2025.03.12

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資で分散投資が重要な理由とメリット|分散戦略や成功事例も紹介

  • メリット
  • リスク
  • 投資の種類・方法

不動産投資において分散投資を取り入れることで、特有のリスクの軽減やコントロールができるようになるほか、投資の効率化を図ることができます。分散投資の方法はいくつかありますが、区分マンションの複数所有でも分散投資が可能です。 
 
この記事では、不動産投資で分散投資が重要な理由とメリットについて詳しく解説するとともに、具体的な分散戦略や成功させるためのポイントを紹介します。分散投資の成功事例も紹介するので、今後分散投資を検討している方や、不動産投資をこれから始めようと思っている方は必見です。 

投資のリスクを軽減する分散投資

分散投資とは、性格の異なる複数の投資商品に投資先を分散させる手法のことです。具体的には、投資する商品の種類、エリア、業種、投資するタイミングや保有期間の長さなどを分散させます。 
 
投資を行うにあたって必ずついて回るのが価格変動リスクです。投資したときよりも価格が下落して損失が生じたり、場合によっては元本割れを起こしたりすることが考えられます。 
 
投資でよくいわれる「卵は1つのカゴに盛るな」という格言をご存じでしょうか。複数の卵を1つのカゴに盛っていると、何かの拍子にそのカゴを落としてしまった瞬間、すべての卵が割れてしまうおそれがあります。卵をいくつかのカゴに分けて盛っておけば、仮に1つのカゴを落としても、ほかのカゴに盛った卵は割れずに済みます。 
 
投資もこれと同様で、資産を「違うカゴ=違う商品」に分散させて投資することで、もし1つの商品で暴落が起こったとしても、ほかの商品の利益でカバーできるというわけです。 
 
このように、投資をするうえで避けては通れない価格変動リスクを低減するための方法として、分散投資はとても重要な考え方です。 

不動産投資における分散投資がもたらすメリット

投資における価格変動リスクを軽減する効果のある分散投資は、不動産投資においてももちろん有効です。不動産投資で分散投資を行うと、どのようなメリットが期待できるのか解説します。 

不動産投資に特有のリスクを軽減できる

不動産投資は、長期的に安定した賃貸収入を得られることから、一般的に「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資方法とされます。しかし、不動産投資には特有の10のリスクが存在するといわれます。これらのリスクを軽減するのに分散投資が有効です。 
 
不動産投資に特有の10のリスク 

空室リスク 

長期間空室の状態が続き、賃貸収入が得られなくなるリスク 

家賃滞納リスク 

入居者が家賃の支払いを滞納し、賃貸収入が得られなくなるリスク 

家賃下落リスク 

購入当初よりも家賃相場が下落し、想定した賃貸収入が得られなくなるリスク 

価格下落リスク 

不動産価格が想定以上に下落し、出口で見込んでいた売却益を得られなくなるリスク 

流動性リスク 

売却時になかなか買い手が見つからず、現金化できずに負担が増大するリスク 

修繕費リスク 

想定以上の修繕費がかかり、賃貸経営を圧迫するリスク 

老朽化リスク 

建物の老朽化により、空室増加や家賃下落が生じるリスク 

金利上昇リスク 

不動産投資ローンの金利が上がり、返済額が増えることで、賃貸経営を圧迫するリスク 

自然災害リスク 

地震や火災によって建物に被害が生じ、賃貸収入が得られなくなったり、建て替えや修繕に大きな費用がかかったりするリスク 

事故物件リスク 

事故物件になってしまい、原状回復費用の負担や家賃下落が生じるリスク 

投資する物件のエリアや商品の種類、投資時期を分散することで、上記のようなリスクによる影響を小さくできるでしょう。 
 

投資の効率化を図れる

分散投資はさまざまな投資商品への投資機会を広げることにつながります。投資先の種類を増やせば、投資効率をさらに高められるかもしれません。 
 
投資の世界では、リスクとリターンがトレードオフの関係にあります。リスクが高い商品ほど高いリターンが見込める一方、リスクが低く安定的な商品ほどリターンも小さくなるということです。以下に、主な投資商品のリスクとリターンのバランスをまとめます。 
 
主な投資商品のリスクとリターンのバランス 

ハイリスク・ハイリターン 

株式のデイトレード、先物取引、FX、仮想通貨など 

ミドルリスク・ミドルリターン 

個別株投資、投資信託、不動産投資など 

ローリスク・ローリターン 

国債、外貨預金、定期預金など 

 
分散投資をすれば、リスクとリターンのバランスを見ながら、資産の一部をハイリスク・ハイリターンの商品に振り向けたり、反対に手堅い商品に振り向けたりといった戦略も可能になります。その結果、適切にリスクコントロールをしながら、投資効率を高めることができるのです。 
 

 
 

不動産投資における分散戦略

不動産投資における分散投資の方法は、大きく次の4つに分類できます。 
 
不動産投資における4つの分散戦略 

エリアの分散 

都心部と地方部など、物件のエリアを分散させる戦略 

種類の分散 

現物不動産とREITなど、商品の種類を分散させる戦略 

期間の分散 

長期所有と短期所有を分け、キャピタルゲインとインカムゲインを両狙いする戦略 

築年数の分散 

新築と中古など、修繕タイミングを分散させる戦略 

エリアの分散

不動産は立地するエリアによって、リスクやリターンの性質が異なるため、エリアを分散させて物件に投資することがリスクヘッジにつながります。 
 
都心部は人口が多く、常に一定の賃貸ニーズが見込めるため、空室リスクが低いのが特徴です。再開発も盛んに行われて将来性があるので、売却による出口戦略を描きやすいのもポイント。資産価値も維持しやすいでしょう。 
 
