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2024.02.29
ベルテックスコラム事務局
サラリーマンでも投資が必要な時代!おすすめ投資法と注意点を解説
- 投資の種類・方法
- 資産形成
- 会社員
近年の厳しい社会情勢下において、将来の資産形成や安定した副収入の確保は、ますます重要な課題になっています。 厚生年金に加入している会社員は安心できる、というのはすでに過去の話で、現在はサラリーマンでも投資が必要な時代です。 投資は単なる資産運用だけでなく、商品によっては節税効果を得られる賢い選択として、参入者が増加しています。
本記事では、サラリーマンでも投資が必要と言われるのはなぜか、また、投資初心者サラリーマンがやっておきたい投資や失敗例・ポイントについてもご紹介していきます。
サラリーマンも投資が必要な時代
現預金を好む日本人は、投資は危険なものであるという固定概念を持ち、他国と比較すると、投資をしている人の割合は非常に低い数値でした。
しかし、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、多くの世代が生活防衛の重要性を感じ、「サラリーマンでも投資が必要な時代」と言われています。
年金問題は今から個人が取り組むべき時代
資産形成をする大きな理由の1つが、退職後の老後を生きていくための生活資金です。 日本には、老後の生活を保護するための年金制度が確立されており、指定日に月額で定められた年金を受給することができます。
しかし、受給できる年金の額は、その時々における日本の情勢に応じて算出され、直近では令和2年度から3年度にかけて0.1%、令和3年度から令和4年度にかけて 0.4%、2年連続で引き下げが決定しました。
令和4年(月額) | 令和3年(月額) | 令和2年(月額) | |
---|---|---|---|
国民年金 ※老齢基礎年金(満額) |
64,816円 | 65,075円 | 65,141円 |
厚生年金 ※夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額 |
219,593円 | 220,496円 | 220,724円 |
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
【参照元】日本年金機構 「令和4年4月分からの年金額等について」、厚生労働省「令和3年度の年金額改定についてお知らせします」より
出生率が低下している日本では、高齢者の割合が増加し、年金の担い手となる若者が減少していくため、年金受給額は右肩下がりになると予測されています。
総務省統計局による「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」では、60~69歳、70歳以上の二人以上の世帯では、毎月の必要な生活資金は平均257,347円であると公表されています。 上記の数字を鑑みると、厚生年金加入者でも、公的年金だけでは生活資金が不足してしまい、私的年金の準備が必要になるのです。
物価高が賃金上昇を上回っている
最近のインフレによる物価上昇も、資産形成の必要性を示す大きな要因です。 食料品やガソリン、生活用品など、日常生活に不可欠な商品が、日々値上げを続けています。 厚生労働省が発表した2022年「毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)」では、実質賃金は前年より0.9%減少を見せる一方、物価(持ち家の家賃換算分を除く総合指標)が3.0%上昇する結果となりました。
あらゆる物価の高騰が著しく、労働者の賃金上昇が追い付かない現状のままでは、今後も家計の圧迫は止まりません。
投資に興味を持つ人は確実に増えている
これらの状況に反応する人が多く、世間では投資へ意欲を見せる人が増加中です。 野村総合研究所(NRI)が公表している「投資を行っている人の割合(25~69歳の男女)」では、投資を行っている人の割合は、ここ数年で大きく飛躍しています。
背景には、2019年の金融庁による「老後二千万円問題」や、2020年の新型コロナウイルスの流行が考えられます。 また、「投資はしていないが興味はある人の割合(年齢階層別)」においても、同様に上昇傾向にあります。
【参照元】野村総合研究所(NRI)「高まる投資熱-投資している人と投資に興味を持つ人の割合が大きく上昇-」より
初心者にもできる投資はたくさんある
