2023.10.17

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の4大メリットと5大デメリットを徹底解説

  • はじめ方・基礎知識
  • メリット

入居者からの家賃収入をローン返済に充て、上手くいけば自己資金をほとんど使わず、大きな資産と収益を手に入れられる不動産投資。 一方、デメリットを理解せずに失敗してしまうと、最悪のケースでは「自己破産」で人生を一変させてしまいます。

本記事では、不動産投資の魅力と注意すべき点を「4つのメリット」と「5つのデメリット」に大別して、解説していきます。 最後には、他の投資商品のメリット、デメリットについてもお伝えしていきますので、投資参入を検討する方にとって有益な内容となるでしょう。

不動産投資とは

不動産投資とは、不動産を購入して入居者からの家賃収入で得る投資手法です。 本章では、具体的な仕組みや、投資の対象となる不動産について詳しくみていきましょう。

不動産投資の仕組み

不動産投資で収益を得る仕組みは、「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」の2つです。

キャピタルゲイン

不動産投資でいうキャピタルゲインとは、株式やFX、暗号資産と同じように、物件価格の変動によって生じる利益を狙う投資手法で、安い時に買って高い時に売ることで儲けを出します。

不動産投資ではバブル期に流行したキャピタルゲインですが、近年は利益が出づらいとされていました。 しかし、最近では都心のマンション価格が著しく高騰しており、相場上昇の前に、売却益を考慮せず物件購入したオーナーが、意図せずキャピタルゲインを手にする事例が見られています。

インカムゲイン

インカムゲインとは、配当金や分配金、利子など資産保有中に継続して得られる利益のことを指します。不動産投資の場合、入居者からの家賃収入のことです。株式やFXのようにキャピタルゲインを狙う手法は、運、タイミング、判断力や専門的な知識を要し、さらにリスクが大きいため、初心者にはあまりお勧めの手法ではありません。 「会社員オーナー」がメジャーである昨今、ほとんどの方がインカムゲインを目的に不動産投資を始めています。

不動産投資の種類

「不動産投資」と一口に言っても、物件や内容など種類は様々です。 入居者からの家賃収入を得る不動産投資で、代表的な5つをご紹介しましょう。

一棟アパート

一棟アパート投資とは、アパート一棟をまるごと購入して、建物内にある複数の住居を運用します。 ほとんどの場合2~10世帯程度の規模です。複数の世帯からの家賃収入があるため、退去が発生しても他室でカバーできて、安定的・効果的に運用できるでしょう。

一方、物件価格が高額で多くの自己資金を要する点と、ローン審査が通りにくい点が懸念され、一般的な会社員で実際に購入できる人は、かなり限定的でしょう。

区分マンション

区分マンション投資とは、複数の住居があるマンションのうち、一室ずつ個別に住戸を購入して家賃収入を得る手法です。 ファミリー層をターゲットにした間取りの区分マンションは、通常の賃貸物件よりもハイクオリティで需要が高い反面、物件価格との折り合いが難しい難点があります。 そのため、市場では1Rなど規模が小さい物件が目立ちます。

戸建て

「戸建賃貸」と言われる一戸建ての投資手法でも同様に入居者から家賃収入を得ます。 入居者の多くはファミリー世帯で、何らかの理由により戸建てに住みたいが購入しない、あるいは購入できない人たちから人気が高い傾向にあります。 維持管理や修繕がすべて所有者の自己責任になるため、自由度が高いメリットがある一方、選択肢の幅が広くて、運用が難しい一面もある投資方法でしょう。

民泊

民泊を目的とする不動産投資では、マンションや一戸建てなど所有する不動産を一時的に旅行者や訪問者にレンタル提供することで、収益を得ます。 先述の投資法は、主に不動産会社や不動産ポータルサイトを通して契約者を募りますが、民泊の場合、旅行会社などのオンラインポータルサイトを通して、宿泊予約を手配します。

空き家問題の改善として期待される手法ですが、トラブルや問題点も多く、地域によっては条例や規制が設けられており、注意が必要です。

駐車場 

駐車場投資は、周辺にマンションが多い地域など、駐車場が不足しているエリアで車の所有者に貸し出して利用してもらう手法です。駐車場需要が高い激戦区では、「何人待ち」など待機も出る状況になります。 建物を所有する不動産投資よりも、手間やコスト負担が少ないので、初心者も始めやすいでしょう。

また、地主など土地の所有者が、眠っている土地の活用法としてスタートさせるケースも多いようです。

どんな人がはじめているの?

