2023.10.11

不動産投資のコツ

ベルテックスコラム事務局

不動産投資で繰り上げ返済はするべき?タイミングが重要!

  • 融資・ローン

マイホームを購入後「少しずつ繰り上げ返済をした方がいい」と言われた経験はありませんか。この言葉の意図は、繰り上げ返済をするとトータルで見ると返済額が減少し、節約になるということです。

今回は「不動産投資」に視点を向け、投資物件の借り入れにおける繰り上げ返済のメリット・デメリットや繰り上げ返済すべきタイミングについて解説していきます。

繰り上げ返済の種類

繰り上げ返済とは、ローンの借入残高を減らすために毎月の返済額にプラスして、将来返済する予定である元金を前倒しで返済することです。繰り上げ返済を大別すると、2種類に分類されます。それぞれがもつ特徴とどんな人に向いているかを覚えておきましょう。

期間短縮型

1つ目は、期間短縮型と呼ばれます。期間短縮型の繰り上げ返済は、毎月のローン返済額は変えず、ローン返済期間を短くする方法です。毎月の返済額に余裕があり、ローンを早く完済したい人に向いているでしょう。

返済額軽減型

2つ目は、返済額軽減型です。返済額軽減型の繰り上げ返済では、ローン返済期間はそのままで、毎月のローンの返済額を少なくします。不動産投資における毎月のキャッシュフローを増やしたい人に向いているでしょう。

繰り上げ返済シミュレーション例

借入金額 3,000万円
返済年数 20年
金利 2.0%
繰り上げ返済時期 3年0ヵ月
繰り上げ返済金額 100万円

※元利均等返済による

例えば、上表で示した仮定条件の場合、繰り上げ返済前の元金残高は26,227,541円で、返済後の元金残高は25,119,488円になり、この金額から利息を再計算します。
減少する利息額は、期間短縮型を選択すると392,672円であるのに対し、返済額軽減型では2分の1以下である179,500円です。同じタイミングで同額の繰り上げ返済を行うのであれば、「期間短縮型」の方が総返済額は少なくなり有利になります。

不動産投資の繰り上げ返済のメリット

不動産投資を成功に導くためにも、金融機関への返済計画はとても重要になります。シミュレーション結果からも、繰り上げ返済をすることのメリットを感じられたことでしょう。繰り上げ返済をすることで得られるメリットは、主に下記の3点です。

返済総額を抑えることができる

まずは、ここまでの説明と一部重複しますがローンの返済総額を抑えられる点です。繰り上げ返済された資金は、ローン元金に充てられます。元金そのものが減少すると元金を基準に算出される利息も当然に減少するため、ローン完済までに支払う総額を軽減することが可能です。
返済期間が長期に渡る場合は、その分利息も多く支払わなくてはいけません。繰り上げ返済の金額やタイミングにもよりますが、総支払額に数百万円の差が生じることもあります。返済総額を抑えられることは、繰り上げ返済の最大のメリットと言えるでしょう。

毎月の返済の負担を軽減できる

次のメリットは、毎月の返済の負担を軽減できる点です。減少した元金を基に利息額を再度算出するため、繰上げ返済後は毎月々の利息が減少します。期間短縮型、返済額軽減型いずれを選択しても負担が軽減されるのは同様です。
もしも空室が発生した時に給与や貯蓄からの手出しが必要になったら、返済額は少しでも少ない方が安心でしょう。また、繰り上げ返済をして毎月の返済の負担が軽減すると、修繕費などの急な出費にも繰り上げ返済以前よりも対応しやすくなります。

金利変動リスクを軽減できる

最後は、金利変動リスクを軽減できる点です。ローンの借り入れを行う際、変動金利か固定金利かを選択します。変動金利を選択した人にとって、将来的に金利が上昇することが懸念材料となるでしょう。
令和5年現在、低金利が続いているうちにローンの残債を可能な限り減少させておくと、今後金利が上昇した際に受ける影響を小さく抑えられます。
ただし、低金利水準が継続され、金利上昇幅がわずかな場合には、恩恵が大きいメリットとは感じられないかもしれません。