これに対し、地方部の物件はリーズナブルな価格で取得でき、高い利回りを期待できるのが魅力です。賃貸住宅の供給数がニーズに対して不足している地域であれば、空室リスクの低減も期待できます。 
 
都心部と地方部をあわせたポートフォリオを組めば、お互いのリスクをカバーすることができて、より安定的かつ効率的な投資が可能です。また、東京都心のなかでもエリアによって、ターゲット、賃貸ニーズ、価格変動の傾向などが異なるため、区や沿線を分散させて投資するというのも効果的です。 
 

種類の分散

一口に不動産投資といっても、投資手法にはいくつかの種類があります。種類ごとの特徴やメリット・デメリットを理解し、分散して投資することもリスクヘッジの方法として有効です。不動産投資の主な種類と特徴をまとめたのが以下の表です。 
 
不動産投資の種類と特徴 

現物不動産 

  • まとまった初期費用が必要 
  • 銀行からの融資を受けられるので、高いレバレッジ効果が期待できる 
  • 現金化に時間がかかる 
  • 投資する物件の種類によって、リスクやリターンの性質が異なる 

REIT 

  • 小口化されているので少額からの投資が可能 
  • 基本的に全額自己資金で投資する必要がある 
  • 金融商品なので現金化しやすい 

不動産投資 

クラウドファンディング 

  • 主に匿名組合員として事業者に出資し、不動産運用によって得た利益を分配金として受け取る手法 
  • 少額からの投資が可能 
  • 現物不動産よりも手軽で、比較的高い利回りを期待できる 
  • 基本的に全額自己資金で投資する必要がある 
  • 運用期間が決まっていて途中解約が難しい 

 
上記の違いを踏まえ、各商品を組み合わせたポートフォリオにすることで、不動産投資の安定性と効率性を高められます。 
 

ベルテックスでは、一口10万円で3ヵ月の短期間からスタートできる不動産投資クラウドファンディング「VERFUND」を運営しています。

不動産投資における分散投資の一環としてご活用ください。 
 
VERFUND|10万円から始める不動産投資クラウドファンディング 

現物不動産投資の種類①ワンルームマンション投資

区分マンションを複数所有することでも分散投資が可能です。ワンルームマンション投資は1室所有だと空室リスクの影響を大きく受けるものの、複数の物件を所有していればリスクを薄めることができます。初期投資の大きい現物不動産投資のなかでは、比較的リーズナブルにスタートできる点もリスクヘッジに効果的です。 
 
また、別の種類の物件と組み合わせれば、空室リスクや家賃下落リスクの影響をさらに低減しつつ、リターンの期待値を上げることもできます。 
 

現物不動産投資の種類②一棟アパート投資

一棟アパート投資は物件丸ごとに投資するので、まとまった初期投資が必要な反面、リターンが大きいというメリットがあります。部屋数も多くあり、空室リスクによる影響を受けにくいのも特徴です。 
 
ただし、物件の売却先が投資家に限られることから、需要層をターゲットにできるワンルームマンション投資と比べて、流動性は低くなります。 

現物不動産投資の種類③賃貸戸建て投資

賃貸戸建て投資は、一棟アパートに比べて比較的少額で投資できるうえ、利回りが高くなりやすい点がメリットです。戸建ては部屋数が多く、主なターゲットがファミリー層なので、一度入居者がつけば、長期間にわたって入居してもらいやすいという特徴もあります。 
 
その反面、建物の維持管理に手間がかかることに加え、空室リスクや家賃下落リスクの影響を受けやすいという課題があります。賃貸戸建て投資も複数の物件を所有したり、ほかの種類と組み合わせたりするのがおすすめです。 

期間の分散

不動産投資で得られる利益には、大きく分けてキャピタルゲインとインカムゲインがあります。投資先によって、どちらを狙うのか分けて考えるのもリスクヘッジに有効です。 

キャピタルゲイン 

資産の売却価格から購入価格を差し引いた売却差益のこと 

インカムゲイン 

資産を保有し運用することによって、継続的に得られる収入のこと(配当金、分配金、家賃収入など) 

 
ワンルームマンション投資や一棟アパート投資などの現物不動産投資の場合、賃貸収入によるインカムゲイン狙いの長期保有を前提とするのが一般的です。 
 
しかし、人気の高い都心部や駅近にある物件や資産価値の高い物件であれば、短期間での価格上昇が見込めるため、短期保有によるキャピタルゲインを狙える場合もあるでしょう。こうした物件は売却しやすいので流動性リスクを低減できるうえ、借り手もつきやすく、空室リスクや価格下落リスクも低く抑えられます。つまり、長期保有であっても、安定したインカムゲインを得られる優良物件です。 
 
