2023.10.11

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資で融資を受けるには? 審査基準やポイントを知ろう

  • 融資・ローン
  • 審査

「不動産投資をしたいけど、ローンを組むのはちょっと…」と不安な気持ちが勝り、投資物件の購入に踏み出せない人は多いと思います。しかし、不動産投資において金融機関の融資を受けることは、決して悪いことばかりではありません。

本記事で説明するメリットやリスクなどを理解して、融資先の金融機関や内容について吟味しましょう。

不動産投資で融資を受けるメリット

投資の中でも融資を受ける必要がある不動産投資は、興味があっても敬遠されてしまいがちです。まずは、融資を受けることはデメリットばかりではないことをお伝えします。

レバレッジを効かせられる

融資を受けることで最も大きく得られるメリットは、レバレッジ効果でしょう。レバレッジとは「てこの原理」を意味しますが、金融業界では借り入れを利用することにより高い収益性を得られることを指します。つまり、不動産投資において自己資金にプラスして融資利用をすることで、大きなリターンを狙うことができるのです。

例えば自己資金1,000万円で融資を利用せずに物件価格1,000万円の商品を購入するとします。利回りが5%の場合、1,000×0.05=500,000となり50万円の年間利益です。

しかし、3,000万円の融資を受けると自己資金と合算して物件価格4,000万円の商品を購入することができます。同じく利回り5%で年間利益を計算すると、4,000×0.05=200万円です。ただし、200万円には融資による利息分が含まれているので、経費として考慮しなくてはなりません。
金利2%で借り入れをしたと仮定すると、3,000×0.02=600,000となり年間60万円を利息分として支払っていることになります。つまり、200万円から60万円をひいた140万円が年間利益です。

このようにレバレッジを効かせることにより、自己資金だけでは得られなかった利益率を生み出すことが可能になります。(※上記概算は、諸費用などの詳細を考慮せず、単純利回りの計算方法によります。)

早い時期から始められる

次に早期に不動産投資がスタートできるメリットがあります。
不動産は高額なので多くの保有資産がない限り、平均的な年収の会社員が購入価格の全額を給与や貯蓄でまかなうのはとても厳しいでしょう。
ワンルームマンションなど比較的少額な商品であればまだしも、1棟ものなど1億円を超えるような高額商品の購入は、自己資金だけでは到底手が出せません。
しかし、本人次第で融資金額の差異はありますが、金融機関の審査承認さえ得られると20代からでも不動産投資をスタートさせることが可能です。
早くから収益を得られ早期完済もできるため、計画的な資産形成で豊かな未来を実現させてくれるでしょう。

不動産投資で融資を受けるリスク

不動産投資で融資を受けるメリットを理解できても、やはり不安な気持ちの方が大きいのはなかなか変わりません。家族との生活を抱える多くの方は、融資を受けるリスクがあまりに大きいからでしょう。
融資利用をして不動産投資を行う場合は、やはりリスクを考慮した返済計画戦略を立てなくてはいけません。

空室発生リスク

不動産投資をする上で最大の課題が空室発生リスクです。
入居者から支払われる家賃が主な返済源である投資用ローンは、空室の発生により家賃収入が返済額を下回ってしまうことがあります。
アパートなどの1棟経営では、空室が発生しても他室からの家賃でカバーがしやすいのが特徴ですが、1室経営では空室により家賃収入が長期間0になってしまうことも十分にあり得ます。
融資利用は、空室発生で打撃を受けたとしても、給与や貯蓄で補填できる返済額の範囲で行いましょう。

滞納リスク

入居者が付き満室経営ができたとしても、常につきまとうのが滞納リスクです。
近年では家賃滞納が発生しても、家賃保証会社やサブリース契約を利用することで規定の範囲内の家賃を保証してくれることになったので、返済計画は立てやすくなりました。
ただし、滞納額が膨らんでしまうと全額一括での返済は困難になるでしょう。オーナーとしては直ちに退去を促したいところですが、借地借家法や消費者契約法などの観点から滞納が続いても強制的に追い出すことはできません。
強制退去に至るまでは稀な事例ですが、裁判になることもあるので非常に気苦労の多いリスクです。