不動産投資の繰り上げ返済のデメリット

繰り上げ返済は、不動産投資に有益なメリットを非常に多くもたらします。しかし、繰り上げ返済はメリットばかりではないことも理解しておかないと「繰り上げ返済貧乏」になりかねません。繰り上げ返済をすることで直面するデメリットを2つ紹介します。

突発的の支出に対応できない可能性がある

1つ目は、突発的な支出に対応できないケースです。まとまった資金が貯まったからといって、全額を繰り上げ返済に充ててしまうのはお勧めしません。繰り上げ返済のスタンスとしては、「繰り上げ返済をしても余剰金がある」ことが大前提です。
日ごろの修繕費や点検費だけでなく、建物を長持ちさせるためには、外壁の塗り替えや屋上の防水工事などを行う必要があり、足場を組む工事等は数百万円にも上る高額な費用が発生します。また、天災などによる損傷で修繕が必要なケースでも、火災保険で費用全額が下りず自分の手出しが必要となることもあるので、手元にはある程度まとまった現金は残しておきましょう。

追加購入が難しくなる

2つ目は、投資物件の追加購入が難しくなることです。
不動産投資戦略として、1棟目で発生した収益や給与等で貯めた自己資金を2棟目の頭金にし、さらに3棟目、4棟目と所有物件を増やしていく方法があります。堅実に資産を増やしていく手法ですでに不動産投資家の多くが行っていますが、1棟目のローン審査が通ったから、次は簡単に通るだろうと思ってはいけません。
金融機関の審査では現金が多い人ほど評価は高く、1棟目と同様に数百万円の頭金が必要です。繰り上げ返済にばかり資金を投入してしまうと、使いたい頭金が全く手元に残らなくなってしまいます。もしも将来的に複数の不動産資産を所有したいのであれば、繰り上げ返済と手元に残しておくキャッシュのバランスを十分に考慮しましょう。

不動産投資の繰り上げ返済のタイミング

先述したメリット・デメリットにより、繰り上げ返済をするには、手元に十分な資金がある上で行うことが重要ということが分かったかと思います。実は、それだけではなく繰り上げ返済では「タイミング」を見計らうことも非常に大切なのです。一体いつが最適なタイミングといえるのでしょうか。

早い方が繰り上げ返済の効果は大きい

ローン返済の総支払額を減少させることに重点をおくのであれば、返済のスタート時点からなるべく早期に繰り上げ返済を行うに越したことはありません。
ここまでお話してきた通り、早いうちに元金を減らすことで、それに伴う利息軽減が可能です。銀行によってサービス内容は異なりますが、普通預金が一定額以上に達したら自動的に繰り上げ返済にまわして支払うシステムなどがあります。今後物件の追加購入予定がなく、できるだけ節約したいという方にとってはお勧めの方法です。
繰り上げ返済を行う時期や金額によって総返済額にどれほどの幅が開くのか、シミュレーションサイトを上手く活用して、数値を明確にしておくことが1つポイントになります。

投資戦略によって適切なタイミングは異なる

不動産投資の行き先は、どんな出口戦略にしたいかなど個人の考えによって異なります。
同じように個人の投資戦略によって、どのタイミングで繰り上げ返済するのが最適かは人それぞれです。
例えば、老後の年金にプラスした余剰資金として投資をするのであれば長期保有をする戦略になります。しかし、不動産の価値が上昇することを狙い、短期間で売却することが目的であれば短期保有をする戦略になるでしょう。長期保有であれば、早めに繰り上げ返済をすることで総返済額が数百万円減少して有益ですが、短期保有であれば、一概にそれが有益とは言えません。
他にも新築物件と中古物件では、借入金額もキャッシュフローも全く別物です。このように、不動産投資では選択する物件によって全く異なる性質を持つため、投資戦略によって繰り上げ返済の最適なタイミングは異なるのです。

繰り上げ返済をする場合の注意点

これまでの説明で、自分の投資スタイルが繰り上げ返済に適しているか否か、ある程度見極められたかと思います。前向きに繰り上げ返済を検討している方は、これから説明する下記の3点には必ず注意してください。

必要な資金は手元に残す

まずは、すでに何度か触れていますが、必要な資金は手元に残すことです。

  • 空室発生時に対応するための資金
  • 修繕費等の急な出費に対応するための資金
  • 物件管理のための維持資金
  • 天災等で補填が必要なシーンに対応するための資金
  • 物件の追加購入に必要な頭金