このように、物件の特性に応じて所有期間を分散させることにより、キャピタルゲイン・インカムゲイン両狙いの効率的な資産拡大を実現できる可能性があります。 
 

築年数の分散

現物不動産に投資する場合、物件の築年数を分散させるのもリスクヘッジにつながります。 
 
新築物件は初期投資がかかる一方、運用開始当初は安定的かつ高い賃貸収入を得ることが可能です。建物が新しいので、老朽化リスクや修繕リスクも低く抑えられます。 
 
対する中古物件は、利回りが比較的高い傾向にある一方、築年数が経過するほど修繕の必要性が高まり、老朽化リスクも大きくなります。築年数が同じくらいの中古物件を複数所有していると、大規模修繕の時期が重なり、一時的に負担が増大するおそれがあるでしょう。 
 
新築や築年数の異なる中古物件を組み合わせることで、大規模修繕によるキャッシュフローの急激な悪化を防ぐことができます。 

不動産投資における分散投資の成功事例4選

ここからは、ベルテックスで不動産投資に取り組んでいるお客様のなかから、分散投資によって安定的な資産運用を実現している事例を4つ紹介します。それぞれ年収と年代が異なる事例を紹介するので、ご自身の属性に当てはめてイメージしてみてください。 

【バランス重視】年収500万以上・20代男性の事例

金融資産 

現預金 

53% 

投資信託 

18% 

米個別株 

10% 

自社株 

7% 

財形 

12% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

 
最初に紹介するのは、年収500万以上・20代男性のポートフォリオです。金融資産は、すぐに使える現預金を半分以上手元に残しつつ、ほかを投資信託・株式・財形にバランスよく分散しています。ミドルリターンを狙える投資信託や株式に振り分けることで、若いうちからリスクに備えつつ、資産拡大も積極的に狙えるポートフォリオといえるでしょう。 
 
現物資産はどちらも区分マンションで、1軒目を新築、2軒目を中古として、老朽化や修繕のリスクを低減しています。全体的にリスクとリターンのバランスがよい資産構成です。 
 

【保険も活用】年収600万以上・30代男性の事例

金融資産 

現預金 

60% 

保険 

40% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

③中古区分マンション 

 
続いては、年収600万円以上・30代男性のポートフォリオを紹介します。1つ目の事例と比較して特徴的なのが、金融資産に占める保険の割合の高さです。保険商品の中には貯蓄性を持つものがあり、病気・ケガや死亡のリスクに備えながら、将来に向けた資産形成ができるようになっています。 
 
現物資産は新築1軒・中古2軒のワンルームマンション投資で、負担を抑えた堅実な運用が特徴です。総合的に見て、長期安定的に資産形成を進める、安全サイドの分散投資といえるでしょう。 

【インフレリスク軽減】年収700万以上・30代女性の事例

金融資産 

現預金 

91% 

投資信託 

9% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

 
3つ目に紹介するのは、年収700万以上・30代女性のポートフォリオです。上記2つの事例と明らかに異なるのが、金融資産のうち約9割を現預金が占めていること。これだけ現預金を手元に残しておけば、急にまとまった資金が必要になったときでも問題なく対応できます。投資信託で資産拡大を進めながらも、手堅くローリスクな資産構成になっています。 
 
現預金の割合が高いと、心配になるのがインフレリスクです。このお客様は、新築・中古1戸ずつのワンルームマンション投資でリスクヘッジを図っています。 

【余剰資金の活用】年収1,000万以上・50代男性の事例

金融資産 

現預金 

79% 

投資信託 

13% 

国内個別株 

8% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

③中古区分マンション 

④新築区分マンション 

 
最後に紹介するのは、年収1,000万以上・50代男性のポートフォリオです。年収も年代も高いので資産規模が大きいうえ、金融資産の8割を現預金が占めることから、ローリスクな資産構成といえます。残りの2割程度を投資信託と国内個別株に振り分け、リスクとリターンのバランスを確保しています。 
 
不動産投資に充てているのは余剰資金です。新築・中古2棟ずつのワンルームマンションを所有しているので、ローンを完済した老後には安定した収入が期待できます。 

不動産投資における分散投資を成功させるための6つのポイント

不動産投資において効果的な分散投資を実現するには、次に挙げる6つのポイントを意識しましょう。 

(1)リスクとリターンの取り方のスタンスを決める

繰り返し説明しているように、分散投資は価格変動リスクを低減するための方法です。しかし、リスクとリターンはトレードオフの関係にあり、両者のバランスをどれくらいにするかは個人のスタンスによります。不動産投資に分散投資を取り入れる際は、「ローリスク・ローリターン」「ミドルリスク・ミドルリターン」「ハイリスク・ハイリターン」のうち、どの方針で運用するのかあらかじめ決めておきましょう。 
 
ただし、ハイリスクな商品やローリスクな商品ばかりを組み合わせたポートフォリオにすると、思ったように資産が増えず、長期的な資産形成が非効率になる可能性があります。どの方針で運用する場合でも、ミドルリスクの商品を上手に取り入れながら、リスクコントロールをできるようにしておくのがポイントです。 
 

(2)資産のポートフォリオを作成する

上記のリスクとリターンの取り方に関するスタンスを踏まえて、資産のポートフォリオを作成すると分散投資を管理しやすくなります。ポートフォリオとは、先ほど紹介した事例のように国内個別株、外国個別株、投資信託、不動産投資、債券、現預金など、資産の種類と投資割合を表したものです。 
 