国土交通省が令和元年に行った不動産投資に対するアンケート、および投資用不動産に特化した大手ポータルサイト「健美家」の調査結果を集約すると、不動産投資を行う人の5割前後が会社員であることが分かりました。

また、野村不動産ソリューションズが定期的に行う調査で、2021年の「第13回不動産投資に関する意識調査」では、投資用不動産所有者が「不動産投資の目的」で回答した答えは、「資産運用」が67.3%、ついで「老後の年金対策」が18.5%でした。 多くの方が、将来に向けたお金の増加を目的として始めていることが分かります。

不動産保有者の年齢を見ると、最も多いのは50代で37.7%、ついで40代が27.5%でした。 上記はすでに資産を保有している人の割合なので、実際にスタートさせている人は、それよりも若い30~40代、ということになるでしょう。

会社員であれば、ある程度の地位・役職がついて収入が高くなる頃で、金融機関からの信頼も厚くなる年齢です。 同時に、子供の成長に伴い教育費の支出や、自分の老後について本格的に考え出す年齢ともいえるでしょう。年収で言うと、実際に不動産投資を始めている会社員は、年収600万円以上の人が多いようです。

4大メリット

不動産投資には多くのメリットが挙げられますが、中でも有益な4つのメリットをご紹介します。

メリット①:年金対策

まずは、不動産投資の目的として2割近くの人が理由として挙げた「年金対策」です。 日本における年金受給の現状は非常に厳しく、老後に必要な生活費は、公的年金だけではまかなえない試算で、金融庁も「老後二千万円問題」として取り上げています。 追い打ちをかけるように、少子高齢化の影響で受給できる年金額は、今後さらに減額する見通しです。

個人の資産形成で私的年金を準備するよう呼びかけが強まる中、自己防衛策として不動産投資は人気を集めています。私的年金には様々な種類がありますが、不動産投資は毎月安定した家賃収入を見込むことができます。 <事例、他商品と比較> 例として、個人年金保険と比較した場合の試算結果をお伝えしましょう。

不動産投資

投資目的で、新築3,000万円相当の現物資産を購入したと仮定し、収支を割り出します。

【保有状況】
・新築:3,020万円の物件
・家賃:99,500円/月
・管理費・修繕積立金:8,370円/月
・その他(管理手数料、インターネット費):1,277円/月
・ローン返済費:95,891円(1.75%/35年の場合)

上記条件による運用結果は、下記の通りです。

【キャッシュフロー】
・月々の収支=99,500円-(95,891円+8,370円+1,277円)=-6,038円
・35年間の収支=-6,038円×12か月×35年間=-253.5万円

【ローン完済後のキャッシュフロー】
・65歳以降の年間家賃収入=99,500円×12か月=119.4万円
・90歳までの家賃収入総額=2,985万円
※上記は、64歳までに完済し、家賃の変動がなかったものと仮定する。

個人年金保険

では、次に10年保証期間付終身年金に加入したと仮定し、同様に収支を見ていきます。

【加入条件】
年金受給開始年齢:65歳
年金受取開始時点の積立金額:3,000万円
総支払額:71,430円/月 ×12か月 × 35年間 = 3,000万円

上記条件による運用結果は、下記の通りです。

【年金受給額】
・65歳以降の年間受取額:128.2万円
・90歳までの受取総額:3,206万円

3,000万円の元金に対して206万円の利子がつきますが、月々71,430円の積立金を自分の所得や貯蓄から捻出する必要があり、65歳になって初めて受給開始となる点で、不動産投資に大きく軍配が上がりそうです。
さらに、65歳以降の年間受取額の差は10万円未満で、ひと月換算するとわずか7,333円の差にすぎません。

極めつけとなるのは、個人年金は加入者が死亡した時点で契約終了となるのに対し、不動産投資は遺族に資産として残すことができます。

【参照元】第一生命「ねんきん受取額シミュレーション」より

メリット②:保険効果

次に挙げられるメリットは「保険効果」です。
投資物件の多くはローンを利用して購入しますが、その際「団体信用生命保険(団信)」への加入が融資承認の条件とされるケースが多くあります。 団信はローンの契約者を被保険者とする保険で、契約者が死亡、あるいは指定の高度障害状態になった場合、保険会社から金融機関に保険金を支払い、契約者の債務が免除される仕組みです。

融資を受ける金融機関によって、団信の内容に多少の差は見られますが、プラスアルファで「がん特約」「入院保障」「先進医療特約」「三大疾病・八大生活疾患」に対する保障も付けられます。 また、配偶者のがんでも一時金が支払われるプランもあり、医療保険と同等の効果がありそうです。

<事例>

30歳で投資不動産を購入した方が、10年後の40歳に他界してしまったケースがありました。 新築で3,020万円、中古で2,970万円の2物件を所有しており、ローン残債は約4,650万円でした。

しかし、被保険者の死亡でローン残債は無くなり、残された家族は、遺族年金代わりに収入を手にすることができます。 概算すると、物件を保有し続ける場合は年間約245万円の家賃収入、売却する場合は約5,000万円の現金化が可能です。

メリット③:節税効果

不動産投資では、所得税と住民税の節税効果が期待できます。 所得税と住民税の節税は、不動産所得の赤字と、給与所得など本業で得る所得の「損益通算」によって行います。

不動産所得は年間の家賃収入が黒字でも、建物価格を耐用年数に応じて減価償却が認められており、数年に分割して経費計上が可能です。 これにより不動産所得が帳簿上赤字になると、マイナス分を給与所得との相殺することができるのです。

<事例>

年間の課税所得が800万円、不動産所得が100万円と仮定します。 合計900万円の所得に見えますが、ここで不動産経費が200万円かかった場合、不動産所得は差し引きして-100万円です。 上記を損益通算すると、「課税所得800万円+不動産所得-100万円=課税所得700万円」になります。

 

