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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
投資の基本!長期投資のメリット、デメリットやおすすめの投資方法を紹介
- はじめ方・基礎知識
- メリット
- 投資の種類・方法
- 資産形成
投資の基本は「長期投資」と言われています。長期的な視点での投資は、リスクを抑えた安定した運用を可能にします。
この記事では、長期投資がおすすめの理由やメリット、デメリットと、長期投資におすすめの投資方法を紹介します。リスクとリターンを考慮し、堅実で安定的な投資を実現するためのノウハウを探っていきましょう。
長期投資がおすすめの理由
長期投資とは、名前の通り金融商品を長期に渡って保有し続ける投資手法となり、目的や期間も短期投資とは異なります。
長期投資のメリットとしては、複利効果を見込むことができる点や、短期投資に比べて低コストで行えることが挙げられます。また、時間や精神的な負担が少なく、リスクをコントロールしやすい特徴も魅力です。
一方で、長期投資のデメリットとしては、利益がすぐに発生しづらいことや短期投資と比較して投資効率が悪い点などがあげられます。
まずは長期投資の概要、その後メリット、デメリットについて解説していきます。
長期投資とは
長期投資とは、前述通り、金融商品を長期に渡って保有し続けます。保有期間には明確な定義はなく、一般的に数年から数十年に渡る保有を指します。長期投資家は、市場の短期的な変動に左右されず、安定的な成長と利益を追求することになります。
一方で、短期投資とは、割安な金融商品を購入し、目標の利益が得られたら比較的短期間で売却する投資手法を指します。デイトレードやスイングトレードなど、数日から数週間程度の保有期間で売買を行うことが一般的です。短期投資家は、市場の瞬間的な値動きを利用して利益を追求し、素早く取引を行うことに重点を置いています。
長期投資と短期投資の違いは、投資の目的や期間にあります。長期投資は将来の資産形成や早期リタイアに向けての安定的な成長を重視し、コツコツと時間をかけて資産を増やすことを目指します。
一方、短期投資はより積極的な売買やリスク管理をおこない、即効性のある利益を追求します。投資家は自身のリスク許容度や目標に応じて、適切な投資手法を選択することが重要です。 短期投資の方が、市場の動向をしっかり把握する必要があるため、より難易度は高いといえるます。投資初心者であれば、長期投資の方がリスクを分散させやすく安定性が高いため、比較的取り組みやすい投資といえるでしょう。
長期投資のメリット
堅実な資産形成を目指す投資家にとって、長期投資は重要な戦略として広く知られています。以下では、その主なメリットについて詳細に解説していきます。
- リスクをコントロールしやすい
長期投資は市場の短期的な変動に強いと言われています。一般的に、株式市場は上下を繰り返しますが、運用期間が長いほどプラスマイナスのリターンのブレ幅が小さくなるのでリスクは少なくなります。 - 時間や精神的な負担が少ない
長期投資では、一時的な市場の変動に振り回されることが少ないため、精神的な負担が軽減されます。日々の市場の変動に対して頻繁に対応する必要がないため、投資家のストレスが軽減される傾向があります。 - 複利効果を見込める
長期間にわたり資産を保有することで、利益が元本に加えてさらに利益を生み出す複利効果を享受できます。これにより、投資成績がより一層向上する可能性があります。単利は運用元本に対し、金利をかけて計算します。一方複利は、増えた利益も合算して金利をかけて計算します。
例えば、1000万円を年間単利5%で5年運用した場合、125万円になります。
1000万円×0.05→50万円×5年→1250万円
1000万円を年間複利5%で5年運用した場合、1276万円になります。
1000万円×1.05×1.05×1.05×1.05×1.05→1276万円
保有資産が多くなればなるほど、保有期間が多くなればなるほど、資産形成スピードが上がっていくのが複利のメリットです。
これらのメリットは、長期投資の重要な特徴であり、資産形成や将来の安定に向けた投資戦略を考える際に考慮すべき要素となります。
長期投資のデメリット
長期投資は、投資家が時間を味方につけて成長を追求する戦略であるため、根気強さと冷静な判断が求められます。その中で、以下のようなデメリットが存在することも念頭に置いて、適切な対策を講じることが重要です。
- 利益がすぐに発生しづらい
長期投資では、投資した金融商品を長期間保有するため、投資してすぐに現金として利益を得ることがほとんどありません。利益を享受するには時間がかかることが多いです。 - 損失が大きくなり続ける可能性がある
長期投資においても、投資先の金融商品が不振に陥ると損失が大きくなり続けるリスクがあります。特に長期間保有している場合、投資先が倒産したり経営難に陥ったりすると、数年分の利益が一気に吹き飛ぶ可能性があります。投資先の銘柄の選定は慎重におこないましょう。 - 短期投資と比べて投資効率が悪い?
