2024.11.15

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の融資を受けるには?より有利な条件で借入に成功する方法

  • 融資・ローン
  • 審査

不動産投資を始めるにあたって、最初にぶつかる大きな壁が「融資の受け方」です。多くの物件は自己資金だけでは購入が難しく、ほとんどの場合、金融機関からの融資が必要になります。 
良い物件を見つけたときに、チャンスを逃さないためにも、不動産投資に関する融資の基本を押さえておくことが重要です。 

この記事では、不動産投資における融資の審査基準や、金融機関が注目するポイント、さらに有利な条件で融資を受けるためのコツについて詳しく解説します。投資初心者の方でも、不動産投資に積極的な銀行やサービスを理解し、有利な条件での融資を目指せるでしょう。 

不動産投資の融資にみる5つの特性 

不動産投資では、金融機関からの融資を活用することで、手元資金の支出を抑えながら資産形成のスピードを加速させることが可能です。 

収益物件の購入に使われる「投資ローン」は、マイホーム購入に利用する「住宅ローン」とは異なる特徴を持っています。ここでは、投資ローンの主な特徴を見ていきましょう。 

1.審査基準 

一般的に、住宅ローンでは、申込者の年齢や年収、勤務先の規模や勤続年数などが審査の重要なポイントです。一方、投資ローンの審査では「物件が安定した収益を生み出せるか」が重視され、住宅ローンよりも厳しい基準が設けられています。 

融資審査に影響を与える具体的な要素は以下のとおりです。 

  • 借入者の自己資金 

  • 物件価格 

  • 築年数 

  • 担保価値 

  • 地域の需要 

  • 利回り 

  • キャッシュフロー 

特に重要なのは、ローン返済の原資となる家賃収入が安定して見込めるかどうか、そして返済が計画通りに進むかどうかです。これらの点を満たしているかどうかが、融資審査の際に大きな評価ポイントとなります。 

2.審査期間 

不動産投資の融資審査には、一般的に3日から1週間程度です。住宅ローンの審査期間が1~2週間程度であることを考えると、投資ローンの方が審査は早いといえます。 

ただし、投資金融機関や申請時の状況によっては審査期間が変動することもあります。 

3.融資額 

投資ローンは、住宅ローンよりも高額な融資を受けやすいのが特徴です。住宅ローンは主に年収と返済能力に基づいていますが、投資ローンでは家賃収入が返済原資として評価されるため、より高額な融資が可能です。年収の何倍まで融資を受けられるかは、融資を受ける人の年収ごとに、各金融機関が融資額を設定しています。具体的な融資額については不動産会社の担当者に確認しましょう。 

4.ローン金利 

投資ローンの金利は、一般的に住宅ローンよりも高めに設定されています。金融機関にとって、収益物件への融資は住宅への融資よりもリスクが高いとみなされるためです。しかし、自己資金の投入割合や保証料の先払いなどにより、金利が下がるケースもあります。 

5.融資期間 

金融機関は物件の収益性や築年数と、購入者の年齢などを考慮して決定されます。具体的な期間は金融機関によりますが、新築では基本的に、最長で30~45年です。 

中古物件に関しては、金融機関ごとの計算式によって融資年数が決定されます。 

不動産投資の融資に積極的な銀行は減少傾向? 

近年、「不動産投資への融資を行う銀行が減少している」という話を耳にするかもしれません。これは、過去の不正融資問題により、金融機関が不動産投資への融資条件を見直すようになったことが背景にあります。しかし、借入者の属性や物件の評価が適切であれば、融資を受けることは十分可能です。 

もっとも有名な不正融資問題のひとつとして、シェアハウス事業「かぼちゃの馬車」を展開していたスマートデイズが2018年に破産した「かぼちゃの馬車事件」および、そのシェアハウス物件の主な融資先だったスルガ銀行の不正融資問題があります。 

この2018年の事件を契機に、不動産融資に積極的な金融機関が減ったと言われています。その理由を詳しく見ていきましょう。 

かぼちゃの馬車事件の影響 

不動産投資の融資環境が大きく変わる契機となった「かぼちゃの馬車事件」とはどんな事件だったのでしょうか。 

「かぼちゃの馬車」は、株式会社スマートデイズが展開していた女性向けシェアハウスのブランドです。この事業は、サブリース契約を通じてオーナーに毎月の家賃を保証する仕組みを提供していました。家賃保証によって、オーナー側は空室リスクを気にする必要がなく、また、入居者探しや物件管理の手間を省けるという非常に魅力的な内容でした。 

2015年、スマートデイズは「30年間家賃保証」や年8%以上の利回りを謳い、「かぼちゃの馬車」を積極的に販売。しかし、実際には入居率が40%程度と低迷し、サブリース事業は大きな赤字を抱えるようになりました。 

そして2018年1月、スマートデイズはオーナーへの賃料支払いを停止し、5月には破産しました。家賃が支払われないことにより、多くの投資家は深刻な経済的損失をこうむり、オーナーが自己破産に追い込まれるケースも発生しました。 

この事件をきっかけに、金融機関が不動産投資への融資に対して慎重になる流れが強まったと言われています。 

厳しくなったフルローンの融資審査 

「かぼちゃの馬車事件」が社会問題化して以降、不動産投資の融資審査は大幅に厳しくなりました。特にフルローン(自己資金ゼロでの融資)については、物件の価値、事業計画、申込者の収入や財産など、様々な要素が厳しくチェックされるようになりました。 

ベルテックスの提携金融機関においても、14行中2行はフルローンが組めない金融機関です。フルローンを組むか、自己資金をどのような割合にするかはそれぞれのメリット・デメリットを考慮して判断するといいでしょう。 

一棟物件への融資には消極的な金融機関もある 

アパートやマンションなどの一棟物件への融資は、購入価格が高額であり、空室リスクや管理運用の複雑さから、金融機関にとってリスクが高いとされています。そのため、融資に消極的な銀行も多く、融資実行に慎重になるケースが見られます。 

前述の「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」この傾向が示されており、2018年3月期には2.1兆円だった一棟物件への融資実行額が、同年9月期には0.8兆円にまで減少しています。このことから、金融機関が一棟物件への融資に対して慎重になっていることが伺えます。 

累進課税の対象となる税金

【引用】金融庁「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」2019年3月発表
    図表4「 投資用不動産向け融資の残高・実行額の推移」をもとに弊社作成

不動産投資ローンに積極的な銀行やノンバンク 

同じ金融機関でも、不動産投資に対する融資の積極性は異なります。 

当社ベルテックスの強みは、提携している銀行の数が14行以上と多く、借入条件を比較しやすい点です。他では得られない魅力的な条件で融資を受けられる可能性があるため、投資プランに合った最適な融資を選ぶことができます。ぜひお気軽にご相談ください。 