最初にポートフォリオで投資する資産ごとの比率(アセットアロケーション)を決め、その比率に沿って投資先を確定していきます。 
 
ポートフォリオを組んでおくと、いつでも自分の資産の状況を客観的かつ正確に把握できるので、資産形成における課題や次に取るべき戦略も明確になるでしょう。 
 

(3)年代に合った分散戦略を考える

年代によって資産形成に関する考え方は異なります。20代・30代の若いうちは積極的に資産拡大を狙う一方、40代以降は資産の目減りを抑えるべく、安定運用を狙うというのが基本的なセオリーです。ポートフォリオの組み方の例として、「100−年齢」をハイリスクな資産の構成割合の上限値とする方法もあります。 
 
以下では、20代・30代・40代における分散戦略の考え方を簡単に紹介します。不動産投資のみならず、プロのアドバイスを受けながら資産形成について検討したい方は、ぜひベルテックスの個別相談をご活用ください。 

20代における分散戦略の考え方

20代は働き始めたばかりで、これから長期間にわたり資産運用を継続することができるため、リスク許容度は高いと考えられます。そのため、ミドルリスクの国内個別株や外国個別株などで積極的に資産拡大を図りつつ、不動産投資や債券にも一部投資して、安定的な資産基盤を築く戦略がよいでしょう。 
 
一方で、結婚や出産といった大きな出費を伴うライフイベントが控える年代でもあるため、最低限の現預金を手元に残しておくと安心です。 

30代における分散戦略の考え方

30代も、20代ほどではないものの長期運用が可能な年代なので、積極的な資産運用を意識してよいでしょう。国内個別株や外国個別株、投資信託などの割合を高めつつ、不動産投資や債券への投資も増やして、リスクとリターンのバランスを取る戦略を推奨します。 
 
30代になると、子どもができたりマイホームを購入したりする方も多いため、個人の状況にあわせてバランスを調整することも大切です。 

40代における分散戦略の考え方

40代は20代・30代に比べて所得が増えるため、老後資金の形成に向けてギアチェンジするのに適した年代です。資産形成の目標値に達しているなら、ローリスクな運用に切り替えて資産の目減りを防ぐとよいでしょう。目標値に達していない場合は、資産拡大のスピードを高められるよう戦略の見直しを検討するのがおすすめです。 
 
定年退職や老後が近づいてくる時期なので、私的年金や現物資産所有目的で、不動産投資を積極的に活用することも推奨します。 

(4)定期的にポートフォリオを見直す

ポートフォリオは一度作成したら終わりではなく、状況に応じて定期的に見直すことが重要です。分散投資をしていると、商品ごとの運用成績の違いによって、ポートフォリオのバランスはどうしても崩れます。ポートフォリオを放置していると、自分が思い描いていた運用とはまったく異なる資産構成になっている恐れもあるのです。 
 
そのため、定期的にリバランスを行って、自分の目指す資産運用を継続させるようにしましょう。上述のように、年代によって分散戦略のセオリーも変わるため、ライフイベントの発生にあわせて大きく見直すのも有効です。 

(5)短期的な価格変動に左右されない

投資に価格変動はつきものです。特に、個別株や投資信託などはミドルリスクとはいえ、日々価格が上下しています。毎日の価格変動に一喜一憂して、下がるたびに構成資産の種類や比率を変えていては、安定的な資産拡大を実現することはできません。 
 
そもそも投資商品の価格は、短期的に上下したとしても、中長期的に見れば調整されるケースも多くあります。だからこそ、ドルコスト平均法(価格変動する商品を、一定額で定期的に購入し続ける方法)が有効とされるのです。 
 
分散投資を成功させるには、短期的な価格変動に踊らされないことも大切です。 

(6)生活防衛資金として最低限の現預金を手元に残しておく

手元資金があるからといって、すべての資産を投資に振り分けるのはリスクが高い行為です。なぜなら、投資商品はすぐに現金化できない可能性があるからです。 
 
病気、ケガ、失業などにより、突然収入が減少するリスクは誰にでもあります。こうしたリスクに備えるための生活防衛資金として、資産の一定割合は現預金として手元に残しておきましょう。 
 
生活防衛資金の目安は、単身世帯や夫婦2人世帯で生活費の3〜6ヵ月分子どもがいる家庭では6ヵ月〜1年分とされています。 

まとめ

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」といわれますが、価格変動リスクは常につきまといます。物件売却を出口戦略とするケースも多いため、分散投資によるリスクヘッジの重要性は高いといえます。 
 
「エリアの分散」「種類の分散」「期間の分散」「築年数の分散」の4点を意識して、年代に適した分散投資を心がけましょう。特に、区分マンションの複数所有は手軽に分散投資できる方法として有効です。賃貸ニーズの見込める都心部を中心に、新築と中古を組み合わせて所有すれば、安定した資産基盤を築くことができます。 
 
ベルテックスは、資産形成に関するご相談にも幅広く対応しています。不動産投資を活用した効率的な資産運用をご希望の方は、ぜひベルテックスまでご相談ください。 

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。

2025.03.12

不動産投資の基本

ベルテックスコラム事務局

不動産投資で分散投資が重要な理由とメリット|分散戦略や成功事例も紹介

  • メリット
  • リスク
  • 投資の種類・方法

不動産投資において分散投資を取り入れることで、特有のリスクの軽減やコントロールができるようになるほか、投資の効率化を図ることができます。分散投資の方法はいくつかありますが、区分マンションの複数所有でも分散投資が可能です。 
 
