理解しておく

投資におけるリスクは多岐に渡ります。リスクと言うと「失敗」「損失」を思い浮かべますが、投資のリスクは「可能性」を意味します。

  • 株価変動リスク
  • 信用リスク(デフォルト・リスク)
  • 流動性リスク
  • 金利変動リスク
  • 為替変動リスク

様々なリスク要因がありますが、選択する投資がどんなリスクを受けやすいのか、リスクを受けた時に値動きがどう変動するかを知ることは投資の基本です。

分散投資をする

投資の知識が未熟な初心者のうちは、分散投資をするようにしましょう。 分散投資をすることでリスクを軽減することが可能で、金融庁も勧めています。

【分散投資の例】
・資産(銘柄)の分散:特性の異なる複数の資産を組み合わせる
・地域の分散:複数の地域や通貨を組み合わせる
・時間(時期)の分散:価格の高いときは少なく、価格が安いときは多く買う

分散することで1つが暴落しても大打撃を受けずに済むため、大幅に資産が減ってしまうことを防げるでしょう。

まとめ

この記事を読んで、投資未経験の方は運用イメージが湧いてきたでしょうか。
初心者にはどんな投資がおすすめなのか、選ぶ際のポイントや失敗しないためのコツについてお伝えしました。 投資を始める前にはシミュレーションを交えた目的・目標設定、最低限の知識をつけることが大切です。

そして、いざスタートする際には「少額」「分散」投資をすることでリスク回避をしましょう。また、若いうちに始めることで少額でも立派に資産形成をすることが可能です。豊かな未来を叶えるために今のうちから備えておきましょう。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.02.29

資産運用

ベルテックスコラム事務局

初心者におすすめの投資11選比較!コツやポイントもご紹介

  • はじめ方・基礎知識
  • 資産形成
  • 初心者

現在の日本では、銀行にお金を預けているだけでは資産増加は見込めません。投資に関心を持つ人の割合が少ない日本でも、近年投資を始める人が増えてきました。
本記事では、初心者が投資を始めるにあたりおすすめのジャンルや選ぶポイント、失敗しないためのコツをお伝えします。

初心者におすすめの投資11選

投資は、基本的に元本保証がされません。これから資産運用を考えている「投資初心者」は、それぞれの投資が持つメリット・デメリットやリスクをしっかりと理解して、自分に合った賢い選択をすることが大切です。

1. 投資信託

投資信託は、投資家たちから集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれるプロが管理・運用し、利益を投資家に還元する仕組みです。銀行・証券会社の金融商品で、なるべく安全に資産運用をするため「分散型投資」が行われます。

しかし、プロでも予期出来ない市場の変動を受けてしまい、損失が発生する恐れがあることは覚えておきましょう。最近では数百円と少額から始められることから、とても身近な存在で初心者向けと言えます。

2. iDeCo

国が税制優遇に取り組んでいるiDeCoは、掛金(自分で決めた額)を積み立て運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。公的年金と併せて受け取ることで、老後の生活を豊かにすることが出来ます。運用は、定期預金・投資信託・保険商品等、自分で選択することが可能で、掛金や運用成果によって受け取れる年金が変わってくるのが特徴です。

iDeCoの魅力は、3つの節税効果にあります。

1. 毎月の掛金全てが「全額所得控除」の対象となる
2. 通常20.315%課税される運用利益が非課税となる
3. 受取方法によって「退職所得控除」もしくは「公的年金等控除」が適用される

デメリットとしては、金銭的に苦しくなっても原則60歳まで引き出しは出来ません。

3. つみたてNISA

つみたてNSAは、「長期」「積立」「分散投資」スタイルを軸にした非課税制度です。2018年1月からスタートしたこの制度は、専用のNISA口座を作って購入した公募株式投資信託の運用益・分配金が最長20年間非課税になります。 積立の下限額は金融機関によって異なりますが、1,000円ぐらいの少額から開始することが可能です。 設定した間隔で自動的に買付を行うので、買いのタイミングを見定める手間やリスクの軽減をすることが出来ます。