投資は専門的な知識を要するため、知識がないままに証券会社へ足を運ぶと、勧誘・購入させられる、というイメージを持つ人も少なからずいました。 以前のイメージでは、新規参入の壁が高かったかもしれませんが、証券会社によるオンラインシステムの普及で、対面せず口座開設が可能になり、初心者でも始めやすい傾向にあります。 また、少額商品、プロが運用する商品など、専門知識が乏しい初心者でも保有しやすい商品ラインナップが拡充しました。 下記の記事では、投資商品ごとの詳しい説明をしておりますので、興味のある方はこちらもぜひご覧下さい。
【おすすめ関連記事】初心者におすすめの投資11選比較!コツやポイントもご紹介
サラリーマンの投資は副業に当たるのか
投資検討者の一部には、「会社が副業禁止だから」という理由で、スタートを躊躇している方が見受けられます。 投資と副業の関係性を正確に理解しないまま投資のスタート時期を遅らせてしまうのは、勿体ないかもしれません。
基本的に投資は副業ではない
給与所得による1つの収入柱に頼るのはリスクがあり、最近では厚生労働省も副業を推奨しています。 これに伴い「副業禁止」を解禁する企業も増えていますが、そもそも投資自体は副業に該当しません。
企業が副業を禁じる理由は、副業による社員の生産性および向上性の低下・長時間労働を阻止する、社外秘の情報漏洩を阻止する、など本業へきたす支障が理由です。 資産形成を目的とする投資は、上記に該当しないケースが多く、企業側も投資による弊害を受けることが少ないので、許容している会社が多くみられます。
会社によって投資が禁止されている場合も
投資を問題視する企業は少ないようですが、独自の社内規約等で禁止している例も見られます。
特に金融機関は、従業者の株式投資をNGと制限する会社が多いようです。 金融機関とは、日本証券業協会の加入する企業を指し、銀行や証券会社、保険会社などが該当します。 従業者は日常業務で、株などの先物取引に携わるため、株式投資をすることでインサイダー取引に繋がる恐れがあるからです。
金融機関以外でも、社内規定等で禁止されている場合は罰則が設けられていることが多いので、心配な方は始める前に確認しましょう。
サラリーマンはどんな時に確定申告が必要?
投資で利益を得ると、確定申告が必要で面倒であると考える人も少なくありません。 しかし、実際には投資で収益があった場合でも、確定申告が不要になるケースもあります。 サラリーマンがどんな時に確定申告が必要であるのか、頭を整理していきましょう。
年収2,000万円を超える場合
給与所得で2,000万円を超える高所得者には、確定申告が所得税法で義務付けられており、会社側は年末調整を行いません。そのため、配偶者控除や社会保険控除などの所得控除がされず、自らで行う必要があるのです。
医療費控除の場合
1月1日から12月31日までの1年間において、一定額以上の多くの医療費を支払った場合、確定申告をすることで医療費控除の対象となります。 確定申告を行わなかった場合、追徴などのペナルティはありませんが、医療費控除が受けることができません。
投資で収益が発生した場合
投資で収益が出たとき、基本的には1月1日から12月31日までの1年間で、20万円以上の利益がある時は確定申告の対象です。 ただし、運用している証券口座が一般口座なら必要ですが、「特別口座」かつ「源泉徴収あり」を選択している時は不要になります。 「特別口座」かつ「源泉徴収あり」の場合、証券会社が税額の徴収・還付をしてくれるので、実質的には納付をしていることになるのです。
不動産投資をおこなっている場合
不動産投資を行っている場合、確定申告の対象となります。 不動産所得がマイナスの場合、給与所得と相殺する「損益通算」が認められていますので、確定申告することで納税額が減少します。
初心者サラリーマン投資家がまずやっておきたい3つの投資と節税対策
サラリーマンが初めての投資に踏み出す際、最初のステップは特に慎重に計画を立てる必要があります。 冒険や挑戦に出ることよりも、着実な資産形成が求められますので、この章では「まずやっておきたい」3つの投資についてご紹介します。
NISA
投資の運用益が非課税になるNISA制度には、2023年現在、「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。それぞれ運用方針に違いが見られ、非課税投資枠や非課税期間は異なり、運用はどちらか一方のみの選択制になります。