この記事では、不動産投資で分散投資が重要な理由とメリットについて詳しく解説するとともに、具体的な分散戦略や成功させるためのポイントを紹介します。分散投資の成功事例も紹介するので、今後分散投資を検討している方や、不動産投資をこれから始めようと思っている方は必見です。 

投資のリスクを軽減する分散投資

分散投資とは、性格の異なる複数の投資商品に投資先を分散させる手法のことです。具体的には、投資する商品の種類、エリア、業種、投資するタイミングや保有期間の長さなどを分散させます。 
 
投資を行うにあたって必ずついて回るのが価格変動リスクです。投資したときよりも価格が下落して損失が生じたり、場合によっては元本割れを起こしたりすることが考えられます。 
 
投資でよくいわれる「卵は1つのカゴに盛るな」という格言をご存じでしょうか。複数の卵を1つのカゴに盛っていると、何かの拍子にそのカゴを落としてしまった瞬間、すべての卵が割れてしまうおそれがあります。卵をいくつかのカゴに分けて盛っておけば、仮に1つのカゴを落としても、ほかのカゴに盛った卵は割れずに済みます。 
 
投資もこれと同様で、資産を「違うカゴ=違う商品」に分散させて投資することで、もし1つの商品で暴落が起こったとしても、ほかの商品の利益でカバーできるというわけです。 
 
このように、投資をするうえで避けては通れない価格変動リスクを低減するための方法として、分散投資はとても重要な考え方です。 

不動産投資における分散投資がもたらすメリット

投資における価格変動リスクを軽減する効果のある分散投資は、不動産投資においてももちろん有効です。不動産投資で分散投資を行うと、どのようなメリットが期待できるのか解説します。 

不動産投資に特有のリスクを軽減できる

不動産投資は、長期的に安定した賃貸収入を得られることから、一般的に「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資方法とされます。しかし、不動産投資には特有の10のリスクが存在するといわれます。これらのリスクを軽減するのに分散投資が有効です。 
 
不動産投資に特有の10のリスク 

空室リスク 

長期間空室の状態が続き、賃貸収入が得られなくなるリスク 

家賃滞納リスク 

入居者が家賃の支払いを滞納し、賃貸収入が得られなくなるリスク 

家賃下落リスク 

購入当初よりも家賃相場が下落し、想定した賃貸収入が得られなくなるリスク 

価格下落リスク 

不動産価格が想定以上に下落し、出口で見込んでいた売却益を得られなくなるリスク 

流動性リスク 

売却時になかなか買い手が見つからず、現金化できずに負担が増大するリスク 

修繕費リスク 

想定以上の修繕費がかかり、賃貸経営を圧迫するリスク 

老朽化リスク 

建物の老朽化により、空室増加や家賃下落が生じるリスク 

金利上昇リスク 

不動産投資ローンの金利が上がり、返済額が増えることで、賃貸経営を圧迫するリスク 

自然災害リスク 

地震や火災によって建物に被害が生じ、賃貸収入が得られなくなったり、建て替えや修繕に大きな費用がかかったりするリスク 

事故物件リスク 

事故物件になってしまい、原状回復費用の負担や家賃下落が生じるリスク 

投資する物件のエリアや商品の種類、投資時期を分散することで、上記のようなリスクによる影響を小さくできるでしょう。 
 

投資の効率化を図れる

分散投資はさまざまな投資商品への投資機会を広げることにつながります。投資先の種類を増やせば、投資効率をさらに高められるかもしれません。 
 
投資の世界では、リスクとリターンがトレードオフの関係にあります。リスクが高い商品ほど高いリターンが見込める一方、リスクが低く安定的な商品ほどリターンも小さくなるということです。以下に、主な投資商品のリスクとリターンのバランスをまとめます。 
 
主な投資商品のリスクとリターンのバランス 

ハイリスク・ハイリターン 

株式のデイトレード、先物取引、FX、仮想通貨など 

ミドルリスク・ミドルリターン 

個別株投資、投資信託、不動産投資など 

ローリスク・ローリターン 

国債、外貨預金、定期預金など 

 
分散投資をすれば、リスクとリターンのバランスを見ながら、資産の一部をハイリスク・ハイリターンの商品に振り向けたり、反対に手堅い商品に振り向けたりといった戦略も可能になります。その結果、適切にリスクコントロールをしながら、投資効率を高めることができるのです。 
 

 
 

不動産投資における分散戦略

不動産投資における分散投資の方法は、大きく次の4つに分類できます。 
 
不動産投資における4つの分散戦略 

エリアの分散 

都心部と地方部など、物件のエリアを分散させる戦略 

種類の分散 

現物不動産とREITなど、商品の種類を分散させる戦略 

期間の分散 

長期所有と短期所有を分け、キャピタルゲインとインカムゲインを両狙いする戦略 

築年数の分散 

新築と中古など、修繕タイミングを分散させる戦略 

エリアの分散

不動産は立地するエリアによって、リスクやリターンの性質が異なるため、エリアを分散させて物件に投資することがリスクヘッジにつながります。 
 
都心部は人口が多く、常に一定の賃貸ニーズが見込めるため、空室リスクが低いのが特徴です。再開発も盛んに行われて将来性があるので、売却による出口戦略を描きやすいのもポイント。資産価値も維持しやすいでしょう。 
 