突発的な支出で返済が困難になる場合も

空室や滞納がなくても、突発的な支出が発生してしまい返済が困難になる場合もあります。
設備故障、定期点検など懸念される支出は多岐に渡るのであらかじめ念頭に入れておかなくてはいけません。特にエアコンや給湯器の交換は、設備故障の中でも10万円を超える高額な支出になります。
建物の維持をするためにはメンテナンスは必須なので、急な支出で返済が困難になってしまわないよう対応できるだけの現金は手元に残しておきましょう。

不動産投資ローンの借り入れ先の特徴と金利

不動産投資ローンと聞くと、銀行からお金を借りることをイメージする人が多いかもしれません。
実は、不動産投資ローンを取り扱う金融機関は銀行以外にもいくつか存在しますので、借り入れ先と特徴をご紹介します。

メガバンク

現在日本でメガバンクの地位を有しているのは「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」の3行です。
全国の様々な市町村に支店を展開しているため、窓口で直接相談できることが特徴でありメリットとも言えます。ただし、他の金融機関と比較すると融資の審査基準が非常に高いことがデメリットです。
人によっては低金利で借り入れが可能なので、公務員や上場企業に長年勤めるなど属性が良く、自己資金や資産が多い人に推奨します。
全国展開していることから、相談件数や承認を得るまでの社内ルートが多く、審査期間が長いことが特徴です。

地方銀行

地方銀行とは、一般社団法人全国地方銀行協会の会員である銀行のことです。
各都道府県に本店を置き、特定の地域に支店を展開して営業活動を行っています。メガバンクよりも審査基準が緩く設定されているのが特徴で、個人事業主などで地方銀行と付き合いがあると融資をしてもらいやすいでしょう。
メガバンクの審査に落ちてしまっても、属性の良い人は低金利で融資をしてもらえる可能性があります。
また、銀行の支店から融資対象物件までの距離が近い場合には、金利の引き下げなどの交渉も行いやすい傾向です。

信用金庫・信用組合

地方銀行の営業エリアが都道府県単位で管轄しているのに対して、信用金庫や信用組合は市町村単位で営業エリアを管轄しています。
地域経済を発展させることが目的である信用金庫・信用組合は、地元の小規模事業者に事業融資などを行っているため、利用実績のある事業者には親身になって相談にのってくれる可能性が高いです。
現在、メガバンクや地方銀行は投資ローンの融資に慎重になりつつあるので、他の個人投資家からも注目されています。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、民間金融機関とは異なる100%政府出資の形態で成り立つ金融機関です。
利益を追求する商業目的ではなく国民の支援を目的に運営しているので、民間金融機関の審査に落ちてしまった人でも審査に通る可能性があります。
日本政策金融公庫では「不動産賃貸業」としての見方をするので、「不動産投資」目的では融資が承認されません。不動産賃貸業を行うにあたり自身で作成した事業計画書を提出して、あくまで事業として借り入れを行います。
固定金利一択なので、低利率で承認を得られると返済計画も立てやすいことがメリットです。

ノンバンク

ノンバンクとは、銀行のようなお金を預かる業務を行わない金融機関のことです。
お金の貸し付けなど与信業務特化型の金融機関で、信販会社や消費者金融などがノンバンクに該当します。
銀行法の適用により独自の審査基準で融資額の上限が決められる銀行に対して、個人を対象に貸し付けを行うノンバンクでは、借主の年収3分の1を超える貸し付けをおこなうことを禁止する貸付業法が適用されることが特徴です。
融資の審査スピードは早いですが、金利設定は高めなので不動産投資での利用は慎重に検討しましょう。

不動産投資ローンの審査基準

不動産投資ローンの審査は、マイホーム購入で利用する住宅ローンよりもずっと審査基準が厳しいことを知っておかなくてはいけません。
借り入れを行う金融機関によって審査基準の違いはありますが、どの金融機関も重要視する「社会的信用」について総合的にお伝えします。

