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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
王道の土地活用法5選と失敗しないポイント解説
- はじめ方・基礎知識
- マンション投資
- 資産形成
近年、資産運用や年金対策で土地活用が注目を集めています。しかし、土地活用といってもさまざまな種類があり、どれを行うのが正解なのか分からない人も多いでしょう。
今回は、さまざまな土地活用の紹介とそれぞれの土地活用のメリット・デメリットを紹介していきます。
王道の土地活用法5選のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
アパート経営 | ①長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 |
マンション経営 | ⓵長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる ⑥資産価値が落ちにくい ⑦投資用ローンの借入期間が長い |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 |
賃貸併用住宅 | ①長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる ⑥金利の低い住宅ローンを借りられる可能性がある |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 ⑧入居者の確保に苦労する ⑨一般的な賃貸住宅と比較して利回りが下がる |
戸建て賃貸 | ①長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる ⑥立地に左右されにくい ⑦長期間住むケースが多い |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 |
駐車場経営 | ①投資リスクが低い ②変形した土地・狭い土地でも活用できる ③転用性・流動性がある |
①収入が少なめ ②節税メリットがない |
土地活用といえばコレ!というべき5つの方法を厳選しました。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを紹介していきます!
アパート経営
【メリット】
⓵長期的に安定した収入になる
アパート経営をすると毎月家賃が入ってきます。そしてアパート経営は何十年単位の長さで行われ、入居者がいる限り、家賃収入が発生します。
②生命保険代わりになる
アパート購入を金融機関からの借入で行う場合、長期的なローンを組むことになります。その際、多くの人が「団体信用生命保険」に加入します。この「団体信用生命保険」はローンを返済中、被保険者が死亡した場合にその後のローン返済を免除される保険です。万が一の場合でも、遺族は家賃収入で生活費の一部を賄うことができます。
③経済変動に強い
入居者からの家賃は景気に左右されにくいです。「景気が落ち込んできたから家賃相場が下がってきた」という話は耳にしません。景気が悪くなっても、住まいは必要なもので需要が急激に減ることは考えにくく、家賃を景気に合わせて下げる必要性はあまりないのです。
④節税になる
節税が目的でアパート経営を始められる方は多いかと思われます。アパート経営は所得税などの節税対策となるからです。
⑤老後の資金不足を解消できる
退職後は収入が無くなり、基本65歳から年金が支給されます。退職後から年金支給まで、さらにいうと年金受給中もゆとりある生活ができるかといえば不安な方が多いでしょう。そんな時、家賃収入という副収入があるととても心強いです。
【デメリット】
①空室・滞納リスク
アパート経営は空室の発生により収入が変動します。新築でキレイなうちは満室状態が続いていても、築年数が経ち、競合する新築物件が出てくると空室が出ることがあります。そして入居者の中には家賃滞納者も出てきます。アパートを借入して購入した場合には、返済計画が当初の予定と異なってくることもあります。購入を計画する際、立地や他のアパートとの差別化などを十分に検討し、長期的に満室状態が続くようなプラン作成が必要でしょう。
②金利変動に弱い
金融機関からローンを変動金利の商品を利用してアパートを購入した場合は、市場金利が上昇するに伴いローン金利も上昇します。月々の返済額もそれにつられて増加するのです。家賃収入は変わらないのに収益は減ることになり、当初の見込みと異なる可能性がでてきます。ローン商品を固定金利商品にしておくと、リスクが回避できます。
③災害リスク
近年、頻発している豪雨災害や地震、台風などが原因で浸水や外壁、屋根などの破損、躯体部分の損傷などが起きる可能性があります。アパートを購入する際に地域のハザードマップで災害リスクがあるかの確認することや、立地する地域で起こりうる災害に対応できる保険に加入することでリスクをカバーしましょう。
④借入金返済リスクがある
アパートを購入する際、金融機関等から借り入れを行う場合があり、それに伴う返済リスクがあります。特に建物が老朽化してからは空室による家賃収入の減少が予想され、返済が当初の計画のようにいかなくなる可能性もあります。アパート購入を計画する際、長期で安定した経営ができるかを十分に検討し、家賃収入の一部をストックしておいて不測の事態が起きたら、そこから返済にまわせるようにするなどの対策が必要となるでしょう。
⑤建物の老朽化による修繕が必要
建物は築年数が経過するにつれて老朽化していきます。素材にもよりますが、10年以上経過すると外壁や屋根などのメンテナンスが必要になります。100万円単位で費用がかかる可能性もあるので、アパート購入の際の収支計画書には必ず修繕積立金の項目を入れること、実際、毎月の家賃収入からいくらか積み立てておくことが必要です。