ここでは、不動産投資ローンに積極的な銀行やノンバンクをいくつか紹介します。 

りそな銀行 

「不動産投資ローンの審査が厳しい」といわれる都市銀行の中で、りそな銀行は比較的融資に積極的といわれています。 

りそな銀行の不動産投資ローンの大きな特徴は、個人事業主向け、法人化しているオーナー向けの2種類の商品を用意していることです。 

  • 個人事業主向け:保証会社非保証 
  • 法人向け:資産管理会社タイプ 

上記のうち、個人事業主向けの不動産投資ローンの詳細は以下のとおりです。 

サービス名 

 りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証) 

融資期間 

1年以上30年以内(1年単位) 

融資額の範囲 

100万円以上3億円以内(1万円単位) 

融資可能年齢 

20歳以上70歳未満(最終返済時:80歳未満) 
*団信に加入する場合 

備考 

・連帯保証人は原則不要 
・変動金利型は固定金利選択型に変更可 

【引用】りそな銀行「アパート・マンションローン(個人のお客さま)」2024年11月8日現在

オリックス銀行 

オリックス銀行も、不動産投資ローンに積極的といわれている金融機関の一つです。自社で不動産投資に特化したオウンドメディア「manabu不動産投資」を運営していることからも、この分野を重要視していることがわかります。 

オリックス銀行の不動産投資ローンは区分マンションでも利用されていますが、一棟物件を初めて購入する場合も利用しやすいといわれています。原則として、提携の不動産会社経由でのみ融資の申し込みを受け付けています。  

サービス名 

不動産投資ローン 

融資期間 

1年以上35年以内(1カ月単位) 

融資額の範囲 

2,000万円以上2億円以内(10万単位) 

融資可能年齢 

20歳以上60歳未満(最終返済時:85歳未満) 

備考 

・ローンが使えるエリアは、原則として、首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市 
 
・原則、同一勤務先に3年以上勤務している方(自営業の場合は営業開始後3年以上経過している方) 
・原則、前年度の税込み年収(自営業の方は所得)が500万円以上 

【引用】オリックス銀行「不動産投資ローン」2024年11月1日掲載

スルガ銀行 

スルガ銀行は、不動産投資ローンの融資引き締めを引き起こしたきっかけの一つとして知られていますが、現在では業務改善計画を実施し、新規融資が可能な状況になっています。スルガ銀行の不動産投資ローンは「融資限度額が10億円以内」と、他の金融機関に比べて高めに設定されていることが特徴です。 

一方で、借入利率の範囲が広いため、他の金融機関よりも割高な利率になる可能性がある点には注意が必要です。2023年5月時点での金利は1.5%〜4.1%と報告されています。 

サービス名 

投資用不動産ローン 

融資期間 

35年以内 

融資額の範囲 

10億円以内 

融資可能年齢 

20歳以上70歳未満(最終返済時:85歳未満) 

備考 

・団体信用生命保険付きの場合、最高4億円まで申込み可能 
・居住用物件をはじめ、オフィスや一棟ビルにも使える 

【引用】スルガ銀行「不動産投資ローン」2024年5月31日掲載

イオン住宅ローンサービス 

イオングループ傘下のイオン住宅ローンサービスは、1999年に投資用マンションローンを扱う専門会社として設立されました。現在でも、特に会社員向けの投資用マンション融資に強い金融機関として知られています。 

新規の借入れ申込みは、提携不動産会社経由でのみ受け付けており、借り換えの場合に限り、個人で直接申込みが可能です。 

サービス名 

投資用マンションローン 

融資期間 

非公開 

融資額の範囲 

非公開 

融資可能年齢 

25歳以上55歳以下かつ完済時の年齢が満80歳未満 

備考 

・ローンが使えるエリアは、東京都23区、神奈川県横浜市・川崎市の一部、大阪府大阪市内 
・前年度の給与収入が550万円以上 
・同一勤務先に勤続2年以上 

【引用】イオン住宅サービスローン「よくあるご質問」2024年11月8日現在

セゾンファンデックス

ノンバンク系のセゾンファンデックスが提供する不動産投資ローンは、銀行や地方銀行に比べて融資審査がスピーディな点が特徴です。仮審査は最短即日、本審査も最短3営業日で完了します。 

さらに、他の金融機関では融資が難しい条件の物件にも対応できる場合があります。たとえば、築古物件、狭小物件、借地権付き建物などでも、融資を受けられる可能性があります。 

サービス名 

不動産担保ローン 投資物件購入コース 

融資期間 

最長30年 

融資額の範囲 

100万円〜5億円 

融資可能年齢 

20歳以上70歳以下(最終返済時:85歳未満) 

備考 

・ローンが使える賃貸物件のエリアは、首都圏、近畿圏、愛知県、札幌市、仙台市、岡山市、広島市、福岡市、那覇市周辺 
・日本に永住権のない外国人も融資審査が可能 

【引用】セゾンファンデックス「不動産投資ローン」2024年11月8日現在

三井住友トラストL&F 

ノンバンク系の三井住友L&F(正式名:三井住友トラスト・ローン&ファイナンス)は、不動産投資向けのアパートローンを提供しています。社名に「三井住友」が含まれているため、メガバンクのような高い審査基準をイメージするかもしれませんが、実際には幅広い層が審査対象となっています。 

たとえば、開業したばかりの個人事業主や、勤務年数が短い会社員、契約社員、パート社員なども融資の対象として審査を受けることが可能です。 

サービス名 

アパートローン 

融資期間 

新築物件:6年以上35年以内 
中古物件:6年以上30年以内 

融資額の範囲 

3億円以内 

融資可能年齢 

団体信用生命保険の加入ありの場合、最終完済時81歳未満 

備考 

建ぺい率・容積率・接道などで問題のある既存不適格物件でも融資審査が可能 

【引用】三井住友L&F「アパートローン」2024年10月1日掲載

ソニー銀行 

ソニー銀行では、投資用物件を購入したい人が直接融資を申し込むことはできません。同行と提携している不動産会社を通じてのみ融資申込みが可能です。そのため、公式サイト上に不動産投資ローンの詳細は記載されていません。 

ソニー銀行の不動産投資ローンは、借入利率が低めに設定されており、2024年10月時点では1.65%台からとなっています

不動産投資の融資に積極的な銀行を探すコツ 

不動産投資に積極的な銀行を見つけるには、最新の情報を常に収集することが重要です。金融機関の融資方針は時期や経済状況によって変わるため、定期的に情報をアップデートすることが、効率良く適切な銀行を探すポイントです。ここでは、具体的な情報収集方法を2つ紹介します。 

不動産投資家のコミュニティに参加する 

不動産投資家が集まるコミュニティでは、ノウハウや最新の融資情報が共有されることが多く、融資に積極的な銀行の情報を得るチャンスがあります。コミュニティでは、主宰者を中心に不動産会社やリフォーム業者、金融機関の情報が飛び交い、投資家同士での情報交換も盛んです。