NISAは2024年以降、新NISA制度として拡充した内容で生まれ変わる予定です。 新制度では、「一般投資枠」の性質を引き継ぐ「成長投資枠」と、「つみたてNISA」の性質を引き継ぐ「つみたて投資枠」両方が併用可能になります。
非課税保有期間の無期限化、非課税保有期間限度額の上限額上昇により、資産運用の幅がより広がりますので、ぜひ活用してみて下さい。
iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資金形成を目的とした国が管轄する私的年金制度で、資産形成および節税対策の両立ができる投資として、始めるサラリーマンが増えています。 毎月の掛金は所得控除が認められているだけでなく、受取時も一定額までは控除対象となります。
また、利息や運用益に対する税金がかからず、節税しながら大きな資産形成が期待できるでしょう。 60歳までは原則引き出しができませんが、毎月積み立てていくだけなので、管理が簡単といったメリットもあります。 投資初心者のサラリーマンは、まずはNISAもしくはiDeCoからスタートしてみることがおすすめです。 NISAとiDeCoについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照下さい。
【おすすめ関連記事】節税効果のある資産形成とは?出ていくお金を減らして効率的な資産形成を目指す
不動産投資
サラリーマンの中でも、高所得者や上場企業に勤めている方におすすめしたいのは、不動産投資です。 不動産投資は、マンションの一室もしくはマンションやアパート一棟を所有して、入居者から家賃収入を得ることで、高い収益性を期待できます。金融機関からのローンを利用することで、他の投資よりもレバレッジ効果が高く、効率的に資産増加させることが可能です。
節税効果以外にも、様々なメリットがある不動産投資ですが、自己資金と豊富な知識・シミュレーションが必要なので、始める際は慎重さが求められます。
ふるさと納税
ふるさと納税とは、国内の好きな地方自治体(ふるさと)へ寄附を行い、地域振興を支援する制度です。この制度では、寄附した地域の特産品などを返礼品として提供することで、寄附の促進を促しています。
ふるさと納税では「寄附金控除」制度が設けられており、寄附した金額のうち2,000円は自己負担、それを超える部分において、一定額まで所得税・住民税の控除が受けられる仕組みです。 リスクやデメリットが少ないので、すでに多くのサラリーマンが活用しています。
サラリーマンが投資で失敗しやすいケースとは
本章では、サラリーマンが投資で失敗するケースについて、触れていきます。 投資は、将来のために今や不可欠な存在になりつつありますが、その特性を理解していないと、十分な恩恵を受けることはできません。
投資商品の知識があまりない
今回は、「ドルコスト平均法」を利用した投資信託による例を挙げてみましょう。 ドルコスト平均法は、長期間をかけて、定期的に同じ銘柄を一定額ずつ購入する手法で、基準価額の変動リスクに対応します。
・定期的に一定額を積み立てられない
・短期目線で儲けを期待している
上記のような人は投資信託には不向きですが、意外と知らずに始めてしまう方が多いのです。
また、信託報酬と呼ばれる手数料を考慮しておらず、短期解約してしまうケースも見られます。 信託報酬は低いものでは1%を切りますが、証券会社の営業担当に勧められるがまま3%台の商品を購入してしまい、損失が膨らんで短期解約してしまう、などです。
それぞれの商品が持つ特性を十分に理解し、自身の考えや方針と合致した投資を選択しなくてはなりません。
楽観視し過ぎる
他力本願による失敗も、実はよくあるケースです。 投資に興味を持ち、知人・友人に聞いた話や、最近よくある「オンラインサロン」などのコミュニティからの情報を鵜呑みにする人が多くいます。 実際に成功している人からの話を聞くと、心理的にすぐに始めたくなりますが、これはあまりに危険です。成功者の実績は過去のもので、今後も継続的に成功するとは限りません。
また、証券会社や不動産会社の営業担当者は「良い状態のシミュレーション結果」でしか話をしていない場合もあります。 どの投資を選択するにしても、自分で綿密な調査とシミュレーションを重ね、失敗しても他人に責任転嫁することが無い状態でスタートしましょう。
サラリーマンが投資で失敗しないためのポイントとは
最後は、サラリーマンが投資で失敗しないためのポイントについて、3点お伝えしましょう。
目標を設定する