これに対し、地方部の物件はリーズナブルな価格で取得でき、高い利回りを期待できるのが魅力です。賃貸住宅の供給数がニーズに対して不足している地域であれば、空室リスクの低減も期待できます。 
 
都心部と地方部をあわせたポートフォリオを組めば、お互いのリスクをカバーすることができて、より安定的かつ効率的な投資が可能です。また、東京都心のなかでもエリアによって、ターゲット、賃貸ニーズ、価格変動の傾向などが異なるため、区や沿線を分散させて投資するというのも効果的です。 
 

種類の分散

一口に不動産投資といっても、投資手法にはいくつかの種類があります。種類ごとの特徴やメリット・デメリットを理解し、分散して投資することもリスクヘッジの方法として有効です。不動産投資の主な種類と特徴をまとめたのが以下の表です。 
 
不動産投資の種類と特徴 

現物不動産 

  • まとまった初期費用が必要 
  • 銀行からの融資を受けられるので、高いレバレッジ効果が期待できる 
  • 現金化に時間がかかる 
  • 投資する物件の種類によって、リスクやリターンの性質が異なる 

REIT 

  • 小口化されているので少額からの投資が可能 
  • 基本的に全額自己資金で投資する必要がある 
  • 金融商品なので現金化しやすい 

不動産投資 

クラウドファンディング 

  • 主に匿名組合員として事業者に出資し、不動産運用によって得た利益を分配金として受け取る手法 
  • 少額からの投資が可能 
  • 現物不動産よりも手軽で、比較的高い利回りを期待できる 
  • 基本的に全額自己資金で投資する必要がある 
  • 運用期間が決まっていて途中解約が難しい 

 
上記の違いを踏まえ、各商品を組み合わせたポートフォリオにすることで、不動産投資の安定性と効率性を高められます。 
 

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不動産投資における分散投資の一環としてご活用ください。 
 
VERFUND|10万円から始める不動産投資クラウドファンディング 

現物不動産投資の種類①ワンルームマンション投資

区分マンションを複数所有することでも分散投資が可能です。ワンルームマンション投資は1室所有だと空室リスクの影響を大きく受けるものの、複数の物件を所有していればリスクを薄めることができます。初期投資の大きい現物不動産投資のなかでは、比較的リーズナブルにスタートできる点もリスクヘッジに効果的です。 
 
また、別の種類の物件と組み合わせれば、空室リスクや家賃下落リスクの影響をさらに低減しつつ、リターンの期待値を上げることもできます。 
 

現物不動産投資の種類②一棟アパート投資

一棟アパート投資は物件丸ごとに投資するので、まとまった初期投資が必要な反面、リターンが大きいというメリットがあります。部屋数も多くあり、空室リスクによる影響を受けにくいのも特徴です。 
 
ただし、物件の売却先が投資家に限られることから、需要層をターゲットにできるワンルームマンション投資と比べて、流動性は低くなります。 

現物不動産投資の種類③賃貸戸建て投資

賃貸戸建て投資は、一棟アパートに比べて比較的少額で投資できるうえ、利回りが高くなりやすい点がメリットです。戸建ては部屋数が多く、主なターゲットがファミリー層なので、一度入居者がつけば、長期間にわたって入居してもらいやすいという特徴もあります。 
 
その反面、建物の維持管理に手間がかかることに加え、空室リスクや家賃下落リスクの影響を受けやすいという課題があります。賃貸戸建て投資も複数の物件を所有したり、ほかの種類と組み合わせたりするのがおすすめです。 

期間の分散

不動産投資で得られる利益には、大きく分けてキャピタルゲインとインカムゲインがあります。投資先によって、どちらを狙うのか分けて考えるのもリスクヘッジに有効です。 

キャピタルゲイン 

資産の売却価格から購入価格を差し引いた売却差益のこと 

インカムゲイン 

資産を保有し運用することによって、継続的に得られる収入のこと(配当金、分配金、家賃収入など) 

 
ワンルームマンション投資や一棟アパート投資などの現物不動産投資の場合、賃貸収入によるインカムゲイン狙いの長期保有を前提とするのが一般的です。 
 
しかし、人気の高い都心部や駅近にある物件や資産価値の高い物件であれば、短期間での価格上昇が見込めるため、短期保有によるキャピタルゲインを狙える場合もあるでしょう。こうした物件は売却しやすいので流動性リスクを低減できるうえ、借り手もつきやすく、空室リスクや価格下落リスクも低く抑えられます。つまり、長期保有であっても、安定したインカムゲインを得られる優良物件です。 
 
このように、物件の特性に応じて所有期間を分散させることにより、キャピタルゲイン・インカムゲイン両狙いの効率的な資産拡大を実現できる可能性があります。 
 

築年数の分散

現物不動産に投資する場合、物件の築年数を分散させるのもリスクヘッジにつながります。 
 
新築物件は初期投資がかかる一方、運用開始当初は安定的かつ高い賃貸収入を得ることが可能です。建物が新しいので、老朽化リスクや修繕リスクも低く抑えられます。 
 
対する中古物件は、利回りが比較的高い傾向にある一方、築年数が経過するほど修繕の必要性が高まり、老朽化リスクも大きくなります。築年数が同じくらいの中古物件を複数所有していると、大規模修繕の時期が重なり、一時的に負担が増大するおそれがあるでしょう。 
 