<シミュレーション>

年収が異なる2人を例に挙げて、節税シミュレーションをしてみます。

1.35歳の会社員 年収600万円のケース
年収600万円で新築3,020万円と中古2,970万円の2物件を所有する人が、不動産投資による損益通算を実施した結果は、下記の通りです。

【節税効果】
・所得税166,200円の還付
・住民税222,500円の減額
※合計388,700円の節税

2.41歳の会社員 年収1000万円のケース
年収1000万円で新築3,250万円と新築2,980万円、中古2,330万円の3物件を所有する人が、不動産投資による損益通算を実施した結果は、下記の通りです。

【節税効果】
・所得税476,400円の還付
・住民税233,300円の減額
※合計709,700円の節税

※上記は、当社シミュレーションツールより算出しております

メリット④:インフレ対策

実物資産である不動産投資は、為替変動など経済的要因を受けづらい特徴があり、価値の目減りがしづらいため「インフレ」に強い傾向にあります。

昨今、私たち消費者は生活日常品の物価上昇に頭を悩ませていますが、ここ30年の年収はほぼ横ばいで、物価だけが上昇している状況です。

【インフレによる物価上昇の推移(単位:円)】

商品 1970年 2020年
小麦粉 77.3 266
新聞代(全国紙) 750 4,344
バス代 4.01 217

【参照元】統計局「小売物価統計調査」より

不動産以外の実物資産は、金やプラチナなどが挙げられますが、保有中に家賃収入というインカムゲインを生み出す不動産投資は、とりわけインフレ時の耐久性の強さが伺えます。

また、インフレで不動産相場が上昇することでリセールバリューが高くなるとともに、家賃の上昇もしやすくなるでしょう。 東京カンテイが行った「2022年 中古マンションのリセールバリュー(首都圏)」では、対象398駅のリセールバリューの平均値は132.5%で、資産価値が1.5倍以上に上昇した駅は71駅と発表しています。 厳しいインフレの状況下で、需要のあるエリアで不動産を所有している人は、非常に有利な立ち位置であると言えるでしょう。

<事例>

都内でも特にリセールバリューが高いエリア「新宿区」と「港区」に建つ、2物件の事例をご紹介します。

【物件事例➀:ハイネスロフティ】
住所:東京都新宿区西新宿4丁目32-4
アクセス:
 都営大江戸線 都庁前駅 徒歩6分
 西新宿五丁目駅 徒歩8分
総戸数:126戸
築年月(築年数):1979年4月(築45年)
階数:8階/13階
平米数:34.67㎡
間取り:1LDK

上記物件の分譲時価格は1,550万円~1,555万円(参照:東京カンテイ)ですが、2023年5月30日時点における売買時の価格は3,790万円(参照:REINS)まで上昇しました。 築年数が40年を超えている「旧耐震物件」ですが、2,000万円以上も値上がりしています。

【物件事例②:ライオンズマンション麻布コート】
住所:東京都港区麻布十番2丁目21-14
アクセス:
 東京メトロ南北線 麻布十番駅 徒歩2分
 都営大江戸線 麻布十番駅 徒歩2分
総戸数:47戸
築年月(築年数):1984年11月(築39年)
階数:4階/7階
平米数:20.79㎡
間取り:1R

上記物件の分譲時価格は1,530万円(参照:東京カンテイ)、2022年9月26日時点で2,400万円の成約価格(参照:REINS)で、こちらも大幅に売却益が発生しています。

5大デメリット 

この章では、不動産投資における大きなデメリット・リスクを5つ、またこれらのリスクを要因として発展した過去の事件や出来事についても触れていきます。

下記で紹介する事件や出来事の被害は非常に大きく、投資家たちは事前にリスクヘッジができなかったのか、自分に置き換えて想像してみて下さい。

デメリット①:空室リスク

不動産投資に切り離せないのが空室リスクで、入居者が決まらないことには、家賃収入が入ってきません。家賃収入が無くてもローン返済はしなければならないので、自分の給与所得や貯蓄を切り崩す必要があります。

<過去事例・ニュース>

オーナーが行う空室リスク対策の1つに「サブリース契約」があります。 サブリース契約は空室でも家賃保証をしてくれるため、空室リスクを避けたいオーナーにとっては心強い制度ですが、2018年に起こった「かぼちゃの馬車事件」は世間に衝撃を与えました。

本来サブリースの契約内容で保障されるはずの賃料が支払われず、サブリース会社である株式会社スマートデイズが経営破綻に陥り、複数の不動産オーナーが多額の負債を抱えたのです。

デメリット②:修繕リスク

不動産投資では不要な支出はできる限り抑え、手元に残る資金をより多く確保したいものです。

しかし、第三者に貸し出す以上は日常の管理・点検、経年による修繕は不可欠で、快適な生活を送れるように維持する必要があります。 年間を通してみると、毎月の家賃収入よりも修繕コストの方が上回るケースもあるのです。

<過去事例・ニュース>

収益確保のために修繕コストをかけないオーナーがいますが、杜撰な管理体制を続けると取り返しのつかないことになります。

2020年10月に発生した「北海道築古アパート外廊下崩落事件」では、老朽化が原因でアパート2階にある外廊下の床が崩落し、女性4人と乳児1人が重軽傷を負う事態になりました。 実際このような崩落事件は全国で毎年発生しており、中には被害者が死亡したケースもあります。 多くの原因が老朽化によるものですが、稀に業者の施工不良で発生することもあるようです。

