2025.02.25

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の元手はいくら必要?少額でも始められる?初心者向け不動産投資法も紹介

  • はじめ方・基礎知識

不動産投資に興味はあるけれど、初期費用がどれだけ必要かイメージがわかず、始めるきっかけがつかめないという方は意外と多いものです。 

この記事では、不動産投資にかかる元手には何があるのか、少額でも始める方法はあるのか、さらに初心者におすすめできる不動産投資の方法についても解説します。 

不動産投資の元手についてしっかりと理解し、理想の人生設計にあう投資スタイルを実現しましょう。 

不動産投資の元手は収益物件価格の2~3割、その内訳は? 

一般的に、不動産投資に必要な元手は収益物件価格の2~3割が目安とされています。その内訳は、次のとおりです。 

手付金:購入価格の5~10%程度 

頭金:購入価格の10~25%程度 

諸費用:不動産所得税、登録免許税、司法書士報酬、仲介手数料など 

内訳をみると、その多くがマイホームの購入にかかる費用と似ていることがわかります。ただし、あくまで投資用物件となるため、購入にあたっては、居住用物件に適用される税制優遇制度の対象外となることは頭に入れておきましょう。 

手付金 

手付金とは、不動産の売買契約において、買主側が契約成立の証拠として支払うお金です。仮になんらかの事情で契約破棄となった場合は、没収などの対象となります。また、手付解除ができるのは、相手方が履行に着手するまでの間で、着手後はいかなる事情があっても契約を破棄はできません。 

  • 買主側からの契約破棄:手付金を没収 
  • 売主側からの契約破棄:手付金の倍額が売主から買主に支払われる 

手付金は一般的に購入する不動産代金の5〜10%程度が目安と言われています。また、仲介不動産会社などの宅建取引業者から物件を購入する場合、売買代金の20%が手付金の上限と、宅地建物取引業法で定められています。 

手付金を支払うタイミングは、ローンの仮審査に通ったタイミングです。ただ、あくまで仮審査なので、本審査で否決される可能性もあります。手付金を支払った後にローンの審査に落ちて物件購入を断念する場合でも、手付金は没収されてしまいます。それを防ぐため、ローンの審査に落ちて契約を破棄する場合は手付金を返還する旨の「ローン特約」を、不動産売買契約書に記載することを忘れないようにしましょう。無事に売買が完了した暁には、手付金が購入代金に充当されます。 

また、手付金の支払いにはローンは使えず、自己資金で支払わなければいけません。元手として資金の準備をしておきましょう。 

頭金 

頭金とは、契約時に物件購入金額に充当するお金です。「不動産価格」から「不動産投資ローンの借入額」を引いた金額が、頭金となります。銀行からの融資金額が、不動産購入金額に届かない場合は、足りない分を頭金で補う必要があります。また、ローンの金利支払い負担を減らす目的で頭金を入れるなど、人によって頭金の金額は変わります。 

頭金の相場は、購入価格の10~25%程度が目安です。ただし、特に法的な決まりがあるわけではないため、頭金がゼロでも、または価格の50%を支払ったとしても、売主と買主双方が納得していれば問題ありません。 

頭金を多く支払えると、ローン返済の金利が下がり、返済期間も短くなるため、その後の返済も楽になるでしょう。しかし、メリットばかりではなく、頭金に充てる分、手元の現金が減るため、生活費やさらなる投資に回すお金が目減りするデメリットもあります。 

また、頭金をまったく支払わない「フルローン」という選択肢も最近は増えてきました。詳細は後述しますが、自分の人生設計や投資のスタイルにあわせて、最適な頭金の金額を決めたいところです。 

なお、頭金は契約締結時に「現金」で支払う必要があります。そのため、不動産投資の元手の中では最も大きな費用になるでしょう。 

諸費用 

不動産取得税 

不動産取得税は、不動産を購入した際に土地や建物に課される税金です。課税対象となるのは不動産の購入金額ではなく、固定資産税課税台帳に登録された「不動産評価額」(物件購入金額の50〜70%)になります。 

現行の税率は原則4%ですが、土地と住宅部分には軽減税率(2027年3月31日まで)が適用され「3%」になります。加えて、土地については不動産評価額の「2分の1」が課税対象に。一方、住宅以外の建物や、建物の非住宅部分(マンションの共用部など)は4%のままとなります。 

  • 住宅:不動産評価額×3% 

  • 住宅以外の建物:不動産評価額×4% 

  • 土地:不動産評価額×1/2×3% 

また、購入した不動産がある自治体によっては、中古住宅の特例による控除がある場合もあり、その場合はさらに不動産所得税が減額されます。購入した収益物件が新築なのか中古なのか、面積の上限下限など控除を受けるにあたっての条件があるため、詳しくは自治体のホームページや不動産会社に確認しましょう。 

不動産取得税は、不動産取得日の半年〜1年後に自治体から請求書が届き、現金で支払う必要があります。 

【参考】総務省「不動産取得税」2025年1月22日現在 

登録免許税 

登録免許税は、購入した物件を法務局の登記簿に記録する際に必要な税金です。登録免許税を支払い、不動産登記をすることで、対外的に所有権を主張できるようになります。 

登記の種類によって税率は異なり、たとえば、土地の所有権移転登記(売買、贈与、交換など):2%、建物の所有権保存登記(新築住宅の取得・建築):0.4%、建物の所有権移転登記(売買、贈与、交換など):2%、となります。 

登録免許税も現在は軽減措置が取られており、土地の売買による所有権移転登記などは《2026年3月31日まで》、住宅用家屋の所有権保存登記などは《2027年3月31日まで》、以下のように税率が下がります。 