投資信託との大きな違いは、1回の積立金額です。投資信託は、金融機関で定められた金額以上であれば自分の希望上限額まで設定できるのに対して、つみたてNISAは1年間の非課税枠が40万円までと決められており、1ヵ月で積立できるのは33,333円が上限額となります。
2024年以降には、大規模な制度改正がおこなわれ、投資可能期間、非課税保有期間、年間投資枠などが変更になります。

4. 外貨預金

外貨預金は“外貨でお金を貯める”ことで、選択した国の利率による利息が付きます。 冒頭でお伝えしたように現在日本は超低金利時代で、普通預金における金利は0.001パーセント程度です。しかし、海外に視野を広げると低金利の国ばかりではありません。例えば、隣の韓国では金利政策水準がやや高めで普通預金金利が0.1パーセント、定期預金金利が0.8パーセント前後で近年注目が集まっています。

外貨預金は、為替レートの変動が影響するので注意が必要です。韓国の通貨であるウォンは流通量が少なく、取り扱っている銀行はさほど多くありません。言い換えると、変動が激しく安定しない特徴を持っており、リスクも大きいということです。各国で異なった金利政策や外貨の特徴があるため、各国でリターンが全く異なります。

5. ETF(上場投資信託)

ETFとは”Exchange Traded Funds”の頭文字からなる略称で、日本語訳で”上場投資信託”と言います。

・Exchange→取引所で
・Trade→取引される
・Fund→投資信託

通常の投資信託のように株価指数などの動きに連動して運用・管理し、かつ株式のように取引所に上場して、取引時間内にリアルタイムで売買を行う両者の性質を持ち合わせた金融商品です。

ニュース等でもよく耳にする日経平均株価は、日本経済新聞社が東京証券取引所プライム市場上場銘柄より選定した225銘柄の平均株価のことで、日経平均のETFを1本購入することで225銘柄に投資したことになるのです。投資信託は銀行でも購入が出来ますが、ETFは取り扱いが証券会社に限定されています。

6. ミニ株

“株式ミニ投資”の通称となった”ミニ株”とは、名称から想像するように10株から購入できる株による投資です。
株と言うと、単元株(100株単位)で数万円以上からでないと購入出来ないイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。それは、全国にある証券取引所において、株式の売買単位を100株と統一されているからです。しかし、それでは購入したい企業の株価次第で巨額な現金が必要となることがあります。

個人投資家や初心者投資家にとってハードルが高いことを考慮し、10株単位で証券会社との間で売買取引することを可能とした方式です。

7. REIT(不動産投資信託)

REIT(リート)とは”Real Estate Investment Trust)の頭文字からなる略称で、複数の投資家から資金を集めて不動産投資の専門家が不動産を購入・保有し、賃貸料や売却益を配当金として投資家に還元するファンドです。日本のREITは”J-REIT”とも呼ばれます。

個人が不動産経営を行う場合は、銀行ローンの借り入れ審査があり容易ではありません。それに対しREITは10万円前後から投資出来るので、ローン審査に通らない方でも運用可能です。また、個人の不動産経営は金額が大きいので失敗した時の損失や所有する不動産の管理も大変ですが、知識のある専門家に全て任せられるのでリスク・手間が少なく済みます。不動産賃貸料は、設定された額が入居者から定期的に支払われるので、安定も見込めるでしょう。平均利回りは3~5%程度です。

8. 不動産投資型クラウドファンディング

2019年に出たのが不動産投資型クラウドファンディングです。これまで個人で行うにはハードルが高かった不動産投資ですが、少額で始められる身近な投資で注目を集めています。
REITと類似しており投資家から資金を集めて不動産運用・還元を行う仕組みで、傾向としてはREITより高利回りです。1口1万円前後で購入が可能で、REITとは利回り・市場規模・流動性等が異なります。

大きな相違点として、REITは金融上場されているので、取引市場の開いている時間であればいつでも売却可能なのに対し、不動産投資型クラウドファンディングは、多くが売却や途中解約が出来ません。

9. ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、長期分散投資スタイルを前提にAI(人工知能)が「助言」を行う資産運用サービスです。
無料でロボアドバイザーから投資に関する助言をもらえる「アドバイス型」、手数料を支払うことで、購入や運用を一任できる「投資一任型」があります。