長期投資では取引の頻度が低いため、一部の投資家にとっては投資効率が低いように感じることがあります。一時的な市場の変動に対してリアルタイムで対応することが少ないため、市場の急変に迅速に対応することが難しい場合もあります。その分、安定しているとも言えます。 - 数年~数十年後の将来を見極める難しさがある
長期投資は将来の数年~数十年後の状況を予測することが難しく、不確定要素が多い投資手法です。市場の予測や経済の動向を正確に予測することは困難であり、不確実性に直面することがあります。
これらのデメリットは、長期投資を検討する際に考慮すべき点です。長期投資を成功させるには、リスク管理とリターンのバランスを理解し、自身の投資目標に合った戦略を慎重に立てることが重要です。
長期投資におすすめの投資方法
この章では長期投資の基本的なやり方とポイントを詳しく解説します。さまざまな投資商品がある中で、自身の目標に合った方法を見つけることが重要です。投資信託、高配当株、ETF、国債、不動産投資などを紹介し、堅実な資産形成に役立つ情報を詳しく解説します。
投資信託
投資信託は、資産運用のプロが株式、債券、不動産など様々な金融商品を組み合わせて運用する投資商品です。個別の株式などに比べてリスクを分散することができます。投資のプロとなる運用会社が投資先を選定して運用するため、個人投資家や初心者でも手軽に投資できる魅力があります。また、テーマ型やインデックス型など様々なタイプの投資信託が存在し、個々の投資家のリスク許容度や目標に合わせた選択が可能です。
高配当株
高配当株は、企業が株主に対して支払う配当が多い株式のことを指します。長期投資家にとって、配当収入が安定した収入源となります。特に、安定して収益を上げている企業や成長が期待される企業が高配当株の対象となります。長期保有することで、企業の成長によって配当が増加する可能性もあるため、資産を成長させるための選択肢として魅力的です。
ETF(上場投資信託)
ETF(Exchange Traded Fund)は、上場投資信託のことで、株式市場で取引されます。
つまり、投資信託は一日一回算出される基準価格での取引となりますが、ETFはリアルタイムで変動する価格で取引することになります。投資信託の場合は自分が思ったような価格で取引できない可能性がありますが、投資信託であれば自分が取引したい額で取引が可能です。
ETFも投資信託同様、1つのETFで複数の銘柄に投資することができるため、リスクを分散することができます。低コストで運用できるため、費用対効果に優れており、特に個別株の選定に時間をかけることが難しい投資家にとって魅力的です。ETFは幅広い投資対象があり、個々の投資家のニーズに合わせた選択が可能です。
国債
国債は、国が発行する債券のことで、長期的な安全性が高いとされています。国債を保有することで、利息を受け取ることができます。元本保証があるため、リスクを抑えながら利息収入を得ることができます。
特に信用力の高い国が発行する国債は、安全性が高く、投資家にとってのリスクが低いとされています。国債は政府が発行するため、国の経済状況や信用力を考慮することが重要です。一般的に、リスクが高いとされる国債ほど安価になって購入しやすくなり、利回りが高くなる傾向になります。リスクが低い国債は、高価で利回りは低くなる傾向にありますから、リスクとリターンを考慮して選択するようにしましょう。
不動産投資
不動産投資は、物件を購入して人に貸すことで家賃収入を得つつ、物件そのものを得る投資手法です。キャッシュフロー(売却益)やインカムゲイン(家賃収入)を期待できます。日本の不動産の家賃や価格は経済の成長に連動しやすく、インフレに対しても強い資産形成と言われています。
事実、東京カンテイが発表しているリセールバリューでは、東京近郊のエリアでは10年前の新築価格よりも上がっているケースも多く見受けられます。
【参照元】東京カンテイ2023/5/8発表「リセールバリュー2022」より
不動産投資のメリットは、つみたての投資信託同様に一回購入して、管理を運用会社に任せてしまえばほとんどほったらかしで運用できるため、初心者向けの投資と言えます。
一般的に、物件購入時には銀行とローンを組み、月々の家賃収入をそのローン返済費に充てることになります。そのため、他の投資と違い、月間の手出しが少なかったり、逆にプラスになったりしながら資産形成できるのが特徴です。
また、ローン完済後には家賃収入がそのまま収入になります。