たとえば「最近どの金融機関が融資に前向きか」や「好条件で融資を受けられる支店」など、有益な情報を得られる可能性が高いです。 

ただし、コミュニティの中には、初心者に対して割高な物件を売りつける悪質なグループもあるため、参加する際は慎重に選びましょう。 

提携する金融機関の多い不動産会社に相談する 

不動産投資会社に相談することで、融資に積極的な銀行を紹介してもらえる可能性があります。特に、社歴が長く、取り扱い物件が豊富な不動産投資会社は、複数の金融機関と提携していることが多いため、好条件の融資を受けやすくなります。 

たとえば、区分マンションを購入したい場合、不動産会社に「有利な条件で融資を受けられる銀行を紹介してもらえるか」を相談してみましょう。提携金融機関が多い会社を選べば、有利な借入条件で融資を受けられる可能性が高まります。 

不動産投資の融資承認を得やすくするコツ 

不動産投資の融資承認を得るためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、承認を得やすくするための6つのコツを紹介します。 

評価の高い土地を選ぶ 

金融機関は、物件の収益性だけでなく、立地や土地の価値も重視します。以下のような立地の物件は、高く評価されます。また、借入者が返済できなくなった場合、金融機関は抵当権を実行し、物件を売却して貸付金を回収する必要があります。したがって、担保となる土地の価値を保つことは、金融機関にとって重要な条件です。 

  • 人口が増加する見込みのある地域 

  • 交通の利便性が良好な立地 

  • 商業施設が豊富なエリア 

  • 資産価値が安定している土地 

自己資金を多く入れる 

金融機関は、融資の審査において借入者の自己資金の割合を重要視します。自己資金が多いほど、金融機関にとって借入リスクが低くなるためです。一般的に、土地価格の20%以上の自己資金を用意することが望ましいとされています。これにより、融資審査で有利になる可能性が高まります。 

法定耐用年数が超えていない物件を選ぶ 

金融機関は、物件の法定耐用年数にも注目しています。法定耐用年数とは、建物が使用可能とされる期間を指し、これを超えると資産価値が低く評価されやすくなります。さらに、老朽化が進むと修繕リスクも高まるため、融資を受ける際には法定耐用年数内の物件を選ぶことが重要です。 

信用情報を良好に保つ 

過去にクレジットカードやローンの支払い遅延・滞納があると、融資の承認を得られないことがあります。借入者の信用情報は、融資審査で重要なポイントとなるため、傷がない状態にしておくことが大切です。心当たりがある方は、融資申請前にCICやJICCの開示サービスを利用して、自身の信用情報を確認することをおすすめします。 

属性が高いタイミングで審査を受ける 

融資を受ける際は、借入者の収入や勤務状況が安定しているタイミングで審査を受けることが重要です。たとえば、転職を検討している場合は、現在の長い勤続年数と安定した収入があるうちに審査を受けることで、融資承認を得やすくなります。 

具体的には、以下の要素が「属性」に含まれます: 

  • 年収や収入の安定性 

  • 勤務年数 

  • 職業や勤務先の規模 

  • 資産状況や負債状況 

これらの要素が高いほど、融資審査において「属性が高い」とされ、より良い融資条件を得やすくなります。 

また、このような安定した状態で申込むことで、より有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。 

融資に強い不動産会社を通して申し込む 

融資に強い不動産会社を利用して審査の申込を行うことも、効果的な方法です。こうした会社は、これまでの実績から金融機関の信頼を得ており、借入条件や金利面での優遇を期待できます。また、金融機関が重視する審査基準をよく理解しているため、融資が通りやすくなるポイントを把握しています。 

不動産投資で融資を受ける流れと必要書類 

ここでは、不動産投資で融資を受けるまでの具体的な手順と、必要書類について詳しく解説します。 

融資を受けるまでの流れ 

融資のプロセスは、以下の手順で進められます。 

  1. 金融機関の選定 
    まず、融資を受ける金融機関を選びます。不動産投資の初心者は、不動産会社や知人からの紹介を受けるとスムーズです。金利や融資条件、融資額の上限を比較し、自分の投資計画に合った金融機関を選びましょう。 

  2. 必要書類の準備 
    次に、融資審査に必要な書類を準備します。物件関連の書類は不動産会社が用意することが多いですが、収入証明書や借入状況の資料など、自分での準備が必要な書類もあります。 

  3. 審査の申込 
    書類が揃ったら、融資審査に申し込みます。金融機関が書類を基に審査し、借入額や返済能力を評価します。追加書類が求められる場合もあるので、迅速な対応が求められます。また、審査の過程で面談を求められることもあるため、投資計画や、返済能力に関する質問に答えられるよう準備しておきましょう。 

  4. 審査の開始 
    審査は3日~1週間です。初めて不動産投資を行う場合、審査が慎重に行われるため、通常より時間がかかることがあります。 

  5. 融資承認の通知
    審査結果は「承認」または「否認」として通知されます。承認された場合は、融資額や金利条件を確認します。不動産会社を通じて結果が伝わることもあります。 

  6. 金銭消費貸借契約の締結 
    承認通知後、金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。通常、契約日は自分で選択できますが、あまりに間が空くと融資審査がやり直しになるケースもあります。同時に、抵当権設定契約や団体信用生命保険契約も行います。 

  7. 融資の実行
    契約が完了すると、融資が実行されます。金融機関の支店で決済手続きを行い、売主や不動産会社の口座に資金が振り込まれ、物件の引き渡しが行われます。 

融資を受けるのに必要な書類 

融資を受ける際に必要となる主な書類は以下のとおりです。不動産会社が準備するものと借入者が自分で用意するものの両方があります。

一般的に不動産会社が用意するものには「*」をつけて示しますが、会社により異なる可能性があるため、詳しくは不動産会社の担当者に確認してください。 

必要書類 

備考 

収入証明 

個人の年収や収入源を確認するための書類。会社員の場合は給与明細や源泉徴収票、自営業などの場合は確定申告書を提出します。 

確定申告書 

会社員の場合も、確定申告をしているときは確定申告書が必要です。 

公的書類 

一般的に、以下の4つが必要です。 

課税証明書: 個人の所得や課税状況を証明する書類。 

納税証明書: 所得税や住民税の納税実績を証明する書類。未納がないことを確認するために使われます。 

住民票: 現在の住所や世帯構成を証明する書類。 

印鑑証明: 登録された印鑑が本人のものであることを証明する書類。 

物件概要書* 

物件の場所、間取り、広さ、築年数、価格、設備、法的な条件などが記載された書類。 

販売図面* 

購入者に物件の魅力を伝える広告用資料。(チラシ、DMなど) 