⑥入居者からのクレーム
アパートでは騒音やゴミ出しなどで入居者間のトラブルが起きることがあります。このような問題を放置すると、評判悪化につながります。管理会社と連携を取りながら早期に解決することが入居者が安心して長く暮らせるコツとなります。
⑦資産価値の下落
将来、アパートを手放すことになった場合、購入時より価値は下がっていると思っておいた方がいいでしょう。建物は老朽化していくため資産価値は下がっていきます。少しでも資産価値の下落を抑えようと思うと、立地が良いことやメンテナンスをしっかりすること、他の物件にはない特徴を備えていることが条件となってくるでしょう。
マンション経営
マンションとアパートの違いの定義は実はありません。ですが、一般的には2階建てくらいの木造か軽量鉄骨造の賃貸住宅はアパート、鉄筋コンクリート造の高層の建物だとマンションとされています。今回の記事もそのイメージを前提としてすすめていきます。
【メリット】
アパート経営のメリット①~⑤はマンション経営にも同じことがいえます。アパート経営とは異なるマンション経営でメリットをご紹介します。
⑥資産価値が落ちにくい
鉄筋コンクリートで出来た建物は耐用年数が長く、資産価値の下がりかたが他の構造の建物より緩やかです。そして、高層建築を行える場所は各自治体の都市計画上、比較的賑やかめな地域や今後発展させていきたい地域が指定されるため、土地の値段も下がりにくい場所ともいえます。
⑦投資用ローンの借入期間が長い
マンションを購入する際に組むローンが、鉄筋コンクリート造の物件の場合は法定耐用年数が長いことが考慮されるため、設定期間を長めにすることが可能となります。それにより、月々の返済金額が抑えられる可能性があります。
【デメリット】
アパート経営のデメリットと同様のデメリットが考えられます。
賃貸併用住宅
【メリット】
アパート経営のメリットと同様のメリットがありますが、賃貸併用住宅ならではのメリットも存在します。
⑥金利の低い住宅ローンを借りられる可能性がある
自身の居住スペースが建物の総床面積の50%を超えていれば、アパートローンと比較して金利が低い住宅ローンを借りることが可能です。そして住宅ローン控除が適用される場合もあります。
【デメリット】
アパート経営のデメリットと同様のデメリットがありますが、賃貸併用住宅ならではのデメリットも存在します。
アパート経営デメリット⑥に記載しました、入居者のクレームに際し、賃貸併用住宅の場合、住人は管理会社を通さず直接オーナーへクレームを伝えてくる可能性があります。それに対応する時間や手間がかかる場合があります。
⑧入居者の確保に苦労する
オーナーが同じ建物にいることを好感する方もいますが、敬遠する方も多くいます。入居者の方とはほどよい距離感を保つことが大事になります。
⑨一般的な賃貸住宅と比較して利回りが下がる
自身が住むことにより、1軒分の家賃収入が無くなるので利回りは下がります。
戸建て賃貸
【メリット】
戸建て賃貸には、アパート経営のメリットと同様のメリットがありますが、戸建て賃貸特有のメリットも存在します。
⑥立地に左右されにくい
戸建て賃貸は駅の近くよりも郊外に建てられること多いです。戸建て賃貸に住む選択をする住人は、立地の良さより周辺の利便性を重視する傾向があります。
⑦長期間住むケースが多い
戸建て住宅は、ファミリー層が住むことがほとんどです。子どもの学校の関係など地域に根付くとなかなか引っ越しにくくなります。中には10年単位で住む方もおり、その間、安定的な家賃収入が見込めます。
【デメリット】
戸建て賃貸ではアパート経営同様のデメリットがありますが、戸建て賃貸特有のデメリットも存在します。 特に①空室リスクに関しては、新たな入居者が入らなければ空室が長く続くこともありますから、大きな負担となります。
駐車場経営
【メリット】
①投資リスクが低い
駐車場経営は、アパートやマンションのように建物を建てることがないので初期費用が抑えられます。
②変形した土地・狭い土地でも活用できる
駐車場は変形した土地や狭い土地でも作れます。形状や狭さによってアパートやマンションが建てられない土地でも活用できて収入が得られます。
③転用性・流動性がある
建物が建っていないので、駐車場経営をやめる場合も売却しやすいです。
【デメリット】
①収入が少ない
ほかの土地活用と比較すると収入は少なくなります。アパートやマンションのように機能で差別化を図り家賃を上げることもできず、立地の良さが収入を左右するでしょう。
②節税メリットがない
ほかの土地活用の方法のような節税に駐車場経営は不向きです。
こんなアイデアも?面白い土地の有効活用法
王道もいいですが、土地活用はそれだけではありません。さまざまな方法があるので参考にしてください。
太陽光発電
太陽光発電は土地が広く、人が住まない場所でも収入が得られる活用法です。太陽光発電には2つの方法があります。
1つは、自分が太陽光パネルを設置して発電した電気を電力会社へ売る自営方式です。太陽光発電は「固定価格買取制度」があり、長期で契約を結ぶことによりその期間は安定的に収入を得られます。その買取価格は年々減少している傾向にあるので注意が必要です。
もう1つは、土地を太陽光発電業者に貸す方法です。自営方式よりは収益性が低いのですが、初期費用は太陽光発電業者が負担するので、リスクが少ないです。ただ、業者との契約期間が満了するまでは、土地の用途の変更や、売却はできないので注意が必要です。
等価交換
等価交換は、デベロッパーがマンションやオフィスビルを建築し、その土地の所有者と土地・建物の共同所有者となる、そして所有する割合が土地の評価額と建物の建築費の比率で決まる土地活用の方法です。
建物はデベロッパーの資金で建築するので土地所有者にリスクがないのが大きな特徴です。収入は建築したマンションやオフィスビルからの家賃収入となります。デメリットは、権利が複雑になることや、デベロッパーとお互いが所有することとなり、収入に関わってくる床面積の大きさの決め方が難航しかねないことです。