まずは、投資を行う前に「目標設定」をしましょう。 「いつまでに」「いくら貯める」など、具体的な数値で明確化することが大切です。この金額は背伸びすることなく、自身の生活水準を基盤として無理のない範囲で設定して下さい。 どんな商品を、年利何%で運用していくのか、達成したい目標から逆算していくことで、投資におけるざっくりとした道筋ができます。
投資商品や地域を分散させる
歩むべき道筋が見えたら、次は、自分に合う投資商品を具体的に選定していきます。 資金に余裕がある方はNISAとiDeCoを併用する、つみたてNISAで資産形成をする人は投資先を「国内」と「国外」に分けるなど、投資配分を決定します。 1つの商品(投資先)の比率を100%にしてしまうのは危険で、商品や地域を分散させることでリスクの軽減が可能です。 選択した商品を購入する前には、十分な調査・分析を行いましょう。
定期的にポートフォリオを見直す
投資先が決まり、実際に運用がスタートしても、これで終わりではありません。油断すると失敗に逆戻りしてしまうかもしれません。 定期的にポートフォリオ(資産構成)を確認し、運用成績の比較をする習慣づけをしましょう。 商品の運用を継続するのに問題はないか、投資の比重を変更することでより良い構成にならないか、手数料の値上げはないかなど、忙しい中でもこまめなチェックはとても大切です。
下記のコラムでは、ポートフォリオの必要性や年齢別のポートフォリオ例を掲載しておりますので、始める際には確認してみて下さい。 すでに投資を始めている方にとっても、1つの指標となるでしょう。
【おすすめ関連記事】投資のリスク分散に役立つポートフォリオの作り方・年代別の例も紹介
まとめ
本章では、「サラリーマン」にフォーカスをあて、投資の重要性や始め方についてお伝えしました。 日本は、すでに個人による老後の備蓄が不可避な時代です。 毎月安定した収入が見込めて信頼の厚いサラリーマンは、選べる投資商品の幅が広く、計画的な資産運用ができます。 本業で忙しい毎日から投資に充てる時間を捻出し、早いうちにスタートを切りましょう。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。
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2024.02.29
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サラリーマンでも投資が必要な時代!おすすめ投資法と注意点を解説
- 投資の種類・方法
- 資産形成
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近年の厳しい社会情勢下において、将来の資産形成や安定した副収入の確保は、ますます重要な課題になっています。 厚生年金に加入している会社員は安心できる、というのはすでに過去の話で、現在はサラリーマンでも投資が必要な時代です。 投資は単なる資産運用だけでなく、商品によっては節税効果を得られる賢い選択として、参入者が増加しています。
本記事では、サラリーマンでも投資が必要と言われるのはなぜか、また、投資初心者サラリーマンがやっておきたい投資や失敗例・ポイントについてもご紹介していきます。
サラリーマンも投資が必要な時代
現預金を好む日本人は、投資は危険なものであるという固定概念を持ち、他国と比較すると、投資をしている人の割合は非常に低い数値でした。
しかし、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、多くの世代が生活防衛の重要性を感じ、「サラリーマンでも投資が必要な時代」と言われています。
年金問題は今から個人が取り組むべき時代
資産形成をする大きな理由の1つが、退職後の老後を生きていくための生活資金です。 日本には、老後の生活を保護するための年金制度が確立されており、指定日に月額で定められた年金を受給することができます。
しかし、受給できる年金の額は、その時々における日本の情勢に応じて算出され、直近では令和2年度から3年度にかけて0.1%、令和3年度から令和4年度にかけて 0.4%、2年連続で引き下げが決定しました。
令和4年(月額) | 令和3年(月額) | 令和2年(月額) | |
---|---|---|---|
国民年金 ※老齢基礎年金(満額) |
64,816円 | 65,075円 | 65,141円 |
厚生年金 ※夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額 |