新築や築年数の異なる中古物件を組み合わせることで、大規模修繕によるキャッシュフローの急激な悪化を防ぐことができます。 

不動産投資における分散投資の成功事例4選

ここからは、ベルテックスで不動産投資に取り組んでいるお客様のなかから、分散投資によって安定的な資産運用を実現している事例を4つ紹介します。それぞれ年収と年代が異なる事例を紹介するので、ご自身の属性に当てはめてイメージしてみてください。 

【バランス重視】年収500万以上・20代男性の事例

金融資産 

現預金 

53% 

投資信託 

18% 

米個別株 

10% 

自社株 

7% 

財形 

12% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

 
最初に紹介するのは、年収500万以上・20代男性のポートフォリオです。金融資産は、すぐに使える現預金を半分以上手元に残しつつ、ほかを投資信託・株式・財形にバランスよく分散しています。ミドルリターンを狙える投資信託や株式に振り分けることで、若いうちからリスクに備えつつ、資産拡大も積極的に狙えるポートフォリオといえるでしょう。 
 
現物資産はどちらも区分マンションで、1軒目を新築、2軒目を中古として、老朽化や修繕のリスクを低減しています。全体的にリスクとリターンのバランスがよい資産構成です。 
 

【保険も活用】年収600万以上・30代男性の事例

金融資産 

現預金 

60% 

保険 

40% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

③中古区分マンション 

 
続いては、年収600万円以上・30代男性のポートフォリオを紹介します。1つ目の事例と比較して特徴的なのが、金融資産に占める保険の割合の高さです。保険商品の中には貯蓄性を持つものがあり、病気・ケガや死亡のリスクに備えながら、将来に向けた資産形成ができるようになっています。 
 
現物資産は新築1軒・中古2軒のワンルームマンション投資で、負担を抑えた堅実な運用が特徴です。総合的に見て、長期安定的に資産形成を進める、安全サイドの分散投資といえるでしょう。 

【インフレリスク軽減】年収700万以上・30代女性の事例

金融資産 

現預金 

91% 

投資信託 

9% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

 
3つ目に紹介するのは、年収700万以上・30代女性のポートフォリオです。上記2つの事例と明らかに異なるのが、金融資産のうち約9割を現預金が占めていること。これだけ現預金を手元に残しておけば、急にまとまった資金が必要になったときでも問題なく対応できます。投資信託で資産拡大を進めながらも、手堅くローリスクな資産構成になっています。 
 
現預金の割合が高いと、心配になるのがインフレリスクです。このお客様は、新築・中古1戸ずつのワンルームマンション投資でリスクヘッジを図っています。 

【余剰資金の活用】年収1,000万以上・50代男性の事例

金融資産 

現預金 

79% 

投資信託 

13% 

国内個別株 

8% 

現物資産 

①新築区分マンション 

②中古区分マンション 

③中古区分マンション 

④新築区分マンション 

 
最後に紹介するのは、年収1,000万以上・50代男性のポートフォリオです。年収も年代も高いので資産規模が大きいうえ、金融資産の8割を現預金が占めることから、ローリスクな資産構成といえます。残りの2割程度を投資信託と国内個別株に振り分け、リスクとリターンのバランスを確保しています。 
 
不動産投資に充てているのは余剰資金です。新築・中古2棟ずつのワンルームマンションを所有しているので、ローンを完済した老後には安定した収入が期待できます。 

不動産投資における分散投資を成功させるための6つのポイント

不動産投資において効果的な分散投資を実現するには、次に挙げる6つのポイントを意識しましょう。 

(1)リスクとリターンの取り方のスタンスを決める

繰り返し説明しているように、分散投資は価格変動リスクを低減するための方法です。しかし、リスクとリターンはトレードオフの関係にあり、両者のバランスをどれくらいにするかは個人のスタンスによります。不動産投資に分散投資を取り入れる際は、「ローリスク・ローリターン」「ミドルリスク・ミドルリターン」「ハイリスク・ハイリターン」のうち、どの方針で運用するのかあらかじめ決めておきましょう。 
 
ただし、ハイリスクな商品やローリスクな商品ばかりを組み合わせたポートフォリオにすると、思ったように資産が増えず、長期的な資産形成が非効率になる可能性があります。どの方針で運用する場合でも、ミドルリスクの商品を上手に取り入れながら、リスクコントロールをできるようにしておくのがポイントです。 
 

(2)資産のポートフォリオを作成する

上記のリスクとリターンの取り方に関するスタンスを踏まえて、資産のポートフォリオを作成すると分散投資を管理しやすくなります。ポートフォリオとは、先ほど紹介した事例のように国内個別株、外国個別株、投資信託、不動産投資、債券、現預金など、資産の種類と投資割合を表したものです。 
 