店舗経営
店舗経営は、土地の上に店舗を建築し経営して売上をあげるという土地活用の方法です。
メリットは、ロードサイドや人通りの多い土地なら大きな利益を得られる可能性があることです。利益を最大化するには、地域のニーズに合う商品やサービスを選ぶことが重要です。また、自分が知識のある分野や興味のある分野だと、熱心に取り組みやすいでしょう。
デメリットは、経営にはノウハウが必要で倒産リスクがあることです。店舗を経営するとなると設備投資が必要です。人を雇えば人件費もかかります。
土地代がかからないのは大きなメリットですが、十分な売上が上がらないとあっという間に赤字に転落してしまいます。赤字経営が続けば、投資した金額を回収できないどころか倒産することになりかねません。
コインランドリー経営
コインランドリー経営は、建物に洗濯機や乾燥機を置きコインランドリーの利用料を得るという土地活用の方法です。
コインランドリーの利用者はリピーターになることが多いため、うまくいけば安定した収入が見込めます。共働きのファミリー層が多い地域をねらうといいでしょう。また、店舗のように常駐する必要がないのもメリットです。
一方、最近ではコインランドリーが増えており、価格設定などを間違えるとリピーターを獲得できず赤字になることも少なくありません。地域のニーズや競合をしっかり調査した上でコインランドリー経営を始めましょう。
トランクルーム経営
トランクルーム経営は、土地の上にコンテナを置き、荷物を預けるスペースとして貸し出して利用料を得るという土地活用の方法です。
コンテナを設置して貸し出す屋外型のトランクルームがメジャーですが、建物を建てて部屋を貸し出す屋内型のトランクルームもあります。トランクルームなら、集客さえできれば経営は難しくなく、維持費もそこまでかからないため、安定収入を得られる可能性があるでしょう。
都市部や郊外など、場所にかかわらずニーズが見込めるのもメリットです。コンテナなら初期投資額もそこまでかかりません。一方、集客方法を考えておかないと、ほとんど空室になってしまうこともあり得ます。
貸地
事業として土地を貸すことです。費用を必要としないメリットがある反面、他の土地活用と比較して収入が少ないデメリットがあります。土地を貸す方法には「普通借地」と「定期借地」の2種類あります。「普通借地」は、30年以上の期間を設定して貸し出し、契約満了後、最初の更新は20年、それ以降の更新は10年ごととなる制度です。借主が契約更新を申し出ると貸主は正当な理由が無ければ拒否できないことから、長い期間土地が返ってこないことも起こりえます。
一方、「定期借地」は、契約期間が満了すると、貸主は更地にして返還するか、上に建てた建物も土地の返還と合わせて譲渡する制度です。
コンセプト型賃貸住宅
コンセプト型賃貸住宅は、何かしらのコンセプトを決め、そのコンセプトに合う方が入居する賃貸住宅です。コンセプトを例にあげると、ペット共生型や、DIYが可能、楽器など音楽演奏が可能なタイプに、シアタールームやジムが付いたものなどさまざまなタイプがあります。
場所やスペースを貸し出すタイプの土地活用
場所やスペースを貸し出す例として「カーシェアスペース」や「貸し農園」などがあります。「カーシェアスペース」は、時間貸しで自動車やバイク、自転車、そしてキックボードなどを駐車するスペースを提供する土地活用です。「貸し農園」は、畑を区割りにして各スペースで借主が家庭菜園を行い、定期的に収入を得る活用法です。
土地活用の基本的な考え方
土地活用にはさまざまな選択肢があるため、どの方法を選ぶべきか悩む方も多いでしょう。
思いつきだけでやみくもに投資や経営に乗り出してもうまくいきません。土地活用を成功させるには、土地の形や立地、期待する収益、リスクなどを考慮しつつ、自分に合った選択をすることが何より大切です。
続いては、土地活用の方法を選ぶときに考えておくべき視点を6つご紹介します。所有している土地の個性や自分自身の特性、土地活用に割くことのできる時間なども考慮しながら、最適な活用方法を選びましょう。
所有している土地の形や広さから考える
土地には形や広さなどさまざまな個性があります。土地の個性を踏まえて土地を活用することで収益化しやすくなります。
たとえば15~20坪ほどの狭い土地なら、土地のまま貸すより戸建て賃貸や賃貸併用住宅を建てて貸したほうが借り手を見つけやすいことがあります。
一方、田舎にある広い土地なら駐車場やトランクルーム、農園として貸し出すという活用方法が考えられます。周りに高い建物がないなら太陽光発電で売電収入を得るのもいいでしょう。
正方形や長方形の整形地と比べて、三角形やL字型、台形など複雑な形をした不整形地は活用が難しい傾向があります。「うなぎの寝床」と呼ばれる間口が狭く細長い土地も活用しにくいと言われています。
しかし工夫次第では、戸建て賃貸や賃貸併用住宅を建てて貸し出したり、資材置き場として貸したりすることも可能です。不整形地だからといって土地活用をあきらめる必要はありません。
立地から活用方法を考える
土地活用では、立地や周辺環境から最適な活用方法を選ぶことが重要です。
たとえば住宅街なら、戸建て賃貸や賃貸併用住宅、駐車場がおすすめです。郊外なら、老人ホームやサービス付き高齢者住宅、デイサービスなどの高齢者向け施設や、トランクルームなども良いでしょう。
一方、駅前や駅近の繁華街で人通りも多いなら、ビルを建てて2階以上をワンルームマンションとして貸し出し、1階に店舗を誘致するといった活用方法が考えられます。幹線道路沿いなら、コンビニやホームセンターに貸し出すという選択肢も生まれます。
駅から遠い田舎の土地で、賃貸ニーズが見込めないなら、太陽光発電や貸し農園にすることで収益化できる可能性があります。
土地活用のさまざまな選択肢を知り、立地に適した活用方法を考えましょう。
収益を重視して活用方法を考える