アドバイス型は、助言のみで商品決定や購入は自分で行うため、ある程度自分の意思を反映した投資をしたい方は、アドバイス型を選ぶとよいでしょう。

投資一任型の手数料率は、運用資産の1パーセント(年率)程度ですが、運用方法に投資信託を組み込むことが多く、この場合は別途信託報酬も必要です。投資をスタートさせたいけど、情報収集の時間や手間が億劫に感じる方は、ロボアドバイザーの投資一任型は向いていると言えるでしょう。

10. ポイント投資

ポイント投資とは、本来お金を使って投資をするのに代わりクレジットカードやPayPayなどキャッシュレス決済により付与されたポイントを使って投資ができるサービスです。せっかく稼いだお金を投資に使って損をしたくないと躊躇う人でも「いつのまにか貯まっていた」ポイントで投資をするのはハードルがぐんと下がります。1ポイント1円として使えることが多く、投資初心者に注目されているサービスです。

【人気のポイント投資】
・楽天ポイント
・T-POINT
・d-ポイント

日常の中で私たち消費者がよく使用している身近なポイントで、投資信託や国内株式・米国株式などが購入出来ます。

11. 債権

債権とは、国・地方公共団体・会社などが資金を得るために発行するものです。投資家は債権を所有することで、あらかじめ約束された利子を得られます。一般的に債券は比較的、安定的な運用方法といわれているため、初心者におすすめの投資方法です。ただし、発行体が破綻すれば、債務不履行となる可能性もあります。
債権の利子の受け取り方は以下の2種類です。早めに利子の一部を受け取りたい方は、「利付債」を選ぶとよいでしょう。

利付債 ・保有している間、定期的に利子が支払われる
割引債 ・利子相当分を割り引いて発行される
・満期時に額面金額で償還されることで利子が支払われる

投資初心者にはおすすめできない投資法

ここまで投資初心者におすすめの投資法を紹介してきましたが、逆に、初心者におすすめできない投資法もあります。その中でも代表的な投資法を紹介します。

FX(外国為替証拠金取引)

FXとは、投資家が差し入れた証拠金(元手になるお金)をもとに、2国間の通貨の取引をする金融商品です。証拠金の25倍までレバレッジをかけて取引できるのが特徴ですが、それだけ投資家が高いリスクをとれることになり、証拠金を超えた損失が生じるおそれもあります。つまり、FXによって負債を抱える可能性があり、初心者には不向きな投資法といえるでしょう。

初心者がFXをするなら少額かつレバレッジをかけないで行うことをおすすめします。 FX取引には、為替相場の値動きが大きくなった際に流動性が悪くなるリスクや、業者の財務状況が悪化して取引ができなくなるといったリスクもあります。

暗号資産(仮想通貨)投資

暗号資産(仮想通貨)は「インターネット上で利用や保管ができる」「円やドルなどの法定通貨と交換できる」といった特徴を持つデジタル資産です。代表的な銘柄に、ビットコインやイーサリアムなどがあります。
仮想通貨は、国や中央銀行などが信頼性を担保する通貨ではありません。投資家の値上がり期待や信用力などによって価値を維持しているため、値動きが読みにくく、価格変動が大きくなりやすい傾向があります。

このような背景があるため、暗号資産は初心者に不向きな投資方法といえます。投資をする場合、なくなってもよいくらいの少額にとどめることをおすすめします。

個別株投資

個別株投資とは、上場企業の株式銘柄を選ぶ投資法です。個別株投資を行う人は多いですが、リスクもあるため、初心者が気軽に投資をするのは避けましょう。例えば、株式はマーケットと連動しているため、価格下落リスクがあります。企業業績が悪いなどの理由で期待していた配当が得られない、さらに、投資先企業が破綻して株式価値がゼロになる信用リスクもあります。

個別株投資では、株価に影響与える金利・為替・景気動向・企業業績などを分析するスキルが求められます。初心者がこのようなスキルを身に付けるには時間がかかるため、株式投資を始めたい場合は、株式中心でファンドが構成されている株式型の投資信託をおすすめします。株式型の投資信託なら、数多くの企業に分散投資することによりリスクを軽減できます。