デメリット③:災害リスク

不動産所有すると怖いのが、災害リスクです。 災害の多い日本では、一年を通して地震発生のリスクがあり、夏には毎年複数の台風が日本列島を横断していきます。また、近年の異常気象で、豪雨による河川の決壊など、自然災害による被害が甚大さを増していきます。

ハザードマップを定期的に確認し、適切な保険に加入することで、リスクをできる限り軽減したいものです。

<過去事例・ニュース>

過去には様々な自然災害が発生していますが、近年の大規模な被災では2021年7月の「熱海市伊豆山土石流災害」が記憶に新しいでしょう。 大気の状態が不安定で、記録的な大雨による大規模な土砂災害が発生、死者28名、建物136棟が被害を受けました。

一見すると自然災害に見えますが、後の調査で業者による違法な盛り土が発覚し、国や自治体の責任も大きいとされています。

デメリット④:金利上昇リスク

ローン返済中、特に変動金利を選択した人は金利上昇リスクが常につきまとうでしょう。金額の大きい不動産は、わずかな金利上昇で総支払額が百万円以上高くなり、キャッシュフローに大打撃を与えます。

<過去事例・ニュース>

住宅金融支援機構のホームページで公表されている、これまでの金利変動推移を見ると、バブル期の1990年前後の変動金利は8.00%を超えていることがわかります。

ここ最近は25年程低金利が続き、ここまで急激な金利上昇は予測しづらいですが、不動産購入前には緻密なシミュレーションが重要です。

デメリット⑤:資産価値下落リスク

「資産価値の高さ=賃貸需要の高さ」とも言い換えられ、運用中に賃借を希望する人からどれだけ高いニーズを集め続けられるかが大切です。

資産価値の下落は、築年数の経過や設備など様々な要因が引き金となり、家賃下落や物件価格の下落に繫がります。 また、一度下がってしまった資産価値は簡単に元に戻せません。

<過去事例・ニュース>

2009年、大手メーカーキャノンがリーマンショックによる規模縮小で、大分県杵築市の大型工場を閉鎖し、海外生産に移行したことで、周辺一帯の不動産の資産価値が下落する事例がありました。

当時は家賃4万円前後が相場であったワンルームが、今では1万円前後にまで下がり、売却価格の下落も大きいことから、オーナーたちは手放すに手放せない状況です。

リスクへの対策

株式などの先物取引では、値動きが市場の影響を受けやすく、自分だけでのリスク対策には限界がありますが、不動産投資は事前のリサーチとシミュレーションを積み重ねることで、リスクヘッジすることができます。

空室リスク ・供給<需要となるエリア、物件を選ぶ
・入居者のニーズにあった間取り・設備のある物件を選ぶ
・建物管理がしっかりできている物件を選ぶ
修繕リスク ・原状回復費用などはあらかじめ用意しておく
・保証プランがある不動産会社を選ぶ
災害リスク ・新耐震基準を満たした物件を購入 & 各種保険に加入
・購入する物件のエリアを分散する
・ハザードマップの確認
金利上昇リスク ・経済情勢に合わせた正しい金利の選択
・提携金融機関数の多い不動産会社から購入する
資産価値下落リスク ・特定の企業・大学の需要に頼らない物件を選ぶ
・再開発などの都市計画をまめにチェック

 

他商品とメリットデメリットを比較:一覧表を作成

最後の章では、他の投資商品のメリットとデメリットにも触れていきましょう。

  メリット デメリット
FX ・少額で始められる
・取引できる時間が長い
・取引コストが安い
・変動が激しい
・短時間で大きな損失が出る
・値動き予測がしづらい
仮想通貨 ・少額で始められる
・送金が早く、手数料が無料
・ブロックチェーンを維持できる
・大きな利益になる可能性がある
・市場が不安定である
・ハッキングリスクがある
・発行上限がある
株式投資 ・ハイリターンを狙える
・株主優待を受けられる銘柄がある
・国内外の経済事情に詳しくなる
・難易度が高い
・知識を付けるための勉強が必要
・自己判断が強く求められる
投資信託 ・少額から始められる
・ファンドマネージャーに任せられる
・若いうちにスタートすることで負担が
 少なく、資産を築くことができる
・資産形成までの期間が長い
 (短期間で大きな収益を得るのは難しい)
・手数料が高い商品もある
不動産投資 ・不労所得で年金対策になる
・節税効果が得られる
・保険代わりになる
・インフレ対策になる
・レバレッジ効果で高い収益性がある
・頭金や貯蓄で多くの資金が必要
・信用力が無いとローン利用ができない
・リスクのジャンルが幅広い

まとめ

本記事では、不動産投資のメリット、デメリットについて事例をもとに解説しました。 また、他の投資商品についても触れ、不動産投資の効率の良さや堅実さが明確になったのではないでしょうか。

不動産投資は、投資商品の中でも賢く効率的に運用することが可能で、他の商品よりも度重なるシミュレーションでリスク対策がしやすい特徴があります。 シミュレーションと同時に、信頼のおける不動産会社を慎重に吟味していきましょう。