ゆくゆくは投資家や経営者として生計を立てたいなど、土地活用で本格的な収益化をねらうなら、マンション経営や店舗経営が適しています。マンション経営や店舗経営は、地域のニーズとマッチすれば、大きな収益を生む可能性を秘めています。
マンション経営や店舗経営に乗り出すなら、初期投資額も大きくなるため、まずはしっかりと市場調査で地域のニーズをつかみましょう。また、長く続けるなら、自分自身が意欲的に取り組めるかどうかという視点で活用方法を選んでください。
マンション経営や店舗経営は、成功すれば大きな収益を得られる一方、赤字になり倒産するリスクもあります。まずは投資や経営の勉強を始め、自分自身の向き不向きを確かめておくことが大切です。
初期投資額を抑えた活用方法を考える
高収益をねらうより、初期投資額を抑えてローリスクで土地活用をしたいと考える方もいるでしょう。
初期投資額を抑えたいなら、土地をそのまま貸地として貸し出すのがおすすめです。
条件が合えば、等価交換でリスクを抑えつつ一定の収入も見込めるでしょう。ただし、条件交渉などが複雑になるため、時間や労力を最小限に抑えたい方には不向きです。
資材置き場も、整地などは借り手に任せられることから、条件に合う借り手さえ見つかれば、初期投資額を抑えられる活用方法です。
駐車場経営には月極駐車場とコインパーキングがありますが、初期投資額を抑えられるのは月極駐車場です。一方、コインパーキングは100万円ほどの初期投資額はかかるものの、立地によっては高収益を見込めるのがメリットです。
そのほか、コンテナを設置するタイプのトランクルームも、初期投資額を比較的抑えられる活用方法といえるでしょう。
土地を活用する期間も含めて考える
土地活用では、自分自身の年齢や家族構成、ライフプランなどを踏まえ、期間を考慮して活用方法を選ぶ必要があります。
たとえば、相続が近いなどで土地をゆずる可能性があるなら、土地を引き継ぐ相手の意見も聞いておくことをおすすめします。マンション経営をしたい、自ら店舗経営をしたいなど、何らかの展望を持っているかもしれません。
土地を引き継ぐ相手に活用方法を委ねたいと考えているなら、手軽に始められて短期的な収益も見込める月極駐車場などにしておくといいでしょう。
安定性を第一に活用方法を考える
低収益でもいいので、初期投資額を抑え低リスクで土地を活用したいなら、貸地や月極駐車場がおすすめです。固定資産税をまかなえる程度の収入を得られる可能性が高いでしょう。貸地や月極駐車場は、借り手とトラブルが起きにくいのもメリットです。
もう少し高収益をねらいたいなら、アパート経営やマンション経営がおすすめです。地域のニーズをしっかり分析すれば、安定的に家賃収入を得られます。不動産投資用ローンを組めば、初期投資額を最小限に抑えることも可能です。
その後、家賃収入からローンの返済を続け、ローンを完済すれば、家賃収入を丸ごと受け取れます。修繕やリノベーションで資産価値を維持すれば、将来的に売却することも可能です。
ただし、アパート経営やマンション経営にはノウハウがあり、ゼロから大家業を学ぶのは大変です。アパート経営やマンション経営を始めるときは、賃貸経営のノウハウを持つ専門の会社を賢く活用しましょう。
4つのポイントで土地活用の失敗を防ごう
土地活用は1度始めるとなかなか引き返せない事業です。失敗しないための対策や考え方などを見ていきましょう。
長期的な視点で考える
土地活用、特にアパートやマンションなどの賃貸住宅経営は長期的な視点で考える必要があります。賃貸住宅は傾向として新築の間は満室だが、老朽化してくると空室が目立ってきます。購入計画の際、老朽化しても空室にならないような対策を考えておきましょう。立地の良い物件を購入する、他の物件にはない特徴を持たせるなど、何年経過しても安定的に収入があるようなプランを考えましょう。
現実的な事業計画を立てる
土地活用の計画を行う際、収支計画を立てます。収入、返済、修繕積立金などを各年毎に計上していき、黒字になるようなら事業を始め、赤字が続くようなら事業を中止する判断を行います。その計画が現実的なものでなければ、後に大変な事態を招きかねません。建物が老朽化していっても収入が新築時と同じままであったり、修繕費は何年も先に行うので修繕積立金の計上を行わなかったりするような甘い計画を立ててしまうと、後に赤字が続き事業が失敗などということがあるので、そうならないように現実的な計画を立てましょう。
必要経費はケチらない
土地活用を行うには多額の資金が必要となります。なので少しでも削れるところは削りたい気持ちはわかります。しかし必要な経費はケチらず、土地を借りる人の立場に立って、設備やサービスを充実させる方が事業の成功に近づきます。
信頼できるプロに相談する
土地活用は経験や知識が必要となる事業です。過去の成功事例や失敗事例をよく把握していたり、専門知識が豊富であるプロの業者に相談したり、依頼するのが成功への近道となります。土地活用を思い立ったら、プロに声をかけ、何度も話し合いなどを行いましょう。土地活用は非常に長期間かけて行う事業です。長い間一緒に事業を歩める信頼できるプロを見つけましょう。
田舎で土地活用するならここに注意
田舎で土地活用を行うには注意すべき点があります。まず人口が少ない点です。さらに高齢化や過疎化が進む可能性があります。そういった土地で長期的な需要があるかを見極める必要があります。そして、田舎は人間関係が密です。事業を興すのには地域住民の理解が必要となる場合がありますが、特に田舎は人間関係を構築しておかないと成功しない可能性があります。
まとめ
今回は、さまざまな土地活用法とそれに伴うメリット・デメリットを見てきました。一言で土地活用と言っても方法は何通りもあります。どの方法を取るのかは自身がおかれた環境や土地の形状、地域性など、多くの要素を考慮して考える必要があることがわかりました。そして、それぞれの方法のメリット・デメリットを理解して、十分納得できるものを選んで実行すべきでしょう。みなさんもこの記事を参考にして、土地とご自身に見合った事業で成功を掴んでくださいね!