登記の種類 

本則 

軽減税率 

土地の所有権移転登記 

2% 

1.5% 

建物の所有権保存登記 

0.4% 

0.15% 

建物の所有権移転登記 

2% 

0.3% 

【引用】国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」2024年4月発行 

ただし、住宅用家屋の軽減措置は、自己居住用(マイホーム)が対象です。投資用のアパート・マンションなどの収益物件は対象外となるため、軽減措置は受けられません。ただし、賃貸併用住宅の場合は、自らが住む住宅部分の面積が家屋の90%以上にあたる場合は適用となります。 

なお、軽減措置を受けるには、所在の市区町村で住宅用家屋証明書の交付を受け、登記の申請書と一緒に法務局に提出する必要があります。登記後に証明書を提出しても軽減措置を受けられません。 

支払い時期は登記のタイミングで、窓口で現金支払いをする以外にも、オンライン登記ならクレジットカードやインターネットバンキングの使用も可能です。 

司法書士報酬 

司法書士が取引の立ち会いや不動産登記を行う際に発生するのが司法書士報酬です。立ち会いの場合は2万円程度、不動産登記を依頼する場合は3万円から10万円が相場となります。司法書士事務所によっては現金以外にもキャッシュレス決済が可能な場合があります。 

印紙税 

不動産売買契約書や領収書などに貼る印紙の代金が印紙税です。該当の書類に記載された金額によって、支払うべき印紙税は200円から60万円まで幅があります。印紙税は国が租税や手数料を徴収するために発生し、印紙は支払った証明となります。コンビニなどで印紙を購入時に印紙代を支払います。 

不動産仲介手数料 

不動産仲介業者に対して売買金額の3〜5%程度を支払うのが不動産仲介手数料です。いわば売買や賃貸の取引が成約した場合の成功報酬としての位置付けですが、不動産売買の成約価格(税抜)によって、以下のとおり上限額が決まっています。 

不動産の売買金額が、 

  • 400万円以上なら:成約価格×3%+6万円 
  • 200万円以上~400万円未満なら:成約価格×4%+2万円 
  • 200万円以下なら:成約価格×5% 

※上記で算出した金額に消費税もかかります。 

例)成約価格5000万円×3%+6万円+消費税=171万6,000円が上限 

【引用】国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」2025年1月22日現在 

上記の額はあくまで上限のため、不動産会社と交渉し、金額を下げることも可能です。 

なお、不動産会社によっては不動産仲介手数料を支払いに際して、クレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応しています。事前に確認しておけるといいでしょう。 

不動産投資ローンの事務手数料 

不動産投資ローンの審査が通り融資が決まると、事務手数料がかかります。総借入額の1〜3%が事務手数料の目安です。金融会社によってはクレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応しており、融資実行日に一括で支払う必要があります。 

ローン保証料 

ローン保証料とは、万が一買主がローン残債を支払えなくなった際に、代わりに支払う保証会社と保証契約するためのお金です。買主が払えなくなると代わりに保証会社がローン残債を支払い、買主はその後保証会社に返済を続けることになります。 

ローン保証料の目安は、借入金額の2%程度までが一般的です。身内で連帯保証人を用意でき、保証会社を使わないのであればローン保証料は発生しませんが、実際にはほとんどの方が保証会社を利用するはずです。 

支払い方法としては借入時に一括で支払う「一括前払い型」、金利に年0.2%程度を上乗せして支払う「金利上乗せ型」などがあります。支払い方法は、現金や銀行口座からの引き落としのみです。 

団体信用生命保険料 

団体信用生命保険料とは、契約者である買主が万が一ローン残債を残して死亡した場合に、家族に残債の支払い義務を生じさせないための保険料です。基本的にはローン金利に団体信用生命保険料は含まれていますが、何かしらの特約をつけている場合にはプラスアルファの支払いが生じる場合があります。 

通常は死亡や所定の高度障害状態に適用される団体信用生命保険料ですが、三大疾病(癌、心疾患、脳血管疾患)やすべての病気怪我による就業不能の際にも適用される特約もあります。特約をつける場合は金利が「年0.3〜0.6%」程度上乗せされます。 

火災保険料(地震保険料) 

火災保険とは万が一住宅が火災被害等にあった場合に損害を補償する保険です。カバーする範囲は広く、火災以外にも落雷、爆発、風災、雪災、水災、盗難、集団暴力破壊、建物外部からの物体の落下などに補償が適用されます。さらに、火災保険に付帯するオプションとして、地震保険があります。地震保険は単独では加入できません。 

新築一戸建ての物件で火災保険料のみを5年分一括で支払う場合は10〜20万円程度、地震保険にも同時加入する場合は30〜50万円程度かかります。損保ジャパンの火災保険ベーシックⅠ型に加入した場合、火災保険のみだと5年152,000円です。地震保険をつけると1年あたり69,300円プラスされ、5年合計で499,200円となります。 

また、マンションやアパートを一棟購入する場合、たとえば2階建ての木造アパートだと火災保険料のみを5年分一括で支払う場合は20万円程度、地震保険をつけると60万円程度かかります。 

マンションやアパートの一室購入の場合は、火災保険料のみを5年分一括で支払う場合は1〜3万円程度、地震保険にも同時加入する場合は9〜12万円程度かかります。損保ジャパンの火災保険ベーシックⅠ型に加入した場合、火災保険のみだと5年28,050円です。地震保険をつけると1年あたり17,470円プラスされ、5年合計で115,400円となります。 