これら全てが一斉にかかるわけではありませんが、リスクを十分に考慮した上で、繰り上げ返済を行いましょう。もちろん物件に関する費用面だけではなく、老後資金や教育資金など私生活で必要となる資金とのバランスを均等に保つことが大切です。

手数料を確認する

金融機関の窓口やインターネットなど、繰り上げ返済の仕方は融資先の金融機関によって様々でしょう。ここで注意が必要なのが「手数料」です。
銀行の振込手数料が、窓口で依頼するよりもATM操作をして自分で行う方が安くなることを経験したことがある人もいるでしょう。繰り上げ返済でも同様に、インターネットから自分で繰り上げ返済操作を行えば手数料が無料ですが、金融機関の窓口では有料になるなど手続き方法による料金の違いがあります。
返済金額や選択している金利種別によっても手数料は様々です。繰り上げ返済を行う前に、借入を行っている金融機関の手数料に関する設定を確認しましょう。

確定申告を考慮する

見落とされがちな点ですが、繰り上げ返済をすることで確定申告に影響が出ます。不動産投資で得た収益は、一定額を超えると不動産所得として確定申告で申告が必要です。確定申告では、投資用ローンによる利息分を経費計上することが可能で、経費計上を多くすることにより節税につながります。
しかし、繰り上げ返済を行うことで手元に残るお金が増えて利息が減少してしまう可能性があるのです。言い換えると、不動産所得は増加したのに経費が減少してしまい、今後の所得税が高くなってしまう場合があります。総返済額の差異と比較すると少額の増加かもしれませんが、こちらも念頭に入れて置いた方がいいでしょう。

まとめ

本記事では、繰り上げ返済を行う際のメリット・デメリットや行うべきタイミング、注意点についてお伝えしてきました。
繰り上げ返済を行うことでキャッシュフローの増加を見込めますが、繰り上げ返済を行ってもよい人は「手元に十分な余剰資金がある人」というのが大前提です。
無理のない返済計画で不動産投資を成功させて、豊かな人生を送れるようにしましょう。

ベルテックスでは、不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.11

不動産投資のコツ

ベルテックスコラム事務局

不動産投資で繰り上げ返済はするべき?タイミングが重要!

  • 融資・ローン

マイホームを購入後「少しずつ繰り上げ返済をした方がいい」と言われた経験はありませんか。この言葉の意図は、繰り上げ返済をするとトータルで見ると返済額が減少し、節約になるということです。

今回は「不動産投資」に視点を向け、投資物件の借り入れにおける繰り上げ返済のメリット・デメリットや繰り上げ返済すべきタイミングについて解説していきます。

繰り上げ返済の種類

繰り上げ返済とは、ローンの借入残高を減らすために毎月の返済額にプラスして、将来返済する予定である元金を前倒しで返済することです。繰り上げ返済を大別すると、2種類に分類されます。それぞれがもつ特徴とどんな人に向いているかを覚えておきましょう。

期間短縮型

1つ目は、期間短縮型と呼ばれます。期間短縮型の繰り上げ返済は、毎月のローン返済額は変えず、ローン返済期間を短くする方法です。毎月の返済額に余裕があり、ローンを早く完済したい人に向いているでしょう。

返済額軽減型

2つ目は、返済額軽減型です。返済額軽減型の繰り上げ返済では、ローン返済期間はそのままで、毎月のローンの返済額を少なくします。不動産投資における毎月のキャッシュフローを増やしたい人に向いているでしょう。

繰り上げ返済シミュレーション例

借入金額 3,000万円
返済年数 20年
金利 2.0%
繰り上げ返済時期 3年0ヵ月
繰り上げ返済金額 100万円

※元利均等返済による

例えば、上表で示した仮定条件の場合、繰り上げ返済前の元金残高は26,227,541円で、返済後の元金残高は25,119,488円になり、この金額から利息を再計算します。
減少する利息額は、期間短縮型を選択すると392,672円であるのに対し、返済額軽減型では2分の1以下である179,500円です。同じタイミングで同額の繰り上げ返済を行うのであれば、「期間短縮型」の方が総返済額は少なくなり有利になります。