レントロール* 

賃貸物件の部屋の賃料や契約条件などの詳細を一覧表でまとめた、収益性が分かる書類。 

賃貸借契約書* 

対象物件における入居者との賃貸借契約書。売主が所有しているので、不動産会社に問い合わせて取得します。 

賃貸管理契約書* 

投資用物件を賃貸に出す際に、管理会社と交わす契約書。サブリース契約や集金代行契約など、物件の管理・運営方法が記載されています。 

重要事項説明書* 

不動産取引を行う際、契約前に宅地建物取引士が重要な決めごとやリスクを説明する書類。 

売買契約書* 

売主と買主が合意した取引条件を正式に記載した契約書。物件の引渡し条件や代金、手付金、支払い方法などが明記されており、双方の権利と義務を示すものです。 

登記簿謄本 

不動産の所有者や権利関係、物件の詳細が記載された公式な書類。 

公図 

不動産の土地の形状や位置関係を示す地図。登記簿謄本と公図は、法務局で取得できます。 

建築確認済証・検査済証(場合による) 

建築基準を守って建築されたことを証明する書類。紛失などにより保管されていない場合もありますが、あると融資審査で有利に働きます。 

身分証明書 

免許証やマイナンバーカード、住民票など。金融機関から指定されたものを用意します。 

事業計画書 

対象物件の収益性や資金計画、リスク対策や出口戦略などを示した書類。 

支払通帳 

住宅ローンや自動車ローンなどの借入に関して、遅延や滞納がないことを示す支払い状況を証明する通帳。 

ローン返済予定表 

住宅ローンや自動車など、現在の借り入れ状況や返済予定が分かる書類。 

不動産投資ローンにおける融資審査のポイント 

不動産投資ローンは、収益物件を購入するためのローンであり、住宅ローンに比べて融資審査が厳しくなります。投資計画や返済プランの信頼性が求められるため、以下の2つの要素が特に重要視されます。 

  1. 本人の信用情報 
    借入者の信用情報は、審査で非常に重要なポイントです。信用情報には、クレジットカードの利用履歴やローンの支払い状況などが含まれます。滞納や延滞の記録があると、融資審査が通りにくくなる可能性があります。 
    また、信用情報は通常5年間保存されるため、過去の取引履歴が審査に影響することがあります。 

  2.  物件の収益性と立地 
    金融機関は、物件の収益性や立地条件も重視します。具体的には、物件が将来的にどれだけ家賃収入を安定して得られるか、周辺の賃貸需要が高いかといった要素を評価します。特に、立地が良い物件や賃貸需要の高いエリアにある物件は、収益性が高く評価されることが多いため、融資が通りやすくなります。 

さらに、不動産投資ローンの審査では、以下のような個人属性もチェックされます 

家族構成 

同居家族の有無 

居住環境 

持ち家か賃貸かどうか 

勤務先と勤続年数 

職種や会社の規模、雇用形態、勤続年数等。公務員や大企業に勤める場合は信用度が高いと評価されます。 
しかし、中小企業の場合は役職や勤続年数なども審査されます。 
また、パート・アルバイト・フリーランスだと審査基準が厳しくなる可能性があります。 

年収 

重要視される審査基準となり、住宅ローンの審査基準よりも厳しくなります。 

資産状況 

自己資金はもちろん、土地や建物、株など「お金に変えられるもの」も資産ですから、資産があるほど信用度が高くなります。 

他社からの借入情報 

借入先が多い・借入額が多い場合は、融資を受けられないことがあります。 

金融資産 

預貯金、株、債券等 

自分に合った不動産投資ローンを選ぶ 

金融機関は、毎月の返済が可能かどうかを厳しく審査します。融資は長期にわたるため、現在の年収が高くても、将来的な収入の安定性が確保されていない場合、リスクが高いと判断されることがあります。 

そのため、サラリーマンや公務員は、一般的に職業の安定性から融資を受けやすいです。特に、大手企業や誰もが知っている有名企業に勤務している場合、さらに評価が高くなり、融資が通りやすくなります。 
また、医師や弁護士などの専門職も高い評価を受ける職種です。 

一方で、会社員でない方や年収が低い方でも、条件次第で融資が受けられる金融機関もあります。大切なのは、自分の状況に合った金融機関を根気強く探すことです。多くの選択肢を比較し、最適なローンを見つけることが融資承認への第一歩です。 

十分な自己資金を用意する 

年収が低い場合、融資の審査に通りにくい傾向がありますが、十分な自己資金を用意すれば、融資が通る可能性が高まります。一般的には、物件価格の10〜20%程度の自己資金を準備できれば、一棟物件の融資審査が通りやすいとされています。 

たとえば、5,000万円の物件であれば、500〜1,000万円の自己資金が目安となります。しかし、物件の担保価値や本人の属性によって適切な自己資金額は異なります。そのため、具体的にいくら用意すれば必ず安心と言い切れるものではないことも覚えておくことが大切です。 

不動産投資の融資でよくある質問 

最後に、不動産投資の融資に関してよくある質問を紹介します。 

住宅ローンとの併用はできますか? 

投資ローンは住宅ローンと併用することが可能です。しかし、先に住宅ローンを組んでいる場合、返済能力が減少するとみなされ、投資ローンの審査が厳しくなることがあります。借入額の制限や金利の上昇といったリスクが生じることもあるため、しっかりとした返済計画が重要です。 

自己資金0でも融資を受けることは可能ですか? 

自己資金ゼロでも融資は受けられますが、審査は非常に厳しくなります。自己資金がないと、金融機関から「計画性がない」とみなされることが多いため、借り入れできたとしても、融資条件が不利になるケースが一般的です。1万円~10万円程度でも、自己資金を用意することが望ましいです。 

融資の返済期間は何年がおすすめですか? 

返済期間は物件の種類、自己資金、投資戦略によって異なるため、一概に「ベストな年数」はありません。返済期間を決める際は、まず投資目的を明確にし、シミュレーションを行うことが大切です。短期間で返済を終わらせたいのか、長期的に返済して徐々にキャッシュフローを黒字にするのかによって、適切な返済期間が変わります。 

物件の収益性やリスクなど総合的なバランスを考慮し、自分の投資戦略に合った返済期間を設定しましょう。 

融資を受ける際の注意点は? 