勤務先と勤続年数

まずは、勤務先と勤続年数を重要視されます。
銀行は会社の規模や経営状況を調査し、将来を見据えて安定して働くことができる会社かどうか判断されます。医師や弁護士といった士業でない限り、個人事業主よりも会社員の方が評価は高く得られるでしょう。
過去に1~2回程度の転職をしていてもあまり大きな影響はありませんが、勤続年数が最低でも3年以上であることが望ましいです。

他の借り入れ状況

次は、自宅や車など他の借り入れ状況をみられます。
金融機関の審査では「年収の何パーセントまで」とおおよその借り入れ可能額が設定されているため、他の借り入れがあると、借入可能額はその残債分を差し引いた金額が上限となってしまうことが多いです。金融機関によっては、他の借り入れがあると融資自体が不可能なケースもあります。

金融事故の履歴

聞いたことがある人も多いかと思いますが、当然に金融にまつわる事故履歴も調べられます。
他で借り入れしたローンが滞りなく返済されていることやクレジットカードの滞納履歴、消費者金融からの借り入れ歴などを確認されます。
また、あまり知られていない金融事故の履歴が、携帯電話の端末を分割購入したことによる残債未払いのケースです。離婚や引っ越し・機種変更などによる名義変更、住所変更忘れで料金未納の通知が届いておらず、本人自体も未納であることに気付いていないことも多くあります。

保有資産

そして、預貯金や不動産など保有する資産があると審査にはとても有利です。
様々なリスクにより返済不能に陥ったとしても、保有資産が担保替わりとなってくれるためです。審査では「返済能力」が調べられるため、すぐに現金化できる保有資産はプラス評価されます。
強みとなる保有資産を持っていない方は、プラス評価を得るために頭金を多めに出せるようにしておきましょう。

スムーズに融資を受けるコツ

不動産投資ローンの融資を受けるためのハードルは決して低くありませんが、コツを押さえておけば自分の目線の高さまでハードルを下げることは十分に可能です。

頭金を多く用意する

1つ目は、頭金を多く用意することです。
一般的に不動産投資ローンを組むためには、購入物件価格の10%~20以上にあたる頭金が必要と言われていますが、頭金が多ければ多いほど融資が通りやすくなると言われています。
頭金をより多く用意できる人は、毎月の返済額が少なくなるだけでなく、きちんと資金計画を立てられる堅実な人と評価されるからです。
購入物件価格の20%以上の頭金を用意できると、より審査に通りやすくなるでしょう。

収益性が高い物件を選ぶ

2つ目は、収益性が高い物件を選ぶことです。
金融機関の融資担当者がみる「収益性が高い物件」とは、単に利回りが高いということだけではありません。
人気がある駅から近い立地にあること、需要のあり続ける人気物件で家賃下落が起こりづらいことなど総合的に物件を吟味し、「将来を見据えて返済能力のある物件」であるかどうかが論点となります。
収益性が高い人気物件は競争率が高いので、出会えた時には購入までの即決力が大切でしょう。

不動産会社の提携先から融資を受ける

3つ目は、不動産会社の提携先である金融機関から融資を受けることです。
すでに過去の取引で不動産会社と金融機関の信頼関係が成り立っているため、審査がスムーズに行われます。不動産会社がシリーズとして展開する物件であれば尚更、金融機関は他の顧客で融資した実績からも確認や評価がしやすいでしょう。
また、金利の優遇が受けやすいメリットもあるので、融資先の金融機関を比較検討する際には審査を受けてみることをお勧めします。

ローンで気になる金利については以下の記事でまとめています。ぜひご一読下さい!