219,593円 | 220,496円 | 220,724円 |
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
【参照元】日本年金機構 「令和4年4月分からの年金額等について」、厚生労働省「令和3年度の年金額改定についてお知らせします」より
出生率が低下している日本では、高齢者の割合が増加し、年金の担い手となる若者が減少していくため、年金受給額は右肩下がりになると予測されています。
総務省統計局による「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」では、60~69歳、70歳以上の二人以上の世帯では、毎月の必要な生活資金は平均257,347円であると公表されています。 上記の数字を鑑みると、厚生年金加入者でも、公的年金だけでは生活資金が不足してしまい、私的年金の準備が必要になるのです。
物価高が賃金上昇を上回っている
最近のインフレによる物価上昇も、資産形成の必要性を示す大きな要因です。 食料品やガソリン、生活用品など、日常生活に不可欠な商品が、日々値上げを続けています。 厚生労働省が発表した2022年「毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)」では、実質賃金は前年より0.9%減少を見せる一方、物価(持ち家の家賃換算分を除く総合指標)が3.0%上昇する結果となりました。
あらゆる物価の高騰が著しく、労働者の賃金上昇が追い付かない現状のままでは、今後も家計の圧迫は止まりません。
投資に興味を持つ人は確実に増えている
これらの状況に反応する人が多く、世間では投資へ意欲を見せる人が増加中です。 野村総合研究所(NRI)が公表している「投資を行っている人の割合(25~69歳の男女)」では、投資を行っている人の割合は、ここ数年で大きく飛躍しています。
背景には、2019年の金融庁による「老後二千万円問題」や、2020年の新型コロナウイルスの流行が考えられます。 また、「投資はしていないが興味はある人の割合(年齢階層別)」においても、同様に上昇傾向にあります。
【参照元】野村総合研究所(NRI)「高まる投資熱-投資している人と投資に興味を持つ人の割合が大きく上昇-」より
初心者にもできる投資はたくさんある
投資は専門的な知識を要するため、知識がないままに証券会社へ足を運ぶと、勧誘・購入させられる、というイメージを持つ人も少なからずいました。 以前のイメージでは、新規参入の壁が高かったかもしれませんが、証券会社によるオンラインシステムの普及で、対面せず口座開設が可能になり、初心者でも始めやすい傾向にあります。 また、少額商品、プロが運用する商品など、専門知識が乏しい初心者でも保有しやすい商品ラインナップが拡充しました。 下記の記事では、投資商品ごとの詳しい説明をしておりますので、興味のある方はこちらもぜひご覧下さい。
【おすすめ関連記事】初心者におすすめの投資11選比較!コツやポイントもご紹介
サラリーマンの投資は副業に当たるのか
投資検討者の一部には、「会社が副業禁止だから」という理由で、スタートを躊躇している方が見受けられます。 投資と副業の関係性を正確に理解しないまま投資のスタート時期を遅らせてしまうのは、勿体ないかもしれません。
基本的に投資は副業ではない
給与所得による1つの収入柱に頼るのはリスクがあり、最近では厚生労働省も副業を推奨しています。 これに伴い「副業禁止」を解禁する企業も増えていますが、そもそも投資自体は副業に該当しません。
企業が副業を禁じる理由は、副業による社員の生産性および向上性の低下・長時間労働を阻止する、社外秘の情報漏洩を阻止する、など本業へきたす支障が理由です。 資産形成を目的とする投資は、上記に該当しないケースが多く、企業側も投資による弊害を受けることが少ないので、許容している会社が多くみられます。
会社によって投資が禁止されている場合も
投資を問題視する企業は少ないようですが、独自の社内規約等で禁止している例も見られます。
特に金融機関は、従業者の株式投資をNGと制限する会社が多いようです。 金融機関とは、日本証券業協会の加入する企業を指し、銀行や証券会社、保険会社などが該当します。 従業者は日常業務で、株などの先物取引に携わるため、株式投資をすることでインサイダー取引に繋がる恐れがあるからです。
金融機関以外でも、社内規定等で禁止されている場合は罰則が設けられていることが多いので、心配な方は始める前に確認しましょう。
サラリーマンはどんな時に確定申告が必要?