融資を受ける際には、以下の点に注意してください。 

  • 無理のない返済計画を立てる 

  • 金利の種類を検討する 

  • 自己資金をできるだけ多く用意する 

  • バランスを考えた返済期間を設定する 

  • 金融機関を比較する 

これらのポイントを押さえることで、融資をスムーズに進めることができます。各ポイントについてしっかり理解するためには以下の関連記事もおすすめです。 

まとめ

本記事では、不動産投資ローンの特性や融資審査を有利に進めるためのコツについて解説しました。金融機関の融資条件は厳しいこともありますが、適切な金融機関を見つけ、戦略的に対応することで良い条件で融資を受ける可能性が広がります。 

もし融資の選択に迷ったら、実績のある不動産投資会社に相談してみることをお勧めします。 

ベルテックスの個別相談では、不動産投資の返済計画のシミュレーションも詳しく行っています。無料で受けられるので、ぜひご参加ください。 

 

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2024.11.15

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の融資を受けるには?より有利な条件で借入に成功する方法

  • 融資・ローン
  • 審査

不動産投資を始めるにあたって、最初にぶつかる大きな壁が「融資の受け方」です。多くの物件は自己資金だけでは購入が難しく、ほとんどの場合、金融機関からの融資が必要になります。 
良い物件を見つけたときに、チャンスを逃さないためにも、不動産投資に関する融資の基本を押さえておくことが重要です。 

この記事では、不動産投資における融資の審査基準や、金融機関が注目するポイント、さらに有利な条件で融資を受けるためのコツについて詳しく解説します。投資初心者の方でも、不動産投資に積極的な銀行やサービスを理解し、有利な条件での融資を目指せるでしょう。 

不動産投資の融資にみる5つの特性 

不動産投資では、金融機関からの融資を活用することで、手元資金の支出を抑えながら資産形成のスピードを加速させることが可能です。 

収益物件の購入に使われる「投資ローン」は、マイホーム購入に利用する「住宅ローン」とは異なる特徴を持っています。ここでは、投資ローンの主な特徴を見ていきましょう。 

1.審査基準 

一般的に、住宅ローンでは、申込者の年齢や年収、勤務先の規模や勤続年数などが審査の重要なポイントです。一方、投資ローンの審査では「物件が安定した収益を生み出せるか」が重視され、住宅ローンよりも厳しい基準が設けられています。 

融資審査に影響を与える具体的な要素は以下のとおりです。 

  • 借入者の自己資金 

  • 物件価格 

  • 築年数 

  • 担保価値 

  • 地域の需要 

  • 利回り 

  • キャッシュフロー 

特に重要なのは、ローン返済の原資となる家賃収入が安定して見込めるかどうか、そして返済が計画通りに進むかどうかです。これらの点を満たしているかどうかが、融資審査の際に大きな評価ポイントとなります。 

2.審査期間 

不動産投資の融資審査には、一般的に3日から1週間程度です。住宅ローンの審査期間が1~2週間程度であることを考えると、投資ローンの方が審査は早いといえます。 

ただし、投資金融機関や申請時の状況によっては審査期間が変動することもあります。 

3.融資額 

投資ローンは、住宅ローンよりも高額な融資を受けやすいのが特徴です。住宅ローンは主に年収と返済能力に基づいていますが、投資ローンでは家賃収入が返済原資として評価されるため、より高額な融資が可能です。年収の何倍まで融資を受けられるかは、融資を受ける人の年収ごとに、各金融機関が融資額を設定しています。具体的な融資額については不動産会社の担当者に確認しましょう。 

4.ローン金利 

投資ローンの金利は、一般的に住宅ローンよりも高めに設定されています。金融機関にとって、収益物件への融資は住宅への融資よりもリスクが高いとみなされるためです。しかし、自己資金の投入割合や保証料の先払いなどにより、金利が下がるケースもあります。 

5.融資期間 

金融機関は物件の収益性や築年数と、購入者の年齢などを考慮して決定されます。具体的な期間は金融機関によりますが、新築では基本的に、最長で30~45年です。 

中古物件に関しては、金融機関ごとの計算式によって融資年数が決定されます。 

不動産投資の融資に積極的な銀行は減少傾向? 

近年、「不動産投資への融資を行う銀行が減少している」という話を耳にするかもしれません。これは、過去の不正融資問題により、金融機関が不動産投資への融資条件を見直すようになったことが背景にあります。しかし、借入者の属性や物件の評価が適切であれば、融資を受けることは十分可能です。 

もっとも有名な不正融資問題のひとつとして、シェアハウス事業「かぼちゃの馬車」を展開していたスマートデイズが2018年に破産した「かぼちゃの馬車事件」および、そのシェアハウス物件の主な融資先だったスルガ銀行の不正融資問題があります。 

この2018年の事件を契機に、不動産融資に積極的な金融機関が減ったと言われています。その理由を詳しく見ていきましょう。 

かぼちゃの馬車事件の影響 

不動産投資の融資環境が大きく変わる契機となった「かぼちゃの馬車事件」とはどんな事件だったのでしょうか。 

「かぼちゃの馬車」は、株式会社スマートデイズが展開していた女性向けシェアハウスのブランドです。この事業は、サブリース契約を通じてオーナーに毎月の家賃を保証する仕組みを提供していました。家賃保証によって、オーナー側は空室リスクを気にする必要がなく、また、入居者探しや物件管理の手間を省けるという非常に魅力的な内容でした。 

2015年、スマートデイズは「30年間家賃保証」や年8%以上の利回りを謳い、「かぼちゃの馬車」を積極的に販売。しかし、実際には入居率が40%程度と低迷し、サブリース事業は大きな赤字を抱えるようになりました。 

そして2018年1月、スマートデイズはオーナーへの賃料支払いを停止し、5月には破産しました。家賃が支払われないことにより、多くの投資家は深刻な経済的損失をこうむり、オーナーが自己破産に追い込まれるケースも発生しました。 

この事件をきっかけに、金融機関が不動産投資への融資に対して慎重になる流れが強まったと言われています。 

厳しくなったフルローンの融資審査 

「かぼちゃの馬車事件」が社会問題化して以降、不動産投資の融資審査は大幅に厳しくなりました。特にフルローン(自己資金ゼロでの融資)については、物件の価値、事業計画、申込者の収入や財産など、様々な要素が厳しくチェックされるようになりました。 

ベルテックスの提携金融機関においても、14行中2行はフルローンが組めない金融機関です。フルローンを組むか、自己資金をどのような割合にするかはそれぞれのメリット・デメリットを考慮して判断するといいでしょう。 

一棟物件への融資には消極的な金融機関もある 

アパートやマンションなどの一棟物件への融資は、購入価格が高額であり、空室リスクや管理運用の複雑さから、金融機関にとってリスクが高いとされています。そのため、融資に消極的な銀行も多く、融資実行に慎重になるケースが見られます。 

前述の「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」この傾向が示されており、2018年3月期には2.1兆円だった一棟物件への融資実行額が、同年9月期には0.8兆円にまで減少しています。このことから、金融機関が一棟物件への融資に対して慎重になっていることが伺えます。 

累進課税の対象となる税金

【引用】金融庁「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」2019年3月発表
    図表4「 投資用不動産向け融資の残高・実行額の推移」をもとに弊社作成

不動産投資ローンに積極的な銀行やノンバンク 

同じ金融機関でも、不動産投資に対する融資の積極性は異なります。 

当社ベルテックスの強みは、提携している銀行の数が14行以上と多く、借入条件を比較しやすい点です。他では得られない魅力的な条件で融資を受けられる可能性があるため、投資プランに合った最適な融資を選ぶことができます。ぜひお気軽にご相談ください。 