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
王道の土地活用法5選と失敗しないポイント解説
- はじめ方・基礎知識
- マンション投資
- 資産形成
近年、資産運用や年金対策で土地活用が注目を集めています。しかし、土地活用といってもさまざまな種類があり、どれを行うのが正解なのか分からない人も多いでしょう。
今回は、さまざまな土地活用の紹介とそれぞれの土地活用のメリット・デメリットを紹介していきます。
王道の土地活用法5選のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
アパート経営 | ①長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 |
マンション経営 | ⓵長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる ⑥資産価値が落ちにくい ⑦投資用ローンの借入期間が長い |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 |
賃貸併用住宅 | ①長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる ⑥金利の低い住宅ローンを借りられる可能性がある |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 ⑧入居者の確保に苦労する ⑨一般的な賃貸住宅と比較して利回りが下がる |
戸建て賃貸 | ①長期的に安定した収入になる ②生命保険代わりになる ③経済変動に強い ④節税になる ⑤老後の資金不足を解消できる ⑥立地に左右されにくい ⑦長期間住むケースが多い |
①空室・滞納リスク ②金利変動に弱い ③災害リスク ④借入金返済リスクがある ⑤建物の老朽化による修繕が必要 ⑥入居者からのクレーム ⑦資産価値の下落 |
駐車場経営 | ①投資リスクが低い ②変形した土地・狭い土地でも活用できる ③転用性・流動性がある |
①収入が少なめ ②節税メリットがない |
土地活用といえばコレ!というべき5つの方法を厳選しました。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを紹介していきます!
アパート経営
【メリット】
⓵長期的に安定した収入になる
アパート経営をすると毎月家賃が入ってきます。そしてアパート経営は何十年単位の長さで行われ、入居者がいる限り、家賃収入が発生します。
②生命保険代わりになる
アパート購入を金融機関からの借入で行う場合、長期的なローンを組むことになります。その際、多くの人が「団体信用生命保険」に加入します。この「団体信用生命保険」はローンを返済中、被保険者が死亡した場合にその後のローン返済を免除される保険です。万が一の場合でも、遺族は家賃収入で生活費の一部を賄うことができます。
③経済変動に強い
入居者からの家賃は景気に左右されにくいです。「景気が落ち込んできたから家賃相場が下がってきた」という話は耳にしません。景気が悪くなっても、住まいは必要なもので需要が急激に減ることは考えにくく、家賃を景気に合わせて下げる必要性はあまりないのです。
④節税になる
節税が目的でアパート経営を始められる方は多いかと思われます。アパート経営は所得税などの節税対策となるからです。
⑤老後の資金不足を解消できる
退職後は収入が無くなり、基本65歳から年金が支給されます。退職後から年金支給まで、さらにいうと年金受給中もゆとりある生活ができるかといえば不安な方が多いでしょう。そんな時、家賃収入という副収入があるととても心強いです。
【デメリット】
①空室・滞納リスク
アパート経営は空室の発生により収入が変動します。新築でキレイなうちは満室状態が続いていても、築年数が経ち、競合する新築物件が出てくると空室が出ることがあります。そして入居者の中には家賃滞納者も出てきます。アパートを借入して購入した場合には、返済計画が当初の予定と異なってくることもあります。購入を計画する際、立地や他のアパートとの差別化などを十分に検討し、長期的に満室状態が続くようなプラン作成が必要でしょう。
②金利変動に弱い
金融機関からローンを変動金利の商品を利用してアパートを購入した場合は、市場金利が上昇するに伴いローン金利も上昇します。月々の返済額もそれにつられて増加するのです。家賃収入は変わらないのに収益は減ることになり、当初の見込みと異なる可能性がでてきます。ローン商品を固定金利商品にしておくと、リスクが回避できます。
③災害リスク
近年、頻発している豪雨災害や地震、台風などが原因で浸水や外壁、屋根などの破損、躯体部分の損傷などが起きる可能性があります。アパートを購入する際に地域のハザードマップで災害リスクがあるかの確認することや、立地する地域で起こりうる災害に対応できる保険に加入することでリスクをカバーしましょう。
④借入金返済リスクがある
アパートを購入する際、金融機関等から借り入れを行う場合があり、それに伴う返済リスクがあります。特に建物が老朽化してからは空室による家賃収入の減少が予想され、返済が当初の計画のようにいかなくなる可能性もあります。アパート購入を計画する際、長期で安定した経営ができるかを十分に検討し、家賃収入の一部をストックしておいて不測の事態が起きたら、そこから返済にまわせるようにするなどの対策が必要となるでしょう。
⑤建物の老朽化による修繕が必要
建物は築年数が経過するにつれて老朽化していきます。素材にもよりますが、10年以上経過すると外壁や屋根などのメンテナンスが必要になります。100万円単位で費用がかかる可能性もあるので、アパート購入の際の収支計画書には必ず修繕積立金の項目を入れること、実際、毎月の家賃収入からいくらか積み立てておくことが必要です。
⑥入居者からのクレーム