ただし、銀行とローンを組む関係上、不動産投資を始めるには社会的信用力が求められます。「貸したお金をきちんと返せるだけの人なのか?」を判断されるため、ある程度の年収や、勤続年数、職業などが取り組む条件に求められるので注意しましょう。 これらの長期投資方法は、資産形成や将来の安定に向けた投資戦略において有力な選択肢となります。投資家は自身のリスク許容度や目標に合わせて、複数の投資方法を組み合わせることで、着実な資産形成を目指しましょう。
長期投資のやり方とポイント
長期投資を成功させるためには、以下のポイントに留意することが重要です。
余剰資金で行う
長期投資には、生活費や緊急時の資金など、必要な資金を確保した上で余剰資金を投資に充てることが重要です。投資にはリスクが伴いますので、生活に支障をきたさない範囲での投資を心掛けましょう。また、積立投資を活用することで、定期的に少額ずつ投資することが可能です。これにより、市場の変動に左右されずに着実に資産を形成することができます。
一般的に、現金は生活資金の6カ月程度は確保しておくと安心と言われています。また、直近のライフイベントがあれば、その予算も確保しておいた方が良いでしょう。長期投資では、タイミングによっては現金化が難しい場合があったり、現金化したことで満足な投資効果が得られなくなったり、マイナスになってしまうケースもありますので、使うお金はしっかり事前に分けておきましょう。
投資の期間を決める
長期投資は時間を味方につけることが重要ですが、それでも期間をあらかじめ設定することが大切です。将来の目標やライフプランに合わせて、投資の期間を明確にすることで目標を達成しやすくなります。例えば、子供の教育資金やリタイアメントのための資産形成など、具体的な目標を持つことが役立ちます。また、投資の期間中に予期せぬ変化があった場合にも柔軟に対応できるよう、適宜見直しを行うことも重要です。
投資先を慎重に選ぶ
長期投資では、投資先を慎重に選ぶことが重要です。企業の健全性や成長性、過去の業績などを調査し、将来的な成長が期待できる銘柄や投資商品を選びましょう。債権や投資信託であれば、格付けをされているため分かりやすいでしょう。例えば、債権であればBB以下は「投機的水準」とされており、長期の保有にはリスクがある、ということになります。
また、不動産投資であれば、物件のエリアの需要と供給を考慮することが大切です。どれほど良い物件に見えても、入居者が入らなければ収益は悪化します。情報収集を怠らず、専門家の意見を仰ぐことでより的確な投資判断ができます。
リスク分散をする
投資にはリスクがつきものですが、リスクを分散させることでリスクをコントロールしやすくなります。株式、債券、不動産、金融商品など、さまざまな資産に投資することで、全体のリスクを軽減できます。特定の投資先に過度に依存せず、幅広い分野に投資することで、長期的な安定性を確保しましょう。
例えば米国債と米国株の投資信託に偏ったポートフォリオの場合、万一米国評価が下がった場合、一気に資産価値が下落する可能性があります。そのため、分散投資は、商材・時期・エリアなどの視点で分配するのが良いとされています。
こうしたポイントを押さえつつ、自身の目標に合った戦略を慎重に練り、着実に資産形成を進めていくことが、長期投資の成功につながります。不動産投資であれば、現物資産であることからインフレ要素への対策としても有効なリスク分散を意識し、他の商品と差別化した投資を行うことも重要です。自己のリスク許容度に合った適切な長期投資戦略を取り入れることで、より堅実な資産形成が可能となります。
例えば、余剰資金で米国債を購入しつつ、オールカントリー(全世界株式)の投資信託を毎月積み立てつつ、日本の物件の不動産投資をするなど、うまく分散してリスクヘッジをおこないましょう。
まとめ
資産形成方法を活用し、余剰資金を上手に運用することで、将来の安定した資産形成を目指すことができます。長期投資では、余裕のある期間を見据えて、着実な成長を重視することが大切です。投資の際には、リスクを理解し、分散投資を意識することも重要です。自身の目標やライフプランに合わせた戦略を立て、堅実に資産を築くことで、安心した未来を築くことが可能です。投資においては、市場の変動やリスクを避けることは不可能ですが、計画的で長期的な視点を持ちながら、着実に資産形成を進めることが重要です。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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投資の基本!長期投資のメリット、デメリットやおすすめの投資方法を紹介
- はじめ方・基礎知識
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- 資産形成