不動産投資の繰り上げ返済のメリット

不動産投資を成功に導くためにも、金融機関への返済計画はとても重要になります。シミュレーション結果からも、繰り上げ返済をすることのメリットを感じられたことでしょう。繰り上げ返済をすることで得られるメリットは、主に下記の3点です。

返済総額を抑えることができる

まずは、ここまでの説明と一部重複しますがローンの返済総額を抑えられる点です。繰り上げ返済された資金は、ローン元金に充てられます。元金そのものが減少すると元金を基準に算出される利息も当然に減少するため、ローン完済までに支払う総額を軽減することが可能です。
返済期間が長期に渡る場合は、その分利息も多く支払わなくてはいけません。繰り上げ返済の金額やタイミングにもよりますが、総支払額に数百万円の差が生じることもあります。返済総額を抑えられることは、繰り上げ返済の最大のメリットと言えるでしょう。

毎月の返済の負担を軽減できる

次のメリットは、毎月の返済の負担を軽減できる点です。減少した元金を基に利息額を再度算出するため、繰上げ返済後は毎月々の利息が減少します。期間短縮型、返済額軽減型いずれを選択しても負担が軽減されるのは同様です。
もしも空室が発生した時に給与や貯蓄からの手出しが必要になったら、返済額は少しでも少ない方が安心でしょう。また、繰り上げ返済をして毎月の返済の負担が軽減すると、修繕費などの急な出費にも繰り上げ返済以前よりも対応しやすくなります。

金利変動リスクを軽減できる

最後は、金利変動リスクを軽減できる点です。ローンの借り入れを行う際、変動金利か固定金利かを選択します。変動金利を選択した人にとって、将来的に金利が上昇することが懸念材料となるでしょう。
令和5年現在、低金利が続いているうちにローンの残債を可能な限り減少させておくと、今後金利が上昇した際に受ける影響を小さく抑えられます。
ただし、低金利水準が継続され、金利上昇幅がわずかな場合には、恩恵が大きいメリットとは感じられないかもしれません。

不動産投資の繰り上げ返済のデメリット

繰り上げ返済は、不動産投資に有益なメリットを非常に多くもたらします。しかし、繰り上げ返済はメリットばかりではないことも理解しておかないと「繰り上げ返済貧乏」になりかねません。繰り上げ返済をすることで直面するデメリットを2つ紹介します。

突発的の支出に対応できない可能性がある

1つ目は、突発的な支出に対応できないケースです。まとまった資金が貯まったからといって、全額を繰り上げ返済に充ててしまうのはお勧めしません。繰り上げ返済のスタンスとしては、「繰り上げ返済をしても余剰金がある」ことが大前提です。
日ごろの修繕費や点検費だけでなく、建物を長持ちさせるためには、外壁の塗り替えや屋上の防水工事などを行う必要があり、足場を組む工事等は数百万円にも上る高額な費用が発生します。また、天災などによる損傷で修繕が必要なケースでも、火災保険で費用全額が下りず自分の手出しが必要となることもあるので、手元にはある程度まとまった現金は残しておきましょう。

追加購入が難しくなる

2つ目は、投資物件の追加購入が難しくなることです。
不動産投資戦略として、1棟目で発生した収益や給与等で貯めた自己資金を2棟目の頭金にし、さらに3棟目、4棟目と所有物件を増やしていく方法があります。堅実に資産を増やしていく手法ですでに不動産投資家の多くが行っていますが、1棟目のローン審査が通ったから、次は簡単に通るだろうと思ってはいけません。
金融機関の審査では現金が多い人ほど評価は高く、1棟目と同様に数百万円の頭金が必要です。繰り上げ返済にばかり資金を投入してしまうと、使いたい頭金が全く手元に残らなくなってしまいます。もしも将来的に複数の不動産資産を所有したいのであれば、繰り上げ返済と手元に残しておくキャッシュのバランスを十分に考慮しましょう。

不動産投資の繰り上げ返済のタイミング

先述したメリット・デメリットにより、繰り上げ返済をするには、手元に十分な資金がある上で行うことが重要ということが分かったかと思います。実は、それだけではなく繰り上げ返済では「タイミング」を見計らうことも非常に大切なのです。一体いつが最適なタイミングといえるのでしょうか。