まとめ

本記事では、不動産投資で融資利用をする際のメリットやリスク、審査基準について解説しました。不動産投資ローンを組むためには頭金の用意が必要となり、審査基準も厳しくなります。しかし、条件を満たしてリスクヘッジした上で融資利用をすれば、自己資金だけでは到底得られなかった収益を手にすることが可能です。
不動産投資ローンを上手く活用して、堅実に資産形成を行っていきましょう。

ベルテックスでは、不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2023.10.11

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資で融資を受けるには? 審査基準やポイントを知ろう

  • 融資・ローン
  • 審査

「不動産投資をしたいけど、ローンを組むのはちょっと…」と不安な気持ちが勝り、投資物件の購入に踏み出せない人は多いと思います。しかし、不動産投資において金融機関の融資を受けることは、決して悪いことばかりではありません。

本記事で説明するメリットやリスクなどを理解して、融資先の金融機関や内容について吟味しましょう。

不動産投資で融資を受けるメリット

投資の中でも融資を受ける必要がある不動産投資は、興味があっても敬遠されてしまいがちです。まずは、融資を受けることはデメリットばかりではないことをお伝えします。

レバレッジを効かせられる

融資を受けることで最も大きく得られるメリットは、レバレッジ効果でしょう。レバレッジとは「てこの原理」を意味しますが、金融業界では借り入れを利用することにより高い収益性を得られることを指します。つまり、不動産投資において自己資金にプラスして融資利用をすることで、大きなリターンを狙うことができるのです。

例えば自己資金1,000万円で融資を利用せずに物件価格1,000万円の商品を購入するとします。利回りが5%の場合、1,000×0.05=500,000となり50万円の年間利益です。

しかし、3,000万円の融資を受けると自己資金と合算して物件価格4,000万円の商品を購入することができます。同じく利回り5%で年間利益を計算すると、4,000×0.05=200万円です。ただし、200万円には融資による利息分が含まれているので、経費として考慮しなくてはなりません。
金利2%で借り入れをしたと仮定すると、3,000×0.02=600,000となり年間60万円を利息分として支払っていることになります。つまり、200万円から60万円をひいた140万円が年間利益です。

このようにレバレッジを効かせることにより、自己資金だけでは得られなかった利益率を生み出すことが可能になります。(※上記概算は、諸費用などの詳細を考慮せず、単純利回りの計算方法によります。)

早い時期から始められる

次に早期に不動産投資がスタートできるメリットがあります。
不動産は高額なので多くの保有資産がない限り、平均的な年収の会社員が購入価格の全額を給与や貯蓄でまかなうのはとても厳しいでしょう。
ワンルームマンションなど比較的少額な商品であればまだしも、1棟ものなど1億円を超えるような高額商品の購入は、自己資金だけでは到底手が出せません。
しかし、本人次第で融資金額の差異はありますが、金融機関の審査承認さえ得られると20代からでも不動産投資をスタートさせることが可能です。
早くから収益を得られ早期完済もできるため、計画的な資産形成で豊かな未来を実現させてくれるでしょう。

不動産投資で融資を受けるリスク

不動産投資で融資を受けるメリットを理解できても、やはり不安な気持ちの方が大きいのはなかなか変わりません。家族との生活を抱える多くの方は、融資を受けるリスクがあまりに大きいからでしょう。
融資利用をして不動産投資を行う場合は、やはりリスクを考慮した返済計画戦略を立てなくてはいけません。

空室発生リスク

不動産投資をする上で最大の課題が空室発生リスクです。
入居者から支払われる家賃が主な返済源である投資用ローンは、空室の発生により家賃収入が返済額を下回ってしまうことがあります。
アパートなどの1棟経営では、空室が発生しても他室からの家賃でカバーがしやすいのが特徴ですが、1室経営では空室により家賃収入が長期間0になってしまうことも十分にあり得ます。
融資利用は、空室発生で打撃を受けたとしても、給与や貯蓄で補填できる返済額の範囲で行いましょう。

滞納リスク

入居者が付き満室経営ができたとしても、常につきまとうのが滞納リスクです。
近年では家賃滞納が発生しても、家賃保証会社やサブリース契約を利用することで規定の範囲内の家賃を保証してくれることになったので、返済計画は立てやすくなりました。
ただし、滞納額が膨らんでしまうと全額一括での返済は困難になるでしょう。オーナーとしては直ちに退去を促したいところですが、借地借家法や消費者契約法などの観点から滞納が続いても強制的に追い出すことはできません。
強制退去に至るまでは稀な事例ですが、裁判になることもあるので非常に気苦労の多いリスクです。