【参考】損保ジャパン「個人用総合火災保険 保険料シミュレーター」2025年1月22日現在 

そのほか管理費・修繕積立金など 

物件の維持管理のために毎月入居者から徴収し積み立てておくのが管理費や修繕積立金です。月々合計2〜3万円程度積立を行います。 

管理費は日頃の清掃や共用部の水道光熱費、管理人の人件費などに充てられます。 

修繕積立金は中規模・大規模の修繕が発生した際に、工事を滞りなく発注できるようにするためのものです。 

以上が不動産投資を始める際に元手として手元に持っておきたい金額の項目です。現金で支払わなければいけないもの、クレジットカードが使えるもの、購入後のローンの支払いと合算できるものなどをしっかり把握し、無理のない支払い計画を立てましょう。 

頭金を多く用意することのメリット・デメリット 

頭金を多く用意することで、審査上のメリットがあったり、返済が楽になったりと、いくつかのメリットがあります。一方、投資視点でのデメリットもあるため、何を目的に投資をするかで頭金の額を判断すべきでしょう。 

メリット 

頭金を多くすればローンの融資総額が少なくなるため、審査において有利になります。また、融資総額が少なくなれば、返済期間を短く設定できる場合もあります。返済期間が短ければ、長期的には金利の負担が軽減され、最終的な返済総額が少なくなります。仮に返済期間中、大きな金利の変動があったとしても、融資の借入総額が少なければ、金利上昇による支払額の大幅な増加などの悪影響を受けにくいです。 

このように頭金を多くすると融資や支払い面においてメリットがあります。購入後に出ていくお金が少ないため、収支の予測がしやすくなり、物件からの収入を活用しやすいです。物件の維持管理や設備投資、さらに別の投資に物件収入を回すことができます。 

デメリット 

頭金を増やせば増やすほど、手元の現金が減ります。現金は子どもがいる場合は教育費用、投資や事業をおこなっている場合は、リスクヘッジのための重要な資産です。現金が減ることで、これらの活動が不安定になるリスクが生じる可能性があります。 

また、無理に不動産購入費用の大部分を頭金でまかなおうとして、自己資金で買える範囲の物件を購入すると、投資のリターンを感じにくくなる可能性があります。安い物件は賃貸需要が低い傾向があり、賃貸需要が低ければ、家賃が下がるからです。 

また、投資においては借入を行うことで自分の資金力以上の投資を行い、大きなリターンを狙うレバレッジ効果を狙うケースがありますが、頭金を多めに入れると他人資本の割合が減るため、レバレッジ効果は薄くなります。 

フルローンのメリット・デメリット 

フルローンとは頭金を用意しないで物件の購入費用を全額ローンでまかなうことです。投資のレバレッジ効果をフルで得られるなどのメリットがある一方、主に支払いや信用面でのデメリットが生じます。 

メリット 

フルローンのメリットとしてまず大きいのが、高いレバレッジ効果を得られる点です。不動産購入費用をすべて融資に頼ることで、自己資本を減らすことなく投資のリターンを享受できます。また、手元に自己資本が残ることで、他の投資にも回せますし、将来的な教育費用や生活費を確保することができます。 

また、フルローンを組んで団体信用生命保険(団信)に加入した場合、頭金ありのローンを組んで団信に加入した場合と比べて、万が一の際の金銭的メリットが大きくなります。 

団信は、契約者の死亡などでローンの支払いが不可能になった場合に、ローンの残債の支払いが免除される制度です。ローン残債が多いほど免除される金額が大きくなるため、フルローンであればより多くの債務が保障対象となります。 

また、実際にあった家賃収入から手数料や金利などの経費を差し引くことで、帳簿上の赤字にできる場合があります。特に借入金額の多いフルローンは金利の支払いも多いため、経費に計上できる金額が多くなります。これによって、所得税、住民税の支払額が下がり節税対策になるのです。 

デメリット 

フルローンのデメリットで大きいのは、返済額が大きくなることです。家賃収入や本業の収入が安定していれば問題ないですが、収入が減ると返済額が大きい分、キャッシュフローが悪化しやすく、返済に苦労する可能性があります。 

また、長期のフルローンでは、購入時に予測した以上の金利上昇が起こった場合、当初の計算よりも返済額が増えてしまうこともあります。 

フルローンは借入額が大きくなるので、ローンの審査や融資の条件は、頭金がある場合よりも厳しくなります。たとえば、より高い金利が設定されることが考えられます。 

さらに、将来的に借り換えや追加融資が必要になった場合にも、そもそもの融資額が大きいため、審査に落ちる可能性が、頭金がある場合と比べて高くなります。収益物件売却時にもローン残債が大きいと売却しづらいです。 

小額から始められる不動産投資とは? 

高額なイメージのある不動産投資ですが少額から始められる投資もあります。まずはリスクが少ないところから始めてみるのが、初心者にはおすすめです。 

ワンルームマンション投資

 ワンルームマンション投資とは、マンションの一部屋だけ購入しそれを賃貸物件として運用する投資です。23区内の場合、1DK・1LDK・2Kなどの50平米以下の収益物件であれば新築で3,000~8,500万円、中古で600~9,000万円が購入費用の目安となります。 

メリットとしては、不動産投資としては比較的安価に挑戦できること。また、都市部の駅近ワンルームマンションであれば資産価値も下がりにくく、売却益も期待できるでしょう。 

デメリットとしては、ワンルームなので大きなリターンは期待できないことです。また、一室だけを購入する場合、空室期間が続くと無収入のままローンの支払いをしなければならないのもリスクです。そのため、ローリスク・ローリターン志向で、立地や内容などから空室リスクの少ない収益物件を見極められる方に向いています。 