早い方が繰り上げ返済の効果は大きい

ローン返済の総支払額を減少させることに重点をおくのであれば、返済のスタート時点からなるべく早期に繰り上げ返済を行うに越したことはありません。
ここまでお話してきた通り、早いうちに元金を減らすことで、それに伴う利息軽減が可能です。銀行によってサービス内容は異なりますが、普通預金が一定額以上に達したら自動的に繰り上げ返済にまわして支払うシステムなどがあります。今後物件の追加購入予定がなく、できるだけ節約したいという方にとってはお勧めの方法です。
繰り上げ返済を行う時期や金額によって総返済額にどれほどの幅が開くのか、シミュレーションサイトを上手く活用して、数値を明確にしておくことが1つポイントになります。

投資戦略によって適切なタイミングは異なる

不動産投資の行き先は、どんな出口戦略にしたいかなど個人の考えによって異なります。
同じように個人の投資戦略によって、どのタイミングで繰り上げ返済するのが最適かは人それぞれです。
例えば、老後の年金にプラスした余剰資金として投資をするのであれば長期保有をする戦略になります。しかし、不動産の価値が上昇することを狙い、短期間で売却することが目的であれば短期保有をする戦略になるでしょう。長期保有であれば、早めに繰り上げ返済をすることで総返済額が数百万円減少して有益ですが、短期保有であれば、一概にそれが有益とは言えません。
他にも新築物件と中古物件では、借入金額もキャッシュフローも全く別物です。このように、不動産投資では選択する物件によって全く異なる性質を持つため、投資戦略によって繰り上げ返済の最適なタイミングは異なるのです。

繰り上げ返済をする場合の注意点

これまでの説明で、自分の投資スタイルが繰り上げ返済に適しているか否か、ある程度見極められたかと思います。前向きに繰り上げ返済を検討している方は、これから説明する下記の3点には必ず注意してください。

必要な資金は手元に残す

まずは、すでに何度か触れていますが、必要な資金は手元に残すことです。

  • 空室発生時に対応するための資金
  • 修繕費等の急な出費に対応するための資金
  • 物件管理のための維持資金
  • 天災等で補填が必要なシーンに対応するための資金
  • 物件の追加購入に必要な頭金

これら全てが一斉にかかるわけではありませんが、リスクを十分に考慮した上で、繰り上げ返済を行いましょう。もちろん物件に関する費用面だけではなく、老後資金や教育資金など私生活で必要となる資金とのバランスを均等に保つことが大切です。

手数料を確認する

金融機関の窓口やインターネットなど、繰り上げ返済の仕方は融資先の金融機関によって様々でしょう。ここで注意が必要なのが「手数料」です。
銀行の振込手数料が、窓口で依頼するよりもATM操作をして自分で行う方が安くなることを経験したことがある人もいるでしょう。繰り上げ返済でも同様に、インターネットから自分で繰り上げ返済操作を行えば手数料が無料ですが、金融機関の窓口では有料になるなど手続き方法による料金の違いがあります。
返済金額や選択している金利種別によっても手数料は様々です。繰り上げ返済を行う前に、借入を行っている金融機関の手数料に関する設定を確認しましょう。

確定申告を考慮する

見落とされがちな点ですが、繰り上げ返済をすることで確定申告に影響が出ます。不動産投資で得た収益は、一定額を超えると不動産所得として確定申告で申告が必要です。確定申告では、投資用ローンによる利息分を経費計上することが可能で、経費計上を多くすることにより節税につながります。
しかし、繰り上げ返済を行うことで手元に残るお金が増えて利息が減少してしまう可能性があるのです。言い換えると、不動産所得は増加したのに経費が減少してしまい、今後の所得税が高くなってしまう場合があります。総返済額の差異と比較すると少額の増加かもしれませんが、こちらも念頭に入れて置いた方がいいでしょう。

まとめ

本記事では、繰り上げ返済を行う際のメリット・デメリットや行うべきタイミング、注意点についてお伝えしてきました。
繰り上げ返済を行うことでキャッシュフローの増加を見込めますが、繰り上げ返済を行ってもよい人は「手元に十分な余剰資金がある人」というのが大前提です。
無理のない返済計画で不動産投資を成功させて、豊かな人生を送れるようにしましょう。

ベルテックスでは、不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。