一棟アパート投資

不動産投資の中で、不動産クラウドファンディングや区分マンション投資などは初心者向きといわれています。しかし、一棟アパート投資は初心者におすすめできません。理由は、投資金額が大きく、運用に手間がかかるからです。
投資金額については、中古の一棟アパートの相場は8,000万円〜1億円程度です。土地を仕入れて新築の一棟アパートを建てる場合は、億円単位の予算が必要となります(首都圏の場合)。 金融機関から融資を受けて一棟アパート投資をする場合、2〜3割程度の自己資金が必要といわれています。つまり、一棟アパート投資をするなら数千万円の自己資金を用意しなければならないのです。

また、運用の手間で考えても、一棟アパートは部屋数が多いため、 家賃督促・クレーム対応・原状回復などの負担が大きいです。

投資初心者が知っておきたい基礎知識

投資には数多くの知識が必要ですが、ここでは、投資初心者が最低限押さえておきたいポイントを説明します。

資産運用の基本

投資初心者は「お金を増やすこと」にフォーカスしがちですが、資産運用はライフプラン(人生設計)、ライフイベント(人生の大きな出来事)を意識しながら計画することをおすすめします。ライフイベントの例は、就職(転職)・結婚・子どもの教育・マイホーム購入などです。

「それぞれのライフイベントでどのくらいお金が必要か」をシミュレーションしながら、給与収入だけでは足りない分を資産運用でまかなっていきましょう。投資は中長期で行っていくことが大切です。投資で得られた利益をさらに投資に回すことでお金が雪だるま式に増える「複利効果」を利用すると、資産を効率的に増やすことが可能です。

ポートフォリオ

投資の基本的な用語の一つに「ポートフォリオ」があります。ポートフォリオとは分散投資(詳しくは次項参照)を目的とした投資商品の組み合わせのことで、「ポートフォリオを組む」といった形で使われることが多いです。
投資を実行する際は、投資目的やライフプランに合わせて大まかな資産配分(アセットアロケーション)を考え、その後に具体的な投資商品を組み合わせながら、ポートフォリオを組んでいくのが一般的です。

このように解説すると「投資は難しそう」と感じられるかもしれませんが、まずは少額で投資を体験してみることも大切です。

分散投資(例:ドル・コスト平均法)

あらゆる投資には必ずリスクがあります。例えば、 信用リスク、流動性リスク、株価・金利・為替などの変動リスクです。これらのリスクを軽減するためには、以下の3つの分散投資を意識することをおすすめします。

資産の分散 投資信託・債券・REITなど違う種類の資産を組み合わせる
(前述したポートフォリオがこれにあたる)
地域の分散 アメリカ・ユーロ圏・日本など複数の地域の資産を組み合わせる
時間の分散 投資商品を購入する時期を分散させる

時間の分散の手法には「ドル・コスト平均法」があります。これは価格が高い時期も低い時期も決まった額の投資をすることで全体の投資価格をフラットにするものです。

初心者が投資先を選ぶ時のポイント

どの投資を選択するかによって、今後の生活や老後に多少なりとも影響が生じます。スタートする年齢によっても、選ぶべき投資は異なってくるでしょう。投資初心者は、預貯金とのバランスや運用期間といったポイントを見据えて、無理のない範囲で行うことをおすすめします。

投資に回せる金額で選ぶ

日頃の生活にゆとりがあるからといって、使わないお金の全額を投資に注ぎ込んではいけません。
まずは預貯金の準備として、給与額の3~6ヵ月分を目安にしておきましょう。不測の事態に備え、現金が必要となった時にすぐに引き出すことができるお金の用意をします。 このボーダーラインに満たない場合は、投資よりも現金を貯めることが先決です。 預貯金がある方は、日々の固定費や生活費を除いた余剰資金から投資をスタートさせましょう。