築古物件投資 

築古物件とは新築から30年以上が経過した物件を指すことが多く、築古物件投資ではそれを購入して賃貸物件として運用します。築30年以上の物件は新築価格の1/3〜1/4程度で購入できることが多く、数百万円程度で買える物件も珍しくありません。 

メリットは、やはり非常に安い元手で不動産投資が始められること。特に築30年以上の物件は減価償却期間が4年と短いため1年あたりの減価償却費が高くなり、最初の4年間は経費計上できる金額が大きく節税効果が大きくなります。また、投資金額が少ないため、安定した入居状況さえ継続できれば利益を出しやすいのも魅力です。 

デメリットは、ローンの審査が通りにくく、通っても融資の条件が悪くなりやすい点です。築古物件は物件としての価値が低いため、担保にならないというのが理由です。また、購入後に設備の入れ替え、大規模修繕などをしないと入居者を集められない状態の物件も多いため、費用や手間がかかることも多いです。 

地方物件投資 

地方物件投資のメリットは、まず資金面にあります。同じ条件の物件であれば、地方の物件は首都圏の物件に比べて購入の元手を抑えられます。そのため利回りが高くなる傾向があり、首都圏と比べて競合する物件が少ないため、物件選びに成功すれば安定した収入を見込めるのがメリットです。 

デメリットとしては、空室になってしまった場合に首都圏よりも埋まりにくいことです。地方の場合は特に、大手メーカーの工場の撤退、大学や学校の廃校や移転、商業施設の閉鎖などによって、物件があるエリアの人口が大きく変わります。そのため、エリアの状況を正確に把握した上で、将来にわたり安定した入居率が見込めるかを見極めなければいけません。また、首都圏よりも売却時に買い手が見つかりにくいのも懸念点です。 

REIT 

REITは、Real Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託のことです。投資家から集めた資金をもとに投資会社が不動産投資を行い、利益を配当金として投資家に分配します。 

メリットとしては数万円、数十万円といった少額から始められ、売買が簡単なこと。また、投資家は資金だけ提供すればよいため物件管理などの手間が一切かからないことです。加えて、株式などと比べて値動きがそれほど激しくないため、安定的な収入が期待できます。 

デメリットは、REITは金融商品であるため、不動産投資の節税効果や保険効果の恩恵を受けられないことです。また、不動産投資をしているという感覚があまり得られないことも頭に入れておきましょう。 

初心者が失敗しない不動産投資をするには? 

ここまで紹介したように、不動産投資には元手の配分方法やさまざまな物件種別など、多くの選択肢があります。その分、初心者が目的を曖昧にしたまま何となく投資を始めてしまうと、選択肢を誤り失敗しやすいのも事実です。では、どのようなことに気をつければ失敗を未然に防ぐことができるのでしょうか。 

不動産投資のゴールを決める 

不動産投資を始めるにあたって、なんとなく不労所得を得たいから始めるという方も多いかもしれません。しかし、不動産投資を成功させるためには、どのような投資を行うか、不動産投資を行なった先にどのようなゴールを目指すかを明確にしておくことが重要です。 

一口に不動産投資で利益を出すといっても、長期的に安定した利益を出し家賃を年金がわりにしたいのか(インカムゲイン目的)、購入した金額よりも高く売却することを狙うのか(キャピタルゲイン目的)によって購入する物件や投資の金額は変わります。 

また、収益よりも、節税効果や団信の生命保険効果を目的にするという考え方もあります。団体信用生命保険に加入していれば、自分の死後も家族がローン残債の支払いを負担することなく、物件がすべて家族の手元に残ります。 

まずは、自分が不動産投資によって得たいのはどのような種類の収益なのか、収益以外に重視するポイントがあるかなど、自分の人生設計と合わせて考えてみることが重要です。 

書籍やセミナーで学習する 

ゴールが決まったら、いきなり不動産を購入したり物件を探すのではなく、不動産投資についての情報収集を行い、知識を蓄えましょう。不動産投資で失敗しないためには精度の高い情報を集め、不動産投資について正しい判断力を身につけることが重要です。初心者の場合は、まずは書籍や動画で情報を得るほか、不動産会社のセミナーなどに参加するのが最初のステップになります。一つの情報源だけを鵜呑みにするのではなく、同じトピックで複数の情報源から情報を集めることで、視野が広がり判断の制度が上がります。 

信頼できる不動産投資会社に相談する 

上記をすべて一人で始めるのはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんし、誰かに相談に乗ってもらいながらの方が考えをまとめやすいという方もいるでしょう。その場合は信頼できるプロフェッショナルである不動産投資会社に相談するのが安心です。 

また、不動産投資会社の選び方も重要です。せっかく相談をするのならば、購入時だけ物件の相談に乗ってもらうだけでなく、その後の賃貸管理や出口戦略などもサポートしてもらえるワンストップの不動産会社に任せたいところです。複数の不動産投資会社に相談をしてみて、自分が安心して任せられると感じるところを選びましょう。 

まとめ 

不動産投資は投資のスタイルによって、必要な元手が変わってきます。支払いの負担を極力減らしたいのであれば、多めの頭金が必要なので元手がかかります。投資のスケールメリットを最大限に活かすのであれば、フルローンという選択になり、かかる元手は少なくなります。 

まずは、不動産投資の目的を設定し、自分に合った最適な形を見つけることが大事です。自分の目的を明確にしたい方、初心者で不動産投資に不安がある方は、ベルテックスの個別相談に参加することをおすすめします。 

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2025.02.25

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資の元手はいくら必要?少額でも始められる?初心者向け不動産投資法も紹介

  • はじめ方・基礎知識

不動産投資に興味はあるけれど、初期費用がどれだけ必要かイメージがわかず、始めるきっかけがつかめないという方は意外と多いものです。 

この記事では、不動産投資にかかる元手には何があるのか、少額でも始める方法はあるのか、さらに初心者におすすめできる不動産投資の方法についても解説します。 

不動産投資の元手についてしっかりと理解し、理想の人生設計にあう投資スタイルを実現しましょう。 

不動産投資の元手は収益物件価格の2~3割、その内訳は? 