アパートでは騒音やゴミ出しなどで入居者間のトラブルが起きることがあります。このような問題を放置すると、評判悪化につながります。管理会社と連携を取りながら早期に解決することが入居者が安心して長く暮らせるコツとなります。
⑦資産価値の下落
将来、アパートを手放すことになった場合、購入時より価値は下がっていると思っておいた方がいいでしょう。建物は老朽化していくため資産価値は下がっていきます。少しでも資産価値の下落を抑えようと思うと、立地が良いことやメンテナンスをしっかりすること、他の物件にはない特徴を備えていることが条件となってくるでしょう。
マンション経営
マンションとアパートの違いの定義は実はありません。ですが、一般的には2階建てくらいの木造か軽量鉄骨造の賃貸住宅はアパート、鉄筋コンクリート造の高層の建物だとマンションとされています。今回の記事もそのイメージを前提としてすすめていきます。
【メリット】
アパート経営のメリット①~⑤はマンション経営にも同じことがいえます。アパート経営とは異なるマンション経営でメリットをご紹介します。
⑥資産価値が落ちにくい
鉄筋コンクリートで出来た建物は耐用年数が長く、資産価値の下がりかたが他の構造の建物より緩やかです。そして、高層建築を行える場所は各自治体の都市計画上、比較的賑やかめな地域や今後発展させていきたい地域が指定されるため、土地の値段も下がりにくい場所ともいえます。
⑦投資用ローンの借入期間が長い
マンションを購入する際に組むローンが、鉄筋コンクリート造の物件の場合は法定耐用年数が長いことが考慮されるため、設定期間を長めにすることが可能となります。それにより、月々の返済金額が抑えられる可能性があります。
【デメリット】
アパート経営のデメリットと同様のデメリットが考えられます。
賃貸併用住宅
【メリット】
アパート経営のメリットと同様のメリットがありますが、賃貸併用住宅ならではのメリットも存在します。
⑥金利の低い住宅ローンを借りられる可能性がある
自身の居住スペースが建物の総床面積の50%を超えていれば、アパートローンと比較して金利が低い住宅ローンを借りることが可能です。そして住宅ローン控除が適用される場合もあります。
【デメリット】
アパート経営のデメリットと同様のデメリットがありますが、賃貸併用住宅ならではのデメリットも存在します。
アパート経営デメリット⑥に記載しました、入居者のクレームに際し、賃貸併用住宅の場合、住人は管理会社を通さず直接オーナーへクレームを伝えてくる可能性があります。それに対応する時間や手間がかかる場合があります。
⑧入居者の確保に苦労する
オーナーが同じ建物にいることを好感する方もいますが、敬遠する方も多くいます。入居者の方とはほどよい距離感を保つことが大事になります。
⑨一般的な賃貸住宅と比較して利回りが下がる
自身が住むことにより、1軒分の家賃収入が無くなるので利回りは下がります。
戸建て賃貸
【メリット】
戸建て賃貸には、アパート経営のメリットと同様のメリットがありますが、戸建て賃貸特有のメリットも存在します。
⑥立地に左右されにくい
戸建て賃貸は駅の近くよりも郊外に建てられること多いです。戸建て賃貸に住む選択をする住人は、立地の良さより周辺の利便性を重視する傾向があります。
⑦長期間住むケースが多い
戸建て住宅は、ファミリー層が住むことがほとんどです。子どもの学校の関係など地域に根付くとなかなか引っ越しにくくなります。中には10年単位で住む方もおり、その間、安定的な家賃収入が見込めます。
【デメリット】
戸建て賃貸ではアパート経営同様のデメリットがありますが、戸建て賃貸特有のデメリットも存在します。 特に①空室リスクに関しては、新たな入居者が入らなければ空室が長く続くこともありますから、大きな負担となります。
駐車場経営
【メリット】
①投資リスクが低い
駐車場経営は、アパートやマンションのように建物を建てることがないので初期費用が抑えられます。
②変形した土地・狭い土地でも活用できる
駐車場は変形した土地や狭い土地でも作れます。形状や狭さによってアパートやマンションが建てられない土地でも活用できて収入が得られます。
③転用性・流動性がある
建物が建っていないので、駐車場経営をやめる場合も売却しやすいです。
【デメリット】
①収入が少ない
ほかの土地活用と比較すると収入は少なくなります。アパートやマンションのように機能で差別化を図り家賃を上げることもできず、立地の良さが収入を左右するでしょう。
②節税メリットがない
ほかの土地活用の方法のような節税に駐車場経営は不向きです。
こんなアイデアも?面白い土地の有効活用法
王道もいいですが、土地活用はそれだけではありません。さまざまな方法があるので参考にしてください。
太陽光発電
太陽光発電は土地が広く、人が住まない場所でも収入が得られる活用法です。太陽光発電には2つの方法があります。
1つは、自分が太陽光パネルを設置して発電した電気を電力会社へ売る自営方式です。太陽光発電は「固定価格買取制度」があり、長期で契約を結ぶことによりその期間は安定的に収入を得られます。その買取価格は年々減少している傾向にあるので注意が必要です。
もう1つは、土地を太陽光発電業者に貸す方法です。自営方式よりは収益性が低いのですが、初期費用は太陽光発電業者が負担するので、リスクが少ないです。ただ、業者との契約期間が満了するまでは、土地の用途の変更や、売却はできないので注意が必要です。
等価交換
等価交換は、デベロッパーがマンションやオフィスビルを建築し、その土地の所有者と土地・建物の共同所有者となる、そして所有する割合が土地の評価額と建物の建築費の比率で決まる土地活用の方法です。
建物はデベロッパーの資金で建築するので土地所有者にリスクがないのが大きな特徴です。収入は建築したマンションやオフィスビルからの家賃収入となります。デメリットは、権利が複雑になることや、デベロッパーとお互いが所有することとなり、収入に関わってくる床面積の大きさの決め方が難航しかねないことです。
店舗経営
店舗経営は、土地の上に店舗を建築し経営して売上をあげるという土地活用の方法です。