投資の基本は「長期投資」と言われています。長期的な視点での投資は、リスクを抑えた安定した運用を可能にします。
この記事では、長期投資がおすすめの理由やメリット、デメリットと、長期投資におすすめの投資方法を紹介します。リスクとリターンを考慮し、堅実で安定的な投資を実現するためのノウハウを探っていきましょう。
長期投資がおすすめの理由
長期投資とは、名前の通り金融商品を長期に渡って保有し続ける投資手法となり、目的や期間も短期投資とは異なります。
長期投資のメリットとしては、複利効果を見込むことができる点や、短期投資に比べて低コストで行えることが挙げられます。また、時間や精神的な負担が少なく、リスクをコントロールしやすい特徴も魅力です。
一方で、長期投資のデメリットとしては、利益がすぐに発生しづらいことや短期投資と比較して投資効率が悪い点などがあげられます。
まずは長期投資の概要、その後メリット、デメリットについて解説していきます。
長期投資とは
長期投資とは、前述通り、金融商品を長期に渡って保有し続けます。保有期間には明確な定義はなく、一般的に数年から数十年に渡る保有を指します。長期投資家は、市場の短期的な変動に左右されず、安定的な成長と利益を追求することになります。
一方で、短期投資とは、割安な金融商品を購入し、目標の利益が得られたら比較的短期間で売却する投資手法を指します。デイトレードやスイングトレードなど、数日から数週間程度の保有期間で売買を行うことが一般的です。短期投資家は、市場の瞬間的な値動きを利用して利益を追求し、素早く取引を行うことに重点を置いています。
長期投資と短期投資の違いは、投資の目的や期間にあります。長期投資は将来の資産形成や早期リタイアに向けての安定的な成長を重視し、コツコツと時間をかけて資産を増やすことを目指します。
一方、短期投資はより積極的な売買やリスク管理をおこない、即効性のある利益を追求します。投資家は自身のリスク許容度や目標に応じて、適切な投資手法を選択することが重要です。 短期投資の方が、市場の動向をしっかり把握する必要があるため、より難易度は高いといえるます。投資初心者であれば、長期投資の方がリスクを分散させやすく安定性が高いため、比較的取り組みやすい投資といえるでしょう。
長期投資のメリット
堅実な資産形成を目指す投資家にとって、長期投資は重要な戦略として広く知られています。以下では、その主なメリットについて詳細に解説していきます。
- リスクをコントロールしやすい
長期投資は市場の短期的な変動に強いと言われています。一般的に、株式市場は上下を繰り返しますが、運用期間が長いほどプラスマイナスのリターンのブレ幅が小さくなるのでリスクは少なくなります。 - 時間や精神的な負担が少ない
長期投資では、一時的な市場の変動に振り回されることが少ないため、精神的な負担が軽減されます。日々の市場の変動に対して頻繁に対応する必要がないため、投資家のストレスが軽減される傾向があります。 - 複利効果を見込める
長期間にわたり資産を保有することで、利益が元本に加えてさらに利益を生み出す複利効果を享受できます。これにより、投資成績がより一層向上する可能性があります。単利は運用元本に対し、金利をかけて計算します。一方複利は、増えた利益も合算して金利をかけて計算します。
例えば、1000万円を年間単利5%で5年運用した場合、125万円になります。
1000万円×0.05→50万円×5年→1250万円
1000万円を年間複利5%で5年運用した場合、1276万円になります。
1000万円×1.05×1.05×1.05×1.05×1.05→1276万円
保有資産が多くなればなるほど、保有期間が多くなればなるほど、資産形成スピードが上がっていくのが複利のメリットです。
これらのメリットは、長期投資の重要な特徴であり、資産形成や将来の安定に向けた投資戦略を考える際に考慮すべき要素となります。
長期投資のデメリット
長期投資は、投資家が時間を味方につけて成長を追求する戦略であるため、根気強さと冷静な判断が求められます。その中で、以下のようなデメリットが存在することも念頭に置いて、適切な対策を講じることが重要です。
- 利益がすぐに発生しづらい
長期投資では、投資した金融商品を長期間保有するため、投資してすぐに現金として利益を得ることがほとんどありません。利益を享受するには時間がかかることが多いです。 - 損失が大きくなり続ける可能性がある
長期投資においても、投資先の金融商品が不振に陥ると損失が大きくなり続けるリスクがあります。特に長期間保有している場合、投資先が倒産したり経営難に陥ったりすると、数年分の利益が一気に吹き飛ぶ可能性があります。投資先の銘柄の選定は慎重におこないましょう。 - 短期投資と比べて投資効率が悪い?