一般的に、不動産投資に必要な元手は収益物件価格の2~3割が目安とされています。その内訳は、次のとおりです。 

手付金:購入価格の5~10%程度 

頭金:購入価格の10~25%程度 

諸費用:不動産所得税、登録免許税、司法書士報酬、仲介手数料など 

内訳をみると、その多くがマイホームの購入にかかる費用と似ていることがわかります。ただし、あくまで投資用物件となるため、購入にあたっては、居住用物件に適用される税制優遇制度の対象外となることは頭に入れておきましょう。 

手付金 

手付金とは、不動産の売買契約において、買主側が契約成立の証拠として支払うお金です。仮になんらかの事情で契約破棄となった場合は、没収などの対象となります。また、手付解除ができるのは、相手方が履行に着手するまでの間で、着手後はいかなる事情があっても契約を破棄はできません。 

  • 買主側からの契約破棄:手付金を没収 
  • 売主側からの契約破棄:手付金の倍額が売主から買主に支払われる 

手付金は一般的に購入する不動産代金の5〜10%程度が目安と言われています。また、仲介不動産会社などの宅建取引業者から物件を購入する場合、売買代金の20%が手付金の上限と、宅地建物取引業法で定められています。 

手付金を支払うタイミングは、ローンの仮審査に通ったタイミングです。ただ、あくまで仮審査なので、本審査で否決される可能性もあります。手付金を支払った後にローンの審査に落ちて物件購入を断念する場合でも、手付金は没収されてしまいます。それを防ぐため、ローンの審査に落ちて契約を破棄する場合は手付金を返還する旨の「ローン特約」を、不動産売買契約書に記載することを忘れないようにしましょう。無事に売買が完了した暁には、手付金が購入代金に充当されます。 

また、手付金の支払いにはローンは使えず、自己資金で支払わなければいけません。元手として資金の準備をしておきましょう。 

頭金 

頭金とは、契約時に物件購入金額に充当するお金です。「不動産価格」から「不動産投資ローンの借入額」を引いた金額が、頭金となります。銀行からの融資金額が、不動産購入金額に届かない場合は、足りない分を頭金で補う必要があります。また、ローンの金利支払い負担を減らす目的で頭金を入れるなど、人によって頭金の金額は変わります。 

頭金の相場は、購入価格の10~25%程度が目安です。ただし、特に法的な決まりがあるわけではないため、頭金がゼロでも、または価格の50%を支払ったとしても、売主と買主双方が納得していれば問題ありません。 

頭金を多く支払えると、ローン返済の金利が下がり、返済期間も短くなるため、その後の返済も楽になるでしょう。しかし、メリットばかりではなく、頭金に充てる分、手元の現金が減るため、生活費やさらなる投資に回すお金が目減りするデメリットもあります。 

また、頭金をまったく支払わない「フルローン」という選択肢も最近は増えてきました。詳細は後述しますが、自分の人生設計や投資のスタイルにあわせて、最適な頭金の金額を決めたいところです。 

なお、頭金は契約締結時に「現金」で支払う必要があります。そのため、不動産投資の元手の中では最も大きな費用になるでしょう。 

諸費用 

不動産取得税 

不動産取得税は、不動産を購入した際に土地や建物に課される税金です。課税対象となるのは不動産の購入金額ではなく、固定資産税課税台帳に登録された「不動産評価額」(物件購入金額の50〜70%)になります。 

現行の税率は原則4%ですが、土地と住宅部分には軽減税率(2027年3月31日まで)が適用され「3%」になります。加えて、土地については不動産評価額の「2分の1」が課税対象に。一方、住宅以外の建物や、建物の非住宅部分(マンションの共用部など)は4%のままとなります。 

  • 住宅:不動産評価額×3% 

  • 住宅以外の建物:不動産評価額×4% 

  • 土地:不動産評価額×1/2×3% 

また、購入した不動産がある自治体によっては、中古住宅の特例による控除がある場合もあり、その場合はさらに不動産所得税が減額されます。購入した収益物件が新築なのか中古なのか、面積の上限下限など控除を受けるにあたっての条件があるため、詳しくは自治体のホームページや不動産会社に確認しましょう。 

不動産取得税は、不動産取得日の半年〜1年後に自治体から請求書が届き、現金で支払う必要があります。 

【参考】総務省「不動産取得税」2025年1月22日現在 

登録免許税 

登録免許税は、購入した物件を法務局の登記簿に記録する際に必要な税金です。登録免許税を支払い、不動産登記をすることで、対外的に所有権を主張できるようになります。 

登記の種類によって税率は異なり、たとえば、土地の所有権移転登記(売買、贈与、交換など):2%、建物の所有権保存登記(新築住宅の取得・建築):0.4%、建物の所有権移転登記(売買、贈与、交換など):2%、となります。 

登録免許税も現在は軽減措置が取られており、土地の売買による所有権移転登記などは《2026年3月31日まで》、住宅用家屋の所有権保存登記などは《2027年3月31日まで》、以下のように税率が下がります。 