メリットは、ロードサイドや人通りの多い土地なら大きな利益を得られる可能性があることです。利益を最大化するには、地域のニーズに合う商品やサービスを選ぶことが重要です。また、自分が知識のある分野や興味のある分野だと、熱心に取り組みやすいでしょう。
デメリットは、経営にはノウハウが必要で倒産リスクがあることです。店舗を経営するとなると設備投資が必要です。人を雇えば人件費もかかります。
土地代がかからないのは大きなメリットですが、十分な売上が上がらないとあっという間に赤字に転落してしまいます。赤字経営が続けば、投資した金額を回収できないどころか倒産することになりかねません。
コインランドリー経営
コインランドリー経営は、建物に洗濯機や乾燥機を置きコインランドリーの利用料を得るという土地活用の方法です。
コインランドリーの利用者はリピーターになることが多いため、うまくいけば安定した収入が見込めます。共働きのファミリー層が多い地域をねらうといいでしょう。また、店舗のように常駐する必要がないのもメリットです。
一方、最近ではコインランドリーが増えており、価格設定などを間違えるとリピーターを獲得できず赤字になることも少なくありません。地域のニーズや競合をしっかり調査した上でコインランドリー経営を始めましょう。
トランクルーム経営
トランクルーム経営は、土地の上にコンテナを置き、荷物を預けるスペースとして貸し出して利用料を得るという土地活用の方法です。
コンテナを設置して貸し出す屋外型のトランクルームがメジャーですが、建物を建てて部屋を貸し出す屋内型のトランクルームもあります。トランクルームなら、集客さえできれば経営は難しくなく、維持費もそこまでかからないため、安定収入を得られる可能性があるでしょう。
都市部や郊外など、場所にかかわらずニーズが見込めるのもメリットです。コンテナなら初期投資額もそこまでかかりません。一方、集客方法を考えておかないと、ほとんど空室になってしまうこともあり得ます。
貸地
事業として土地を貸すことです。費用を必要としないメリットがある反面、他の土地活用と比較して収入が少ないデメリットがあります。土地を貸す方法には「普通借地」と「定期借地」の2種類あります。「普通借地」は、30年以上の期間を設定して貸し出し、契約満了後、最初の更新は20年、それ以降の更新は10年ごととなる制度です。借主が契約更新を申し出ると貸主は正当な理由が無ければ拒否できないことから、長い期間土地が返ってこないことも起こりえます。
一方、「定期借地」は、契約期間が満了すると、貸主は更地にして返還するか、上に建てた建物も土地の返還と合わせて譲渡する制度です。
コンセプト型賃貸住宅
コンセプト型賃貸住宅は、何かしらのコンセプトを決め、そのコンセプトに合う方が入居する賃貸住宅です。コンセプトを例にあげると、ペット共生型や、DIYが可能、楽器など音楽演奏が可能なタイプに、シアタールームやジムが付いたものなどさまざまなタイプがあります。
場所やスペースを貸し出すタイプの土地活用
場所やスペースを貸し出す例として「カーシェアスペース」や「貸し農園」などがあります。「カーシェアスペース」は、時間貸しで自動車やバイク、自転車、そしてキックボードなどを駐車するスペースを提供する土地活用です。「貸し農園」は、畑を区割りにして各スペースで借主が家庭菜園を行い、定期的に収入を得る活用法です。
土地活用の基本的な考え方
土地活用にはさまざまな選択肢があるため、どの方法を選ぶべきか悩む方も多いでしょう。
思いつきだけでやみくもに投資や経営に乗り出してもうまくいきません。土地活用を成功させるには、土地の形や立地、期待する収益、リスクなどを考慮しつつ、自分に合った選択をすることが何より大切です。
続いては、土地活用の方法を選ぶときに考えておくべき視点を6つご紹介します。所有している土地の個性や自分自身の特性、土地活用に割くことのできる時間なども考慮しながら、最適な活用方法を選びましょう。
所有している土地の形や広さから考える
土地には形や広さなどさまざまな個性があります。土地の個性を踏まえて土地を活用することで収益化しやすくなります。
たとえば15~20坪ほどの狭い土地なら、土地のまま貸すより戸建て賃貸や賃貸併用住宅を建てて貸したほうが借り手を見つけやすいことがあります。
一方、田舎にある広い土地なら駐車場やトランクルーム、農園として貸し出すという活用方法が考えられます。周りに高い建物がないなら太陽光発電で売電収入を得るのもいいでしょう。
正方形や長方形の整形地と比べて、三角形やL字型、台形など複雑な形をした不整形地は活用が難しい傾向があります。「うなぎの寝床」と呼ばれる間口が狭く細長い土地も活用しにくいと言われています。
しかし工夫次第では、戸建て賃貸や賃貸併用住宅を建てて貸し出したり、資材置き場として貸したりすることも可能です。不整形地だからといって土地活用をあきらめる必要はありません。
立地から活用方法を考える
土地活用では、立地や周辺環境から最適な活用方法を選ぶことが重要です。
たとえば住宅街なら、戸建て賃貸や賃貸併用住宅、駐車場がおすすめです。郊外なら、老人ホームやサービス付き高齢者住宅、デイサービスなどの高齢者向け施設や、トランクルームなども良いでしょう。
一方、駅前や駅近の繁華街で人通りも多いなら、ビルを建てて2階以上をワンルームマンションとして貸し出し、1階に店舗を誘致するといった活用方法が考えられます。幹線道路沿いなら、コンビニやホームセンターに貸し出すという選択肢も生まれます。
駅から遠い田舎の土地で、賃貸ニーズが見込めないなら、太陽光発電や貸し農園にすることで収益化できる可能性があります。
土地活用のさまざまな選択肢を知り、立地に適した活用方法を考えましょう。
収益を重視して活用方法を考える
ゆくゆくは投資家や経営者として生計を立てたいなど、土地活用で本格的な収益化をねらうなら、マンション経営や店舗経営が適しています。マンション経営や店舗経営は、地域のニーズとマッチすれば、大きな収益を生む可能性を秘めています。