ここでは、不動産投資ローンに積極的な銀行やノンバンクをいくつか紹介します。 

りそな銀行 

「不動産投資ローンの審査が厳しい」といわれる都市銀行の中で、りそな銀行は比較的融資に積極的といわれています。 

りそな銀行の不動産投資ローンの大きな特徴は、個人事業主向け、法人化しているオーナー向けの2種類の商品を用意していることです。 

  • 個人事業主向け:保証会社非保証 
  • 法人向け:資産管理会社タイプ 

上記のうち、個人事業主向けの不動産投資ローンの詳細は以下のとおりです。 

サービス名 

 りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証) 

融資期間 

1年以上30年以内(1年単位) 

融資額の範囲 

100万円以上3億円以内(1万円単位) 

融資可能年齢 

20歳以上70歳未満(最終返済時:80歳未満) 
*団信に加入する場合 

備考 

・連帯保証人は原則不要 
・変動金利型は固定金利選択型に変更可 

【引用】りそな銀行「アパート・マンションローン(個人のお客さま)」2024年11月8日現在

オリックス銀行 

オリックス銀行も、不動産投資ローンに積極的といわれている金融機関の一つです。自社で不動産投資に特化したオウンドメディア「manabu不動産投資」を運営していることからも、この分野を重要視していることがわかります。 

オリックス銀行の不動産投資ローンは区分マンションでも利用されていますが、一棟物件を初めて購入する場合も利用しやすいといわれています。原則として、提携の不動産会社経由でのみ融資の申し込みを受け付けています。  

サービス名 

不動産投資ローン 

融資期間 

1年以上35年以内(1カ月単位) 

融資額の範囲 

2,000万円以上2億円以内(10万単位) 

融資可能年齢 

20歳以上60歳未満(最終返済時:85歳未満) 

備考 

・ローンが使えるエリアは、原則として、首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市 
 
・原則、同一勤務先に3年以上勤務している方(自営業の場合は営業開始後3年以上経過している方) 
・原則、前年度の税込み年収(自営業の方は所得)が500万円以上 

【引用】オリックス銀行「不動産投資ローン」2024年11月1日掲載

スルガ銀行 

スルガ銀行は、不動産投資ローンの融資引き締めを引き起こしたきっかけの一つとして知られていますが、現在では業務改善計画を実施し、新規融資が可能な状況になっています。スルガ銀行の不動産投資ローンは「融資限度額が10億円以内」と、他の金融機関に比べて高めに設定されていることが特徴です。 

一方で、借入利率の範囲が広いため、他の金融機関よりも割高な利率になる可能性がある点には注意が必要です。2023年5月時点での金利は1.5%〜4.1%と報告されています。 

サービス名 

投資用不動産ローン 

融資期間 

35年以内 

融資額の範囲 

10億円以内 

融資可能年齢 

20歳以上70歳未満(最終返済時:85歳未満) 

備考 

・団体信用生命保険付きの場合、最高4億円まで申込み可能 
・居住用物件をはじめ、オフィスや一棟ビルにも使える 

【引用】スルガ銀行「不動産投資ローン」2024年5月31日掲載

イオン住宅ローンサービス 

イオングループ傘下のイオン住宅ローンサービスは、1999年に投資用マンションローンを扱う専門会社として設立されました。現在でも、特に会社員向けの投資用マンション融資に強い金融機関として知られています。 

新規の借入れ申込みは、提携不動産会社経由でのみ受け付けており、借り換えの場合に限り、個人で直接申込みが可能です。 

サービス名 

投資用マンションローン 

融資期間 

非公開 

融資額の範囲 

非公開 

融資可能年齢 

25歳以上55歳以下かつ完済時の年齢が満80歳未満 

備考 

・ローンが使えるエリアは、東京都23区、神奈川県横浜市・川崎市の一部、大阪府大阪市内 
・前年度の給与収入が550万円以上 
・同一勤務先に勤続2年以上 

【引用】イオン住宅サービスローン「よくあるご質問」2024年11月8日現在

セゾンファンデックス

ノンバンク系のセゾンファンデックスが提供する不動産投資ローンは、銀行や地方銀行に比べて融資審査がスピーディな点が特徴です。仮審査は最短即日、本審査も最短3営業日で完了します。 

さらに、他の金融機関では融資が難しい条件の物件にも対応できる場合があります。たとえば、築古物件、狭小物件、借地権付き建物などでも、融資を受けられる可能性があります。 

サービス名 

不動産担保ローン 投資物件購入コース 

融資期間 

最長30年 

融資額の範囲 

100万円〜5億円 

融資可能年齢 

20歳以上70歳以下(最終返済時:85歳未満) 

備考 

・ローンが使える賃貸物件のエリアは、首都圏、近畿圏、愛知県、札幌市、仙台市、岡山市、広島市、福岡市、那覇市周辺 
・日本に永住権のない外国人も融資審査が可能 

【引用】セゾンファンデックス「不動産投資ローン」2024年11月8日現在

三井住友トラストL&F 

ノンバンク系の三井住友L&F(正式名:三井住友トラスト・ローン&ファイナンス)は、不動産投資向けのアパートローンを提供しています。社名に「三井住友」が含まれているため、メガバンクのような高い審査基準をイメージするかもしれませんが、実際には幅広い層が審査対象となっています。 

たとえば、開業したばかりの個人事業主や、勤務年数が短い会社員、契約社員、パート社員なども融資の対象として審査を受けることが可能です。 

サービス名 

アパートローン 

融資期間 

新築物件:6年以上35年以内 
中古物件:6年以上30年以内 

融資額の範囲 

3億円以内 

融資可能年齢 

団体信用生命保険の加入ありの場合、最終完済時81歳未満 

備考 

建ぺい率・容積率・接道などで問題のある既存不適格物件でも融資審査が可能 

【引用】三井住友L&F「アパートローン」2024年10月1日掲載

ソニー銀行 

ソニー銀行では、投資用物件を購入したい人が直接融資を申し込むことはできません。同行と提携している不動産会社を通じてのみ融資申込みが可能です。そのため、公式サイト上に不動産投資ローンの詳細は記載されていません。 

ソニー銀行の不動産投資ローンは、借入利率が低めに設定されており、2024年10月時点では1.65%台からとなっています

不動産投資の融資に積極的な銀行を探すコツ 

不動産投資に積極的な銀行を見つけるには、最新の情報を常に収集することが重要です。金融機関の融資方針は時期や経済状況によって変わるため、定期的に情報をアップデートすることが、効率良く適切な銀行を探すポイントです。ここでは、具体的な情報収集方法を2つ紹介します。 

不動産投資家のコミュニティに参加する 

不動産投資家が集まるコミュニティでは、ノウハウや最新の融資情報が共有されることが多く、融資に積極的な銀行の情報を得るチャンスがあります。コミュニティでは、主宰者を中心に不動産会社やリフォーム業者、金融機関の情報が飛び交い、投資家同士での情報交換も盛んです。