突発的な支出で返済が困難になる場合も

空室や滞納がなくても、突発的な支出が発生してしまい返済が困難になる場合もあります。
設備故障、定期点検など懸念される支出は多岐に渡るのであらかじめ念頭に入れておかなくてはいけません。特にエアコンや給湯器の交換は、設備故障の中でも10万円を超える高額な支出になります。
建物の維持をするためにはメンテナンスは必須なので、急な支出で返済が困難になってしまわないよう対応できるだけの現金は手元に残しておきましょう。

不動産投資ローンの借り入れ先の特徴と金利

不動産投資ローンと聞くと、銀行からお金を借りることをイメージする人が多いかもしれません。
実は、不動産投資ローンを取り扱う金融機関は銀行以外にもいくつか存在しますので、借り入れ先と特徴をご紹介します。

メガバンク

現在日本でメガバンクの地位を有しているのは「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」の3行です。
全国の様々な市町村に支店を展開しているため、窓口で直接相談できることが特徴でありメリットとも言えます。ただし、他の金融機関と比較すると融資の審査基準が非常に高いことがデメリットです。
人によっては低金利で借り入れが可能なので、公務員や上場企業に長年勤めるなど属性が良く、自己資金や資産が多い人に推奨します。
全国展開していることから、相談件数や承認を得るまでの社内ルートが多く、審査期間が長いことが特徴です。

地方銀行

地方銀行とは、一般社団法人全国地方銀行協会の会員である銀行のことです。
各都道府県に本店を置き、特定の地域に支店を展開して営業活動を行っています。メガバンクよりも審査基準が緩く設定されているのが特徴で、個人事業主などで地方銀行と付き合いがあると融資をしてもらいやすいでしょう。
メガバンクの審査に落ちてしまっても、属性の良い人は低金利で融資をしてもらえる可能性があります。
また、銀行の支店から融資対象物件までの距離が近い場合には、金利の引き下げなどの交渉も行いやすい傾向です。

信用金庫・信用組合

地方銀行の営業エリアが都道府県単位で管轄しているのに対して、信用金庫や信用組合は市町村単位で営業エリアを管轄しています。
地域経済を発展させることが目的である信用金庫・信用組合は、地元の小規模事業者に事業融資などを行っているため、利用実績のある事業者には親身になって相談にのってくれる可能性が高いです。
現在、メガバンクや地方銀行は投資ローンの融資に慎重になりつつあるので、他の個人投資家からも注目されています。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、民間金融機関とは異なる100%政府出資の形態で成り立つ金融機関です。
利益を追求する商業目的ではなく国民の支援を目的に運営しているので、民間金融機関の審査に落ちてしまった人でも審査に通る可能性があります。
日本政策金融公庫では「不動産賃貸業」としての見方をするので、「不動産投資」目的では融資が承認されません。不動産賃貸業を行うにあたり自身で作成した事業計画書を提出して、あくまで事業として借り入れを行います。
固定金利一択なので、低利率で承認を得られると返済計画も立てやすいことがメリットです。

ノンバンク

ノンバンクとは、銀行のようなお金を預かる業務を行わない金融機関のことです。
お金の貸し付けなど与信業務特化型の金融機関で、信販会社や消費者金融などがノンバンクに該当します。
銀行法の適用により独自の審査基準で融資額の上限が決められる銀行に対して、個人を対象に貸し付けを行うノンバンクでは、借主の年収3分の1を超える貸し付けをおこなうことを禁止する貸付業法が適用されることが特徴です。
融資の審査スピードは早いですが、金利設定は高めなので不動産投資での利用は慎重に検討しましょう。

不動産投資ローンの審査基準

不動産投資ローンの審査は、マイホーム購入で利用する住宅ローンよりもずっと審査基準が厳しいことを知っておかなくてはいけません。
借り入れを行う金融機関によって審査基準の違いはありますが、どの金融機関も重要視する「社会的信用」について総合的にお伝えします。