運用期間や目的で選ぶ

現在の日本では、65歳までの雇用機会確保がルール化されています。多くの方は、老後の生活費を貯める目的で投資を始められるのではないでしょうか。例えば、老後2,000万円問題のために備えたいなら、65歳から逆算した運用期間の中で2,000万円に到達する利率で投資を行う必要があります。

しかし、若年層のうちに投資をスタートすると、比較的リスクが少ないと言われる「長期分散型投資」を運用出来ますが、中高年でのスタートでは「つみたてNISA」や「ロボアドバイザー」の特徴である長期投資のメリットや恩恵が受けづらくなるでしょう。

投資で資産形成を行いたいなら、早いに越したことはありません。

リスクやリターンの大きさで選ぶ

投資において、リスクとリターンは比例していると言えます。
リスクが少ないものは還元率や配当金も低く、リスクが高いものはその逆です。誰しもローリスク&ハイリターンを望みますが、世の中にそんな投資は存在しません。

  1. 預貯金…ローリスク、ローリターン
  2. 投資信託…リスク、リターンは様々
  3. 株式…ハイリスク、ハイリターン

投資には、政治・経済・金利・天候・災害・世界情勢・外国為替相場と多くの事象が複雑に絡み合っており、近年では新型コロナウイルス、戦争による世界情勢の変化で世界中の投資家に影響を与えました。ハイリターンを狙うには、ハイリスクが付き物となっていることを理解しておきましょう。

投資を始める手順

「これから投資を始めよう」と思ったとき、何から始めればよいのでしょうか。 投資初心者が実際に投資を始める際の具体的な手順について説明します。

本やセミナーなどで勉強する

投資初心者は、まず投資商品全般を扱った本を読んだりセミナーを受講したりすることをおすすめします。難しい内容を覚える必要はありません。初心者向けのたくさんのコンテンツに触れて、リスクから資産を守るための基礎知識を習得しましょう。投資をテーマにした本の中から、レビュー数が多く、評価の高いものを選ぶとよいでしょう。
その後、ご自身が興味を持つ投資商品を掘り下げた本やセミナーに触れることで、基礎知識と専門知識を バランスよく習得できます。

本を読んだりセミナーを受講したりする時間がない方は、本要約サービスやオーディオブックなどを活用して短時間で効率的に投資に必要な知識を吸収していくとよいでしょう。

ポートフォリオを決める

前述した通り、ポートフォリオとは分散投資を目的とした投資商品の組み合わせのことです。ポートフォリオを組むことは投資のリスクを軽減することになるので、投資の経験値に関係なく意識すべきものでしょう。
とはいえ、初心者にとってポートフォリオを組むことは簡単ではありません。なぜなら、資産形成の目的、貯蓄、許容できるリスクは人それぞれ異なるからです。状況に合わせて適切なポートフォリオを組むには豊富な知識と経験が求められます。

そのため、投資初心者は、FP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などの専門家にサポートしてもらいながら自分に合うポートフォリオを組むことをおすすめします。

証券会社の口座を開く

証券会社経由で、投資信託・債券・株式などの取引をするためには証券口座が必要です。銀行経由でも債券や投資信託の取引はできますが、商品ラインナップは証券会社の方が圧倒的に豊富です。また、株式取引は証券口座がなくてはできません。

証券口座には3つの種類がありますが、投資初心者であれば証券会社が年間取引報告書を作成してくれる特定口座の「源泉徴収あり」または「源泉徴収なし」を選択することをおすすめします。年間取引報告書とは、その証券口座を通して行った1年間の取引をまとめた報告書のことです。

証券口座は複数の証券会社で開設することもできます。「手数料が安い」「IPO銘柄が多い」「ポイントが付きやすい」など、それぞれの証券会社の特色に合わせて使い分けましょう。

初心者が投資で失敗しないコツ

全ての投資には元本割れのリスクがありますが、失敗回避のために押さえておくべきコツがあります。 これから紹介するコツを把握し、運用イメージをすると元本割れリスクが軽減されるでしょう。

目的と目標を明確にしておく

まずは、目的と目標を明確にしておくことです。
2022年4月より、日本でも高校で「資産形成」の授業が取り入れられるようになりました。すでに授業カリキュラムが組まれている投資における先進国の米国では、投資目的を「退職準備」と答えられる投資家がほとんどでした。
しかし、同様の調査を日本で行ったところ、米国ではほとんど聞かれなかった「特にない」という回答が最も多く両国の意識の違いが浮き彫りになりました。