ベルテックスでは、不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.17

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の4大メリットと5大デメリットを徹底解説

  • はじめ方・基礎知識
  • メリット

入居者からの家賃収入をローン返済に充て、上手くいけば自己資金をほとんど使わず、大きな資産と収益を手に入れられる不動産投資。 一方、デメリットを理解せずに失敗してしまうと、最悪のケースでは「自己破産」で人生を一変させてしまいます。

本記事では、不動産投資の魅力と注意すべき点を「4つのメリット」と「5つのデメリット」に大別して、解説していきます。 最後には、他の投資商品のメリット、デメリットについてもお伝えしていきますので、投資参入を検討する方にとって有益な内容となるでしょう。

不動産投資とは

不動産投資とは、不動産を購入して入居者からの家賃収入で得る投資手法です。 本章では、具体的な仕組みや、投資の対象となる不動産について詳しくみていきましょう。

不動産投資の仕組み

不動産投資で収益を得る仕組みは、「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」の2つです。

キャピタルゲイン

不動産投資でいうキャピタルゲインとは、株式やFX、暗号資産と同じように、物件価格の変動によって生じる利益を狙う投資手法で、安い時に買って高い時に売ることで儲けを出します。

不動産投資ではバブル期に流行したキャピタルゲインですが、近年は利益が出づらいとされていました。 しかし、最近では都心のマンション価格が著しく高騰しており、相場上昇の前に、売却益を考慮せず物件購入したオーナーが、意図せずキャピタルゲインを手にする事例が見られています。

インカムゲイン

インカムゲインとは、配当金や分配金、利子など資産保有中に継続して得られる利益のことを指します。不動産投資の場合、入居者からの家賃収入のことです。株式やFXのようにキャピタルゲインを狙う手法は、運、タイミング、判断力や専門的な知識を要し、さらにリスクが大きいため、初心者にはあまりお勧めの手法ではありません。 「会社員オーナー」がメジャーである昨今、ほとんどの方がインカムゲインを目的に不動産投資を始めています。

不動産投資の種類

「不動産投資」と一口に言っても、物件や内容など種類は様々です。 入居者からの家賃収入を得る不動産投資で、代表的な5つをご紹介しましょう。

一棟アパート

一棟アパート投資とは、アパート一棟をまるごと購入して、建物内にある複数の住居を運用します。 ほとんどの場合2~10世帯程度の規模です。複数の世帯からの家賃収入があるため、退去が発生しても他室でカバーできて、安定的・効果的に運用できるでしょう。

一方、物件価格が高額で多くの自己資金を要する点と、ローン審査が通りにくい点が懸念され、一般的な会社員で実際に購入できる人は、かなり限定的でしょう。

区分マンション

区分マンション投資とは、複数の住居があるマンションのうち、一室ずつ個別に住戸を購入して家賃収入を得る手法です。 ファミリー層をターゲットにした間取りの区分マンションは、通常の賃貸物件よりもハイクオリティで需要が高い反面、物件価格との折り合いが難しい難点があります。 そのため、市場では1Rなど規模が小さい物件が目立ちます。

戸建て

「戸建賃貸」と言われる一戸建ての投資手法でも同様に入居者から家賃収入を得ます。 入居者の多くはファミリー世帯で、何らかの理由により戸建てに住みたいが購入しない、あるいは購入できない人たちから人気が高い傾向にあります。 維持管理や修繕がすべて所有者の自己責任になるため、自由度が高いメリットがある一方、選択肢の幅が広くて、運用が難しい一面もある投資方法でしょう。

民泊

民泊を目的とする不動産投資では、マンションや一戸建てなど所有する不動産を一時的に旅行者や訪問者にレンタル提供することで、収益を得ます。 先述の投資法は、主に不動産会社や不動産ポータルサイトを通して契約者を募りますが、民泊の場合、旅行会社などのオンラインポータルサイトを通して、宿泊予約を手配します。

空き家問題の改善として期待される手法ですが、トラブルや問題点も多く、地域によっては条例や規制が設けられており、注意が必要です。

駐車場 

駐車場投資は、周辺にマンションが多い地域など、駐車場が不足しているエリアで車の所有者に貸し出して利用してもらう手法です。駐車場需要が高い激戦区では、「何人待ち」など待機も出る状況になります。 建物を所有する不動産投資よりも、手間やコスト負担が少ないので、初心者も始めやすいでしょう。

また、地主など土地の所有者が、眠っている土地の活用法としてスタートさせるケースも多いようです。

どんな人がはじめているの?