登記の種類 

本則 

軽減税率 

土地の所有権移転登記 

2% 

1.5% 

建物の所有権保存登記 

0.4% 

0.15% 

建物の所有権移転登記 

2% 

0.3% 

【引用】国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」2024年4月発行 

ただし、住宅用家屋の軽減措置は、自己居住用(マイホーム)が対象です。投資用のアパート・マンションなどの収益物件は対象外となるため、軽減措置は受けられません。ただし、賃貸併用住宅の場合は、自らが住む住宅部分の面積が家屋の90%以上にあたる場合は適用となります。 

なお、軽減措置を受けるには、所在の市区町村で住宅用家屋証明書の交付を受け、登記の申請書と一緒に法務局に提出する必要があります。登記後に証明書を提出しても軽減措置を受けられません。 

支払い時期は登記のタイミングで、窓口で現金支払いをする以外にも、オンライン登記ならクレジットカードやインターネットバンキングの使用も可能です。 

司法書士報酬 

司法書士が取引の立ち会いや不動産登記を行う際に発生するのが司法書士報酬です。立ち会いの場合は2万円程度、不動産登記を依頼する場合は3万円から10万円が相場となります。司法書士事務所によっては現金以外にもキャッシュレス決済が可能な場合があります。 

印紙税 

不動産売買契約書や領収書などに貼る印紙の代金が印紙税です。該当の書類に記載された金額によって、支払うべき印紙税は200円から60万円まで幅があります。印紙税は国が租税や手数料を徴収するために発生し、印紙は支払った証明となります。コンビニなどで印紙を購入時に印紙代を支払います。 

不動産仲介手数料 

不動産仲介業者に対して売買金額の3〜5%程度を支払うのが不動産仲介手数料です。いわば売買や賃貸の取引が成約した場合の成功報酬としての位置付けですが、不動産売買の成約価格(税抜)によって、以下のとおり上限額が決まっています。 

不動産の売買金額が、 

  • 400万円以上なら:成約価格×3%+6万円 
  • 200万円以上~400万円未満なら:成約価格×4%+2万円 
  • 200万円以下なら:成約価格×5% 

※上記で算出した金額に消費税もかかります。 

例)成約価格5000万円×3%+6万円+消費税=171万6,000円が上限 

【引用】国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」2025年1月22日現在 

上記の額はあくまで上限のため、不動産会社と交渉し、金額を下げることも可能です。 

なお、不動産会社によっては不動産仲介手数料を支払いに際して、クレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応しています。事前に確認しておけるといいでしょう。 

不動産投資ローンの事務手数料 

不動産投資ローンの審査が通り融資が決まると、事務手数料がかかります。総借入額の1〜3%が事務手数料の目安です。金融会社によってはクレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応しており、融資実行日に一括で支払う必要があります。 

ローン保証料 

ローン保証料とは、万が一買主がローン残債を支払えなくなった際に、代わりに支払う保証会社と保証契約するためのお金です。買主が払えなくなると代わりに保証会社がローン残債を支払い、買主はその後保証会社に返済を続けることになります。 

ローン保証料の目安は、借入金額の2%程度までが一般的です。身内で連帯保証人を用意でき、保証会社を使わないのであればローン保証料は発生しませんが、実際にはほとんどの方が保証会社を利用するはずです。 

支払い方法としては借入時に一括で支払う「一括前払い型」、金利に年0.2%程度を上乗せして支払う「金利上乗せ型」などがあります。支払い方法は、現金や銀行口座からの引き落としのみです。 

団体信用生命保険料 

団体信用生命保険料とは、契約者である買主が万が一ローン残債を残して死亡した場合に、家族に残債の支払い義務を生じさせないための保険料です。基本的にはローン金利に団体信用生命保険料は含まれていますが、何かしらの特約をつけている場合にはプラスアルファの支払いが生じる場合があります。 

通常は死亡や所定の高度障害状態に適用される団体信用生命保険料ですが、三大疾病(癌、心疾患、脳血管疾患)やすべての病気怪我による就業不能の際にも適用される特約もあります。特約をつける場合は金利が「年0.3〜0.6%」程度上乗せされます。 

火災保険料(地震保険料) 

火災保険とは万が一住宅が火災被害等にあった場合に損害を補償する保険です。カバーする範囲は広く、火災以外にも落雷、爆発、風災、雪災、水災、盗難、集団暴力破壊、建物外部からの物体の落下などに補償が適用されます。さらに、火災保険に付帯するオプションとして、地震保険があります。地震保険は単独では加入できません。 

新築一戸建ての物件で火災保険料のみを5年分一括で支払う場合は10〜20万円程度、地震保険にも同時加入する場合は30〜50万円程度かかります。損保ジャパンの火災保険ベーシックⅠ型に加入した場合、火災保険のみだと5年152,000円です。地震保険をつけると1年あたり69,300円プラスされ、5年合計で499,200円となります。 

また、マンションやアパートを一棟購入する場合、たとえば2階建ての木造アパートだと火災保険料のみを5年分一括で支払う場合は20万円程度、地震保険をつけると60万円程度かかります。 

マンションやアパートの一室購入の場合は、火災保険料のみを5年分一括で支払う場合は1〜3万円程度、地震保険にも同時加入する場合は9〜12万円程度かかります。損保ジャパンの火災保険ベーシックⅠ型に加入した場合、火災保険のみだと5年28,050円です。地震保険をつけると1年あたり17,470円プラスされ、5年合計で115,400円となります。 