長期投資では取引の頻度が低いため、一部の投資家にとっては投資効率が低いように感じることがあります。一時的な市場の変動に対してリアルタイムで対応することが少ないため、市場の急変に迅速に対応することが難しい場合もあります。その分、安定しているとも言えます。 - 数年~数十年後の将来を見極める難しさがある
長期投資は将来の数年~数十年後の状況を予測することが難しく、不確定要素が多い投資手法です。市場の予測や経済の動向を正確に予測することは困難であり、不確実性に直面することがあります。
これらのデメリットは、長期投資を検討する際に考慮すべき点です。長期投資を成功させるには、リスク管理とリターンのバランスを理解し、自身の投資目標に合った戦略を慎重に立てることが重要です。
長期投資におすすめの投資方法
この章では長期投資の基本的なやり方とポイントを詳しく解説します。さまざまな投資商品がある中で、自身の目標に合った方法を見つけることが重要です。投資信託、高配当株、ETF、国債、不動産投資などを紹介し、堅実な資産形成に役立つ情報を詳しく解説します。
投資信託
投資信託は、資産運用のプロが株式、債券、不動産など様々な金融商品を組み合わせて運用する投資商品です。個別の株式などに比べてリスクを分散することができます。投資のプロとなる運用会社が投資先を選定して運用するため、個人投資家や初心者でも手軽に投資できる魅力があります。また、テーマ型やインデックス型など様々なタイプの投資信託が存在し、個々の投資家のリスク許容度や目標に合わせた選択が可能です。
高配当株
高配当株は、企業が株主に対して支払う配当が多い株式のことを指します。長期投資家にとって、配当収入が安定した収入源となります。特に、安定して収益を上げている企業や成長が期待される企業が高配当株の対象となります。長期保有することで、企業の成長によって配当が増加する可能性もあるため、資産を成長させるための選択肢として魅力的です。
ETF(上場投資信託)
ETF(Exchange Traded Fund)は、上場投資信託のことで、株式市場で取引されます。
つまり、投資信託は一日一回算出される基準価格での取引となりますが、ETFはリアルタイムで変動する価格で取引することになります。投資信託の場合は自分が思ったような価格で取引できない可能性がありますが、投資信託であれば自分が取引したい額で取引が可能です。
ETFも投資信託同様、1つのETFで複数の銘柄に投資することができるため、リスクを分散することができます。低コストで運用できるため、費用対効果に優れており、特に個別株の選定に時間をかけることが難しい投資家にとって魅力的です。ETFは幅広い投資対象があり、個々の投資家のニーズに合わせた選択が可能です。
国債
国債は、国が発行する債券のことで、長期的な安全性が高いとされています。国債を保有することで、利息を受け取ることができます。元本保証があるため、リスクを抑えながら利息収入を得ることができます。
特に信用力の高い国が発行する国債は、安全性が高く、投資家にとってのリスクが低いとされています。国債は政府が発行するため、国の経済状況や信用力を考慮することが重要です。一般的に、リスクが高いとされる国債ほど安価になって購入しやすくなり、利回りが高くなる傾向になります。リスクが低い国債は、高価で利回りは低くなる傾向にありますから、リスクとリターンを考慮して選択するようにしましょう。
不動産投資
不動産投資は、物件を購入して人に貸すことで家賃収入を得つつ、物件そのものを得る投資手法です。キャッシュフロー(売却益)やインカムゲイン(家賃収入)を期待できます。日本の不動産の家賃や価格は経済の成長に連動しやすく、インフレに対しても強い資産形成と言われています。
事実、東京カンテイが発表しているリセールバリューでは、東京近郊のエリアでは10年前の新築価格よりも上がっているケースも多く見受けられます。
【参照元】東京カンテイ2023/5/8発表「リセールバリュー2022」より
不動産投資のメリットは、つみたての投資信託同様に一回購入して、管理を運用会社に任せてしまえばほとんどほったらかしで運用できるため、初心者向けの投資と言えます。
一般的に、物件購入時には銀行とローンを組み、月々の家賃収入をそのローン返済費に充てることになります。そのため、他の投資と違い、月間の手出しが少なかったり、逆にプラスになったりしながら資産形成できるのが特徴です。
また、ローン完済後には家賃収入がそのまま収入になります。