そもそも米国には投資アドバイザーがおり、コンサルティングで目標設定を行います。そうすることで「なんとなく投資」による資産形成途中の解約や無茶な方向転換による失敗を防ぐことが出来ます。

日本ではまだ投資アドバイザー自体が普及されていないため、自分で投資の行き先を明確にしましょう。

まずは少額から始める

少額からコツコツ始めることで、投資の仕組みを知り慣れるようにしましょう。手元にまとまったお金があるからといって、全てを使い込んでしまうのはハイリスクです。
政治や経済、世界情勢がどのように株価や投資と関わりあっているかを理解するまでは、少額でローリスクのものを選びましょう。

少額と謳った商品でも、注意が必要なものもあります。例えば、よく知られているFXです。少額スタートしても、初心者は多くの取引をして利益を出そうとする傾向にあり、1万円程度で始めても結果として大きな損失を招いてしまうことがあります。FXは多くのトレーダーが負ける仕組みになっているので、初心者は安易に手を出さない方がいいでしょう。

あらかじめ運用シミュレーション行う

目的と目標と同時に運用シミュレーションを行うことも大切です。
自分で計算することが難しくても、現在はインターネット上でも数値を入力するだけで簡単に資産運用のシミュレーションが出来ます。

金融庁のページにある資産運用シミュレーションでは、月々3万円(元金)を3パーセント(年率)で積み立てると、1年目には0.5万円、5年目には13.9万円、10年目には59.2万円の運用収益が発生しています。 シミュレーションを行うことで、自分の貯めたい金額に対する必要元金や運用すべき年率も見えてくるでしょう。

最低限の知識は身につけておく

「投資はギャンブル」という言葉があります。投資の正しい知識を得ずスタートしてしまうと、ギャンブルのような運任せの賭け事になってしまうでしょう。しかし、投資はギャンブルとは違い、知識を付けることで政治や経済の流れを読み、自分で戦略を立てることが出来るのです。

後述しますが「リスク」と一括りに言っても様々なものがあり、「利回り」と「利率」は類似していますが意味が異なります。このような専門用語にも深い理解が必要です。
また、投資には購入時、保有時、売却時、利益発生時といった各シーンで手数料が発生します。上手に資産運用するには、各種手数料を把握することは必須でしょう。

リスクを理解しておく

投資におけるリスクは多岐に渡ります。リスクと言うと「失敗」「損失」を思い浮かべますが、投資のリスクは「可能性」を意味します。

  • 株価変動リスク
  • 信用リスク(デフォルト・リスク)
  • 流動性リスク
  • 金利変動リスク
  • 為替変動リスク

様々なリスク要因がありますが、選択する投資がどんなリスクを受けやすいのか、リスクを受けた時に値動きがどう変動するかを知ることは投資の基本です。

分散投資をする

投資の知識が未熟な初心者のうちは、分散投資をするようにしましょう。 分散投資をすることでリスクを軽減することが可能で、金融庁も勧めています。

【分散投資の例】
・資産(銘柄)の分散:特性の異なる複数の資産を組み合わせる
・地域の分散:複数の地域や通貨を組み合わせる
・時間(時期)の分散:価格の高いときは少なく、価格が安いときは多く買う

分散することで1つが暴落しても大打撃を受けずに済むため、大幅に資産が減ってしまうことを防げるでしょう。

まとめ

この記事を読んで、投資未経験の方は運用イメージが湧いてきたでしょうか。
初心者にはどんな投資がおすすめなのか、選ぶ際のポイントや失敗しないためのコツについてお伝えしました。 投資を始める前にはシミュレーションを交えた目的・目標設定、最低限の知識をつけることが大切です。

そして、いざスタートする際には「少額」「分散」投資をすることでリスク回避をしましょう。また、若いうちに始めることで少額でも立派に資産形成をすることが可能です。豊かな未来を叶えるために今のうちから備えておきましょう。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。