最初にポートフォリオで投資する資産ごとの比率(アセットアロケーション)を決め、その比率に沿って投資先を確定していきます。 
 
ポートフォリオを組んでおくと、いつでも自分の資産の状況を客観的かつ正確に把握できるので、資産形成における課題や次に取るべき戦略も明確になるでしょう。 
 

(3)年代に合った分散戦略を考える

年代によって資産形成に関する考え方は異なります。20代・30代の若いうちは積極的に資産拡大を狙う一方、40代以降は資産の目減りを抑えるべく、安定運用を狙うというのが基本的なセオリーです。ポートフォリオの組み方の例として、「100−年齢」をハイリスクな資産の構成割合の上限値とする方法もあります。 
 
以下では、20代・30代・40代における分散戦略の考え方を簡単に紹介します。不動産投資のみならず、プロのアドバイスを受けながら資産形成について検討したい方は、ぜひベルテックスの個別相談をご活用ください。 

20代における分散戦略の考え方

20代は働き始めたばかりで、これから長期間にわたり資産運用を継続することができるため、リスク許容度は高いと考えられます。そのため、ミドルリスクの国内個別株や外国個別株などで積極的に資産拡大を図りつつ、不動産投資や債券にも一部投資して、安定的な資産基盤を築く戦略がよいでしょう。 
 
一方で、結婚や出産といった大きな出費を伴うライフイベントが控える年代でもあるため、最低限の現預金を手元に残しておくと安心です。 

30代における分散戦略の考え方

30代も、20代ほどではないものの長期運用が可能な年代なので、積極的な資産運用を意識してよいでしょう。国内個別株や外国個別株、投資信託などの割合を高めつつ、不動産投資や債券への投資も増やして、リスクとリターンのバランスを取る戦略を推奨します。 
 
30代になると、子どもができたりマイホームを購入したりする方も多いため、個人の状況にあわせてバランスを調整することも大切です。 

40代における分散戦略の考え方

40代は20代・30代に比べて所得が増えるため、老後資金の形成に向けてギアチェンジするのに適した年代です。資産形成の目標値に達しているなら、ローリスクな運用に切り替えて資産の目減りを防ぐとよいでしょう。目標値に達していない場合は、資産拡大のスピードを高められるよう戦略の見直しを検討するのがおすすめです。 
 
定年退職や老後が近づいてくる時期なので、私的年金や現物資産所有目的で、不動産投資を積極的に活用することも推奨します。 

(4)定期的にポートフォリオを見直す

ポートフォリオは一度作成したら終わりではなく、状況に応じて定期的に見直すことが重要です。分散投資をしていると、商品ごとの運用成績の違いによって、ポートフォリオのバランスはどうしても崩れます。ポートフォリオを放置していると、自分が思い描いていた運用とはまったく異なる資産構成になっている恐れもあるのです。 
 
そのため、定期的にリバランスを行って、自分の目指す資産運用を継続させるようにしましょう。上述のように、年代によって分散戦略のセオリーも変わるため、ライフイベントの発生にあわせて大きく見直すのも有効です。 

(5)短期的な価格変動に左右されない

投資に価格変動はつきものです。特に、個別株や投資信託などはミドルリスクとはいえ、日々価格が上下しています。毎日の価格変動に一喜一憂して、下がるたびに構成資産の種類や比率を変えていては、安定的な資産拡大を実現することはできません。 
 
そもそも投資商品の価格は、短期的に上下したとしても、中長期的に見れば調整されるケースも多くあります。だからこそ、ドルコスト平均法(価格変動する商品を、一定額で定期的に購入し続ける方法)が有効とされるのです。 
 
分散投資を成功させるには、短期的な価格変動に踊らされないことも大切です。 

(6)生活防衛資金として最低限の現預金を手元に残しておく

手元資金があるからといって、すべての資産を投資に振り分けるのはリスクが高い行為です。なぜなら、投資商品はすぐに現金化できない可能性があるからです。 
 
病気、ケガ、失業などにより、突然収入が減少するリスクは誰にでもあります。こうしたリスクに備えるための生活防衛資金として、資産の一定割合は現預金として手元に残しておきましょう。 
 
生活防衛資金の目安は、単身世帯や夫婦2人世帯で生活費の3〜6ヵ月分子どもがいる家庭では6ヵ月〜1年分とされています。 

まとめ

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」といわれますが、価格変動リスクは常につきまといます。物件売却を出口戦略とするケースも多いため、分散投資によるリスクヘッジの重要性は高いといえます。 
 
「エリアの分散」「種類の分散」「期間の分散」「築年数の分散」の4点を意識して、年代に適した分散投資を心がけましょう。特に、区分マンションの複数所有は手軽に分散投資できる方法として有効です。賃貸ニーズの見込める都心部を中心に、新築と中古を組み合わせて所有すれば、安定した資産基盤を築くことができます。 
 
ベルテックスは、資産形成に関するご相談にも幅広く対応しています。不動産投資を活用した効率的な資産運用をご希望の方は、ぜひベルテックスまでご相談ください。 

この記事を書いた人

ベルテックスコラム事務局

不動産コンサルタント・税理士

不動産ソリューションの面白さや基礎、役に立つ情報や体験談などをフラットな目線で分かりやすくご紹介。宅建士・ファイナンシャルプランナー・税理士など有資格者の知見を生かしつつ、経験豊かなライターたちが不動産投資でおさえておきたいポイントをお届けします。