国土交通省が令和元年に行った不動産投資に対するアンケート、および投資用不動産に特化した大手ポータルサイト「健美家」の調査結果を集約すると、不動産投資を行う人の5割前後が会社員であることが分かりました。

また、野村不動産ソリューションズが定期的に行う調査で、2021年の「第13回不動産投資に関する意識調査」では、投資用不動産所有者が「不動産投資の目的」で回答した答えは、「資産運用」が67.3%、ついで「老後の年金対策」が18.5%でした。 多くの方が、将来に向けたお金の増加を目的として始めていることが分かります。

不動産保有者の年齢を見ると、最も多いのは50代で37.7%、ついで40代が27.5%でした。 上記はすでに資産を保有している人の割合なので、実際にスタートさせている人は、それよりも若い30~40代、ということになるでしょう。

会社員であれば、ある程度の地位・役職がついて収入が高くなる頃で、金融機関からの信頼も厚くなる年齢です。 同時に、子供の成長に伴い教育費の支出や、自分の老後について本格的に考え出す年齢ともいえるでしょう。年収で言うと、実際に不動産投資を始めている会社員は、年収600万円以上の人が多いようです。

4大メリット

不動産投資には多くのメリットが挙げられますが、中でも有益な4つのメリットをご紹介します。

メリット①:年金対策

まずは、不動産投資の目的として2割近くの人が理由として挙げた「年金対策」です。 日本における年金受給の現状は非常に厳しく、老後に必要な生活費は、公的年金だけではまかなえない試算で、金融庁も「老後二千万円問題」として取り上げています。 追い打ちをかけるように、少子高齢化の影響で受給できる年金額は、今後さらに減額する見通しです。

個人の資産形成で私的年金を準備するよう呼びかけが強まる中、自己防衛策として不動産投資は人気を集めています。私的年金には様々な種類がありますが、不動産投資は毎月安定した家賃収入を見込むことができます。 <事例、他商品と比較> 例として、個人年金保険と比較した場合の試算結果をお伝えしましょう。

不動産投資

投資目的で、新築3,000万円相当の現物資産を購入したと仮定し、収支を割り出します。

【保有状況】
・新築:3,020万円の物件
・家賃:99,500円/月
・管理費・修繕積立金:8,370円/月
・その他(管理手数料、インターネット費):1,277円/月
・ローン返済費:95,891円(1.75%/35年の場合)

上記条件による運用結果は、下記の通りです。

【キャッシュフロー】
・月々の収支=99,500円-(95,891円+8,370円+1,277円)=-6,038円
・35年間の収支=-6,038円×12か月×35年間=-253.5万円

【ローン完済後のキャッシュフロー】
・65歳以降の年間家賃収入=99,500円×12か月=119.4万円
・90歳までの家賃収入総額=2,985万円
※上記は、64歳までに完済し、家賃の変動がなかったものと仮定する。

個人年金保険

では、次に10年保証期間付終身年金に加入したと仮定し、同様に収支を見ていきます。

【加入条件】
年金受給開始年齢:65歳
年金受取開始時点の積立金額:3,000万円
総支払額:71,430円/月 ×12か月 × 35年間 = 3,000万円

上記条件による運用結果は、下記の通りです。

【年金受給額】
・65歳以降の年間受取額:128.2万円
・90歳までの受取総額:3,206万円

3,000万円の元金に対して206万円の利子がつきますが、月々71,430円の積立金を自分の所得や貯蓄から捻出する必要があり、65歳になって初めて受給開始となる点で、不動産投資に大きく軍配が上がりそうです。
さらに、65歳以降の年間受取額の差は10万円未満で、ひと月換算するとわずか7,333円の差にすぎません。

極めつけとなるのは、個人年金は加入者が死亡した時点で契約終了となるのに対し、不動産投資は遺族に資産として残すことができます。

【参照元】第一生命「ねんきん受取額シミュレーション」より

メリット②:保険効果

次に挙げられるメリットは「保険効果」です。
投資物件の多くはローンを利用して購入しますが、その際「団体信用生命保険(団信)」への加入が融資承認の条件とされるケースが多くあります。 団信はローンの契約者を被保険者とする保険で、契約者が死亡、あるいは指定の高度障害状態になった場合、保険会社から金融機関に保険金を支払い、契約者の債務が免除される仕組みです。

融資を受ける金融機関によって、団信の内容に多少の差は見られますが、プラスアルファで「がん特約」「入院保障」「先進医療特約」「三大疾病・八大生活疾患」に対する保障も付けられます。 また、配偶者のがんでも一時金が支払われるプランもあり、医療保険と同等の効果がありそうです。

<事例>

30歳で投資不動産を購入した方が、10年後の40歳に他界してしまったケースがありました。 新築で3,020万円、中古で2,970万円の2物件を所有しており、ローン残債は約4,650万円でした。

しかし、被保険者の死亡でローン残債は無くなり、残された家族は、遺族年金代わりに収入を手にすることができます。 概算すると、物件を保有し続ける場合は年間約245万円の家賃収入、売却する場合は約5,000万円の現金化が可能です。

メリット③:節税効果

不動産投資では、所得税と住民税の節税効果が期待できます。 所得税と住民税の節税は、不動産所得の赤字と、給与所得など本業で得る所得の「損益通算」によって行います。

不動産所得は年間の家賃収入が黒字でも、建物価格を耐用年数に応じて減価償却が認められており、数年に分割して経費計上が可能です。 これにより不動産所得が帳簿上赤字になると、マイナス分を給与所得との相殺することができるのです。

<事例>

年間の課税所得が800万円、不動産所得が100万円と仮定します。 合計900万円の所得に見えますが、ここで不動産経費が200万円かかった場合、不動産所得は差し引きして-100万円です。 上記を損益通算すると、「課税所得800万円+不動産所得-100万円=課税所得700万円」になります。

 