投資で利益を得ると、確定申告が必要で面倒であると考える人も少なくありません。 しかし、実際には投資で収益があった場合でも、確定申告が不要になるケースもあります。 サラリーマンがどんな時に確定申告が必要であるのか、頭を整理していきましょう。
年収2,000万円を超える場合
給与所得で2,000万円を超える高所得者には、確定申告が所得税法で義務付けられており、会社側は年末調整を行いません。そのため、配偶者控除や社会保険控除などの所得控除がされず、自らで行う必要があるのです。
医療費控除の場合
1月1日から12月31日までの1年間において、一定額以上の多くの医療費を支払った場合、確定申告をすることで医療費控除の対象となります。 確定申告を行わなかった場合、追徴などのペナルティはありませんが、医療費控除が受けることができません。
投資で収益が発生した場合
投資で収益が出たとき、基本的には1月1日から12月31日までの1年間で、20万円以上の利益がある時は確定申告の対象です。 ただし、運用している証券口座が一般口座なら必要ですが、「特別口座」かつ「源泉徴収あり」を選択している時は不要になります。 「特別口座」かつ「源泉徴収あり」の場合、証券会社が税額の徴収・還付をしてくれるので、実質的には納付をしていることになるのです。
不動産投資をおこなっている場合
不動産投資を行っている場合、確定申告の対象となります。 不動産所得がマイナスの場合、給与所得と相殺する「損益通算」が認められていますので、確定申告することで納税額が減少します。
初心者サラリーマン投資家がまずやっておきたい3つの投資と節税対策
サラリーマンが初めての投資に踏み出す際、最初のステップは特に慎重に計画を立てる必要があります。 冒険や挑戦に出ることよりも、着実な資産形成が求められますので、この章では「まずやっておきたい」3つの投資についてご紹介します。
NISA
投資の運用益が非課税になるNISA制度には、2023年現在、「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。それぞれ運用方針に違いが見られ、非課税投資枠や非課税期間は異なり、運用はどちらか一方のみの選択制になります。
NISAは2024年以降、新NISA制度として拡充した内容で生まれ変わる予定です。 新制度では、「一般投資枠」の性質を引き継ぐ「成長投資枠」と、「つみたてNISA」の性質を引き継ぐ「つみたて投資枠」両方が併用可能になります。
非課税保有期間の無期限化、非課税保有期間限度額の上限額上昇により、資産運用の幅がより広がりますので、ぜひ活用してみて下さい。
iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資金形成を目的とした国が管轄する私的年金制度で、資産形成および節税対策の両立ができる投資として、始めるサラリーマンが増えています。 毎月の掛金は所得控除が認められているだけでなく、受取時も一定額までは控除対象となります。
また、利息や運用益に対する税金がかからず、節税しながら大きな資産形成が期待できるでしょう。 60歳までは原則引き出しができませんが、毎月積み立てていくだけなので、管理が簡単といったメリットもあります。 投資初心者のサラリーマンは、まずはNISAもしくはiDeCoからスタートしてみることがおすすめです。 NISAとiDeCoについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照下さい。
【おすすめ関連記事】節税効果のある資産形成とは?出ていくお金を減らして効率的な資産形成を目指す
不動産投資
サラリーマンの中でも、高所得者や上場企業に勤めている方におすすめしたいのは、不動産投資です。 不動産投資は、マンションの一室もしくはマンションやアパート一棟を所有して、入居者から家賃収入を得ることで、高い収益性を期待できます。金融機関からのローンを利用することで、他の投資よりもレバレッジ効果が高く、効率的に資産増加させることが可能です。
節税効果以外にも、様々なメリットがある不動産投資ですが、自己資金と豊富な知識・シミュレーションが必要なので、始める際は慎重さが求められます。
ふるさと納税
ふるさと納税とは、国内の好きな地方自治体(ふるさと)へ寄附を行い、地域振興を支援する制度です。この制度では、寄附した地域の特産品などを返礼品として提供することで、寄附の促進を促しています。
ふるさと納税では「寄附金控除」制度が設けられており、寄附した金額のうち2,000円は自己負担、それを超える部分において、一定額まで所得税・住民税の控除が受けられる仕組みです。 リスクやデメリットが少ないので、すでに多くのサラリーマンが活用しています。