ただし、銀行とローンを組む関係上、不動産投資を始めるには社会的信用力が求められます。「貸したお金をきちんと返せるだけの人なのか?」を判断されるため、ある程度の年収や、勤続年数、職業などが取り組む条件に求められるので注意しましょう。 これらの長期投資方法は、資産形成や将来の安定に向けた投資戦略において有力な選択肢となります。投資家は自身のリスク許容度や目標に合わせて、複数の投資方法を組み合わせることで、着実な資産形成を目指しましょう。
長期投資のやり方とポイント
長期投資を成功させるためには、以下のポイントに留意することが重要です。
余剰資金で行う
長期投資には、生活費や緊急時の資金など、必要な資金を確保した上で余剰資金を投資に充てることが重要です。投資にはリスクが伴いますので、生活に支障をきたさない範囲での投資を心掛けましょう。また、積立投資を活用することで、定期的に少額ずつ投資することが可能です。これにより、市場の変動に左右されずに着実に資産を形成することができます。
一般的に、現金は生活資金の6カ月程度は確保しておくと安心と言われています。また、直近のライフイベントがあれば、その予算も確保しておいた方が良いでしょう。長期投資では、タイミングによっては現金化が難しい場合があったり、現金化したことで満足な投資効果が得られなくなったり、マイナスになってしまうケースもありますので、使うお金はしっかり事前に分けておきましょう。
投資の期間を決める
長期投資は時間を味方につけることが重要ですが、それでも期間をあらかじめ設定することが大切です。将来の目標やライフプランに合わせて、投資の期間を明確にすることで目標を達成しやすくなります。例えば、子供の教育資金やリタイアメントのための資産形成など、具体的な目標を持つことが役立ちます。また、投資の期間中に予期せぬ変化があった場合にも柔軟に対応できるよう、適宜見直しを行うことも重要です。
投資先を慎重に選ぶ
長期投資では、投資先を慎重に選ぶことが重要です。企業の健全性や成長性、過去の業績などを調査し、将来的な成長が期待できる銘柄や投資商品を選びましょう。債権や投資信託であれば、格付けをされているため分かりやすいでしょう。例えば、債権であればBB以下は「投機的水準」とされており、長期の保有にはリスクがある、ということになります。
また、不動産投資であれば、物件のエリアの需要と供給を考慮することが大切です。どれほど良い物件に見えても、入居者が入らなければ収益は悪化します。情報収集を怠らず、専門家の意見を仰ぐことでより的確な投資判断ができます。
リスク分散をする
投資にはリスクがつきものですが、リスクを分散させることでリスクをコントロールしやすくなります。株式、債券、不動産、金融商品など、さまざまな資産に投資することで、全体のリスクを軽減できます。特定の投資先に過度に依存せず、幅広い分野に投資することで、長期的な安定性を確保しましょう。
例えば米国債と米国株の投資信託に偏ったポートフォリオの場合、万一米国評価が下がった場合、一気に資産価値が下落する可能性があります。そのため、分散投資は、商材・時期・エリアなどの視点で分配するのが良いとされています。
こうしたポイントを押さえつつ、自身の目標に合った戦略を慎重に練り、着実に資産形成を進めていくことが、長期投資の成功につながります。不動産投資であれば、現物資産であることからインフレ要素への対策としても有効なリスク分散を意識し、他の商品と差別化した投資を行うことも重要です。自己のリスク許容度に合った適切な長期投資戦略を取り入れることで、より堅実な資産形成が可能となります。
例えば、余剰資金で米国債を購入しつつ、オールカントリー(全世界株式)の投資信託を毎月積み立てつつ、日本の物件の不動産投資をするなど、うまく分散してリスクヘッジをおこないましょう。
まとめ
資産形成方法を活用し、余剰資金を上手に運用することで、将来の安定した資産形成を目指すことができます。長期投資では、余裕のある期間を見据えて、着実な成長を重視することが大切です。投資の際には、リスクを理解し、分散投資を意識することも重要です。自身の目標やライフプランに合わせた戦略を立て、堅実に資産を築くことで、安心した未来を築くことが可能です。投資においては、市場の変動やリスクを避けることは不可能ですが、計画的で長期的な視点を持ちながら、着実に資産形成を進めることが重要です。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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ベルテックスコラム事務局
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