たとえば「最近どの金融機関が融資に前向きか」や「好条件で融資を受けられる支店」など、有益な情報を得られる可能性が高いです。 

ただし、コミュニティの中には、初心者に対して割高な物件を売りつける悪質なグループもあるため、参加する際は慎重に選びましょう。 

提携する金融機関の多い不動産会社に相談する 

不動産投資会社に相談することで、融資に積極的な銀行を紹介してもらえる可能性があります。特に、社歴が長く、取り扱い物件が豊富な不動産投資会社は、複数の金融機関と提携していることが多いため、好条件の融資を受けやすくなります。 

たとえば、区分マンションを購入したい場合、不動産会社に「有利な条件で融資を受けられる銀行を紹介してもらえるか」を相談してみましょう。提携金融機関が多い会社を選べば、有利な借入条件で融資を受けられる可能性が高まります。 

不動産投資の融資承認を得やすくするコツ 

不動産投資の融資承認を得るためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、承認を得やすくするための6つのコツを紹介します。 

評価の高い土地を選ぶ 

金融機関は、物件の収益性だけでなく、立地や土地の価値も重視します。以下のような立地の物件は、高く評価されます。また、借入者が返済できなくなった場合、金融機関は抵当権を実行し、物件を売却して貸付金を回収する必要があります。したがって、担保となる土地の価値を保つことは、金融機関にとって重要な条件です。 

  • 人口が増加する見込みのある地域 

  • 交通の利便性が良好な立地 

  • 商業施設が豊富なエリア 

  • 資産価値が安定している土地 

自己資金を多く入れる 

金融機関は、融資の審査において借入者の自己資金の割合を重要視します。自己資金が多いほど、金融機関にとって借入リスクが低くなるためです。一般的に、土地価格の20%以上の自己資金を用意することが望ましいとされています。これにより、融資審査で有利になる可能性が高まります。 

法定耐用年数が超えていない物件を選ぶ 

金融機関は、物件の法定耐用年数にも注目しています。法定耐用年数とは、建物が使用可能とされる期間を指し、これを超えると資産価値が低く評価されやすくなります。さらに、老朽化が進むと修繕リスクも高まるため、融資を受ける際には法定耐用年数内の物件を選ぶことが重要です。 

信用情報を良好に保つ 

過去にクレジットカードやローンの支払い遅延・滞納があると、融資の承認を得られないことがあります。借入者の信用情報は、融資審査で重要なポイントとなるため、傷がない状態にしておくことが大切です。心当たりがある方は、融資申請前にCICやJICCの開示サービスを利用して、自身の信用情報を確認することをおすすめします。 

属性が高いタイミングで審査を受ける 

融資を受ける際は、借入者の収入や勤務状況が安定しているタイミングで審査を受けることが重要です。たとえば、転職を検討している場合は、現在の長い勤続年数と安定した収入があるうちに審査を受けることで、融資承認を得やすくなります。 

具体的には、以下の要素が「属性」に含まれます: 

  • 年収や収入の安定性 

  • 勤務年数 

  • 職業や勤務先の規模 

  • 資産状況や負債状況 

これらの要素が高いほど、融資審査において「属性が高い」とされ、より良い融資条件を得やすくなります。 

また、このような安定した状態で申込むことで、より有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。 

融資に強い不動産会社を通して申し込む 

融資に強い不動産会社を利用して審査の申込を行うことも、効果的な方法です。こうした会社は、これまでの実績から金融機関の信頼を得ており、借入条件や金利面での優遇を期待できます。また、金融機関が重視する審査基準をよく理解しているため、融資が通りやすくなるポイントを把握しています。 

不動産投資で融資を受ける流れと必要書類 

ここでは、不動産投資で融資を受けるまでの具体的な手順と、必要書類について詳しく解説します。 

融資を受けるまでの流れ 

融資のプロセスは、以下の手順で進められます。 

  1. 金融機関の選定 
    まず、融資を受ける金融機関を選びます。不動産投資の初心者は、不動産会社や知人からの紹介を受けるとスムーズです。金利や融資条件、融資額の上限を比較し、自分の投資計画に合った金融機関を選びましょう。 

  2. 必要書類の準備 
    次に、融資審査に必要な書類を準備します。物件関連の書類は不動産会社が用意することが多いですが、収入証明書や借入状況の資料など、自分での準備が必要な書類もあります。 

  3. 審査の申込 
    書類が揃ったら、融資審査に申し込みます。金融機関が書類を基に審査し、借入額や返済能力を評価します。追加書類が求められる場合もあるので、迅速な対応が求められます。また、審査の過程で面談を求められることもあるため、投資計画や、返済能力に関する質問に答えられるよう準備しておきましょう。 

  4. 審査の開始 
    審査は3日~1週間です。初めて不動産投資を行う場合、審査が慎重に行われるため、通常より時間がかかることがあります。 

  5. 融資承認の通知
    審査結果は「承認」または「否認」として通知されます。承認された場合は、融資額や金利条件を確認します。不動産会社を通じて結果が伝わることもあります。 

  6. 金銭消費貸借契約の締結 
    承認通知後、金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。通常、契約日は自分で選択できますが、あまりに間が空くと融資審査がやり直しになるケースもあります。同時に、抵当権設定契約や団体信用生命保険契約も行います。 

  7. 融資の実行
    契約が完了すると、融資が実行されます。金融機関の支店で決済手続きを行い、売主や不動産会社の口座に資金が振り込まれ、物件の引き渡しが行われます。 

融資を受けるのに必要な書類 

融資を受ける際に必要となる主な書類は以下のとおりです。不動産会社が準備するものと借入者が自分で用意するものの両方があります。

一般的に不動産会社が用意するものには「*」をつけて示しますが、会社により異なる可能性があるため、詳しくは不動産会社の担当者に確認してください。 

必要書類 

備考 

収入証明 

個人の年収や収入源を確認するための書類。会社員の場合は給与明細や源泉徴収票、自営業などの場合は確定申告書を提出します。 

確定申告書 

会社員の場合も、確定申告をしているときは確定申告書が必要です。 

公的書類 

一般的に、以下の4つが必要です。 

課税証明書: 個人の所得や課税状況を証明する書類。 

納税証明書: 所得税や住民税の納税実績を証明する書類。未納がないことを確認するために使われます。 

住民票: 現在の住所や世帯構成を証明する書類。 

印鑑証明: 登録された印鑑が本人のものであることを証明する書類。 

物件概要書* 

物件の場所、間取り、広さ、築年数、価格、設備、法的な条件などが記載された書類。 

販売図面* 

購入者に物件の魅力を伝える広告用資料。(チラシ、DMなど) 