<シミュレーション>

年収が異なる2人を例に挙げて、節税シミュレーションをしてみます。

1.35歳の会社員 年収600万円のケース
年収600万円で新築3,020万円と中古2,970万円の2物件を所有する人が、不動産投資による損益通算を実施した結果は、下記の通りです。

【節税効果】
・所得税166,200円の還付
・住民税222,500円の減額
※合計388,700円の節税

2.41歳の会社員 年収1000万円のケース
年収1000万円で新築3,250万円と新築2,980万円、中古2,330万円の3物件を所有する人が、不動産投資による損益通算を実施した結果は、下記の通りです。

【節税効果】
・所得税476,400円の還付
・住民税233,300円の減額
※合計709,700円の節税

※上記は、当社シミュレーションツールより算出しております

メリット④:インフレ対策

実物資産である不動産投資は、為替変動など経済的要因を受けづらい特徴があり、価値の目減りがしづらいため「インフレ」に強い傾向にあります。

昨今、私たち消費者は生活日常品の物価上昇に頭を悩ませていますが、ここ30年の年収はほぼ横ばいで、物価だけが上昇している状況です。

【インフレによる物価上昇の推移(単位:円)】

商品 1970年 2020年
小麦粉 77.3 266
新聞代(全国紙) 750 4,344
バス代 4.01 217

【参照元】統計局「小売物価統計調査」より

不動産以外の実物資産は、金やプラチナなどが挙げられますが、保有中に家賃収入というインカムゲインを生み出す不動産投資は、とりわけインフレ時の耐久性の強さが伺えます。

また、インフレで不動産相場が上昇することでリセールバリューが高くなるとともに、家賃の上昇もしやすくなるでしょう。 東京カンテイが行った「2022年 中古マンションのリセールバリュー(首都圏)」では、対象398駅のリセールバリューの平均値は132.5%で、資産価値が1.5倍以上に上昇した駅は71駅と発表しています。 厳しいインフレの状況下で、需要のあるエリアで不動産を所有している人は、非常に有利な立ち位置であると言えるでしょう。

<事例>

都内でも特にリセールバリューが高いエリア「新宿区」と「港区」に建つ、2物件の事例をご紹介します。

【物件事例➀:ハイネスロフティ】
住所:東京都新宿区西新宿4丁目32-4
アクセス:
 都営大江戸線 都庁前駅 徒歩6分
 西新宿五丁目駅 徒歩8分
総戸数:126戸
築年月(築年数):1979年4月(築45年)
階数:8階/13階
平米数:34.67㎡
間取り:1LDK

上記物件の分譲時価格は1,550万円~1,555万円(参照:東京カンテイ)ですが、2023年5月30日時点における売買時の価格は3,790万円(参照:REINS)まで上昇しました。 築年数が40年を超えている「旧耐震物件」ですが、2,000万円以上も値上がりしています。

【物件事例②:ライオンズマンション麻布コート】
住所:東京都港区麻布十番2丁目21-14
アクセス:
 東京メトロ南北線 麻布十番駅 徒歩2分
 都営大江戸線 麻布十番駅 徒歩2分
総戸数:47戸
築年月(築年数):1984年11月(築39年)
階数:4階/7階
平米数:20.79㎡
間取り:1R

上記物件の分譲時価格は1,530万円(参照:東京カンテイ)、2022年9月26日時点で2,400万円の成約価格(参照:REINS)で、こちらも大幅に売却益が発生しています。

5大デメリット 

この章では、不動産投資における大きなデメリット・リスクを5つ、またこれらのリスクを要因として発展した過去の事件や出来事についても触れていきます。

下記で紹介する事件や出来事の被害は非常に大きく、投資家たちは事前にリスクヘッジができなかったのか、自分に置き換えて想像してみて下さい。

デメリット①:空室リスク

不動産投資に切り離せないのが空室リスクで、入居者が決まらないことには、家賃収入が入ってきません。家賃収入が無くてもローン返済はしなければならないので、自分の給与所得や貯蓄を切り崩す必要があります。

<過去事例・ニュース>

オーナーが行う空室リスク対策の1つに「サブリース契約」があります。 サブリース契約は空室でも家賃保証をしてくれるため、空室リスクを避けたいオーナーにとっては心強い制度ですが、2018年に起こった「かぼちゃの馬車事件」は世間に衝撃を与えました。

本来サブリースの契約内容で保障されるはずの賃料が支払われず、サブリース会社である株式会社スマートデイズが経営破綻に陥り、複数の不動産オーナーが多額の負債を抱えたのです。

デメリット②:修繕リスク

不動産投資では不要な支出はできる限り抑え、手元に残る資金をより多く確保したいものです。

しかし、第三者に貸し出す以上は日常の管理・点検、経年による修繕は不可欠で、快適な生活を送れるように維持する必要があります。 年間を通してみると、毎月の家賃収入よりも修繕コストの方が上回るケースもあるのです。

<過去事例・ニュース>

収益確保のために修繕コストをかけないオーナーがいますが、杜撰な管理体制を続けると取り返しのつかないことになります。

2020年10月に発生した「北海道築古アパート外廊下崩落事件」では、老朽化が原因でアパート2階にある外廊下の床が崩落し、女性4人と乳児1人が重軽傷を負う事態になりました。 実際このような崩落事件は全国で毎年発生しており、中には被害者が死亡したケースもあります。 多くの原因が老朽化によるものですが、稀に業者の施工不良で発生することもあるようです。