【参考】損保ジャパン「個人用総合火災保険 保険料シミュレーター」2025年1月22日現在 

そのほか管理費・修繕積立金など 

物件の維持管理のために毎月入居者から徴収し積み立てておくのが管理費や修繕積立金です。月々合計2〜3万円程度積立を行います。 

管理費は日頃の清掃や共用部の水道光熱費、管理人の人件費などに充てられます。 

修繕積立金は中規模・大規模の修繕が発生した際に、工事を滞りなく発注できるようにするためのものです。 

以上が不動産投資を始める際に元手として手元に持っておきたい金額の項目です。現金で支払わなければいけないもの、クレジットカードが使えるもの、購入後のローンの支払いと合算できるものなどをしっかり把握し、無理のない支払い計画を立てましょう。 

頭金を多く用意することのメリット・デメリット 

頭金を多く用意することで、審査上のメリットがあったり、返済が楽になったりと、いくつかのメリットがあります。一方、投資視点でのデメリットもあるため、何を目的に投資をするかで頭金の額を判断すべきでしょう。 

メリット 

頭金を多くすればローンの融資総額が少なくなるため、審査において有利になります。また、融資総額が少なくなれば、返済期間を短く設定できる場合もあります。返済期間が短ければ、長期的には金利の負担が軽減され、最終的な返済総額が少なくなります。仮に返済期間中、大きな金利の変動があったとしても、融資の借入総額が少なければ、金利上昇による支払額の大幅な増加などの悪影響を受けにくいです。 

このように頭金を多くすると融資や支払い面においてメリットがあります。購入後に出ていくお金が少ないため、収支の予測がしやすくなり、物件からの収入を活用しやすいです。物件の維持管理や設備投資、さらに別の投資に物件収入を回すことができます。 

デメリット 

頭金を増やせば増やすほど、手元の現金が減ります。現金は子どもがいる場合は教育費用、投資や事業をおこなっている場合は、リスクヘッジのための重要な資産です。現金が減ることで、これらの活動が不安定になるリスクが生じる可能性があります。 

また、無理に不動産購入費用の大部分を頭金でまかなおうとして、自己資金で買える範囲の物件を購入すると、投資のリターンを感じにくくなる可能性があります。安い物件は賃貸需要が低い傾向があり、賃貸需要が低ければ、家賃が下がるからです。 

また、投資においては借入を行うことで自分の資金力以上の投資を行い、大きなリターンを狙うレバレッジ効果を狙うケースがありますが、頭金を多めに入れると他人資本の割合が減るため、レバレッジ効果は薄くなります。 

フルローンのメリット・デメリット 

フルローンとは頭金を用意しないで物件の購入費用を全額ローンでまかなうことです。投資のレバレッジ効果をフルで得られるなどのメリットがある一方、主に支払いや信用面でのデメリットが生じます。 

メリット 

フルローンのメリットとしてまず大きいのが、高いレバレッジ効果を得られる点です。不動産購入費用をすべて融資に頼ることで、自己資本を減らすことなく投資のリターンを享受できます。また、手元に自己資本が残ることで、他の投資にも回せますし、将来的な教育費用や生活費を確保することができます。 

また、フルローンを組んで団体信用生命保険(団信)に加入した場合、頭金ありのローンを組んで団信に加入した場合と比べて、万が一の際の金銭的メリットが大きくなります。 

団信は、契約者の死亡などでローンの支払いが不可能になった場合に、ローンの残債の支払いが免除される制度です。ローン残債が多いほど免除される金額が大きくなるため、フルローンであればより多くの債務が保障対象となります。 

また、実際にあった家賃収入から手数料や金利などの経費を差し引くことで、帳簿上の赤字にできる場合があります。特に借入金額の多いフルローンは金利の支払いも多いため、経費に計上できる金額が多くなります。これによって、所得税、住民税の支払額が下がり節税対策になるのです。 

デメリット 

フルローンのデメリットで大きいのは、返済額が大きくなることです。家賃収入や本業の収入が安定していれば問題ないですが、収入が減ると返済額が大きい分、キャッシュフローが悪化しやすく、返済に苦労する可能性があります。 

また、長期のフルローンでは、購入時に予測した以上の金利上昇が起こった場合、当初の計算よりも返済額が増えてしまうこともあります。 

フルローンは借入額が大きくなるので、ローンの審査や融資の条件は、頭金がある場合よりも厳しくなります。たとえば、より高い金利が設定されることが考えられます。 

さらに、将来的に借り換えや追加融資が必要になった場合にも、そもそもの融資額が大きいため、審査に落ちる可能性が、頭金がある場合と比べて高くなります。収益物件売却時にもローン残債が大きいと売却しづらいです。 

小額から始められる不動産投資とは? 

高額なイメージのある不動産投資ですが少額から始められる投資もあります。まずはリスクが少ないところから始めてみるのが、初心者にはおすすめです。 

ワンルームマンション投資

 ワンルームマンション投資とは、マンションの一部屋だけ購入しそれを賃貸物件として運用する投資です。23区内の場合、1DK・1LDK・2Kなどの50平米以下の収益物件であれば新築で3,000~8,500万円、中古で600~9,000万円が購入費用の目安となります。 

メリットとしては、不動産投資としては比較的安価に挑戦できること。また、都市部の駅近ワンルームマンションであれば資産価値も下がりにくく、売却益も期待できるでしょう。 

デメリットとしては、ワンルームなので大きなリターンは期待できないことです。また、一室だけを購入する場合、空室期間が続くと無収入のままローンの支払いをしなければならないのもリスクです。そのため、ローリスク・ローリターン志向で、立地や内容などから空室リスクの少ない収益物件を見極められる方に向いています。 