レントロール* 

賃貸物件の部屋の賃料や契約条件などの詳細を一覧表でまとめた、収益性が分かる書類。 

賃貸借契約書* 

対象物件における入居者との賃貸借契約書。売主が所有しているので、不動産会社に問い合わせて取得します。 

賃貸管理契約書* 

投資用物件を賃貸に出す際に、管理会社と交わす契約書。サブリース契約や集金代行契約など、物件の管理・運営方法が記載されています。 

重要事項説明書* 

不動産取引を行う際、契約前に宅地建物取引士が重要な決めごとやリスクを説明する書類。 

売買契約書* 

売主と買主が合意した取引条件を正式に記載した契約書。物件の引渡し条件や代金、手付金、支払い方法などが明記されており、双方の権利と義務を示すものです。 

登記簿謄本 

不動産の所有者や権利関係、物件の詳細が記載された公式な書類。 

公図 

不動産の土地の形状や位置関係を示す地図。登記簿謄本と公図は、法務局で取得できます。 

建築確認済証・検査済証(場合による) 

建築基準を守って建築されたことを証明する書類。紛失などにより保管されていない場合もありますが、あると融資審査で有利に働きます。 

身分証明書 

免許証やマイナンバーカード、住民票など。金融機関から指定されたものを用意します。 

事業計画書 

対象物件の収益性や資金計画、リスク対策や出口戦略などを示した書類。 

支払通帳 

住宅ローンや自動車ローンなどの借入に関して、遅延や滞納がないことを示す支払い状況を証明する通帳。 

ローン返済予定表 

住宅ローンや自動車など、現在の借り入れ状況や返済予定が分かる書類。 

不動産投資ローンにおける融資審査のポイント 

不動産投資ローンは、収益物件を購入するためのローンであり、住宅ローンに比べて融資審査が厳しくなります。投資計画や返済プランの信頼性が求められるため、以下の2つの要素が特に重要視されます。 

  1. 本人の信用情報 
    借入者の信用情報は、審査で非常に重要なポイントです。信用情報には、クレジットカードの利用履歴やローンの支払い状況などが含まれます。滞納や延滞の記録があると、融資審査が通りにくくなる可能性があります。 
    また、信用情報は通常5年間保存されるため、過去の取引履歴が審査に影響することがあります。 

  2.  物件の収益性と立地 
    金融機関は、物件の収益性や立地条件も重視します。具体的には、物件が将来的にどれだけ家賃収入を安定して得られるか、周辺の賃貸需要が高いかといった要素を評価します。特に、立地が良い物件や賃貸需要の高いエリアにある物件は、収益性が高く評価されることが多いため、融資が通りやすくなります。 

さらに、不動産投資ローンの審査では、以下のような個人属性もチェックされます 

家族構成 

同居家族の有無 

居住環境 

持ち家か賃貸かどうか 

勤務先と勤続年数 

職種や会社の規模、雇用形態、勤続年数等。公務員や大企業に勤める場合は信用度が高いと評価されます。 
しかし、中小企業の場合は役職や勤続年数なども審査されます。 
また、パート・アルバイト・フリーランスだと審査基準が厳しくなる可能性があります。 

年収 

重要視される審査基準となり、住宅ローンの審査基準よりも厳しくなります。 

資産状況 

自己資金はもちろん、土地や建物、株など「お金に変えられるもの」も資産ですから、資産があるほど信用度が高くなります。 

他社からの借入情報 

借入先が多い・借入額が多い場合は、融資を受けられないことがあります。 

金融資産 

預貯金、株、債券等 

自分に合った不動産投資ローンを選ぶ 

金融機関は、毎月の返済が可能かどうかを厳しく審査します。融資は長期にわたるため、現在の年収が高くても、将来的な収入の安定性が確保されていない場合、リスクが高いと判断されることがあります。 

そのため、サラリーマンや公務員は、一般的に職業の安定性から融資を受けやすいです。特に、大手企業や誰もが知っている有名企業に勤務している場合、さらに評価が高くなり、融資が通りやすくなります。 
また、医師や弁護士などの専門職も高い評価を受ける職種です。 

一方で、会社員でない方や年収が低い方でも、条件次第で融資が受けられる金融機関もあります。大切なのは、自分の状況に合った金融機関を根気強く探すことです。多くの選択肢を比較し、最適なローンを見つけることが融資承認への第一歩です。 

十分な自己資金を用意する 

年収が低い場合、融資の審査に通りにくい傾向がありますが、十分な自己資金を用意すれば、融資が通る可能性が高まります。一般的には、物件価格の10〜20%程度の自己資金を準備できれば、一棟物件の融資審査が通りやすいとされています。 

たとえば、5,000万円の物件であれば、500〜1,000万円の自己資金が目安となります。しかし、物件の担保価値や本人の属性によって適切な自己資金額は異なります。そのため、具体的にいくら用意すれば必ず安心と言い切れるものではないことも覚えておくことが大切です。 

不動産投資の融資でよくある質問 

最後に、不動産投資の融資に関してよくある質問を紹介します。 

住宅ローンとの併用はできますか? 

投資ローンは住宅ローンと併用することが可能です。しかし、先に住宅ローンを組んでいる場合、返済能力が減少するとみなされ、投資ローンの審査が厳しくなることがあります。借入額の制限や金利の上昇といったリスクが生じることもあるため、しっかりとした返済計画が重要です。 

自己資金0でも融資を受けることは可能ですか? 

自己資金ゼロでも融資は受けられますが、審査は非常に厳しくなります。自己資金がないと、金融機関から「計画性がない」とみなされることが多いため、借り入れできたとしても、融資条件が不利になるケースが一般的です。1万円~10万円程度でも、自己資金を用意することが望ましいです。 

融資の返済期間は何年がおすすめですか? 

返済期間は物件の種類、自己資金、投資戦略によって異なるため、一概に「ベストな年数」はありません。返済期間を決める際は、まず投資目的を明確にし、シミュレーションを行うことが大切です。短期間で返済を終わらせたいのか、長期的に返済して徐々にキャッシュフローを黒字にするのかによって、適切な返済期間が変わります。 

物件の収益性やリスクなど総合的なバランスを考慮し、自分の投資戦略に合った返済期間を設定しましょう。 

融資を受ける際の注意点は? 

融資を受ける際には、以下の点に注意してください。 

  • 無理のない返済計画を立てる 

  • 金利の種類を検討する 

  • 自己資金をできるだけ多く用意する 

  • バランスを考えた返済期間を設定する 

  • 金融機関を比較する 

これらのポイントを押さえることで、融資をスムーズに進めることができます。各ポイントについてしっかり理解するためには以下の関連記事もおすすめです。 

まとめ

本記事では、不動産投資ローンの特性や融資審査を有利に進めるためのコツについて解説しました。金融機関の融資条件は厳しいこともありますが、適切な金融機関を見つけ、戦略的に対応することで良い条件で融資を受ける可能性が広がります。 

もし融資の選択に迷ったら、実績のある不動産投資会社に相談してみることをお勧めします。 

ベルテックスの個別相談では、不動産投資の返済計画のシミュレーションも詳しく行っています。無料で受けられるので、ぜひご参加ください。 

 

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。