サラリーマンが投資で失敗しやすいケースとは
本章では、サラリーマンが投資で失敗するケースについて、触れていきます。 投資は、将来のために今や不可欠な存在になりつつありますが、その特性を理解していないと、十分な恩恵を受けることはできません。
投資商品の知識があまりない
今回は、「ドルコスト平均法」を利用した投資信託による例を挙げてみましょう。 ドルコスト平均法は、長期間をかけて、定期的に同じ銘柄を一定額ずつ購入する手法で、基準価額の変動リスクに対応します。
・定期的に一定額を積み立てられない
・短期目線で儲けを期待している
上記のような人は投資信託には不向きですが、意外と知らずに始めてしまう方が多いのです。
また、信託報酬と呼ばれる手数料を考慮しておらず、短期解約してしまうケースも見られます。 信託報酬は低いものでは1%を切りますが、証券会社の営業担当に勧められるがまま3%台の商品を購入してしまい、損失が膨らんで短期解約してしまう、などです。
それぞれの商品が持つ特性を十分に理解し、自身の考えや方針と合致した投資を選択しなくてはなりません。
楽観視し過ぎる
他力本願による失敗も、実はよくあるケースです。 投資に興味を持ち、知人・友人に聞いた話や、最近よくある「オンラインサロン」などのコミュニティからの情報を鵜呑みにする人が多くいます。 実際に成功している人からの話を聞くと、心理的にすぐに始めたくなりますが、これはあまりに危険です。成功者の実績は過去のもので、今後も継続的に成功するとは限りません。
また、証券会社や不動産会社の営業担当者は「良い状態のシミュレーション結果」でしか話をしていない場合もあります。 どの投資を選択するにしても、自分で綿密な調査とシミュレーションを重ね、失敗しても他人に責任転嫁することが無い状態でスタートしましょう。
サラリーマンが投資で失敗しないためのポイントとは
最後は、サラリーマンが投資で失敗しないためのポイントについて、3点お伝えしましょう。
目標を設定する
まずは、投資を行う前に「目標設定」をしましょう。 「いつまでに」「いくら貯める」など、具体的な数値で明確化することが大切です。この金額は背伸びすることなく、自身の生活水準を基盤として無理のない範囲で設定して下さい。 どんな商品を、年利何%で運用していくのか、達成したい目標から逆算していくことで、投資におけるざっくりとした道筋ができます。
投資商品や地域を分散させる
歩むべき道筋が見えたら、次は、自分に合う投資商品を具体的に選定していきます。 資金に余裕がある方はNISAとiDeCoを併用する、つみたてNISAで資産形成をする人は投資先を「国内」と「国外」に分けるなど、投資配分を決定します。 1つの商品(投資先)の比率を100%にしてしまうのは危険で、商品や地域を分散させることでリスクの軽減が可能です。 選択した商品を購入する前には、十分な調査・分析を行いましょう。
定期的にポートフォリオを見直す
投資先が決まり、実際に運用がスタートしても、これで終わりではありません。油断すると失敗に逆戻りしてしまうかもしれません。 定期的にポートフォリオ(資産構成)を確認し、運用成績の比較をする習慣づけをしましょう。 商品の運用を継続するのに問題はないか、投資の比重を変更することでより良い構成にならないか、手数料の値上げはないかなど、忙しい中でもこまめなチェックはとても大切です。
下記のコラムでは、ポートフォリオの必要性や年齢別のポートフォリオ例を掲載しておりますので、始める際には確認してみて下さい。 すでに投資を始めている方にとっても、1つの指標となるでしょう。
【おすすめ関連記事】投資のリスク分散に役立つポートフォリオの作り方・年代別の例も紹介
まとめ
本章では、「サラリーマン」にフォーカスをあて、投資の重要性や始め方についてお伝えしました。 日本は、すでに個人による老後の備蓄が不可避な時代です。 毎月安定した収入が見込めて信頼の厚いサラリーマンは、選べる投資商品の幅が広く、計画的な資産運用ができます。 本業で忙しい毎日から投資に充てる時間を捻出し、早いうちにスタートを切りましょう。
ベルテックスでは不動産投資やその他の資産運用にまつわる資産形成セミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、より詳しく話を聞いてみたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ベルテックスコラム事務局
不動産コンサルタント・税理士
不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。