マンション経営や店舗経営に乗り出すなら、初期投資額も大きくなるため、まずはしっかりと市場調査で地域のニーズをつかみましょう。また、長く続けるなら、自分自身が意欲的に取り組めるかどうかという視点で活用方法を選んでください。
マンション経営や店舗経営は、成功すれば大きな収益を得られる一方、赤字になり倒産するリスクもあります。まずは投資や経営の勉強を始め、自分自身の向き不向きを確かめておくことが大切です。
初期投資額を抑えた活用方法を考える
高収益をねらうより、初期投資額を抑えてローリスクで土地活用をしたいと考える方もいるでしょう。
初期投資額を抑えたいなら、土地をそのまま貸地として貸し出すのがおすすめです。
条件が合えば、等価交換でリスクを抑えつつ一定の収入も見込めるでしょう。ただし、条件交渉などが複雑になるため、時間や労力を最小限に抑えたい方には不向きです。
資材置き場も、整地などは借り手に任せられることから、条件に合う借り手さえ見つかれば、初期投資額を抑えられる活用方法です。
駐車場経営には月極駐車場とコインパーキングがありますが、初期投資額を抑えられるのは月極駐車場です。一方、コインパーキングは100万円ほどの初期投資額はかかるものの、立地によっては高収益を見込めるのがメリットです。
そのほか、コンテナを設置するタイプのトランクルームも、初期投資額を比較的抑えられる活用方法といえるでしょう。
土地を活用する期間も含めて考える
土地活用では、自分自身の年齢や家族構成、ライフプランなどを踏まえ、期間を考慮して活用方法を選ぶ必要があります。
たとえば、相続が近いなどで土地をゆずる可能性があるなら、土地を引き継ぐ相手の意見も聞いておくことをおすすめします。マンション経営をしたい、自ら店舗経営をしたいなど、何らかの展望を持っているかもしれません。
土地を引き継ぐ相手に活用方法を委ねたいと考えているなら、手軽に始められて短期的な収益も見込める月極駐車場などにしておくといいでしょう。
安定性を第一に活用方法を考える
低収益でもいいので、初期投資額を抑え低リスクで土地を活用したいなら、貸地や月極駐車場がおすすめです。固定資産税をまかなえる程度の収入を得られる可能性が高いでしょう。貸地や月極駐車場は、借り手とトラブルが起きにくいのもメリットです。
もう少し高収益をねらいたいなら、アパート経営やマンション経営がおすすめです。地域のニーズをしっかり分析すれば、安定的に家賃収入を得られます。不動産投資用ローンを組めば、初期投資額を最小限に抑えることも可能です。
その後、家賃収入からローンの返済を続け、ローンを完済すれば、家賃収入を丸ごと受け取れます。修繕やリノベーションで資産価値を維持すれば、将来的に売却することも可能です。
ただし、アパート経営やマンション経営にはノウハウがあり、ゼロから大家業を学ぶのは大変です。アパート経営やマンション経営を始めるときは、賃貸経営のノウハウを持つ専門の会社を賢く活用しましょう。
4つのポイントで土地活用の失敗を防ごう
土地活用は1度始めるとなかなか引き返せない事業です。失敗しないための対策や考え方などを見ていきましょう。
長期的な視点で考える
土地活用、特にアパートやマンションなどの賃貸住宅経営は長期的な視点で考える必要があります。賃貸住宅は傾向として新築の間は満室だが、老朽化してくると空室が目立ってきます。購入計画の際、老朽化しても空室にならないような対策を考えておきましょう。立地の良い物件を購入する、他の物件にはない特徴を持たせるなど、何年経過しても安定的に収入があるようなプランを考えましょう。
現実的な事業計画を立てる
土地活用の計画を行う際、収支計画を立てます。収入、返済、修繕積立金などを各年毎に計上していき、黒字になるようなら事業を始め、赤字が続くようなら事業を中止する判断を行います。その計画が現実的なものでなければ、後に大変な事態を招きかねません。建物が老朽化していっても収入が新築時と同じままであったり、修繕費は何年も先に行うので修繕積立金の計上を行わなかったりするような甘い計画を立ててしまうと、後に赤字が続き事業が失敗などということがあるので、そうならないように現実的な計画を立てましょう。
必要経費はケチらない
土地活用を行うには多額の資金が必要となります。なので少しでも削れるところは削りたい気持ちはわかります。しかし必要な経費はケチらず、土地を借りる人の立場に立って、設備やサービスを充実させる方が事業の成功に近づきます。
信頼できるプロに相談する
土地活用は経験や知識が必要となる事業です。過去の成功事例や失敗事例をよく把握していたり、専門知識が豊富であるプロの業者に相談したり、依頼するのが成功への近道となります。土地活用を思い立ったら、プロに声をかけ、何度も話し合いなどを行いましょう。土地活用は非常に長期間かけて行う事業です。長い間一緒に事業を歩める信頼できるプロを見つけましょう。
田舎で土地活用するならここに注意
田舎で土地活用を行うには注意すべき点があります。まず人口が少ない点です。さらに高齢化や過疎化が進む可能性があります。そういった土地で長期的な需要があるかを見極める必要があります。そして、田舎は人間関係が密です。事業を興すのには地域住民の理解が必要となる場合がありますが、特に田舎は人間関係を構築しておかないと成功しない可能性があります。
まとめ
今回は、さまざまな土地活用法とそれに伴うメリット・デメリットを見てきました。一言で土地活用と言っても方法は何通りもあります。どの方法を取るのかは自身がおかれた環境や土地の形状、地域性など、多くの要素を考慮して考える必要があることがわかりました。そして、それぞれの方法のメリット・デメリットを理解して、十分納得できるものを選んで実行すべきでしょう。みなさんもこの記事を参考にして、土地とご自身に見合った事業で成功を掴んでくださいね!
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。