勤務先と勤続年数

まずは、勤務先と勤続年数を重要視されます。
銀行は会社の規模や経営状況を調査し、将来を見据えて安定して働くことができる会社かどうか判断されます。医師や弁護士といった士業でない限り、個人事業主よりも会社員の方が評価は高く得られるでしょう。
過去に1~2回程度の転職をしていてもあまり大きな影響はありませんが、勤続年数が最低でも3年以上であることが望ましいです。

他の借り入れ状況

次は、自宅や車など他の借り入れ状況をみられます。
金融機関の審査では「年収の何パーセントまで」とおおよその借り入れ可能額が設定されているため、他の借り入れがあると、借入可能額はその残債分を差し引いた金額が上限となってしまうことが多いです。金融機関によっては、他の借り入れがあると融資自体が不可能なケースもあります。

金融事故の履歴

聞いたことがある人も多いかと思いますが、当然に金融にまつわる事故履歴も調べられます。
他で借り入れしたローンが滞りなく返済されていることやクレジットカードの滞納履歴、消費者金融からの借り入れ歴などを確認されます。
また、あまり知られていない金融事故の履歴が、携帯電話の端末を分割購入したことによる残債未払いのケースです。離婚や引っ越し・機種変更などによる名義変更、住所変更忘れで料金未納の通知が届いておらず、本人自体も未納であることに気付いていないことも多くあります。

保有資産

そして、預貯金や不動産など保有する資産があると審査にはとても有利です。
様々なリスクにより返済不能に陥ったとしても、保有資産が担保替わりとなってくれるためです。審査では「返済能力」が調べられるため、すぐに現金化できる保有資産はプラス評価されます。
強みとなる保有資産を持っていない方は、プラス評価を得るために頭金を多めに出せるようにしておきましょう。

スムーズに融資を受けるコツ

不動産投資ローンの融資を受けるためのハードルは決して低くありませんが、コツを押さえておけば自分の目線の高さまでハードルを下げることは十分に可能です。

頭金を多く用意する

1つ目は、頭金を多く用意することです。
一般的に不動産投資ローンを組むためには、購入物件価格の10%~20以上にあたる頭金が必要と言われていますが、頭金が多ければ多いほど融資が通りやすくなると言われています。
頭金をより多く用意できる人は、毎月の返済額が少なくなるだけでなく、きちんと資金計画を立てられる堅実な人と評価されるからです。
購入物件価格の20%以上の頭金を用意できると、より審査に通りやすくなるでしょう。

収益性が高い物件を選ぶ

2つ目は、収益性が高い物件を選ぶことです。
金融機関の融資担当者がみる「収益性が高い物件」とは、単に利回りが高いということだけではありません。
人気がある駅から近い立地にあること、需要のあり続ける人気物件で家賃下落が起こりづらいことなど総合的に物件を吟味し、「将来を見据えて返済能力のある物件」であるかどうかが論点となります。
収益性が高い人気物件は競争率が高いので、出会えた時には購入までの即決力が大切でしょう。

不動産会社の提携先から融資を受ける

3つ目は、不動産会社の提携先である金融機関から融資を受けることです。
すでに過去の取引で不動産会社と金融機関の信頼関係が成り立っているため、審査がスムーズに行われます。不動産会社がシリーズとして展開する物件であれば尚更、金融機関は他の顧客で融資した実績からも確認や評価がしやすいでしょう。
また、金利の優遇が受けやすいメリットもあるので、融資先の金融機関を比較検討する際には審査を受けてみることをお勧めします。

ローンで気になる金利については以下の記事でまとめています。ぜひご一読下さい!

まとめ

本記事では、不動産投資で融資利用をする際のメリットやリスク、審査基準について解説しました。不動産投資ローンを組むためには頭金の用意が必要となり、審査基準も厳しくなります。しかし、条件を満たしてリスクヘッジした上で融資利用をすれば、自己資金だけでは到底得られなかった収益を手にすることが可能です。
不動産投資ローンを上手く活用して、堅実に資産形成を行っていきましょう。

ベルテックスでは、不動産投資の専門家による無料オンラインセミナーを開催しています。ご自宅からオンラインでご参加いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。