築古物件投資 

築古物件とは新築から30年以上が経過した物件を指すことが多く、築古物件投資ではそれを購入して賃貸物件として運用します。築30年以上の物件は新築価格の1/3〜1/4程度で購入できることが多く、数百万円程度で買える物件も珍しくありません。 

メリットは、やはり非常に安い元手で不動産投資が始められること。特に築30年以上の物件は減価償却期間が4年と短いため1年あたりの減価償却費が高くなり、最初の4年間は経費計上できる金額が大きく節税効果が大きくなります。また、投資金額が少ないため、安定した入居状況さえ継続できれば利益を出しやすいのも魅力です。 

デメリットは、ローンの審査が通りにくく、通っても融資の条件が悪くなりやすい点です。築古物件は物件としての価値が低いため、担保にならないというのが理由です。また、購入後に設備の入れ替え、大規模修繕などをしないと入居者を集められない状態の物件も多いため、費用や手間がかかることも多いです。 

地方物件投資 

地方物件投資のメリットは、まず資金面にあります。同じ条件の物件であれば、地方の物件は首都圏の物件に比べて購入の元手を抑えられます。そのため利回りが高くなる傾向があり、首都圏と比べて競合する物件が少ないため、物件選びに成功すれば安定した収入を見込めるのがメリットです。 

デメリットとしては、空室になってしまった場合に首都圏よりも埋まりにくいことです。地方の場合は特に、大手メーカーの工場の撤退、大学や学校の廃校や移転、商業施設の閉鎖などによって、物件があるエリアの人口が大きく変わります。そのため、エリアの状況を正確に把握した上で、将来にわたり安定した入居率が見込めるかを見極めなければいけません。また、首都圏よりも売却時に買い手が見つかりにくいのも懸念点です。 

REIT 

REITは、Real Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託のことです。投資家から集めた資金をもとに投資会社が不動産投資を行い、利益を配当金として投資家に分配します。 

メリットとしては数万円、数十万円といった少額から始められ、売買が簡単なこと。また、投資家は資金だけ提供すればよいため物件管理などの手間が一切かからないことです。加えて、株式などと比べて値動きがそれほど激しくないため、安定的な収入が期待できます。 

デメリットは、REITは金融商品であるため、不動産投資の節税効果や保険効果の恩恵を受けられないことです。また、不動産投資をしているという感覚があまり得られないことも頭に入れておきましょう。 

初心者が失敗しない不動産投資をするには? 

ここまで紹介したように、不動産投資には元手の配分方法やさまざまな物件種別など、多くの選択肢があります。その分、初心者が目的を曖昧にしたまま何となく投資を始めてしまうと、選択肢を誤り失敗しやすいのも事実です。では、どのようなことに気をつければ失敗を未然に防ぐことができるのでしょうか。 

不動産投資のゴールを決める 

不動産投資を始めるにあたって、なんとなく不労所得を得たいから始めるという方も多いかもしれません。しかし、不動産投資を成功させるためには、どのような投資を行うか、不動産投資を行なった先にどのようなゴールを目指すかを明確にしておくことが重要です。 

一口に不動産投資で利益を出すといっても、長期的に安定した利益を出し家賃を年金がわりにしたいのか(インカムゲイン目的)、購入した金額よりも高く売却することを狙うのか(キャピタルゲイン目的)によって購入する物件や投資の金額は変わります。 

また、収益よりも、節税効果や団信の生命保険効果を目的にするという考え方もあります。団体信用生命保険に加入していれば、自分の死後も家族がローン残債の支払いを負担することなく、物件がすべて家族の手元に残ります。 

まずは、自分が不動産投資によって得たいのはどのような種類の収益なのか、収益以外に重視するポイントがあるかなど、自分の人生設計と合わせて考えてみることが重要です。 

書籍やセミナーで学習する 

ゴールが決まったら、いきなり不動産を購入したり物件を探すのではなく、不動産投資についての情報収集を行い、知識を蓄えましょう。不動産投資で失敗しないためには精度の高い情報を集め、不動産投資について正しい判断力を身につけることが重要です。初心者の場合は、まずは書籍や動画で情報を得るほか、不動産会社のセミナーなどに参加するのが最初のステップになります。一つの情報源だけを鵜呑みにするのではなく、同じトピックで複数の情報源から情報を集めることで、視野が広がり判断の制度が上がります。 

信頼できる不動産投資会社に相談する 

上記をすべて一人で始めるのはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんし、誰かに相談に乗ってもらいながらの方が考えをまとめやすいという方もいるでしょう。その場合は信頼できるプロフェッショナルである不動産投資会社に相談するのが安心です。 

また、不動産投資会社の選び方も重要です。せっかく相談をするのならば、購入時だけ物件の相談に乗ってもらうだけでなく、その後の賃貸管理や出口戦略などもサポートしてもらえるワンストップの不動産会社に任せたいところです。複数の不動産投資会社に相談をしてみて、自分が安心して任せられると感じるところを選びましょう。 

まとめ 

不動産投資は投資のスタイルによって、必要な元手が変わってきます。支払いの負担を極力減らしたいのであれば、多めの頭金が必要なので元手がかかります。投資のスケールメリットを最大限に活かすのであれば、フルローンという選択になり、かかる元手は少なくなります。 

まずは、不動産投資の目的を設定し、自分に合った最適な形を見つけることが大事です。自分の目的を明確にしたい方、初心者で不動産投資に不安がある方は、ベルテックスの個別相談に参加することをおすすめします。 

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。