デメリット③:災害リスク

不動産所有すると怖いのが、災害リスクです。 災害の多い日本では、一年を通して地震発生のリスクがあり、夏には毎年複数の台風が日本列島を横断していきます。また、近年の異常気象で、豪雨による河川の決壊など、自然災害による被害が甚大さを増していきます。

ハザードマップを定期的に確認し、適切な保険に加入することで、リスクをできる限り軽減したいものです。

<過去事例・ニュース>

過去には様々な自然災害が発生していますが、近年の大規模な被災では2021年7月の「熱海市伊豆山土石流災害」が記憶に新しいでしょう。 大気の状態が不安定で、記録的な大雨による大規模な土砂災害が発生、死者28名、建物136棟が被害を受けました。

一見すると自然災害に見えますが、後の調査で業者による違法な盛り土が発覚し、国や自治体の責任も大きいとされています。

デメリット④:金利上昇リスク

ローン返済中、特に変動金利を選択した人は金利上昇リスクが常につきまとうでしょう。金額の大きい不動産は、わずかな金利上昇で総支払額が百万円以上高くなり、キャッシュフローに大打撃を与えます。

<過去事例・ニュース>

住宅金融支援機構のホームページで公表されている、これまでの金利変動推移を見ると、バブル期の1990年前後の変動金利は8.00%を超えていることがわかります。

ここ最近は25年程低金利が続き、ここまで急激な金利上昇は予測しづらいですが、不動産購入前には緻密なシミュレーションが重要です。

デメリット⑤:資産価値下落リスク

「資産価値の高さ=賃貸需要の高さ」とも言い換えられ、運用中に賃借を希望する人からどれだけ高いニーズを集め続けられるかが大切です。

資産価値の下落は、築年数の経過や設備など様々な要因が引き金となり、家賃下落や物件価格の下落に繫がります。 また、一度下がってしまった資産価値は簡単に元に戻せません。

<過去事例・ニュース>

2009年、大手メーカーキャノンがリーマンショックによる規模縮小で、大分県杵築市の大型工場を閉鎖し、海外生産に移行したことで、周辺一帯の不動産の資産価値が下落する事例がありました。

当時は家賃4万円前後が相場であったワンルームが、今では1万円前後にまで下がり、売却価格の下落も大きいことから、オーナーたちは手放すに手放せない状況です。

リスクへの対策

株式などの先物取引では、値動きが市場の影響を受けやすく、自分だけでのリスク対策には限界がありますが、不動産投資は事前のリサーチとシミュレーションを積み重ねることで、リスクヘッジすることができます。

空室リスク ・供給<需要となるエリア、物件を選ぶ
・入居者のニーズにあった間取り・設備のある物件を選ぶ
・建物管理がしっかりできている物件を選ぶ
修繕リスク ・原状回復費用などはあらかじめ用意しておく
・保証プランがある不動産会社を選ぶ
災害リスク ・新耐震基準を満たした物件を購入 & 各種保険に加入
・購入する物件のエリアを分散する
・ハザードマップの確認
金利上昇リスク ・経済情勢に合わせた正しい金利の選択
・提携金融機関数の多い不動産会社から購入する
資産価値下落リスク ・特定の企業・大学の需要に頼らない物件を選ぶ
・再開発などの都市計画をまめにチェック

 

他商品とメリットデメリットを比較:一覧表を作成

最後の章では、他の投資商品のメリットとデメリットにも触れていきましょう。

  メリット デメリット
FX ・少額で始められる
・取引できる時間が長い
・取引コストが安い
・変動が激しい
・短時間で大きな損失が出る
・値動き予測がしづらい
仮想通貨 ・少額で始められる
・送金が早く、手数料が無料
・ブロックチェーンを維持できる
・大きな利益になる可能性がある
・市場が不安定である
・ハッキングリスクがある
・発行上限がある
株式投資 ・ハイリターンを狙える
・株主優待を受けられる銘柄がある
・国内外の経済事情に詳しくなる
・難易度が高い
・知識を付けるための勉強が必要
・自己判断が強く求められる
投資信託 ・少額から始められる
・ファンドマネージャーに任せられる
・若いうちにスタートすることで負担が
 少なく、資産を築くことができる
・資産形成までの期間が長い
 (短期間で大きな収益を得るのは難しい)
・手数料が高い商品もある
不動産投資 ・不労所得で年金対策になる
・節税効果が得られる
・保険代わりになる
・インフレ対策になる
・レバレッジ効果で高い収益性がある
・頭金や貯蓄で多くの資金が必要
・信用力が無いとローン利用ができない
・リスクのジャンルが幅広い

まとめ

本記事では、不動産投資のメリット、デメリットについて事例をもとに解説しました。 また、他の投資商品についても触れ、不動産投資の効率の良さや堅実さが明確になったのではないでしょうか。

不動産投資は、投資商品の中でも賢く効率的に運用することが可能で、他の商品よりも度重なるシミュレーションでリスク対策がしやすい特徴があります。 シミュレーションと同時に、信頼のおける不動産会社を慎重に吟味していきましょう。

ベルテックスでは、不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。